JP4095173B2 - 乗物用シート - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、シートベルトの少なくとも一部がシートバックに支持されてなる乗物用シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、3点で人体を支持するシートベルトの内装された、いわゆる3点ベルトインシートが知られている。かかるシートにおいては、シート内の適所に巻取り機(リトラクタ)が設けられ、このリトラクタにシートベルトの一端が巻き取られているとともに、他端はシートバックに固定されている。リトラクタの巻取り軸には渦巻ばねが装着され、この渦巻ばねの付勢力によってシートベルトの端部が巻取り軸に巻き取られてシートベルトの装着状態が安定するようになっている。そして、普段は付勢力より大きな力でシートベルトを引っ張ることによってシートベルトはリトラクタから引き出されるようになっている。
【0003】
かかるリトラクタには、過負荷が加わるとシートベルトの引き出しを阻止するように動作するロック機構が内装され、車両の衝突によって人体に前方に向かう大きな力が加わったとき、このロック機構によってシートベルトのリトラクタからの引き出しがロックされ、これによって人体が前方に向けて飛び出すのを防止するようになされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来の上記のようなシートにあっては、車両衝突時の人体に加わる加速度によりシートベルトを介して前方に向かう大きな力がシートバックに伝わり、シートバックが前倒しようとするため、これに対抗するべくシートバックとシートボトムとの間に介設されたシートバックの傾倒(リクライニング)構造の強度を大きくしなければならず、これにより傾倒構造が大型化して重量が増大し、その分部品コストが嵩むとともに、設置スペースを十分に確保することが困難になってシートバックの傾倒範囲が小さくなるという問題点を有していた。
【0005】
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、シートバックの傾倒構造の強度を従来よりも大きくすることなく車両の衝突時にシートバックの前倒を確実に阻止することができる乗物用シートを提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1記載の乗物用シートは、着座席であるシートボトムと、上記シートボトムの後端部に水平軸回りに回動可能に軸支され、かつ、前方に向けて傾倒した前倒姿勢とシートボトムから起立した起立姿勢との間で姿勢変更可能なシートバックとからなり、かつ、シートベルトの少なくとも一部がシートバックに支持されてなる乗物用シートにおいて、上記シートボトムは、前後方向に延びる幅方向一対のボトムフレームを有し、上記シートバックは、幅方向一対のサイドフレームを備えて形成され、上記サイドフレームは、下端部が上記ボトムフレームの後方部に上記水平軸回りに回動自在に接続され、上記サイドフレーム間には、所定の位置に上部架橋ロッドが差し渡されている一方、上記ボトムフレーム間には下部架橋ロッドが差し渡され、上記上部架橋ロッドと下部架橋ロッドとの間にはベルト部材が複数回巻き掛けられ、上記ボトムフレームには、上記ベルト部材の一方の端部を付勢手段の付勢力によって巻き取るリトラクタが取り付けられ、ベルト部材の他方の端部はシートの適所に固定され、上記上部架橋ロッドおよび下部架橋ロッドは、上記付勢手段の付勢力によるベルト部材の巻き締めによってシートバックが起立姿勢になるようにそれぞれ設置位置が設定されていることを特徴とするものである。
【0007】
この乗物用シートによれば、普段は付勢手段の付勢力によってベルト部材の一方の端部がリトラクタ内に巻き取られ、この巻き取り時の巻き締めによって上部架橋ロッドが下部架橋ロッドの方向に引き寄せられ、これによってシートバックは水平軸回りに回動して起立姿勢に設定された状態になっている。この状態でシートバックを前倒姿勢の方向に傾倒すると、上部架橋ロッドが下部架橋ロッドから離間して両ロッド間に巻き掛けられているベルト部材の巻き掛け距離が増大し、これによってベルト部材の一端が付勢手段の付勢力に抗してリトラクタから引き出される。
