JP5228761B2 - シートベルト装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車体後面部の近傍に配設された後席シート用のシートベルト装置に関し、安全技術の技術分野に属する。
自動車には、シートに着座する乗員保護のため、シートベルト装置が設けられる。このシートベルト装置としては、2点式や3点式のものがあるが、3点式のものは、例えば、シート後方においてベルトの一端が車体側面部の上部またはその近傍の天井部にリトラクタを介して連結され、他端がシートの前記車体側面部側の側方においてシートのシートクッション又はその近傍のフロアに固定され、かつ該ベルトに設けられたタングが係合されるバックルが、車体の幅方向中央近傍においてシートクッションまたはその近傍の車体に連結された構成とされている。
ところで、自車の車体後部に後続車が衝突した場合(この衝突を、以下適宜、後突という)、シートに着座した乗員が慣性でシートバックに沿って後方上方に移動して、車体の天井部等に当接する虞があり、これを防止するため、特許文献1には、後突が発生したときにシートベルトを通常時よりも緊張させるプリテンショナ装置(ベルト緊張手段)を設け、乗員をシートに拘束するようにしたものが開示されている。
ここで、車体後面部の近傍に後席シートが配置されている車両において、前述のような後突が発生した場合には、車体後部の変形により車体後面部が後席シートのシートバック等に当接して、後席シートに着座した乗員に悪影響が生じる虞がある。これを防止するものとして、特許文献2には、後突が発生したときに、後席シートを車体後面部から退避する方向に、すなわち前方に移動させるように構成したことが開示されている。また、特許文献2には、このように後席シートを車体後面部から退避する方向に移動させた場合におけるシートベルトによる乗員の締め付けを防止するために、ベルトの張力が一定以上となったときに、リトラクタからベルトを繰り出すように構成したことが開示されている。すなわち、リトラクタにフォースリミッタ機能を設けたことが開示されている。
特開2006−88714号公報 特開平11−208337号公報
ところで、前記特許文献1に記載のプリテンショナ装置は、後突時に乗員の上体を拘束することによりシートに着座した乗員の後方上方移動を阻止するのに有効な手段であるが、車体後面部の近傍に配設された後席シートについては、以下のような問題が生じる虞がある。すなわち、一般に車体のフロアの下方には前後に延びるフレームが設けられて、車体の下部側の剛性が上部側よりもが高くなっているので、後突により車体後部が変形をするときに、車体後面部の上部側の方が下部側よりも多く車室内部に侵入することとなり、その結果、自車の車体後面部が後席シートのシートバックに当接したときに、シートバックが前傾状態となり、このとき、乗員の上体、特に胸部が、プリテンショナ装置により緊張状態とされたシートベルトのショルダベルト部により強く締め付けられる虞がある。特に、車体下部の中でも後輪の周囲の部位は、後輪を支持するサスペンション等により剛性が特に高くなっているので、後席シートが車体前後方向において後輪が設けられている位置またはその後方に配設される場合には、前記問題の発生の虞が高くなる。
そこで、前記特許文献2に記載のフォースリミッタを適用することが考えられるが、この場合、シートベルトに一定以上の張力が発生するまでは、乗員がかなり強く拘束されることとなり、乗員にとって好ましくない。
そこで、本発明は、後席シートが車体後面部の近傍に配設されている場合に、後続車による後突時に、乗員の上体がシートベルトのショルダベルト部によって強く締め付けられるのを防止することができるシートベルト装置を提供することを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明は、次のように構成したことを特徴とする。
