JP3721451B2 - 車両用乗員保護装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両に衝撃が加わったときに乗員を保護するための乗員保護装置に関し、特に、プリテンショナー付のシートベルト装置を備えたものにおいて、車両に衝突が発生する可能性の高いときや実際に衝突が発生したときの該プリテンショナー等の制御の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、この種の車両用乗員保護装置として、例えば特開平9−132113号公報に開示されるように、車両に衝突が発生する可能性の高いときに、予めシートベルト装置のウエビングを巻き取るようにプリテンショナーを作動させるようにしたものが知られている。
【0003】
前記従来例のものでは、車両の周囲の障害物を検出するためのセンサが設けられるとともに、電動モータによりウエビングの巻き取り力を調節可能なプリテンショナーを備えており、車両と障害物との衝突の可能性に応じて、例えば衝突の可能性があまり高くないときには相対的に弱い力でウエビングを巻き取ることで、乗員の注意を喚起する一方、衝突の可能性が高いときには相対的に強い力でウエビングを巻き取ることで、乗員を衝突発生前に予めシートに対して確実に保持するようにしている。
【0004】
このように、衝突発生前に予め乗員をシートに対し保持することで、衝突時の乗員の安全性を高めることができ、特に、車両が後方の障害物と衝突したときには(以下、後突という)、乗員の上体及び頭部がそれぞれ直ちにシートバック及びヘッドレストにサポートされることになるので、乗員の頭部が後方へ大きく移動したり、上体に対し大きく後傾したりすることを効果的に抑制できるものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、一般に、前記従来例のような乗員保護装置では、実際の衝突後もシートベルト装置によって乗員を強く拘束するようにしているため、後突の瞬間に前記のようにしてシートバックやヘッドレストに押しつけられた乗員の上体や頭部が、その反力によって前方に押し出されると(以下、リバウンドともいう)、この乗員の上体はシートバックに強く拘束されている一方で、頭部だけが前方に移動することになってしまい、不具合がある。
【0006】
本発明は斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、車両に衝突が発生する可能性の高いときにプリテンショナーを作動させて、乗員をシートに保持するようにした乗員保護装置において、特に後突時の乗員の上体及び頭部のリバウンドに着目し、このときの不具合を防止することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明の第1の解決手段では、実際に後突が発生したときに、プリテンショナーによるウエビングの巻き取り力を低減させて、乗員の上体がある程度、前方に移動することを許容するようにした。
【0008】
具体的に、請求項1の発明では、車両に後突が発生することを予知する後突予知手段と、該後突予知手段により後突の発生が予知されたとき、シートベルト装置のウエビングを巻き取るようにプリテンショナーを作動させるプリテンショナー制御手段とを備えた車両用乗員保護装置を対象として、車両に実際に後突が発生したことを検出する後突検出手段を有し、前記プリテンショナー制御手段は、前記後突検出手段により後突の発生が検出されたとき、前記プリテンショナーによるウエビングの巻き取り力を所定値以上に維持されるようにして、低減させるものとする。
【0009】
前記の構成により、まず、後突予知手段により後突の発生が予知されると、プリテンショナー制御手段によりシートベルト装置のプリテンショナーが作動されて、ウエビングが巻き取られることで、車両の乗員はシートに対し確実に保持され、その上体がシートバックに引きつけられる。このことで、実際に後突が発生したときに、乗員の頭部が大きく後傾したりすることがなくなり、このときの保護性が向上する。
【0010】
しかも、後突検出手段により後突の発生が検出されると、前記プリテンショナー制御手段の制御によりウエビングの巻き取り力が低減されるので、リバウンド時には乗員の頭部だけでなく上体もある程度、前方に移動するようになり、これにより、不具合が解消されて、乗員の頭部及び上体の全体としての保護性能が向上する。
【0011】
その際、前記プリテンショナー制御手段は、ウエビングの巻き取り力が所定値以上になるようにプリテンショナーを作動させるので、乗員の運転操作性を高めつつ、該乗員の上体や頭部が過度に大きく前方に移動することも防いで、安全性をさらに向上することができる。
【0012】
請求項2の発明では、シートベルト装置は車両の運転席に設けられているものとする。すなわち、一般に、車両に後突が発生したときには、続いて車両が前方の別の障害物に衝突するといういわゆる複合衝突の虞れがあり、これを防止するためには、車両の運転者によるハンドル操作やブレーキ操作が妨げられないことが好ましい。このことから、シートベルト装置が車両の運転席に設けられている場合には、請求項1の発明のように車両の後突時にプリテンショナーによるウエビングの巻き取り力を低減させることによって、シートベルト装置が運転操作の支障となることを極小化できるという特有の作用効果が得られる。
