JP2000043628A - 乗物用シート - Google Patents
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Abstract
大きくすることなく車両の衝突時にシートバックの前倒
を確実に阻止することができるようにする。 【解決手段】 シートボトム2のボトムフレーム21間
に架橋フレーム23を差し渡し、シートバック3のサイ
ドフレーム32をボトムフレーム21の後方部に水平軸
26回りに回動自在に接続し、サイドフレーム32間に
上部架橋ロッド35を差し渡す一方、ボトムフレーム2
1間に下部架橋ロッド25を差し渡し、上部架橋ロッド
35と下部架橋ロッド25との間にベルト部材5を複数
回巻き掛け、架橋フレーム23にベルト部材5の一方の
端部を渦巻ばね24bの付勢力によって巻き取るリトラ
クタ24を取り付け、他方の端部をシート1の適所に固
定し、上部架橋ロッド35および下部架橋ロッド25
は、渦巻ばね24bの付勢力によるベルト部材5の巻き
締めによってシートバック3が起立姿勢になるようにそ
れぞれ設置位置が設定されている。
Description
なくとも一部がシートバックに支持されてなる乗物用シ
ートに関するものである。
トの内装された、いわゆる3点ベルトインシートが知ら
れている。かかるシートにおいては、シート内の適所に
巻取り機(リトラクタ)が設けられ、このリトラクタに
シートベルトの一端が巻き取られているとともに、他端
はシートバックに固定されている。リトラクタの巻取り
軸には渦巻ばねが装着され、この渦巻ばねの付勢力によ
ってシートベルトの端部が巻取り軸に巻き取られてシー
トベルトの装着状態が安定するようになっている。そし
て、普段は付勢力より大きな力でシートベルトを引っ張
ることによってシートベルトはリトラクタから引き出さ
れるようになっている。
シートベルトの引き出しを阻止するように動作するロッ
ク機構が内装され、車両の衝突によって人体に前方に向
かう大きな力が加わったとき、このロック機構によって
シートベルトのリトラクタからの引き出しがロックさ
れ、これによって人体が前方に向けて飛び出すのを防止
するようになされている。
のようなシートにあっては、車両衝突時の人体に加わる
加速度によりシートベルトを介して前方に向かう大きな
力がシートバックに伝わり、シートバックが前倒しよう
とするため、これに対抗するべくシートバックとシート
ボトムとの間に介設されたシートバックの傾倒(リクラ
イニング)構造の強度を大きくしなければならず、これ
により傾倒構造が大型化して重量が増大し、その分部品
コストが嵩むとともに、設置スペースを十分に確保する
ことが困難になってシートバックの傾倒範囲が小さくな
るという問題点を有していた。
ためになされたものであり、シートバックの傾倒構造の
強度を従来よりも大きくすることなく車両の衝突時にシ
ートバックの前倒を確実に阻止することができる乗物用
シートを提供することを目的としている。
乗物用シートは、着座席であるシートボトムと、上記シ
ートボトムの後端部に水平軸回りに回動可能に軸支さ
れ、かつ、前方に向けて傾倒した前倒姿勢とシートボト
ムから起立した起立姿勢との間で姿勢変更可能なシート
バックとからなり、かつ、シートベルトの少なくとも一
部がシートバックに支持されてなる乗物用シートにおい
て、上記シートボトムは、前後方向に延びる幅方向一対
のボトムフレームを有し、上記シートバックは、幅方向
一対のサイドフレームを備えて形成され、上記サイドフ
レームは、下端部が上記ボトムフレームの後方部に上記
水平軸回りに回動自在に接続され、上記サイドフレーム
間には、所定の位置に上部架橋ロッドが差し渡されてい
る一方、上記ボトムフレーム間には下部架橋ロッドが差
し渡され、上記上部架橋ロッドと下部架橋ロッドとの間
にはベルト部材が複数回巻き掛けられ、上記ボトムフレ
ームには、上記ベルト部材の一方の端部を付勢手段の付
勢力によって巻き取るリトラクタが取り付けられ、ベル