まず、本願の請求項1に記載の発明は、車体後面部の近傍に配設された後席シート用として設けられ、ベルトの一端が後席シート後方において車体側面部の上部またはその近傍の天井部にリトラクタを介して連結され、他端が後席シートの前記車体側面部側の側方においてシートクッション又はその近傍の車体に固定され、かつ該ベルトに設けられたタングが係合されるバックルが、車体の幅方向中央近傍においてシートクッションまたはその近傍の車体に連結されたシートベルト装置であって、自車の車体後部への後続車の衝突を検出又は予測する後突検出手段と、該後突検出手段で後続車の衝突が検出又は予測されたときに、前記ベルトにおける前記一端とタングとの間のショルダベルト部を緊張させるベルト緊張手段と、該ベルト緊張手段でショルダベルト部が緊張された後、所定の衝突条件の成立時に該ショルダベルト部の緊張を緩和するベルト緩和手段と、自車の前走車への衝突を検出する前突検出手段とを有し、前記ベルト緩和手段がショルダベルト部の緊張を緩和する所定の衝突条件は、前記後突検出手段で車体後部への後続車の衝突が検出された後、前記前突検出手段で前走車への衝突が検出されたことであることを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載のシートベルト装置において、前記ベルト緩和手段は、前記バックルを通常装着位置から上方に変位させる変位手段により構成され、ショルダベルト部の緊張を緩和させると同時に、前記ベルトにおける前記他端とタングとの間のラップベルト部の緊張を緩和可能に構成されていることを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、前記請求項1または請求項2に記載のシートベルト装置において、前記後席シートは、車体後面部の近傍で、かつ車体前後方向において後輪が設けられている位置またはその後方に配設されていることを特徴とする。
次に、本発明の効果について説明する。
まず、請求項1に記載の発明によれば、後突検出手段により自車の車体後部への後続車の衝突が検出又は予測されると、後席シート後方において車体側面部の上部またはその近傍の天井部にリトラクタを介して連結されたショルダベルト部が緊張される。したがって、乗員の上体がショルダベルト部により後席シートに拘束され、後突の衝撃により乗員が上方に浮き上がるのが防止される。そして、その後、所定の衝突条件が成立すると、ショルダベルト部の緊張が緩和される。したがって、後席シートが、車体後面部の近傍に配設されていることにより、後突時の車体後部の変形に伴ってシートバックが前傾状態となっても、ショルダベルト部により該後席シートに着座する乗員の上体、特に胸部が過度に締め付けされるのが防止されることとなる。
ここで、車体後部に後続車が衝突し、その後、自車が前走車に衝突した場合(この衝突を、以下適宜、前突という)、自車の前方への移動が前走車により阻害されるので、後突した後続車が前方に移動すると、自車の車体後部の変形度合が大きくなりやすい。すなわち、後席乗員の上体がショルダベルト部により強く締め付けられる虞が高くなる。
そこで、請求項1に記載の発明においては、後突検出手段で車体後部への後続車の衝突が検出された後、前突検出手段で自車の前走車への衝突が検出されたときに、ショルダベルト部の緊張を緩和するようにしたものであり、これによれば、前走車への衝突が検出されたときに、確実にショルダベルト部による後席乗員の上体に対する締め付けが緩められ、過度な締め付けが防止されることとなる。
また、請求項2に記載の発明によれば、前記所定の衝突条件が成立したときに、前記バックルが通常装着位置から上方に変位することにより、ショルダベルト部の緊張が緩和されると同時に、前記ベルトにおける前記他端とタングとの間のラップベルト部の緊張も緩和されることとなる。したがって、乗員の胸部の締め付けだけでなく、腰部の前方変位も許容されることとなる。
また、請求項3に記載の発明によれば、前記後席シートが、車体後面部の近傍で、かつ車体前後方向において後輪が設けられている位置またはその後方に配設されている場合に、前述の効果が得られることとなる。すなわち、車両後部には後輪も配設されており、車体における後輪が配設される部位は、車体後部の中でも特に剛性が高くなっており、その結果、前述したシートバックの後傾の問題が一層発生しやすくなるが、このような場合に、前記各請求項に記載の発明が特に有効となる。
以下、本発明の実施の形態に係るシートベルト装置について説明する。
