JP2016215909A - 車両用乗員保護装置及び車両用乗員保護方法 - Google Patents

車両用乗員保護装置及び車両用乗員保護方法 Download PDF

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Abstract

【課題】簡単な構成で車両の乗員保護性能を向上させる。
【解決手段】対象物の衝突判定するための閾値として通常状態の第1閾値th1が設定され(100)、斜め後方からの対象物が自車両に衝突する可能性を有する場合(104、106)、アクティブデバイスの作動準備状態として、第1閾値th1から第2閾値th2に変更される(108)。斜め後方から接近する他車両が衝突不可避である場合(110,112)、各席のシートベルト装置のウェビングを巻き取って、乗員Pへの拘束力を高める(116)。この後、斜め後方から他車両が自車両に衝突した場合(118)、衝突側のアクティブデバイスを作動させ(124)、車両用シートに着座した乗員を保護する。
【選択図】図5

Description

本発明は、車両の乗員を保護する車両用乗員保護装置及び車両用乗員保護方法に関する。
従来より、対象物の車両への衝突を検出して、乗員を保護する車両用乗員保護装置が提案されている。
例えば、自車両と自車両後方の対象物との間の状況に応じて、ウェビングのテンションを調節して乗員を保護する技術が知られている(例えば特許文献1参照)。この技術では、自車両後方の予め定めた範囲をセンサで検出し、自車両後方の対象物が自車両に追従する後続車であり、自車両と後続車とが所定の車間距離以下になる場合に、ウェビングを巻き取ってベルトテンションを付与する。
特開平9−132113号公報
しかしながら、自車両後方の対象物を検出するセンサは自車両後方の予め定めた範囲内で対象物を検出するため、センサにより検出可能な予め定めた範囲外では自車両後方の対象物を検出することが困難な場合がある。つまり、直線路で自車両に追従する後続車を、自車両後方の対象物として検出可能であるものの、追従する関係に乏しい他車両を自車両後方の対象物を検出することが困難な場合がある。例えば、曲線路等で自車両の走行方向が自車両の後方を走行する他車両の走行方向と相違する場合、他車両が自車両後方の予め定めた範囲から外れ、他車両を自車両後方の対象物として検出困難な場合がある。従って、センサの検出範囲外から接近する他車両、より具体的には自車両の斜め後方から接近する他車両等の対象物の衝突から乗員を保護することの考慮が不十分である。
本発明は、上記事実を考慮して成されたもので、簡単な構成で車両の斜め後方からの衝突に対して乗員保護性能を向上できる車両用乗員保護装置及び車両用乗員保護方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明の車両用乗員保護装置は、自車両の斜め後方から接近する対象物を検出する後方検出部と、作動信号を出力する信号出力部と、前記後方検出部により前記対象物が検出された場合に、前記作動信号が入力された際にウェビングの巻取りにより乗員に対する拘束力を高める機構を備えたシートベルト装置と、を備えている。
請求項1に記載の発明によれば、後方検出部は、自車両の斜め後方から接近する対象物を検出する。信号出力部は、後方検出部により対象物が検出された場合に、シートベルト装置に、作動信号を出力する。このように、自車両の斜め後方から他車両が接近した場合、ウェビングが巻き取られてウェビングによる乗員の拘束力が高められるので、簡単な構成で乗員保護性能を向上することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記後方検出部が検出する対象物は、前記斜め後方から接近し、かつ前記自車両との衝突が不可避である対象物であることを特徴とする。
請求項2に記載によれば、他車両等の対象物と自車両との衝突が不可避である場合に、ウェビングが巻き取られるので、対象物と自車両との衝突前に、より乗員保護性能を向上させることができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2において、斜め後方からの衝突に関連する物理量を検出して検出値を出力する物理量検出部と、前記斜め後方からの衝突時に展開されて乗員を保護するエアバッグを備えたエアバッグ装置と、前記物理量検出部で検出された検出値が閾値を超えた場合に前記エアバッグ装置を作動させる制御を行う制御部であって、前記後方検出部により前記対象物が検出されない場合は、前記閾値として第1閾値を用い、前記対象物が検出された場合は、前記閾値として前記第1閾値より小さい第2閾値を用いる制御部と、を含むことができる。
請求項3に記載の発明によれば、物理量検出部は、斜め後方からの衝突に関連する物理量を検出して検出値を出力する。制御部は、物理量検出部で検出された検出値が閾値を超えた場合にエアバッグ装置を作動させる制御を行う。また、制御部は、後方検出部により対象物が検出されない場合は、閾値として第1閾値を用い、対象物が検出された場合は、閾値として第1閾値より小さい第2閾値を用いる。これによって、自車両の斜め後方からの他車両の衝突を容易に検出することができ、斜め後方からの衝突時に乗員を保護するエアバッグ装置が作動されるので、斜め後方からの衝突時における乗員保護性能が向上される。
請求項4に記載の発明は、請求項3において、前記エアバッグ装置は、複数のエアバッグ装置を含み、自車両と前記対象物とが衝突した後に前記対象物と異なる他の対象物への二次衝突を予測する二次衝突予測部をさらに備え、前記制御部は、前記検出値が前記閾値を超えた場合に前記複数のエアバッグ装置のうちの少なくとも1つのエアバッグ装置を作動させる制御を行い、かつ前記二次衝突予測部により二次衝突が予測された場合は予測された二次衝突から前記乗員を保護し、かつ作動させていないエアバッグ装置を作動させる制御を行う。
請求項4に記載の発明によれば、対象物と異なる他の対象物への二次衝突を予測し、作動させていないエアバッグ装置を作動させて二次衝突から乗員を保護するので、自車両への斜め後方からの他車両の衝突後に二次衝突する場合であっても、乗員を保護することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項3において、前記エアバッグ装置は、複数のエアバッグ装置を含み、前記制御部は、前記複数のエアバッグ装置のうちの少なくとも1つのエアバッグ装置を作動させる制御を行う場合に、同時又は所定時間経過後に、前記複数のエアバッグ装置のうちの少なくとも1つの作動させていないエアバッグ装置を作動させる制御をさらに行う。
請求項5に記載の発明によれば、少なくとも1つエアバッグ装置が作動される場合に、同時又は所定時間経過後に、複数のエアバッグ装置のうちの作動させていないエアバッグ装置が作動される。従って、衝突時に複数のエアバッグ装置が同時又は所定時間経過後に作動され、複数のエアバッグ装置により乗員を保護することができる。
前記エアバッグ装置は、請求項6に記載したように、請求項4又は請求項5において、カーテンエアバッグ装置、ニアサイドエアバッグ装置及びファーサイドエアバッグ装置の少なくとも一つのエアバッグ装置を含むことができる。
また、前記物理量検出部は、請求項7に記載したように、請求項3〜請求項6の何れか1項において、Gセンサ及びヨーレイトセンサの少なくとも一方のセンサを含むことができる。
請求項8に記載の発明の車両用乗員保護方法は、自車両の斜め後方から接近する対象物を検出し、前記対象物が検出された場合に、ウェビングの巻取りにより乗員に対する拘束力を高める機構を備えたシートベルト装置のウェビングを巻取って乗員に対する拘束力を高める。