ト部材の他方の端部はシートの適所に固定され、上記上
部架橋ロッドおよび下部架橋ロッドは、上記付勢手段の
付勢力によるベルト部材の巻き締めによってシートバッ
クが起立姿勢になるようにそれぞれ設置位置が設定され
ていることを特徴とするものである。
段の付勢力によってベルト部材の一方の端部がリトラク
タ内に巻き取られ、この巻き取り時の巻き締めによって
上部架橋ロッドが下部架橋ロッドの方向に引き寄せら
れ、これによってシートバックは水平軸回りに回動して
起立姿勢に設定された状態になっている。この状態でシ
ートバックを前倒姿勢の方向に傾倒すると、上部架橋ロ
ッドが下部架橋ロッドから離間して両ロッド間に巻き掛
けられているベルト部材の巻き掛け距離が増大し、これ
によってベルト部材の一端が付勢手段の付勢力に抗して
リトラクタから引き出される。
に向かう大きな加速度が加わると、これによって生じた
力がシートベルトを介してシートバックに伝達され、シ
ートバックが急激に水平軸回りに回動して前倒しようと
するが、このとき大きな張力が上部および下部架橋ロッ
ド間に巻き掛けられたベルト部材に急激に加わるため、
各架橋ロッドとベルト部材との間の摩擦力が大きくなっ
て各架橋ロッドとベルト部材との間の相対移動が抑制さ
れること、および複数回各架橋ロッドに巻き付いたベル
ト部材がシートバックの急激な姿勢変更速度に追随して
移動することができないことから、シートバックの前倒
が規制される。
ートボトムとの間にロック手段を備えたシートバックの
傾倒構造を採用する必要がなくなり、その分部品コスト
の低減化が実現する。
請求項1記載の乗物用シートにおいて、上記リトラクタ
内に、上記ベルト部材に予め設定された以上の過剰負荷
が加わったときにベルト部材の引き出しを阻止するロッ
ク手段が設けられていることを特徴とするものである。
に各架橋ロッドとベルト部材との間の摩擦力の増大、お
よびベルト部材のシートバック前倒に対する不追随に加
えてロック手段によるロックによってベルト部材のリト
ラクタからの引き出しが阻止されるため、シートバック
の急激な前倒が確実に防止される。
請求項2記載の乗物用シートにおいて、上記ロック手段
に、上記過剰負荷を検出する過剰負荷センサが設けら
れ、この過剰負荷センサが過剰負荷を検出したときに上
記ロック手段が動作するように構成されていることを特
徴とするものである。
よるベルト部材の過剰負荷が過剰負荷センサによって検
出され、これによってベルト部材のリトラクタからの引
き出し阻止が迅速に行われる。
請求項1乃至3のいずれかに記載の乗物用シートにおい
て、上記ベルト部材は、他方の端部側が上記シートベル
トと兼用されていることを特徴とするものである。
の衝撃が、シートベルトからベルト部材の巻き掛け部分
やリトラクタに直接伝達されるため、一旦シートバック
を介する場合に比較してより迅速な対応が可能になる。
トの第1実施形態を示す斜視図である。この実施形態に
おいては、乗物用シートとして車両用シートを適用して
いる。なお、図1において、X−X方向を幅方向、Y−
Y方向を前後方向といい、特に−X方向を左方、+X方
向を右方、−Y方向を前方、+Y方向を後方という。
してのシートボトム2と、シートボトム2の後端部に立
設された背凭れとしてのシートバック3と、このシート
バック3に装備されたシートベルト4と、シートボトム
2およびシートバック3間に介設されたベルト部材5と
を備えた基本構成を有している。
レーム21と、このボトムフレーム21に支持されたボ
トムクッション20とを備えて構成されている。各ボト
ムフレーム21は、車両のフロアF上にボルト止めで固
定された前後方向に延びる幅方向一対のチャネルF1上
にそれぞれ立設されている。かかるボトムフレーム21
は、上下寸法が前端側から漸増して後端側の直前で最大
上下寸法になってから後端部に向かって減少するように
山形に形状設定されている。そして、ボトムフレーム2
1の最大上下寸法の部分から後端部分にかけてシートバ
ック3が接続される接続部22が形成されている。
中央部には、各ボトムフレーム21間に差し渡された架
橋フレーム23が設けられ、この架橋フレーム23の幅
方向の中央部より若干左寄りの部分に付勢手段の付勢力
でベルト部材5を巻き取るリトラクタ24が取り付けら
れている。また、ボトムフレーム21の接続部22の後
端部間には、棒状の下部架橋ロッド25が架橋されてい
る。この下部架橋ロッド25には、4つの回転体6が下
部架橋ロッド25回りに回転自在に装着され、この回転
体6にベルト部材5を順次巻き掛け得るようになってい
る。
状態で外嵌される円筒状の回転体本体61と、この回転
体本体61の両端部に形成された鍔状のフランジ62と
から構成され、これらのフランジ62によって掛け回さ
れたベルト部材5の回転体本体61からの脱落が防止さ
れるようになっている。
形状に折り曲げることによって形成されたバックフレー
ム31と、このバックフレーム31に支持されたバック
クッション30とを備えて構成されている。かかるバッ
クフレーム31は、幅方向一対のサイドフレーム32
と、各サイドフレーム32の頂部間に差し渡されたトッ
プフレーム33とからなり、トップフレーム33の右端
部と左側のサイドフレーム32との間に筋交いフレーム
34が差し渡されているとともに、左右のサイドフレー
ム32の下部間には、水平方向に延びる上部架橋ロッド
35が架橋されている。
は、それぞれブラケット36が溶接止め等で固定されて
いる。そして、各ブラケット36の下端部が上記各ボト
ムフレーム21の接続部22頂部に設けられ幅方向一対
の水平軸26回りに回動自在に軸支され、これによって
シートバック3は、水平軸26回りに正逆共回りしてシ
ートボトム2の上に折り重なった前倒姿勢と、シートボ
トム2の後端部に起立した起立姿勢との間で姿勢変更し
得るようになっている。なお、本実施形態においては、
シートバック3が起立姿勢に設定された状態では、若干
後方に傾倒した、いわゆるリクライニング姿勢になって
いるが、かかるリクライニング姿勢をも起立姿勢の範疇
に含めている。
3が起立姿勢に設定された状態で、下部架橋ロッド25
および水平軸26を結ぶ直線と、上部架橋ロッド35お
よび水平軸26を結ぶ直線とで形成される角αは鋭角
(本実施形態では90°より若干小さめの角度)になる
とともに、シートバック3がシートボトム2上に折り重
なって密着した状態でも角αは180°より小さめの角
度になるように、三者(水平軸26、下部架橋ロッド2
5および上部架橋ロッド35)の位置関係が設定されて
いる。こうすることによって下部架橋ロッド25と上部
架橋ロッド35との間の距離Lは、シートバック3が起
立姿勢に設定された状態で最小になり、前倒姿勢に設定
された状態で最大になるようにしている。
サイドフレーム32に固定された上下方向に延びるベル
トケース37が設けられ、このベルトケース37内に出
没自在に上記シートベルト4が収納されるようになって
いる。図1では、シートベルト4がベルトケース37か
ら引き出された状態を示している。ベルトケース37の
上端部には、シートベルト4を引き出す引出し口37a
が開口されているとともに、内部にはシートベルト4を
付勢手段の付勢力で巻き取る図略のリトラクタが設けら
れ、これによってシートベルト4は付勢手段の付勢力に
抗して必要寸法だけ引き出すことができる一方、車両の
衝突によって前方に向かう大きな加速度が生じたとき
は、シートベルト4のベルトケース37からの引き出し
が阻止され、これによって着座者のシート1からの前方
への飛び出しが防止されるようになっている。
具41が設けられている一方、左側のボトムフレーム2
1の外面側にはバックル42が設けられ、このバックル
の係止孔42aに係止金具41を差し込むことによって
係止金具41のバックル42に対する接続状態がロック
され、シートベルト4に張力がかかっても抜け止めされ
るようになっている。
端部が固定されている一方、ブラケット36には係止ピ
ン38が突設され、この係止ピン38に上記渦巻ばね2
7の先端側が係止され、渦巻ばね27の付勢力によって
ブラケット36が水平軸26回りに時計方向の付勢力を
受け、これによってシートバック3は普段は起立姿勢に
姿勢設定されているとともに、シートバック3は、それ
に前方に向かう力を加えることによって渦巻ばね27の
付勢力に抗して上記水平軸26回りに共回りし、これに
よって起立姿勢から前倒姿勢に姿勢変更することができ
るようになっている。
は、強靱な合成樹脂製の繊維を織製することによって帯
状に形成された織製品が採用され、略1tの張力に耐え
得るように強度設定されている。かかるベルト部材5
は、一方の端部がリトラクタ24内に収納されていると
ともに、下部架橋ロッド25の回転体6と上部架橋ロッ
ド35の回転体6とに順次ジグザグ状に巻き掛けられた
状態で、他方の端部が架橋フレーム23のリトラクタ2
4より右方側に固定されている。
5を巻き取るリール24aと、このリール24aを巻き
取り方向に付勢する渦巻ばね24bとを有しているとと
もに、図略の過剰負荷センサ24dによって作動するロ
ック手段24cが内装されている。上記過剰負荷センサ
(いわゆるGセンサ)24dは、衝突によって車両に前
方に向かう大きな加速度が発生したときに、この加速度
を検出してロック手段24cを動作させるように構成さ
れている。
の着座者に前方に向かう大きな力が生じるときには、こ
のことを過剰負荷センサ24dが検出してロック手段2
4cを作動させ、これによってリール24aに巻き取ら
れているベルト部材5の巻き戻しが規制されるため、シ
ートバック3が前倒することによる両架橋ロッド25,
35間の距離Lの増大が両者に巻き付いているベルト部
材5によって阻止され、シートバック3の前倒が起こら
ないようになっている。
トラクタ24、ボトムフレーム21の後端部に配設され
た下部架橋ロッド25、バックフレーム31のブラケッ
ト36に配設された上部架橋ロッド35、および一端が
リトラクタ24に支持され、他端がシートボトム2の架
橋フレーム23に固定され、かつ、両架橋ロッド25,
35に巻き掛けられたベルト部材5によって傾倒規制構
造が形成されている。
用を説明するための側面視の説明図であり、(イ)はシ
ートバック3が起立姿勢に設定された状態、(ロ)はシ
ートバック3が前倒姿勢に設定された状態をそれぞれ示
している。まず、図2の(イ)に示すように、シートバ
ック3が起立姿勢に設定された状態では、渦巻ばね27
の付勢力によって水平軸26が軸心回りに時計方向に向
けて付勢され、これによってブラケット36を介してバ
ックフレーム31が時計方向に押圧されてシートバック
3の起立姿勢が安定した状態になっている。また、下部
架橋ロッド25および上部架橋ロッド35に巻き掛けら
れたベルト部材5は、リトラクタ24の渦巻ばね24b
の付勢力によってリール24aに巻き取られて緊張状態
になっている。
これによって生じた前方に向かう大きな加速度を過剰負
荷センサ24dが検出してロック手段24cを動作させ
るため、リール24aに巻き取られているベルト部材5
の巻き戻しが規制される。従って、下部架橋ロッド25
に対して上部架橋ロッド35が離間する方向にシートバ
ック3が回動すること、すなわちシートバック3が水平
軸26回りに反時計方向に回動して前倒することが防止
されるため、シート1の着座者がシートバック3に支持
されたシートベルト4に阻止されてシート1から前方に
向けて飛び出すという不都合が確実に防止される。
に水平軸26回りに回動して前倒しようとするため、下
部架橋ロッド25と上部架橋ロッド35との間の距離L
が急激に増大しようとし、これによってベルト部材5か
らの大きな力が各架橋ロッド25,35に作用するた
め、各架橋ロッド25,35に回転体6が設けられてい
ない場合を想定すると、ベルト部材5と架橋ロッド2
5,35との間の摩擦力が大きくなり、ベルト部材5と
架橋ロッド25,35との間の相対移動が規制されるば
かりか、急激なシートバック3の前倒速度に上記相対移
動が追随し得ないことによって、特にベルト部材5の巻
き戻しが規制されなくても、車両の衝突時に架橋ロッド
25,35に巻き付いたベルト部材5によってシートバ
ック3の前倒は防止される。
ートバック3を前倒させるためにシートバック3を前方
に向けて押し遣った場合には、過剰負荷センサ24dが
加速度を感知しないためロック手段24cは動作せず、
従って、シートバック3の水平軸26回りの反時計方向
に向かう回動によって各架橋ロッド25,35間の距離
Lの増大に応じてリトラクタ24からベルト部材5が順
次引き出され、図2の(ロ)に示すように、シートバッ
ク3は前倒姿勢に設定された状態になる。
実施形態を示す斜視図である。なお、図1において、X
−X方向を幅方向、Y−Y方向を前後方向といい、特に
−X方向を左方、+X方向を右方、−Y方向を前方、+
Y方向を後方という。第2実施形態においては、ベルト
部材5は、右方の側部がシートバック3のベルトケース
37に一旦導入されて引出し口37aから引き出され、
この引き出された部分がシートベルト4として利用され
ている。これ以外のシート1の構成は第1実施形態のも
のと同様である。
衝突時の衝撃が、シートベルト4からベルト部材5の巻
き掛け部分やリトラクタ24に直接伝達されるため、一
旦シートバック3を介する場合に比較してより迅速な対
応が可能になる。また、ベルト部材5用のリトラクタ2
4がシートベルト4用のリトラクタを代用するため、シ
ートベルト4専用のものを設けなくてもよく、その分部
品コストの低減化に寄与することができる。
トム2に前後方向に延びる幅方向一対のボトムフレーム
21と、略中央位置で各ボトムフレーム21間に差し渡
された架橋フレーム23とを設け、シートバック3に幅
方向一対のサイドフレーム32を備え、サイドフレーム
32をボトムフレーム21の後方部に水平軸26回りに
回動自在に接続し、サイドフレーム32間には所定の位
置に上部架橋ロッド35を差し渡す一方、ボトムフレー
ム21間には下部架橋ロッド25を差し渡し、上部架橋
ロッド35と下部架橋ロッド25との間にはベルト部材
5を複数回巻き掛け、架橋フレーム23には、ベルト部
材5の一方の端部を渦巻ばね24bの付勢力によって巻
き取るリトラクタ24を取り付け、ベルト部材5の他方
の端部をシート1の適所に固定し、上部架橋ロッド35
および下部架橋ロッド25は、渦巻ばね24bの付勢力
によるベルト部材5の巻き締めによってシートバック3
が起立姿勢になるようにそれぞれ設置位置を設定したも
のであるため、普段は渦巻ばね24bの付勢力によって
ベルト部材5の一方の端部がリトラクタ24内に巻き取
られ、この巻き取り時の巻き締めによって上部架橋ロッ
ド35が下部架橋ロッド25の方向に引き寄せられ、こ
れによってシートバック3は水平軸26回りに回動して
起立姿勢に設定された状態になっている。この状態でシ
ートバック3を前倒姿勢の方向に傾倒すると、上部架橋
ロッド35が下部架橋ロッド25から離間して両ロッド
25,35間に巻き掛けられているベルト部材5の巻き
掛け距離が増大し、これによってベルト部材5の一端が
渦巻ばね24bの付勢力に抗してリトラクタ24から引
き出される。
向かう大きな加速度が加わると、これによって生じた力
がシートベルト4を介してシートバック3に伝達され、
シートバック3が急激に水平軸26回りに回動して前倒
しようとするが、このとき大きな張力が上部架橋ロッド
35および下部架橋ロッド25間に巻き掛けられたベル
ト部材5に急激に加わるため、各架橋ロッド25,35
とベルト部材5との間の摩擦力が大きくなって各架橋ロ
ッド25,35とベルト部材5との間の相対移動が抑制
されること、および複数回各架橋ロッド25.35に巻
き付いたベルト部材5がシートバック3の急激な姿勢変
更速度に追随して移動することができないことから、シ
ートバック3の前倒が規制される。
シートボトムとの間に所定のロック手段を備えたシート
バック3の傾倒構造を採用する必要がなくなり、その分
部品コストの低減化が実現する。
に予め設定された以上の過剰負荷が加わったときにベル
ト部材5の引き出しを阻止するロック手段24cを設け
れば、車両の衝突時に各架橋ロッド25,35とベルト
部材5との間の摩擦力の増大、およびベルト部材5のシ
ートバック3前倒速度に対する不追随に加えてロック手
段24cによるロックによってベルト部材5のリトラク
タ24からの引き出しが阻止されるため、シートバック
3の急激な前倒が確実に防止される。
出する過剰負荷センサ24dを設け、この過剰負荷セン
サ24dが過剰負荷を検出したときにロック手段24c
が動作するように構成することにより、車両の衝突によ
るベルト部材5の過剰負荷が過剰負荷センサ24dによ
って検出され、これによってベルト部材5のリトラクタ
24からの引き出し阻止が迅速に行われる。
ートベルト4として利用すれば、車両の衝突時の衝撃
が、シートベルト4からベルト部材5の巻き掛け部分や
リトラクタ24に直接伝達されるため、一旦シートバッ
ク3を介する場合に比較してより迅速な対応が可能にな
る。
なく、以下の内容をも包含するものである。
シートとして車両用のシートが適用されているが、本発
明は、シートが車両用のものであることに限定されるも
のではなく、飛行機、船舶あるいはジェットコースター
等の遊技装置に適用することも可能である。
ロッド25,35に軸心回りに回転可能に複数の回転体
6が設けられ、ベルト部材5がこれら回転体6に巻き掛
けられているが、本発明は、架橋ロッド25,35に回
転体6を設けることに限定されるものではなく、特に回
転体6を設けることなく各架橋ロッド25,35間にベ
ルト部材5を巻き掛けてもよい。そして、回転体6を設
けないときには、リトラクタ24にロック手段24cを
設けなくても、車両の衝突時にシートバック3の前倒が
ベルト部材5と各架橋ロッド25,35との間の摩擦力
の増大と、ベルト部材5がシートバック3の傾倒速度に
追随できないことにより、シートバック3の前倒が防止
される。
クタ24の付勢手段として渦巻ばね24bが採用されて
いるが、本発明は付勢手段が渦巻ばね24bであること
に限定されるものではなく、板ばねやコイルばねであっ
てもよい。
部材5は織製品によって形成されているが、織製品に代
えてロープやチェーンを用いてもよい。
よれば、着座席であるシートボトムのボトムフレームに
ベルト部材の一方の端部を付勢手段の付勢力によって巻
き取るリトラクタを設け、ベルト部材の他方の端部をシ
ートの適所に固定し、ボトムフレームに架橋された下部
架橋ロッドと、バックフレームに架橋された上部架橋ロ
ッドとにベルト部材を巻き掛け、各架橋ロッドは、付勢
手段の付勢力によるベルト部材の巻き締めによってシー
トバックが起立姿勢になるようにそれぞれ設置位置を設
定したため、普段はシートバックを前倒姿勢の方向に押
し遣ると、上部架橋ロッドが下部架橋ロッドから離間し
て両ロッド間に巻き掛けられているベルト部材の巻き掛
け距離が増大し、これによってベルト部材の一端が付勢
手段の付勢力に抗してリトラクタから引き出されて無理
なくシートバックを前倒することができるが、乗物の衝
突等によって人体に前方に向かう大きな加速度が加わる
と、これによって生じた力がシートベルトを介してシー
トバックに伝達され、このとき大きな張力が上部および
下部架橋ロッド間に巻き掛けられたベルト部材に急激に
加わり、各架橋ロッドとベルト部材との間の摩擦力が大
きくなって各架橋ロッドとベルト部材との間の相対移動
が抑制されること、および複数回各架橋ロッドに巻き付
いたベルト部材がシートバックの急激な姿勢変更速度に
追随して移動することができないことにより、シートバ
ックの前倒を阻止することができ、これによって乗物の
衝突時にシートの着座者が前方に投げ出されるという不
都合が確実に防止される。
トボトムとの間にロック手段を備えたシートバックの傾
倒構造を採用する必要がなくなり、その分部品コストの
低減化が実現することができる。
れば、リトラクタ内に、ベルト部材に予め設定された以
上の過剰負荷が加わったときにベルト部材の引き出しを
阻止するロック手段が設けられているため、車両の衝突
時に各架橋ロッドとベルト部材との間の摩擦力の増大、
およびベルト部材のシートバック前倒に対する不追随に
加えてロック手段によるロックによってベルト部材のリ
トラクタからの引き出しが阻止され、これによってシー
トバックの急激な前倒を確実に防止することができる。
れば、ロック手段に、過剰負荷を検出する過剰負荷セン
サを設け、この過剰負荷センサが過剰負荷を検出したと
きにロック手段が動作するように構成したため、車両の
衝突によるベルト部材の過剰負荷が過剰負荷センサによ
って検出され、これによってベルト部材のリトラクタか
らの引き出し阻止を迅速に行うことができる。
れば、ベルト部材の他方の端部側をシートベルトと兼用
したため、車両の衝突時の衝撃が、シートベルトからベ
ルト部材の巻き掛け部分やリトラクタに直接伝達され、
一旦シートバックを介する場合に比較してより迅速に対
応することができる。
す斜視図である。
ための側面視の説明図であり、(イ)はシートバックが
起立姿勢に設定された状態、(ロ)はシートバックが前
倒姿勢に設定された状態をそれぞれ示している。
す斜視図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 着座席であるシートボトムと、上記シー
トボトムの後端部に水平軸回りに回動可能に軸支され、
かつ、前方に向けて傾倒した前倒姿勢とシートボトムか
ら起立した起立姿勢との間で姿勢変更可能なシートバッ
クとからなり、かつ、シートベルトの少なくとも一部が
シートバックに支持されてなる乗物用シートにおいて、
上記シートボトムは、前後方向に延びる幅方向一対のボ
トムフレームを有し、上記シートバックは、幅方向一対
のサイドフレームを備えて形成され、上記サイドフレー
ムは、下端部が上記ボトムフレームの後方部に上記水平
軸回りに回動自在に接続され、上記サイドフレーム間に
は、所定の位置に上部架橋ロッドが差し渡されている一
方、上記ボトムフレーム間には下部架橋ロッドが差し渡
され、上記上部架橋ロッドと下部架橋ロッドとの間には
ベルト部材が複数回巻き掛けられ、上記ボトムフレーム
には、上記ベルト部材の一方の端部を付勢手段の付勢力
によって巻き取るリトラクタが取り付けられ、ベルト部
材の他方の端部はシートの適所に固定され、上記上部架
橋ロッドおよび下部架橋ロッドは、上記付勢手段の付勢
力によるベルト部材の巻き締めによってシートバックが
起立姿勢になるようにそれぞれ設置位置が設定されてい
ることを特徴とする乗物用シート。 - 【請求項2】 上記リトラクタ内に、上記ベルト部材に
予め設定された以上の過剰負荷が加わったときにベルト
部材の引き出しを阻止するロック手段が設けられている
ことを特徴とする請求項1記載の乗物用シート。 - 【請求項3】 上記ロック手段に、上記過剰負荷を検出
する過剰負荷センサが設けられ、この過剰負荷センサが
過剰負荷を検出したときに上記ロック手段が動作するよ
うに構成されていることを特徴とする請求項2記載の乗
物用シート。 - 【請求項4】 上記ベルト部材は、他方の端部側が上記
シートベルトと兼用されていることを特徴とする請求項
1乃至3のいずれかに記載の乗物用シート。
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JP21292398A Expired - Fee Related JP4095173B2 (ja) | 1998-07-28 | 1998-07-28 | 乗物用シート |
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
1998
- 1998-07-28 JP JP21292398A patent/JP4095173B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP4095173B2 (ja) | 2008-06-04 |
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