【0013】
請求項3の発明では、請求項2の発明において、車両の停止状態を検出する停止状態検出手段と、後突検出手段により後突の発生が検出された後に、前記停止状態検出手段により車両の停止状態が検出されたとき、プリテンショナーによるウエビングの巻き取り力を増大させる増大補正手段とを備える構成とする。
【0014】
すなわち、前記請求項2の発明の如く、車両の後突時に運転操作の妨げにならないよう、プリテンショナーによるウエビングの巻き取り力を低減させるようにしたものであっても、車両の停止後は運転操作についての問題はなくなるので、この場合には安全性の観点から、乗員の拘束性を十分に高めるべく、プリテンショナーによるウエビングの巻き取り力を増大補正することが好ましい。
【0015】
請求項4の発明では、請求項1又は2のいずれか一方の発明において、後突により車両に加わる衝撃の程度に関する衝撃判定値を検出する後突程度検出手段を有し、プリテンショナー制御手段は、前記衝撃判定値が第1設定値よりも大きいときには、それ以下のときに比べてウエビングの巻き取り力が大きくなるようにプリテンショナーを作動させるものとする。
【0016】
ここで、前記第1設定値は、後突により車両に加わる衝撃が大きくて、乗員の拘束性を最優先する必要がある場合に対応するように設定する。そして、そのように衝撃の程度が大きいときには、それよりも衝撃の程度の小さいときに比べてウエビングの巻き取り力を大きくすることで、乗員をシートに対してしっかり保持し、十分な安全性を確保できる。一方、相対的に衝撃の小さいときには請求項1又は請求項2の発明の如くウエビングの巻き取り力を相対的に小さくさせることで、該各請求項の発明の作用効果を十分に得ることができる。
【0017】
請求項の発明では、請求項1、2及び4のいずれか一つの発明において、後突により車両に加わる衝撃の程度に関する衝撃判定値を検出する後突程度検出手段を有し、プリテンショナー制御手段は、前記衝撃判定値が第2設定値よりも小さいときには、それ以上のときに比べてウエビングの巻き取り力が大きくなるようにプリテンショナーを作動させるものとする。
【0018】
ここで、前記第2設定値は、後突により車両に加わる衝撃が小さくて、元々、リバウンドによる不具合の少ない場合に対応するように設定する。そして、衝撃判定値が前記第2設定値よりも小さいときにはウエビングの巻き取り力を十分に大きくして、乗員をシートに対し確実に保持できる一方で、衝撃判定値が第2設定値以上であれば、請求項1又は請求項2の発明の如くウエビングの巻き取り力を相対的に小さくさせることで、該各請求項の発明の作用効果を十分に得ることができる。
【0019】
次に、本発明の第2の解決手段では、車両に実際に後突が発生したときに、少なくとも助手席の前方にエアバッグを展開させるようにした。
【0020】
具体的に、請求項の発明では、車両に後突が発生することを予知する後突予知手段と、該後突予知手段により後突の発生が予知されたとき、シートベルト装置のウエビングを巻き取るようにプリテンショナーを作動させるプリテンショナー制御手段とを備えた車両用乗員保護装置を対象として、車両の少なくとも助手席の前方にエアバッグを展開可能なエアバッグ装置と、車両に実際に後突が発生したことを検出する後突検出手段と、該後突検出手段により後突の発生が検出されたとき、前記エアバッグ装置を作動させるエアバッグ制御手段とを備える構成とする。
【0021】
前記の構成により、まず、後突予知手段により後突の発生が予知されたときには、請求項1の発明と同じプリテンショナー制御によって乗員をシートに対し確実に保持することで、実際に後突が発生したときの保護性を向上できる。そして、後突検出手段により後突の発生が検出されると、今度はエアバッグ制御手段によるエアバッグ装置の作動制御によって、少なくとも車両の助手席前方にエアバッグが展開され、このエアバッグによって乗員の頭部の前方移動が抑えられることで、リバウンドによる不具合を防止できる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基いて説明する。
【0023】
(実施形態1)
図2は、本発明に係る車両用乗員保護装置Aが搭載された車両の一例を示す。この車両1は車室内に前後2列のシートを備えた3ボックス型の乗用車であって、前側の運転席2及び助手席2として、それぞれシートクッション3、シートバック4及びヘッドレスト5からなるセパレートタイプのシートが左右に並んで配設されるとともに、それらの後方には図示しないがベンチタイプの3人掛けシートが配設されている。また、前記運転席2及び助手席2のシートクッション3の内部には、図1に示すように、乗員Pが着座しているときにその体重を受けてON信号を出力する圧力センサからなる乗員着座センサ6が配設されている。
【0024】