以上説明したように本発明によれば、簡単な構成で車両の乗員保護性能を向上させることができる、という効果がある。
第1実施形態に係る車両用乗員保護装置の構成の一例を示すブロック図である。 第1実施形態に係る検出器の配置の一例を示すイメージ図である。 第1実施形態に係るアクティブデバイスの一例を示すイメージ図である。 第1実施形態に係る自車両の挙動を示す特性の一例を示す線図である。 第1実施形態に係る車両用乗員保護装置で実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。 第1実施形態に係る自車両に対する他車両の走行状態の一例を示すイメージ図である。 第1実施形態に係る自車両に対する他車両の走行状態の異なる一例を示すイメージ図である。 第2実施形態に係る車両に衝突した対象物の有効質量特性の一例を示す線図である。 第2実施形態に係る車両用乗員保護装置で実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態の一例を詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1に、実施形態に係る車両用乗員保護装置の構成の一例を示す。車両用乗員保護装置10は、対象物の衝突から乗員を保護するための各種制御を行うECU12を備えている。
ECU12は、CPU14、ROM16、RAM18、及びI/O20を含むコンピュータで構成され、CPU14、ROM16、RAM18、及びI/O20は各々コマンド及びデータを授受可能にバス22を介して接続されている。
ROM16には、自車両の乗員を保護するためのプログラム、及び衝突を検出するための閾値等が記憶され、ROM16に記憶されたプログラムをCPU14が実行することによって自車両の乗員を保護するための制御が行われる。なお、RAM18は、プログラムを実行する際のキャッシュメモリ等として使用される。
I/O20には、時間計測のためのタイマ24、車速センサ26、挙動センサ27、接触センサ28、プリクラッシュセンサ30、予知センサ32、及びアクティブデバイス34が接続されている。本実施形態では、アクティブデバイス34は、自車両の乗員を保護するためのシートベルト装置36及びエアバッグ装置38を含んでいる。エアバッグ装置38は、フロントエアバッグ装置39F及びヘッドレストエアバッグ装置39Hを含んでいる。また、エアバッグ装置38は、カーテンエアバッグ装置(CSA)40、ニアサイドエアバッグ装置(SAB)42、及びファーサイドエアバッグ装置44を含んでいる。車速センサ26、接触センサ28、プリクラッシュセンサ30、及び予知センサ32は、車両の状態を検出するための検出器である。
ECU12は、車速センサ26、挙動センサ27、接触センサ28、プリクラッシュセンサ30、及び予知センサ32の各検出値に基づいて、アクティブデバイス34を作動するように制御する。
図2に、本実施形態に係る車両の状態を検出するための検出器の配置の一例を示す。車速センサ26は、車両の速度(車速)を検出する検出器である。なお、図中の矢印FRは、自車両の前方を示し、矢印RHは自車両の右方を示している。
挙動センサ27は、車両の挙動を検出するセンサであり、また、衝突、特に側面衝突(以下、単に側突ともいう)に関連する物理量を検出して検出値を出力するセンサでもある。挙動センサ27の一例には、Gセンサ及びヨーレートセンサが挙げられる。図2には、挙動センサ27の一例として、車両の中央に設けられた前後G及び左右Gを検出可能なGセンサが示されている。
接触センサ28は、車両用バンパに設けられて対象物の衝突などによって発生する圧力に関係した物理量を検出する検出器である。接触センサ28は、圧力チャンバ又は圧力チューブ等を車両用バンパの所定位置に設けて圧力チャンバ又は圧力チューブ内の圧力を検出する。図2には、前方の車両用バンパに設けられた接触センサ28F及び後方の車両用バンパに設けられた接触センサ28Bが一例として示されている。
プリクラッシュセンサ30は、車両に衝突する可能性を有する車両周囲の対象物を検出する予防センサとして機能する非接触の検出器である。プリクラッシュセンサ30は、車両周囲として車両の前後左右の各々の方向について対象物を検出する。プリクラッシュセンサ30の一例として、前後左右の各方向を撮像して対象物を検出する車載カメラ及び車両前後左右の各方向を走査して対象物を検出する車載レーダが挙げられる。図2には、自車両の前方を検出するプリクラッシュセンサ30F、後方を検出するプリクラッシュセンサ30B、右方を検出するプリクラッシュセンサ30R、及び左方を検出するプリクラッシュセンサ30Lを設けた一例が示されている。
予知センサ32は、車両の後方に設けられて自車両の斜め後方から対象物が接近することを検出する検出器である。予知センサ32の一例として、左右の自車両の斜め後方の各方向を撮像して対象物を検出する車載カメラが挙げられる。また、予知センサ32の他例として、左右の自車両の斜め後方の各方向を走査して対象物を検出する車載レーダが挙げられる。図2には、自車両の右斜め後方を検出する予知センサ32BR、及び左斜め後方を検出する予知センサ32BLを設けた一例が示されている。
なお、上記では、プリクラッシュセンサ30及び予知センサ32を別個に設けて、プリクラッシュセンサ30が車両の前後左右の各方向の対象物を検出し、予知センサ32が車両の左右の斜め後方の各方向の対象物を検出する場合の一例である。プリクラッシュセンサ30が、車両の左右の斜め後方からの対象物を検出可能な場合には、プリクラッシュセンサ30で、予知センサ32を兼用することもできる。また、プリクラッシュセンサ30により車両の左右の斜め後方からの対象物を検出可能な場合には、その車両の左右の斜め後方からの対象物を検出する部分を、予知センサ32としてもよい。
図3に、本実施形態に係るアクティブデバイス34の一例を示す。アクティブデバイス34は、自車両に対象物が衝突した場合に自車両の乗員を保護するための保護装置を作動するためのディバイスである。
なお、図中の矢印UPは車両用シート上方を示し、矢印RHは車両用シート右方(自車両の右方)を示している。また、以下の説明では、車両右側の座席に設けた車両用シートに着座した乗員を保護するためのアクティブデバイス34に関する実施形態について説明するが、車両左側の座席に着座した乗員を保護するためのアクティブデバイス34に適用してもよい。この場合、アクティブデバイス34は、車両右側の座席に適用した場合に対して左右対称に配置される。さらに、車両の後部座席に着座した乗員を保護するためのアクティブデバイス34に適用してもよい。
図3に示すように、車両用シート50は、乗員Pが着座するシートクッション52と、乗員Pの背中を支持するシートバック54とを含んで構成されている。また、シートバック54の上端部には、乗員Pの頭部を支持するヘッドレスト56が設けられている。
シートクッション52には、アクティブデバイス34に含まれるシートベルト装置(PSB)36を構成するバックル58が取り付けられている。バックル58は、ウェビング(シートベルト)60が挿通されたタング59が係合及び係合解除可能に構成されている。
ウェビング60は、乗員Pを車両用シート50に拘束するための長尺帯状のベルトであり、ウェビング60の一端部は、車両用シート50よりも車両右側の下部に設けられたリトラクタ62を構成するスプール64に巻き掛けられている。また、ウェビング60は、リトラクタ62から車両用シート上方へ延びており、乗員Pの肩よりも車両用シート上方に配置されたショルダーアンカー66に掛けられている。さらに、ウェビング60は、ショルダーアンカー66からバックル58へ向かって車両用シート左側且つ下方側へ斜めに延びている。そして、ウェビング60の他端部がバックル58に係合されたタング59を挿通されて車両用シート右側へ折り返されており、シートクッション52の斜め下方に配置されたアンカー68に固定される。
リトラクタ62は、車両用シート右側に配置されており、ウェビング60の一端部が巻き掛けられたスプール64を備えている。スプール64は、リトラクタ62の内部に設けられており、ウェビング60の巻取方向及び引出方向に回転可能となるように配置されている。また、スプール64には、図示しないモータが接続されており、このモータを駆動させることで、スプール64が巻取方向に回転してウェビング60を巻き取る。一方、モータに電圧が印加されていない無負荷状態でウェビング60を引っ張ることで、スプール64が引出方向に回転してウェビング60が引き出される。
また、リトラクタ62には、スプール64の引出方向への回転をロックする図示しないロック機構が設けられている。ロック機構は、従来周知の構造であり、車両の急ブレーキ時等にスプール64の回転をロックさせることができる。なお、ロック機構は、スプール64の巻取方向への回転をロックしない構造になっており、スプール64を巻取方向へ回転させることによって、ロック機構によるスプール64のロック状態が解除されるように構成される。
また、リトラクタ62には、図示しないプリテンショナが設けられている。プリテンショナは、従来周知の構造であり、このプリテンショナが作動されることによってスプール64が強制的にウェビング60の巻取方向へ回転されるように構成されている。
また、図3に示すように、アクティブデバイス34に含まれるカーテンエアバッグ装置(CSA)40は、車両のルーフサイドレール70に沿って設けられている。カーテンエアバッグ装置40はカーテンエアバッグ袋体72を備えており、カーテンエアバッグ袋体72は、通常使用時にはルーフサイドレール70の長手方向に沿って折畳み収納されている。
カーテンエアバッグ袋体72の近傍には、該カーテンエアバッグ袋体72へ展開用のガスを供給するための図示しないインフレータが設けられており、図示しないインフレータは、ECU12からの点火信号により作動するように構成されている。
カーテンエアバッグ装置40は、図示しないインフレータの作動により、ルーフサイドレール70に折畳まれた状態で収納されたカーテンエアバッグ袋体72を、車体側部に沿って車両下方にカーテン状に展開させ、車両用シート50に着座した乗員Pの主として頭部を保護する。
さらに、図3に示すように、アクティブデバイス34に含まれるニアサイドエアバッグ装置42は、車両用シート50の車幅方向外側サイド部、例えばシートバック54のドア側サイド部におけるシートバックパッド74内に設けられている。ニアサイドエアバッグ装置42はニアサイドエアバッグ袋体76を備えており、ニアサイドエアバッグ袋体76は、通常使用時には折畳み収納されている。
ニアサイドエアバッグ袋体76の近傍には、該ニアサイドエアバッグ袋体76へ展開用のガスを供給するための図示しないインフレータが設けられており、図示しないインフレータは、ECU12からの点火信号により作動するように構成されている。
ニアサイドエアバッグ装置42は、側突時等に図示しないインフレータを作動させ、折畳まれた状態で収納されたニアサイドエアバッグ袋体76を、車両用ドア側へ展開させ、車両用シート50に着座した乗員Pの主として胸部や腰部を保護する。
さらにまた、図3に示すように、アクティブデバイス34に含まれるファーサイドエアバッグ装置44は、車両用シート50のシートバック54における車両幅方向内側の側部78に設けられている。ファーサイドエアバッグ装置44はファーサイドエアバッグ袋体80を備えており、ファーサイドエアバッグ袋体80は、通常使用時には折畳み収納されている。
ファーサイドエアバッグ袋体80の近傍には、該ファーサイドエアバッグ袋体80へ展開用のガスを供給するための図示しないインフレータが設けられており、図示しないインフレータは、ECU12からの点火信号により作動するように構成されている。
ファーサイドエアバッグ装置44は、側突時等に図示しないインフレータを作動させ、折畳まれた状態で収納されたファーサイドエアバッグ袋体80を、乗員Pの車両幅方向内側へ展開させる。ファーサイドエアバッグ袋体80は、乗員Pの頭部、肩部、胸部、腹部及び腰部を拘束可能な大きさに形成されており、ファーサイドエアバッグ袋体80の展開により、車両用シート50に着座した乗員Pの頭部、肩部、胸部、腹部及び腰部を保護する。
また、図3に示すように、アクティブデバイス34に含まれるフロントエアバッグ装置39Fは、乗員の前方で膨張するフロントエアバッグ袋体を備えており、ヘッドレストエアバッグ装置39Hは、ヘッドレスト56に収納されたヘッドレストエアバッグ袋体の膨張により乗員の後頭部及び首回りを保護するようになっている。
ところで、他車両が自車両に衝突する可能性は、プリクラッシュセンサ30により検出することができる。つまり、プリクラッシュセンサ30は、自車両の前後左右の各々の方向について対象物を検出する。しかし、自車両の後方を走行する他車両が自車両に衝突する可能性は、自車両に追従走行する他車両が自車両に衝突する後突に限らない。例えば、斜め後方から接近する他車両が自車両に衝突する場合が考えられる。斜め後方から接近する他車両の検出は、プリクラッシュセンサ30Bによる自車両の後方検出では不十分であり、斜め後方から接近する他車両が自車両に衝突する可能性を検出できずに衝突に至る場合がある。
そこで、本実施形態では、ECU12が、自車両に他車両が斜め後ろから接近して衝突する可能性を予測し、乗員保護のためのアクティブデバイス34を作動させる。つまり、予知センサ32BR,32BLにより自車両に斜め後ろから接近する他車両を検出することで、斜め後方から接近する他車両が自車両に衝突する可能性を予測する。斜め後方から接近する他車両が自車両に衝突する可能性があることが予測された際には、アクティブデバイス34を作動準備状態に移行させる。また、予知センサ32からの信号に基づいて自車両の斜め後方からの他車両の衝突が不可避であることを予測する。自車両の斜め後方からの他車両の衝突が不可避であることの予測の一例には、自車両と斜め後方の他車両との距離が所定距離以下になることが挙げられる。また、衝突が不可避であることの予測では上記所定距離以下になることに加えて、自車両と他車両との相対速度が自車両と他車両とが衝突する可能性が高い予め定めた相対速度を超える場合を条件として追加してもよい。そして、自車両の斜め後方からの他車両の衝突が不可避であることが予測された際には、アクティブデバイス34を作動させる。本実施形態では、衝突が不可避であることが予測された際にはアクティブデバイス34の一例として、シートベルト装置36を作動させる。つまり、シートベルト装置36は、モータによってスプール64が強制的にウェビング60の巻取方向へ回転されるように作動されることで、乗員Pに対するウェビング60の緩みを排除して乗員Pへの拘束力を高める。これにより、乗員保護性能が向上される。
また、本実施形態では、挙動センサ27の一例であるGセンサにより車両の挙動を検出する(図2参照)。挙動センサ27は、ECU12に電気的に接続され、車両の姿勢又は車両の移動及び方向等の車両の挙動変化に応じた信号がECU12へ出力する。従って、ECU12は、挙動センサ27からの車両の挙動変化に応じた信号により特定される車両の挙動を示す物理量が予め定めた閾値を超えた場合に、自車両への対象物の衝突を検出することができる。
自車両に対象物が衝突した際に、自車両の挙動を示す物理量(Gセンサ等の挙動センサ27の出力値)は対象物の衝突方向によって相違する場合がある。例えば、自車両に後続追従する他車両が後突した場合又は自車両に他車両が側突した場合には、比較的大きい物理量が現れる。そこで、自車両に後続追従する他車両が後突した場合又は自車両に他車両が側突した場合における挙動センサ27の出力値を予め求めておき、対象物への衝突を検出するための閾値として第1閾値th1を設定する。これにより、挙動センサ27の出力値が第1閾値th1を超えた場合に、他車両の自車両への衝突を検出することができる。
