JP4094918B2 - 車載用電子機器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は車載用電子機器に係り、特に放送波の受信に対する妨害を抑制した車載用電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
受信機は、電波伝搬状態により各種のノイズが混入し、良好な受信作用が阻害される。特に、車載用のFM受信機においては、車に搭載される電子機器の種類及び数の増大に伴い、搭載された電子機器が発する電磁波の影響を受ける可能性が増大した。また、前記受信機は、車両の走行に伴う受信電界の変動、あるいは建物などの反射等によるノイズを受けやすい。
【0003】
車両に搭載した電子機器等が発する電磁波(妨害波)による障害(EMI(Electro Magnetic Interference)に対しては、受信装置側においては、フィルタあるいはシールド等のノイズ抑制装置を取り付けることにより、また、車載の電子機器側においては、例えば前記電子機器に用いるCPUの選択、プリント基板のパターンの適正化、シールド等の対策部品を付加するなどによって、妨害波の放射を抑制する対策がとられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前述したように車載用の電子機器は様々な妨害波(不要電磁波)を発生する。特に、近年は、マイクロコンピュータを搭載した車載用電子機器が増大し、これに伴い前記マイクロコンピュータにクロックを供給する水晶発振子等が発生するノイズが前記FM受信機等の受信装置に妨害を与える機会が増大した。
【0005】
ところで、受信機を構成する増幅器などの回路に信号を加えた場合において、前記増幅器の入出力特性に非直線性があると出力に歪みが発生する。
【0006】
例えば、前記FM受信機等の放送波を受信する車載用の受信機には、希望する周波数の電磁波だけでなく、前記妨害波等の他の周波数の電磁波も同時に到来する。このため、アンテナ近傍の回路における増幅器には周波数の異なる複数の信号が同時に加わることになる。
【0007】
このように、増幅器に周波数の異なる2つの信号を同時に加えると、増幅器は加えられた前記2つの信号の各々の周波数成分に対する出力の外に、新たな周波数成分の信号を発生する。
【0008】
増幅器に2つの信号を加えた時の増幅器の応答特性は「2信号特性」と呼ばれ、次のように表される。
いま、tを時間としたとき、増幅器の入力をx(t)、出力をy(t)で表す。このとき、増幅器の入出力特性に非直線性があることを仮定すると、出力y(t)はtの多項式として式(1)のように近似できる。
【0009】
y(t)=ax(t)+bx(t)+cx(t) +・・・ (1)
次に、この増幅器に、式(2)で表す入力信号{x1(t)、x2(t)}を加える。式(2)は周波数の異なる(f1とf2)二つの正弦波を表している。このときの増幅器出力は、式(2)を式(1)に代入することで求めることができる。その結果が式(3)であり、式(3)を展開した結果が式(4)である。なお、この展開は係数が複雑になるので係数の詳細は省略している。
【0010】
x1(t)=Acos(2πf1t)
x2(t)=Bcos(2πf2t) (2)
y(t)=
a{Acos(2πf1t)+Bcos(2πf2t)}
+b{Acos(2πf1t)+Bcos(2πf2t)}
+c{Acos(2πf1t)+Bcos(2πf2t)}
+・・・ (3)
y(t)=
k0
+k1cos(2πf1t)+k2cos(2πf2t)
+k3cos{2π(2f1)t}+k4cos{2π(2f2)t}
+k5cos{2π(f1+f2)t}+k6cos{2π(f2−f1)t}
+k7cos{2π(3f1)t}+k8cos{2π(3f2)t}
+k9cos{2π(2f1−f2)t+k10cos{2π(2f2−f1)t
+k11cos{2π(2f1+f2)t+k12cos{2π(2f2+f1)t (4)
次に、式(4)の各項について説明する。
【0011】
第1項は、時間的に変化しない係数だけの項である。すなわち出力に直流が含まれることを意味する。
【0012】
