JP2001247008A - 車両用乗員保護装置 - Google Patents

車両用乗員保護装置

Info

Publication number
JP2001247008A
JP2001247008A JP2000061734A JP2000061734A JP2001247008A JP 2001247008 A JP2001247008 A JP 2001247008A JP 2000061734 A JP2000061734 A JP 2000061734A JP 2000061734 A JP2000061734 A JP 2000061734A JP 2001247008 A JP2001247008 A JP 2001247008A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vehicle
rear collision
pretensioner
collision
webbing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000061734A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3721451B2 (ja
Inventor
Haruhisa Kore
治久 是
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mazda Motor Corp filed Critical Mazda Motor Corp
Priority to JP2000061734A priority Critical patent/JP3721451B2/ja
Publication of JP2001247008A publication Critical patent/JP2001247008A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3721451B2 publication Critical patent/JP3721451B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Automotive Seat Belt Assembly (AREA)
  • Air Bags (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 車両1に後突が発生することを予知し、予め
シートベルト装置のプリテンショナー9を作動させて、
ウエビング8により乗員Pを拘束するようにする場合
に、後突発生後のリバウンドによる不具合を防止する。 【解決手段】 加速度センサ19からの信号に基づいて
車両1に実際に後突が発生したことを検出し、このと
き、シートベルト装置のウエビング8の巻き取り力が低
減するように、ECU20によりプリテンショナー9の
作動を制御する。車両1に加わる加速度の大きさに応じ
て、ウエビング8の巻き取り力を調節する。後突発生後
に車両1が停止した直後は、ウエビング8の巻き取り力
を増大補正する。後突発生後に助手席2側のエアバッグ
22を展開させるようにしてもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両に衝撃が加わ
ったときに乗員を保護するための乗員保護装置に関し、
特に、プリテンショナー付のシートベルト装置を備えた
ものにおいて、車両に衝突が発生する可能性の高いとき
や実際に衝突が発生したときの該プリテンショナー等の
制御の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種の車両用乗員保護装置
として、例えば特開平9−132113号公報に開示さ
れるように、車両に衝突が発生する可能性の高いとき
に、予めシートベルト装置のウエビングを巻き取るよう
にプリテンショナーを作動させるようにしたものが知ら
れている。
【0003】前記従来例のものでは、車両の周囲の障害
物を検出するためのセンサが設けられるとともに、電動
モータによりウエビングの巻き取り力を調節可能なプリ
テンショナーを備えており、車両と障害物との衝突の可
能性に応じて、例えば衝突の可能性があまり高くないと
きには相対的に弱い力でウエビングを巻き取ることで、
乗員の注意を喚起する一方、衝突の可能性が高いときに
は相対的に強い力でウエビングを巻き取ることで、乗員
を衝突発生前に予めシートに対して確実に保持するよう
にしている。
【0004】このように、衝突発生前に予め乗員をシー
トに対し保持することで、衝突時の乗員の安全性を高め
ることができ、特に、車両が後方の障害物と衝突したと
きには(以下、後突という)、乗員の上体及び頭部がそ
れぞれ直ちにシートバック及びヘッドレストにサポート
されることになるので、乗員の頭部が後方へ大きく移動
したり、上体に対し大きく後傾したりすることを効果的
に抑制できるものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、一般に、前
記従来例のような乗員保護装置では、実際の衝突後もシ
ートベルト装置によって乗員を強く拘束するようにして
いるため、後突の瞬間に前記のようにしてシートバック
やヘッドレストに押しつけられた乗員の上体や頭部が、
その反力によって前方に押し出されると(以下、リバウ
ンドともいう)、この乗員の上体はシートバックに強く
拘束されている一方で、頭部だけが前方に移動すること
になってしまい、不具合がある。
【0006】本発明は斯かる点に鑑みてなされたもので
あり、その目的とするところは、車両に衝突が発生する
可能性の高いときにプリテンショナーを作動させて、乗
員をシートに保持するようにした乗員保護装置におい
て、特に後突時の乗員の上体及び頭部のリバウンドに着
目し、このときの不具合を防止することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明の第1の解決手段では、実際に後突が発生し
たときに、プリテンショナーによるウエビングの巻き取
り力を低減させて、乗員の上体がある程度、前方に移動
することを許容するようにした。
【0008】具体的に、請求項1の発明では、車両に後
突が発生することを予知する後突予知手段と、該後突予
知手段により後突の発生が予知されたとき、シートベル
ト装置のウエビングを巻き取るようにプリテンショナー
を作動させるプリテンショナー制御手段とを備えた車両
用乗員保護装置を対象として、車両に実際に後突が発生
したことを検出する後突検出手段を有し、前記プリテン
ショナー制御手段は、前記後突検出手段により後突の発
生が検出されたとき、前記プリテンショナーによるウエ
ビングの巻き取り力を低減させるものとする。
【0009】前記の構成により、まず、後突予知手段に
より後突の発生が予知されると、プリテンショナー制御
手段によりシートベルト装置のプリテンショナーが作動
されて、ウエビングが巻き取られることで、車両の乗員
