JP4548112B2 - 乗員保護装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両の座席に着座した乗員を保護する乗員保護装置に関する。
従来の乗員保護装置として、シートを、エンジンの後方移動に連動させて後方に移動させ、シートベルトによる乗員拘束力を高めるものが知られている(例えば特許文献1)。
特開2003−262166号公報
この種の乗員保護装置では、乗員の胸部および腰部に架け渡したシートベルトによって乗員を拘束するが、車両前面衝突時には、乗員の前方移動によるシートベルトの繰出量が大きいほど、衝突エネルギの吸収量が増大する。ただし、シートベルトから乗員に過剰な圧力が作用しないようにする必要がある。
一方、衝突エネルギの吸収は、ステアリングと乗員との間に展開したエアバッグを潰れさせることによっても行うが、その吸収量を増大するには、エアバッグ容量の増量や、エアバック展開時間の短縮、展開したエアバッグ内圧の維持等が必要となる。
しかしながら、従来の乗員保護装置では、こうした条件を全て満足させるのは難しく、乗員の保護性能を高めるには、更なる工夫が必要とされていた。
そこで、本発明は、乗員の保護性能が高い乗員保護装置を得ることを目的とする。
本発明にかかる乗員保護装置にあっては、車両前面衝突を事前に検知する衝突検知センサと、座席を後方に移動させる座席移動機構と、乗員を座席に拘束するシートベルトを巻き取るシートベルト巻取機構と、を備え、上記衝突検知センサの検知結果から車両前面衝突が事前に検知された場合に、上記座席移動機構とシートベルト巻取機構とを連動制御して、乗員を所定の姿勢に保持する乗員保護装置であって、前記座席移動機構を動作させる前に前記シートベルト巻取機構を動作させ、前記座席移動機構は、座席を後方に回転させ、または、座席を後方に水平移動させかつ後方に回転させ、前記シートベルトを支持するベルトアンカを前記座席に取り付けると共に、前記座席移動機構を構成する台座の後部下側を、側面視で後方斜め上方に延びる傾斜面に形成し、前記座席が後方に回転したときに、この傾斜面が車両の床面に当接するように構成したことを最も主要な特徴とする。
本発明によれば、車両の前面衝突を事前に検知して座席移動機構とシートベルト巻取機構とを連動制御することで、事前に、乗員をより適切な姿勢に保持することができるため、乗員の保護性能を高めることができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
(第1実施形態)図1は、乗員が座席に着座した状態を示す斜視図、図2は、本実施形態にかかる乗員保護装置の座席移動機構を示す斜視図、図3は、本実施形態にかかる乗員保護装置の衝突検知センサの取付状態を示す図、図4は、通常状態での乗員の着座姿勢を示す側面図、図5は、座席移動機構によりシートを後方に回転させた状態での着座姿勢を示す側面図、図6は、乗員保護装置におけるベルト繰出量とベルト荷重との相関関係を示す図、図7は、座席移動機構によりシートを後方に水平移動させつつ回転させた状態での着座姿勢を示す側面図である。なお、図中、FRは前方、INは車幅方向車室内側、UPは上方を示す。
乗員7は、シートクッション3a、シートバック3b、およびヘッドレスト3cからなるシート(座席)3に着座し、シートベルト5によって着座姿勢で拘束される。
シートベルト5は、ベルトアンカ6によって乗員7の肩部より上方となる位置で吊下されており、肩部から腰部に架け渡されて乗員7の胸部を拘束するショルダベルト5aと、腰部両側に架け渡されて乗員7の腰部を拘束するラップベルト5bとを有している。そして、シートベルト巻取機構(図示せず)が動作すると、シートベルト5がベルトアンカ6から下方に引かれ、これにより、シートベルト5による乗員7の拘束力が強まるようになっている。なお、本実施形態では、ベルトアンカ6は車体(例えばセンタピラー等)に取り付けられている。
座席移動機構1は、シート3を後方(車両前後方向後方)に移動させるものであり、本実施形態では、台座8、リンク機構16、およびバネ23を備えている。
