JP2004356145A - 部品実装フレキシブル回路基板 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、フレキシブル回路基板を曲げた際に、封止材のエッジ部への応力集中により、基材表面に配線された導電性回路にクラックが発生して導通不良を起こすのを防止できる部品実装フレキシブル回路基板を提供する。
【解決手段】フレキシブル回路基板の部品実装部の裏面に、封止材の領域よりも大きい領域を有する補強板を接着することにより、封止材のエッジ部に応力が集中しなくなり、基材表面に配線された導電性回路にクラックが発生して導通不良を起こすのを防ぐことができる。また、補強板は他の補強板とお互いに不連続に接着されるため、フレキシブル回路基板全体としての可撓性低下は抑えられる。
【選択図】 図1
【解決手段】フレキシブル回路基板の部品実装部の裏面に、封止材の領域よりも大きい領域を有する補強板を接着することにより、封止材のエッジ部に応力が集中しなくなり、基材表面に配線された導電性回路にクラックが発生して導通不良を起こすのを防ぐことができる。また、補強板は他の補強板とお互いに不連続に接着されるため、フレキシブル回路基板全体としての可撓性低下は抑えられる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリエチレンテレフタレート(PET)等からなる可撓性のある基板の表面にチップ部品を実装することにより構成されたフレキシブル回路基板、例えばメンブレン基板に関し、特に部品実装部の曲げに対する導電性回路の耐クラック性を向上させた部品実装フレキシブル回路基板に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のメンブレン基板は、例えば図2に示すように構成されている(例えば、特許文献1参照)。即ち、図2においてメンブレン基板21は、PETからなるフィルム状の基材22と、該基材の表面に形成された導電性回路23と、該導電性回路23の上から該基材22上に形成されたレジスト層25と、該レジスト層25の切り欠き穴24内に露出した部品実装部の導電性回路23に塗布された導電性接着剤26と、該導電性接着剤26により導電性回路23と電気導通可能に接続されたチップ部品27と、該チップ部品27の電気接続部と前記レジスト層25の切り欠き穴24内に露出している導電性回路23および前記レジスト層25の切り欠き穴24周辺を覆うように塗布された封止材28と、から構成されている。ここで、封止材28はチップ部品27の電気接続部と導電性回路23の露出部を覆うことにより電気絶縁を図るとともにチップ部品27の基材22への固着を強化している。
そして、このような基板はPETなどのフィルム状の基材を用いているため、基材自身が柔らかく、可撓性を有しており、機器内部配線として曲げたりして使用されている。
【0003】
【特許文献1】
特開平8−125305号公報(第4頁、図2)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のメンブレン基板21は、基材22の可撓性はあるものの封止材28の硬度が高く、基材22を曲げた際に封止材28で固着した部分が曲げに追随できず、特に封止材28のエッジ部に曲げ応力が集中し、該エッジ部下に配設された導電性回路にクラックが発生し、電気導通不能になる恐れがある。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたもので、部品実装部を曲げた際の導電性回路の耐クラック性を向上させた部品実装フレキシブル回路基板を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するために、
請求項1にかかる発明は、可撓性を有する基板の一方の面に導電性回路と実装部品を有し、前記導電性回路と前記実装部品とが電気的に接続されるとともに封止材で固着強化された部品実装フレキシブル回路基板において、前記基板の他方の面上に、前記封止材の領域よりも大きい領域において補強板を有することを特徴とする部品実装フレキシブルである。
【0006】
請求項2にかかる発明は、前記補強板が金属箔、プラスチックシート、ゴムシートなどの成形品を接着したものであることを特徴とする請求項1記載の部品実装フレキシブル回路基板である。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例にかかる部品実装フレキシブル回路基板について添付図面を参照して具体的に説明する。なお、本発明は、下記実施の形態に限定されず、各種変更が可能である。
図1は本発明の実施例にかかる部品実装フレキシブル回路基板の断面図である。なお、図1は部品を実装した代表的部分のみを示したものである。
【0008】
図1に示すように、本発明の部品実装フレキシブル回路基板1は、PET等からなる基材2の一方の面上に形成された導電性回路3と、該導電性回路3の上に形成され、部品実装部に切り欠き穴4を有するレジスト層5と、該レジスト層5の切り欠き穴4内に露出した部品実装部の導電性回路3に塗布された導電性接着剤6と、該導電性接着剤6により導電性回路3と電気導通可能に接続されたチップ部品7と、該チップ部品7の電気接続部と前記レジスト層5の切り欠き穴4内に露出している導電性回路3および前記レジスト層5の切り欠き穴4周辺を覆うように塗布された封止材8と、チップ部品7が実装された基材2の他方の面に接着され、チップ部品7が実装された領域よりも大きい領域を有する補強板9と、から構成されている。
【0009】
フレキシブル回路基板1の基材2は可撓性が要求されるとともに回路形成用導電性ペーストを印刷後、導電性ペースト中に含まれる溶剤をIR炉やBOX炉で加熱して揮発させるために耐熱性が要求される。そこで、一般的にはポリエステル系フィルムのポリエチレンテレフタレート(PET)のフィルム状シートが用いられ、シートの厚さは、用途によって適宜選択されるが、50μm〜100μmの厚さのものが一般に用いられている。
【0010】
導電性回路3は基材2の表面に銀ペーストやカーボンペーストまたは両者の混合ペースト等の導電性ペーストをスクリーン印刷等で印刷して形成される。導電性ペーストは通常溶剤を含むのもが多く、前述のように印刷後直ちにIR炉やBOX炉で乾燥されなければならない。なお、導電性回路3の配線パターンは用途に応じて適宜設計される。
【0011】
レジスト層5は導電性回路3を湿度や埃などの環境から保護するための永久マスクとして使用されるが、導電性ペーストや導電性接着剤を乾燥させるときの加熱に耐えるために絶縁性ソルダーレジストが用いられる。レジスト層5はスクリーン印刷により、所望の厚さに形成されるが、チップ部品7を実装する部分は予め避けて形成される。
【0012】
導電性接着剤6は前述の導電性ペーストと同様に樹脂をベースに金属やカーボン等の導電性粒子を配合したペースト状の導電性樹脂であり、高い導電性と接着強度が要求されることからエポキシ系のものが多い。導電性粒子としては、金、銀、ニッケル、カーボンなどが用いられているが、銀は高価であることとマイグレーションの問題があるため用途に応じて適宜選択される。
導電性接着剤6はチップ部品7を実装する部分に予め印刷法により塗布され、チップ部品7が該導電性接着剤6上に載置された後、所定条件で乾燥されてチップ部品7が導電性回路3に電気接続される。
【0013】
補強板9は、部品が実装された基材の他方の面に、部品が実装されている領域よりも大きな領域を有するように配設されるため、封止材8のエッジ部と補強板9のエッジ部との間の基材2の変形抵抗が大きくなり、基材2は補強板9のエッジ部から封止材のエッジ部にかけて徐々に変形するようになる。これにより封止材8のエッジ部に応力が集中しなくなり、封止材8のエッジ部下に配設されている導電性回路3に加わる歪みが分散されて導電性回路3のクラック発生が抑えられ、導通不良等の不具合を防止できる。
補強板9の厚さは、補強板9の材質による硬さや変形し易さおよび加えられる変形量に応じて適宜設計される。また、補強板9は部品実装部に対応する必要箇所のみに添付されるため、他の補強板とは不連続であり、フレキシブル回路基板全体としての可撓性低下は抑制される。
【0014】
封止材8はチップ部品7の周囲に露出した導電性接着剤6と導電性回路3を覆うように塗布され、電気絶縁を図るとともにチップ部品7の基材2への固着を強化する効果がある。
【0015】
【実施例】
以下に本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、以下の実施例や比較例においては部品実装部の評価を定量的に行うために基材の中央部に部品を1個のみ搭載したサンプルを作製した。
【0016】
【実施例1】
ポリエステルフィルム(長さ150mm、幅100mm、厚さ75μm)に銀ペーストを印刷して導電性回路を形成し、チップ部品実装部を除く導電性回路の保護のためにエポキシ系レジストを塗布して厚さ約20μmのレジスト層を形成した。次ぎにチップ部品実装部の所定箇所に導電性接着剤を印刷した後、ダイオード(縦1.6mm、横0.8mm、高さ0.5mm)を実装した。この後、ダイオードの接続部と露出している導電性回路を覆うように、中央部に実装部品を配し、直径が約3mmになるように封止材を塗布した後、120℃×30分の乾燥を行った。次ぎに、部品を実装した基材の裏面側に、厚さが約50μm、直径が約5mmのプラスチックシートを接着した。
【0017】
【実施例2】
ポリエステルフィルム(長さ150mm、幅100mm、厚さ75μm)に銀ペーストを印刷して導電性回路を形成し、チップ部品実装部を除く導電性回路の保護のためにエポキシ系レジストを塗布して厚さ約20μmのレジスト層を形成した。次ぎにチップ部品実装部の所定箇所に導電性接着剤を印刷した後、ダイオード(縦1.6mm、横0.8mm、高さ0.5mm)を実装した。この後、ダイオードの接続部と露出している導電性回路を覆うように、中央部に実装部品を配し、直径が約3mmになるように封止材を塗布した後、120℃×30分の乾燥を行った。次ぎに、部品を実装した基材の裏面側に、厚さが約100μm、直径が約5mmのゴムシートを接着した。
【0018】
【実施例3】
ポリエステルフィルム(長さ150mm、幅100mm、厚さ75μm)に銀ペーストを印刷して導電性回路を形成し、チップ部品実装部を除く導電性回路の保護のためにエポキシ系レジストを塗布して厚さ約20μmのレジスト層を形成した。次ぎにチップ部品実装部の所定箇所に導電性接着剤を印刷した後、ダイオード(縦1.6mm、横0.8mm、高さ0.5mm)を実装した。この後、ダイオードの接続部と露出している導電性回路を覆うように、中央部に実装部品を配し、直径が約3mmになるように封止材を塗布した後、120℃×30分の乾燥を行った。次ぎに、部品を実装した基材の裏面側に、厚さが約20μm、直径が約5mmのアルミ箔を接着した。
アルミ板は前記プラスチックシートやゴムシートよりも剛性が高いため、プラスチックシートやゴムシートよりも薄い厚さの箔を補強板として接着した。
【0019】
【比較例1】
次に、本願発明の補強板の効果を確認するために、以下のようにして補強板のないサンプルを作製した。
ポリエステルフィルム(長さ150mm、幅100mm、厚さ75μm)に銀ペーストを印刷して導電性回路を形成し、チップ部品実装部を除く導電性回路の保護のためにエポキシ系レジストを塗布して厚さ約20μmのレジスト層を形成した。次ぎにチップ部品実装部の所定箇所に導電性接着剤を印刷した後、ダイオード(縦1.6mm、横0.8mm、高さ0.5mm)を実装した。この後、ダイオードの接続部と露出している導電性回路を覆うように、中央部に実装部品を配し、直径が約3mmになるように封止材を塗布した後、120℃×30分の乾燥を行った。
【0020】
【比較例2】
さらに、補強板の大きさを最適化するために、以下のようにしてフレキシブル回路基板の裏面全体に補強板を接着したサンプルを作成した。
ポリエステルフィルム(長さ150mm、幅100mm、厚さ75μm)に銀ペーストを印刷して導電性回路を形成し、チップ部品実装部を除く導電性回路の保護のためにエポキシ系レジストを塗布して厚さ約20μmのレジスト層を形成した。次ぎにチップ部品実装部の所定箇所に導電性接着剤を印刷した後、ダイオード(縦1.6mm、横0.8mm、高さ0.5mm)を実装した。この後、ダイオードの接続部と露出している導電性回路を覆うように、中央部に実装部品を配し、直径が約3mmになるように封止材を塗布した後、120℃×30分の乾燥を行った。最後に、部品を実装した基材の裏面全体を補強するように、厚さが約20μmで、長さ150mm、幅100mmのアルミ箔を接着して比較サンプルを作製した。