はシートに対し確実に保持され、その上体がシートバッ
クに引きつけられる。このことで、実際に後突が発生し
たときに、乗員の頭部が大きく後傾したりすることがな
くなり、このときの保護性が向上する。
【0010】しかも、後突検出手段により後突の発生が
検出されると、前記プリテンショナー制御手段の制御に
よりウエビングの巻き取り力が低減されるので、リバウ
ンド時には乗員の頭部だけでなく上体もある程度、前方
に移動するようになり、これにより、不具合が解消され
て、乗員の頭部及び上体の全体としての保護性能が向上
する。
【0011】請求項2の発明では、シートベルト装置は
車両の運転席に設けられているものとする。すなわち、
一般に、車両に後突が発生したときには、続いて車両が
前方の別の障害物に衝突するといういわゆる複合衝突の
虞れがあり、これを防止するためには、車両の運転者に
よるハンドル操作やブレーキ操作が妨げられないことが
好ましい。このことから、シートベルト装置が車両の運
転席に設けられている場合には、請求項1の発明のよう
に車両の後突時にプリテンショナーによるウエビングの
巻き取り力を低減させることによって、シートベルト装
置が運転操作の支障となることを極小化できるという特
有の作用効果が得られる。
【0012】請求項3の発明では、請求項2の発明にお
いて、車両の停止状態を検出する停止状態検出手段と、
後突検出手段により後突の発生が検出された後に、前記
停止状態検出手段により車両の停止状態が検出されたと
き、プリテンショナーによるウエビングの巻き取り力を
増大させる増大補正手段とを備える構成とする。
【0013】すなわち、前記請求項2の発明の如く、車
両の後突時に運転操作の妨げにならないよう、プリテン
ショナーによるウエビングの巻き取り力を低減させるよ
うにしたものであっても、車両の停止後は運転操作につ
いての問題はなくなるので、この場合には安全性の観点
から、乗員の拘束性を十分に高めるべく、プリテンショ
ナーによるウエビングの巻き取り力を増大補正すること
が好ましい。
【0014】請求項4の発明では、請求項1又は2のい
ずれか一方の発明におけるプリテンショナー制御手段
を、後突検出手段により後突の発生が検出されたとき、
ウエビングの巻き取り力が所定値以上になるようにプリ
テンショナーを作動させるものとする。こうすること
で、乗員の運転操作性を高めつつ、該乗員の上体や頭部
が過度に大きく前方に移動することも防いで、安全性を
さらに向上できる。
【0015】請求項5の発明では、請求項4の発明にお
いて、後突により車両に加わる衝撃の程度に関する衝撃
判定値を検出する後突程度検出手段を有し、プリテンシ
ョナー制御手段は、前記衝撃判定値が第1設定値よりも
大きいときには、それ以下のときに比べてウエビングの
巻き取り力が大きくなるようにプリテンショナーを作動
させるものとする。
【0016】ここで、前記第1設定値は、後突により車
両に加わる衝撃が大きくて、乗員の拘束性を最優先する
必要がある場合に対応するように設定する。そして、そ
のように衝撃の程度が大きいときには、それよりも衝撃
の程度の小さいときに比べてウエビングの巻き取り力を
大きくすることで、乗員をシートに対してしっかり保持
し、十分な安全性を確保できる。一方、相対的に衝撃の
小さいときには請求項1又は請求項2の発明の如くウエ
ビングの巻き取り力を相対的に小さくさせることで、該
各請求項の発明の作用効果を十分に得ることができる。
【0017】請求項6の発明では、請求項4又は5のい
ずれか一方の発明において、後突により車両に加わる衝
撃の程度に関する衝撃判定値を検出する後突程度検出手
段を有し、プリテンショナー制御手段は、前記衝撃判定
値が第2設定値よりも小さいときには、それ以上のとき
に比べてウエビングの巻き取り力が大きくなるようにプ
リテンショナーを作動させるものとする。
【0018】ここで、前記第2設定値は、後突により車
両に加わる衝撃が小さくて、元々、リバウンドによる不
具合の少ない場合に対応するように設定する。そして、
衝撃判定値が前記第2設定値よりも小さいときにはウエ
ビングの巻き取り力を十分に大きくして、乗員をシート
に対し確実に保持できる一方で、衝撃判定値が第2設定
値以上であれば、請求項1又は請求項2の発明の如くウ
エビングの巻き取り力を相対的に小さくさせることで、
該各請求項の発明の作用効果を十分に得ることができ
る。
【0019】次に、本発明の第2の解決手段では、車両
に実際に後突が発生したときに、少なくとも助手席の前
方にエアバッグを展開させるようにした。
【0020】具体的に、請求項7の発明では、車両に後
突が発生することを予知する後突予知手段と、該後突予
知手段により後突の発生が予知されたとき、シートベル
ト装置のウエビングを巻き取るようにプリテンショナー
を作動させるプリテンショナー制御手段とを備えた車両
用乗員保護装置を対象として、車両の少なくとも助手席
の前方にエアバッグを展開可能なエアバッグ装置と、車
両に実際に後突が発生したことを検出する後突検出手段
と、該後突検出手段により後突の発生が検出されたと
き、前記エアバッグ装置を作動させるエアバッグ制御手
段とを備える構成とする。
【0021】前記の構成により、まず、後突予知手段に
より後突の発生が予知されたときには、請求項1の発明
と同じプリテンショナー制御によって乗員をシートに対
し確実に保持することで、実際に後突が発生したときの
保護性を向上できる。そして、後突検出手段により後突
の発生が検出されると、今度はエアバッグ制御手段によ
るエアバッグ装置の作動制御によって、少なくとも車両
の助手席前方にエアバッグが展開され、このエアバッグ
によって乗員の頭部の前方移動が抑えられることで、リ
バウンドによる不具合を防止できる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基いて説明する。
【0023】(実施形態1)図2は、本発明に係る車両
用乗員保護装置Aが搭載された車両の一例を示す。この
車両1は車室内に前後2列のシートを備えた3ボックス
型の乗用車であって、前側の運転席2及び助手席2とし
て、それぞれシートクッション3、シートバック4及び
ヘッドレスト5からなるセパレートタイプのシートが左
右に並んで配設されるとともに、それらの後方には図示
しないがベンチタイプの3人掛けシートが配設されてい
る。また、前記運転席2及び助手席2のシートクッショ
ン3の内部には、図1に示すように、乗員Pが着座して
いるときにその体重を受けてON信号を出力する圧力セ
ンサからなる乗員着座センサ6が配設されている。
【0024】前記運転席2及び助手席2にはそれぞれ基
本的な乗員保護装置として、3点式のシートベルト装置
が設けられている。このシートベルト装置は、運転席側
のものを前記図1にも示すように、乗員Pの上体及び腰
部を保持する帯状のウエビング8と、このウエビング8
の基端側を巻き取るリトラクター兼用の電動式プリテン
ショナー9と、このプリテンショナー9から引き出され
たウエビング8の方向を変えるアンカー10とを備えて