【0008】
そして、乗物の衝突等によって人体に前方に向かう大きな加速度が加わると、これによって生じた力がシートベルトを介してシートバックに伝達され、シートバックが急激に水平軸回りに回動して前倒しようとするが、このとき大きな張力が上部および下部架橋ロッド間に巻き掛けられたベルト部材に急激に加わるため、各架橋ロッドとベルト部材との間の摩擦力が大きくなって各架橋ロッドとベルト部材との間の相対移動が抑制されること、および複数回各架橋ロッドに巻き付いたベルト部材がシートバックの急激な姿勢変更速度に追随して移動することができないことから、シートバックの前倒が規制される。
【0009】
従って、従来のように、シートバックとシートボトムとの間にロック手段を備えたシートバックの傾倒構造を採用する必要がなくなり、その分部品コストの低減化が実現する。
【0010】
本発明の請求項2記載の乗物用シートは、請求項1記載の乗物用シートにおいて、上記リトラクタ内に、上記ベルト部材に予め設定された以上の過剰負荷が加わったときにベルト部材の引き出しを阻止するロック手段が設けられていることを特徴とするものである。
【0011】
この乗物用シートによれば、乗物の衝突時に各架橋ロッドとベルト部材との間の摩擦力の増大、およびベルト部材のシートバック前倒に対する不追随に加えてロック手段によるロックによってベルト部材のリトラクタからの引き出しが阻止されるため、シートバックの急激な前倒が確実に防止される。
【0012】
本発明の請求項3記載の乗物用シートは、請求項2記載の乗物用シートにおいて、上記ロック手段に、上記過剰負荷を検出する過剰負荷センサが設けられ、この過剰負荷センサが過剰負荷を検出したときに上記ロック手段が動作するように構成されていることを特徴とするものである。
【0013】
この乗物用シートによれば、乗物の衝突によるベルト部材の過剰負荷が過剰負荷センサによって検出され、これによってベルト部材のリトラクタからの引き出し阻止が迅速に行われる。
【0014】
本発明の請求項4記載の乗物用シートは、請求項1乃至3のいずれかに記載の乗物用シートにおいて、上記ベルト部材は、他方の端部側が上記シートベルトと兼用されていることを特徴とするものである。
【0015】
この乗物用シートによれば、乗物の衝突時の衝撃が、シートベルトからベルト部材の巻き掛け部分やリトラクタに直接伝達されるため、一旦シートバックを介する場合に比較してより迅速な対応が可能になる。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に係る乗物用シートの第1実施形態を示す斜視図である。この実施形態においては、乗物用シートとして車両用シートを適用している。なお、図1において、X−X方向を幅方向、Y−Y方向を前後方向といい、特に−X方向を左方、+X方向を右方、−Y方向を前方、+Y方向を後方という。
【0017】
図1に示すように、シート1は、着座席としてのシートボトム2と、シートボトム2の後端部に立設された背凭れとしてのシートバック3と、このシートバック3に装備されたシートベルト4と、シートボトム2およびシートバック3間に介設されたベルト部材5とを備えた基本構成を有している。
【0018】
シートボトム2は、幅方向一対のボトムフレーム21と、このボトムフレーム21に支持されたボトムクッション20とを備えて構成されている。各ボトムフレーム21は、車両のフロアF上にボルト止めで固定された前後方向に延びる幅方向一対のチャネルF1上にそれぞれ立設されている。かかるボトムフレーム21は、上下寸法が前端側から漸増して後端側の直前で最大上下寸法になってから後端部に向かって減少するように山形に形状設定されている。そして、ボトムフレーム21の最大上下寸法の部分から後端部分にかけてシートバック3が接続される接続部22が形成されている。
【0019】