図1に示すように、本実施の形態に係る車両1は、ハッチバックタイプの車両であり、この車両1の車室の底面を構成するフロア2の下面には略前後方向に延びる左右一対のフロアフレーム3が設けられていると共に、該フロアフレーム3の前端から連続して略前後に延びる左右一対のフロントサイドフレーム4が設けられている。また、車体の後面部には、バックドア5が設けられている。
フロア2上には、車体前側から順に、前席シート11、中間シート12、後席シート13の3列のシートが配設されている。これらのシート11,12,13は、左右にそれぞれ設けられている。図1は、右側の席を示している。
次に、本発明に係るシートベルト装置が適用された後席シート13、及びシートベルト装置20について順に説明する。図2、図3に示すように、後席シート13は、シートクッション13Aとシートバック13Bとを有している。シートクッション13Aはフロア2に固定されている。シートバック13Bは、下端部を中心として回動可能にフロア2(またはシートクッション13Aの後端部)に支持されており、図2に示す起立状態と、シートクッション13A上に前倒させた状態とを取り得るように構成されている。なお、起立状態は、例えば、下端部の回動軸上にロック機構等を設けることにより実現され、このロック機構によるロックを解除することにより、前倒状態とすることが可能となっている。
また、後席シート13は、図2からわかるように、バックドア5(車体後面部)の近傍で、かつ車体前後方向において後輪WRが設けられている位置に配設されている。また、この後輪WRが設けられている前後位置には、後輪WR用のサスペンションが取り付けられるリヤサスペンションフレーム6が設けられ、該フレーム6は前記フロアフレーム3に固定されている。
シートベルト装置20は、3点式のものであり、図2、図3に示すように、ベルト21の一端が後席シート13後方において車体側面部7の上部近傍の天井部8にリトラクタ22を介して連結され、他端が後席シート13の前記車体側面部7側の側方においてシートクッション13A近傍のフロア2にブラケット23を介して固定されている。また、該ベルト21に摺動可能に設けられたタング24が係合されるたバックル25が、後席シート13の車体幅方向中央側の側方においてバックルアンカ26を介してフロア2に連結されている。そして、乗員が後席シート13に着座した状態において、タング24とバックル25とを係合させることにより、ベルト21における前記一端とタング24との間のショルダベルト部21aにより乗員の上体が拘束され、前記他端とタング24との間のラップベルト部21bにより乗員の腰部が拘束されるようになっている。
リトラクタ22は、図4に示すように、天井部8を構成するルーフパネル31とルーフトリム32との間の空間に配設されており、ベルト21の一端側は、該トリム32に形成されたスリット32aを介して車室内に導入される。詳しくは、リトラクタ22は、リヤルーフヘッダ33にボルト34及びナット35で固定され、図5(ギヤラックが前方へ移動した状態で示している)にもあわせて示すように、横面部41aの後部にベルト導入溝41bが形成された断面ハット状のベースプレート41と、該ベースプレート41の左右の側面部41c,41cに回動可能に支持され、車幅方向に延びる軸42と、該軸42に固定され、ベルト21の前記一端側が巻き付けられた巻取りロール43と、該巻取りロール43を巻取り方向(矢印α方向)に付勢するバネ(図示せず)とを有し、乗員が後席シート13に着座してベルト21を装着した状態において、通常走行時における乗員の姿勢保持に必要な張力がベルト21に付与さるようになっている。
ここで、このリトラクタ22には、プリテンショナ機構が装備されている。すなわち、このプリテンショナ機構は、前記軸42の一端部に固着されたピニオンギヤ44と、該ピニオンギヤ44の後方において前記ベースプレート41の側面部41cに固定されたラックガイド46に車体前後方向に移動可能に支持されたラックギヤ45とを有している。このラックガイド46は、後端部が閉じられた有底四角筒状をしており、該ラックガイト46の後部とラックギヤ45とで内部にガス室47が形成される。なお、ラックギヤ45は、初期状態においては前端がピニオンギヤ44よりも後方に位置して、ピニオンギヤ44とは噛合しておらず、仮想線で示すように前方に(矢印β方向に)移動したときに、ピニオンギヤ44に噛合するようになっている。なお、ラックガイド46には、ラックギヤ45を初期状態において走行時の振動程度では前後に移動しないように係止する係止部(図示せず)が設けられている。また、このプリテンショナ機構は、ベースプレート41の側面部41cに固定されて、後述するECU60から起爆信号が入力されたときにガスを発生させるインフレータ48と、該インフレータ48で発生したガスを、前記ガス室47に導くガス導入パイプ49とを有している。
