JP4096250B2 - 帰還形パルス幅変調方式a/d変換器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、帰還形パルス幅変調方式A/D変換器に関し、詳しくは、分解能の改善に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
帰還形パルス幅変調方式A/D変換器は、高精度のA/D変換器として、各種の測定器で広く用いられている。
【0003】
図8はこのような従来の帰還形パルス幅変調方式A/D変換器の構成例を示すブロック図である。被変換アナログ入力信号Vxが入力される入力端子1と出力Ecの矩形波信号発生器2と基準電圧源の切替スイッチ8の可動接点は、それぞれ抵抗を介して積分器3を構成する演算増幅器の反転入力端子に接続されている。切替スイッチ8の固定接点aには+Vsの基準電圧源が接続され、固定接点bには-Vsの基準電圧源が接続されている。
【0004】
積分器3を構成する演算増幅器の反転入力端子と出力端子間にはコンデンサが接続され、非反転入力端子は共通電位点に接続され、出力端子はコンパレータ4を構成する演算増幅器の反転入力端子に接続されている。コンパレータ4を構成する演算増幅器の非反転入力端子は共通電位点に接続されている。
【0005】
コンパレータ4は、積分器3の出力INTと共通電位点(接地電位)とを比較し、その出力CMPをD形フリップフロップ(DFF1)6のD端子に入力する。フリップフロップ6のクロック端子にはカウントクロック発生器5からカウントクロックCLKが入力されていて、フリップフロップ6はコンパレータ4の出力CMPをカウントクロックCLKに同期させるように動作する。
【0006】
フリップフロップ6の出力PWMは、アンドゲートを用いた制御ゲート9に入力されるとともに、切替スイッチ8に切替信号FBとして加えられている。制御ゲート9には、制御信号発生器7の出力であるカウンタ制御信号CTLとカウントクロックCLKも入力されている。制御ゲート9の出力OUTは、カウンタ10に加えられて計数される。
【0007】
図8の動作を図9のタイミングチャートを用いて説明する。
矩形波信号発生器2の出力Ecが立ち上がる時刻t1において、切替スイッチ8は固定接点aに接続されている。また、時刻t1において制御信号CTLも立ち上がったとする。この状態で、積分器3には、被変換アナログ入力信号Vxと矩形波出力+Ecと基準電圧源Es(=+Vs)による電流ix,ic,isが入力される。ここで、ix 最大値は|is|に等しく、|ic|は例えば|is|×2.5と設定されている。この結果、積分器3の出力INTは、最大傾斜で減少し、時刻t2で零レベルとなる。
【0008】
積分器3の出力INTが零レベルになるとコンパレータ4の出力CMPが反転し、切替スイッチ8の可動接点はクロックCLKに同期して固定接点bに接続されてEs=-Vsとなる。これにより、時刻t2以降の積分器3の出力INTは、最大傾斜より緩やかな傾斜で減少する。一方、フリップフロップ6の出力PWMは"H"レベルになり、カウンタ10がカウント動作を始める。
【0009】
時刻t3で矩形波出力Ecが反転すると、積分器3の出力INTは最大傾斜で増加し、時刻t4で零レベルになる。この時、コンパレータ4の出力CMPは再び反転し、切替スイッチ8は再び固定接点aに接続されてEs=+Vsとなり、積分器3の出力INTの増加は最大傾斜より緩やかになる。フリップフロップ6の出力PWMは"L"レベルになって制御ゲート9が閉じられ、カウンタ10のカウント動作は中断される。この時、カウンタ10のカウント値は保持される。
【0010】
矩形波出力Ecは時刻t5で再び反転し、時刻t6で制御信号CTLが立ち下がるまでの間、同様の動作を繰り返す。ここで、フリップフロップ6の出力PWMのパルス幅は入力信号Vxに比例するので、Vxが零の時とフルスケールの時のカウントを校正によって予め測定しておくことにより、カウンタ10のカウント値に基づきアナログ入力信号Vxの値を求めることができる。
【0011】
