JP4097184B2 - Fpc基板搬送用パレット及びfpc基板への半導体チップ実装方法 - Google Patents

Fpc基板搬送用パレット及びfpc基板への半導体チップ実装方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、FPC基板搬パレット及びFPC基板への半導体チップ実装方法に係り、詳しくはFPC基板に半導体チップを実装するときに使用するFPC基板搬パレット及びFPC基板への半導体チップ実装方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
FPC基板(Flexible Printed Circuit基板)は厚みが薄く、柔軟性に富んでいるために近年、小型電子機器の回路を構成する基材として中心的な役割を果たしている。しかし、FPC基板は強度、平坦度、熱収縮性等の特性から、半導体チップの実装については、紙フェノール基板やガラスエポキシ基板と同様に取り扱うことができない。このため、ステンレス材等で作成された搬送パレットの上に、FPC基板を位置決めして接着テープで貼り付け、ステンレス板を補強板として使用することによって半導体チップを実装する方法が採用されている。また、特開平9−237995号公報には粘着剤でFPC基板を搬送パレットに仮固定することが開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、FPC基板を搬送パレットに位置決めして接着テープで貼るという作業は手作業となるため、作業効率が低下するという問題がある。また、接着テープを剥がした後の糊残りは品質上好ましくない。また、接着テープは使い捨てで使用するので経済的に好ましくないという問題がある。
【0004】
本発明はかかる背景のもとになされたものであって、その目的は、作業効率よく経済的にFPC基板へ半導体チップを実装できるFPC基板搬パレット及びFPC基板への半導体チップ実装方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、非伸縮性の支持体と、FPC基板をその上に密着固定させるためのシリコーンエラストマー層と、の積層板からなるFPC基板搬送用パレットにおいて、前記シリコーンエラストマー層は、動的粘弾性測定により周波数10Hz、温度20°Cで測定したせん断弾性率G'が5.0×10Pa〜5.0×10Paの範囲にある。
【0006】
この発明では、シリコーンエラストマーの粘着性を利用して、接着テープ無しでFPC基板を搬送パレットに密着できる。また、接着テープを使わないためFPC基板を搬送パレットから除去しても糊残りがない。また、シリコーンエラストマーは耐熱性に優れるため、本搬送パレットは繰り返し使用できる。
【0007】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の発明において、前記シリコーンエラストマーは、JIS R 2618に準拠して測定した熱伝導率が0.4W/m・K以上である。例えば熱伝導率が低すぎると、実装時の加熱工程において搬送パレット上に温度むらが発生する虞がある。しかし、この発明ではシリコーンエラストマーの熱伝導率が高いため、実装時の加熱工程において搬送パレット上に温度むらが発生することを防止できる。
【0008】
請求項3に記載の発明では、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記シリコーンエラストマーは、JIS K 7194に準拠して4探針法で測定した体積抵抗率が1.0×1010Ω・cm以下である。例えばシリコーンエラストマーの体積抵抗率が高すぎると、静電気によりシリコーンエラストマーの表面に埃が付着し易くなる虞がある。しかし、この発明ではシリコーンエラストマーの体積抵抗率が低いため、導電性が良くなり、静電気による埃の付着を防止できる。
【0009】
請求項4に記載の発明では、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の発明において、FPC基板との位置合わせ用の孔又は凹部が形成されている。この発明では、FPC基板を搬送パレットの所定位置に例えばピン等で容易に位置合わせできる。
【0010】
請求項5に記載の発明では、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の発明において、実装装置の載置部との位置合わせ用の孔明け加工が施されている。この発明では、搬送パレットを実装装置の載置部の所定位置に例えばピン等で容易に位置合わせできる。
【0011】