一方、自車両に後続の他車両が斜め後ろから衝突した場合、他車両が後突した場合又は側突した場合の物理量に比べて小さくなると考えられる。
図4に、自車両に後続の他車両が斜め後ろから衝突した場合における自車両の挙動を示す物理量として挙動センサ27の出力特性の一例を特性曲線Sとして示す。自車両に他車両が斜め後ろから衝突した場合、挙動センサ27の出力値Sは、予め設定した第1閾値th1に到達しない。
そこで、本実施形態では、自車両に後続の他車両が斜め後ろから衝突した場合における挙動センサ27の出力値について予め求めておき、対象物への衝突を検出するための閾値として第1閾値th1より小さい第2閾値th2を設定する。これにより、挙動センサ27の出力値Sが第2閾値th2を超えた場合に、自車両に対して後続の他車両の斜め後ろからの衝突を検出することができる。しかし、常時、対象物への衝突を検出するための閾値として第2閾値th2を設定したのでは、斜め後ろから衝突した他車両以外の衝突が検出される場合がある。このため、本実施形態では、予知センサ32により斜め後ろからの衝突が予知される。つまり、予知センサ32により、斜め後ろから自車両に衝突する可能性を有する斜め後方の対象物が検出される(時間t1)。そして、斜め後ろから自車両に衝突する可能性を有する斜め後方の対象物が検出された場合に(時間t1のタイミングで)、車両への対象物の衝突判定のための閾値を、通常検出用の第1閾値th1から斜め後方衝突検出用の第2閾値th2へ変更する。これにより、自車両に後続の他車両が斜め後ろから衝突したことを検出することができる(時間tx)。
また、ECU12は、衝突判定のための第2閾値th2を、予め定めた所定時間T1(t1〜t2)の間、維持することができる。ECU12は、所定時間T1の間、車両への対象物の衝突判定のための閾値を、第1閾値th1から第2閾値th2へ変更する。所定時間だけ閾値を変更することは、斜め後方から自車両に衝突する可能性を有する他車両の特定後に、車両用バンパへの衝突に挙動センサ27の出力値による不必要な衝突検出を抑制するためである。
衝突判定のための第2閾値th2を維持することは、所定時間T1に代えて自車両と他車両との距離に基づき定めることができる。つまり、予知センサ32により検出される自車両と他車両との距離が、予め定めた距離を超えた距離だけ離れた場合に、車両への対象物の衝突判定のための閾値を、第1閾値th1から、より小さい第2閾値th2へ変更する。
なお、挙動センサ27として車両の中央に設けた一例を示したが、車両の中央にのみ挙動センサ27を設けることに限定されず、複数設けてもよい。例えば、車両の前後左右に1つ以上設けてもよい。
本実施の形態では、予知センサ32が本発明の後方検出部の一例であり、挙動センサ27が本発明の物理量検出部の一例である。また、ECU12が本発明の信号出力部、及び制御部の一例である。さらに、シートベルト装置36が本発明のシートベルト装置の一例であり、リトラクタ62及びスプール64がウェビングの巻取りにより乗員に対する拘束力を高める機構の一例である。また、エアバッグ装置38が本発明のエアバッグ装置の一例である。
次に、本実施の形態に係る車両用乗員保護装置10における処理の一例について説明する。図5に、本実施の形態に係る車両用乗員保護装置10のECU12で実行される処理の流れの一例を示す。なお、本実施の形態では、図5に示す処理の流れの一例を具現化した、ROM16に予め記憶されたプログラムを、ECU12が実行する。図5の処理は、図示しないイグニッションスイッチがオンされた場合に開始される。
まず、イグニッションスイッチがオンされると、ステップ100において初期設定が実行される。次のステップ102では、イグニッションスイッチがオンされているか否かが判断され、肯定判断された場合にはステップ104へ処理が移行され、否定判断された場合には本処理ルーチンが終了される。ステップ100の初期設定では、車両への対象物の衝突判定のための閾値THとして、通常状態の第1閾値th1が設定される。すなわち、第1閾値th1がROM16から読み出され、挙動センサ27の出力値による対象物の衝突を判定するための閾値THとして設定される。
ステップ104では、予知センサ32により自車両の斜め後方の対象物が検出され、検出結果に基づき自車両の斜め後方の対象物が自車両への衝突の可能性を判定する。つまり、ECU12が、車載カメラや車載レーダ等の予知センサ32のセンサ出力値から自車両の斜め後方の対象物を検出する。以下の説明では、対象物として他車両が検出された場合を説明する。ECU12は、予知センサ32のセンサ出力値が、自車両に他車両が接近する状態を示すセンサ出力値である場合に、自車両の斜め後方の他車両が自車両への衝突の可能性有りと判定する。なお、ステップ104の判定は、自車両に他車両が接近する状態を示すセンサ出力値に限定されず、自車両の斜め後方の他車両が検出された場合に、斜め後方の他車両が自車両に衝突する可能性を有すると判定してもよい。
次のステップ106では、ステップ104の判定について自車両の斜め後方の他車両が自車両への衝突の可能性有りか否かが判断される。ステップ106で否定判断されるとステップ107Aに処理が移行され、肯定判断されるとステップ108へ処理が移行される。
ステップ107Aでは、衝突判定のための挙動センサ27の出力値が取得される。次のステップ107Bでは、衝突が発生したか否かが判断される。なお、ここでは説明を簡単にするために、挙動センサ27の出力値Sにより衝突判定を行い、衝突側のアクティブデバイス34を作動させる場合を説明する。つまりステップ107Bでは、挙動センサ27の出力値が閾値THを超えたか否か、ここでは第1閾値th1を超えたか否かが判別されることにより、自車両に他車両が衝突したか否かが判断される。ステップ107Bで否定判断された場合にはステップ102へ処理が戻され、肯定判断された場合にはステップ107Cへ処理が移行される。ステップ107Cでは、衝突側のアクティブデバイス34が作動され、本処理ルーチンが終了される。ステップ107Cで作動されるアクティブデバイス34の一例として、自車両の左右側部に設けられたカーテンエアバッグ装置40、各席に設けられたニアサイドエアバッグ装置42及びファーサイドエアバッグ装置44を採用する。つまり、ECU12は、衝突側のアクティブデバイス34に対して作動信号を出力する。例えば、自車両の右側方から他車両が衝突した場合、衝突側は右側であり、車両右側の座席に設けた車両用シート50(図3参照)では、右側のカーテンエアバッグ装置40及びニアサイドエアバッグ装置42のインフレータが作動される。このように、衝突側のアクティブデバイス34が作動されることで、車両右側の座席に設けた車両用シート50に着座した乗員が衝突時に保護される。
一方、斜め後方からの他車両が自車両に衝突する可能性が有る場合、ステップ108で、斜め後方の他車両の自車両への衝突にアクティブデバイス34を迅速に対応させるため、接近側のアクティブデバイス34が作動準備状態に移行される。本実施形態では、作動準備状態の一例として、アクティブデバイス34を作動させる他車両の衝突を判定するための閾値THを低く設定する状態を採用する。つまり、他車両の衝突を判定するための閾値THとして、自車両の斜め後方の他車両検出用の第2閾値th2が設定される。この設定は、第2閾値th2がROM16から読み出され、他車両の衝突を判定するための閾値THとして設定される。これにより、他車両の衝突を判定するための閾値THは、第1閾値th1から、小さい第2閾値th2へ変更される。
なお、ステップ108では、作動準備状態に移行させる場合、警報音による音声や注意情報を示す画像で乗員Pに注意喚起を行う処理を実行してもよい。また、ステップ108では、各席のシートベルト装置36についてモータによってスプール64を予備的にウェビング60の巻取方向へ回転され、弱いテンションが乗員Pに付与されるように作動させてもよい。また、運転席に着座した乗員Pに報知するために、運転席に着座した乗員Pのシートベルト装置36のみを作動させてもよい。
次のステップ110では、予知センサ32のセンサ出力値に基づいて自車両の斜め後方からの他車両(対象物)の衝突を予測して、自車両に対する他車両の衝突が不可避であることを判定する。つまり、自車両に他車両が継続的に接近して衝突する可能性が高い場合に衝突不可避であると判定する。この判定では、自車両と他車両との距離が予め定めた所定距離以下になった場合に衝突不可避であると判定することができる。具体的には、ECU12が、予知センサ32のセンサ出力値から自車両の斜め後方の他車両を検出する。そしてECU12は、予知センサ32のセンサ出力値が、継続的に他車両が接近しかつ自車両と他車両との距離が所定距離以下を示す場合に、衝突不可避と判定する。なお、ステップ110の判定は、自車両に対象物が継続的に接近する状態を示すセンサ出力値に限定されず、自車両と他車両との距離が所定距離以下を示す場合に、衝突不可避と判定してもよい。また、衝突不可避の判定は、自車両と他車両との相対速度を条件として用いてもよい。
次のステップ112では、ステップ110の判定について斜め後方の他車両と自車両とが衝突不可避か否かが判断される。ステップ110の衝突不可避の判定によりステップ112で肯定判断されるとステップ116へ処理が移行される。一方、ステップ112で否定判断されるとステップ114で、作動準備状態に移行されたアクティブデバイス34が通常状態に戻されて、ステップ102へ処理が戻される。このステップ114では、他車両の衝突を判定するための閾値THとして、第2閾値th2から第1閾値th1に設定が変更される。なお、ステップ110及び112の処理では、タイマ24を参照して所定時間T1(図4参照)の間、ステップ112の否定判断でステップ110へ処理を戻し衝突不可避の判定を実行してもよい。
ステップ116では、アクティブデバイス34が作動される。本実施形態では、ステップ116で作動されるアクティブデバイス34の一例として、自車両の各席に設けられたシートベルト装置36を採用する。従って、ステップ116では、各席のシートベルト装置36についてモータによってスプール64を強制的にウェビング60の巻取方向へ回転され、強いテンションで乗員Pが拘束されるように作動させる。これによって、乗員Pへの拘束力が高まり、乗員保護性能が向上される。
次のステップ118では、挙動センサ27の出力値に基づいて自車両と斜め後方からの他車両との衝突を判定する。つまり、ECU12が、挙動センサ27の出力値Sを読み取ることにより、車両の挙動を示す情報を取得する。
なお、ステップ118では、自車両に対する斜め後方からの他車両の衝突について、衝突側の判定も実行する。つまり、ステップ110における衝突不可避判定による予知センサ32のセンサ出力値から、衝突側を判定する。具体的には、衝突不可避判定で支配的に用いたセンサ出力値が予知センサ32BR及び予知センサ32BLのうちの何れであるかを判定することで、衝突側が自車両の右斜め後方又は左斜め後方であるのかが判定される。なお、衝突側の判定は、自車両に対して衝突する他車両の衝突側が判別できればよく、予知センサ32のセンサ出力値を用いることに限定されず、Gセンサ等で方向が判別可能な場合の出力値、接触センサ28のセンサ出力値、及びプリクラッシュセンサ30のセンサ出力値の何れを用いてもよい。
次に、ステップ120では、ステップ118の判定結果から、衝突が発生したか否かが判断される。つまり、ステップ120では、挙動センサ27の出力値Sが閾値THを超えたか否か、つまり斜め後方衝突用の第2閾値th2を超えたか否かが判別されることにより、自車両に他車両が斜め後方から衝突したか否かが判断される。ステップ120で否定判断された場合、ステップ122で、作動されたアクティブデバイス34が通常状態に戻されて、ステップ102へ処理が戻される。このステップ122では、各席のシートベルト装置36で強制的にウェビング60が巻き取られて乗員Pへの拘束力が高められた状態が解除される。また、ステップ122では、閾値THが第2閾値th2から第1閾値th1に戻される。なお、ステップ118及び120の処理では、タイマ24を参照して所定時間T1(図4参照)の間、ステップ120の否定判断でステップ118へ処理を戻し衝突判定を実行してもよい。
一方、ステップ120で肯定判断された場合、ステップ124で、衝突側のアクティブデバイス34の作動指示が行われる。本実施形態では、ステップ124で作動されるアクティブデバイス34の一例として、自車両の各席に設けられたカーテンエアバッグ装置40、ニアサイドエアバッグ装置42及びファーサイドエアバッグ装置44を採用する。つまり、ECU12は、衝突側のアクティブデバイス34に対して作動する指示を示す作動信号を出力する。例えば、自車両の右斜め後方から他車両が衝突した場合、衝突側は右側であり、車両右側の座席に設けた車両用シート50(図3参照)では、カーテンエアバッグ装置40及びニアサイドエアバッグ装置42のインフレータが作動される。このように、衝突側のアクティブデバイス34が作動されることで、車両右側の座席に設けた車両用シート50に着座した乗員が衝突時に保護される。
なお、上記では、直線的な車両の移動を想定して挙動センサ27の出力値Sにより衝突が発生したか否かを判断したが、直線的な車両の移動のみによる衝突判断に限定されるものではない。例えば、自車両が予め定めた回転角度を超えて回転した場合に、衝突が発生したと判断してもよい。つまり、自車両の斜め後方から他車両が衝突した場合、自車両の走行方向と衝突方向との相違から、自車両が回転状態になる場合がある。つまり、Gセンサやヨーレイトセンサ等の挙動センサ27の出力値Sにより自車両の回転を検出して自車両が回転状態になった場合に、衝突が発生したと判断してもよい。
次に、ステップ126では、二次衝突の危険性を予測する予測処理が実行される。この予測処理は、斜め後方からの衝突後に自車両が移動する方向に存在する前方車両やガードレール等の対象物への自車両の二次的な衝突を予測する処理である。この予測処理は、従来周知の衝突予測処理と同様であり、例えば、プリクラッシュセンサ30を用いて実行することができる。プリクラッシュセンサ30を用いる場合の一例に、自車両周囲の対象物を検出し、検出された対象物が自車両に接近して衝突する危険性を判定する予測処理(予測アルゴリズム)がある。予測処理では、二次衝突について二次衝突側も判定する。
本実施の形態では、ステップ126で実行される二次衝突の危険性を予測する処理が本発明の二次衝突予測部において二次衝突を予測することの一例である。
次にステップ128では、ステップ126の判定結果に基づいて、二次衝突の危険性があるか否かが判断され、否定判断された場合にはそのまま本処理ルーチンが終了される。一方、ステップ128で肯定判断された場合には、ステップ130において反衝突側のアクティブデバイス34の作動指示が行われて本処理ルーチンが終了される。つまり、衝突判定後に作動されたアクティブデバイス34以外の作動されていないアクティブデバイス34が作動される。このステップ130では、ステップ126で判定された二次衝突側が、自車両に対して他車両が斜め後方から衝突した衝突側と反対側の場合、二次衝突側を反衝突側とし、その反衝突側のアクティブデバイス34の作動指示がさらに実行される。例えば、自車両の右斜め後方から他車両が衝突し、右側が衝突側の場合に、自車両の左側の対象物への二次衝突の危険性があるとき、車両右側の座席に設けた車両用シート50(図3)では、反衝突側として、ファーサイドエアバッグ装置44のインフレータが作動される。このように、反衝突側のアクティブデバイス34が作動されることで、二次衝突時に乗員Pを保護することができる。
