JP4096748B2 - エンジンの自動停止装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明はエンジンの自動停止装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
実車速がゼロ(車速しきい値以下)となったときに車速条件が成立したと判定し、この車速条件を含むエンジン停止条件が成立した場合に、エンジンを停止させる技術が知られている(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−21597号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来、車速センサはノイズの影響を受けること考慮し、車速センサで検出される検出車速に対してフィルタ処理を行なうことが一般的に行なわれているのであるが、フィルタ処理を行なうとフィルタ処理後車速は実車速に対して応答遅れを持って追従する。すなわち、ゆっくりと車速を低下して車両停止するときには、実車速より少し高い位置をフィルタ処理後車速が低下してゆく。
【0005】
従って、車速しきい値を正の値で定め、フィルタ処理後車速がこの正の値の車速しきい値未満となったとき車速条件が成立したと判定するようにしておけば、フィルタ処理後車速を用いて車速条件が成立したか否かの判定を行う場合においても、実車速を用いて車速条件が成立したか否かの判定を行うときと同等のタイミングでエンジンを自動停止できる。
【0006】
しかしながら、ブレーキペダルを踏み込んで所定以上の減速を行って車両停止させるときには、実車速は急激に低下するのに対してフィルタ処理後車速はフィルタリング定数に応じた速度でしか小さくなれないので、停車状態近くで実車速が急速に低下するときには実車速とフィルタ処理後車速の差が停車状態近くになるほど急激に大きくなる。このときにもフィルタ処理後車速が車速しきい値に達するタイミングで車速条件が成立したと判定させたのでは、車速条件が成立するのが大きく遅れ、車両はすでに停止しているのにエンジンを停止できないことになり燃費が悪くなる。
【0007】
そこで本発明は、所定以上の減速を行って車両停止させる場合にあっても、車速条件が成立するタイミングを遅らせないようにして燃費の悪化を回避することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、車速検出手段で検出された検出車速を補正し、この補正された補正車速と車速しきい値を比較し、補正車速が車速しきい値未満となったときに車速条件が成立したと判定し、車速条件を含むエンジン停止条件が成立した場合にエンジンを停止させると共に、所定以上の減速を行ったか否かを判定し、所定以上の減速を行ったと判定されたときに前記車速しきい値を高く設定するように構成した。
【0009】
【発明の効果】
本発明によれば、車速しきい値を高く設定するほど車速条件が成立するタイミングを早めることができるため、所定以上の減速を行を行って車両停止させる場合にあってもエンジンを停止させるタイミングが遅れることがなく、燃費を向上することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明を適用したハイブリッド車両の概略構成図、図2は制御系統の構成図である。
【0011】
図1、2において、2はエンジン、4は無段自動変速機である。エンジン2の回転は無段自動変速機4からドライブシャフト5、ディファレンシャルギヤ6を介して駆動輪7に伝達される。
【0012】
無段自動変速機4は例えばトルクコンバータと、前後進切換機構と、可変プーリ間に掛け回した金属ベルトから構成され、可変プーリのプーリ比を変えることにより、金属ベルトを介して伝達される変速比が変化する。無段自動変速機4の目標変速比が運転状態に応じて設定され、これが実際の入力回転速度と出力回転速度の比である変速比と一致するように、可変プーリを駆動するためのプライマリ油圧とセカンダリ油圧とが制御される。
【0013】