【0021】
上記実施例1、2、3と比較例1、2のサンプルについて以下の3項目について試験した。
1)曲面搭載試験
半径50mmの曲面状架台に搭載して回路抵抗の変化を調べる。抵抗増加率が10%以内のものを合格(○)とし、10%を越えるものを不合格(×)とした。
2)屈曲試験
サンプルの両端を掴み、部品実装部に10%の曲げ歪みが発生する様に繰り返し屈曲させ、10万回屈曲させた後の導電性回路の導通有無を調べた。導通の有るもの(回路抵抗10−2Ω・cm未満)を合格(○)とし、導通の無いもの(導体抵抗10−2Ω・cm以上)を不合格(×)とした。
3)耐熱試験
80℃で240時間加熱した後、室温に冷却後、封止材のエッジ部分を、基材の裏面より90°の角度に曲げて剥離するかどうか調べた。剥離しないものを合格(○)とし、剥離したものを不合格(×)とした。
【0022】
以上の試験結果を表1に纏めて示す。表1より、部品実装部の裏面の基材に、部品を実装した領域よりも大きな領域を有するプラスチックシート、ゴムシート、金属箔を補強板として添付することによって、フレキシブル回路基板を曲げても、導通不良や回路抵抗の増大を防ぐ効果が有ることが確認された。また、基材全体を補強すると、フィルム基板の可撓性が損なわれることが確認された。
【0023】
【表1】
【0024】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の部品実装フレキシブル回路基板は、部品実装部の裏面に補強板を形成することより、封止材のエッジ部に応力が集中しなくなり、基材表面に配線された導電性回路にクラックが発生するのを防ぐことができる。
また、補強板は他の補強板と互いに不連続に接着添付されるためフレキシブル回路基板全体としての可撓性低下は抑制される。
【0025】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る部品実装フレキシブル回路基板を示す概略断面図である。
【図2】従来の部品実装メンブレン基板を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1・・・部品実装フレキシブル回路基板、2・・・基材、3・・・導電性回路、
4・・・切り欠き穴、5・・・レジスト、6・・・導電性接着剤、7・・・チップ部品、
8・・・封止材、9・・・補強板
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリエチレンテレフタレート(PET)等からなる可撓性のある基板の表面にチップ部品を実装することにより構成されたフレキシブル回路基板、例えばメンブレン基板に関し、特に部品実装部の曲げに対する導電性回路の耐クラック性を向上させた部品実装フレキシブル回路基板に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のメンブレン基板は、例えば図2に示すように構成されている(例えば、特許文献1参照)。即ち、図2においてメンブレン基板21は、PETからなるフィルム状の基材22と、該基材の表面に形成された導電性回路23と、該導電性回路23の上から該基材22上に形成されたレジスト層25と、該レジスト層25の切り欠き穴24内に露出した部品実装部の導電性回路23に塗布された導電性接着剤26と、該導電性接着剤26により導電性回路23と電気導通可能に接続されたチップ部品27と、該チップ部品27の電気接続部と前記レジスト層25の切り欠き穴24内に露出している導電性回路23および前記レジスト層25の切り欠き穴24周辺を覆うように塗布された封止材28と、から構成されている。ここで、封止材28はチップ部品27の電気接続部と導電性回路23の露出部を覆うことにより電気絶縁を図るとともにチップ部品27の基材22への固着を強化している。
そして、このような基板はPETなどのフィルム状の基材を用いているため、基材自身が柔らかく、可撓性を有しており、機器内部配線として曲げたりして使用されている。
【0003】
【特許文献1】