なお、本実施形態では、二次衝突の危険性を予測して二次衝突の危険性が高い場合に反衝突側のアクティブデバイス34を作動させた一例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、二次衝突の危険性を予測することなく、衝突側のアクティブデバイス34の作動と同時に反衝突側のアクティブデバイス34や、作動していない他のアクティブデバイス34を作動させてもよい。また、衝突側のアクティブデバイス34が作動され所定時間後に反衝突側のアクティブデバイス34や、作動していない他のアクティブデバイス34を作動させてもよい。
図6に、自車両に対する他車両の走行状態の一例として、自車両が直進して走行している場合に、自車両の右斜め後方から他車両が接近する場合を示す。図6に示すように、自車両90に他車両92が右斜め後方から接近する他車両の走行状態は、予知センサ32BRにより検出される。右斜め後方からの他車両92の接近が検出されると、自車両90の各席のシートベルト装置36で強制的にウェビング60が巻き取られて、乗員Pへの拘束力が高まり、乗員保護性能が向上される。また、他車両92の衝突が発生した場合、カーテンエアバッグ装置40、ニアサイドエアバッグ装置42及びファーサイドエアバッグ装置44のうちの衝突側のアクティブデバイス34が作動され、車両用シート50に着座した乗員Pが保護される。また、二次衝突の危険性が高い場合には反衝突側のアクティブデバイス34が作動されて、二次衝突時にも乗員Pが保護される。
図7に、自車両に対する他車両の走行状態のその他の一例として、自車両に他車両が追従走行しているときに、曲線路に進入した場合を示す。図7に示すように、自車両90が曲線路を走行している場合に、後続走行する他車両92は自車両90の右斜め後方から接近する走行状態になる。つまり、自車両90が曲線路を走行している場合、自車両90の走行方向と他車両92の走行方向とは相違する。これによって、自車両90に他車両92が追従走行している場合であっても、他車両92は自車両90の右斜め後方から接近する走行状態になることがあり、自車両90に対して他車両92が接近する走行状態を十分に検出できない場合がある。しかし、本実施形態では、予知センサ32BRにより斜め後方からの他車両92の接近が検出され、自車両90の各席のシートベルト装置36で強制的にウェビング60が巻き取られる。これにより、乗員Pへの拘束力が高まり、乗員保護性能が向上される。また、他車両92の衝突が発生した場合、衝突側のアクティブデバイス34が作動され、乗員Pを保護することができ、さらに二次衝突の危険性が高い場合にも反衝突側のアクティブデバイス34が作動されて二次衝突時にも乗員Pを保護することができる。
以上説明したように、本実施形態では、自車両に対して他車両が斜め後方から接近することが検出された場合にシートベルト装置36で強制的にウェビング60を巻き取っている。このようにウェビング60を巻き取ることで、乗員Pに対するウェビング60の緩みを排除して乗員Pへの拘束力を高めることができる。これにより、ウェビング60が緩んだ状態である場合に比べて乗員保護性能を向上させることができる。また、ウェビング60を巻き取り乗員Pへの拘束力を高めることにより、乗員Pに対して他車両が接近することを報知することができる。
また、本実施の形態では、自車両に対して他車両が斜め後方から接近することが検出された場合に、自車両と他車両との衝突検出のための閾値を通常状態の第1閾値th1から、より小さい斜め後方衝突検出用の第2閾値th2へ変更する。これにより、斜め後方からの衝突のように車両の挙動を示す物理量が小さい場合であっても、自車両と他車両(対象物)との衝突を判定することができる。
さらに、本実施の形態では、車間距離が所定距離内の場合や所定時間の間だけ、第1閾値から、より小さい第2閾値に変更する。これにより、通常状態の衝突を検出できると共に、斜め後方からの衝突を検出でき、衝突検出性能を向上させることができる。また、対象物の衝突を判定するための閾値を所定時間だけ変更するのみの簡単な構成で、斜め後方からの衝突を判定することができる。また、所定距離を超えた車間距離の場合や所定時間経過後には、第2閾値th2から第1閾値th1へ閾値THを戻すので、アクティブデバイス34の不要な作動を防止することができる。
さらにまた、本実施の形態では、車両の挙動を示す物理量による通常状態用に設定された閾値を小さい閾値に変更することで、自車両に対して他車両が斜め後方からの衝突を検出することができるので、従来周知の衝突検出装置を、斜め後方からの衝突を検出する装置として兼用することができる。
(第2実施形態)
次に第2実施形態を説明する。第2実施形態は、接触センサ28を用いて斜め後方からの衝突から乗員を保護する場合の一例である。第2実施形態は第1実施形態と同様の構成のため、同一部分には同一符号を付して詳細な説明を省略する。
ところで、車両の状態を検出するための検出器として機能する接触センサ28の一例である接触センサ28F、28Bは、例えば圧力チューブ等を車両用バンパの所定位置に設けて圧力チューブ等の内部の圧力を検出する(図2参照)。この場合、接触センサ28は、車幅方向両端に設けられた圧力センサに圧力チューブを接続して構成される。つまり、接触センサ28は、長尺状に形成された圧力チューブと、圧力チューブの圧力変化に応じた信号を出力する圧力センサと、を含んで構成される。圧力チューブの車幅方向両端に設けられた圧力センサは、ECU12に電気的に接続され、圧力チューブが変形することで、圧力チューブ内の圧力変化に応じた信号が圧力センサからECU12へ出力される。
従って、ECU12は、圧力センサからの信号により特定される車両用バンパの変形量が予め定めた閾値を超えた場合に、自車両への対象物の衝突を検出することができる。
車両用バンパに対象物が衝突した際に、車両用バンパの変形量は対象物の衝突方向によって相違する場合がある。例えば、車両用バンパに後続追従する他車両が後突した場合には、比較的大きく車両用バンパの変形が現れる。そこで、車両用バンパに後続追従する他車両が後突した場合における変形量により算出される有効質量について予め求めておき、対象物への衝突を検出するための閾値として第3閾値th3を設定する。これにより、車両用バンパの変形量により算出される有効質量が第3閾値th3を超えた場合に、後続追従する他車両の後突を検出することができる。
一方、自車両に後続の他車両が斜め後ろから衝突した場合、車両用バンパの一部に衝突し、後続追従する他車両が後突した場合の変形量(により算出される有効質量)に比べて小さな変形量(有効質量)になると考えられる。
図8に、自車両に後続の他車両が斜め後ろから衝突した場合における対象物の有効質量の特性の一例を特性曲線Mとして示す。自車両に他車両が斜め後ろから衝突した場合、車両用バンパの変形量(有効質量M)は、予め設定した第3閾値th3に到達しない。