前後進切換機構は前進時と後進時とで出力回転の方向を逆転させるもので、またトルクコンバータは入力回転トルクを流体力を介して出力側に伝達し、入力側の極低速回転時など出力側の回転の停止を許容できる。
【0014】
エンジン2には通常始動用のスタータモータ11と、自動始動用のモータ12とが備えられている。スタータモータ11は、車両の運行開始時や後述するモータ12による始動に失敗したときに運転者のスタータスイッチ操作によりエンジン始動するためのものである。これに対して自動始動用のモータ12はエンジン自動停止後の再始動のためのものである。
【0015】
エンジン自動始動用モータ12は、回転伝達装置13を介してエンジン2に連接されている。この実施形態では、回転伝達装置13は、モータプーリ13a、ベルト13b、クランクプーリ13cからなるベルト・プーリ機構で構成されている。モータ12の回転は前記回転伝達装置13を介して所定の減速比でエンジンクランク軸に伝達され、エンジン2の再始動が行われる。
【0016】
一般に、モータ12としてのブラシ付きDCモータを適用する場合には、ブラシの摩耗を抑えるために回転伝達装置13に電磁クラッチを備え、モータ回転をエンジン2に伝達するときにのみ電磁クラッチを接続するように構成される。モータ12として同期電動機のようなブラシレスモータを適用する場合にはモータ12とエンジン2は常に連動回転するように構成される。
【0017】
モータ12には電源としてのバッテリ14からインバータ15を介して電力が供給される。この電力供給は、モータコントローラ25によりエンジン2の再始動時に行われる。
【0018】
ハイブリッドコントローラ21にはアクセルセンサ31、車速センサ33からの信号が、イグニッションスイッチ32からの信号と共に入力し、これらに基づいて、エンジンコントローラ22、トランスミッションコントローラ23、バッテリコントローラ24、モータコントローラ25と協力しつつ加速時、定速時、減速時の制御を行う。
【0019】
車両の走行中に所定の運転条件が成立したときにエンジン2を自動的に停止し、その後に別の所定の運転条件が成立したときにエンジン2を自動的に再始動させるため、ハイブリッドコントローラ21では車両の走行中に所定の運転条件が成立したときにエンジン2の作動を停止させ、またその後に別の所定の運転条件が成立したときにモータによりエンジン2を始動させるようになっている。
【0020】
このため、ハイブリッドコントローラ21には、水温センサ34、マスタシリンダ圧センサ35からの信号も入力し、これらに基づいて、エンジンコントローラ22を介し車両走行中にエンジン2の自動停止と再始動の制御を行う。
【0021】
エンジンコントローラ22では、エンジン2の運転中は、アクセルセンサ31により検出されるアクセル開度と、クランク角センサ36により検出されるエンジン回転速度とに応じてスロットル弁42の開度を制御し、燃料噴射弁43からの燃料噴射量と、燃料噴射の時期を制御し、さらには点火プラグ44が点火火花を飛ばす時期である点火時期を制御し、これによって要求の駆動力が得られるエンジン出力を発生させるが、ハイブリッドコントローラ21よりエンジン作動停止の指令を受けると、燃料噴射弁43と点火プラグ44の作動を停止し、その後にハイブリッドコントローラ21よりエンジン作動指令を受けると、再び燃料噴射弁43と点火プラグ44の作動を再開する。
【0022】
さて、上記車速センサ33はノイズの影響を受けること考慮し、車速センサ33で検出される検出車速に対してフィルタ処理を行なっており、このフィルタ処理後車速Vfを、エンジン停止条件の一つである車速条件が成立したか否かの判定に用いている。すなわち、このフィルタ処理後車速Vfが車速しきい値Vb1未満となったときに車速条件が成立したと判定し、この車速条件を含むエンジン停止条件が成立した場合にエンジンを停止させている。
【0023】
