JP4097755B2 - パチンコ遊技機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ遊技機に関し、特に、打球発射操作用ハンドルにより打球を遊技面に発射して遊技を行う通常の遊技とは別に、遊技者の操作により遊技が進行する第二の遊技をも行い得るものに係わる。
【0002】
【従来の技術】
従来のパチンコ遊技機は、打球発射操作用ハンドルの回動操作により打球力を調整しつつ打球を遊技面に発射して入賞口に入賞させるものが一般的であり、近年、特定の入賞口(始動チャッカー)への入賞により、遊技面の中央部に設けられた可変画像表示部が可変表示を開始するものが主流をなしている。この可変画像表示部は、液晶ディスプレイ、ブラウン管(CRT)又は回転リール等を用いて三つの画面を表示し、それらの画面に表示された図柄が特定の組み合わせで停止したときに大当たりとするものであるが、その制御はパチンコ遊技機に装備されたマイクロコンピューターにより行われている。従って、遊技者は、打球発射操作用ハンドルにより打球を発射して始動チャッカーに入賞させることによって可変画像表示部を始動させること以外に遊技に参加できないようになっている。
【0003】
そこで、遊技者が遊技面への単なる打球供給だけでなく、遊技により参加できるようにするものが要請されており、この要請に答えたものとしては、例えば特開平6−178847号公報に開示されたものが知られている。この公報には、始動チャッカーに打球が入賞すると可変画像表示部上で特定のゲームがスタートし、遊技者がゲームを行うことができ、そのゲーム結果によってフィーバー状態として特典を与えるという、いわばパチンコとテレビゲームとを組み合わせたものと、可変画像表示部における特定の図柄の組み合わせでフィーバー状態とする遊技機において、遊技者が図柄の組み合わせを予め設定できるようにするものとが開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記公報のものの如く、一台のパチンコ遊技機において、打球を遊技面に発射して遊技を行う通常の遊技とは別に、遊技者の操作により遊技が進行する第二の遊技をも行い得るように構成する場合、打球発射操作用ハンドルとは別に、第二の遊技に遊技者が参加するための何らかの操作手段が必要であるが、この操作手段を操作するために、打球発射操作用ハンドルから手を放したり、両手を使用したりすれば遊技に集中し難くなるという問題がある。また、操作手段として押しボタンを打球発射操作用ハンドルに設けた場合には、遊技者は通常右手でハンドルを握ったままその手の人差し指等で押しボタンを頻繁に押す必要があり、疲労感を増す原因になる。
【0005】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、打球発射操作用ハンドルと別の操作手段を設けることなく、打球発射操作用ハンドルの軸方向移動に応じて第二の遊技が進行することにより、遊技者が煩雑さや疲労を感じることなく多様性に富んだ遊技を楽しむことが可能なパチンコ遊技機を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、請求項1に係る発明は、打球発射操作用ハンドルの回動操作により打球力を調整しつつ打球を遊技面に発射して遊技を行う第一遊技とは別に、遊技者の操作により遊技が進行する第二遊技を行い得るパチンコ遊技機において、上記打球発射操作用ハンドルを遊技機本体に対し、従来の如く回動可能とするだけでなく回動軸方向にスライド可能に取り付けるとともに、このハンドルの回動軸方向のスライド位置を検出する位置検出手段と、この位置検出手段により検出したスライド位置に応じて、上記第二遊技が第一遊技と独立並行して進行するように制御する制御手段とを備える構成とする。
【0007】