いる。前記プリテンショナー9はセンターピラー11の
下側の車体フロアに配設されてトリムにより覆われてい
る一方、前記アンカー10は該センターピラー11の上
側に取り付けられている。
【0025】すなわち、プリテンショナー9から引き出
されているウエビング8は、センターピラー11に沿っ
て上方に延びた後にアンカー10により折り曲げられて
下方に延びていて、先端部が連結金具により車体フロア
に対し回動可能に連結されている。また、前記アンカー
10よりも先端側のウエビング5の途中にはタングプレ
ート12が摺動可能に取り付けられており、このタング
プレート12は、シートクッション3の側部に配設され
たバックル13に差し込まれて係合されるようになって
いる。このバックル13には、タングプレート12が正
常に係合しているときにON信号を出力するシートベル
トスイッチ14(シートベルトSW)が付設されてい
る。
【0026】そうして、前記図1に示すように、乗員P
が正しい姿勢で着座しかつシートベルト装置を使用して
いる状態では、前記タングプレート12よりも先端側の
ウエビング8により、乗員Pの腰部がシートクッション
3に保持されるとともに、タングプレート12からアン
カー10まで張架されたウエビング8により、乗員Pの
上体がシートバック4に保持されるようになる。ここ
で、前記プリテンショナー9は、従来周知のリトラクタ
ーと同様にバネ力によってウエビング9を巻き取るとと
もに、この巻き取り力を電動モータによって可変とした
公知の構造のもの(例えば特開平9−132113号公
報を参照)であり、電動モータへの電力供給が停止され
た状態ではウエビング9に加わる巻き取り力は小さいの
で、このウエビング5の弛みを吸収しつつも、乗員Pに
不快な拘束感を与えることはない。
【0027】また、この車両1には、主に車両1が前方
の障害物に衝突したときに(前突)、前記シートベルト
装置と協動して乗員Pを保護するためのエアバッグ装置
が備えられている。具体的には、ステアリングホイール
16の内部と助手席2の前方のインストゥルメントパネ
ル17の内部とに、それぞれ、エアバッグモジュール1
8,18が格納されるとともに、該インストゥルメント
パネル17内の左右両端部に車両1の前後方向の加速度
及び減速度を検出する加速度センサ19がそれぞれ配設
されており、これら加速度センサ19,19からの出力
信号を受け入れる電子制御ユニット(Electronic Conto
rol Unit:以下、ECUという)20から前記エアバッ
グモジュール18,18に対し制御信号が出力されるよ
うになっている。
【0028】このエアバッグモジュール18は、助手席
側のものの構造を模式的に前記図1に示すと、片側(図
1の右側)に開口部を有するケーシング内の奥側に点火
部と爆薬とを内蔵した円筒管状のインフレータ21が、
また、開口側には折り畳まれたエアバッグ22がそれぞ
れ収容されている。そして、車両1の前突時に加速度セ
ンサ19からの出力信号がECU20に入力されると、
その信号値に基づき所定の判定演算プログラムに従っ
て、各エアバッグ22の展開の要否が判定され、展開が
必要と判定されたエアバッグ22,22に対応するイン
フレータ21,21に通電すべく、ECU20から制御
信号が出力される。こうして通電されたインフレータ2
1の火薬が高速燃焼し、エアバッグ22に多量のガスが
供給されると、該エアバッグ22が急速に膨張してイン
ストゥルメントパネル17のリッド部17aを押し開
け、車室内に向かって展開する。
【0029】さらに、この車両1の前面には前方の障害
物を検出するためのレーダーセンサ23,23が、例え
ばフロントバンパーの左右両側等に1つずつ埋め込まれ
て配設されており、同様に車両1の後面には後方の障害
物を検出するためのレーダーセンサ24(車体左側のも
ののみ図示する)が配設されている。そして、前記図1
に示すように、各レーダーセンサ23,24からの出力
信号はECU20に入力されており、また、前記乗員着
座センサ6、シートベルトSW14、加速度センサ1
9、及び、車両1の走行速度を検出するための車速セン
サ25からの出力信号もECU20に入力されている。
【0030】一方、このECU20は、前記のように運
転席2及び助手席2の各エアバッグモジュール18に制
御信号を出力する他に、前記シートベルト装置のプリテ
ンショナー9に制御信号を出力して、このプリテンショ
ナー9の作動制御によりウエビング8の巻き取り力を調
節するようになっている。具体的には、例えば車両1に
後方から別の車両等が急速に接近しているようなときに
は、後方レーダーセンサ24からの出力信号に基づい
て、該別の車両が追突するかどうか予測し、追突すると
予測したとき、即ち車両1に後突が発生することを予知
したときには、前記プリテンショナー9を、ウエビング
8を巻き取るように作動させて、実際に後突が発生する
前に予め乗員Pの上体をシートバック4に保持するよう
にしている。
【0031】このように、車両1に後突が発生すること
を予知し、予めウエビング8を巻き取って乗員Pの上体
をシートバック4に強く保持することで、後突発生の瞬
間に乗員Pの頭部が後方へ大きく移動したり、後傾した
りすることを効果的に防止することができる。しかしそ
の反面、一旦、ヘッドレスト5に押しつけられた乗員P
の頭部がリバウンドによって前方に移動しようとすると
きには、前記のように乗員Pの上体をシートバック4に
強く保持していると、むしろ不具合の起こる可能性のあ
ることは既述した通りである。
【0032】そこで、この実施形態に係る乗員保護装置
Aでは、車両1に実際に後突が発生したときにはプリテ
ンショナー9によるウエビング8の巻き取り力を低減さ
せることによって、前記のようなリバウンド時の不具合
を解消するようにしたものである。以下、前記ECU2
0によるプリテンショナー9の制御手順を図3のフロー
チャート図に基づいて具体的に説明する。尚、この制御
手順は、ECU20のメモリ上に電子的に格納された制
御プログラムに従って、所定の時間間隔で実行されるも
のである。
【0033】まず、同図に示すスタート後のステップS
A1では、後方レーダーセンサ24からの入力信号に基
づいて車両1の後突予知演算を行う。この予知演算は、
例えば、所定時間前から現在に至るまでのレーダーセン
サ24からの入力信号の履歴に基づいて行われ、車両1
の後方の障害物までの距離が短いほど、また、該障害物
が車両1に接近する相対速度が大きいほど、高い衝突予
知信頼度が演算される。続いて、ステップSA2におい
て、前記のような演算結果に基づいて後突予知判定を行
い、衝突予知信頼度が所定以上に高くて車両1に後突が
発生すると予知したときには(YES)ステップSA3
に進む一方、衝突予知信頼度がそれほど高くなければ
(NO)、後述のステップSA14に進む。
【0034】そして、車両1の後突発生を予知して進ん
だステップSA3では、衝突予知信頼度と予想衝突程度
に応じた強度Kでプリテンショナー9の電動モータを作
動させ、該プリテンショナー9によりウエビング8を巻