これを図3を参照して説明すると、図3はゆっくりと減速して車両を停止させたときの車速の変化をモデルで示している。この場合に、実車速Vsがt0のタイミングでゼロに達するものとすると、実車速Vsを用いて車速条件が成立したか否かの判定を行うときには、t0のタイミングで車速条件が成立したと判定され、この車速条件を含むエンジン停止条件もt0で成立していれば、t0よりエンジンが自動停止される。一方、実車速Vsに対してフィルタ処理後車速Vf(一点鎖線参照)は予め定めているフィルタリング定数に従った速度で小さくなるため、VfはVsより一定値だけ高い位置をたどって小さくなる。そこで、車速しきい値V1を図示のように正の値(Vb1)で定め、VfがこのVb1未満となったとき車速条件が成立したと判定するようにしておけば、フィルタ処理後車速Vfを用いて車速条件が成立したか否かの判定を行う場合においても、実車速Vsを用いて車速条件が成立したか否かの判定を行うときと同等のタイミング(t0)でエンジンを自動停止できる。
【0024】
こうしたフィルタ処理後車速Vfを用いて車速条件が成立したか否かの判定を行うエンジンの自動停止・再始動制御装置を前提として、本実施形態では、所定以上の減速を行ったか否かを判定し、所定以上の減速を行ったと判定されたときに車速しきい値を所定以上の減速を行ったと判定されなかったときより高く設定する。
【0025】
これをさらに図4を参照して説明すると、図4は所定以上の減速を行って車両停止させたときの変化、具体的にはそれまで踏み込んでいたアクセルペダルより足をt1で離しt3でブレーキペダルを踏み込んで減速(制動)し車両を停止させたときの車速、ブレーキ油圧B、アクセル開度Aの各変化をモデルで示している。
【0026】
この場合に、停車状態近くでの実車速Vsの変化は大きくt6のタイミングでゼロに達するものとすると、実車速Vsを用いて車速条件が成立したか否かの判定を行うときには、t6のタイミングで車速条件が成立したと判定され、この車速条件を含むエンジン停止条件もt6までに成立していれば、t6よりエンジンが自動停止される。
【0027】
一方、実車速Vsに対してフィルタ処理後車速Vfは予め定めているフィルタリング定数に従った速度でしか小さくなれないので、図示のように停車状態近くでVsが急速に低下するときにはVsとVfの差が停車状態近くになるほど急激に大きくなっている。このときにもVfが車速しきい値であるVb1に達するタイミングで車速条件が成立したと判定させたのでは、t6で車両停止しているのにエンジン2を停止できないことになり燃費が悪くなる。
【0028】
そこで本実施形態では、実車速Vsとフィルタ処理後車速Vfとの間をたどる補正車速Vを新たに生成させる。具体的には、実車速Vsの検出(サンプリング)やフィルタ処理後車速Vfの演算は一定の演算周期毎に行うので、実車速Vsがゼロとなるt6のタイミングを演算タイミングでn+1にとり、これより時間をさかのぼってn、n−1、n−2の各演算タイミングを採る。すなわち、n+1は現在より1演算周期後の、nは現在の、n−1は1演算周期前の、n−2は2演算周期前の各演算タイミングである。
【0029】
このとき、n−2の演算タイミングでの実車速Vs(n−2)に対してフィルタ処理を行って得られる値がn−1の演算タイミングでのフィルタ処理後車速Vf(n−1)であるので、次式によりこれらVf(n−1)、Vs(n−2)の差分ΔVを求める。
【0030】
△V(n)=Vf(n−1)−Vs(n−2)…(a)
この差分△Vを用いて次式によりnの演算タイミングでの補正車速V(n)を求める。
【0031】
V(n)=Vf(n)−△V(n)…(b)
(2)式左辺の値はフィルタ処理後車速Vf(n)を補正した値であるので、、この補正車速V(n)を以下「フィルタ処理補正車速」という。
【0032】
上記の差分ΔV(n)は減速時には正の値となるので、フィルタ処理補正車速V(n)はVf(n)より小さくなる、つまりV(n)はVf(n)よりはVs(n)に近づく値となる。
【0033】
他の演算タイミングでのフィルタ処理後車速(V(n+1)、V(n−1)、V(n−2)、…)を求めて滑らかにつなぐと、実車速Vsとフィルタ処理後車速Vfの間をたどる曲線(二点鎖線参照)が得られる。この曲線を改めてフィルタ処理補正車速Vという。
【0034】
