JP4094242B2 - 紙幣出金機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は紙幣出金機に係り、特に公営の各種競技場に設置して使用するに好適な紙幣出金機に関する。
【0002】
【従来の技術】
公営の競技場、例えば公営競馬場、公営競輪場、公営競艇場にあっては、レース券を購入してそのレース券が当った場合には配当金の払い戻しが行われる。
【0003】
この種の公営競技場では、その配当金の支払いのために紙幣出金機が設置され、配当金の払い出しができるようになされている。
【0004】
上記のような場所に設置する紙幣出金機として特開2000−90323号公報に記載のものがある。この公報に記載の紙幣出金機は、機体の前面に出金口部が設けられていて、顧客が自身で機械から直接紙幣を取り出すことができ、機械の係員は機体の背面から出金紙幣の補充、回収紙幣の回収等の操作を行うようになされている。
【0005】
すなわち請求項1の前提要件として記載したように、機体の前面上部に形成された出金口部と、機体の背面上部域に形成され前記出金口部からの取り忘れ紙幣を回収する回収口部と、前記出金口部の背部近傍に形成された出金一時保留部と、機体の下部域に配設され出金紙幣を集積状態で収納する複数の金種別出金紙幣収納部と、これら金種別出金紙幣収納部ごとにそれぞれ設けられ当該金種別出金紙幣収納部内の紙幣を1枚ずつ分離して繰り出す金種別紙幣繰り出し部と、これら繰り出し部により繰り出された紙幣を搬送するとともに途中に出金紙幣識別部を有し該出金紙幣識別部を通過した紙幣を上方に搬送する出金搬送路、およびその出金搬送路が接続されるとともに前記出金口部と回収口部とを接続すべく前後方向に設けられ前記出金紙幣識別部による識別結果に基づいて出金正規紙幣と判断された紙幣の前記出金一時保留部への送り込みと該出金一時保留部内の出金すべき集積紙幣の前記出金口部への送り出しと前記出金口部から取り出し忘れとなった集積紙幣の回収口部への集積状態での搬送を行う一括搬送路を有する紙幣搬送部と、前記出金紙幣識別部による識別結果に基づいて出金不正規紙幣と判断され前記紙幣搬送部から分岐される紙幣を出金リジェクト紙幣として受収する出金リジェクト紙幣受収部とを有する構成となっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかして上記従来の技術では、複数の金種別出金紙幣収納部の紙幣を全量回収する機能、例えば毎日の終業時、あるいは1週間に1回の割合で終業時に全量回収(但し次の業務開始の始業時には出金紙幣の補充を要す)する機能が要求され、この場合には紙幣は回収口部へ回収するようになっているが、この回収口部は出金取り忘れ紙幣の最大容量(出金紙幣最大容量)に設定してあるので、複数の金種別出金紙幣収納部の紙幣を全量回収するには何回にも分割して回収操作を行って全量回収しなければならないという不便さがあった。
【0007】
また出金紙幣識別部を通過した紙幣を上方へ搬送する繰り出し紙幣搬送路の途中に出金リジェクト紙幣の分岐部が設けられているとともに出金リジェクト紙幣受収部も機体内に配置されているので、係員が操作可能な回収口部側、すなわち機体の背面側からは操作することができず、機体の側面からの操作が余儀なくされる。
【0008】
しかし機械の稼働時は機械の両側は側壁や脇机が存在しているので機体の側面から出金リジェクト紙幣受収部の操作はできず、そのため上記の操作時には機械をその背部方向へ引き出して機体の側面から自由に操作することができる状態としたうえで行うことが必要となり、面倒であった。
【0009】
本願請求項1記載の発明は上記の問題点を解消することを課題としてなされたものである。
【0010】
従来の技術において、出金紙幣の識別については、出金正規紙幣と出金不正規紙幣との識別を行い、出金不正規紙幣と判断された紙幣は出金リジェクト紙幣として出金に使用されることはなかった。
【0011】
しかし紙幣繰り出し時における斜行紙幣、また斜行でなくとも搬送幅方向に若干ずれているなどにより識別結果が出金不正規紙幣と判断された紙幣でも再度出金に供すれば出金正規紙幣と判断される場合が大半であるにもかかわらず出金リジェクト紙幣として回収されてしまい、紙幣の有効利用が阻害される。