き取らせる。尚、前記予想衝突程度の演算も後方レーダ
ーセンサ24からの出力信号に基づいて行うようにすれ
ばよく、車両1の後方の障害物が車両1に接近する相対
速度が大きいほど、予想衝突程度は大きくなる。
【0035】つまり、後方レーダーセンサ24からの出
力信号に基づいて、車両1に後突が発生することを予知
したときには、実際に後突が発生する前に予めプリテン
ショナー9によりウエビング8を巻き取らせて、乗員P
を運転席2或いは助手席2に確実に保持することで、後
突発生時の乗員Pの安全性を向上させるようにしてい
る。
【0036】続いて、ステップSA4では、今度は加速
度センサ19からの出力信号に基づいて、車両1の前後
方向の加速度を求め、続くステップSA5において車両
1に所定以上の大きさの衝撃的な加速度が作用したかど
うか判定する。そして、前記の判定がNOであれば、車
両1には未だ後突は発生していないので、前記ステップ
SA1にリターンする一方、判定がYESで車両1に実
際に後突が発生したのであれば、ステップSA6に進ん
で、前記ステップSA3で設定したプリテンショナー9
の作動強度Kを設定補正値A1だけ減少させる。尚、前
記加速度センサ19が、後突により車両1に加わる加速
度(衝撃の程度に関する衝撃判定値)を検出する後突程
度検出手段に対応している。
【0037】続いて、ステップSA7において、前記ス
テップSA4で求めた後突時の加速度(後突G)に応じ
て、プリテンショナー9の作動強度を補正するための減
少補正値A2を演算する。すなわち、例えば図4(a)に
示すようなマップから後突Gの大きさに対応する減少補
正値A2を読み込む。このマップは、車両に発生する後
突Gの大きさに対して、ウエビング8による乗員Pの拘
束力を最適なものとするように予め実験的に決定して記
録したものである。同図によれば、後突Gが相対的に大
きい範囲では、該後突Gが大きくなるに連れて減少補正
値A2は徐々に小さくなるように設定されており、一
方、後突Gが相対的に小さい範囲では、後突Gが大きく
なるに連れて減少補正値A2も徐々に大きくなるように
設定されている。そして、続くステップSA8におい
て、前記ステップSA6で設定したプリテンショナー9
の作動強度Kをさらに減少補正値A2だけ減少させる。
【0038】つまり、車両1に実際に後突が発生したと
きには、その後突による衝撃の程度に応じてプリテンシ
ョナー9によるウエビング8の巻き取り力を低減させる
ようにしている。より詳しくは、後突Gが相対的に大き
い範囲においては該後突Gの増大と共にウエビング8の
巻き取り力も増大し、極めて大きな衝撃に対しても乗員
Pの拘束性を確保することができる一方で、後突Gが相
対的に小さい範囲においては後突Gの減少と共にウエビ
ング8の巻き取り力が増大し、後突の程度が弱く、元
々、リバウンドによる不具合の起きる可能性が少ない場
合には単純に乗員Pの拘束を優先する。そして、後突G
の大きさがそれらの中間の場合には、前記のように後突
発生時にウエビング8の巻き取り力を低減させること
で、リバウンドによる不具合を解消するようにしてい
る。
【0039】尚、前記減少補正値A2の値は、例えば同
図(b)〜(d)にそれぞれ示すように設定することも可能で
ある。すなわち、同図(b)に示すように、減少補正値A
2を、後突Gが第1設定値G1よりも大きいときにはそ
れ以下のときに比べて小さくなるように設定するか、或
いは同図(c)に示すように、減少補正値A2を、後突G
が第2設定値G2よりも小さいときにはそれ以上のとき
に比べて小さくなるように設定することが好ましく、同
図(d)に示すように、前記の両方の条件を満たすように
減少補正値A2を設定するのがさらに好ましい。ここ
で、前記第1設定値G1は、例えば車両1に同じ質量を
有する別の車両が相対速度30〜50km/hで後突し
たときの後突Gに対応し、また、前記第2設定値G2
は、例えば車両1に同じ質量を有する別の車両が相対速
度5〜10km/hで後突したときの後突Gに対応する
値である。
【0040】前記ステップSA8に続くステップSA9
では、今度は車速センサ25からの信号に基づいて、車
両1の走行速度を検出し、続くステップSA10では該
車両1の走行速度が零になった直後かどうか判定する
(車速=0?)。この判定結果がYESであれば続くス
テップSA11に進んで、前記ステップSA8で設定し
たプリテンショナー9の作動強度Kを予め設定した増大
補正値A3だけ増大させる一方、判定結果がNOであれ
ばそのままでそれぞれステップSA12に進み、作動強
度Kに対応する制御信号をプリテンショナー9に出力し
て、該プリテンショナー9によるウエビング8の巻き取
り力を制御する。そして、続くステップSA13におい
て、車両1の後突発生を検出してから所定時間が経過し
たかどうか判定し、判定がNOで所定時間経過前であれ
ば前記ステップSA9にリターンする一方、判定がYE
Sで所定時間経過後であれば、制御を終了する。
【0041】つまり、車両1に実際に後突が発生してか
ら所定時間が経過するまでの間、車両1の走行速度が零
になるまでは、プリテンショナー9の作動強度を一定に
保つようにして、車両1の走行速度が零になった直後は
プリテンショナー9の作動強度を増大補正するようにし
ている。
【0042】一方、前記ステップSA2において車両1
の後突発生を予知しなかった場合、即ち車両1に後突は
発生しないと予測して進んだステップSA14では、前
記ステップSA4と同様に加速度センサ19からの出力
信号に基づいて車両1の前後方向の加速度を求め、続く
ステップSA15において、車両1に実際に後突が発生
したかどうか判定する。そして、後突が発生していない
NOであれば図テップSA1にリターンする一方、判定
がYESで車両1に実際に後突が発生したのであれば、
ステップSA16に進み、後突時の加速度(後突G)に
応じて、例えば図5に示すようなマップからプリテンシ
ョナー9の作動強度kを読み込む(作動強度k演算)。
このマップによれば、車両1に発生する後突Gに比例し
て作動強度kが大きくなるように設定されており、この
ことは、後突による衝撃が大きいほど、乗員Pを運転席
2或いは助手席2にしっかりと保持して、安全性を高め
るということである。
【0043】そして、続くステップSA17〜SA21
の各ステップでは、前記ステップSA9〜SA13の各
ステップと同様の制御手順を実行し、車両1に実際に後
突が発生してから所定時間が経過するまでの間、該車両
1の走行速度が零になるまではプリテンショナー9の作
動強度を一定に保ち、車両1の走行速度が零になればプ
リテンショナー9の作動強度を増大補正する。そして、
後突検出から所定時間経が過後すれば、制御を終了す
る。
【0044】前記のプリテンショナー制御のフローに示
すステップSA1,SA2により、車両1に後突が発生
することを予知する後突予知手段20aが構成されてお
り、また、ステップSA4,SA5により、車両1に実
際に後突が発生したことを検出する後突検出手段20b
が構成されている。