前記運転席2及び助手席2にはそれぞれ基本的な乗員保護装置として、3点式のシートベルト装置が設けられている。このシートベルト装置は、運転席側のものを前記図1にも示すように、乗員Pの上体及び腰部を保持する帯状のウエビング8と、このウエビング8の基端側を巻き取るリトラクター兼用の電動式プリテンショナー9と、このプリテンショナー9から引き出されたウエビング8の方向を変えるアンカー10とを備えている。前記プリテンショナー9はセンターピラー11の下側の車体フロアに配設されてトリムにより覆われている一方、前記アンカー10は該センターピラー11の上側に取り付けられている。
【0025】
すなわち、プリテンショナー9から引き出されているウエビング8は、センターピラー11に沿って上方に延びた後にアンカー10により折り曲げられて下方に延びていて、先端部が連結金具により車体フロアに対し回動可能に連結されている。また、前記アンカー10よりも先端側のウエビングの途中にはタングプレート12が摺動可能に取り付けられており、このタングプレート12は、シートクッション3の側部に配設されたバックル13に差し込まれて係合されるようになっている。このバックル13には、タングプレート12が正常に係合しているときにON信号を出力するシートベルトスイッチ14(シートベルトSW)が付設されている。
【0026】
そうして、前記図1に示すように、乗員Pが正しい姿勢で着座しかつシートベルト装置を使用している状態では、前記タングプレート12よりも先端側のウエビング8により、乗員Pの腰部がシートクッション3に保持されるとともに、タングプレート12からアンカー10まで張架されたウエビング8により、乗員Pの上体がシートバック4に保持されるようになる。ここで、前記プリテンショナー9は、従来周知のリトラクターと同様にバネ力によってウエビングを巻き取るとともに、この巻き取り力を電動モータによって可変とした公知の構造のもの(例えば特開平9−132113号公報を参照)であり、電動モータへの電力供給が停止された状態ではウエビングに加わる巻き取り力は小さいので、このウエビングの弛みを吸収しつつも、乗員Pに不快な拘束感を与えることはない。
【0027】
また、この車両1には、主に車両1が前方の障害物に衝突したときに(前突)、前記シートベルト装置と協動して乗員Pを保護するためのエアバッグ装置が備えられている。具体的には、ステアリングホイール16の内部と助手席2の前方のインストゥルメントパネル17の内部とに、それぞれ、エアバッグモジュール18,18が格納されるとともに、該インストゥルメントパネル17内の左右両端部に車両1の前後方向の加速度及び減速度を検出する加速度センサ19がそれぞれ配設されており、これら加速度センサ19,19からの出力信号を受け入れる電子制御ユニット(Electronic Contorol Unit:以下、ECUという)20から前記エアバッグモジュール18,18に対し制御信号が出力されるようになっている。
【0028】
このエアバッグモジュール18は、助手席側のものの構造を模式的に前記図1に示すと、片側(図1の右側)に開口部を有するケーシング内の奥側に点火部と爆薬とを内蔵した円筒管状のインフレータ21が、また、開口側には折り畳まれたエアバッグ22がそれぞれ収容されている。そして、車両1の前突時に加速度センサ19からの出力信号がECU20に入力されると、その信号値に基づき所定の判定演算プログラムに従って、各エアバッグ22の展開の要否が判定され、展開が必要と判定されたエアバッグ22,22に対応するインフレータ21,21に通電すべく、ECU20から制御信号が出力される。こうして通電されたインフレータ21の火薬が高速燃焼し、エアバッグ22に多量のガスが供給されると、該エアバッグ22が急速に膨張してインストゥルメントパネル17のリッド部17aを押し開け、車室内に向かって展開する。
【0029】
さらに、この車両1の前面には前方の障害物を検出するためのレーダーセンサ23,23が、例えばフロントバンパーの左右両側等に1つずつ埋め込まれて配設されており、同様に車両1の後面には後方の障害物を検出するためのレーダーセンサ24(車体左側のもののみ図示する)が配設されている。そして、前記図1に示すように、各レーダーセンサ23,24からの出力信号はECU20に入力されており、また、前記乗員着座センサ6、シートベルトSW14、加速度センサ19、及び、車両1の走行速度を検出するための車速センサ25からの出力信号もECU20に入力されている。
【0030】
一方、このECU20は、前記のように運転席2及び助手席2の各エアバッグモジュール18に制御信号を出力する他に、前記シートベルト装置のプリテンショナー9に制御信号を出力して、このプリテンショナー9の作動制御によりウエビング8の巻き取り力を調節するようになっている。具体的には、例えば車両1に後方から別の車両等が急速に接近しているようなときには、後方レーダーセンサ24からの出力信号に基づいて、該別の車両が追突するかどうか予測し、追突すると予測したとき、即ち車両1に後突が発生することを予知したときには、前記プリテンショナー9を、ウエビング8を巻き取るように作動させて、実際に後突が発生する前に予め乗員Pの上体をシートバック4に保持するようにしている。