【0012】
こうした再度出金可能な紙幣を出金に供し得れば、係員にとっても出金リジェクト紙幣の回収操作の機会や出金紙幣の補充操作の機会が減少するので好ましい結果を生む。
【0013】
本願請求項2記載の発明は上記の問題点を解消することを課題としてなされたものである。
【0014】
さらに従来の技術では、出金途中で金種別出金紙幣収納部内の紙幣が減少して出金額に達しない場合、すなわち1人の顧客との取り引きの途中で金種別出金紙幣収納部内の紙幣が減少して出金できなくなる場合がある。
【0015】
このようなときは係員が集中精算室へ行き、途中補充の手続きをしてその金種の出金紙幣を決められた補充量分だけ受け取って機械に補充することになる。その間顧客は待ち続けることになってしまう。
【0016】
本願請求項1記載の発明は更に上記の問題点を解消することを課題としてなされたものである。
【0017】
本願請求項4記載の発明は補充リジェクト紙幣収納部の補充リジェクト紙幣の取り出し操作性を向上させるものである。
【0018】
特に補充リジェクト紙幣収納部は補充リジェクト紙幣の受け入れ時には引き出されると支障をきたすことになる。その引き出しに対するロック手段としてソレノイドを用いて行えばよいが、これによるとコスト的にも電気制御的にも高価となるとともに複雑となる。
【0019】
本願請求項5に記載の発明は上記の点を解決することを課題としてなされたものである。
【0020】
一方、この種の紙幣出金機のように、機体内に多数の搬送系を有し、機体に投入された紙幣の各種処理を行って所定の箇所へ搬送し、また機体内から所定の紙幣を出金するような機械においては、機体内における紙幣詰まりの解消や各部の点検等のために各部のユニットを開閉可能に構成し、メンテナンス時にはメンテナンスに必要なユニットを一点を中心として開け、内部を露出させることができるように構成されている。
【0021】
上記のような機械では、通常機体の上部にそう紙葉類の搬送系が水平方向に設けられ、この搬送系を構成する上下のベルト、ローラまたはその組み合わせからなる搬送部材の上部側と下部側との間を開放させることができるよう上部側の搬送部材を支持するユニットを機体に対し開閉可能な構造とされ、さらに下部側の搬送部材を含むユニットを開閉可能とされ、その下方の機体内部を露出させることができるようになされており、したがって上記ユニットが2段階に開くようになされている。機械の構造によっては2段以上のユニットを有する場合もある。しかるに上記のように複数段のユニットを順次開閉させることができる構成を有する機械では、そのユニットの開閉時に操作手順を誤ると機体とユニットとの間、あるいはユニット同士の間に手指を挟んでしまうなどの危険性があるほか、ユニットを破損させるなどの問題点があった。
【0022】
本願請求項6記載の発明は上記の問題点を解消することを課題としてなされたものである。
【0023】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、機体の前面上部に形成された出金口部と、機体の背面上部域に形成され前記出金口部からの取り忘れ紙幣を回収する回収口部と、前記出金口部の背部近傍に形成された出金一時保留部と、機体の下部域に配設され出金紙幣を集積状態で収納する複数の金種別出金紙幣収納部と、これら金種別出金紙幣収納部ごとにそれぞれ設けられ当該金種別出金紙幣収納部内の紙幣を1枚ずつ分離して繰り出す金種別紙幣繰り出し部と、これら繰り出し部により繰り出された紙幣を搬送するとともに途中に出金紙幣識別部を有し該出金紙幣識別部を通過した紙幣を上方に搬送する出金搬送路、およびその出金搬送路が接続されるとともに前記出金口部と回収口部とを接続すべく前後方向に設けられ前記出金紙幣識別部による識別結果に基づいて出金正規紙幣と判断された紙幣の前記出金一時保留部への送り込みと該出金一時保留部内の出金すべき集積紙幣の前記出金口部への送り出しと前記出金口部から取り出し忘れとなった集積紙幣の回収口部への