この場合に、フィルタ処理補正車速Vを用いて車速条件が成立したか否かを判定させるものとし、かつn+1の演算タイミングで車速条件を成立させるには、車速しきい値V1を、Vb1に所定値Vb1p´を加算した値であるVb1+Vb1p´へと高く設定する。このとき、VがV1未満となって車速条件が成立するのはt6となり、これにより所定以上の減速を行ったときにも、実車速Vsを用いて車速条件が成立したか否かの判定を行うときと同等のタイミング(t6)でエンジンを自動停止できる。
【0035】
なお、所定以上の減速を行ったときの実際の車速しきい値はVb1に対して、所定値Vb1p´よりも少し大きな値である所定値Vb1pを加算した値としている。これは、時間的に余裕を持って車速条件を成立させるためである。
【0036】
次に、所定以上の減速を行ったときとは次の3つの条件がすべて成立したときとする。
【0037】
〈1〉アクセル開度Aがゼロであること(アクセルペダルが踏み込まれていないこと)。
【0038】
〈2〉ブレーキ油圧Bが所定値B1を超えていること(ブレーキペダルが踏み込まれていること)。あるいは道路の登り傾斜角RRが所定値RR1を超えていること。
【0039】
〈3〉フィルタ処理補正車速Vが所定値Vd未満であること(低車速域にあること)。
【0040】
これを図4でみると、上記〈1〉の条件はt1のタイミングで、上記〈2〉の条件はt4のタイミングで、上記〈3〉の条件はt2のタイミングで成立している。上記の各所定値B1、R1、Vd、Vb1pは実験などにより求めておく。
【0041】
ハイブリッドコントローラ21により実行されこれらの制御を図5〜図8のフローチャートを参照して詳述する。
【0042】
図5はフィルタ処理補正車速Vを算出するためのもので、一定周期(例えば10msec毎)で実行する。
【0043】
ステップ1ではイグニッションスイッチ(図では「IGN SW」で略記)32からの信号をみる。イグニッションスイッチ32からの信号がONになると、ステップ2に進んで車速センサ33により検出される実車速Vsを読み込み、これをステップ3でメモリVs(n)に移す。ここで、nは現在の時刻であることを、また後述するn−1は1演算周期の値(前回値)であることを、同じく後述するn−2は2演算周期前の値(前々回値)であることを表す。
【0044】
ステップ4ではフィルタ処理後車速の前回値であるメモリVf(n−1)と実車速の前々回値であるメモリVs(n−2)とから、
△V(n)=Vf(n−1)−Vs(n−2)…(1)
の式(上記の(a)式と同じ)により両者の差分△V(n)を演算する。
【0045】
ステップ5では現在の実車速を表すメモリVs(n)の値を用いて次式によりフィルタ処理後車速Vf(n)を演算する。
【0046】
Vf(n)=Vs(n)×K+Vf(n−1)×(1−K)…(2)
ただし、K:フィルタリング定数(一定値)、
(2)式は実車速Vsに対してノイズの影響を考慮してフィルタ処理(加重平均)を行うものである。
【0047】
ステップ6ではこのフィルタ処理後車速Vf(n)から次式(上記の(b)式と同じ)によりフィルタ処理補正車速V(n)を演算する。
【0048】
V(n)=Vf(n)−△V(n)…(3)
ステップ7、8は後処理を行う部分である。すなわち次回演算のため、メモリVf(n)の値をメモリVf(n−1)へと移し、またメモリVs(n−1)の値をメモリVs(n−2)へ、メモリVs(n)の値をメモリVs(n−1)へと移して保存する。
【0049】
図6はアイドルストップ許可車速フラグの設定を行うためのものである。ただし、このフロー(図7、図8のフローについても)は時間的経過をたどった処理を示すもので、図5のフローと相違して一定周期で実行するものではない。
【0050】
ステップ11ではイグニッションスイッチ32からの信号をみる。イグニッションスイッチ32からの信号がONになると、ステップ12に進んでアクセルセンサ31により検出されるアクセル開度A、マスタシリンダ圧センサ35により検出されるブレーキ油圧B(傾斜角センサを備えている場合は、傾斜角RR)、フィルタ処理補正車速Vを読み込む。
【0051】
ステップ13〜15は所定以上の減速を行ったか否かを判定する部分、ステップ16はその判定結果より所定以上の減速を行ったと判定されたときに車速しきい値(V1、V2)を所定以上の減速があったと判定されなかったときより高く設定する部分である。すなわち、ステップ13、14、15では上記〈1〉〜〈3〉の条件が成立するか否かをみる。上記〈1〉〜〈3〉のいずれかでも成立しないときにはステップ17に進んで、次式によりアイドルストップ許可車速しきい値V1とアイドルストップ解除車速しきい値V2とを設定する。
【0052】
V1=Vb1…(4)
V2=Vb2…(5)
通常時のアイドルストップ許可車速しきい値Vb1は例えば約1.5km/hである。これは、車速センサ33が1km/h未満を検出できないためである。ここで、通常時とは所定以上の減速を行ったと判定されない場合のことである。
【0053】
通常時のアイドルストップ解除車速しきい値Vb2は例えば約2.5km/hである。このため、エンジンの自動停止後に車速が1.5km/h以上となってもエンジンの再始動は行わず、車速が2.5km/h以上となってやっとエンジンの再始動を行う。このようにアイドルストップ解除車速しきい値Vb2をVb1より高く設定しているのはエンジンの自動停止と再始動が繰り返される、いわゆる制御のハンチングを防止するためである。
【0054】
一方、上記〈1〉〜〈3〉のすべての条件が成立するときには所定以上の減速を行ったと判断しステップ16に進んで、次式により通常時より高いアイドルストップ許可車速しきい値V1とアイドルストップ解除車速しきい値V2を設定する。
【0055】
V1=Vb1+Vblp…(6)
V2=Vb2+Vblp…(7)
ただし、Vblp:正の一定値、
ステップ18、19は車速条件が成立するか否かを判定する部分である。すなわちステップ18でフィルタ処理補正車速Vとアイドルストップ許可車速しきい値V1を比較する。VがV1以上であるときにはステップ11に戻り、VがV1未満であるときにはステップ19に進んでアイドルストップ許可車速フラグ=1にセットする。
【0056】
図7はアイドルストップ再許可車速フラグの設定を行うためのものである。
【0057】
ステップ21ではイグニッションスイッチ32からの信号をみる。イグニッションスイッチ32からの信号がONになると、ステップ22に進んでインヒビタースイッチ(図では「インヒビターSW」で略記)37からの信号、フィルタ処理補正後車速Vを読み込む。ここで、インヒビタースイッチ37は、自動変速機4のシフトレンジがどこに操作されているか(P、R、N、D)を検出するスイッチである。
【0058】
ステップ23、24は車両を後退させての車庫入れ時であるか否かを判定する部分、ステップ25はこの判定結果より当該車庫入れ時であると判定されたときに、車速しきい値V3を当該車庫入れ時であると判定されなかったときより高く設定する部分である。すなわち、ステップ23、24で次の条件が成立するか否かをみる。
【0059】
〈4〉インヒビタースイッチ37により検出されるシフトレンジがR(後退)であること。
【0060】
〈5〉フィルタ処理補正後車速Vが所定値Vrを下回っていること。所定値Vrは例えば10km/h程度で、VがVr未満のときとは低車速時である。
【0061】
上記〈4〉の条件が成立しかつ上記〈5〉の条件が成立しないときにはステップ26に進んで、次式によりアイドルストップ再許可車速しきい値V3を設定する。
【0062】
V3=Vb3…(8)
ここで、通常時のアイドルストップ再許可車速しきい値Vb3としては車庫入れ時でない車両の後退時に最適な値を実験などにより求めておく。ここでの通常時とは車庫入れ時でない車両の後退時のことである。
【0063】
一方、上記〈4〉、〈5〉の両方の条件が成立するときには車庫入れのための車両の後退時であると判断しステップ25に進んで、次式により通常時より高いアイドルストップ再許可車速しきい値V3を設定する。
【0064】
V3=Vb3+Vb3p…(9)
ただし、Vb3p:正の一定値、
ステップ27、28は再車速条件が成立するか否かを判定する部分である。すなわちステップ27ではフィルタ処理補正車速Vとアイドルストップ再許可車速しきい値V3を比較する。VがV3以下であるときにはステップ21に戻り、VがV3を超えるときにはステップ28に進んでアイドルストップ再許可車速フラグ=1にセットする。
【0065】
図8はエンジンの自動停止、再始動制御を行うためのものである。
【0066】
ステップ31ではイグニッションスイッチ32からの信号をみる。イグニッションスイッチ32からの信号がONであるときにはステップ32以降に進む。
【0067】
ステップ32〜36はエンジン停止条件が成立したか否かを判定する部分である。すなわち、ステップ12ではバッテリ14のSOC(State of Ccharge)、アクセル開度A、ブレーキ油圧Bを読み込み、ステップ33〜36で次の条件が成立するか否かをみる。
【0068】
〈6〉アイドルストップ許可車速フラグ=1であること。
【0069】
〈7〉SOCが所定値SOC1以上であること。これはある程度のバッテリ残量があることを条件とするものである。ここで、SOCはバッテリ電圧を検出する電圧センサ、充放電電流を検出する電流センサの検出値に基づき、電流累積によって算出すればよい。
【0070】
〈8〉アクセル開度Aが所定値A1未満であること(アクセルペダルが踏み込まれていないこと)
〈9〉ブレーキ油圧Bが所定値B1以上であること(ブレーキペダルが踏み込まれていること)。
【0071】
上記〈6〉〜〈9〉のすべての条件が成立するときにはステップ37、38に進んでエンジンを自動停止し、アイドルストップ許可車速フラグ=0にリセットする。
【0072】
一方、上記6〉〜〈9〉の条件のうちいずれかの条件でも満足しない場合には、ステップ32に戻る。
【0073】
ステップ39〜43は、エンジン再始動条件が成立したか否かを判定する部分である。すなわち、ステップ39ではエンジン始動後に改めてSOC、アクセル開度A、ブレーキ油圧Bを読み込み、ステップ40〜43で次の条件が成立するか否かをみる。
【0074】
〈10〉SOCが所定値SOC1未満であること。
【0075】
〈11〉アクセル開度Aが所定値A1以上であること(アクセルペダルが踏み込まれていること)
〈12〉ブレーキ油圧Bが所定値B1未満であること(ブレーキペダルが踏み込まれてないこと)。
【0076】
〈13〉フィルタ処理補正車速Vがアイドルストップ解除車速しきい値V2を超えていること。
【0077】
上記〈10〉〜〈12〉のいずれかの条件も成立しないときにはステップ37に進んでエンジンの停止を継続し、上記〈10〉〜〈12〉のいずれかの条件が成立しかつ上記〈13〉の条件が成立するときにはエンジン再始動条件が成立したと判断しステップ44に進んでエンジンを再始動する。
【0078】
ただし、この図8では車両の後退時は含んでいないが、車両の後退時も同様である。
【0079】
ここで、本実施形態の作用を説明する。
【0080】
本実施形態(請求項1に記載の発明)では、フィルタ処理補正車速Vと車速しきい値V1を比較し、フィルタ処理補正車速Vが車速しきい値V1未満となったときに車速条件が成立したと判定し(図6のステップ18、19参照)、この車速条件を含むエンジン停止条件が成立した場合にエンジン2を停止させると共に(図8のステップ33〜37参照)、所定以上の減速を行ったか否かを判定し、所定以上の減速を行ったと判定されたときに車速しきい値V1を高く設定するようにした(図6のステップ13〜16)。これより車速しきい値V1を高くするほど車速条件が成立するタイミングを早めることができるため、所定以上の減速を行って車両停止させる場合にあってもエンジン2を停止させるタイミングが遅れることがなく、燃費を向上することができる。
【0081】
また、本実施形態(請求項4に記載の発明)によれば、実車速Vsに対して一定の演算周期毎にフィルタ処理を行う場合に、フィルタ処理後車速の前回値(Vf(n−1))より実車速の前々回値(Vs(n−2))を差し引いた差分(ΔV(n))を演算し、フィルタ処理後車速の今回値(Vf(n))よりこの差分(ΔV(n))だけ小さくした値をフィルタ処理補正車速(V(n))として演算するので(図5のステップ2〜6参照)、実車速Vsを用いて車速条件が成立したか否かの判定を行うときと同等のタイミングでエンジンを停止できる。
【0082】