この構成により、遊技者は、打球発射操作用ハンドルの回動操作により打球力を調整しつつ打球を遊技面に発射して第一遊技を行うことができるとともに、同じハンドルの回動軸方向のスライド移動により第二遊技の進行を制御して、詳しくは第二遊技が第一遊技と独立並行して進行するように制御してその遊技に参加することができる。
【0008】
請求項2に係る発明は、上記第二遊技を、遊技面に設けられた可変画像表示部において、遊技者の操作に応じてゲームが進行するものとする。これにより、第二遊技がいわゆるテレビゲームとして多種多様なものとなり、若者向きの遊技を実現できる。
【0009】
請求項3に係る発明は、上記第一遊技をパチンコ遊技とし、上記第二遊技を、パチンコ遊技用の所定の入賞口が遊技者の操作に応じて遊技面内で移動するものとする。これにより、第二遊技がシンプルなものとなり、年配者向けの遊技を実現できる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0011】
図1は本発明の第一の実施形態に係るパチンコ遊技機Aの外観を示し、このパチンコ遊技機Aは、その本体1の前面側に遊技盤2、パチンコ玉投入皿3、打球発射操作用ハンドル4、パチンコ玉払出口5、受け皿6及び余剰玉放出口7を備えてなる。
【0012】
上記遊技盤2の表面のうちの遊技領域である遊技面2aには、天釘11a等の複数の障害釘11b(大部分は図示せず)、入賞口12及びチューリップ役物13等がそれぞれ所定の位置に配置されている。また、遊技面2aの中央部には、液晶ディスプレイからなる可変画像表示部14が配置されているとともに、この可変画像表示部14の下側に始動入賞口15と大きな開口を有する特別入賞口16とアウト玉を取り込むためのアウト口17とが略縦一列に配置されている。
【0013】
上記可変画像表示部14は、遊技面2aに発射された打球が始動入賞口15に入賞した時に三つの画面を横一列に表示し、それらの画面でそれぞれ数字等の複数種の図柄を可変表示した後、所定時間経過後に停止し、各々いずれか一つの図柄を表示するようになっており、可変画像表示部14の制御は、後述するパチンコ機本体制御部46により行われる。この制御部46は、打球が始動入賞口15に入賞した時点で抽選を行い、その抽選結果が「当たり」の場合には可変画像表示部14に特定の図柄の組み合わせ(例えば「7」「7」「7」)を表示する。また、この「当たり」の場合、制御部46は、可変画像表示部14を一つの画面としかつ遊技者の操作に応じてゲームが進行する第二遊技を表示するようになっている。従って、パチンコ遊技機Aは、打球発射操作用ハンドル4の回動操作により打球力を調整しつつ打球を遊技面2aに発射してパチンコ遊技を行う第一遊技とは別に、遊技者の操作により遊技が進行する第二遊技を行い得るようになっている。
【0014】
上記打球発射操作用ハンドル4は、図2及び図3に詳示するように、パチンコ機本体1に固定されたハンドル本体21と、このハンドル本体21の軸方向中間部に回動自在に設けられた円盤状の回動操作部材22と、この回動操作部材22のパチンコ機本体1側に隣接して設けられたタッチスイッチ23と、ハンドル本体21のパチンコ機本体1に面する側に突出して設けられた停止ボタン24とを備えている。
【0015】
上記回動操作部材22には、図4及び図5にも示すように、回動軸26の一端が回転一体に結合されている。この回動軸26は、パチンコ機本体1に回動自在にかつ軸方向に移動不能に支持され、パチンコ機本体1の背面側に延びる回動軸26の他端にはカム部材27等が回転一体に装着されており、カム部材27にはワイヤ28を介して打球発射装置30が連係されている。
【0016】