このような構成のプリテンショナ機構によれば、ECU60から起爆信号が入力されると、インフレータ48からガスが発生し、そのガスがガス導入パイプ49を介して前記ガス室47に導入される。そして、その結果、ラックギヤ45が、ガス室47に導入されたガス圧によりラックガイド46との係止を解除させて、前方に(矢印β方向に)移動し、その結果、ピニオンギヤ44がラックギヤ45と噛合してα方向に回転駆動し、すなわち巻取りロール43が巻取り方向(α方向)に回転し、ベルト21が巻き取られる、つまりベルト21が通常時よりも強く緊張されるようになっている。
次に、図6、図7により、バックルアンカ26について説明すると、このバックルアンカ26は、バックル25を上方に変位可能に支持するバックルリリース機能を有している。すなわち、バックルアンカ26は、バックル34と一体で形成されてその下端から下方に延びる棒部材51と、フロア2に固定されたブラケット52に支持された車幅方向に延びる水平軸53を中心として車体前後方向に揺動可能に支持され、棒部材51をその軸線方向に沿って摺動可能に収容する外筒54と、前記棒部材51及び外筒54に設けられた貫通孔51a,54aに挿通されたロックピン55と、棒部材51の下端部と外筒54の底との間に介装されて、前記棒部材51を軸線方向上方に付勢する圧縮状態のバネ56と、前記外筒54に取り付けられ、後述するECU60から作動信号を受信したときに前記貫通孔51a,54aに挿通されたロックピン55を引き抜き方向に移動させるソレノイド57とを有している。
このような構成のバックルアンカ26によれば、ソレノイド57に作動信号が入力されるまでの間は、図6に示すように、前記棒部材51と外筒54とがロックピン55でロックされ、これにより、バックル25は図6に示す通常装着位置で保持される。一方、ソレノイド57に作動信号が入力されると、前記棒部材51及び外筒54に設けられた貫通孔51a,54aに挿通されたロックピン55が、図8に示すようにソレノイド57側に引き抜かれ、その結果、バネ56の付勢力によって棒部材51の下端部に設けられた大径部51bが外筒54の上端壁54bに当接まで移動することとなる。すなわち、バックル25が上方に移動(変位)することとなる。なお、この移動量は、リトラクタ22のプリテンショナ機構によりベルト21が引き込まれ、かつ後述するようにシートバック13bが前傾状態となった状態において、乗員がベルト21のショルダベルト部21aにより強く締め付けられるのを防止可能なように設定されている。
図1に戻り、このシートベルト装置20は、コントロールユニット(ECU)60と、車両1の前後方向の加速度を検出する加速度センサ61とを有しており、ECU60は、該加速度センサ61から入力された信号に基づいて、前記インフレータ48及びソレノイド57に起爆信号及び作動信号を出力するように構成されている。なお、加速度センサ61としては乗員保護用エアバッグの展開制御用のものが利用可能である。
詳しく説明すると、ECU60は、加速度センサ61で検出された加速度が、前向きの第1所定値A1以上となったときは、前記インフレータ48に起爆信号を出力して、前記リトラクタ22のプリテンショナ機能を作動させる。なお、A1は通常走行状態では発生しない程度の値に設定されている。ここで、この「加速度センサ61で検出された加速度が前向きの第1所定値A1以上となった」ことが、特許請求の範囲の請求項1における「後突検出手段で車体後部への後続車の衝突が検出された」ことに相当する。
そして、加速度がさらに第2所定値A2以上まで増加した後、加速度が減少に転じたときは、前記ソレノイド57に作動信号を出力して、前記バックルアンカ26のベルトリリース機能を作動させる。ここで、この「加速度が減少に転じた」ことが、特許請求の範囲の請求項1における所定の衝突条件としての「前記前突検出手段で前走車への衝突が検出されたこと」に相当する。