また、本実施形態(請求項5に記載の発明)によれば、車庫入れを行っている運転条件のときにも車速しきい値V3を高く設定している(図7のステップ23〜25参照)。例えば車庫入れ時に用いる車速の上限値より少し高いところに車速しきい値V3を設定することで、車庫入れの途中でエンジン2が停止されることがないので、車庫入れ時に運転者の意思に添わないエンジン2の停止を避けることができる。
【0083】
所定以上の減速を行ったときを判定するのに、実施形態では前記〈2〉のようにブレーキ油圧Bが所定値B1を超えていること、あるいは道路の登り傾斜角RRが所定値RR1を超えていることを条件としたが、これに限られるものでない。例えばこの条件に代えて、ブレーキ油圧の変化量または道路の登り傾斜角の変化量が所定値を超えていることとしてもよい。
【0084】
請求項1に記載した発明のうち、補正手段の機能は図5のステップ2〜6の、車速条件判定手段の機能は図6のステップ18、19の、エンジン停止手段の機能は図8のステップ33〜37の、減速判定手段の機能は図6のステップ13〜15の、車速しきい値設定手段の機能は図6のステップ16の処理によりそれぞれ果たされている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の構成を示す概略構成図。
【図2】制御系統の概略構成図。
【図3】ゆっくりと減速して車両停止させるときの車速変化を示す波形図。
【図4】所定以上の減速を行って車両停止させるときの変化を示す波形図。
【図5】フィルタ処理補正車速の演算を説明するためのフローチャート。
【図6】アイドルストップ許可車速フラグの設定を説明するためのフローチャート。
【図7】アイドルストップ再許可車速フラグの設定を説明するためのフローチャート。
【図8】エンジン自動停止、再始動制御を説明するためのフローチャート。
【符号の説明】
21 ハイブリッドコントローラ
22 エンジンコントローラ
31 アクセルセンサ
33 車速センサ(車速検出手段)
35 マスタシリンダ圧センサ

Claims (7)

  1. 車速を検出する車速検出手段と、
    前記車速検出手段で検出された検出車速を補正する補正手段と、
    前記補正手段で補正された補正車速と車速しきい値を比較し、補正車速が車速しきい値未満となったときに車速条件が成立したと判定する車速条件判定手段と、
    前記車速条件を含むエンジン停止条件が成立した場合にエンジンを停止させるエンジン停止手段と、
    所定以上の減速を行ったか否かを判定する減速判定手段と、
    減速判定手段で所定以上の減速を行ったと判定されたときに前記車速しきい値を高く設定する車速しきい値設定手段と
    を備えることを特徴とするエンジンの自動停止装置。
  2. 車速しきい値設定手段は前記所定以上の減速を行ったと判定されなかったときより高く設定することを特徴とする請求項1に記載のエンジンの自動停止装置。
  3. 前記検出車速に対してフィルタ処理を行うフィルタ処理手段を備え、
    このフィルタ処理手段でフィルタ処理されたフィルタ処理後車速と前記検出車速との間に前記補正車速を生成することを特徴とする請求項1に記載のエンジンの自動停止装置。
  4. 一定の演算周期毎に前記フィルタ処理手段によるフィルタ処理を行う場合に、前記補正車速を生成する手段は、前記フィルタ処理後車速の前回値より前記車速検出値の前々回値を差し引いた差分を演算する差分演算手段と、前記フィルタ処理後車速の今回値よりこの差分だけ小さくした値を前記補正車速として演算する補正車速手段とからなることを特徴とする請求項3に記載のエンジンの自動停止装置。
  5. 車庫入れを行っている運転条件のときにも前記車速しきい値を高く設定することを特徴とする請求項1から4までのいずれか一つに記載のエンジンの自動停止装置。
  6. 前記車庫入れを行っている運転条件には車両の進行方向が後退であることを含めることを特徴とする請求項5に記載のエンジンの自動停止装置。
  7. 前記エンジン停止条件には、アクセル操作量が所定値未満、ブレーキ操作量が所定値以上、バッテリのSOCが所定値以上の少なくとも一つを満たすことを含むことを特徴とする請求項1に記載のエンジンの自動停止装置。
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