特開平8−125305号公報(第4頁、図2)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のメンブレン基板21は、基材22の可撓性はあるものの封止材28の硬度が高く、基材22を曲げた際に封止材28で固着した部分が曲げに追随できず、特に封止材28のエッジ部に曲げ応力が集中し、該エッジ部下に配設された導電性回路にクラックが発生し、電気導通不能になる恐れがある。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたもので、部品実装部を曲げた際の導電性回路の耐クラック性を向上させた部品実装フレキシブル回路基板を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するために、
請求項1にかかる発明は、可撓性を有する基板の一方の面に導電性回路と実装部品を有し、前記導電性回路と前記実装部品とが電気的に接続されるとともに封止材で固着強化された部品実装フレキシブル回路基板において、前記基板の他方の面上に、前記封止材の領域よりも大きい領域において補強板を有することを特徴とする部品実装フレキシブルである。
【0006】
請求項2にかかる発明は、前記補強板が金属箔、プラスチックシート、ゴムシートなどの成形品を接着したものであることを特徴とする請求項1記載の部品実装フレキシブル回路基板である。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例にかかる部品実装フレキシブル回路基板について添付図面を参照して具体的に説明する。なお、本発明は、下記実施の形態に限定されず、各種変更が可能である。
図1は本発明の実施例にかかる部品実装フレキシブル回路基板の断面図である。なお、図1は部品を実装した代表的部分のみを示したものである。
【0008】
図1に示すように、本発明の部品実装フレキシブル回路基板1は、PET等からなる基材2の一方の面上に形成された導電性回路3と、該導電性回路3の上に形成され、部品実装部に切り欠き穴4を有するレジスト層5と、該レジスト層5の切り欠き穴4内に露出した部品実装部の導電性回路3に塗布された導電性接着剤6と、該導電性接着剤6により導電性回路3と電気導通可能に接続されたチップ部品7と、該チップ部品7の電気接続部と前記レジスト層5の切り欠き穴4内に露出している導電性回路3および前記レジスト層5の切り欠き穴4周辺を覆うように塗布された封止材8と、チップ部品7が実装された基材2の他方の面に接着され、チップ部品7が実装された領域よりも大きい領域を有する補強板9と、から構成されている。
【0009】
フレキシブル回路基板1の基材2は可撓性が要求されるとともに回路形成用導電性ペーストを印刷後、導電性ペースト中に含まれる溶剤をIR炉やBOX炉で加熱して揮発させるために耐熱性が要求される。そこで、一般的にはポリエステル系フィルムのポリエチレンテレフタレート(PET)のフィルム状シートが用いられ、シートの厚さは、用途によって適宜選択されるが、50μm〜100μmの厚さのものが一般に用いられている。
【0010】
導電性回路3は基材2の表面に銀ペーストやカーボンペーストまたは両者の混合ペースト等の導電性ペーストをスクリーン印刷等で印刷して形成される。導電性ペーストは通常溶剤を含むのもが多く、前述のように印刷後直ちにIR炉やBOX炉で乾燥されなければならない。なお、導電性回路3の配線パターンは用途に応じて適宜設計される。
【0011】
レジスト層5は導電性回路3を湿度や埃などの環境から保護するための永久マスクとして使用されるが、導電性ペーストや導電性接着剤を乾燥させるときの加熱に耐えるために絶縁性ソルダーレジストが用いられる。レジスト層5はスクリーン印刷により、所望の厚さに形成されるが、チップ部品7を実装する部分は予め避けて形成される。
【0012】
導電性接着剤6は前述の導電性ペーストと同様に樹脂をベースに金属やカーボン等の導電性粒子を配合したペースト状の導電性樹脂であり、高い導電性と接着強度が要求されることからエポキシ系のものが多い。導電性粒子としては、金、銀、ニッケル、カーボンなどが用いられているが、銀は高価であることとマイグレーションの問題があるため用途に応じて適宜選択される。
導電性接着剤6はチップ部品7を実装する部分に予め印刷法により塗布され、チップ部品7が該導電性接着剤6上に載置された後、所定条件で乾燥されてチップ部品7が導電性回路3に電気接続される。