次に、本実施の形態に係るシートベルト装置による作用、効果について説明する。
図9(a)に示すように、自車1の前後に前走車CF及び後続車CRが存在する状態で走行しており(例えば、渋滞により、前走車CFはほぼ停車または非常にゆっくりした速度で走行し、自車1は非常にゆっくりした速度で走行し、後続車CRは例えば前方不注意等により通常走行程度(例えば30〜40km/h程度)の車速で走行しているものとする)、図9(b)に示すように、自車1の車体後部に後続車CRの衝突が発生すると、自車1の前方に空間が存在しているので、自車1は、急加速しつつ前方に逃げることとなり、車体後部にはまだ大きな変形は生じない。一方、このとき乗員には慣性により矢印γで示すようにシートバック13Bに沿って後方上方へ移動しようとする力が働く(図10に示すように乗員には車体に対して後向きの加速度が作用する)が、本実施の形態においては、加速度センサ61で検出された加速度に基づいてこの衝突が検出されたときに(図10に示すように、加速度が第1所定加速度A1以上となったときに)、ベルト21のショルダベルト部21aが緊張される。したがって、乗員の上体がショルダベルト部21aにより後席シート13のシートバック13Bに拘束され、乗員が後方上方に浮き上がるのが防止される。
そして、さらに、自車1が後続車CRによって前方に押されることにより図10に示すように加速度がさらに第2所定値A2以上まで増加した後、自車1が図9(c)に示すように前走車CFに衝突すると、自車1は前方に逃げられなくなり、また後続車も急減速する(図10のように後向きの加速度が発生する)。そして、この急減速時の後続車CRの運動エネルギ(後続車の後向きの加速度が発生したときに生じる)が自車1の車体後部に作用し、その結果、フロアフレーム3が折曲し、バックドア5が前方に移動してシートバック13Bに後方から当接する。その場合に、車体下部側の方がフロアフレーム3等により上部側よりも剛性が高くなっているので、上部側の方がより前方に変形することとなり、その結果、シートバック13Bは、起立状態に保持するロック機構が変形しあるいは破損して、前傾状態となる。
その場合に、本実施の形態においては、自車1の加速度が減少に転じると(所定の衝突条件が成立すると)、バックルアンカ26のバックルリリース機構により、バックル25が上方に変位し、その結果、ショルダベルト部21aの緊張が緩和される。したがって、シートバック13Bが前傾状態となっても、ショルダベルト部21aにより該後席シート13に着座する乗員の上体、特に胸部が過度に締め付けられるのが確実に防止されることとなる。
また、前記所定の衝突条件が成立したときに、前記バックル25がバックルアンカ26により通常装着位置から上方に変位するので、ショルダベルト部21aの緊張が緩和されると同時に、ベルト21のラップベルト部21bの緊張も緩和されることとなる。したがって、乗員の上体、特に胸部の締め付けだけでなく、腰部の前方変位も許容されることとなる。
また、本実施の形態においては、後席シート13が、前述のように、バックドア5(車体後面部)の近傍で、かつ車体前後方向において後輪WRが設けられている位置に配設されており、車体における後輪WRが配設される部位は、車体後部の中でも特に剛性が高くなっており、その結果、前述したシートバック13Bの後傾の問題が一層発生しやすくなるが、このような場合に、本発明は特に有効となる。
なお、本実施の形態は一例であり、本発明は以下の場合にも適用可能である。
すなわち、本実施の形態においては、加速度センサ61で検出された加速度が第1所定値A1以上のときに、すなわち自車1の車体後部への後続車CRの実衝突が検出されたときに、プリテンショナ機能を作動させるようにしたが、車体後端部(例えばリヤバンパ)に自車1の後方の障害物を検出するレーダや赤外線センサ等を設け、該レーダや赤外線センサの検出信号に基づいて自車1の車体後部への後続車CRの衝突を予測し、衝突する虞があると判断したときに、すなわち実衝突が発生する前にプリテンショナ機能を作動させるようにしてもよい。こうすることにより、シートベルト21を後突に対して遅滞なく緊張させることができる。なお、この場合においても、シートベルト21の緩和は、前記実施の形態同様に加速度センサ61の信号に基づいて実行すればよい。