集積状態での搬送を行う一括搬送路を有する紙幣搬送部と、前記出金紙幣識別部による識別結果に基づいて出金不正規紙幣と判断され前記紙幣搬送部から分岐される紙幣を出金リジェクト紙幣として受収する出金リジェクト紙幣受収部とを有する紙幣出金機において、前記機体の背面下部域に設けられ上部に紙幣の繰り出し部および繰り込み部を有する補充・回収紙幣収納部と、この補充・回収紙幣収納部の前方へ向けて配設され上部に一時保留部を、下部に紙幣繰り出し部を有する金種別出金紙幣収納部と、前記機体内で前記回収口部近傍に設けられ機体の背面から出金リジェクト紙幣の取り出しが可能とされた出金リジェクト紙幣受収部と、この出金リジェクト紙幣受収部から離隔して設けられた補充リジェクト紙幣収納部と、前記補充・回収紙幣収納部からその繰り出し部により繰り出される紙幣を搬送し補充紙幣識別部による識別結果に基づいて区分け部で金種別紙幣と補充リジェクト紙幣とに区分けし、各対応する前記金種別出金紙幣収納部の一時保留部および前記補充リジェクト紙幣収納部へ区分け収納せしめる補充搬送路と、前記金種別出金紙幣収納部の下部域から最前位の金種別出金紙幣収納部の前側に至ってから上昇して前記一括搬送路に接続され途中に出金紙幣識別部を有する出金搬送路と、前記金種別出金紙幣収納部から回収される回収紙幣が前記出金搬送路を通じて前記一括搬送路へ送られるときその回収紙幣を前記一括搬送路から分岐して搬送し前記繰り込み部を通じて前記補充・回収紙幣収納部へ回収し、前記補充搬送路と一部共用とされる回収搬送路とを具備し、前記補充・回収紙幣収納部から繰り出される補充紙幣を前記補充紙幣識別部で識別し、正規紙幣と判断されて前記金種別出金紙幣収納部へ送られる紙幣枚数を制御部に金種ごとに加算記憶せしめる補充モードを設けるとともに、補充紙幣が前記補充紙幣識別部で正規紙幣と判断されて前記金種別出金紙幣収納部へ送られる場合であってもその紙幣枚数を制御部に加算記憶させない無計数補充モードを設け、この無計数補充モード時には前記出金リジェクト紙幣受収部の出金リジェクト紙幣を出金紙幣として前記補充・回収紙幣収納部へ補充可能としたことを特徴とする。
【0024】
こうしたことにより、出金に使用する紙幣の機体内への補充と機体内からの回収を容易とし、出金リジェクト紙幣収納部の出金リジェクト紙幣の取り出しをも容易として操作性の向上を図ることができる。また、補充リジェクト紙幣を区分け収納する補充リジェクト紙幣収納部が、出金リジェクト紙幣受収部から離隔して設けられているので、補充リジェクト紙幣収納部の補充リジェクト紙幣は機外紙幣として、機内紙幣である出金リジェクト紙幣収納部の出金リジェクト紙幣とは別管理とすることができる。
また、出金途中で金種別出金紙幣収納部内の紙幣が減少して出金額に達しない場合でも直ちに紙幣の補充ができるので、出金取引中に顧客を長時間待たせることがなく、迅速に取引を完了させることができる。
【0025】
請求項2記載の発明は、上記請求項1記載の発明において、出金正規紙幣と出金不正規紙幣との識別を行うとともに出金不正規紙幣については出金に供し得べき再識別可能紙幣と出金に供し得ない出金リジェクト紙幣との識別を可能とする出金紙幣識別部と、前記繰り出し紙幣搬送路の末端にあって搬送紙幣のうち出金正規紙幣は出金一時保留部側へ、出金不正規紙幣は回収口部側へ搬送方向を切り換える第1切換部と、前記一括搬送路の第1切換部と回収口部との間の一括搬送路域に設けられ出金紙幣識別部を通じて再識別可能と判断された紙幣を分岐する第2切換部と、この第2切換部の位置と前記補充紙幣搬送路における補充紙幣識別部と最初の区分け部の間の位置とを接続し、第2切換部で分岐された再識別紙幣を補充紙幣搬送路へ送る第1接続搬送路とを有せしめたものである。
【0026】
こうしたことにより、出金不正規紙幣について、出金に供すべき再識別可能紙幣と出金に供し得ない出金リジェクト紙幣とに区分けし、再識別可能紙幣を出金に供することができ、係員にとっては出金リジェクト紙幣の回収操作や出金補充操作の機会が減少し、機械の操作性、稼働性の向上を図ることができる。