【0031】
このように、車両1に後突が発生することを予知し、予めウエビング8を巻き取って乗員Pの上体をシートバック4に強く保持することで、後突発生の瞬間に乗員Pの頭部が後方へ大きく移動したり、後傾したりすることを効果的に防止することができる。しかしその反面、一旦、ヘッドレスト5に押しつけられた乗員Pの頭部がリバウンドによって前方に移動しようとするときには、前記のように乗員Pの上体をシートバック4に強く保持していると、むしろ不具合の起こる可能性のあることは既述した通りである。
【0032】
そこで、この実施形態に係る乗員保護装置Aでは、車両1に実際に後突が発生したときにはプリテンショナー9によるウエビング8の巻き取り力を低減させることによって、前記のようなリバウンド時の不具合を解消するようにしたものである。以下、前記ECU20によるプリテンショナー9の制御手順を図3のフローチャート図に基づいて具体的に説明する。尚、この制御手順は、ECU20のメモリ上に電子的に格納された制御プログラムに従って、所定の時間間隔で実行されるものである。
【0033】
まず、同図に示すスタート後のステップSA1では、後方レーダーセンサ24からの入力信号に基づいて車両1の後突予知演算を行う。この予知演算は、例えば、所定時間前から現在に至るまでのレーダーセンサ24からの入力信号の履歴に基づいて行われ、車両1の後方の障害物までの距離が短いほど、また、該障害物が車両1に接近する相対速度が大きいほど、高い衝突予知信頼度が演算される。続いて、ステップSA2において、前記のような演算結果に基づいて後突予知判定を行い、衝突予知信頼度が所定以上に高くて車両1に後突が発生すると予知したときには(YES)ステップSA3に進む一方、衝突予知信頼度がそれほど高くなければ(NO)、後述のステップSA14に進む。
【0034】
そして、車両1の後突発生を予知して進んだステップSA3では、衝突予知信頼度と予想衝突程度に応じた強度Kでプリテンショナー9の電動モータを作動させ、該プリテンショナー9によりウエビング8を巻き取らせる。尚、前記予想衝突程度の演算も後方レーダーセンサ24からの出力信号に基づいて行うようにすればよく、車両1の後方の障害物が車両1に接近する相対速度が大きいほど、予想衝突程度は大きくなる。
【0035】
つまり、後方レーダーセンサ24からの出力信号に基づいて、車両1に後突が発生することを予知したときには、実際に後突が発生する前に予めプリテンショナー9によりウエビング8を巻き取らせて、乗員Pを運転席2或いは助手席2に確実に保持することで、後突発生時の乗員Pの安全性を向上させるようにしている。
【0036】
続いて、ステップSA4では、今度は加速度センサ19からの出力信号に基づいて、車両1の前後方向の加速度を求め、続くステップSA5において車両1に所定以上の大きさの衝撃的な加速度が作用したかどうか判定する。そして、前記の判定がNOであれば、車両1には未だ後突は発生していないので、前記ステップSA1にリターンする一方、判定がYESで車両1に実際に後突が発生したのであれば、ステップSA6に進んで、前記ステップSA3で設定したプリテンショナー9の作動強度Kを設定補正値A1だけ減少させる。尚、前記加速度センサ19が、後突により車両1に加わる加速度(衝撃の程度に関する衝撃判定値)を検出する後突程度検出手段に対応している。
【0037】
続いて、ステップSA7において、前記ステップSA4で求めた後突時の加速度(後突G)に応じて、プリテンショナー9の作動強度を補正するための減少補正値A2を演算する。すなわち、例えば図4(a)に示すようなマップから後突Gの大きさに対応する減少補正値A2を読み込む。このマップは、車両に発生する後突Gの大きさに対して、ウエビング8による乗員Pの拘束力を最適なものとするように予め実験的に決定して記録したものである。同図によれば、後突Gが相対的に大きい範囲では、該後突Gが大きくなるに連れて減少補正値A2は徐々に小さくなるように設定されており、一方、後突Gが相対的に小さい範囲では、後突Gが大きくなるに連れて減少補正値A2も徐々に大きくなるように設定されている。そして、続くステップSA8において、前記ステップSA6で設定したプリテンショナー9の作動強度Kをさらに減少補正値A2だけ減少させる。
【0038】
つまり、車両1に実際に後突が発生したときには、その後突による衝撃の程度に応じてプリテンショナー9によるウエビング8の巻き取り力を低減させるようにしている。より詳しくは、後突Gが相対的に大きい範囲においては該後突Gの増大と共にウエビング8の巻き取り力も増大し、極めて大きな衝撃に対しても乗員Pの拘束性を確保することができる一方で、後突Gが相対的に小さい範囲においては後突Gの減少と共にウエビング8の巻き取り力が増大し、後突の程度が弱く、元々、リバウンドによる不具合の起きる可能性が少ない場合には単純に乗員Pの拘束を優先する。そして、後突Gの大きさがそれらの中間の場合には、前記のように後突発生時にウエビング8の巻き取り力を低減させることで、リバウンドによる不具合を解消するようにしている。