【0045】また、ステップSA3,SA6〜SA8,
SA12により、シートベルト装置のプリテンショナー
9を作動制御するプリテンショナー制御手段20cが構
成され、特にステップSA3は、前記後突予知手段20
aにより後突の発生が予知されたとき、シートベルト装
置のウエビング8を巻き取るようにプリテンショナー9
を作動させるという制御動作に対応している。また、ス
テップSA6は、前記後突検出手段20bにより後突の
発生が検出されたとき、プリテンショナー9によるウエ
ビング8の巻き取り力を低減させるという制御動作に対
応している。さらに、ステップSA7,SA8は、後突
によって車両1に加わる衝撃的な加速度が相対的に大き
いときには、該加速度が大きいほど、ウエビング8の巻
き取り力が大きくなるようにプリテンショナー9を作動
させる一方、加速度が相対的に小さいときには、該加速
度が小さいほど、ウエビング8の巻き取り力が大きくな
るようにプリテンショナー9を作動させるという制御動
作に対応している。
【0046】加えて、前記フローのステップSA9,S
A10により、車両1の停止状態を検出する停止状態検
出手段20dが構成され、ステップSA11により、前
記突検出手段20bによって後突の発生が検出された後
に、前記停止状態検出手段20dによって車両1の停止
状態が検出されたとき、プリテンショナー9によるウエ
ビング8の巻き取り力を増大させる増大補正手段20e
が構成されている。
【0047】したがって、この実施形態1に係る車両用
乗員保護装置Aによれば、例えば車両1にその後方から
別の車両が急接近して、後突予知手段20aにより後突
の発生が予知されると、プリテンショナー制御手段20
cによりシートベルト装置のプリテンショナー9が所定
の作動強度Kで作動され、ウエビング8が巻き取られる
ことで、乗員Pが運転席2或いは助手席2に対し確実に
保持され、その上体がシートバック4に引きつけられる
ようになる。このことで、実際に後突が発生したとして
も、そのときには乗員Pの頭部がヘッドレスト5の近く
に位置していて、該ヘッドレスト5によって直ちにサポ
ートされることになるので、頭部が大きく後方に移動し
たり、或いは大きく後傾したりすることを効果的に抑制
できる。
【0048】また、車両1に実際に後突が発生して、後
突検出手段20bによる検出がなされると、今度は、前
記プリテンショナー制御手段20cは、ウエビング8の
巻き取り力が低減するようにプリテンショナー9を作動
させる。このことで、後突の衝撃で一旦、ヘッドレスト
5に押し付けられた乗員Pの頭部がリバウンドによって
前方に移動するとき、該乗員Pの上体もある程度、前方
に移動できるようになるので、リバウンドによる不具合
を解消して、乗員の頭部及び上体の全体的な保護性をさ
らに向上することができる。
【0049】この際、プリテンショナー9によるウエビ
ング8の巻き取り力を低減すると言っても、この巻き取
り力を零にすることはなく、あくまで所定値以上に維持
するようにしているので、前記の如く、リバウンドによ
る不具合を解消しながら、同時に、乗員の上体や頭部が
過度に大きく前方に移動することも防止して、安全性を
さらに向上させることができる。
【0050】特に、運転席2に設けられたシートベルト
装置については、前記のように車両1の後突発生時にウ
エビング8の巻き取り力を低減させることにより、シー
トベルト装置が乗員Pによるステアリングホイール16
やブレーキペダル等の運転操作の支障となることを極小
化でき、このことで、複合衝突の回避性も向上する。し
かも、後突の発生後、所定時間が経過するまでの間、車
両1が停止するまではプリテンショナー9によるウエビ
ング8巻き取り力を低減する一方で、車両1が停止した
直後は一時的に該プリテンショナー9の作動強度を増大
させて、乗員Pの拘束性を高めることにより、安全性の
さらなる向上が図られる。
【0051】さらに、この実施形態では、前記のように
プリテンショナー9によるウエビング8巻き取り力を低
減する際、該プリテンショナー9の作動強度を後突Gに
応じて変更するようにしており、このことで、乗員Pの
拘束性を車両1への衝撃程度に応じて適切に変更するこ
とができるので、車両1に加わる衝撃の程度が中程度の
時には上述の如くリバウンドによる不具合を解消しなが
ら、乗員Pの安全性も高めることができ、しかも、極め
て大きな衝撃に対しても乗員Pの安全性を確保すること
ができるものである。
【0052】(実施形態2)図6及び図7は、本発明の
実施形態2に係る制御フローを示し、この実施形態2に
係る車両用乗員保護装置Aの全体的な構成は、図1及び
図2に示す前記実施形態1のものと同じなので、同一部
材には同一の符号を付してその説明は省略するものとす
る。そして、この実施形態2では、実施形態1と同様に
車両1の後突発生を予知したときに、シートベルト装置
のプリテンショナー9を作動させて、乗員Pを運転席2
或いは助手席2に確実に保持するとともに、実際の後突
発生時には、少なくとも助手席2の前方にエアバッグ2
2を展開させ、このエアバッグ22により乗員Pの頭部
の移動を抑制するようにしたものである。
【0053】具体的には、図6のフローチャート図に示
すように、スタート後のステップSB1〜SB5におい
て、前記実施形態1と同様の後突予知を行い、その予知
信頼度に応じてプリテンショナー9の作動を制御した後
に、実際の後突発生を検出する。そして、後突発生を検
出したYESならばステップSB6に進んで、助手席側
のシートベルトSW14からの出力信号を入力し、続く
ステップSB7において、前記実施形態1のステップS
A16と同様に、後突Gに応じてマップを参照して、プ
リテンショナー9の作動強度kを演算する(図5参
照)。そして、ステップSB8〜SB11において、前
記実施形態1のステップSA9〜SA12と同様の処理
を行い、作動強度kに対応する制御信号を出力して、プ
リテンショナー9の作動制御を行う。
【0054】続いて、ステップSB12では、まず、助
手席側のエアバッグモジュール18が既に作動済みであ
るかどうか判定し、この判定がYESであればステップ
SB17に進む一方、判定がNOでエアバッグモジュー
ル18が未作動であればステップSB13に進む。この
ステップSB13では助手席側のシートベルト装置が着
用されているかどうか判定し、この判定がNOであれば
ステップSB17に進む一方、判定がYESでベルト着
用状態であれば、ステップSB14に進んで、後突Gに
応じてエアバッグ22の展開圧力Pを演算する。すなわ
ち、例えば図7に示すようなマップから後突Gの大きさ
に対応する展開圧力Pを読み込む。このマップは、車両
に発生する後突Gの大きさに対して、エアバッグ22の
展開圧を変化させるためのもので、図例のマップによれ
ば、後突Gが相対的に大きい範囲でのみ、エアバッグ2
2を展開させるようにしている。尚、同図に破線で示す
ように、後突Gが特に大きい所定範囲ではエアバッグ2
2の展開圧力をさらに高めるようにすることも考えられ
る。この場合には、少なくとも助手席側のエアバッグモ