請求項6に記載の発明では、請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の発明において、前記非伸縮性の支持体がステンレス板、アルミニウム板、マグネシウム合金板、ガラス繊維含浸エポキシ板及びガラス繊維含浸ポリエステル板のいずれか一つからなる。この発明では、入手しやすい板で非伸縮性の支持体を形成できる。
【0012】
請求項7に記載の発明では、請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載のFPC基板搬送パレットを使用し、そのシリコーンエラストマーの粘着性を利用してFPC基板を密着固定した後、そのFPC基板に半導体チップを実装する。この発明では、接着テープを使用せずにFPC基板を固定でき、作業効率よく経済的にFPC基板へ半導体チップを実装できる。
【0013】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
以下、本発明を具体化した第1の実施の形態を図1及び図2に従って説明する。
【0014】
図1(b)は搬送パレットの模式平面図を示し、図1(a)は図1(b)のIA−IA線模式断面図を示す。
図1(a)に示すように、搬送パレット11は、補強板としての非伸縮性の支持体12と、シリコーンエラストマー層13との積層板として形成されている。この実施の形態では、非伸縮性の支持体12はアルミニウム板(アルミ板)である。
【0015】
図1(a)、(b)に示すように、搬送パレット11には、実装装置の載置部との位置合わせ用孔14と、FPC基板15(図1(b)で二点鎖線で図示)との位置合わせ用孔16とが形成されている。位置合わせ用孔14は、搬送パレット11の長手方向の両端部に形成されており、非伸縮性の支持体12及びシリコーンエラストマー層13を貫通している。位置合わせ用孔16も非伸縮性の支持体12及びシリコーンエラストマー層13を貫通している。位置合わせ用孔16は搬送パレット11に複数形成されている。この実施の形態では、搬送パレット11の面積は、例えばFPC基板15を6枚密着可能な広さになっている。位置合わせ用孔16は、その一対が、FPC基板の一方の対角線上の角部に対応する位置に形成されている。
【0016】
シリコーンエラストマー層13を構成するシリコーンエラストマーは、次に示すようなシロキサン骨格を有するポリオルガノシロキサンを架橋することにより得られるエラストマーである。
【0017】
【化1】
Figure 0004097184
このシリコーンエラストマーは、Rのすべてがメチル基であるポリジメチルシロキサンをはじめ、メチル基の一部が他のアルキル基、ビニル基、フェニル基、フルオロアルキル基などの一種あるいはそれ以上と置換された各種のポリオルガノシロキサンを単独あるいは2種類以上ブレンドしたものである。
【0018】
架橋方法は特に限定されるものではなく、従来より公知の方法が適用できる。例えば、ポリオルガノシロキサンのメチル基あるいはビニル基をラジカル反応で架橋する方法が挙げられる。また、シラノール末端ポリオルガノシロキサンと、加水分解可能な官能基を有するシラン化合物との縮合反応で架橋する方法や、ビニル基へのヒドロシリル基の付加反応で架橋する方法などが挙げられる。
【0019】
シリコーンエラストマー層13と非伸縮性の支持体12との接着は、一般にシリコーンエラストマー層と他の材料との接合法として実施されている公知の方法による。この実施の形態では、非伸縮性の支持体12に適当なプライマー処理を施した後、未架橋のシリコーンエラストマー層を形成して、いわゆる加硫接着させている。
【0020】
シリコーンエラストマー層13は、動的粘弾性測定により周波数10Hz、温度20°Cで測定したせん断弾性率G’が5.0×105Pa〜5.0×106Paの範囲にあるように形成されている。
【0021】
せん断弾性率G’が低すぎると、シリコーンエラストマーが軟らかすぎてシリコーンエラストマー層13とFPC基板15との密着力が大きく、FPC基板15の取り外しが困難となる。反対にせん断弾性率G’が高すぎると、シリコーンエラストマーが硬過ぎて、シリコーンエラストマー層13とFPC基板15との密着力が小さく、FPC基板の位置決めが困難となる。せん断弾性率G’が上記の範囲にあるようにシリコーンエラストマー層13を形成することにより、シリコーンエラストマー層13は、その密着力を適切な大きさにできる。シリコーンエラストマー層13の目的のせん断弾性率G’は、ポリオルガノシロキサンの種類、分子量、補強性フィラーなど、シリコーンエラストマーの組成と架橋度を適当に調整することによって得られる。
【0022】