【0039】
尚、前記減少補正値A2の値は、例えば同図(b)〜(d)にそれぞれ示すように設定することも可能である。すなわち、同図(b)に示すように、減少補正値A2を、後突Gが第1設定値G1よりも大きいときにはそれ以下のときに比べて小さくなるように設定するか、或いは同図(c)に示すように、減少補正値A2を、後突Gが第2設定値G2よりも小さいときにはそれ以上のときに比べて小さくなるように設定することが好ましく、同図(d)に示すように、前記の両方の条件を満たすように減少補正値A2を設定するのがさらに好ましい。ここで、前記第1設定値G1は、例えば車両1に同じ質量を有する別の車両が相対速度30〜50km/hで後突したときの後突Gに対応し、また、前記第2設定値G2は、例えば車両1に同じ質量を有する別の車両が相対速度5〜10km/hで後突したときの後突Gに対応する値である。
【0040】
前記ステップSA8に続くステップSA9では、今度は車速センサ25からの信号に基づいて、車両1の走行速度を検出し、続くステップSA10では該車両1の走行速度が零になった直後かどうか判定する(車速=0?)。この判定結果がYESであれば続くステップSA11に進んで、前記ステップSA8で設定したプリテンショナー9の作動強度Kを予め設定した増大補正値A3だけ増大させる一方、判定結果がNOであればそのままでそれぞれステップSA12に進み、作動強度Kに対応する制御信号をプリテンショナー9に出力して、該プリテンショナー9によるウエビング8の巻き取り力を制御する。そして、続くステップSA13において、車両1の後突発生を検出してから所定時間が経過したかどうか判定し、判定がNOで所定時間経過前であれば前記ステップSA9にリターンする一方、判定がYESで所定時間経過後であれば、制御を終了する。
【0041】
つまり、車両1に実際に後突が発生してから所定時間が経過するまでの間、車両1の走行速度が零になるまでは、プリテンショナー9の作動強度を一定に保つようにして、車両1の走行速度が零になった直後はプリテンショナー9の作動強度を増大補正するようにしている。
【0042】
一方、前記ステップSA2において車両1の後突発生を予知しなかった場合、即ち車両1に後突は発生しないと予測して進んだステップSA14では、前記ステップSA4と同様に加速度センサ19からの出力信号に基づいて車両1の前後方向の加速度を求め、続くステップSA15において、車両1に実際に後突が発生したかどうか判定する。そして、後突が発生していないNOであれば図テップSA1にリターンする一方、判定がYESで車両1に実際に後突が発生したのであれば、ステップSA16に進み、後突時の加速度(後突G)に応じて、例えば図5に示すようなマップからプリテンショナー9の作動強度kを読み込む(作動強度k演算)。このマップによれば、車両1に発生する後突Gに比例して作動強度kが大きくなるように設定されており、このことは、後突による衝撃が大きいほど、乗員Pを運転席2或いは助手席2にしっかりと保持して、安全性を高めるということである。
【0043】
そして、続くステップSA17〜SA21の各ステップでは、前記ステップSA9〜SA13の各ステップと同様の制御手順を実行し、車両1に実際に後突が発生してから所定時間が経過するまでの間、該車両1の走行速度が零になるまではプリテンショナー9の作動強度を一定に保ち、車両1の走行速度が零になればプリテンショナー9の作動強度を増大補正する。そして、後突検出から所定時間経が過後すれば、制御を終了する。
【0044】
前記のプリテンショナー制御のフローに示すステップSA1,SA2により、車両1に後突が発生することを予知する後突予知手段20aが構成されており、また、ステップSA4,SA5により、車両1に実際に後突が発生したことを検出する後突検出手段20bが構成されている。
【0045】
また、ステップSA3,SA6〜SA8,SA12により、シートベルト装置のプリテンショナー9を作動制御するプリテンショナー制御手段20cが構成され、特にステップSA3は、前記後突予知手段20aにより後突の発生が予知されたとき、シートベルト装置のウエビング8を巻き取るようにプリテンショナー9を作動させるという制御動作に対応している。また、ステップSA6は、前記後突検出手段20bにより後突の発生が検出されたとき、プリテンショナー9によるウエビング8の巻き取り力を低減させるという制御動作に対応している。さらに、ステップSA7,SA8は、後突によって車両1に加わる衝撃的な加速度が相対的に大きいときには、該加速度が大きいほど、ウエビング8の巻き取り力が大きくなるようにプリテンショナー9を作動させる一方、加速度が相対的に小さいときには、該加速度が小さいほど、ウエビング8の巻き取り力が大きくなるようにプリテンショナー9を作動させるという制御動作に対応している。
【0046】