上記打球発射装置30は、支軸31回りに揺動可能に支持された打球発射レバー32と、このレバー32の支軸31側に回転一体に連結された円板33と、この円板33にS極とN極とを交互にかつ環状に配列してなる被駆動側永久磁石34とを備えている。また打球発射装置30は、図示していないが、上記被駆動側永久磁石34と対向しかつその永久磁石34と同様にS極とN極とを交互にかつ環状に配列してなる駆動側永久磁石と、この駆動側永久磁石と上記被駆動側永久磁石34との間に配置され両者の磁気吸引力及び磁気反発力を調整するための磁気遮断部材と、上記駆動側永久磁石を所定の角度毎に回転駆動するステッピングモータからならる駆動モータとを備えている。そして、駆動モータの作動により駆動側永久磁石が所定角度回転すると、それとの吸引作用により被駆動側永久磁石が同期して回転し、これと一体の打球発射レバー30が図5に示す位置にまで回動し、駆動側永久磁石が更に所定角度回転して被駆動側永久磁石34と同極で対向した時、打球発射レバー30はその反発力により被駆動側永久磁石34と共に図5に示す矢符b方向に急激に戻り、その先端の打球部32aで打球(パチンコ玉)を遊技面2aに向けて発射するようになっている。
【0017】
上記駆動モータは、打球発射操作用ハンドル4のタッチスイッチ23と停止ボタン24とによりオン・オフが切り替えられるようになっている。すなわち、遊技者がハンドル本体21を握ってタッチスイッチ23に触れると駆動モータがオン作動して打球を発射する一方、停止ボタン24を押すとオフ作動に切り替わり打球の発射が一時停止し、停止ボタン24を再度押すとその一時停止が解除される。また、上記磁気遮断部材はワイヤ28に連結されていて、打球発射操作用ハンドル4の回動操作部材22の回動操作に応じて駆動側永久磁石と上記被駆動側永久磁石34との間の磁気吸引力及び磁気反発力ひいては打球力を強弱に調整し得るようになっている。
【0018】
そして、本発明の特徴点として、上記打球発射操作用ハンドル4には、図3に示すようにその回動操作部材22の回動角度を検出する角度検出手段41が装備されている。この角度検出手段41は、回動軸26に設けられた被検出部42と、この被検出部42と対向してハンドル本体21の内面に取り付けられたリング状又は円弧状の検出部43と、この検出部43からの出力信号を受ける角度検出回路44とからなる。上記検出部43は、例えばホール素子等からなる磁気センサ、あるいはホトダイオード等からなる光センサであり、検出部43が磁気センサの場合被検出部42は磁性体であり、検出部43が光センサの場合被検出部42は反射面である。上記角度検出回路44は、ノイズを遮断するためのフィルターやアンプ等を有してなり、この角度検出回路44の出力信号としての角度検出信号は、制御手段としてのパチンコ機本体制御部46に入力される。
【0019】
上記パチンコ機本体制御部46は、図示していないがCPU、ROM及びRAM等を有するマイクロコンピューターからなる。この制御部46は、上述したように打球が始動入賞口15に入賞した時点で抽選を行い、その抽選結果が「当たり」の場合に可変画像表示部14に特定の図柄の組み合わせを表示し、しかる後、遊技者の操作に応じてゲームが進行する第二遊技を可変画像表示部14に表示するよう制御するようになっており、この制御は、具体的には図6及び図7に示すフローチャートに従って行われる。
【0020】
すなわち、図6に示すメインルーチンのフローチャートに従って、スタートした後、先ず、ステップS1で始動入賞口15に入賞球が有りか否かを判定し、入賞球が有りのYESのときには、ステップS2で可変表示モードを実行する。この可変表示モードは、可変画像表示部14に三つの画面を横一列に表示し、それらの画面でそれぞれ数字等の複数種の図柄を可変表示した後、所定時間経過後に停止し、各々いずれか一つの図柄を表示する。また、この可変表示モードでは、乱数発生器等を用いて抽選を行い、その抽選結果が「当たり」の場合には入賞として可変画像表示部14に特定の図柄の組み合わせで停止して表示する。そして、ステップS3で停止図柄の組み合わせが入賞であるか否かを判定し、その判定がYESの入賞のときには、ステップS4でハンドル操作制御モードを実行し、しかる後にリターンする。ステップS1又はステップS3での判定がNOのときにもそのままリターンする。
【0021】