ジュール18として、例えばインフレータ21において
一度に燃焼させる火薬の分量を調節可能なエアバッグ装
置を用いればよい。
【0055】続いて、ステップSB15において、後突
発生から設定時間が経過するまで待って、設定時間の経
過後にステップSB16に進んで、助手席側のエアバッ
グモジュール18に制御信号を出力し、前記ステップS
B14で演算した展開圧力になるようにエアバッグ22
を展開させる。そして、続くステップSB17では、前
記実施形態1と同様に、車両1の後突発生を検出してか
ら所定時間が経過したかどうか判定し、判定がNOで所
定時間経過前であれば前記ステップSB8にリターンす
る一方、判定がYESで所定時間経過後であれば、制御
を終了する。
【0056】つまり、請求項1と同様に車両1の後突予
知時に予めウエビング8を巻き取らせる一方、その後、
実際に後突が発生しても該ウエビング8の巻き取り力は
低減させず、後突発生からさらに設定時間が経過したと
きに、助手席側のエアバッグ22を展開させて、このエ
アバッグ22により乗員Pの頭部を前方から保持するよ
うする。
【0057】一方、前記ステップSB2において車両1
の後突発生を予知しなかった場合は、ステップSB18
〜SB25において、前記ステップSB4〜SB11と
同様の処理を行い、後突発生から所定時間は作動強度k
に基づいてプリテンショナー9の作動制御を行って、し
かる後に制御終了する。つまり、後突発生を予知しなか
った場合には、車両1の後突に対応してエアバッグ22
を展開させることはない。
【0058】前記図6に示す制御フローのステップSB
1,SB2により後突予知手段20aが、また、ステッ
プSB4,SB5により後突検出手段20bが構成され
ている。さらに、ステップSB3により、前記後突予知
手段20aによって後突の発生が予知されたとき、シー
トベルト装置のウエビング8を巻き取るようにプリテン
ショナー9を作動させるプリテンショナー制御手段20
cが構成されている。
【0059】また、前記フローのステップSB12〜S
B16の各ステップにより、前記後突検出手段20bに
よって後突の発生が検出されたとき、助手席側のエアバ
ッグモジュール18を作動させるエアバッグ制御手段2
0fが構成されている。
【0060】したがって、この実施形態2に係る車両用
乗員保護装置Aによれば、前記実施形態1と同様に、車
両1の後突発生を予知して予めプリテンショナー9によ
りウエビング8を巻き取らせ、乗員Pを運転席2或いは
助手席2に確実に保持することで、後突発生時の乗員保
護性能を向上できる。
【0061】また、実際に後突が発生したときには、設
定時間の経過後に助手席側のエアバッグ22を展開させ
て、乗員Pの頭部の移動を抑制することで、実施形態1
と同様にリバウンドによる不具合を解消することができ
る。
【0062】尚、前記図6に示すフローのステップSB
19において、車両1の後突の発生を検出したYESの
とき、ステップSB20以降のステップに進む代わり
に、ステップSB6〜SB17の各ステップに進むよう
にして、車両1に後突が発生したときには、それ以前に
後突発生を予知していたか否かにかかわらず、助手席側
のエアバッグ22を展開させるようにしてもよい。
【0063】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
係る車両用乗員保護装置によると、車両に後突が発生す
ることを後突予知手段により予知して、プリテンショナ
ー制御手段により予めシートベルト装置のプリテンショ
ナーを作動させることにより、後突発生時の保護性能の
向上が図られ、しかも、後突検出手段により後突発生を
検出し、前記プリテンショナー制御手段の制御によりウ
エビングの巻き取り力を低減させることで、リバウンド
に依る不具合を解消して、乗員の保護性能をさらに向上
できる。
【0064】請求項2の発明によると、シートベルト装
置が車両の運転席に設けられている場合には、車両の後
突時にプリテンショナーによるウエビングの巻き取り力
を低減させることで、シートベルト装置が運転操作の支
障となることを極小化できるという特有の効果が得られ
る。
【0065】請求項3の発明によると、車両の停止後は
プリテンショナーによるウエビングの巻き取り力を増大
補正して、乗員の拘束性を十分に高めることで、安全性
をさらに向上できる。
【0066】請求項4の発明によると、車両に後突が発
生したときもウエビングの巻き取り力を所定値以上とす
ることで、運転操作性の確保を図りつつ、乗員の上体等
の過度の前方移動を抑えて、安全性をさらに向上でき
る。
【0067】請求項5の発明によると、後突により車両
に加わる衝撃の程度が大きくて、乗員の拘束性を最優先
する必要がある場合には、ウエビングの巻き取り力が大
きくなるようにプリテンショナーを作動させることで、
乗員をシートに対してしっかり保持し、十分な安全性を
確保できる。
【0068】請求項6の発明によると、後突により車両
に加わる衝撃の程度がそれほど大きくない場合には、そ
の衝撃の程度が相対的に大きいほど、ウエビングの巻き
取り力を小さくすることで、請求項1又は請求項2の発
明の効果を十分に得ることができる。
【0069】また、請求項7の発明に係る車両用乗員保
護装置によると、請求項1の発明と同様に、車両に後突
が発生することを後突予知手段により予知して、プリテ
ンショナー制御手段により予めシートベルト装置のプリ
テンショナーを作動させることにより、後突発生時の乗
員保護性能を向上でき、また、車両に実際に後突が発生
したときには、エアバッグ制御手段により少なくとも助
手席の前方にエアバッグを展開させることで、乗員の頭
部の前方移動を抑えて、リバウンドによる不具合を解消
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係る車両用乗員保護装置
の構成を示す図である。
【図2】車両用乗員保護装置を搭載した車両の概略構成
図である。
【図3】車両に後突が発生する前後の制御手順を示すフ
ローチャート図である。
【図4】後突Gの変化に対応するようにプリテンショナ
ー作動強度の減少補正値を設定したマップの一例を示す
図である。
【図5】後突Gの変化に対応するようにプリテンショナ
ー作動強度を設定したマップの一例を示す図である。
【図6】実施形態2に係る図3相当図である。
【図7】後突Gの変化に対応するようにエアバッグの展
開圧力Pを設定したマップの一例を示す図である。
【符号の説明】
A 車両用乗員保護装置 P 乗員 1 車両 2 シート(運転席、助手席) 4 シートバック 5 ヘッドレスト 8 ウエビング(シートベルト装置) 9 プリテンショナー(シートベルト装置) 18 エアバッグモジュール(エアバッグ装置) 19 加速度センサ(後突程度検出手段) 20 電子制御ユニット(ECU) 20a 後突予知手段 20b 後突検出手段 20c プリテンショナー制御手段 20d 停止状態検出手段 20e 増大補正手段 20f エアバッグ制御手段