そこで、本実施形態では、自車両に後続の他車両が斜め後ろから衝突した場合における有効質量について予め求めておき、対象物への衝突を検出するための閾値として第3閾値より小さい第4閾値th4を設定する。これにより、自車両に他車両が斜め後方から接近しかつ、有効質量Mが第4閾値th4を超えた場合に、自車両に対する後続の他車両の斜め後ろからの衝突を検出することができる。つまり、常時、対象物への衝突を検出するための閾値として第4閾値th4を設定したのでは、斜め後ろから衝突した他車両以外の衝突が検出される場合があるので、予知センサ32により斜め後ろからの衝突予知結果を用いる。具体的には、予知センサ32により斜め後ろから自車両に衝突する可能性を有する斜め後方の対象物が検出される(時間t3)。そして、斜め後ろから自車両に衝突する可能性を有する斜め後方の対象物が検出された場合に(時間t3のタイミングで)、車両への対象物の衝突判定のための閾値を、通常検出用の第3閾値th3から斜め後方衝突検出用の第4閾値th4へ変更する。これにより、自車両に後続の他車両が斜め後ろから衝突したことを検出することができる(時間ty)。
また、ECU12は、衝突判定のための第4閾値th4を、予め定めた所定時間T2(t3〜t4)の間、維持することができる。ECU12は、所定時間T2の間、車両への対象物の衝突判定のための閾値を、第3閾値th3から第4閾値th4へ変更する。所定時間だけ閾値を変更することは、斜め後方から自車両に衝突する可能性を有する他車両の特定後に、車両用バンパへの衝突に至らない変形量(有効質量)による不必要な衝突検出を抑制するためである。
衝突判定のための第4閾値th4を維持することは、所定時間T2に代えて自車両と他車両との距離に基づき定めることができる。つまり、予知センサ32により検出される自車両と他車両との距離が、予め定めた距離を超えた距離だけ離れた場合に、車両への対象物の衝突判定のための閾値を、第4閾値th4から第3閾値th3へ変更する。
なお、接触センサ28として圧力センサを圧力チューブの両端に設けた一例を示したが、圧力チューブの両端に圧力センサを設けることに限定されない。例えば、圧力センサは圧力チューブ46の何れか一方の端部に設けてもよく、また圧力チューブの中腹部に設けてもよく、さらにこれらを組み合わせて3つ以上設けてもよい。さらに、圧力チューブ及び圧力チューブにより構成される接触センサ28を、車両用バンパの上下方向に複数配設してもよい。
本実施の形態では、接触センサ28が本発明の変形検出部の一例であり、フロントエアバッグ装置39F及びヘッドレストエアバッグ装置39Hが本発明のデバイスの一例である。
次に、本実施の形態に係る車両用乗員保護装置10における処理の一例について説明する。図9に、本実施の形態に係る車両用乗員保護装置10のECU12で実行される処理の流れの一例を示す。なお、本実施の形態では、図9に示す処理の流れの一例を具現化した、ROM16に予め記憶されたプログラムを、ECU12が実行する。図9の処理は、図示しないイグニッションスイッチがオンされた場合に開始される。
まず、ステップ101で初期設定が実行され、次のステップ102では、イグニッションスイッチがオンされているか否かが判断される。ステップ101の初期設定では、対象物の衝突を判定するための変形量(有効質量)についての閾値THとして、通常状態の第1閾値th1が設定される。すなわち、第3閾値th3がROM16から読み出され、車両用バンパの変形量により算出される有効質量による対象物の衝突を判定するための閾値THとして設定される。
ステップ104では、予知センサ32により斜め後方から接近する他車両の自車両への衝突の可能性が判定され、ステップ106で、自車両の斜め後方の他車両が自車両への衝突の可能性有りか否かが判断される。
ステップ106で否定判断されると、ステップ107Dで、接触センサ28のセンサ出力値に基づいて自車両と斜め後方からの他車両との衝突を判定する。つまり、ステップ107Dでは、対象物としての他車両の有効質量が検出される。有効質量は、接触センサ28の検出結果及び車速センサ26の検出結果に基づいて検出される。具体的には、ECU12が、接触センサ28の出力値を読み取ることにより、車両用バンパの変形量を検出して、車両用バンパへの圧力を検出する。次に、ECU12は、接触センサ28によって検出された圧力を時間積分して力積を算出し、算出した力積[N/s]を車速センサ26によって検出された車速[km/h]で除算して単位変換するための値(例えば3.6)を積算することにより有効質量を検出する。
なお、ここでは説明を簡単にするために、接触センサ28のセンサ出力値により後突判定を行い、衝突側のアクティブデバイス34を作動させる場合を説明する。つまりステップ107Eでは、接触センサ28のセンサ出力値Mが閾値THを超えたか否か、ここでは第3閾値th3を超えたか否かが判別されることにより、自車両に他車両が後突したか否かが判断される。ステップ107Eで否定判断された場合にはステップ102へ処理が戻され、肯定判断された場合にはステップ107Fへ処理が移行される。ステップ107Fでは、衝突側のアクティブデバイス34が作動され、本処理ルーチンが終了される。ステップ107Fで作動されるアクティブデバイス34の一例として、ヘッドレストエアバッグ装置39Fを採用する。つまり、ECU12は、衝突側のアクティブデバイス34に対して作動する指示を示す作動信号を出力する。このように、衝突側のアクティブデバイス34が作動されることで、車両用シート50に着座した乗員の頭部が衝突時に保護される。
一方、斜め後方からの他車両が自車両に衝突する可能性が有る場合、ステップ109へ処理が移行される。ステップ109では、接近側のアクティブデバイス34が作動準備状態に移行される。本実施形態では、作動準備状態の一例として、斜め後方からの他車両の衝突を判定するための閾値THとして、第4閾値th4が設定される。これにより、他車両の衝突を判定するための閾値THは、第3閾値th3から、より小さい第4閾値th4へ変更される。
次のステップ110では、自車両に対する他車両の衝突が不可避であることが判定され、次のステップ112で、斜め後方の他車両と自車両とが衝突不可避か否かが判断される。ステップ112で否定判断されるとステップ114で、アクティブデバイス34が通常状態に戻されて、ステップ102へ処理が戻される。また、閾値THは、第4閾値th4から第3閾値th3へ戻される。一方、ステップ112で肯定判断されるとステップ116で、アクティブデバイス34が作動される。
次のステップ119では、接触センサ28のセンサ出力値に基づいて自車両と斜め後方からの他車両との衝突を判定する。つまり、ステップ119では、対象物としての他車両の有効質量が検出される。有効質量は、接触センサ28の検出結果及び車速センサ26の検出結果に基づいて検出される。なお、ステップ119では、図5に示すステップ118と同様に、自車両に対する斜め後方からの他車両の衝突について、衝突側の判定も実行する。
次に、ステップ121では、ステップ119の判定結果から、衝突が発生したか否かが判断される。つまり、ステップ121では、有効質量Mが閾値THを超えたか否か、すなわち有効質量Mが斜め後方衝突用の第4閾値th4を超えたか否かが判別されることにより、自車両に他車両が斜め後方から衝突したか否かが判断される。ステップ121で否定判断された場合、ステップ122で、作動されたアクティブデバイス34が通常状態に戻されて、ステップ102へ処理が戻される。
一方、ステップ121で肯定判断された場合、ステップ124で、衝突側のアクティブデバイス34の作動指示が行われる。
なお、本実施形態では、車両用バンパの変形量(有効質量)により衝突が発生したか否かを判断したが、車両用バンパの変形量(有効質量)のみによる衝突判断に限定されるものではない。例えば、車両用バンパの変形量(有効質量)は第4閾値th4に満たないが、自車両が予め定めた回転角度を超えて回転した場合に、衝突が発生したと判断してもよい。つまり、自車両の斜め後方から他車両が衝突した場合、自車両の走行方向と衝突方向との相違から、自車両が回転状態になる場合がある。そこで、挙動センサ27により自車両の回転を検出して自車両が回転状態になった場合に、衝突が発生したと判断してもよい。