ハンドル操作制御モードは、図7に示すサブルーチンのフローチャートに従って、可変画像表示部14に図8(a)〜(c)に示すいわゆるブロック崩しゲームのような画面を表示し、遊技者による打球発射操作用ハンドル4(詳しくは回動操作部材22)の回動操作角度に応じてゲームを進行する。すなわち、先ず、ステップS11で図8(a)に示すように擬似球51を出現させるとともに反射板52を表示する。擬似球51は、所定の速度で直進し、画面の上辺及び左右両辺では反射するが、画面の下辺では通過して画面上から消える。反射板52は、画面の下辺側に位置する水平ライン53上をハンドル4の回動操作角度に応じて左右に移動し、擬似球51が当たるとそれを反射する。
【0022】
そして、次のステップS12では反射板52で反射した擬似球51が画面上のいずれかの入賞ランク54に衝突したか否かを判定する。この判定がNOのとき、つまり擬似球51を反射板52で反射できずに擬似球51が画面上から消えたときには、反射操作ミスとしてゲームを終了する一方、判定がYESのときには、ステップS13で図8(b)に示すように衝突した入賞ランク54を点滅等により明示するとともにV入賞ゾーン55を表示する。V入賞ゾーン55は、上記反射板52の代わりに出現し、反射板52と同じく水平ライン53上をハンドル4の回動操作角度に応じて左右に移動し、擬似球51が当たるとそれをキャッチする。
【0023】
続いて、ステップS14で擬似球51がV入賞ゾーン55に入ったか否かを判定し、その判定がNOのときには、入球操作ミスとしてゲームを終了する一方、判定がYESのときには、ステップS15で入賞ランクによる大入賞口つまり特別入賞口16の開閉をする大当たりモードを実行し、しかる後にゲームを終了する。
【0024】
このように、上記実施形態のパチンコ遊技機Aにおいては、打球発射操作用ハンドル4の回動操作部材22を回動操作することにより、打球力を調整しつつ打球を遊技面2aに発射して各種入賞口12,13,15,16への入賞を競う通常のパチンコ遊技を行うことができるだけでなく、始動入賞口15への入賞時でかつ停止図柄が入賞したいわゆるスーパーリーチ時に遊技者が参加するタイプのゲームを行うことができるので、遊技の興趣を高めることができる。しかも、遊技者は単にハンドル4の回動操作だけで二種類の遊技をすることができるので、遊技の煩雑さや疲労感を感じることなく遊技を楽しむことができる。
【0025】
尚、この実施形態ではハンドル操作制御モードになったとき、ゲーム進行制御と打球発射制御との関係としては、下記の三つのいずれの方法を用いてもよい。
【0026】
(1)ハンドル操作制御モードの実行開始時つまりゲームの開始時に打球発射装置30の駆動モータの作動を自動的に停止して打球の発射を中止し、ゲームの進行のみを制御する。そして、ゲームが操作ミスで終了あるいは大入賞口開閉の大当たりモード(図7のステップS15)に移行した時に上記駆動モータを作動させて打球の発射を再開する。
【0027】
(2)ハンドル制御モードの実行中でも打球の発射を中止せず、ゲーム進行制御と打球発射制御とを同時並行して行う。但し、この場合、打球が例えば遊技面2aの天釘11aに当たる範囲内において、ハンドル4の回動操作角度に応じて反射板52又はV入賞ゾーン55が水平ライン53上を移動するように制御する。従って、打球をいわゆる右打ちにしているときはゲーム進行制御が働かなくなるので、遊技者は天釘11a付近に打球を発射しながらハンドル4を回動操作してゲームを行うことになる。
【0028】
(3)ハンドル操作制御モードの実行に先立って、可変画像表示部14での表示等により遊技者にハンドル4の停止ボタン24を押させて打球の発射を中止させるようにして、ゲームの進行のみを制御する。
【0029】
図9は本発明の第二の実施形態に係るパチンコ遊技機の打球発射操作用ハンドル部分の構造を示す。尚、パチンコ遊技機の打球発射操作用ハンドル部分以外の構成は、第一の実施形態におけるパチンコ遊技機Aのそれと同じであり、以下の説明では、適宜同一符号を用いて引用する。
【0030】