また、制御信号CTLを矩形波出力EcのM周期分に設定してフリップフロップ6の出力PWMが"H"の期間にカウントを行う場合におけるカウントクロックCLKの周期未満の誤差分は、FB信号(=PWM)がCLKと同期した信号のため、(M−1)周期目までは積分器3に残る形で次の周期に伝達される。従って、全カウント誤差はM周期目のカウント誤差分にのみ依存することになって、±1カウントとなる。
【0012】
【特許文献1】
特開平8-37460
【0013】
特許文献1には、A/D変換を上位桁と下位桁に分割して行うように構成した高分解能で実用性の高い帰還形パルス幅変調方式A/D変換器に関する発明が開示されている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような帰還形パルス幅変調方式A/D変換器において、カウントの分解能を上げるためには、
a)カウントクロックCLKの周波数を上げる。
b)制御信号CTLを長くして、カウンタ10のカウント数が大きくなるようにする。
の二点が考えられる。
【0015】
しかし、a)項を実現するためには、回路の構成に高速素子が必要となる。
また、b)項を実現しようとするとA/D変換の時間が長くなり、高速測定が行えない。
【0016】
本発明はこれらの問題点に着目したものであり、その目的は、従来と同じ測定時間およびカウントクロック周波数でありながら、カウントの分解能を高めることができる帰還形パルス幅変調方式A/D変換器を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成する請求項1の発明は、矩形波電圧と正負の基準電圧と被変換入力電圧を積分して被変換入力電圧に対応したパルス幅に変換し、このパルス幅をクロックでカウントすることによりデジタル信号に変換するように構成された帰還形パルス幅変調方式A/D変換器において、
前記クロックとして位相差T/(2×N)(但しTは周期、Nは相数)を有する多相(N相)のクロックを用い、カウントの分解能を高めることを特徴とする。
【0018】
請求項2の発明は、請求項1記載の帰還形パルス幅変調方式A/D変換器において、
前記N相のクロックのうちの1相のクロックでカウントを行い、残りのクロックでカウント分解能の補正演算を行うことを特徴とする。
【0019】
請求項3の発明は、請求項1または請求項2記載の帰還形パルス幅変調方式A/D変換器において、
カウント分解能の補正演算にあたり、前記N相のクロックの立ち上がりと立ち下がりの両方のタイミングを利用することを特徴とする。
【0020】
請求項4の発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の帰還形パルス幅変調方式A/D変換器において、
少なくとも、
積分出力と共通電位点電位を比較するコンパレータと、
このコンパレータの出力を前記N相のクロックの立ち上がりと立ち下がりのタイミングでそれぞれラッチしてパルス幅信号を出力する手段を含む2N個の補正信号発生ブロック、
を有することを特徴とする。
【0021】
これらにより、従来と同じ測定時間,カウントクロック周波数でありながら、カウントの分解能を2N倍(Nは分解能改善のために使用するカウントクロックの相数)に高めることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明の実施の形態の一例を示すブロック図であり、図8と共通する部分には同一の符号を付けている。図1において、入力端子1、矩形波信号発生器2、積分器3、コンパレータ4、切替スイッチ8、制御ゲート9およびカウンタ10は、図8と同様に機能するものである。
【0023】
カウントクロック発生器5は、2相クロックCLKおよびCKBを出力する。
【0024】
補正信号発生ブロック11〜14は、それぞれ2個のD形フリップフロップ(以下フリップフロップという)DFF1,DFF2と2個のアンドゲートAG1、AG2とで構成されている。
【0025】
