JP4455485B2 - 車両用シートベルト装置 - Google Patents
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Description
従来の車両用シートベルト装置200は、シート201に着座した乗員を拘束するシートベルト202をアッパアンカ203、センタアンカ204及びロアアンカ205の3点で支持するようにした3点支持式の構成である。更にこの車両用シートベルト装置200は、車両が正面衝突したときにシートベルト202のうち、先にショルダベルト部206の緩み部分をショルダベルト用プリテンショナ207で巻き取り、次いで、ラップベルト部208の緩み部分をラップベルト用プリテンショナ209で巻き取るようにしたというものである。
しかしながら、乗員の保護性能をより一層高める観点からは、側面衝突した場合について考慮した、更なる改良の余地がある。
制御部は、車両に対する前方からの衝撃を検知したという条件を満足したときには、ショルダベルト部及びラップベルト部の各緩み部分を巻き取るようにショルダベルト用モータ及びラップベルト用モータの両方を駆動制御し、また、車両に対する側方からの衝撃を検知したという条件を満足したときには、ショルダベルト部の緩み部分を巻き取るようにショルダベルト用モータのみを駆動制御する構成であることを特徴とする。
請求項2に係る発明では、前記車両用シートベルト装置は、タイマを有し、
前記制御部は、前記車両に対する前方からの衝突を検出したという条件を満足したとき、前記ショルダーベルト部の緩み部分を巻き取るように前記ショルダーベルト用モータを駆動制御させると共に前記タイマを作動させ、このタイマの時間が所定時間経過後に、前記ラップベルト部の緩み部分を巻き取るように前記ラップベルト用モータを駆動制御させることを特徴とする。
この場合には、ラップベルト用モータが停止状態を維持しているので、ラップベルト部の緩み部分は、ショルダベルト部を介してショルダベルト用モータで巻き取られるだけである。このため、ラップベルト部の緩み部分は、ショルダベルト部の緩み部分よりも若干遅れて巻き取られる。側面衝突が発生したときであっても、ラップベルト部の緩み部分の巻き取りが完了するまでは、乗員の腰部は車幅方向へ若干移動することが可能である。
図1は本発明に係る車両をセンタピラーの部分で破断して正面から見た模式図である。図1に示すように車両10は、シート20及び車両用シートベルト装置30を設置したものである。シート20は、シートクッション21と、シートクッション21に起倒可能に設けたシートバック22とからなる。
センタアンカ52は、車体11側のバックル55に対してベルト31側のタング56を取外し可能にワンタッチで装着する、掛け止め機構からなる。
ショルダベルト部32は、リトラクタ41に巻き取り可能に連結した一端から延びて、アッパアンカ51のスリット(溝)内を経由し、タング56のスリット内を摺動自在に貫通するベルトである。ラップベルト部33は、一端をショルダベルト部32の他端に一体に連ね、ロアアンカ53に内蔵されたプリテンショナ61(以下、「ラップベルト用プリテンショナ61」と言う。)に他端を巻き取り可能に連結したベルトである。
これらのモータ43,62については、制御部101で制御することになる。
図3に示すように車両用乗員保護システム100は、検出部群110によって検出した各種の検出信号を受けた制御部101が、(1)ドライバ回路102を介してショルダベルト用モータ43を制御し、(2)ドライバ回路103を介してラップベルト用モータ62を制御し、(3)フロントエアバッグ82用のインフレータ81を制御し、(4)サイドカーテンエアバッグ92用のインフレータ91を制御するようにした構成である。
ST01;ショルダベルト用モータ43及びラップベルト用モータ62を停止させる又は停止状態を維持させる。
ST02;各種検出部111〜115の検出信号を読み込む。
ST05;制御部101に内蔵されているタイマをスタートさせる。
ST06;タイマのカウント時間が、予め設定されている一定の基準時間を経過、すなわち若干の一定時間(例えば5〜20msec)が経過したか否かを調べ、YESならST07に進み、NOならYESになるまでこのST06を繰り返す。
ST08;インフレータ81を点火させてガスを発生させる。この結果、フロントエアバッグ82は膨張して車室12内に展開する。
一方、NOの判断の場合は、正面衝突、横転、側面衝突のいずれも全く発生していない通常状態なので、ST01に戻ることになる。