FPC基板15への半導体チップの実装工程では、概略200°C〜240°C、最近の脱鉛半田の場合は280°C程度まで温度が上昇する可能性がある。このため、シリコーンエラストマー層13はせん断弾性率G’等の物性値がこれらの温度まで上記の範囲にあることが望ましい。
【0023】
次に、上記構成の搬送パレット11を使用したFPC基板15への半導体チップ実装方法を説明する。
図2に示すように、実装装置の載置部31には、搬送パレット11の位置合わせ用孔14と対応するように凹部32が形成されている。搬送パレット11は、非伸縮性の支持体12を実装装置の載置部31と向かい合わせて実装装置の載置部31上に配置する。そして、ピン33を位置合わせ用孔14に貫通させて凹部32に係合させることにより、実装装置の載置部31に対して搬送パレット11を位置合わせして取り付ける。
【0024】
FPC基板15には、位置合わせ用孔16と対応する位置に貫通孔34が形成されている。貫通孔34及び位置合わせ用孔16をピン35で貫通することによりFPC基板15を搬送パレット11に位置合わせし、せん断弾性率G’が上記の範囲にあるシリコーンエラストマー層13の密着力によりFPC基板15を搬送パレット11に固定する。
【0025】
次に、加熱リフローソルダリング工程により、図示しない半導体チップをFPC基板15に実装する。その後、FPC基板15を搬送パレット11から取り外し、実装工程を終了する。搬送パレット11には次のFPC基板15を密着し、同様に半導体チップの実装工程を繰り返す。
【0026】
(実施例及び比較例)
以下、実施例及び比較例によりさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0027】
実施例1及び比較例1の搬送パレット11では、非伸縮性の支持体12は厚さ0.8mmのアルミ板で形成し、シリコーンエラストマー層13の厚さは200μmに形成した。そして、シリコーンエラストマー層13の周波数10Hz、温度20°Cで測定したせん断弾性率G’の値が以下の値となるように形成した。
実施例1 : 1.5×106Pa
比較例1 : 1.0×107Pa
実施例1及び比較例1の両搬送パレット11に、実装装置の載置部31との位置合わせ用孔14及びFPC基板15との位置合わせ用孔16を形成した。そして、搬送パレット11の所定の位置にFPC基板15を密着し、加熱リフローソルダリング工程を行った。
【0028】
その結果、実施例1では、半導体チップを位置ずれなく正常に実装できた。また、搬送パレットは繰返し使用することが可能であった。また、比較例1では、加熱リフローソルダリング工程においてFPC基板15がシリコーンエラストマー層13から浮いてしまい、実装不具合が発生した。
【0029】
この実施の形態によれば、以下のような効果を有する。
(1) 搬送パレット11は非伸縮性の支持体12とシリコーンエラストマー層13との積層体であり、シリコーンエラストマー層13は、動的粘弾性測定により周波数10Hz、温度20°Cで測定したせん断弾性率G’が5.0×105Pa〜5.0×106Paの範囲にあるように形成されている。従って、シリコーンエラストマーの粘着性を利用して、接着テープ無しでFPC基板15を搬送パレット11に密着固定でき、接着テープを使わないためFPC基板15を搬送パレット11から除去しても糊残りがない。よって、作業効率よくFPC基板15への半導体チップの実装を行うことができる。
【0030】
(2) FPC基板15への半導体チップの実装時に加熱リフローソルダリング工程等で高温になっても、シリコーンエラストマー層13は耐熱性に優れるため、劣化しにくい。よって、本搬送パレット11は繰り返して使用でき、経済的である。
【0031】
(3) シリコーンエラストマー層13と非伸縮性の支持体12とは強固に接着されているため、使用中に剥離する虞がない。また、位置合わせ用孔14の形成加工等を施しても、加工端面に剥離が生じることはない。
【0032】
(4) 搬送パレット11にはFPC基板15との位置合わせ用孔16が形成されている。従って、FPC基板15に形成した貫通孔34と、位置合わせ用孔16とをピン35で貫通することによりFPC基板15を搬送パレット11の所定位置に容易に位置合わせできる。
【0033】
(5) 搬送パレット11には実装装置の載置部31との位置合わせ用孔14が形成されている。従って、ピン33で搬送パレット11を実装装置の載置部31の所定位置に容易に位置合わせできる。
【0034】
(6) 非伸縮性の支持体12がアルミニウム板であるため、入手しやすい板で非伸縮性の支持体12を形成できる。また、ステンレス板等に比べて軽く、取扱いやすい。
【0035】
(第2の実施の形態)
次に、第2の実施の形態を説明する。この実施の形態ではシリコーンエラストマー層を、上記の方法で測定したせん断弾性率G’が5.0×105Pa〜5.0×106Paの範囲にあることに加えて、JIS R 2618に準拠して測定した熱伝導率が0.4W/m・K以上であるように形成した点が前記実施の形態と異なっている。前記実施の形態と同様の部分については同一番号を付けて、その詳細な説明を省略する。
【0036】
シリコーンエラストマー層13の目的の熱伝導率は、例えば高熱伝導性のフィラーをシリコーンエラストマーに添加することによって得る。例えばシリコーンエラストマー層13の熱伝導率が低すぎると、実装時の加熱リフローソルダリング工程等の加熱工程において搬送パレット11上に温度むらが発生する虞がある。しかし、シリコーンエラストマー層13の特性を上記のように形成することによって熱伝導性が良くなり、実装時の加熱工程において搬送パレット11上に温度むらが発生しにくくなる。
【0037】
(実施例及び比較例)
実施例2、比較例2及び比較例3の各搬送パレット11は、シリコーンエラストマー層13の物性値以外は実施例1や比較例1と同様である。そして、シリコーンエラストマー層13の周波数10Hz、温度20°Cで測定したせん断弾性率G’や、JIS R 2618に準拠して測定した熱伝導率が次の値となるように形成した。
実施例2
せん断弾性率G’: 2.0×106Pa
熱伝導率 : 0.8W/m・K
比較例2
せん断弾性率G’: 1.0×107Pa
熱伝導率 : 0.3W/m・K
比較例3
せん断弾性率G’: 2.0×106Pa
熱伝導率 : 0.3W/m・K
実施例2、比較例2及び比較例3の各搬送パレット11も、実施例1と同様に位置合わせ用孔14及び位置合わせ用孔16を形成してFPC基板15を密着し、加熱リフローソルダリング工程を行った。その結果、実施例2及び比較例3の搬送パレット11は実施例1と同様に半導体チップを正常に実装でき、比較例2では実装不具合が発生した。また、実施例2では、比較例2及び比較例3に比べて搬送パレット11上で温度むらが発生しにくかった。
【0038】
この実施の形態によれば、前記実施の形態の(1)〜(6)の効果の他に、以下のような効果を有する。
(7) シリコーンエラストマー層13は、動的粘弾性測定により周波数10Hz、温度20°Cで測定したせん断弾性率G’が5.0×105Pa〜5.0×106Paの範囲にあり、JIS R 2618に準拠して測定した熱伝導率が0.4W/m・K以上に形成されている。この構成により、シリコーンエラストマー層13の熱伝導性を良くし、実装時の加熱工程において搬送パレット11上に温度むらが発生することを防止できる。
【0039】
(第3の実施の形態)
次に、第3の実施の形態を説明する。この実施の形態ではシリコーンエラストマー層を、上記のせん断弾性率G’が5.0×105Pa〜5.0×106Paの範囲にあることに加えて、JIS K 7194に準拠して4探針法で測定した体積抵抗率が1.0×1010Ω・cm以下になるように形成した点が前記実施の形態と異なっている。前記実施の形態と同様の部分については同一番号を付けて、その詳細な説明を省略する。
【0040】
シリコーンエラストマー層13の目的の体積抵抗率は、例えば導電性のフィラーをシリコーンエラストマーに添加することによって得る。例えばシリコーンエラストマー層13の体積抵抗率が高すぎると、シリコーンエラストマー層13の表面に埃が付着し易くなる虞があり、製造工程上好ましくない。しかし、シリコーンエラストマー層13の特性を上記のように形成することによって導電性が良くなり、静電気による埃の付着が防止される。
【0041】
(実施例及び比較例)
実施例3、実施例4、比較例4及び比較例5の各搬送パレット11は、シリコーンエラストマー層13の物性値以外は実施例1や比較例1と同様である。そして、シリコーンエラストマー層13の周波数10Hz、温度20°Cで測定したせん断弾性率G’や、JIS K 7194に準拠して4探針法で測定した体積抵抗率が次の値となるように形成した。
実施例3
せん断弾性率G’: 3.0×106Pa
体積抵抗率 : 2.0×103Ω・cm
実施例4
せん断弾性率G’: 3.0×106Pa
体積抵抗率 : 1.0×108Ω・cm
比較例4
せん断弾性率G’: 1.0×107Pa
体積抵抗率 : 1.0×1016Ω・cm
比較例5
せん断弾性率G’: 2.0×106Pa
体積抵抗率 : 1.0×1016Ω・cm
実施例3、実施例4、比較例4及び比較例5の各搬送パレット11も、実施例1と同様にFPC基板15を密着して加熱リフローソルダリング工程を行った。その結果、実施例3、実施例4及び比較例5の搬送パレット11は実施例1と同様に半導体チップを正常に実装でき、比較例4では実装不具合が発生した。また、実施例3及び実施例4では、比較例4及び比較例5に比べて埃が付着しにくかった。
【0042】
この実施の形態によれば、前記実施の形態の(1)〜(6)の効果の他に、以下のような効果を有する。
(8) シリコーンエラストマー層13は、動的粘弾性測定により周波数10Hz、温度20°Cで測定したせん断弾性率G’が5.0×105Pa〜5.0×106Paの範囲にあり、JIS K 7194に準拠して4探針法で測定した体積抵抗率が1.0×1010Ω・cm以下に形成されている。この構成により、シリコーンエラストマー層13の導電性を良くして静電気による埃の付着を防止できる。
【0043】
なお、実施の形態は上記各実施の形態に限定されるものではなく、例えば以下のように変更してもよい。
○ シリコーンエラストマー層13は、その熱伝導率と体積抵抗率との両方が上記の範囲にあるように形成してもよい。目的の熱伝導率及び体積抵抗率は、高熱伝導性のフィラー及び導電性のフィラーの両方をシリコーンエラストマーに添加することによって得る。
【0044】
○ シリコーンエラストマー層13は、JIS R 2618に準拠して測定した熱伝導率を0.4W/m・K以上に形成しなくてもよいが、実装時の加熱工程における搬送パレット11上の温度むらの発生を防止できるように、上記の熱伝導率を0.4W/m・K以上に形成するのが望ましい。
【0045】
○ シリコーンエラストマー層13は、JIS K 7194に準拠して4探針法で測定した体積抵抗率を1.0×1010Ω・cm以下に形成しなくてもよいが、静電気による埃の付着を防止できるように、上記の体積抵抗率を1.0×1010Ω・cm以下に形成するのが望ましい。
【0046】
○ シリコーンエラストマー層13は、せん断弾性率G’、熱伝導率、体積抵抗率等の物性値が概略200°C〜240°C、最近の脱鉛半田の場合は280°C程度まで上記の範囲にあるように形成されることに限られない。例えば、加熱リフローソルダリング工程等で温度が200°Cまで上昇しないのであれば、シリコーンエラストマー層13の物性値が上記の範囲に保たれる温度を200°Cより下にしてもよい。
【0047】
○ 搬送パレット11に密着固定したFPC基板15に半導体チップを実装する工程は加熱リフローソルダリング工程に限定されず、その他の工程、例えばフローソルダリング工程(ウェーブソルダリング工程)等で搬送パレット11を使用してもよい。
【0048】
○ ピン35でFPC基板15を搬送パレット11の所定位置に位置合わせする場合、搬送パレット11には孔16が形成される構成に限られず、例えば凹部を形成してもよい。この凹部は、シリコーンエラストマー層13を貫通して非伸縮性の支持体12の途中まで達するような深さに形成する。
【0049】
○ 図3に示すように、FPC基板15において位置合わせ用孔16と対応する位置に凸部42がプレス成形法などにより形成されている場合には、凸部42を位置合わせ用孔16に係合させることにより、FPC基板15を搬送パレット11の所定位置に位置合わせしてもよい。
【0050】
○ FPC基板15に凸部42が形成されている場合、凸部42を係合するために搬送パレット11に形成されるのは孔16に限られず、凹部であってもよい。この凹部は、通常はシリコーンエラストマー層13を貫通して非伸縮性の支持体12の途中まで達するような深さに形成するが、非伸縮性の支持体12まで達しない深さに形成しても構わない。
【0051】
○ FPC基板15を搬送パレット11の所定位置に位置合わせする構成は、ピン35のみや、凸部42と位置合わせ用孔16との係合のみによって行われる構成に限られず、FPC基板15を、ピン35及び凸部42の両方で位置合わせする構成でもよい。例えばFPC基板15に貫通孔34と凸部42とを1個ずつ形成する。
【0052】
○ 搬送パレット11にはFPC基板15との位置合わせ用孔16や凹部が形成されなくてもよいが、それらを形成すると、FPC基板15を搬送パレット11の所定位置に容易に位置合わせできる。
【0053】
○ 搬送パレット11には実装装置の載置部31との位置合わせ用孔14が形成されなくてもよいが、位置合わせ用孔14を形成すると、搬送パレット11を実装装置の載置部31の所定位置に容易に位置合わせできる。
【0054】
○ 非伸縮性の支持体12はアルミ板に限られず、例えば、ステンレス板、マグネシウム合金板といった金属板や、ガラス繊維含浸エポキシ板、ガラス繊維含浸ポリエステル板等のプラスチック板でもよい。また、機械的強度、耐熱性、平滑性が充分であれば、非伸縮性の支持体12は他の材料であっても使用可能であるが、前記のステンレス板等の金属板や、ガラス繊維含浸エポキシ板等のプラスチック板が特に好適である。
【0055】
○ シリコーンエラストマー層13のせん断弾性率G’を目的の値にする方法は、シリコーンエラストマーの組成と架橋度を適当に調整することに限られない。例えば、複数の市販シリコーンコンパウンドを任意にブレンドすることによって目的のせん断弾性率G’にしてもよい。
【0056】
○ シリコーンエラストマー層13と非伸縮性の支持体12との接合法は、前記の加硫接着に限られず、例えば、架橋したシリコーンエラストマーシートをシリコーン系接着剤で非伸縮性の支持体12に接着する方法でもよい。
【0057】
○ シリコーンエラストマー層13には、シリコーンエラストマー組成物に従来添加することが知られている添加剤を本発明のせん断弾性率G’、熱伝導率や体積抵抗率等の物性を損なわない範囲で添加してもよい。これらの添加剤として、例えばヒュームドシリカ、沈降性シリカ、石英粉などの酸化ケイ素の他、珪藻土、炭酸カルシウム、カーボンブラック、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、窒化ホウ素、酸化鉄などが挙げられる。
【0058】
○ 搬送パレット11に密着固定されるFPC基板は6枚に限られず、搬送パレット11やFPC基板15の大きさによって適宜変更してもよい。例えばFPC基板15が大きい場合には、搬送パレット11に密着できるFPC基板15の数が少なくなる。また、搬送パレット11が大きければ、密着できるFPC基板15の数が多くなる。位置合わせ用孔16は、FPC基板15と対応する位置に適宜変更して形成する。
【0059】
○ 位置合わせ用孔16が形成される位置は、FPC基板15の一方の対角線上の角部に対応する位置に限られない。
○ 位置合わせ用孔14が形成される位置は、搬送パレット11の長手方向の両端部に限られない。
【0060】
【発明の効果】
以上詳述したように請求項1〜請求項7に記載の発明によれば、作業効率よく経済的にFPC基板へ半導体チップを実装できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は(b)のIA−IA線模式断面図、(b)は搬送パレットの模式平面図。
【図2】 作用を示す模式断面図。
【図3】 別例を示す部分模式断面図。
【符号の説明】
11…搬送パレット、12…非伸縮性の支持体、13…シリコーンエラストマー層、14…実装装置の載置部との位置合わせ用孔、16…FPC基板との位置合わせ用孔。

Claims (7)

  1. 非伸縮性の支持体と、FPC基板をその上に密着固定させるためのシリコーンエラストマー層と、の積層板からなるFPC基板搬送用パレットにおいて、前記シリコーンエラストマー層は、動的粘弾性測定により周波数10Hz、温度20°Cで測定したせん断弾性率G'が5.0×10Pa〜5.0×10Paの範囲にあるFPC基板搬パレット。
  2. 前記シリコーンエラストマーは、JIS R 2618に準拠して測定した熱伝導率が0.4W/m・K以上である請求項1に記載のFPC基板搬パレット。
  3. 前記シリコーンエラストマーは、JIS K 7194に準拠して4探針法で測定した体積抵抗率が1.0×1010Ω・cm以下である請求項1又は請求項2に記載のFPC基板搬パレット。
  4. FPC基板との位置合わせ用の孔又は凹部が形成された請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のFPC基板搬パレット。
  5. 実装装置の載置部との位置合わせ用の孔明け加工が施された請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載のFPC基板搬パレット。
  6. 前記非伸縮性の支持体がステンレス板、アルミニウム板、マグネシウム合金板、ガラス繊維含浸エポキシ板及びガラス繊維含浸ポリエステル板のいずれか一つからなる請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載のFPC基板搬パレット。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載のFPC基板搬送パレットを使用し、そのシリコーンエラストマーの粘着性を利用してFPC基板を密着固定した後、そのFPC基板に半導体チップを実装するFPC基板への半導体チップ実装方法。
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