このうち、台座8は、床面13上に設けられた支持部材14に、軸12を介して回動可能に支持されており、相互に平行な一対の側部フレーム9と、側部フレーム9の後端部同士を接続する後部フレーム10と、側部フレーム9の前後方向中央部より前側(少なくとも軸12より前側)同士を接続する軸15と、を備えている。側部フレーム9の前端部および後部フレーム10の両端部には、それぞれ、シート取付部11が設けられており、シートクッション3aは、このシート取付部11に、所定の締結部材(例えばボルト、ナット等)を用いて固定される。
そして、上記台座8と床面13上に取り付けられた固定部材21との間に、伸縮可能なリンク機構16が設けられている。本実施形態では、リンク機構16は、上側部材17と下側部材18とを備えており、上側部材17の下端部と下側部材18の上端部とが、締結部19を介して相互に回動可能に締結されている。そして、下側部材18の下端部は締結部22を介して固定部材21に回動可能に締結される一方、上側部材17の上端には貫通孔20が穿設されており、この貫通孔20に軸15が挿通されている。
このリンク機構16は、縮んだ状態(図2の状態)では、締結部19を前方とする姿勢で略くの字に折れ曲がって、台座8が床面13に略平行となる一方、伸びた状態では、上側部材17と下側部材18とが略一直線上に並び、上側部材17の上端部に支持された軸15が上昇して、台座8が前方を上とする姿勢で傾斜(後傾)する。なお、上記台座8やリンク機構16の材質は、剛性や強度、耐久性等を確保できるものであれば、鉄やアルミ、それらの合金、樹脂等、特に限定されない。
また、バネ23は、台座8およびこの台座8に固定されたシート3を動かすアクチュエータとして機能する。本実施形態では、このバネ23は、リンク機構16の締結部19の近傍(本実施形態では上側部材17の下端部)に設けられた取付用穴16aと軸12との間に前後方向に伸びるように架設されて両端にフックを有する引っ張りバネとして構成されている。バネ23の後端部のフックを軸12に掛けることで、車体や別部材にフックを掛ける部分を設けることなく、より簡素な構成を実現している。そして、通常状態では、図示しないロック機構により、バネ23が伸び、リンク機構16が縮み、かつ台座8が床面13と略平行となる状態でロックされており、このロックが解除されたときに、バネ23による付勢力(引張力)が作用して、リンク機構16が伸びて、台座8が後傾するようになっている。なお、ロック機構は、台座8あるいはリンク機構16の一部を係止する係止部材と、当該係止部材を動かして係止状態を解除する電磁ソレノイド等とを備えたものとして構成することができる。
また、車両前面衝突を事前に検知するセンサ2は、例えばフロントグリル部等の車両前部に設けられており、レーダあるいは赤外線等によって、前方障害物を検知する。
次に、図4〜図6を参照して、上記構成の乗員保護装置の動作について説明する。
まず、図4に示す通常状態において、乗員7と衝突対象物(ハンドル24)との前後方向の離間距離はS0である。
ここで、センサ2の検知結果に基づいて、制御手段(例えばECU等;図示せず)で車両前面衝突が避けられない状況であることが判定されると、当該制御手段は、まず、シートベルト巻取機構を動作させて、シートベルト5を巻き取り、乗員7をシート3に拘束させる。このとき、シートベルト5には張力(ベルト荷重)Tが作用する。
次に、制御手段は、所定時間経過後、ロック機構によるロックを解除してバネ23を縮ませるとともにリンク機構16を伸長させ、台座8およびシート3を後方に回転させる(図5)。このとき、乗員と衝突対象物との前後方向の離間距離はS0より大きいS1になる。
すなわち、本実施形態にかかる乗員保護装置によれば、車両前面衝突が事前に検知された場合には、まず、シートベルト巻取機構が動作して、乗員7がシート3に拘束され、その後、座席移動機構1が動作して、乗員7が着座したシート3が後方に回転することになる。
このように、衝突発生前に、シートベルト巻取機構を動作させておくことで、図6に示すように、車両前面衝突時における乗員7の前方移動に伴ってシートベルト5の繰り出しが開始される時点では、当該シートベルト5に対し、予め張力T0を付与しておくことができる。したがって、こうした事前のシートベルト5の巻き取りが無い場合(従来方式)に比べて、ベルト荷重の立ち上がりが早くなり、図6のグラフの面積に比例するエネルギ吸収量を増大することができる。