ST13;ショルダベルト用モータ43を始動させる。この結果、ショルダベルト用プリテンショナ42はショルダベルト部32の緩み部分を巻き取る。
ST14;インフレータ91を点火させてガスを発生させる。この結果、サイドカーテンエアバッグ92は膨張して車室12内に展開する。
ST16;ショルダベルト用モータ43を停止させた後に、この制御フローによる制御を終了する。この結果、ショルダベルト用プリテンショナ42はショルダベルト部32の緩み部分の巻き取り作動を終了する。
ST04〜ST07の集合体は、ショルダベルト部32及びラップベルト部33の両方の緩み部分を巻き取る、両ベルト部巻取り制御手段に相当する。
ST11は、車両10に対する側方からの衝撃を検知したという条件を満足したか否かを判断する側面衝突判断手段に相当する。
ST12は、ラップベルト部33の巻き取りを禁止するラップベルト部巻取り禁止手段に相当する。
ST13は、ショルダベルト部32の緩み部分を巻き取る、ショルダベルト部巻取り制御手段に相当する。
正面衝突用加速度センサ111が車両10に対する前方からの衝撃を検知したとき、すなわち正面衝突が発生したときには、制御部101はショルダベルト用モータ43及びラップベルト用モータ62を、若干のタイミングをおいて2段階に作動させる。各モータ43,62を動力源として、プリテンショナ42,61はショルダベルト部32及びラップベルト部33の各緩み部分を、それぞれ迅速に巻き取る。この結果、シートベルト31で乗員Maの上半身(肩部や胸部)と腰部との両方を、迅速に且つ確実に拘束することができる。上半身と腰部との両方の前方移動を確実に規制することにより、正面衝突時の乗員Maの保護性能を確保することができる。
乗員Maの上半身をショルダベルト部32によって確実に拘束しているので、展開されたサイドカーテンエアバッグ92に対する上半身の相対的な位置ずれを規制することができる。従って、側面衝突時に、サイドカーテンエアバッグ92によって上半身を確実に保護することができる。
側面衝突が発生したときであっても、ラップベルト部33の緩み部分の巻き取りが完了するまでは、乗員Maの腰部は車幅方向へ若干移動することが可能である。つまり、シート20に対して、乗員Maの下半身は車幅方向へ相対的に移動可能である。
また、図1に示すラップベルト用プリテンショナ61はセンタアンカ52に内蔵した構成であってもよい。その場合であっても、車両10の緊急時、例えば衝突時等にラップベルト用モータ62によって、ラップベルト部33の緩み部分を巻き取ることができる。
また、図4に示すステップST05〜ST06の有無については任意である。ST05〜ST06を廃止することによって、各モータ43,62を同時に始動させることができる。
また、図4に示すステップST8は、ST04と同時又はST03とST04の間で実行するように構成してもよい。同様に、図4に示すステップST14は、ST13と同時又はST11とST13の間で実行するように構成してもよい。
また、図4に示すステップST12の有無については任意である。ステップST01があるので、これでステップST12を兼ねることができる。
Claims (2)
- 車両のシートに着座した乗員を拘束するシートベルトと、このシートベルトにおけるショルダベルト部の緩み部分を緊急時に巻き取るプリテンショナのショルダベルト用モータと、前記シートベルトにおけるラップベルト部の緩み部分を緊急時に巻き取るプリテンショナのラップベルト用モータと、これらのモータを駆動制御する制御部とを備えた車両用シートベルト装置において、
前記制御部は、前記車両に対する前方からの衝撃を検知したという条件を満足したときには、前記ショルダベルト部及び前記ラップベルト部の各緩み部分を巻き取るように前記ショルダベルト用モータ及び前記ラップベルト用モータの両方を駆動制御し、また、前記車両に対する側方からの衝撃を検知したという条件を満足したときには、前記ショルダベルト部の緩み部分を巻き取るように前記ショルダベルト用モータのみを駆動制御する構成であることを特徴とした車両用シートベルト装置。 - 前記車両用シートベルト装置は、タイマを有し、
前記制御部は、前記車両に対する前方からの衝突を検出したという条件を満足したとき、前記ショルダーベルト部の緩み部分を巻き取るように前記ショルダーベルト用モータを駆動制御させると共に前記タイマを作動させ、このタイマの時間が所定時間経過後に、前記ラップベルト部の緩み部分を巻き取るように前記ラップベルト用モータを駆動制御させることを特徴とする請求項1記載の車両用シートベルト装置。
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