【0027】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の発明において、前記無計数補充モードの補充時に補充リジェクト紙幣と判断された紙幣を前記出金リジェクト紙幣受収部へ戻すため前記補充紙幣搬送路から分岐して前記一括搬送路に接続する第2接続搬送路を有せしめたものである。
【0029】
請求項4記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記補充モード時に前記補充紙幣搬送路を通じて搬送される補充リジェクト紙幣を収納する前記補充リジェクト紙幣収納部は、補充リジェクト紙幣を機体の背面から取り出せるように構成したことにある。
【0030】
これにより補充リジェクト紙幣も機体の背面から取り出すことができ、係員の操作性をさらに向上させることができる。
【0031】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の発明において、前記補充リジェクト紙幣収納部を装着位置でロックするとともに所定の時期にロックを解除する引出し制御機構を備え、前記補充・回収紙幣収納部は補充紙幣および回収紙幣を集積状態で上部に載置するステージを有し、前記引出し制御機構は、補充リジェクト紙幣収納部を装着位置でロックするロック部と、前記ステージの移動に連動してステージが最下降位置に位置することにより前記ロック部をロック解除位置に位置させる解除部材を有せしめたことにある。
【0032】
こうしたことによりロック、アンロックのためにソレノイド等の電気的手段を一切用いずに実施が可能であり、これにより電気制御が不要となって安価に得られ、構造も小型にかつ低コストで得られる利点がある。
【0033】
請求項6記載の発明は、請求項1記載の発明において、機体の前面上部に位置する出金口部、機体の背面上部域に位置し前記出金口部からの取り忘れ紙幣を回収する回収口部、前記出金口部の背部近傍に位置する紙幣一時保留部、前記出金口部と回収口部とを接続して機体の前後方向に配置される一括搬送路、出金リジェクト紙幣受収部を内蔵し、機体の前面位置の軸を中心に機体の背面側から開放可能とされた第1ユニットと、前記補充・回収紙幣収納部から前記金種別一時保留部へ補充紙幣を搬送する補充紙幣搬送路、この補充紙幣搬送路と一部共用され前記金種別紙幣収納部から回収される回収紙幣を前記一括搬送路から受け入れて前記補充・回収紙幣収納部へ向けて搬送する回収紙幣搬送路を内蔵し、機体の前面側の端部位置の軸を中心に機体の背面側から開放可能とされその閉止時に前記第1ユニットにより隠蔽される第2ユニットとを有し、前記第1ユニットの開放時に第2ユニットの開放を可能とし、第2ユニットを閉鎖したときのみ第1ユニットの閉止を許容する相互ロック機構を有せしめたことにある。
【0034】
こうしたことにより、機体内の主たる搬送系を開放することができるので、メンテナンスが容易にできるとともに、第2ユニットを閉止させないまま第1ユニットを閉じることによる手指の怪我等の発生を未然に防止することができ、安全で点検が容易な操作性のよい紙幣出金機とすることができる。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による紙幣出金機の一実施形態を図面を参照して説明する。図1は本発明による紙幣出金機の一実施形態の概要を示す略示断面図であり、特に紙幣の搬送系を示している。
【0036】
機体1の内部には、図1および図8に略示するように出金用の2金種の紙幣を各別に収納する出金紙幣収納部2,2(本実施形態では2が千円紙幣用、2が万円紙幣用)が配設され、機体1の内部後方には補充、回収用の補充・回収紙幣収納部3が配設されており、この補充・回収紙幣収納部3は機体1内へ補充すべき補充紙幣の装填と、機体1内から繰り出される回収紙幣の受収集積を可能とし、この収納部3内への紙幣の装填、あるいはこの収納部3からの回収紙幣の取り出しを可能とするため、この収納部3の背面(図1の右側)は開口部3aとされ、この開口部3aを開閉する扉4が設けられている。そしてこの機体1の背面の扉4を開けることにより人手により紙幣の補充操作または回収操作が可能とされている。