加えて、前記フローのステップSA9,SA10により、車両1の停止状態を検出する停止状態検出手段20dが構成され、ステップSA11により、前記突検出手段20bによって後突の発生が検出された後に、前記停止状態検出手段20dによって車両1の停止状態が検出されたとき、プリテンショナー9によるウエビング8の巻き取り力を増大させる増大補正手段20eが構成されている。
【0047】
したがって、この実施形態1に係る車両用乗員保護装置Aによれば、例えば車両1にその後方から別の車両が急接近して、後突予知手段20aにより後突の発生が予知されると、プリテンショナー制御手段20cによりシートベルト装置のプリテンショナー9が所定の作動強度Kで作動され、ウエビング8が巻き取られることで、乗員Pが運転席2或いは助手席2に対し確実に保持され、その上体がシートバック4に引きつけられるようになる。このことで、実際に後突が発生したとしても、そのときには乗員Pの頭部がヘッドレスト5の近くに位置していて、該ヘッドレスト5によって直ちにサポートされることになるので、頭部が大きく後方に移動したり、或いは大きく後傾したりすることを効果的に抑制できる。
【0048】
また、車両1に実際に後突が発生して、後突検出手段20bによる検出がなされると、今度は、前記プリテンショナー制御手段20cは、ウエビング8の巻き取り力が低減するようにプリテンショナー9を作動させる。このことで、後突の衝撃で一旦、ヘッドレスト5に押し付けられた乗員Pの頭部がリバウンドによって前方に移動するとき、該乗員Pの上体もある程度、前方に移動できるようになるので、リバウンドによる不具合を解消して、乗員の頭部及び上体の全体的な保護性をさらに向上することができる。
【0049】
この際、プリテンショナー9によるウエビング8の巻き取り力を低減すると言っても、この巻き取り力を零にすることはなく、あくまで所定値以上に維持するようにしているので、前記の如く、リバウンドによる不具合を解消しながら、同時に、乗員の上体や頭部が過度に大きく前方に移動することも防止して、安全性をさらに向上させることができる。
【0050】
特に、運転席2に設けられたシートベルト装置については、前記のように車両1の後突発生時にウエビング8の巻き取り力を低減させることにより、シートベルト装置が乗員Pによるステアリングホイール16やブレーキペダル等の運転操作の支障となることを極小化でき、このことで、複合衝突の回避性も向上する。しかも、後突の発生後、所定時間が経過するまでの間、車両1が停止するまではプリテンショナー9によるウエビング8巻き取り力を低減する一方で、車両1が停止した直後は一時的に該プリテンショナー9の作動強度を増大させて、乗員Pの拘束性を高めることにより、安全性のさらなる向上が図られる。
【0051】
さらに、この実施形態では、前記のようにプリテンショナー9によるウエビング8巻き取り力を低減する際、該プリテンショナー9の作動強度を後突Gに応じて変更するようにしており、このことで、乗員Pの拘束性を車両1への衝撃程度に応じて適切に変更することができるので、車両1に加わる衝撃の程度が中程度の時には上述の如くリバウンドによる不具合を解消しながら、乗員Pの安全性も高めることができ、しかも、極めて大きな衝撃に対しても乗員Pの安全性を確保することができるものである。
【0052】
(実施形態2)
図6及び図7は、本発明の実施形態2に係る制御フローを示し、この実施形態2に係る車両用乗員保護装置Aの全体的な構成は、図1及び図2に示す前記実施形態1のものと同じなので、同一部材には同一の符号を付してその説明は省略するものとする。そして、この実施形態2では、実施形態1と同様に車両1の後突発生を予知したときに、シートベルト装置のプリテンショナー9を作動させて、乗員Pを運転席2或いは助手席2に確実に保持するとともに、実際の後突発生時には、少なくとも助手席2の前方にエアバッグ22を展開させ、このエアバッグ22により乗員Pの頭部の移動を抑制するようにしたものである。
【0053】
具体的には、図6のフローチャート図に示すように、スタート後のステップSB1〜SB5において、前記実施形態1と同様の後突予知を行い、その予知信頼度に応じてプリテンショナー9の作動を制御した後に、実際の後突発生を検出する。そして、後突発生を検出したYESならばステップSB6に進んで、助手席側のシートベルトSW14からの出力信号を入力し、続くステップSB7において、前記実施形態1のステップSA16と同様に、後突Gに応じてマップを参照して、プリテンショナー9の作動強度kを演算する(図5参照)。そして、ステップSB8〜SB11において、前記実施形態1のステップSA9〜SA12と同様の処理を行い、作動強度kに対応する制御信号を出力して、プリテンショナー9の作動制御を行う。
【0054】
続いて、ステップSB12では、まず、助手席側のエアバッグモジュール18が既に作動済みであるかどうか判定し、この判定がYESであればステップSB17に進む一方、判定がNOでエアバッグモジュール18が未作動であればステップSB13に進む。このステップSB13では助手席側のシートベルト装置が着用されているかどうか判定し、この判定がNOであればステップSB17に進む一方、判定がYESでベルト着用状態であれば、ステップSB14に進んで、後突Gに応じてエアバッグ22の展開圧力Pを演算する。すなわち、例えば図7に示すようなマップから後突Gの大きさに対応する展開圧力Pを読み込む。このマップは、車両に発生する後突Gの大きさに対して、エアバッグ22の展開圧を変化させるためのもので、図例のマップによれば、後突Gが相対的に大きい範囲でのみ、エアバッグ22を展開させるようにしている。尚、同図に破線で示すように、後突Gが特に大きい所定範囲ではエアバッグ22の展開圧力をさらに高めるようにすることも考えられる。この場合には、少なくとも助手席側のエアバッグモジュール18として、例えばインフレータ21において一度に燃焼させる火薬の分量を調節可能なエアバッグ装置を用いればよい。
【0055】
続いて、ステップSB15において、後突発生から設定時間が経過するまで待って、設定時間の経過後にステップSB16に進んで、助手席側のエアバッグモジュール18に制御信号を出力し、前記ステップSB14で演算した展開圧力になるようにエアバッグ22を展開させる。そして、続くステップSB17では、前記実施形態1と同様に、車両1の後突発生を検出してから所定時間が経過したかどうか判定し、判定がNOで所定時間経過前であれば前記ステップSB8にリターンする一方、判定がYESで所定時間経過後であれば、制御を終了する。
【0056】
つまり、請求項1と同様に車両1の後突予知時に予めウエビング8を巻き取らせる一方、その後、実際に後突が発生しても該ウエビング8の巻き取り力は低減させず、後突発生からさらに設定時間が経過したときに、助手席側のエアバッグ22を展開させて、このエアバッグ22により乗員Pの頭部を前方から保持するようする。
【0057】
一方、前記ステップSB2において車両1の後突発生を予知しなかった場合は、ステップSB18〜SB25において、前記ステップSB4〜SB11と同様の処理を行い、後突発生から所定時間は作動強度kに基づいてプリテンショナー9の作動制御を行って、しかる後に制御終了する。つまり、後突発生を予知しなかった場合には、車両1の後突に対応してエアバッグ22を展開させることはない。
【0058】
前記図6に示す制御フローのステップSB1,SB2により後突予知手段20aが、また、ステップSB4,SB5により後突検出手段20bが構成されている。さらに、ステップSB3により、前記後突予知手段20aによって後突の発生が予知されたとき、シートベルト装置のウエビング8を巻き取るようにプリテンショナー9を作動させるプリテンショナー制御手段20cが構成されている。
【0059】
また、前記フローのステップSB12〜SB16の各ステップにより、前記後突検出手段20bによって後突の発生が検出されたとき、助手席側のエアバッグモジュール18を作動させるエアバッグ制御手段20fが構成されている。
【0060】
したがって、この実施形態2に係る車両用乗員保護装置Aによれば、前記実施形態1と同様に、車両1の後突発生を予知して予めプリテンショナー9によりウエビング8を巻き取らせ、乗員Pを運転席2或いは助手席2に確実に保持することで、後突発生時の乗員保護性能を向上できる。
【0061】
また、実際に後突が発生したときには、設定時間の経過後に助手席側のエアバッグ22を展開させて、乗員Pの頭部の移動を抑制することで、実施形態1と同様にリバウンドによる不具合を解消することができる。
【0062】
尚、前記図6に示すフローのステップSB19において、車両1の後突の発生を検出したYESのとき、ステップSB20以降のステップに進む代わりに、ステップSB6〜SB17の各ステップに進むようにして、車両1に後突が発生したときには、それ以前に後突発生を予知していたか否かにかかわらず、助手席側のエアバッグ22を展開させるようにしてもよい。
【0063】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明に係る車両用乗員保護装置によると、車両に後突が発生することを後突予知手段により予知して、プリテンショナー制御手段により予めシートベルト装置のプリテンショナーを作動させることにより、後突発生時の保護性能の向上が図られ、しかも、後突検出手段により後突発生を検出し、前記プリテンショナー制御手段の制御によりウエビングの巻き取り力を低減させることで、リバウンドに依る不具合を解消して、乗員の保護性能をさらに向上できる。
【0064】
しかも、車両に後突が発生したときもウエビングの巻き取り力を所定値以上に維持することで、運転操作性の確保を図りつつ、乗員の上体等の過度の前方移動を抑えて、安全性をさらに向上できる。
【0065】
請求項2の発明によると、シートベルト装置が車両の運転席に設けられている場合には、車両の後突時にプリテンショナーによるウエビングの巻き取り力を低減させることで、シートベルト装置が運転操作の支障となることを極小化できるという特有の効果が得られる。
【0066】
請求項3の発明によると、車両の停止後はプリテンショナーによるウエビングの巻き取り力を増大補正して、乗員の拘束性を十分に高めることで、安全性をさらに向上できる。
【0067】