この第二の実施形態においては、打球発射操作用ハンドル60は、第一の実施形態における打球発射操作用ハンドル4のハンドル本体21と回動操作部材22とに各々相当する部分を一体成形してなるハンドル本体61と、このハンドル本体61の回動操作部材に相当する部分61aに隣接して設けられたタッチスイッチ62とを備え、外観上は第一の実施形態における打球発射操作用ハンドル4と略同一の形状に形成されている。
【0031】
上記ハンドル本体61の中心部には、回動軸63の一端部が嵌合する嵌合孔64と、この嵌合孔64と連続するばね収納室65とが形成されている。上記回動軸63は、第一の実施形態における回動軸26の場合と同じく、パチンコ機本体1に回動自在にかつ軸方向に移動不能に支持され、また図示していないがパチンコ機本体1の背面側でワイヤ等を介して打球発射装置と連係されている。この回動軸63とハンドル本体61の嵌合孔64とは、図10に拡大詳示するように、若干隙間を有した状態で嵌合しており、またキー溝66とそれに対応する突条部67とにより回り止め状態に係合している。従って、ハンドル本体61は、パチンコ機本体1に対し回動軸63と一体に回転可能にかつ回動軸63の軸線方向にスライド可能に取り付けられている。
【0032】
上記ばね収納室65にはハンドル本体61を回動軸63に密接する方向(図9で右方向)に付勢するための引張ばね68が配置されている。また、パチンコ機本体1には回動軸63と同心状に環状溝71が形成されている一方、ハンドル本体61にはこの環状溝71内にまで延出するスカート部72が形成されており、ハンドル本体61が引張ばね68の付勢力に抗して手前側(図9で左側)に最大限引き出されたときでもハンドル本体61とパチンコ機本体1との間の隙間が目立たないようになっている。
【0033】
上記スカート部72の先端には被検出部73が設けられている一方、上記環状溝71にはハンドル本体61のスライド移動に伴うこの被検出部73のスライド位置を検出する検出部74が設けられている。この検出部74は、第一の実施形態の検出部43と同じく磁気センサ又は光センサ等からなり、被検出部73は磁性体又は反射面等からなる。検出部74の信号は、フィルターやアンプ等を有してなる位置検出回路75に入力される。上記被検出部73と検出部74と位置検出回路75とにより、打球発射操作用ハンドル60(詳しくはハンドル本体61)の回動軸63方向のスライド位置を検出する位置検出手段76が構成されている。
【0034】
上記位置検出回路75の出力信号つまり位置検出手段76の検出信号は、制御手段としてのパチンコ機本体制御部77に入力される。このパチンコ機本体制御部77は、第一の実施形態のパチンコ機本体制御部46と同様に、打球が始動入賞口15に入賞した時点で抽選を行い、その抽選結果が「当たり」の場合に可変画像表示部14に特定の図柄の組み合わせを表示し、しかる後、遊技者による打球発射操作用ハンドル60のハンドル本体61のスライド操作に応じてゲームが進行する第二遊技を可変画像表示部14に表示するように制御する。
【0035】
従って、上記第二の実施形態においては、打球発射操作用ハンドル4のハンドル本体61を回動操作することにより、打球力を調整しつつ打球を遊技面2aに発射して各種入賞口12,13,15,16への入賞を競う通常のパチンコ遊技を行うことができ、また始動入賞口15への入賞時でかつ停止図柄が入賞したいわゆるスーパーリーチ時に、同じハンドル本体61を回動軸63方向にスライド操作することにより、遊技者が参加するタイプのゲームを行うことができるので、遊技者は遊技の煩雑さや疲労感を感じることなく遊技を楽しむことができる。
【0036】
その上、パチンコ遊技と遊技者参加タイプのゲームとは、ハンドル本体61の回動操作とスライド操作という別々の操作により全く同時並行して行うことができるので、遊技の興趣をより高めることができる。
【0037】