補正信号発生ブロック11において、フリップフロップDFF1のD端子にはコンパレータ4の出力CMPが入力され、クロック端子にはカウントクロックCLKが入力され、非反転出力端子QはフリップフロップDFF2のD端子と信号切替器15のB端子とアンドゲートAG1の一方の入力端子および制御ゲート9の入力端子に接続され、反転出力端子Q’(以下「Q’」を反転出力端子記号とする)はアンドゲートAG2の一方の入力端子に接続されている。フリップフロップDFF2のクロック端子にはカウントクロックCLKが入力され、非反転出力端子QはアンドゲートAG2の他方の入力端子に接続され、反転出力端子Q’はアンドゲートAG1の他方の入力端子に接続されている。アンドゲートAG1の出力端子はアンドゲートAG3、AG5、AG7の入力端子に接続されている。アンドゲートAG2の出力端子はアンドゲートAG4、AG6、AG8の入力端子に接続されている。
【0026】
補正信号発生ブロック12において、フリップフロップDFF1のD端子にはコンパレータ4の出力CMPが入力され、クロック端子にはインバータINV1を介してカウントクロックCKBが入力され、非反転出力端子QはフリップフロップDFF2のD端子およびアンドゲートAG1の一方の入力端子に接続され、反転出力端子Q’はアンドゲートAG2の一方の入力端子に接続されている。フリップフロップDFF2のクロック端子にはインバータINV1を介してカウントクロックCKBが入力され、非反転出力端子QはアンドゲートAG2の他方の入力端子に接続され、反転出力端子Q’はアンドゲートAG1の他方の入力端子に接続されている。アンドゲートAG1の出力端子はアンドゲートAG3、AG11の入力端子に接続されている。アンドゲートAG2の出力端子はアンドゲートAG4の入力端子に接続されている。
【0027】
補正信号発生ブロック13において、フリップフロップDFF1のD端子にはコンパレータ4の出力CMPが入力され、クロック端子にはインバータINV2を介してカウントクロックCLKが入力され、非反転出力端子QはフリップフロップDFF2のD端子およびアンドゲートAG1の一方の入力端子に接続され、反転出力端子Q’はアンドゲートAG2の一方の入力端子に接続されている。フリップフロップDFF2のクロック端子にはインバータINV2を介してカウントクロックCLKが入力され、非反転出力端子QはアンドゲートAG2の他方の入力端子に接続され、反転出力端子Q’はアンドゲートAG1の他方の入力端子に接続されている。アンドゲートAG1の出力端子はアンドゲートAG5、AG10の入力端子に接続されている。アンドゲートAG2の出力端子はアンドゲートAG6の入力端子に接続されている。
【0028】
補正信号発生ブロック14において、フリップフロップDFF1のD端子にはコンパレータ4の出力CMPが入力され、クロック端子にはカウントクロックCKBが入力され、非反転出力端子QはフリップフロップDFF2のD端子およびアンドゲートAG1の一方の入力端子に接続され、反転出力端子Q’はアンドゲートAG2の一方の入力端子に接続されている。フリップフロップDFF2のクロック端子にはカウントクロックCKBが入力され、非反転出力端子QはアンドゲートAG2の他方の入力端子に接続され、反転出力端子Q’はアンドゲートAG1の他方の入力端子に接続されている。アンドゲートAG1の出力端子はアンドゲートAG7、AG9の入力端子に接続されている。アンドゲートAG2の出力端子はアンドゲートAG8の入力端子に接続されている。
【0029】
アンドゲートAG3〜AG8の出力端子は、それぞれ対応するJK形のフリップフロップFF3〜FF8のJ端子に接続されている。これらフリップフロップFF3〜FF8のクロック端子にはカウントクロックCLK入力され、K端子には制御信号発生器7からクリア信号CLRが入力されている。これらフリップフロップFF3〜FF8は補正信号発生ブロック11〜14から出力される信号を有効なタイミングで保持することにより、反転出力端子Q’から分解能を補正するための補正信号LDB,LDC,LDD,LD2,LD3,LD4を出力する。
【0030】
制御信号発生器7はクリア信号CLRを含む3種類の信号CTL、EOCを発生するものであって、制御信号CTLはアンドゲート9の入力端子および信号切替器15の制御端子に入力され、制御信号EOCはアンドゲートAG3〜AG11の入力端子に入力されている。
【0031】
信号切替器15は、制御信号CTLのレベルに応じて出力端子Yに出力される信号を切り替える。すなわち、制御信号CTLが"H"の時は入力端子Bに入力されているPWM信号を出力し、"L"の時は入力端子Aに入力されているCMP信号を出力するように切り替える。
【0032】
オアゲート16は、信号切替器15の出力信号とアンドゲートAG9〜AG11の出力信号を加算して切替スイッチ8の切替信号FBを出力する。
【0033】
図1の動作を図2のタイミングチャートを用いて説明する。
制御信号CTLは、矩形波信号発生器2の出力EcのM周期分に対応する時間幅の間"H"レベルになる信号である。出力Ecが立ち上がる時刻tcで立ち上がって出力EcのM+1周期目が立ち上がる時刻teで立ち下がり、カウンタ10の動作時間を制御する。
【0034】
制御信号EOCは、矩形波信号発生器2の出力EcのM周期目だけ"H"レベルになる信号であり、出力EcのM周期目が立ち上がる時刻tdで立ち上がってM+1周期目が立ち上がる時刻teで立ち下がり、アンドゲートAG3〜AG11を制御する。
【0035】
クリア信号CLRは、制御信号CTLが立ち上がる時刻tcに先行する時刻taで立ち上がって時刻tbで立ち下がり、カウンタ10と補正出力を取り込むフリップフロップFF3〜FF8をクリアする。
【0036】
次に、図3のタイミングチャートを用い、多相クロックについて説明する。
カウントクロック発生器5は周期Tの多相NのクロックをT/(2×N)の位相差で発生させる。図1の実施例では2相クロックCLK,CKBを発生するので、位相差はT/4になる。カウンタ10のカウント動作は従来例と同様にクロックCLKのみを用いて行い、その他のN−1相のクロック信号(図1の実施例ではクロックCKB)は補正信号の発生にのみ使用される。
【0037】
これらN相のクロックの立ち上がり,立ち下がりの両方のタイミングを利用することにより、従来の2×N倍の分解能で、コンパレータ出力CMPの立ち上がりと立ち下がりを判別できる。図1の実施例の場合には、図3に示すように、2相クロックCLK,CKBの立ち上がり,立ち下がりの両方のタイミングに基づいてコンパレータ出力CMPの立ち上がりと立ち下がりを判別できるので、従来のCLKのみによる判別に比べて4倍の分解能が得られる。
【0038】
このような2相クロック信号を使用した場合の動作を、図4〜図7を用いて説明する。ここで、A/D動作の誤差分は、前述のようにM周期目のEcに対応するPWM信号に伝達されるので、M周期目の動作について述べる。なお、図4〜図7では、各図中に表示する信号が多いため、図の左右半面ずつに信号の変化部分のみを記載している。また、図中におけるコンパレータ出力CMPの後の括弧付き記号は、図3に示したクロックCLKに対する位相関係を表示している。
【0039】
これら図4〜図7の中の図5を用いて動作の詳細を説明する。他の図はコンパレータ出力CMPの位相が異なることによって補正出力信号の値が変化しているだけであり、動作は同様である。
【0040】
信号LCKAはコンパレータ出力CMPの立ち上がりをクロックCLKの立ち上がりのタイミングで同期微分したものであり、補正信号発生ブロック11のアンドゲートAG1から出力される。信号LCK1はコンパレータ出力CMPの立ち下がりをクロックCLKの立ち上がりのタイミングで同期微分したものであり、補正信号発生ブロック11のアンドゲートAG2から出力される。
【0041】
信号LCKBはコンパレータ出力CMPの立ち上がりをクロックCKBの立ち下がりのタイミングで同期微分したものであり、補正信号発生ブロック12のアンドゲートAG1から出力される。信号LCK2はコンパレータ出力CMPの立ち下がりをクロックCKBの立ち下がりのタイミングで同期微分したものであり、補正信号発生ブロック12のアンドゲートAG2から出力される。
【0042】
信号LCKCはコンパレータ出力CMPの立ち上がりをクロックCLKの立ち下がりのタイミングで同期微分したものであり、補正信号発生ブロック13のアンドゲートAG1から出力される。信号LCK3はコンパレータ出力CMPの立ち下がりをクロックCLKの立ち下がりのタイミングで同期微分したものであり、補正信号発生ブロック13のアンドゲートAG2から出力される。
【0043】
信号LCKDはコンパレータ出力CMPの立ち上がりをクロックCKBの立ち上がりのタイミングで同期微分したものであり、補正信号発生ブロック14のアンドゲートAG1から出力される。信号LCK4はコンパレータ出力CMPの立ち下がりをクロックCKBの立ち上がりのタイミングで同期微分したものであり、補正信号発生ブロック14のアンドゲートAG2から出力される。
【0044】
信号ANB,ANC,ANDは信号LCKB,LCKC,LCKDとLCKAとの論理積出力であり、それぞれアンドゲートAG3、AG5、AG7から出力される。これら論理積出力はクロックCLKの立ち上がりタイミングでそれぞれ対応したフリップフロップFF3、FF5、FF7にラッチされ、分解能を補正するための補正信号LDB,LDC,LDDとして反転出力端子Q’から出力される。
【0045】
さらに、信号AN2,AN3,AN4は信号LCK2,LCK3,LCK4とLCK1との論理積出力であり、それぞれアンドゲートAG4、AG6、AG8から出力される。これら論理積出力はクロックCLKの立ち上がりタイミングでそれぞれ対応したフリップフロップFF4、FF6、FF8にラッチされ、分解能を補正するための補正信号LD2,LD3,LD4として反転出力端子Q’から出力される。
【0046】
各信号LCKxは、コンパレータ出力CMPの変化後に入る各クロックの順番に出力される。この回路で基準になるのは、コンパレータ出力CMPと同期したクロックCLKの立ち上がりで同期微分した信号CLKAとCLK1である。信号LCKAを基準にして比較される信号LCKB,LCKC,LCKDが先に出力されると、フリップフロップFF3、FF5、FF7のラッチ出力LDB,LDC,LDDは"H"となり、後で出力されると"L"になる。信号LCK1に対する信号LCK2,LCK3,LCK4の比較結果も同様に、先に出力されるとフリップフロップFF4、FF6、FF8のラッチ出力LD2,LD3,LD4は"H"となり、後で出力されると"L"となる。
【0047】
図5では、コンパレータ出力CMPが立ち上がってからは、
1.CLK立ち下がり
2.CKB立ち下がり
3.CLK立ち上がり
4.CKB立ち上がり
の順に変化するので、LCKC→LCKB→LCKA→LCKDの順番で信号が出力され、結果は
LDB="H",LDC="H",LDD="L"となる。
【0048】
また、コンパレータ出力CMPが立ち下がってからは、
1.CLK立ち下がり
2.CKB立ち下がり
3.CLK立ち上がり
4.CKB立ち上がり
の順に変化するので、LCK3→LCK2→LCK1→LCK4の順番で信号が出力され、結果は
LD2="H",LD3="H",LD4="L"となる。
【0049】
これらから、フリップフロップFF3、FF5、FF7のラッチ出力LDB,LDC,LDDおよびフリップフロップFF4、FF6、FF8のラッチ出力LD2,LD3,LD4の結果を調べることにより、コンパレータ出力CMPの変化をクロックCLKの周期の1/4の分解能で知ることが可能となる。
【0050】
具体的には、これらフリップフロップFF3、FF5、FF7のラッチ出力LDB,LDC,LDDおよびフリップフロップFF4、FF6、FF8のラッチ出力LD2,LD3,LD4を使い、カウント値CNTを以下のように補正する。
LDD,LDC,LDB−LD4,LD3,LD2−カウント補正値
H,H,H H,H,H CNT
H,H,H L,H,H CNT+0.25
H,H,H L,L,H CNT+0.5
H,H,H L,L,L CNT+0.75
L,H,H H,H,H CNT−0.25
L,H,H L,H,H CNT
L,H,H L,L,H CNT+0.25
L,H,H L,L,L CNT+0.5
L,L,H H,H,H CNT−0.5
L,L,H L,H,H CNT−0.25
L,L,H L,L,H CNT
L,L,H L,L,L CNT+0.25
L,L,L H,H,H CNT−0.75
L,L,L L,H,H CNT−0.5
L,L,L L,L,H CNT−0.25
L,L,L L,L,L CNT
この補正によって、コンパレータ出力CMPの立ち上がりと立ち下がりの測定分解能を4倍にすることができる。
【0051】
また、信号切替器15によってCTL="H"のときはフリップフロップ6の出力PWMがFB信号として返され、カウント誤差分を積分器3に返している。そして、CTL="L"でカウントしていないときにはコンパレータ出力CMPをFB信号として返すことで、積分器3のチャージを零にしている。
【0052】
なお、図1の実施例ではクロックが2相の場合について説明したが、相数を増加させることは可能である。
例えば、N相のクロックを使用した場合、T/(2×N)の位相差でN相のクロック(周期T)を生成し、そのクロックの立ち上がりと立ち下がりの両方のタイミングを利用して、例示したのと同様の方法を用いることにより、計測したカウントの分解能を2×N倍 に拡張することができる。
【0053】
そのために必要な補正値フラグの出力数は(2×N−1)×2個で、カウント補正値の計算法は次のようになる。
カウント補正値=(Xu+Xd)/(2×N)−(1−1/(2×N))
ただし、
Xu:コンパレータ出力CMPの立ち上がり側での有効なフラグ数(具体例ではフラグ"H"の数)
Xd:コンパレータ出力CMPの立ち下がり側の有効なフラグの数(具体例ではフラグ"L"の数)
【0054】
なお、アナログ回路は従来の回路を変更しなくてよいことから汎用素子を用いることができる。また、補正信号発生ブロックは汎用ロジックアレイを組み合わせればよく、コストアップを大幅に抑制できる。
【0055】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、多相(N相)のクロックを使用することにより、従来と同じ測定時間、カウントクロック周波数でありながら、カウントの分解能を2N倍に高められる帰還形パルス幅変調方式A/D変換器を、比較的安価に実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示すブロック図である。
【図2】図1の動作を説明するタイミングチャートである。
【図3】多相クロックの動作を説明するタイミングチャートである。
【図4】2相クロック信号を使用した場合の動作を説明するタイミングチャートである。
【図5】2相クロック信号を使用した場合の動作を説明するタイミングチャートである。
【図6】2相クロック信号を使用した場合の動作を説明するタイミングチャートである。
【図7】2相クロック信号を使用した場合の動作を説明するタイミングチャートである。
【図8】従来の帰還形パルス幅変調方式A/D変換器の構成例を示すブロック図である。
【図9】図8の動作を説明するタイミングチャートである。
【符号の説明】
1 入力端子
2 矩形波信号発生器
3 積分器
4 コンパレータ
5 カウントクロック発生器
6 D形フリップフロップ
7 制御信号発生器
8 切替スイッチ
9 制御ゲート
10 カウンタ
11〜14 補正信号発生ブロック
15 信号切替器
16 オアゲート
Claims (4)
- 矩形波電圧と正負の基準電圧と被変換入力電圧を積分して被変換入力電圧に対応したパルス幅に変換し、このパルス幅をクロックでカウントすることによりデジタル信号に変換するように構成された帰還形パルス幅変調方式A/D変換器において、
前記クロックとして位相差T/(2×N)(但しTは周期、Nは相数)を有する多相(N相)のクロックを用い、カウントの分解能を高めることを特徴とする帰還形パルス幅変調方式A/D変換器。 - 前記N相のクロックのうちの1相のクロックでカウントを行い、残りのクロックでカウント分解能の補正演算を行うことを特徴とする請求項1記載の帰還形パルス幅変調方式A/D変換器。
- カウント分解能の補正演算にあたり、前記N相のクロックの立ち上がりと立ち下がりの両方のタイミングを利用することを特徴とする請求項1または請求項2記載の帰還形パルス幅変調方式A/D変換器。
- 少なくとも、
積分出力と共通電位点電位を比較するコンパレータと、
このコンパレータの出力を前記N相のクロックの立ち上がりと立ち下がりのタイミングでそれぞれラッチしてパルス幅信号を出力する手段を含む2N個の補正信号発生ブロック、
を有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の帰還形パルス幅変調方式A/D変換器。
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