請求項4の発明によると、後突により車両に加わる衝撃の程度が大きくて、乗員の拘束性を最優先する必要がある場合には、ウエビングの巻き取り力が大きくなるようにプリテンショナーを作動させることで、乗員をシートに対してしっかり保持し、十分な安全性を確保できる。
【0068】
請求項の発明によると、後突により車両に加わる衝撃の程度がそれほど大きくない場合には、その衝撃の程度が相対的に大きいほど、ウエビングの巻き取り力を小さくすることで、請求項1又は請求項2の発明の効果を十分に得ることができる。
【0069】
また、請求項の発明に係る車両用乗員保護装置によると、請求項1の発明と同様に、車両に後突が発生することを後突予知手段により予知して、プリテンショナー制御手段により予めシートベルト装置のプリテンショナーを作動させることにより、後突発生時の乗員保護性能を向上でき、また、車両に実際に後突が発生したときには、エアバッグ制御手段により少なくとも助手席の前方にエアバッグを展開させることで、乗員の頭部の前方移動を抑えて、リバウンドによる不具合を解消できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態1に係る車両用乗員保護装置の構成を示す図である。
【図2】 車両用乗員保護装置を搭載した車両の概略構成図である。
【図3】 車両に後突が発生する前後の制御手順を示すフローチャート図である。
【図4】 後突Gの変化に対応するようにプリテンショナー作動強度の減少補正値を設定したマップの一例を示す図である。
【図5】 後突Gの変化に対応するようにプリテンショナー作動強度を設定したマップの一例を示す図である。
【図6】 実施形態2に係る図3相当図である。
【図7】 後突Gの変化に対応するようにエアバッグの展開圧力Pを設定したマップの一例を示す図である。
【符号の説明】
A 車両用乗員保護装置
P 乗員
1 車両
2 シート(運転席、助手席)
4 シートバック
5 ヘッドレスト
8 ウエビング(シートベルト装置)
9 プリテンショナー(シートベルト装置)
18 エアバッグモジュール(エアバッグ装置)
19 加速度センサ(後突程度検出手段)
20 電子制御ユニット(ECU)
20a 後突予知手段
20b 後突検出手段
20c プリテンショナー制御手段
20d 停止状態検出手段
20e 増大補正手段
20f エアバッグ制御手段

Claims (6)

  1. 車両に後突が発生することを予知する後突予知手段と、
    前記後突予知手段により後突の発生が予知されたとき、シートベルト装置のウエビングを巻き取るようにプリテンショナーを作動させるプリテンショナー制御手段とを備えた車両用乗員保護装置であって、
    車両に実際に後突が発生したことを検出する後突検出手段を有し、
    前記プリテンショナー制御手段は、前記後突検出手段により後突の発生が検出されたとき、前記プリテンショナーによるウエビングの巻き取り力を所定値以上に維持されるようにして、低減させるように構成されていることを特徴とする車両用乗員保護装置。
  2. 請求項1において、
    シートベルト装置は、車両の運転席に設けられていることを特徴とする車両用乗員保護装置。
  3. 請求項2において、
    車両の停止状態を検出する停止状態検出手段と、
    後突検出手段により後突の発生が検出された後に、前記停止状態検出手段により車両の停止状態が検出されたとき、プリテンショナーによるウエビングの巻き取り力を増大させる増大補正手段とを備えていることを特徴とする車両用乗員保護装置。
  4. 請求項1又は2のいずれか一方において、
    後突により車両に加わる衝撃の程度に関する衝撃判定値を検出する後突程度検出手段を有し、
    プリテンショナー制御手段は、前記衝撃判定値が第1設定値よりも大きいときには、それ以下のときに比べてウエビングの巻き取り力が大きくなるようにプリテンショナーを作動させるものであることを特徴とする車両用乗員保護装置。
  5. 請求項1、2及び4のいずれか一において、
    後突により車両に加わる衝撃の程度に関する衝撃判定値を検出する後突程度検出手段を有し、
    プリテンショナー制御手段は、前記衝撃判定値が第2設定値よりも小さいときには、それ以上のときに比べてウエビングの巻き取り力が大きくなるようにプリテンショナーを作動させるものであることを特徴とする車両用乗員保護装置。
  6. 車両に後突が発生することを予知する後突予知手段と、
    前記後突予知手段により後突の発生が予知されたとき、シートベルト装置のウエビングを巻き取るようにプリテンショナーを作動させるプリテンショナー制御手段とを備えた車両用乗員保護装置であって、
    車両の少なくとも助手席の前方にエアバッグを展開可能なエアバッグ装置と、
    車両に実際に後突が発生したことを検出する後突検出手段と、
    前記後突検出手段により後突の発生が検出されたとき、前記エアバッグ装置を作動させるエアバッグ制御手段とを備えたことを特徴とする車両用乗員保護装置
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