また、座席移動機構1によるシート3の後方移動の前にシートベルト巻取機構を動作させて乗員7のシート3への拘束力を高めておくことで、シート3の後方移動によって乗員7をより確実に後方に移動させることができる。すなわち、乗員7を拘束することなくシート3を後方移動させると、乗員7に作用する慣性力により、乗員7を後方移動させにくくなるからである。なお、衝突による乗員7の前方移動時にシートベルト5を巻き取ると、シートベルト5から乗員7に過剰な圧力が加わるおそれがあるが、本実施形態では、乗員7の前方移動が開始される前にシートベルト5の巻き取り操作を完了させておくことができるので、このような事態をより確実に抑制することができる。
また、シート3の後方移動によって、衝突開始時点における乗員7と衝突対象物との前後方向の離間距離S1が従来の離間距離(S0)に比べて大きくなる分、図6に示すように、衝突時における乗員7の前方移動に伴うベルト繰出量を大きくとることができる(増分:X)。よって、ベルト繰出量を増大させた分、図6のグラフの面積に比例するエネルギ吸収量を増大することができる。
このとき、図7に示すように、シート3を後方に水平移動させつつ回転させるようにすれば、乗員7と衝突対象物との前後方向の離間距離がさらに大きくなり(S2)、シートベルト5の繰出量をより一層大きくとることができるので、エネルギ吸収量をさらに増大させることができる。かかる動作を実現するには、例えば、座席移動機構1の支持部材14を、床面13上に設けたレール44によって前後方向に移動可能に案内支持するとともに、バネ23の後端を軸12ではなく車体側に固定すればよい。
なお、シート3を後方に移動させる際には、ブレーキ制御を行うのが好適である。具体的には、シート3の移動直前(開始時点)の踏込量でブレーキペダルをロックしたり、自動的にブレーキ制御を行ったりするなどして、乗員7が後方に移動した後も車両の制動制御を行うのが好適である。
以上の本実施形態によれば、車両の前面衝突を事前に検知して座席移動機構とシートベルト巻取機構とを連動制御することで、車両前面衝突が発生する前に、予め、乗員7の位置およびシートベルト5の張力をより適切な状態にしておくことができるため、乗員7への衝撃を緩和し、乗員7の保護性能を高めることができる。
また、本実施形態によれば、座席移動機構1を動作させる前にシートベルト巻取機構を動作させるようにしたため、乗員7をシート3により確実に拘束した状態で、シート3を後方に移動させ、乗員7をより確実に後方に移動させることができる。さらに、前面衝突による乗員7の前方移動が開始される前にシートベルト5の巻き取り操作を完了させておくことができるので、乗員7の前方移動とシートベルト5の巻き取りのタイミングが重なってシートベルト5から乗員7に過剰な圧力が加わるという事態をより確実に回避できる。
また、本実施形態によれば、シート3を後方に回転させるようにしたため、衝突前の乗員7と衝突対象物との距離が一層大きくなり、ベルト繰出量を大きくして、衝突エネルギの吸収量を増大することができる。また、シート3を後方に回転させることで、当該シート3の後部座席に着座した乗員の足元スペースをより広く確保できるようになる。
さらに、シート3を後方に水平移動させかつ後方に回転させるようにすれば、衝突前の乗員7と衝突対象物との距離がより一層大きくなり、ベルト繰出量をさらに大きくして、衝突エネルギの吸収量をより一層増大することができる。また、シート3を平行移動のみさせた場合に比べて、当該シート3の後部座席に着座した乗員の足元スペースをより広く確保できるようになる。
また、本実施形態によれば、座席移動機構のアクチュエータとしてバネ23を用いたため、当該座席移動機構1を比較的容易に具現化することができるとともに、バネ23の付勢力を利用してより迅速にシート3を後方に移動させることができるようになる。また、元の状態に容易に復元できるという利点もある。
(第2実施形態)図8は、本実施形態における通常状態での乗員の着座姿勢を示す側面図、図9は、座席移動機構によりシートを後方に回転させた状態での着座姿勢を示す側面図、図10は、座席移動機構によりシートを後方に水平移動させつつ回転させた状態での着座姿勢を示す側面図である。なお、本実施形態にかかる乗員保護装置は、上記第1実施形態と同様の構成要素を有している。よって、それら同様の構成要素については同じ符号を付与するとともに、重複する説明を省略する。