図11及び図12は本発明の第三の実施形態に係るパチンコ遊技機の始動入賞口付近の構造を示す。第一の実施形態の場合、始動入賞口15は遊技盤2に固定され、その上方に2本の障害釘11bが配置されているが(図1参照)、第三の実施形態では、4本の障害釘81が横一列にかつ不均一な間隔(L1>L2>L3)で配置され、始動入賞口82は、それらの障害釘81,81,…の下方で遊技者が入り易い箇所を選択できるように水平方向に移動可能に設けられている。
【0038】
すなわち、パチンコ機本体1に水平方向に長い略矩形状の開口部86が開口されており、始動入賞口82は、この開口部86を通してパチンコ機本体1の前面側から背面側まで延びかつ開口部86内を水平方向に移動可能に配置されている。パチンコ機本体1の前面側には始動入賞口82を挟んで左右一対の遮蔽部材87,87が配置されている。各遮蔽部材87は、一端が始動入賞口82の側壁に固定されたスライド板88と、このスライド板88の他端側をパチンコ機本体1の前面との間にスライド可能に支持するようにパチンコ本体1の前面に固定された固定板89とからなり、開口部86内における始動入賞口82の位置に拘らず開口部86が常に外部(パチンコ機の前面側)に露見しないようにしている。
【0039】
一方、上記始動入賞口82のパチンコ機本体背面側に延出する部分には落下口91が形成され、この落下口91から落下するパチンコ玉92は球排出通路93を通して回収されるようになっている。また、パチンコ機本体1の背面側には、始動入賞口82を開口部86内で水平方向に移動させる左右一対のアクチュエータ95,95が配置されている。各アクチュエータ95は、ソレノイド(図示せず)を内蔵するケーシング96内から延出するロッド97がソレノイドの電磁力により伸張・収縮動作をする構成になっており、ロッド97の先端は始動入賞口82の側壁に連結されている。このアクチュエータ95の作動はパチンコ機本体制御部(図示せず)により制御される。
【0040】
上記第三の実施形態の場合、打球を発射しながら始動入賞口82を移動させるようにするので、打球発射操作用ハンドルの構成及びパチンコ機本体制御部の制御としては、第二の実施形態の場合と同じく、打球発射操作用ハンドルをパチンコ機本体に対し回動軸方向にスライド可能に取り付け、そのハンドルの回動軸方向のスライド位置に応じて、始動入賞口82を左右に移動させるように制御することが望ましい。また、それにより、第二の実施形態の場合と同様な作用効果を発揮することができる。特に、この第三の実施形態では、遊技者参加タイプのゲームが始動入賞口82を左右に移動させるというシンプルでかつ興趣の高いものであるので、年配者向けの遊技機として有効である。
【0041】
図13は本発明の第四の実施形態に係るパチンコ遊技機の特別入賞部付近を示す。このパチンコ遊技機は、いわゆる羽根モノタイプのものであり、特定の入賞口に打球が入賞すると一対の開閉羽根101,101が左右に開放して、落下してくる球105を役モノ102内に拾うようになっている。役モノ102内には、その下辺に沿って横幅の広い入賞口103が固定して配置されているとともに、この入賞口103の上方位置で水平方向に移動可能な可動Vゾーン104が設けられている。
【0042】
上記可動Vゾーン104の移動機構は、図示していないが、第三の実施形態における始動入賞口82の移動機構と同じくパチンコ機本体の背面側に配置された電磁式のアクチュエータ等を備えてなる。また、そのアクチュエータの作動制御ひいては可動Vゾーン104の移動制御は、打球発射操作用ハンドルの回動軸方向のスライド位置に応じて行われる構成になっている。尚、図13中、106は役モノ102内の上部に設けられた継続回数表示器で、可動Vゾーン104への球の入賞により大当たり継続の回数を表示するものである。
【0043】
尚、本発明は上記第一ないし第四の実施形態に限定されるものではなく、その他種々の実施形態を包含するものである。例えば、各実施形態では、遊技者参加タイプのゲームとして反射板52、V入賞ゾーン55、始動入賞口82又は可動Vゾーン104が打球発射操作用ハンドル4,60の回動角度あるいは回動軸方向前後のスライド位置に応じて水平方向に移動するようにしたが、ゲームの内容に応じて、可動物を垂直方向に移動するようにしたり、あるいはハンドルの回動角度とスライド位置との組み合わせにより可動物を水平方向と垂直方向の両方に移動するようにしてもよい。