また、本実施の形態においては、車体後面部はバックドア5により構成されているが、本発明は、開閉不能な後壁の場合にも適用可能である。
また、本実施の形態に係る車両1においては、前後に3列のシートが設けられているが、本発明は、2列シートや、4列以上のシートを有する車両にも適用可能である。
また、本発明は、ベルト21の一端が後席シート13後方において車体側面部7の上部にリトラクタ22を介して連結されている場合、他端が後席シート13の前記車体側面部7側の側方においてシートクッション13Aに固定されている場合、ベルト21に摺動可能に設けられたタング24が係合されるバックル25が後席シート13の車体幅方向中央側の側方においてシートクッション13Aに連結されている場合にも適用可能である。
本発明によれば、後席シートが車体後面部の近傍に配設されている場合に、後続車による後突時に、乗員の上体がシートベルトのショルダベルト部によって強く締め付けられるのを防止することができ、自動車産業に広く利用可能である。
本発明の実施の形態に係る車両の側面図である。 図1の後席シート部分の拡大側面図である。 後席シートの正面図である。 図2のリトラクタ部分の拡大図である。 リトラクタ部分の拡大斜視図である(ギヤラックが前方へ移動した状態で示している)。 図2のバックルアンカ部分の一部破断拡大側面図である。 バックルアンカ部分の拡大斜視図である。 バックルがリリースされた状態での図7相当の図である。 本実施の形態に係るシートベルト装置による作用、効果の説明図である(その1)。 本実施の形態に係るシートベルト装置による作用、効果の説明図である(その2)。
符号の説明
1 車両、自車
2 フロア
7 車体側面部
8 天井部
13 後席シート
13A シートクッション
13B シートバック
20 シートベルト装置
21 ベルト
21a ショルダベルト部
21b ラップベルト部
22 リトラクタ(リトラクタ、ベルト緊張手段)
24 タング
25 バックル
26 バックルアンカ(ベルト緩和手段)
60 ECU(後突検出手段、前突検出手段、ベルト緊張手段、ベルト緩和手段)
61 加速度センサ(後突検出手段)

Claims (3)

  1. 車体後面部の近傍に配設された後席シート用として設けられ、ベルトの一端が後席シート後方において車体側面部の上部またはその近傍の天井部にリトラクタを介して連結され、他端が後席シートの前記車体側面部側の側方においてシートクッション又はその近傍の車体に固定され、かつ該ベルトに設けられたタングが係合されるバックルが、車体の幅方向中央近傍においてシートクッションまたはその近傍の車体に連結されたシートベルト装置であって、
    自車の車体後部への後続車の衝突を検出又は予測する後突検出手段と、
    該後突検出手段で後続車の衝突が検出又は予測されたときに、前記ベルトにおける前記一端とタングとの間のショルダベルト部を緊張させるベルト緊張手段と、
    該ベルト緊張手段でショルダベルト部が緊張された後、所定の衝突条件の成立時に該ショルダベルト部の緊張を緩和するベルト緩和手段と、
    自車の前走車への衝突を検出する前突検出手段とを有し、
    前記ベルト緩和手段がショルダベルト部の緊張を緩和する所定の衝突条件は、前記後突検出手段で車体後部への後続車の衝突が検出された後、前記前突検出手段で前走車への衝突が検出されたことであることを特徴とするシートベルト装置。
  2. 前記請求項1に記載のシートベルト装置において、
    前記ベルト緩和手段は、前記バックルを通常装着位置から上方に変位させる変位手段により構成され、ショルダベルト部の緊張を緩和させると同時に、前記ベルトにおける前記他端とタングとの間のラップベルト部の緊張を緩和可能に構成されていることを特徴とするシートベルト装置。
  3. 前記請求項1または請求項2に記載のシートベルト装置において、
    前記後席シートは、車体後面部の近傍で、かつ車体前後方向において後輪が設けられている位置またはその後方に配設されていることを特徴とするシートベルト装置。
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