上記第1実施形態では、ベルトアンカ6を車体に設けていたのに対し、本実施形態では、ベルトアンカ6Aをシート3に設け、ベルトインシートとして構成したものである。本実施形態によっても、上記第1実施形態と同様に、衝突発生前に、乗員7と衝突対象物(ハンドル24)との距離を、通常状態でのS0より大きいS1(シート3を後方に回転させる場合;図9)あるいはS2(シート3を後方に水平移動させつつ回転させる場合;図10)に拡大して、衝突エネルギの吸収量を増大することができる。
さらに、本実施形態によれば、ベルトアンカ6Aをシート3に設けたことで、シート3を後方へ移動させるときに、シート3とベルトアンカとの相対変位によるシートベルト5の弛みが発生しない分、乗員7をシート3により確実に拘束できるようになるという利点がある。なお、本実施形態の構成では、シートベルト5から乗員7に加わる圧力が上記第1実施形態の場合と異なるため、装置構成に合わせて巻取量や巻取速度を適切に設定するのが好適である。
(第3実施形態)図11は、本実施形態にかかる乗員保護装置の座席移動機構を示す斜視図である。なお、本実施形態にかかる乗員保護装置も、上記第1実施形態と同様の構成要素を有している。よって、それら同様の構成要素については同じ符号を付与するとともに、重複する説明を省略する。
上記第1実施形態の座席移動機構1は、アクチュエータとしてバネ23を用いたのに対し、本実施形態にかかる座席移動機構1Bは、アクチュエータとしてモータ26を用いたものである。
すなわち、本実施形態にかかる座席移動機構1Bでは、台座8Bの前部に、側部フレーム9の前端部同士に架設された前部フレーム8aを設け、その前部フレーム8aの下面に、円弧状の長穴29を設けたアーム28を取り付け、当該長穴29の内壁面にラック30を形成し、そのラック30と噛合するピニオン27を、床面13上にブラケット25を用いて取り付けたモータ26によって回転させるように構成している。
したがって、モータ26を回転制御することで、アーム28および前部フレーム8aを上昇させ、台座8Bを後傾させることができる。すなわち、この座席移動機構1Bによっても、シート3を後方に移動させることができるため、本実施形態によっても、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。また、本実施形態によれば、モータ26を用いたため、乗員7の大きさや、シート3の位置等に合わせて、シート3の後方移動速度を変化させたり、後方移動量を可変設定したりといった、より緻密かつより適切な制御が可能になる。また、元の状態に容易にかつより迅速に復元できるという利点もある。なお、本実施形態では、台座8Bの動作初期の移動速度を確保するため、バネ力等でアシストするようにしてもよい。
(第4実施形態)図12は、本実施形態にかかる乗員保護装置の座席移動機構を示す側面図であって、(a)は、作動前(通常状態)を示す図、(b)は作動後を示す図である。なお、本実施形態にかかる乗員保護装置も、上記第1実施形態と同様の構成要素を有している。よって、それら同様の構成要素については同じ符号を付与するとともに、重複する説明を省略する。
上記第1実施形態の座席移動機構1は、アクチュエータとしてバネ23を用いたのに対し、本実施形態にかかる座席移動機構1Cは、アクチュエータとしてエアバッグ31を用いたものである。
すなわち、本実施形態にかかる座席移動機構1Cでは、台座8と床面13との間の、軸12より前の位置に、エアバッグ31を設けている。また、台座8と床面13との間の空間には、エアバッグ31に充填する気体を発生させるインフレータ32が設けられ、台座8の前端部には、エアバッグ31が外方(前方)にはみ出すのを抑制するシールド33が設けられている。また、エアバッグ31には、ベントホールは設けられておらず、一旦膨張すると、膨張した状態で維持されるようになっている。
したがって、衝突が避けられない場合にエアバッグ31を膨らませ、図12の(b)に示すように、台座8を後傾させることができる。この場合、台座8の前端と床面13との間にシールド33が張られ、エアバッグ31がシールド33より外側にはみ出すのが抑制される。すなわち、この座席移動機構1Cによっても、シート3を後方に移動させることができるため、本実施形態によっても、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。また、本実施形態によれば、エアバッグ31を用いたことで、座席移動機構1Cをより小型に形成することができる上、シート3をより迅速に後方移動できるという利点がある。なお、シート取付部11を台座8に対して移動可能な状態に取り付け、シート3をさらに後方に移動させるようにしてもよい。