【0044】
また、上記第一の実施形態では、打球発射操作用ハンドル4(詳しくはその回動操作部材22)の回動を回動軸26からワイヤ28を介して打球発射装置30に伝達する構成のものについて述べたが、本発明は、ハンドルの回動をギヤ伝達機構又はこれに代わるものを介して打球発射装置に伝達するものにも同様に適用することができるのは勿論である。
【0045】
【発明の効果】
以上のように、本発明のパチンコ遊技機によれば、打球発射操作用ハンドルの操作だけで、打球力を調整しつつ打球を遊技面に発射して第一遊技を行うことができるとともに、第二遊技の進行を制御してその遊技に参加することができるので、遊技者は煩雑さや疲労を感じることなく多様性に富んだ遊技を楽しむことができ、遊技の興趣を高めることができる。
【0046】
特に、請求項2に係る発明では、第二遊技が遊技面に設けた可変画像表示部で展開される多種多様なテレビゲームであるので、若者向きの遊技を実現できる。また、請求項3に係る発明では、第二遊技が第一遊技としてのパチンコ遊技用の入賞口を遊技面内で移動させるシンプルなものであるので、年配者向けの遊技を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第一の実施形態に係るパチンコ遊技機の前面側を示す正面図である。
【図2】 上記パチンコ遊技機の打球発射操作用ハンドル付近を上方から見た平面図である。
【図3】 上記ハンドル部分の構造を一部切開して示す拡大側面図である。
【図4】 上記ハンドルの回動を打球発射装置側に伝達する機構の一部分の斜視図である。
【図5】 同機構の正面図である。
【図6】 ゲーム進行制御のメインルーチンを示すフローチャート図である。
【図7】 ハンドル操作制御モードのサブルーチンを示すフローチャート図である。
【図8】 ハンドル操作制御モードによるゲームの内容を説明するための図である。
【図9】 本発明の第二の実施形態を示す図3相当図である。
【図10】 図9のX−X線における拡大断面図である。
【図11】 本発明の第三の実施形態に係るパチンコ遊技機の始動入賞口付近の前面側を示す正面図である。
【図12】 図11のY−Y線における断面図である。
【図13】 本発明の第四の実施形態に係るパチンコ遊技機の特別入賞部付近の前面側を示す正面図である。
【符号の説明】
A パチンコ遊技機
1 パチンコ機本体(遊技機本体)
4,60 打球発射操作用ハンドル
14 可変画像表示部
15,82 始動入賞口
22 回動操作部材
26,63 回動軸
30 打球発射装置
41 角度検出手段
46,77 パチンコ機本体制御部(制御手段)
52 反射板
55 V入賞ゾーン
76 位置検出手段
104 可動Vゾーン
Claims (3)
- 打球発射操作用ハンドルの回動操作により打球力を調整しつつ打球を遊技面に発射して遊技を行う第一遊技とは別に、遊技者の操作により遊技が進行する第二遊技を行い得るパチンコ遊技機であって、
上記打球発射操作用ハンドルは、遊技機本体に対し回動軸方向にスライド可能に取り付けられており、
このハンドルの回動軸方向のスライド位置を検出する位置検出手段と、
この位置検出手段により検出したスライド位置に応じて、上記第二遊技が第一遊技と独立並行して進行するように制御する制御手段とを備えたことを特徴とするパチンコ遊技機。 - 上記第二遊技は、遊技面に設けられた可変画像表示部において、遊技者の操作に応じてゲームが進行するものである請求項1記載のパチンコ遊技機。
- 上記第一遊技はパチンコ遊技であり、上記第二遊技は、パチンコ遊技用の所定の入賞口が遊技者の操作に応じて遊技面内で移動するものである請求項1記載のパチンコ遊技機。
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