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両に後突が発生することを予知する後
    突予知手段と、 前記後突予知手段により後突の発生が予知されたとき、
    シートベルト装置のウエビングを巻き取るようにプリテ
    ンショナーを作動させるプリテンショナー制御手段とを
    備えた車両用乗員保護装置であって、 車両に実際に後突が発生したことを検出する後突検出手
    段を有し、 前記プリテンショナー制御手段は、前記後突検出手段に
    より後突の発生が検出されたとき、前記プリテンショナ
    ーによるウエビングの巻き取り力を低減させるように構
    成されていることを特徴とする車両用乗員保護装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 シートベルト装置は、車両の運転席に設けられているこ
    とを特徴とする車両用乗員保護装置。
  3. 【請求項3】 請求項2において、 車両の停止状態を検出する停止状態検出手段と、 後突検出手段により後突の発生が検出された後に、前記
    停止状態検出手段により車両の停止状態が検出されたと
    き、プリテンショナーによるウエビングの巻き取り力を
    増大させる増大補正手段とを備えていることを特徴とす
    る車両用乗員保護装置。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2のいずれか一方におい
    て、 プリテンショナー制御手段は、後突検出手段により後突
    の発生が検出されたとき、ウエビングの巻き取り力が所
    定値以上になるようにプリテンショナーを作動させるも
    のであることを特徴とする車両用乗員保護装置。
  5. 【請求項5】 請求項4において、 後突により車両に加わる衝撃の程度に関する衝撃判定値
    を検出する後突程度検出手段を有し、 プリテンショナー制御手段は、前記衝撃判定値が第1設
    定値よりも大きいときには、それ以下のときに比べてウ
    エビングの巻き取り力が大きくなるようにプリテンショ
    ナーを作動させるものであることを特徴とする車両用乗
    員保護装置。
  6. 【請求項6】 請求項4又は5のいずれか一方におい
    て、 後突により車両に加わる衝撃の程度に関する衝撃判定値
    を検出する後突程度検出手段を有し、 プリテンショナー制御手段は、前記衝撃判定値が第2設
    定値よりも小さいときには、それ以上のときに比べてウ
    エビングの巻き取り力が大きくなるようにプリテンショ
    ナーを作動させるものであることを特徴とする車両用乗
    員保護装置。
  7. 【請求項7】 車両に後突が発生することを予知する後
    突予知手段と、 前記後突予知手段により後突の発生が予知されたとき、
    シートベルト装置のウエビングを巻き取るようにプリテ
    ンショナーを作動させるプリテンショナー制御手段とを
    備えた車両用乗員保護装置であって、 車両の少なくとも助手席の前方にエアバッグを展開可能
    なエアバッグ装置と、 車両に実際に後突が発生したことを検出する後突検出手
    段と、 前記後突検出手段により後突の発生が検出されたとき、
    前記エアバッグ装置を作動させるエアバッグ制御手段と
    を備えたことを特徴とする車両用乗員保護装置。
JP2000061734A 2000-03-07 2000-03-07 車両用乗員保護装置 Expired - Fee Related JP3721451B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000061734A JP3721451B2 (ja) 2000-03-07 2000-03-07 車両用乗員保護装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000061734A JP3721451B2 (ja) 2000-03-07 2000-03-07 車両用乗員保護装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001247008A true JP2001247008A (ja) 2001-09-11
JP3721451B2 JP3721451B2 (ja) 2005-11-30