(第5実施形態)図13は、本実施形態にかかる乗員保護装置の座席移動機構を示す側面図であって、(a)は、作動前(通常状態)を示す図、(b)は作動後を示す図である。なお、本実施形態にかかる乗員保護装置も、上記第1実施形態と同様の構成要素を有している。よって、それら同様の構成要素については同じ符号を付与するとともに、重複する説明を省略する。
本実施形態にかかる座席移動機構1Dは、側部フレーム9Dの軸12に回動自在に支持される部分に長穴34を設け、台座8Dを後傾可能としつつ、支持部材14に対して後方に移動可能としたものである。アクチュエータとしては、上記各実施形態と同様に、バネやエアバッグ等を用いることができるが、本実施形態では、このアクチュエータが、台座8Dを床面13に対して、斜め上後方に押すように構成するか、あるいは、上記各実施形態と同様に台座8Dを上方に向けて押すアクチュエータとともに、後方に押すアクチュエータを設けるのが好適である。なお、台座8Dの後部下側は斜めにカットし、この部分が床面13に当接して、台座8Dが傾斜した姿勢が安定的に維持されるようにしてある。
この座席移動機構1Dによっても、シート3を後方に移動させることができるため、本実施形態によっても、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。そして、本実施形態によれば、シート3を後方に回転させつつ水平移動させる機構を、別途レールやスライダ等を設けることなく、比較的容易に具現化することができるという利点がある。
(第6実施形態)図14は、本実施形態におけるシートの通常状態を示す側面図、図15は、本実施形態においてシートが後方に移動した状態を示す側面図である。なお、本実施形態にかかる乗員保護装置も、上記第1実施形態と同様の構成要素を有している。よって、それら同様の構成要素については同じ符号を付与するとともに、重複する説明を省略する。
本実施形態では、シート3Eの後方への移動を利用して、ヘッドレスト3cを前傾させる機構(ヘッドレスト移動機構)35を設けている。具体的には、シートバック3b(の骨格部材)に支点36を中心として回動可能なブラケット37を設け、このブラケット37にヘッドレスト3cの支持アーム39を支持させる。一方、シートクッション3aの前端部に設けた締結点42から、床面13上の掛架点43および軸12を経由して、ブラケット37の前端部に設けた締結点40までワイヤ41を架け渡し、シート3の後傾に伴ってシートクッション3aの前端部が上昇して床面13から離間すると、ブラケット37の締結点40が下方に引かれて、ブラケット37が支点36周りに回転し、ヘッドレスト3cが前方に移動するようにしてある。つまり、本実施形態では、シート3の後方移動(本実施形態の場合は後傾)によって締結点42と掛架点43との距離がL0(図14)からL1(図15)に拡大した分だけ(D=L1−L0)、締結点40を下方に移動させ、ヘッドレスト3cを前方に移動させている。
座席移動機構によってシート3を後方に移動させる場合、シート3は、後方に移動して、所定の位置で停止することになるが、この際、乗員7の頭部に作用する慣性力によって頸部に負担がかかるおそれがある。この点、本実施形態によれば、ヘッドレスト移動機構35を座席移動機構と並行して動作させ、シート3が後退位置に到達する前にヘッドレスト3cを前方に移動(この例では前傾)させているため、その分、頸部への負担を軽減することができる。また、本実施形態では、座席移動機構によるシート3の移動を利用してヘッドレスト3cを動かすため、ヘッドレスト3cを前傾させる機構を別途設けた場合に比べて、比較的簡素な構成とすることができる。なお、図14および図15では、座席移動機構を図示していないが、本実施形態では、上記各実施形態で示したものを含む種々の座席移動機構を用いることができる。また、シート3Eを後方に水平移動させる座席移動機構を用いる場合には、掛架点43や軸12がシート3Eとともに水平移動できるように構成すればよい。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態には限定されず、種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態を適宜組み合わせたものも、実施可能であることは言うまでもない。また、アクチュエータのバネとして、圧縮バネを用い、その伸長力によって台座の前部を持ち上げるようにしてもよいし、ねじりバネを用いて台座を後傾させるようにしてもよい。また、座席移動機構用のアクチュエータとして、火薬カートリッジ等、動作前の状態への復元が難しいアクチュエータを用いても構わない。また、モータやバネ等をアクチュエータとして備えるヘッドレスト移動機構を別途構成し、例えば座席移動機構の起動をトリガとして当該ヘッドレスト移動機構を動作させるようにしてもよい。