次に、ステップ126では、二次衝突の危険性を予測する予測処理が実行され、次のステップ128で、二次衝突の危険性があるか否かが判断され、否定判断された場合にはそのまま本処理ルーチンが終了される。一方、ステップ128で肯定判断された場合には、ステップ130で反衝突側のアクティブデバイス34の作動指示が行われて本処理ルーチンが終了される。
以上説明したように、本実施形態では、自車両に対して他車両が斜め後方から接近することが検出された場合に、自車両と他車両との衝突検出のための閾値を通常状態の第3閾値th3から斜め後方衝突検出用の第4閾値th4へ変更する。これにより、斜め後方からの衝突のように車両用バンパの変形量(有効質量)が小さい場合であっても、自車両と他車両(対象物)との衝突を判定することができる。
また、本実施の形態では、有効質量による通常状態用に設定された閾値を小さい閾値に変更することで、自車両に対して他車両が斜め後方からの衝突を検出することができるので、従来周知の衝突検出装置を、斜め後方からの衝突を検出する装置として兼用することができる。
なお、本実施形態では、車両用バンパに圧力センサを設けて車両用バンパの変形量により算出される有効質量を検出する場合を説明したが、例えば、車両用バンパの変形量として圧力チャンバを車両用バンパに設けて圧力を検出してもよい。
上記各実施の形態では、図5及び図9に示す処理の流れを示すプログラムを実行することにより行われる処理を説明したが、プログラムの処理をハードウエアで実現してもよい。
なお、上記各実施形態では、アクティブデバイス34として、シートベルト装置36及びエアバッグ装置38を用いて自車両の乗員を保護する場合を説明したが、シートベルト装置36及びエアバッグ装置38を用いることに限定されるものではない。例えば、ドアトリム等の機構部の少なくとも一部を移動させることで自車両の乗員を保護するデバイスにも適用可能である。また、アクティブデバイス34として車両用シート50及びヘッドレスト56の少なくとも一方の形状を変更可能に構成して、形状の変更により自車両の乗員を保護するようにしてもよい。
また、上記各本実施形態では、アクティブデバイス34として、自車両の内部に設けられたアクティブデバイスを用いて自車両の乗員を保護する場合を説明したが、アクティブデバイスを自車両内部に設けることに限定されるものではない。例えば、自車両の外部に自車両に対する対象物の衝突を緩和するアクティブデバイスを設けて、衝突時に自車両の外部に設けたアクティブデバイスを作動させて、自車両に対する対象物の衝突を緩和することで自車両の乗員を保護するようにしてもよい。
さらに、上記各本実施形態では、車載カメラや車載レーダ等の予知センサ32のセンサ出力値から自車両の斜め後方の対象物を検出する場合を説明したが、予知センサ32を用いて対象物を検出することに限定されるものではない。例えば、自車両の周囲状況を検出しつつ自動運転を支援する自動運転支援装置を用いて、自車両の斜め後方の対象物を検出してもよい。
さらにまた、上記各実施形態では、他車両の衝突が不可避である斜め後方からの衝突の危険性がある場合に、自車両の乗員を保護するアクティブデバイス34を作動させる場合を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、自車両に対する対象物の衝突を回避又は抑制する装置を用いて、自車両の乗員を保護してもよい。具体的には、衝突が不可避である場合、衝突時に自車両が向かう方向を予測しかつ、予測方向に自車両が退避可能な退避領域の有無を検出し、退避領域が存在する場合に、自車両を退避領域へ誘導する誘導装置をアクティブデバイスとして用いることができる。また、他の具体的な例は、自車両の周囲状況を検出しつつ、自車両の車速を増減することで対象物の衝突を回避又は緩和することが可能な車速を予測し、予測した車速の走行状態に自車両を誘導する誘導装置をアクティブデバイスとして用いることができる。
また、上記各実施形態では、対象物として他車両を採用した場合を説明したが、自動車に限定されるものではなく、軽車両及び一輪車、二輪車又は三輪車でもよく、さらにそれ以上の車輪を備えた車両でもよい。
10 車両用乗員保護装置
12 ECU(信号出力部、制御部、二次衝突予測部)
27 挙動センサ(物理量検出部)
28 接触センサ
30 プリクラッシュセンサ
32 予知センサ(後方検出部)
34 アクティブデバイス
36 シートベルト装置(シートベルト装置)
38 エアバッグ装置(エアバッグ装置)
39F フロントエアバッグ装置(デバイス)
39H ヘッドレストエアバッグ装置(デバイス)
50 車両用シート
60 ウェビング
P 乗員
th1 閾値
th2 閾値
th3 閾値
th4 閾値

Claims (8)

  1. 自車両の斜め後方から接近する対象物を検出する後方検出部と、
    作動信号を出力する信号出力部と、
    前記後方検出部により前記対象物が検出された場合に、前記作動信号が入力された際にウェビングの巻取りにより乗員に対する拘束力を高める機構を備えたシートベルト装置と、
    を備えた車両用乗員保護装置。
  2. 前記後方検出部が検出する対象物は、前記斜め後方から接近し、かつ前記自車両との衝突が不可避である対象物である
    請求項1に記載の車両用乗員保護装置。
  3. 斜め後方からの衝突に関連する物理量を検出して検出値を出力する物理量検出部と、
    前記斜め後方からの衝突時に展開されて乗員を保護するエアバッグを備えたエアバッグ装置と、
    前記物理量検出部で検出された検出値が閾値を超えた場合に前記エアバッグ装置を作動させる制御を行う制御部であって、前記後方検出部により前記対象物が検出されない場合は、前記閾値として第1閾値を用い、前記対象物が検出された場合は、前記閾値として前記第1閾値より小さい第2閾値を用いる制御部と、
    を備えた請求項1又は請求項2に記載の車両用乗員保護装置。
  4. 前記エアバッグ装置は、複数のエアバッグ装置を含み、
    自車両と前記対象物とが衝突した後に前記対象物と異なる他の対象物への二次衝突を予測する二次衝突予測部をさらに備え、
    前記制御部は、前記検出値が前記閾値を超えた場合に前記複数のエアバッグ装置のうちの少なくとも1つのエアバッグ装置を作動させる制御を行い、かつ前記二次衝突予測部により二次衝突が予測された場合は予測された二次衝突から前記乗員を保護し、かつ作動させていないエアバッグ装置を作動させる制御を行う
    請求項3に記載の車両用乗員保護装置。
  5. 前記エアバッグ装置は、複数のエアバッグ装置を含み、
    前記制御部は、前記複数のエアバッグ装置のうちの少なくとも1つのエアバッグ装置を作動させる制御を行う場合に、同時又は所定時間経過後に、前記複数のエアバッグ装置のうちの少なくとも1つの作動させていないエアバッグ装置を作動させる制御をさらに行う
    請求項3に記載の車両用乗員保護装置。
  6. 前記複数のエアバッグ装置は、カーテンエアバッグ装置、ニアサイドエアバッグ装置及びファーサイドエアバッグ装置の少なくとも一つのエアバッグ装置を含む
    請求項4又は請求項5に記載の車両用乗員保護装置。
  7. 前記物理量検出部は、Gセンサ及びヨーレイトセンサの少なくとも一方のセンサを含む
    請求項3〜請求項6の何れか1項に記載の車両用乗員保護装置。
  8. 自車両の斜め後方から接近する対象物を検出し、
    前記対象物が検出された場合に、ウェビングの巻取りにより乗員に対する拘束力を高める機構を備えたシートベルト装置のウェビングを巻取って乗員に対する拘束力を高める
    車両用乗員保護方法。
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