また、ボトムフレーム21の前後方向の略中央部には、各ボトムフレーム21間に差し渡された架橋フレーム23が設けられ、この架橋フレーム23の幅方向の中央部より若干左寄りの部分に付勢手段の付勢力でベルト部材5を巻き取るリトラクタ24が取り付けられている。また、ボトムフレーム21の接続部22の後端部間には、棒状の下部架橋ロッド25が架橋されている。この下部架橋ロッド25には、4つの回転体6が下部架橋ロッド25回りに回転自在に装着され、この回転体6にベルト部材5を順次巻き掛け得るようになっている。
【0020】
回転体6は、架橋ロッド25,35に摺接状態で外嵌される円筒状の回転体本体61と、この回転体本体61の両端部に形成された鍔状のフランジ62とから構成され、これらのフランジ62によって掛け回されたベルト部材5の回転体本体61からの脱落が防止されるようになっている。
【0021】
上記シートバック3は、パイプ体を逆U字形状に折り曲げることによって形成されたバックフレーム31と、このバックフレーム31に支持されたバッククッション30とを備えて構成されている。かかるバックフレーム31は、幅方向一対のサイドフレーム32と、各サイドフレーム32の頂部間に差し渡されたトップフレーム33とからなり、トップフレーム33の右端部と左側のサイドフレーム32との間に筋交いフレーム34が差し渡されているとともに、左右のサイドフレーム32の下部間には、水平方向に延びる上部架橋ロッド35が架橋されている。
【0022】
また、各サイドフレーム32の下端部には、それぞれブラケット36が溶接止め等で固定されている。そして、各ブラケット36の下端部が上記各ボトムフレーム21の接続部22頂部に設けられ幅方向一対の水平軸26回りに回動自在に軸支され、これによってシートバック3は、水平軸26回りに正逆共回りしてシートボトム2の上に折り重なった前倒姿勢と、シートボトム2の後端部に起立した起立姿勢との間で姿勢変更し得るようになっている。なお、本実施形態においては、シートバック3が起立姿勢に設定された状態では、若干後方に傾倒した、いわゆるリクライニング姿勢になっているが、かかるリクライニング姿勢をも起立姿勢の範疇に含めている。
【0023】
そして、本発明においては、シートバック3が起立姿勢に設定された状態で、下部架橋ロッド25および水平軸26を結ぶ直線と、上部架橋ロッド35および水平軸26を結ぶ直線とで形成される角αは鋭角(本実施形態では90°より若干小さめの角度)になるとともに、シートバック3がシートボトム2上に折り重なって密着した状態でも角αは180°より小さめの角度になるように、三者(水平軸26、下部架橋ロッド25および上部架橋ロッド35)の位置関係が設定されている。こうすることによって下部架橋ロッド25と上部架橋ロッド35との間の距離Lは、シートバック3が起立姿勢に設定された状態で最小になり、前倒姿勢に設定された状態で最大になるようにしている。
【0024】
かかるバックフレーム31の右側部には、サイドフレーム32に固定された上下方向に延びるベルトケース37が設けられ、このベルトケース37内に出没自在に上記シートベルト4が収納されるようになっている。図1では、シートベルト4がベルトケース37から引き出された状態を示している。ベルトケース37の上端部には、シートベルト4を引き出す引出し口37aが開口されているとともに、内部にはシートベルト4を付勢手段の付勢力で巻き取る図略のリトラクタが設けられ、これによってシートベルト4は付勢手段の付勢力に抗して必要寸法だけ引き出すことができる一方、車両の衝突によって前方に向かう大きな加速度が生じたときは、シートベルト4のベルトケース37からの引き出しが阻止され、これによって着座者のシート1からの前方への飛び出しが防止されるようになっている。
【0025】
また、シートベルト4の先端部には係止金具41が設けられている一方、左側のボトムフレーム21の外面側にはバックル42が設けられ、このバックルの係止孔42aに係止金具41を差し込むことによって係止金具41のバックル42に対する接続状態がロックされ、シートベルト4に張力がかかっても抜け止めされるようになっている。
【0026】
上記水平軸26には渦巻ばね27の中心側端部が固定されている一方、ブラケット36には係止ピン38が突設され、この係止ピン38に上記渦巻ばね27の先端側が係止され、渦巻ばね27の付勢力によってブラケット36が水平軸26回りに時計方向の付勢力を受け、これによってシートバック3は普段は起立姿勢に姿勢設定されているとともに、シートバック3は、それに前方に向かう力を加えることによって渦巻ばね27の付勢力に抗して上記水平軸26回りに共回りし、これによって起立姿勢から前倒姿勢に姿勢変更することができるようになっている。
【0027】
上記ベルト部材5は、本実施形態においては、強靱な合成樹脂製の繊維を織製することによって帯状に形成された織製品が採用され、略1tの張力に耐え得るように強度設定されている。かかるベルト部材5は、一方の端部がリトラクタ24内に収納されているとともに、下部架橋ロッド25の回転体6と上部架橋ロッド35の回転体6とに順次ジグザグ状に巻き掛けられた状態で、他方の端部が架橋フレーム23のリトラクタ24より右方側に固定されている。
【0028】
上記リトラクタ24は、内部にベルト部材5を巻き取るリール24aと、このリール24aを巻き取り方向に付勢する渦巻ばね24bとを有しているとともに、図略の過剰負荷センサ24dによって作動するロック手段24cが内装されている。上記過剰負荷センサ(いわゆるGセンサ)24dは、衝突によって車両に前方に向かう大きな加速度が発生したときに、この加速度を検出してロック手段24cを動作させるように構成されている。
【0029】
従って、走行中の車両が衝突してシート1の着座者に前方に向かう大きな力が生じるときには、このことを過剰負荷センサ24dが検出してロック手段24cを作動させ、これによってリール24aに巻き取られているベルト部材5の巻き戻しが規制されるため、シートバック3が前倒することによる両架橋ロッド25,35間の距離Lの増大が両者に巻き付いているベルト部材5によって阻止され、シートバック3の前倒が起こらないようになっている。
【0030】
かかるベルト部材5の端部を巻き取ったリトラクタ24、ボトムフレーム21の後端部に配設された下部架橋ロッド25、バックフレーム31のブラケット36に配設された上部架橋ロッド35、および一端がリトラクタ24に支持され、他端がシートボトム2の架橋フレーム23に固定され、かつ、両架橋ロッド25,35に巻き掛けられたベルト部材5によって傾倒規制構造が形成されている。
【0031】
図2は、第1実施形態の傾倒規制構造の作用を説明するための側面視の説明図であり、(イ)はシートバック3が起立姿勢に設定された状態、(ロ)はシートバック3が前倒姿勢に設定された状態をそれぞれ示している。まず、図2の(イ)に示すように、シートバック3が起立姿勢に設定された状態では、渦巻ばね27の付勢力によって水平軸26が軸心回りに時計方向に向けて付勢され、これによってブラケット36を介してバックフレーム31が時計方向に押圧されてシートバック3の起立姿勢が安定した状態になっている。また、下部架橋ロッド25および上部架橋ロッド35に巻き掛けられたベルト部材5は、リトラクタ24の渦巻ばね24bの付勢力によってリール24aに巻き取られて緊張状態になっている。
【0032】
この状態で、走行中の車両が衝突すると、これによって生じた前方に向かう大きな加速度を過剰負荷センサ24dが検出してロック手段24cを動作させるため、リール24aに巻き取られているベルト部材5の巻き戻しが規制される。従って、下部架橋ロッド25に対して上部架橋ロッド35が離間する方向にシートバック3が回動すること、すなわちシートバック3が水平軸26回りに反時計方向に回動して前倒することが防止されるため、シート1の着座者がシートバック3に支持されたシートベルト4に阻止されてシート1から前方に向けて飛び出すという不都合が確実に防止される。
【0033】
なお、衝突時には、シートバック3が急激に水平軸26回りに回動して前倒しようとするため、下部架橋ロッド25と上部架橋ロッド35との間の距離Lが急激に増大しようとし、これによってベルト部材5からの大きな力が各架橋ロッド25,35に作用するため、各架橋ロッド25,35に回転体6が設けられていない場合を想定すると、ベルト部材5と架橋ロッド25,35との間の摩擦力が大きくなり、ベルト部材5と架橋ロッド25,35との間の相対移動が規制されるばかりか、急激なシートバック3の前倒速度に上記相対移動が追随し得ないことによって、特にベルト部材5の巻き戻しが規制されなくても、車両の衝突時に架橋ロッド25,35に巻き付いたベルト部材5によってシートバック3の前倒は防止される。
【0034】
ついで、通常の車両の使用時において、シートバック3を前倒させるためにシートバック3を前方に向けて押し遣った場合には、過剰負荷センサ24dが加速度を感知しないためロック手段24cは動作せず、従って、シートバック3の水平軸26回りの反時計方向に向かう回動によって各架橋ロッド25,35間の距離Lの増大に応じてリトラクタ24からベルト部材5が順次引き出され、図2の(ロ)に示すように、シートバック3は前倒姿勢に設定された状態になる。
【0035】
図3は、本発明に係る乗物用シートの第2実施形態を示す斜視図である。なお、図1において、X−X方向を幅方向、Y−Y方向を前後方向といい、特に−X方向を左方、+X方向を右方、−Y方向を前方、+Y方向を後方という。第2実施形態においては、ベルト部材5は、右方の側部がシートバック3のベルトケース37に一旦導入されて引出し口37aから引き出され、この引き出された部分がシートベルト4として利用されている。これ以外のシート1の構成は第1実施形態のものと同様である。
【0036】
第2実施形態のシート1によれば、車両の衝突時の衝撃が、シートベルト4からベルト部材5の巻き掛け部分やリトラクタ24に直接伝達されるため、一旦シートバック3を介する場合に比較してより迅速な対応が可能になる。また、ベルト部材5用のリトラクタ24がシートベルト4用のリトラクタを代用するため、シートベルト4専用のものを設けなくてもよく、その分部品コストの低減化に寄与することができる。
【0037】
本発明は、以上詳述したように、シートボトム2に前後方向に延びる幅方向一対のボトムフレーム21と、略中央位置で各ボトムフレーム21間に差し渡された架橋フレーム23とを設け、シートバック3に幅方向一対のサイドフレーム32を備え、サイドフレーム32をボトムフレーム21の後方部に水平軸26回りに回動自在に接続し、サイドフレーム32間には所定の位置に上部架橋ロッド35を差し渡す一方、ボトムフレーム21間には下部架橋ロッド25を差し渡し、上部架橋ロッド35と下部架橋ロッド25との間にはベルト部材5を複数回巻き掛け、架橋フレーム23には、ベルト部材5の一方の端部を渦巻ばね24bの付勢力によって巻き取るリトラクタ24を取り付け、ベルト部材5の他方の端部をシート1の適所に固定し、上部架橋ロッド35および下部架橋ロッド25は、渦巻ばね24bの付勢力によるベルト部材5の巻き締めによってシートバック3が起立姿勢になるようにそれぞれ設置位置を設定したものであるため、普段は渦巻ばね24bの付勢力によってベルト部材5の一方の端部がリトラクタ24内に巻き取られ、この巻き取り時の巻き締めによって上部架橋ロッド35が下部架橋ロッド25の方向に引き寄せられ、これによってシートバック3は水平軸26回りに回動して起立姿勢に設定された状態になっている。この状態でシートバック3を前倒姿勢の方向に傾倒すると、上部架橋ロッド35が下部架橋ロッド25から離間して両ロッド25,35間に巻き掛けられているベルト部材5の巻き掛け距離が増大し、これによってベルト部材5の一端が渦巻ばね24bの付勢力に抗してリトラクタ24から引き出される。
【0038】
そして、車両の衝突によって人体に前方に向かう大きな加速度が加わると、これによって生じた力がシートベルト4を介してシートバック3に伝達され、シートバック3が急激に水平軸26回りに回動して前倒しようとするが、このとき大きな張力が上部架橋ロッド35および下部架橋ロッド25間に巻き掛けられたベルト部材5に急激に加わるため、各架橋ロッド25,35とベルト部材5との間の摩擦力が大きくなって各架橋ロッド25,35とベルト部材5との間の相対移動が抑制されること、および複数回各架橋ロッド25.35に巻き付いたベルト部材5がシートバック3の急激な姿勢変更速度に追随して移動することができないことから、シートバック3の前倒が規制される。
【0039】
従って、従来のように、シートバック3とシートボトムとの間に所定のロック手段を備えたシートバック3の傾倒構造を採用する必要がなくなり、その分部品コストの低減化が実現する。
【0040】
また、リトラクタ24内に、ベルト部材5に予め設定された以上の過剰負荷が加わったときにベルト部材5の引き出しを阻止するロック手段24cを設ければ、車両の衝突時に各架橋ロッド25,35とベルト部材5との間の摩擦力の増大、およびベルト部材5のシートバック3前倒速度に対する不追随に加えてロック手段24cによるロックによってベルト部材5のリトラクタ24からの引き出しが阻止されるため、シートバック3の急激な前倒が確実に防止される。
【0041】
また、ロック手段24cに、過剰負荷を検出する過剰負荷センサ24dを設け、この過剰負荷センサ24dが過剰負荷を検出したときにロック手段24cが動作するように構成することにより、車両の衝突によるベルト部材5の過剰負荷が過剰負荷センサ24dによって検出され、これによってベルト部材5のリトラクタ24からの引き出し阻止が迅速に行われる。
【0042】
さらに、ベルト部材5の他方の端部側をシートベルト4として利用すれば、車両の衝突時の衝撃が、シートベルト4からベルト部材5の巻き掛け部分やリトラクタ24に直接伝達されるため、一旦シートバック3を介する場合に比較してより迅速な対応が可能になる。
【0043】
本発明はの実施形態に限定されるものではなく、以下の内容をも包含するものである。
【0044】
(1)上記の実施形態においては、乗物用シートとして車両用のシートが適用されているが、本発明は、シートが車両用のものであることに限定されるものではなく、飛行機、船舶あるいはジェットコースター等の遊技装置に適用することも可能である。
【0045】
(2)上記の実施形態においては、各架橋ロッド25,35に軸心回りに回転可能に複数の回転体6が設けられ、ベルト部材5がこれら回転体6に巻き掛けられているが、本発明は、架橋ロッド25,35に回転体6を設けることに限定されるものではなく、特に回転体6を設けることなく各架橋ロッド25,35間にベルト部材5を巻き掛けてもよい。そして、回転体6を設けないときには、リトラクタ24にロック手段24cを設けなくても、車両の衝突時にシートバック3の前倒がベルト部材5と各架橋ロッド25,35との間の摩擦力の増大と、ベルト部材5がシートバック3の傾倒速度に追随できないことにより、シートバック3の前倒が防止される。
【0046】
(3)上記の実施形態においては、リトラクタ24の付勢手段として渦巻ばね24bが採用されているが、本発明は付勢手段が渦巻ばね24bであることに限定されるものではなく、板ばねやコイルばねであってもよい。
【0047】
(4)上記の実施形態においては、ベルト部材5は織製品によって形成されているが、織製品に代えてロープやチェーンを用いてもよい。
【0048】
【発明の効果】
本発明の請求項1記載の乗物用シートによれば、着座席であるシートボトムのボトムフレームにベルト部材の一方の端部を付勢手段の付勢力によって巻き取るリトラクタを設け、ベルト部材の他方の端部をシートの適所に固定し、ボトムフレームに架橋された下部架橋ロッドと、バックフレームに架橋された上部架橋ロッドとにベルト部材を巻き掛け、各架橋ロッドは、付勢手段の付勢力によるベルト部材の巻き締めによってシートバックが起立姿勢になるようにそれぞれ設置位置を設定したため、普段はシートバックを前倒姿勢の方向に押し遣ると、上部架橋ロッドが下部架橋ロッドから離間して両ロッド間に巻き掛けられているベルト部材の巻き掛け距離が増大し、これによってベルト部材の一端が付勢手段の付勢力に抗してリトラクタから引き出されて無理なくシートバックを前倒することができるが、乗物の衝突等によって人体に前方に向かう大きな加速度が加わると、これによって生じた力がシートベルトを介してシートバックに伝達され、このとき大きな張力が上部および下部架橋ロッド間に巻き掛けられたベルト部材に急激に加わり、各架橋ロッドとベルト部材との間の摩擦力が大きくなって各架橋ロッドとベルト部材との間の相対移動が抑制されること、および複数回各架橋ロッドに巻き付いたベルト部材がシートバックの急激な姿勢変更速度に追随して移動することができないことにより、シートバックの前倒を阻止することができ、これによって乗物の衝突時にシートの着座者が前方に投げ出されるという不都合が確実に防止される。
【0049】
また、従来のように、シートバックとシートボトムとの間にロック手段を備えたシートバックの傾倒構造を採用する必要がなくなり、その分部品コストの低減化が実現することができる。
【0050】
本発明の請求項2記載の乗物用シートによれば、リトラクタ内に、ベルト部材に予め設定された以上の過剰負荷が加わったときにベルト部材の引き出しを阻止するロック手段が設けられているため、車両の衝突時に各架橋ロッドとベルト部材との間の摩擦力の増大、およびベルト部材のシートバック前倒に対する不追随に加えてロック手段によるロックによってベルト部材のリトラクタからの引き出しが阻止され、これによってシートバックの急激な前倒を確実に防止することができる。
【0051】
本発明の請求項3記載の乗物用シートによれば、ロック手段に、過剰負荷を検出する過剰負荷センサを設け、この過剰負荷センサが過剰負荷を検出したときにロック手段が動作するように構成したため、車両の衝突によるベルト部材の過剰負荷が過剰負荷センサによって検出され、これによってベルト部材のリトラクタからの引き出し阻止を迅速に行うことができる。
【0052】
本発明の請求項4記載の乗物用シートによれば、ベルト部材の他方の端部側をシートベルトと兼用したため、車両の衝突時の衝撃が、シートベルトからベルト部材の巻き掛け部分やリトラクタに直接伝達され、一旦シートバックを介する場合に比較してより迅速に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る乗物用シートの第1実施形態を示す斜視図である。
【図2】第1実施形態の傾倒規制構造の作用を説明するための側面視の説明図であり、(イ)はシートバックが起立姿勢に設定された状態、(ロ)はシートバックが前倒姿勢に設定された状態をそれぞれ示している。
【図3】本発明に係る乗物用シートの第2実施形態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 シート
2 シートボトム
21 ボトムフレーム
23 架橋フレーム
24 リトラクタ
24b 渦巻ばね
25 下部架橋ロッド
26 水平軸
3 シートバック
32 サイドフレーム
35 上部架橋ロッド
Claims (4)
- 着座席であるシートボトムと、上記シートボトムの後端部に水平軸回りに回動可能に軸支され、かつ、前方に向けて傾倒した前倒姿勢とシートボトムから起立した起立姿勢との間で姿勢変更可能なシートバックとからなり、かつ、シートベルトの少なくとも一部がシートバックに支持されてなる乗物用シートにおいて、上記シートボトムは、前後方向に延びる幅方向一対のボトムフレームを有し、上記シートバックは、幅方向一対のサイドフレームを備えて形成され、上記サイドフレームは、下端部が上記ボトムフレームの後方部に上記水平軸回りに回動自在に接続され、上記サイドフレーム間には、所定の位置に上部架橋ロッドが差し渡されている一方、上記ボトムフレーム間には下部架橋ロッドが差し渡され、上記上部架橋ロッドと下部架橋ロッドとの間にはベルト部材が複数回巻き掛けられ、上記ボトムフレームには、上記ベルト部材の一方の端部を付勢手段の付勢力によって巻き取るリトラクタが取り付けられ、ベルト部材の他方の端部はシートの適所に固定され、上記上部架橋ロッドおよび下部架橋ロッドは、上記付勢手段の付勢力によるベルト部材の巻き締めによってシートバックが起立姿勢になるようにそれぞれ設置位置が設定されていることを特徴とする乗物用シート。
- 上記リトラクタ内に、上記ベルト部材に予め設定された以上の過剰負荷が加わったときにベルト部材の引き出しを阻止するロック手段が設けられていることを特徴とする請求項1記載の乗物用シート。
- 上記ロック手段に、上記過剰負荷を検出する過剰負荷センサが設けられ、この過剰負荷センサが過剰負荷を検出したときに上記ロック手段が動作するように構成されていることを特徴とする請求項2記載の乗物用シート。
- 上記ベルト部材は、他方の端部側が上記シートベルトと兼用されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の乗物用シート。
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