Family

ID=18581833

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000061734A Expired - Fee Related JP3721451B2 (ja) 2000-03-07 2000-03-07 車両用乗員保護装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3721451B2 (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004065184A1 (ja) * 2003-01-23 2004-08-05 Autoliv Development Ab 車両用乗員拘束保護装置
JP2004224182A (ja) * 2003-01-22 2004-08-12 Nsk Autoliv Co Ltd 車両用乗員拘束保護装置
JP2004306783A (ja) * 2003-04-07 2004-11-04 Toyota Motor Corp エアバッグ装置
JP2006096138A (ja) * 2004-09-29 2006-04-13 Mazda Motor Corp 車両のシートベルト装置
US7059444B2 (en) 2001-12-18 2006-06-13 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Seat belt device and seat belt device control method
US7325641B2 (en) 2001-12-06 2008-02-05 Daimlerchrysler Ag Method for actuating a reversible belt pretensioner
JP2009504467A (ja) * 2005-08-10 2009-02-05 ダイムラー・アクチェンゲゼルシャフト 車両における拘束システムの調整又は制御の方法及び装置
US7828104B2 (en) 2003-01-24 2010-11-09 Honda Motor Co., Ltd. Travel safety device for motor vehicle
US8491039B2 (en) 2008-03-21 2013-07-23 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Vehicular rear impact sensor mounting structure
JP2016215909A (ja) * 2015-05-22 2016-12-22 トヨタ自動車株式会社 車両用乗員保護装置及び車両用乗員保護方法

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7325641B2 (en) 2001-12-06 2008-02-05 Daimlerchrysler Ag Method for actuating a reversible belt pretensioner
US7059444B2 (en) 2001-12-18 2006-06-13 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Seat belt device and seat belt device control method
JP2004224182A (ja) * 2003-01-22 2004-08-12 Nsk Autoliv Co Ltd 車両用乗員拘束保護装置
CN100352704C (zh) * 2003-01-23 2007-12-05 奥托利夫开发有限公司 车辆用乘客约束保护装置
WO2004065184A1 (ja) * 2003-01-23 2004-08-05 Autoliv Development Ab 車両用乗員拘束保護装置
KR100722104B1 (ko) * 2003-01-23 2007-05-25 오토리브 디벨로프먼트 에이비 차량용 탑승자 구속 보호 장치
US7828104B2 (en) 2003-01-24 2010-11-09 Honda Motor Co., Ltd. Travel safety device for motor vehicle
JP2004306783A (ja) * 2003-04-07 2004-11-04 Toyota Motor Corp エアバッグ装置
JP2006096138A (ja) * 2004-09-29 2006-04-13 Mazda Motor Corp 車両のシートベルト装置
JP4614183B2 (ja) * 2004-09-29 2011-01-19 マツダ株式会社 車両のシートベルト装置
JP2009504467A (ja) * 2005-08-10 2009-02-05 ダイムラー・アクチェンゲゼルシャフト 車両における拘束システムの調整又は制御の方法及び装置
US8521369B2 (en) 2005-08-10 2013-08-27 Daimler Ag Method and device for regulation or control of a restraint system in a vehicle
US8491039B2 (en) 2008-03-21 2013-07-23 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Vehicular rear impact sensor mounting structure
JP2016215909A (ja) * 2015-05-22 2016-12-22 トヨタ自動車株式会社 車両用乗員保護装置及び車両用乗員保護方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3721451B2 (ja) 2005-11-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11059449B2 (en) Roof-mounted occupant restraint system
US8594894B2 (en) Method for protecting a vehicle occupant in a vehicle seat of a vehicle
CN1819938B (zh) 安全气囊装置
US20200377052A1 (en) Roof-mounted occupant restraint system
CN108454560B (zh) 用于车辆的可变式力限制器控制系统
WO2019209378A1 (en) Roof-mounted occupant restraint system
JP2009154812A (ja) 乗員保護装置
JP2002019555A (ja) 乗員保護装置
US8924085B2 (en) Method of protecting vehicle occupants in a vehicle seat of a vehicle
JP2020125007A (ja) 車両用シートベルト装置
JP3721451B2 (ja) 車両用乗員保護装置
US7204334B2 (en) Occupant restraint system
JP2002234414A (ja) 車両用エアバッグ装置
JP3378883B2 (ja) 車両用乗員保護装置
EP3699035B1 (en) Vehicle occupant protection device
JP2010155540A (ja) 車両用乗員保護装置
JP6860394B2 (ja) 乗員保護装置
JP2020152208A (ja) 乗員保護装置
JP2019171985A (ja) 車両用乗員保護装置
JP2018075877A (ja) 車両用乗員拘束装置
JP2007160986A (ja) 車両用シートベルト装置
JPH11208413A (ja) 衝突規模検知方法、シートベルト装置及びエアバッグ装置
JP6937145B2 (ja) 乗員保護装置
JP5704058B2 (ja) 車両用乗員拘束装置及びその制御方法
JP5672222B2 (ja) 車両用乗員拘束装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050530

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050607

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050727

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050816

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050829

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090922

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100922

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110922

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees