JP4096210B2 - シロキサン含有ポリエステルイミド及びその製造方法並びにそれを含むワニス - Google Patents

シロキサン含有ポリエステルイミド及びその製造方法並びにそれを含むワニス Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、芳香族環を3個以上有するジアミン及びシロキサンジアミンの混合物と無水トリメリット酸を反応させて得られるジイミドジカルボン酸の混合物とジエポキシ化合物とを反応させて得られるシロキサン含有ポリエステルイミド及びその製造方法並びにそれを含むワニスに関する。
【0002】
【従来の技術】
芳香族ジアミンと無水トリメリット酸を反応させ純度の高いジイミドジカルボン酸を製造する方法は、特開平4−182466号公報に開示されている。この公報には、反応最終生成物のジイミドジカルボン酸は、反応溶媒にほとんど溶解せず析出してしまうため、ジイミドジカルボン酸の分離回収や精製が容易になり、さらに使用する芳香族炭化水素が水と共沸可能な溶媒であるため、反応中に生成した水を、反応系外に除去でき、その結果、反応時間を短縮でき、純度の高い生成物ができることが記載されている。また、従来、ジイミドジカルボン酸とエポキシ樹脂を反応させてポリエステルイミドを製造する場合、ジイミドジカルボン酸の溶解性が低いため、固形物として取り出した後、エポキシ樹脂と反応させる必要があった。 ジカルボン酸とジエポキシ化合物から得られるポリエステルイミドは、従来から公知であり、耐熱性を向上させるためにイミド環を導入することも公知である。
一方、ポリジメチルシロキサンはイオン性が高く凝集力の大きな主鎖と、非イオン性で凝集力が弱い側鎖から構成されておりポリマ同士の相互作用しかない状況では主鎖のシロキサン結合を内側に向けたらせん構造をとることが知られている。ポリマにシロキサン骨格を導入するとシロキサン部分のらせん構造によりポリマ一分子の占める空間が大きくなり樹脂のガス透過率が高くなることが知られている。例えば、特開平4−22429号公報には、ポリアミドイミド−ポリシロキサンブロック共重合体からなる気体分離膜が提案されている。また、シロキサン骨格は熱振動が激しい反面、シロキサン骨格同士の相互作用が小さいことから、樹脂の弾性率、可とう性などの改質を行うことが期待できる。 ポリエステルイミドにシロキサンの骨格を導入できれば、種々の特性をもつ樹脂を得ることや、一般に高沸点の溶剤を使用して合成されるポリエステルイミドの乾燥効率を高めることが期待できるが、高分子量体を得る方法は従来なかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
芳香族環が2個以下のジアミンを用いると特開平4−182466号公報に記載されているように、生成したジイミドジカルボン酸が、合成溶媒に不溶になるために、ジイミドジカルボン酸の段階で、ろ過しなければならなくなり、ろ過の工程や精製の工程が増え、コストアップの要因になっている。また、精製したジイミドジカルボン酸の溶解性が低いため、該ジイミドジカルボン酸とジエポキシ化合物を反応させようとしても、分子量が大きくならず、そのワニスをフィルム形状に製膜しようとしても、フィルム形成能に劣る等の欠点があった。
本発明は、上記のような欠点であるジイミドジカルボン酸が溶剤に可溶で、しかもジイミドジカルボン酸とジエポキシ化合物との反応物も溶剤に可溶でありろ過工程や精製工程が不要で、溶剤に溶解したポリイミドワニスが溶剤を飛散させることにより容易にフィルムを形成できる高分子量のシロキサン含有ポリエステルイミドやその合成法を提供することを課題とした。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、芳香族環を3個以上有するジアミン及びシロキサンジアミンの混合物と無水トリメリット酸を反応させて得られる一般式(1式)及び一般式(2式)で示されるジイミドジカルボン酸を含む混合物と一般式(3式)で示されるジエポキシ化合物を反応させて得られるシロキサン含有ポリエステルイミドである。
【0005】
【化4】
Figure 0004096210
【0006】
【化5】
Figure 0004096210
【0007】
【化6】
Figure 0004096210
【0008】
また本発明は、(A)芳香族環を3個以上有するジアミン及び(B)シロキサンジアミンの混合物(A/B=99.9/0.1〜0.1/99.9モル比)と無水トリメリット酸とを(A+B)の合計モル数/無水トリメリット酸のモル比=1/2〜1/2.4で反応させて得られる一般式(1式)及び一般式(2式)で示されるジイミドジカルボン酸を含む混合物と一般式(3式)で示されるジエポキシ化合物とを(A+B)の合計モル数とジエポキシ化合物のモル比が1/0.8〜1/1.2(ジエポキシ化合物のエポキシ当量の2倍をジエポキシ化合物のモル数とする)で反応させて得られるシロキサン含有ポリエステルイミドであると好ましい。
そして、本発明は、ジイミドジカルボン酸として(A)2,2−ビス[4−{4−(5−ヒドロキシカルボニル−1,3−ジオン−イソインドリノ)フェノキシ}フェニル]プロパンと(B)ビス(5−ヒドロキシカルボニル−1,3−ジオン−イソインドリノ)プロピルポリジメチルシロキサンの混合物(A/B=99.9/0.1〜0.1/99.9モル比)とビスフェノールA型エポキシ樹脂とを反応させると好ましいシロキサン含有ポリエステルイミドである。
また、本発明は、(C)芳香族環を3個以上有するジアミンと(D)シロキサンジアミンの混合物(C/D=99.9/0.1〜0.1/99.9モル比)と無水トリメリット酸とを非プロトン性極性溶媒の存在下に、50〜90℃で反応させ、さらに水と共沸可能な芳香族炭化水素を非プロトン性極性溶媒の0.1〜0.5重量比で投入し、120〜180℃で反応を行い芳香族ジイミドジカルボン酸とシロキサンジイミドジカルボン酸を含む混合物を製造し、これとジエポキシ化合物との反応を行うことを特徴とするシロキサン含有ポリエステルイミドの製造方法である。そして、ジイミドジカルボン酸を製造した後、その溶液から芳香族炭化水素を除去し、これとジエポキシ化合物との反応を行うと好ましく、非プロトン性極性溶媒がN−メチルピロリドンであり、水と共沸可能な芳香族炭化水素がトルエンであると好ましいシロキサン含有ポリエステルイミドの製造方法である。そして、上記の方法により得られるシロキサン含有ポリエステルイミドを含むワニスである。
【0009】
【発明の実施の形態】
芳香族環を3個以上有するジアミンとシロキサンジアミンの混合物に無水トリメリット酸を反応させた場合、反応生成物として得られる芳香族ジイミドジカルボン酸とシロキサンジイミドジカルボン酸の混合物も溶解性が高く、次の段階で溶液状態でジエポキシ化合物と反応させることが可能となり、合成効率が向上する。
本発明においては、前記の芳香族ジアミンとシロキサンジアミンの合計モル数に対し2〜2.4倍モルの無水トリメリット酸を反応させて芳香族ジイミドジカルボン酸とシロキサンジイミドジカルボン酸の混合物を合成するのが好ましい。この芳香族ジイミドジカルボン酸とシロキサンジイミドジカルボン酸の混合物を製造するに際し、非プロトン性極性溶媒の存在下に、50〜90℃で反応させ、さらに非プロトン性極性溶媒に水と共沸可能な芳香族炭化水素を非プロトン性極性溶媒の0.1〜0.5重量比(10〜50重量%)で投入し、120〜180℃で反応を行い芳香族ジイミドジカルボン酸とシロキサンジイミドジカルボン酸の混合溶液を合成する。反応終了後は芳香族炭化水素は蒸留などにより除去し続いて芳香族ジアミンとシロキサンジアミンの合計モル数に対して0.8〜1.2倍モルのジエポキシ化合物(ジエポキシ化合物のエポキシ当量の2倍をジエポキシ化合物のモル数とする)と反応させてポリエステルイミドを生成するが、生成したポリエステルイミドは前記の非プロトン性極性溶媒に溶解し、溶媒のワニスとして製品とすることができる。
【0010】
本発明で用いる芳香族環を3個以上有するジアミンとしては、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(以下、BAPPと略す)、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン等が例示でき、単独でまたはこれらを組み合わせて用いることができる。BAPPは、ポリエステルイミドの特性のバランスとコスト的に他のジアミンより特に好ましい。
【0011】
本発明で用いるシロキサンジアミンとしては一般式(4式)で表されるものが用いられる。
【0012】
【化7】
Figure 0004096210
【0013】
このようなシロキサンジアミンとしては(5式)で示すものが挙げられ、これらの中でもジメチルシロキサン系両末端アミンであるアミノ変性反応性シリコーンオイルX−22−161AS(アミン当量450)、X−22−161A(アミン当量840)、X−22−161B(アミン当量1500)、以上信越化学工業株式会社製商品名、BY16−853(アミン当量650)、BY16−853B(アミン当量2200)以上東レダウコーニングシリコーン株式会社製商品名などが市販品として挙げられる。
【0014】
【化8】
Figure 0004096210
【0015】
これらの芳香族環を3個以上有するジアミンとシロキサンジアミンの混合物を無水トリメリット酸(以下、TMAと略す)と反応させる。 本発明の製造方法で用いる混合溶媒は、芳香族環を3個以上有するジアミン、シロキサンジアミン及びTMAと反応しない有機溶媒であり、使用する混合溶液の種類とその混合比は重要である。 本発明で使用する非プロトン性極性溶媒として、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン、4−ブチロラクトン、スルホラン、シクロヘキサノン等が例示できる。イミド化反応には、高温を要するため沸点の高い、N−メチル−2−ピロリドン(以下NMPと略す)が、特に好ましい。これらの混合溶媒中に含まれる水分量はTMAが水和して生成するトリメリット酸により、充分に反応が進行せず、ポリマの分子量低下の原因になるため0.2重量%以下で管理されていることが好ましい。また、本発明で使用する非プロトン性極性溶媒は、特に制限されないが、芳香族環を3個以上有するジアミンと無水トリメリット酸を合わせた重量の割合が、多いとTMAの溶解性が低下し充分な反応が行えなくなることや、低いと工業的製造法に不利であることから、10重量%〜70重量%の範囲になることが好ましい。
【0016】
本発明で使用する水と共沸可能な芳香族炭化水素として、ベンゼン、キシレン、エチルベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素が例示でき、特に沸点が比較的低く、作業環境上有害性の少ないトルエンが好ましく、使用量は、非プロトン性極性溶媒の0.1〜0.5(10〜50重量%)重量比の範囲が好ましい。 芳香族炭化水素の使用量が上記の範囲未満であると共沸蒸留による水の除去効果が低下し、さらに、芳香族ジイミドジカルボン酸の生成促進も低下する。 芳香族炭化水素の使用量が上記の範囲を超えると反応中間体の芳香族アミドカルボン酸や生成した芳香族ジイミドジカルボン酸が析出してしまうおそれがある。 反応中に芳香族炭化水素は水と共沸させ、系外に流出させる。このため、溶媒中の芳香族炭化水素量が減少するおそれがある。従って、反応系内に存在する芳香族炭化水素溶媒量を一定割合に維持するために、例えばコック付きの水分定量受器等を用いて系外に流出した溶媒を水と分離した後に系内に戻したり、補充する方法等を行うことが好ましい。
【0017】
本発明での反応条件は、はじめに、芳香族環を3個以上有するジアミン及びシロキサンジアミンと無水トリメリット酸の反応において非プロトン性極性溶媒の存在下に、50〜90℃で反応させなければならない。そしてこの反応の後、芳香族炭化水素を投入し、水と共沸する温度で反応させる。このときの反応温度は芳香族炭化水素量やコック付きの水分定量受器の容量によって変化するが、特に、120〜180℃で反応させることが好ましい。 反応は、反応系で水が副生しなくなるまで行われ、特に、水が理論量留去していることを確認することが好ましい。 反応溶液は芳香族炭化水素を含んだ状態でも良いが、上記の反応後、温度を上げてジエポキシ化合物と反応させるため、さらに温度を上げて芳香族炭化水素を留去してから次の反応を行うことが好ましい。得られた芳香族ジイミドジカルボン酸とシロキサンジイミドジカルボン酸の混合物は、ジエポキシ化合物と反応させることで分子量の高いシロキサン含有ポリエステルイミドを生成することができる。
【0018】
本発明で用いるジエポキシ化合物として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、テトラブロモビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂等が例示できる。これらは単独でまたは組み合わせて用いることができる。特にビスフェノールA型エポキシ樹脂が好ましい。反応温度は、低いと反応時間が長くなることや、高すぎるとジエポキシ化合物同士で反応するのでこれらを防止するため、100〜200℃で反応させることが好ましい。また、ブロム化エポキシ化合物のように、反応性に劣るエポキシ化合物の場合には、3級アミンのような反応促進剤を併用することが好ましい。次に実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0019】
【実施例】
(実施例1)
環流冷却器を連結したコック付き25mlの水分定量受器、温度計、撹拌器を備えた1リットルのセパラブルフラスコに芳香族環を3個以上有するジアミンとしてBAPP(2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン)65.7g(0.16モル)、シロキサンジアミンとして反応性シリコンオイルX−22−161AS(信越化学工業株式会社製商品名、アミン当量416)33.3g(0.04モル)、TMA(無水トリメリット酸)80.7g(0.42モル)を、非プロトン性極性溶媒としてNMP(N−メチル−2−ピロリドン)560gを仕込み、80℃で30分間撹拌した。そして水と共沸可能な芳香族炭化水素としてトルエン100mlを投入してから温度を上げ約160℃で2時間環流させた。水分定量受器に水が約7.2ml以上たまっていること、水の流出が見られなくなっていることを確認し、水分定量受器にたまっている流出液を除去しながら、約190℃まで温度を上げて、トルエンを除去した。その後、溶液を室温に戻し、ジエポキシ化合物としてビスフェノールA型エポキシ樹脂エピコート1001(油化シェルエポキシ株式会社製商品名、エポキシ当量450)216.0g(0.24モル)を投入し、190℃で2時間反応させた。反応終了後、シロキサン含有ポリエステルイミドのNMP溶液を得た。
この溶液ワニスをガラス板に塗布し150℃で30分乾燥した後、フィルムをガラス板から剥がして、さらに180℃で1時間加熱し、厚さ約60μmのシロキサン含有ポリエステルイミドのフィルムを得た。そしてこのフィルムのガラス転移温度、引張り強さ、破断伸び及び常温における引張り弾性率を測定した。また、得られたシロキサン含有ポリエステルイミドの分子量を測定しそれらの結果を表1に示した。ガラス転移温度は得られたフィルムを用いDVE(広域動的粘弾性測定装置、測定周波数10Hz)によりtanδの最大値の値を用いた。また、引張り強さ、破断伸び及び常温における引張り弾性率は、得られたフィルムを10mm幅の短冊にカットし、引張り試験器により、クロスヘッドスピード50mm/分で測定した。分子量は得られたワニス50mgを採取し、ジメチルホルムアミド/テトラヒドロフラン=1/1(容量比、リン酸0.06M、臭化リチウム0.03M含有)溶液5mlを加えGPCにより測定し、標準ポリスチレンに換算して求めた。
【0020】
(実施例2)
環流冷却器を連結したコック付き25mlの水分定量受器、温度計、撹拌器を備えた1リットルのセパラブルフラスコに芳香族環を3個以上有するジアミンとしBAPP(2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン)32.8g(0.08モル)、シロキサンジアミンとして反応性シリコンオイルX−22−161A(信越化学工業株式会社製商品名、アミン当量792)31.7g(0.02モル)、TMA(無水トリメリット酸)46.1g(0.24モル)を、非プロトン性極性溶媒としてNMP(N−メチル−2−ピロリドン)315gを仕込み、80℃で30分間撹拌した。そして水と共沸可能な芳香族炭化水素としてトルエン100mlを投入してから温度を上げ約160℃で2時間環流させた。水分定量受器に水が約3.6ml以上たまっていること、水の流出が見られなくなっていることを確認し、水分定量受器にたまっている流出液を除去しながら、約190℃まで温度を上げて、トルエンを除去した。その後、溶液を室温に戻し、ブロム化ビスフェノールA型エポキシ樹脂としてプラサームEP16(大日本インキ化学工業株式会社製、エポキシ当量816)195.8g(0.12モル)を投入し、190℃で2時間反応させた。反応終了後、シロキサン含有ポリエステルイミドのNMP溶液を得た。この溶液を実施例1と同様にフィルムにし、特性を表1に示した。
【0021】
(実施例3〜6)
環流冷却器を連結したコック付き25mlの水分定量受器、温度計、撹拌器を備えた1リットルのセパラブルフラスコに芳香族環を3個以上有するジアミンとしBAPP(2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン)、シロキサンジアミンとして反応性シリコンオイルX−22−161AS(信越化学工業株式会社製商品名、アミン当量416)、TMA(無水トリメリット酸)、非プロトン性極性溶媒としてNMP(N−メチル−2−ピロリドン)をそれぞれ表2に示した配合比で仕込み、80℃で30分間撹拌した。そして水と共沸可能な芳香族炭化水素としてトルエン100mlを投入してから温度を上げ約160℃で2時間環流させた。水分定量受器に水が約3.6ml以上たまっていること、水の流出が見られなくなっていることを確認し、水分定量受器にたまっている流出液を除去しながら、約190℃まで温度を上げて、トルエンを除去した。その後、溶液を室温に戻し、ジエポキシ化合物としてビスフェノールA型エポキシ樹脂エピコート1001(油化シェルエポキシ株式会社製商品名、エポキシ当量450)を表2に示した量を投入し、190℃で2時間反応させた。反応終了後、シロキサン含有ポリエステルイミドのNMP溶液を得た。得られたシロキサン含有ポリエステルイミドの分子量を測定し表2に示した。
【0022】
(比較例)
環流冷却器を連結したコック付き25mlの水分定量受器、温度計、撹拌器を備えた1リットルのセパラブルフラスコに芳香族環を2個有するジアミンとし4,4’ージアミノジフェニルメタン39.6g(0.2モル)、シロキサンジアミンとして反応性シリコンオイルX−22−161AS(信越化学工業株式会社製商品名、アミン当量416)41.6g(0.05モル)、TMA(無水トリメリット酸)96.1g(0.5モル)、非プロトン性極性溶媒としてNMP(N−メチルピロリドン)700gを仕込み、80℃で30分間撹拌した。そして水と共沸可能な芳香族炭化水素としてトルエン100mlを投入してから温度を上げ約160℃で2時間環流させた。水の流出に伴って、反応生成物が析出してきた。水分定量受器に水が約9ml以上たまっていること、水の流出が見られなくなっていることを確認し、水分定量受器にたまっている流出液を除去しながら、約190℃まで温度を上げて、トルエンを除去した。しかし、析出した芳香族ジイミドジカルボン酸は溶解せず、溶液は得られなかった。その後、溶液を室温に戻し、ジエポキシ化合物としてビスフェノールA型エポキシ樹脂エピコート1001(油化シェルエポキシ株式会社製商品名、エポキシ当量450)225g(0.25モル)を投入し、170℃で2時間反応させたが、析出物は溶解しなかったのでこれ以上反応させることはしなかった。
【0023】
【表1】
Figure 0004096210
【0024】
【表2】
Figure 0004096210
BAPP:(2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン)
161AS:反応性シリコンオイルX−22−161AS(信越化学工業株式会社製商品名、アミン当量416)
TMA:無水トリメリット酸
NMP:N−メチル−2−ピロリドン
エポキシ樹脂:ビスフェノールA型エポキシ樹脂エピコート1001(油化シェルエポキシ株式会社製商品名、エポキシ当量450)
BAPP、反応性シリコンオイルX−22−161AS、TMA、エポキシ樹脂の数値はモル数
NMPは重量(g)、分子量は重量平均分子量を示す。
【0025】
【発明の効果】
本発明になるシロキサン含有ポリエステルイミドとそれを含む溶液ワニス及びその製造方法は、耐熱性が要求されるワニス、接着剤及び接着フィルム等に使用でき、塗料分野、配線板・電気分野、自動車分野、建築・建材分野等に幅広く使用することができる。そして、それは従来の製造方法に比べ、シロキサンジイミドジカルボン酸及び芳香族ジイミドジカルボン酸が溶媒に可溶であり、またそれとジエポキシ化合物を反応させて得られるシロキサン含有ポリエステルイミドも溶媒に可溶であるため用途が広くなる。また、溶媒に可溶であるため、ろ過や精製工程が不要であり、分子量の大きいシロキサン含有ポリエステルイミドが製造できるので、製膜性や樹脂特性に優れ工業的に有用である。

Claims (7)

  1. 芳香族環を3個以上有するジアミン及びシロキサンジアミンの混合物と無水トリメリット酸を反応させて得られる一般式(1式)及び一般式(2式)で示されるジイミドジカルボン酸を含む混合物と一般式(3式)で示されるジエポキシ化合物を反応させて得られるシロキサン含有ポリエステルイミド。
    Figure 0004096210
    Figure 0004096210
    Figure 0004096210
  2. (A)芳香族環を3個以上有するジアミン及び(B)シロキサンジアミンの混合物(A/B=99.9/0.1〜0.1/99.9モル比)と無水トリメリット酸とを(A+B)の合計モル数と無水トリメリット酸のモル比が1/2〜1/2.4で反応させて得られる一般式(1式)及び一般式(2式)で示されるジイミドジカルボン酸を含む混合物と一般式(3式)で示されるジエポキシ化合物とを(A+B)の合計モル数とジエポキシ化合物のモル比が1/0.8〜1/1.2(ジエポキシ化合物のエポキシ当量の2倍をジエポキシ化合物のモル数とする)で反応させて得られる請求項1に記載のシロキサン含有ポリエステルイミド。
  3. ジイミドジカルボン酸として(A)2,2−ビス[4−{4−(5−ヒドロキシカルボニル−1,3−ジオン−イソインドリノ)フェノキシ}フェニル]プロパンと(B)ビス(5−ヒドロキシカルボニル−1,3−ジオン−イソインドリノ)プロピルポリジメチルシロキサンの混合物(A/B=99.9/0.1〜0.1/99.9モル比)とビスフェノールA型エポキシ樹脂とを反応させて得られる請求項1に記載のシロキサン含有ポリエステルイミド。
  4. (C)芳香族環を3個以上有するジアミンと(D)シロキサンジアミンの混合物(C/D=99.9/0.1〜0.1/99.9モル比)と無水トリメリット酸とを非プロトン性極性溶媒の存在下に、50〜90℃で反応させ、さらに水と共沸可能な芳香族炭化水素を非プロトン性極性溶媒の0.1〜0.5重量比で投入し、120〜180℃で反応を行い芳香族ジイミドジカルボン酸とシロキサンジイミドジカルボン酸を含む混合物を製造し、これとジエポキシ化合物との反応を行うことを特徴とするシロキサン含有ポリエステルイミドの製造方法。
  5. ジイミドジカルボン酸を製造した後、その溶液から芳香族炭化水素を除去し、これとジエポキシ化合物との反応を行う請求項4に記載のシロキサン含有ポリエステルイミドの製造方法。
  6. 非プロトン性極性溶媒がN−メチルピロリドンであり、水と共沸可能な芳香族炭化水素がトルエンである請求項4又は請求項5に記載のシロキサン含有ポリエステルイミドの製造方法。
  7. 請求項1に記載のシロキサン含有ポリエステルイミドを含むワニス。
JP29720197A 1997-10-29 1997-10-29 シロキサン含有ポリエステルイミド及びその製造方法並びにそれを含むワニス Expired - Lifetime JP4096210B2 (ja)

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