【0013】
補強板9は、部品が実装された基材の他方の面に、部品が実装されている領域よりも大きな領域を有するように配設されるため、封止材8のエッジ部と補強板9のエッジ部との間の基材2の変形抵抗が大きくなり、基材2は補強板9のエッジ部から封止材のエッジ部にかけて徐々に変形するようになる。これにより封止材8のエッジ部に応力が集中しなくなり、封止材8のエッジ部下に配設されている導電性回路3に加わる歪みが分散されて導電性回路3のクラック発生が抑えられ、導通不良等の不具合を防止できる。
補強板9の厚さは、補強板9の材質による硬さや変形し易さおよび加えられる変形量に応じて適宜設計される。また、補強板9は部品実装部に対応する必要箇所のみに添付されるため、他の補強板とは不連続であり、フレキシブル回路基板全体としての可撓性低下は抑制される。
【0014】
封止材8はチップ部品7の周囲に露出した導電性接着剤6と導電性回路3を覆うように塗布され、電気絶縁を図るとともにチップ部品7の基材2への固着を強化する効果がある。
【0015】
【実施例】
以下に本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、以下の実施例や比較例においては部品実装部の評価を定量的に行うために基材の中央部に部品を1個のみ搭載したサンプルを作製した。
【0016】
【実施例1】
ポリエステルフィルム(長さ150mm、幅100mm、厚さ75μm)に銀ペーストを印刷して導電性回路を形成し、チップ部品実装部を除く導電性回路の保護のためにエポキシ系レジストを塗布して厚さ約20μmのレジスト層を形成した。次ぎにチップ部品実装部の所定箇所に導電性接着剤を印刷した後、ダイオード(縦1.6mm、横0.8mm、高さ0.5mm)を実装した。この後、ダイオードの接続部と露出している導電性回路を覆うように、中央部に実装部品を配し、直径が約3mmになるように封止材を塗布した後、120℃×30分の乾燥を行った。次ぎに、部品を実装した基材の裏面側に、厚さが約50μm、直径が約5mmのプラスチックシートを接着した。
【0017】
【実施例2】
ポリエステルフィルム(長さ150mm、幅100mm、厚さ75μm)に銀ペーストを印刷して導電性回路を形成し、チップ部品実装部を除く導電性回路の保護のためにエポキシ系レジストを塗布して厚さ約20μmのレジスト層を形成した。次ぎにチップ部品実装部の所定箇所に導電性接着剤を印刷した後、ダイオード(縦1.6mm、横0.8mm、高さ0.5mm)を実装した。この後、ダイオードの接続部と露出している導電性回路を覆うように、中央部に実装部品を配し、直径が約3mmになるように封止材を塗布した後、120℃×30分の乾燥を行った。次ぎに、部品を実装した基材の裏面側に、厚さが約100μm、直径が約5mmのゴムシートを接着した。
【0018】
【実施例3】
ポリエステルフィルム(長さ150mm、幅100mm、厚さ75μm)に銀ペーストを印刷して導電性回路を形成し、チップ部品実装部を除く導電性回路の保護のためにエポキシ系レジストを塗布して厚さ約20μmのレジスト層を形成した。次ぎにチップ部品実装部の所定箇所に導電性接着剤を印刷した後、ダイオード(縦1.6mm、横0.8mm、高さ0.5mm)を実装した。この後、ダイオードの接続部と露出している導電性回路を覆うように、中央部に実装部品を配し、直径が約3mmになるように封止材を塗布した後、120℃×30分の乾燥を行った。次ぎに、部品を実装した基材の裏面側に、厚さが約20μm、直径が約5mmのアルミ箔を接着した。
アルミ板は前記プラスチックシートやゴムシートよりも剛性が高いため、プラスチックシートやゴムシートよりも薄い厚さの箔を補強板として接着した。
【0019】
【比較例1】
次に、本願発明の補強板の効果を確認するために、以下のようにして補強板のないサンプルを作製した。
ポリエステルフィルム(長さ150mm、幅100mm、厚さ75μm)に銀ペーストを印刷して導電性回路を形成し、チップ部品実装部を除く導電性回路の保護のためにエポキシ系レジストを塗布して厚さ約20μmのレジスト層を形成した。次ぎにチップ部品実装部の所定箇所に導電性接着剤を印刷した後、ダイオード(縦1.6mm、横0.8mm、高さ0.5mm)を実装した。この後、ダイオードの接続部と露出している導電性回路を覆うように、中央部に実装部品を配し、直径が約3mmになるように封止材を塗布した後、120℃×30分の乾燥を行った。