第2項は、基本波の出力を表している。すなわち本来の出力であり、増幅器が完全に直線性を保っているとすれば、この項の係数だけが有限で、他はゼロになる。換言すると、この項以外の成分は全て増幅器の非直線性によって新たに発生した成分である。
【0013】
第3項は、2つの入力信号のそれぞれの2次高調波成分である。この高周波成分は増幅器に単独で信号を加えた場合にも発生する。
【0014】
第4項は、2つの入力信号の周波数の和と差の成分である。この成分を利用してヘテロダインの周波数変換回路を構成することができる。
【0015】
前記第3項と第4項の成分は式(1)の2次の係数部分によって発生する。したがって、2次高調波を取り出したり、周波数変換したい場合は、入出力の関係が2次関数で近似できる特性になるように回路定数を決定する。
【0016】
第5項は三次の高調波成分である。また、第6項と第7項は、一方の2次高調波と他方の周波数の和と差の成分であり、その意味では第4項と似ている。なお、これら第5,第6,第7項は3次の係数によって発生する成分である。
【0017】
一般に、増幅器等の回路の非直線によって生じる「mf1±nf2」(m、n=1,2,3・・・)の周波数成分を「相互変調積」と呼ぶ。
【0018】
いま、仮に2つの入力信号の周波数f1及びf2の差(f1−f2)を1kHzとすると前記第4項の後段の項の成分の周波数は1kHzとなり、例えばFM放送の聴取者には不快なノイズとして聞こえることになる。
【0019】
なお、前記式(4)においては係数の表記を省略したが、この係数の内、基本波成分(f1)を表す第2項は、一方の入力信号の振幅値Aと他方の入力信号Bの振幅値B(AB)を含んでいる。このことは、一方の信号の振幅が他方の信号の振幅に影響されることを意味し、他方の信号の振幅が変化すればそれに伴ってもう一方の信号の振幅も変化してしまうことを意味する。この現象は「混変調歪み」と呼ばれ、上記と同様に聴取者には不快なノイズとして聞こえることになる。
【0020】
車載の受信機を用いてFM放送等を受信する場合、走行中においてはエンジン音等にマスクされてノイズを聴取することができないとしても、車両を停止して受信している場合は、例えば前記相互変調に基づく歪みが不快なノイズとして聞こえることになる。
【0021】
前述したように、これらのノイズに対して、受信装置側においては、フィルタあるいはシールド等のノイズ抑制装置を取り付けることにより、また、車載の電子機器側においては、例えば前記電子機器に用いるCPUの選択、プリント基板のパターンの適正化、シールド等の対策部品の付加するなどによって、妨害波の放射を抑制する対策がとられている。
【0022】
しかしながら、前記妨害波の放射を抑制する対策は、その効果の予測性が低く、実車毎に実際に対策を施してみなければ最終判断することができない場合が多い。このため、設計、あるいは評価に要する期間が長期化し、製造コストも増加する。
【0023】
本発明はこれらの問題点に鑑みてなされたもので、相互変調などによる放送波の受信に対する妨害を効果的に抑制することのできる車載用電子機器を提供する。
【0024】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の課題を解決するために次のような手段を採用した。
【0025】
マイクロコンピュータおよび該マイクロコンピュータの動作周波数を決定する水晶発振子を備えた車載用電子機器において、車載受信機が受信する放送波の周波数と前記水晶発振子の発振周波数あるいは該発振周波数の高調波とが、一致するように前記水晶発振子の発振周波数を選定し、該水晶発振子の温度変化に伴う発振周波数、あるいはその高調波の変化する値を400Hz以下となるように該水晶発振子を設定し、前記放送波の受信に対する妨害を抑制した。
【0026】
このように、差周波数(f1−f2)が可聴周波数帯域以外となるように妨害波の周波数f2を設定するのでノイズを抑制することができる。また、このような妨害波の周波数を設定する方法であれば、設定による効果を高い確立で予測することができる。このため、実車を用いて行う試験は不要となり、設計、あるいは評価に要する期間を短縮することができ、効率的な開発を行うことができる。更にノイズの周波数(f1−f2)は、前述のように放送波の周波数f1と水晶振動子等から発生する妨害波の周波数f2の差であるから、予め予測することができる。また、ノイズの強度(振幅値)は、放送波の強度及び妨害波の強度から予測可能である。従って、このことを利用すると、特定の車両において、発生するノイズの周波数から妨害波の発生源を追跡したり、あるいは特定の妨害波の発生源の存在をもとに発生ノイズの周波数及び強度を特定したりすることができる。これにより、実車におけるノイズ抑制対策を更に効率的に実施することができる。
【0027】
また、マイクロコンピュータおよび該マイクロコンピュータの動作周波数を決定する水晶発振子を備えた車載用電子機器において、
前記水晶発振子の発振周波数あるいは発振周波数の高調波を車載受信機が受信するFM放送のメイン信号の帯域内に入るように選定し、前記FM放送波の受信に対する妨害を抑制した。
【0028】
このように、妨害波の周波数f2を車載受信機が受信するFM放送のメイン信号の領域内に入るように設定するのでノイズを抑制することができる。また、このような妨害波の周波数を設定する方法であれば、設定による効果を高い確立で予測することができる。このため、実車を用いて行う試験は不要となり、設計、あるいは評価に要する期間を短縮することができ、効率的な開発を行うことができる。更にノイズの周波数(f1−f2)は、前述のように放送波の周波数f1と水晶振動子等から発生する妨害波の周波数f2の差であるから、予め予測することができる。また、ノイズの強度(振幅値)は、放送波の強度及び妨害波の強度から予測可能である。従って、このことを利用すると、特定の車両において、発生するノイズの周波数から妨害波の発生源を追跡したり、あるいは特定の妨害波の発生源の存在をもとに発生ノイズの周波数及び強度を特定したりすることができる。これにより、実車におけるノイズ抑制対策を更に効率的に実施することができる。
【0029】
また、マイクロコンピュータおよび該マイクロコンピュータの動作周波数を決定する水晶発振子を備えた電子機器とを備えた車載用電子機器において、
車載受信機のFM放送受信周波数と前記水晶発振子の発振周波数あるいは該発振周波数の高調波との周波数差が、400Hz以下となるように前記水晶発振子の発振周波数を選定し、前記FM放送波の受信に対する妨害を抑制した。
【0030】
このように、差周波数(f1−f2)が可聴周波数帯域以外となるように妨害波の周波数f2を設定するのでノイズを抑制することができる。また、このような妨害波の周波数を設定する方法であれば、設定による効果を高い確立で予測することができる。このため、実車を用いて行う試験は不要となり、設計、あるいは評価に要する期間を短縮することができ、効率的な開発を行うことができる。
【0031】
更にノイズの周波数(f1−f2)は、前述のように放送波の周波数f1と水晶振動子等から発生する妨害波の周波数f2の差であるから、予め予測することができる。また、ノイズの強度(振幅値)は、放送波の強度及び妨害波の強度から予測可能である。従って、このことを利用すると、特定の車両において、発生するノイズの周波数から妨害波の発生源を追跡したり、あるいは特定の妨害波の発生源の存在をもとに発生ノイズの周波数及び強度を特定したりすることができる。これにより、実車におけるノイズ抑制対策を更に効率的に実施することができる。
【0032】
また、マイクロコンピュータおよび該マイクロコンピュータの動作周波数を決定する水晶発振子を備えた電子機器を備えた車載用電子機器において、
車載受信機の受信周波数と前記水晶発振子の発振周波数あるいは該発振周波数の高調波の周波数を一致するように選定し、前記放送波の受信に対する妨害を抑制した。
【0033】
このように、差周波数(f1−f2)が「0」となるように妨害波の周波数f2を設定するのでノイズを抑制することができる。また、このような妨害波の周波数を設定する方法であれば、設定による効果を高い確立で予測することができる。このため、実車を用いて行う試験は不要となり、設計、あるいは評価に要する期間を短縮することができ、効率的な開発を行うことができる。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施形態にかかる車載用電子機器を説明する図である。図において、1は車両、2は放送波、3は車両に取り付けたアンテナである。4はFM受信機等を構成する増幅器であり、この増幅器4は入出力特性に非直線性を有している。5は前記受信機のスピーカ、6は車載のプレーヤあるいは自動車ナビゲーションシステム等の車載用電子機器である。車載用電子機器6はマイクロコンピュータ等で構成され、該マイクロコンピュータは動作に必要なクロックを発生するための水晶振動子7を備える。
【0035】
いま、上記車両1に搭載した車載用電子機器を動作状態に設定し、この状態で前記FM受信機の電源を投入して、例えば所定の周波数f1の放送波の受信を開始する。このとき前記車載用電子機器6のマイクロコンピュータが備える水晶振動子は所定の周波数で発振し、この発振周波数あるいはその高調波である周波数f2の電磁波(妨害波)を放射する。
【0036】
前記周波数f1の放送波はアンテナ3を介してFM受信機を構成する前記増幅器4に入力する。一方、車載用電子機器6が発生する前記周波数f2の妨害波はアンテナ3を介して、あるいは直接前記増幅器4に入力する。
【0037】
すなわち、前記増幅器4には周波数の異なる2つの信号(周波数f1の放送波と、周波数f2の妨害波)が同時に加えられることになり、前述のように増幅器4は加えられた前記2つの信号の各々の周波数に対する出力の外に、新たな周波数の信号を発生する。ここで発生した新たな周波数の信号のうち、前記周波数f1及びf2とは大きくかけ離れた周波数の成分は回路に設けたフィルタ等で取り除くことができる。
【0038】
一方、前記新たに発生した信号の周波数が差周波数(f1−f2)が可聴域に入り、フィルタで簡単に除去できない場合が生じる。このような場合には、前記差周波数が可聴域外に移行するように前記周波数f2を設定するとよい。以下、この周波数f2の設定について説明する。なお、発明者らの実験によると、車載のFM受信機等から発生する微少ノイズを対象とした場合、人の可聴帯域は略400Hzないし15kHzである(この周波数帯域以外の周波数の音(ノイズ)は極めて聞き取りにくい)ことが判明した。
【0039】
図2は、通常の水晶振動子(ATカット)の周波数温度特性を示す図である。ATカット水晶振動子は、常温付近での温度変化に対する周波数変化が少ないため広く使用されている。図に示すように、通常の水晶振動子は、その温度変化範囲が−40℃〜+85℃の場合、周波数変化は100ppmないし5ppm程度である。
【0040】
図3は、水晶振動子7を用いた発振回路を説明する図であり、図3(a)は標準的な基本波発振回路を示す図、図3(b)は前記発振回路における水晶振動子7の負荷容量特性を示す図である。
【0041】
図3(b)に示すように、可変トリマコンデンサCvの容量を調整することにより負荷容量Clを調整することができ、これにより発振周波数を調整することができる。このため、水晶振動子の製作誤差、発振回路を構成する素子のばらつき等に係わらず発振周波数を所定値に調整することができる。
【0042】
しかしながら、例えば、妨害波となる水晶振動子の発信周波数(発振周波数の高調波を含む)が80MHzの水晶振動子の場合、温度変化に伴い発振周波数が100ppm変動すると、妨害波の周波数は8kHz変動することになる。従ってこの場合、前記発振周波数を放送波の周波数f1に一致させておいたとしても、前記温度変化に伴い、前記差周波数(f1−f2)は可聴帯域に入ることになる。すなわちノイズが聴取されることになる。
【0043】
従って、温度変化に係わらず前記ノイズが聴取されないためには、温度変化に伴う発振周波数変化は5ppm以下でなければならないことになる。この場合、前記差周波数(f1−f2)は400Hz以下となり、前記可聴帯域には入らないことになる。なお、温度変化に伴う発振周波数変化が5ppm以下の水晶振動子を市場で得ることは容易である。
【0044】
また、前記差周波数(f1−f2)を400Hz以下に設定する手法に代えて、前記差周波数(f1−f2)を15kHz以上に設定することもできる。この場合は、前記発振周波数を受信周波数f1から離すのみでよい。
【0045】
図4は、FM放送波の周波数f1と妨害波の周波数f2の関係を示す図である。図に示すようにFM放送周波数f1は、FMキャリア信号f0、パイロット信号fp1,パイロット信号の第2高調波信号fp2,パイロット信号の第3高調波信号fp3・・・からなり、これらの信号と妨害波の周波数f2との差周波数がノイズの周波数となる。なお、通常のFM放送のFMキャリア信号f0とパイロット信号fp1との間の周波数差は図に示すように19kHzであり、各パイロット信号の高調波(fp2、fp3)間の周波数差は19kHzである。
【0046】
図4(a)は、妨害波の周波数f2を、FMキャリア信号f0との周波数差が50kHz(信号センタ間のずれ50kHz)となるように供給した例を示す。この場合は妨害波周波数f2とパイロット信号の高調波fp2間の周波数差は12kHz、妨害波周波数f2とパイロット信号fp3間の周波数差は7kHzとなる(図に12/7で示す)。
【0047】
図4(b)は、妨害波の周波数f2を、FMキャリア信号f0との周波数差が40kHz(信号センタ間のずれ40kHz)となるように供給した例を示す。この場合は妨害波の周波数f2とパイロット信号の高調波fp2間の周波数差は2kHz、妨害波f2とパイロット信号の高調波fp3間の周波数差は17kHzとなる(図に2/17で示す)。
【0048】
以下同様に信号センタ間のずれを30kHz、20kHz、10kHz、0kHzとした例を、図4(c),(d),(e),(f)に示す。
【0049】
このように、FM放送波の周波数f1と妨害波の周波数f2の周波数差に基づく種々の周波数成分を持つノイズが生成することになる。従って、例えば図4(f)に示すように、これらの周波数成分が可聴周波数帯域外になるように前記妨害波の周波数f2を設定しなければならない。なお、前記FM放送波の周波数f1は、各地方毎に既知であるので、前記ノイズの周波数成分が可聴周波数帯域外になるように前記妨害波の周波数f2を設定することは容易である。
【0050】
なお、図4(f)に示すように、前記差周波数(f1−f2)を「0」に設定する場合は、差周波数(f1−f2)に基づくノイズを人の耳に全く聞こえないようにすることができる。
【0051】
なお、前記妨害波がマイクロコンピュータに使用されるクロック周波数であれば、このクロック周波数を受信周波数に同期させることにより、前記差周波数(f1−f2)を「0」にすることができる。この場合には、例えば、高精度の水晶振動子を用いることにより、あるいは受信機のチューナに用いるPLL回路が生成する放送周波数に同期したパルスを分周する手段等を用いることにより、受信周波数に同期したあるいはほぼ同期したクロック周波数を得ることができる。
【0052】
次に、図5は、ステレオ用副搬送波を抑圧した搬送波抑圧AM−FM方式の放送信号における変調周波数(ベースバンド周波数)と音レベル(車両内における雑音レベル)の関係の例を示す図であり(変調周波数と音レベルの関係は各車両毎に異なる特性を示す)、図の各曲線はノイズ信号の振幅値がそれぞれ同一の点を結ぶ曲線である。
【0053】
図に示すように、左右の音声信号を加えた和信号であるFM変調部の低域部分では、雑音レベルが抑制されていることが分かる。また、FM変調部とAM変調部のノイズレベルを比較すると、FM変調部の方がノイズレベルが小さくて有利であることが分かる。
【0054】
図6は、振幅変調及び周波数変調における連続雑音に対する雑音改善率を説明する図であり、図6(a)は振幅変調(AM)及び周波数変調(FM)における雑音のスペクトルを示す図、図6(b)はFMステレオ信号(ベースバンド信号)を示す図である。
【0055】
図6(a)に示すように、振幅変調における雑音のスペクトルはいずれの変調信号周波数においても一定である。一方、周波数変調における雑音のスペクトルは復調器の特性により、変調信号周波数に比例して雑音強度が強くなる特性(三角雑音スペクトル)を持つ。
【0056】
前記連続雑音の各成分は同相でないため、その雑音量は、各周波数における雑音電圧をe、振幅変調の場合の周波数当たりの雑音量をN、伝送する信号の最大周波数をfmaxとすると、eを周波数0からfmaxまで積分し、その平方根を求めればよい。振幅変調の場合の雑音量はNAMは、
AM =N(fmax1/2 となる。
【0057】
また、周波数変調における周波数遷移をf とすると、周波数変調の場合の雑音量NFMは、
FM=N(fmax3/2 /√3f となる。
【0058】
従って、連続雑音における雑音の改善率 NFM /NAM は、偏移比mをf/fmax とすると、
FM /NAM = 1/√3mとなる。
【0059】
ここで、偏移比mを5と仮定すると、NFM /NAM = 1/√3×5=1/8.66となる。
【0060】
このことを、図6(b)に示す搬送波抑圧AM−FM方式の放送信号に適用すると、周波数変調のメイン信号(L+R)は振幅変調のサブ信号(L−R)に対して8.66倍だけSN比が改善されることを示している。
【0061】
以上のことを総合すると、FM受信機に対する雑音の周波数である妨害波の周波数f2は、FM放送のメイン信号の領域内に入ることが望ましいことが分かる。
【0062】
以上の説明では、(1)差周波数(f1−f2)が可聴周波数帯域以外となるように妨害波の周波数f2を設定する、(2)差周波数(f1−f2)が「0」となるように妨害波の周波数f2を設定する、(3)妨害波の周波数f2を車載受信機が受信するFM放送のメイン信号の領域内に入るように設定する、ことによりノイズを抑制できることを説明した。
【0063】
以上のような妨害波の周波数を設定する方法であれば、設定による効果を高い確立で予測することができる。このため、実車を用いて行う試験は不要となり、設計、あるいは評価に要する期間を短縮することができ、効率的な開発を行うことができる。
【0064】
ところで、ノイズの周波数(f1−f2)は、前述のように放送波の周波数f1と水晶振動子等から発生する妨害波の周波数f2の差であるから、予め予測することができる。また、ノイズの強度(振幅値)は、放送波の強度及び妨害波の強度から予測可能である。
【0065】
従って、このことを利用すると、特定の車両において、発生するノイズの周波数から妨害波の発生源を追跡したり、あるいは特定の妨害波の発生源の存在をもとに発生ノイズの周波数及び強度を特定したりすることができる。これにより、実車におけるノイズ抑制対策を更に効率的に実施することができる。
【0066】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、相互変調などによる放送波の受信に対する妨害を抑制することのできる車載用電子機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態にかかる車載用電子機器を説明する図である。
【図2】水晶振動子の周波数温度特性を示す図である。
【図3】水晶振動子を用いた発振回路を説明する図である。
【図4】FM放送波の周波数と妨害波の周波数の関係を示す図である。
【図5】変調周波数と音レベルの関係を示す図である。
【図6】雑音改善率を説明する図である。
【符号の説明】
1 車両
2 放送波
3 アンテナ
4 増幅器
5 スピーカ
6 車載用電子機器
7 水晶振動子

Claims (2)

  1. マイクロコンピュータおよび該マイクロコンピュータの動作周波数を決定する水晶発振子を備えた車載用電子機器において、
    車載受信機が受信する放送波の周波数と前記水晶発振子の発振周波数あるいは該発振周波数の高調波とが、一致するように前記水晶発振子の発振周波数を選定し、該水晶発振子の温度変化に伴う発振周波数、あるいはその高調波の変化する値を400Hz以下となるように該水晶発振子を設定し
    前記放送波の受信に対する妨害を抑制したことを特徴とする車載用電子機器。
  2. マイクロコンピュータおよび該マイクロコンピュータの動作周波数を決定する水晶発振子を備えた車載用電子機器において、
    前記水晶発振子の発振周波数あるいは発振周波数の高調波を車載受信機が受信する搬送波抑圧AM−FM方式のFM放送波のメイン信号(L+R)の帯域内に入るように選定し、前記FM放送波の受信に対する妨害を抑制したことを特徴とする車載用電子機器。
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