乗員がシートに着座した状態を示す斜視図。 本発明の第1実施形態にかかる乗員保護装置の座席移動機構を示す斜視図。 本発明の第1実施形態にかかる乗員保護装置の衝突検知センサの取り付け状態を示す図。 本発明の第1実施形態において通常状態での乗員の着座姿勢を示す側面図。 本発明の第1実施形態にかかる座席移動機構によりシートを後方に回転させた状態での着座姿勢を示す側面図。 本発明の第1実施形態にかかる乗員保護装置におけるベルト繰出量とベルト荷重との相関関係を示す図。 本発明の第1実施形態にかかる座席移動機構によりシートを後方に水平移動させつつ回転させた状態での着座姿勢を示す側面図。 本発明の第2実施形態における通常状態での乗員の着座姿勢を示す側面図。 本発明の第2実施形態にかかる座席移動機構によりシートを後方に回転させた状態での着座姿勢を示す側面図。 本発明の第2実施形態にかかる座席移動機構によりシートを後方に水平移動させつつ回転させた状態での着座姿勢を示す側面図。 本発明の第3実施形態にかかる乗員保護装置の座席移動機構を示す斜視図。 本発明の第4実施形態にかかる乗員保護装置の座席移動機構を示す側面図であって、(a)は、作動前(通常状態)を示す図、(b)は作動後を示す図。 本発明の第5実施形態にかかる乗員保護装置の座席移動機構を示す側面図であって、(a)は、作動前(通常状態)を示す図、(b)は作動後を示す図。 本発明の第6実施形態においてシートの通常状態を示す側面図。 本発明の第6実施形態においてシートが後方に移動した状態を示す側面図。
符号の説明
1,1B,1C,1D 座席移動機構
2 センサ(衝突検知センサ)
3,3E シート(座席)
3c ヘッドレスト
5 シートベルト
7 乗員
23 バネ
26 モータ
31 エアバッグ
35 ヘッドレスト移動機構

Claims (6)

  1. 車両前面衝突を事前に検知する衝突検知センサと、
    座席を後方に移動させる座席移動機構と、
    乗員を座席に拘束するシートベルトを巻き取るシートベルト巻取機構と、
    を備え、
    前記衝突検知センサの検知結果から車両前面衝突が事前に検知された場合に、前記座席移動機構とシートベルト巻取機構とを連動制御して、乗員を所定の姿勢に保持する乗員保護装置であって、
    前記座席移動機構を動作させる前に前記シートベルト巻取機構を動作させ、
    前記座席移動機構は、座席を後方に回転させ、または、座席を後方に水平移動させかつ後方に回転させ、
    前記シートベルトを支持するベルトアンカを前記座席に取り付けると共に、
    前記座席移動機構を構成する台座の後部下側を、側面視で後方斜め上方に延びる傾斜面に形成し、前記座席が後方に回転したときに、この傾斜面が車両の床面に当接するように構成したことを特徴とする乗員保護装置。
  2. 前記座席移動機構のアクチュエータとしてバネを用いたことを特徴とする請求項1に記載の乗員保護装置。
  3. 前記座席移動機構のアクチュエータとしてモータを用いたことを特徴とする請求項1に記載の乗員保護装置。
  4. 前記座席移動機構のアクチュエータとしてエアバッグを用いたことを特徴とする請求項1に記載の乗員保護装置。
  5. 前記座席移動機構による座席の移動と並行して当該座席のヘッドレストを移動させるヘッドレスト移動機構を設けたことを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか一つに記載の乗員保護装置。
  6. 前記ヘッドレスト移動機構によるヘッドレストの移動を座席移動機構による座席の移動に連動させたことを特徴とする請求項5に記載の乗員保護装置。
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