【0020】
【比較例2】
さらに、補強板の大きさを最適化するために、以下のようにしてフレキシブル回路基板の裏面全体に補強板を接着したサンプルを作成した。
ポリエステルフィルム(長さ150mm、幅100mm、厚さ75μm)に銀ペーストを印刷して導電性回路を形成し、チップ部品実装部を除く導電性回路の保護のためにエポキシ系レジストを塗布して厚さ約20μmのレジスト層を形成した。次ぎにチップ部品実装部の所定箇所に導電性接着剤を印刷した後、ダイオード(縦1.6mm、横0.8mm、高さ0.5mm)を実装した。この後、ダイオードの接続部と露出している導電性回路を覆うように、中央部に実装部品を配し、直径が約3mmになるように封止材を塗布した後、120℃×30分の乾燥を行った。最後に、部品を実装した基材の裏面全体を補強するように、厚さが約20μmで、長さ150mm、幅100mmのアルミ箔を接着して比較サンプルを作製した。
【0021】
上記実施例1、2、3と比較例1、2のサンプルについて以下の3項目について試験した。
1)曲面搭載試験
半径50mmの曲面状架台に搭載して回路抵抗の変化を調べる。抵抗増加率が10%以内のものを合格(○)とし、10%を越えるものを不合格(×)とした。
2)屈曲試験
サンプルの両端を掴み、部品実装部に10%の曲げ歪みが発生する様に繰り返し屈曲させ、10万回屈曲させた後の導電性回路の導通有無を調べた。導通の有るもの(回路抵抗10−2Ω・cm未満)を合格(○)とし、導通の無いもの(導体抵抗10−2Ω・cm以上)を不合格(×)とした。
3)耐熱試験
80℃で240時間加熱した後、室温に冷却後、封止材のエッジ部分を、基材の裏面より90°の角度に曲げて剥離するかどうか調べた。剥離しないものを合格(○)とし、剥離したものを不合格(×)とした。
【0022】
以上の試験結果を表1に纏めて示す。表1より、部品実装部の裏面の基材に、部品を実装した領域よりも大きな領域を有するプラスチックシート、ゴムシート、金属箔を補強板として添付することによって、フレキシブル回路基板を曲げても、導通不良や回路抵抗の増大を防ぐ効果が有ることが確認された。また、基材全体を補強すると、フィルム基板の可撓性が損なわれることが確認された。
【0023】
【表1】
【0024】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の部品実装フレキシブル回路基板は、部品実装部の裏面に補強板を形成することより、封止材のエッジ部に応力が集中しなくなり、基材表面に配線された導電性回路にクラックが発生するのを防ぐことができる。
また、補強板は他の補強板と互いに不連続に接着添付されるためフレキシブル回路基板全体としての可撓性低下は抑制される。
【0025】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る部品実装フレキシブル回路基板を示す概略断面図である。
【図2】従来の部品実装メンブレン基板を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1・・・部品実装フレキシブル回路基板、2・・・基材、3・・・導電性回路、
4・・・切り欠き穴、5・・・レジスト、6・・・導電性接着剤、7・・・チップ部品、
8・・・封止材、9・・・補強板
Claims (2)
- 可撓性を有する基板の一方の面に導電性回路と実装部品を有し、前記導電性回路と前記実装部品とが電気的に接続されるとともに封止材で固着強化された部品実装フレキシブル回路基板において、前記基板の他方の面上に、前記封止材の領域よりも大きい領域において補強板を有することを特徴とする部品実装フレキシブル回路基板。
- 前記補強板が金属箔、プラスチックシート、ゴムシートなどの成形品を接着したものであることを特徴とする請求項1記載の部品実装フレキシブル回路基板。
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