【0037】
上記出金紙幣収納部2,2の上部には一時保留部2a,2aが設けられている。
【0038】
また上記補充・回収紙幣収納部3の上方位置には回収収納部5aと出金リジェクト紙幣収納部(出金リジェクト紙幣受収部)5bが上下に配設され、各収納部5a,5bの間には仕切板6が上下動可能に設けられており、この仕切板6の水平姿勢のままで上下位置の切り替えによりその上部または下部に紙幣を区分けして受け入れるようになっている。すなわち図8において、回収収納部5aに紙幣を集積するときは仕切板6を水平姿勢を保持したまま一点鎖線図示位置に位置させて紙幣を受収集積させる。また出金リジェクト紙幣収納部5bに紙幣を受収するときは仕切板6を水平姿勢を保持したまま二点鎖線図示位置に位置させて出金リジェクト紙幣の受収を行う。
【0039】
上記各収納部5a,5bへの紙幣の受収が終了すると、仕切板6は実線図示位置(図1示の位置)へ復帰する。そして各収納部5a,5bの機体背面側は開口部5’a,5’bとされ、この部分には支軸7cを中心として水平姿勢となる扉7a,7bが設けられており、この背面の扉7a,7bを開けることにより人手により各収納部5a,5b内の紙幣の回収ができる。
【0040】
前記機体1の前面1aの上部位置には出金口部8が開口され、その内部直近位置には詳細は後述するが出金時に紙幣を集積して一時保留する紙幣一時保留部9が設けられている。
【0041】
前記機体1内には、各部間で紙幣を選択的に搬送するための搬送路10a〜10h(図8参照)が配設されている。
【0042】
上記搬送路のうち、補充・回収紙幣収納部3から前記各出金紙幣収納部2,2へ紙幣の補充を行うための搬送路10aの途中には、当該紙幣の金種等を識別する補充紙幣識別部11が設けられ、この搬送路10aの基端側には補充・回収紙幣収納部3から紙幣を1枚ずつ繰り出す補充繰り出し部12(キッカローラ、フィードローラ等で構成され、後述の繰り出し部15,15と同じ構成)が設けられている。
【0043】
そして補充・回収紙幣収納部3から繰り出される補充紙幣は、補充紙幣識別部11を通り、搬送路10aをさらに図において左方へ進み、その左端位置で下方へ向かい、紙幣を分岐する搬送路10bへ送られる。この搬送路10bはその入口部に切換部G、その後流位置に切換部G,Gが配設されている。
【0044】
そして補充紙幣のうち補充紙幣識別部11による識別の結果、正常な千円紙幣と識別されると、切換部Gの切り換りにより一時保留部2aへ、正常な万円紙幣と識別されると切換部G,Gを通じて一時保留部2aへ、それ以外の紙幣、すなわち補充リジェクト紙幣は切換部G,G,Gを通過して後述する補充リジェクトボックス14へ送られる。
【0045】
前記補充・回収紙幣収納部3は内部に昇降可能なステージ13を備え、この補充・回収紙幣収納部3の直下位置には機体1外へ引き出し可能な補充リジェクトボックス14が設けられている。
【0046】
この補充リジェクトボックス14は、通常は機体1内に挿入した状態でロックされ、引き出し不能とされている。そして前記ステージ13が前記補充・回収紙幣収納部3の収納空間の最下位置まで降下したときのみ前記ロックが解除され、手動で引き出し可能となる。この補充リジェクトボックス14のロックおよびその解除の制御は後述する引出制御機構130(図13示)により行われる。
【0047】
一方、図1および図8において出金紙幣収納部2,2から繰り出し部15,15により繰り出される出金紙幣を前記紙幣一時保留部9へ搬送する搬送路10c(出金搬送路)の途中には、当該紙幣の識別および再識別可否の判定を行う出金紙幣識別部16が設けられている。またこの出金搬送路10cの終端側は切換部G(請求項2における第1切換部)により出金口側搬送路10dと回収搬送路10eとに分岐されている。
【0048】
このうち出金口側搬送路10dは、出金搬送路10cとの切換部Gから前記出金口部8へ向かうと共に紙幣を切換部G側から出金口部8へ、また出金口部8側から切換部G側への両方向に搬送可能とされている。また回収搬送路10eは出金搬送路10cとの切換部Gから出金リジェクト紙幣収納部5bへ通じ、その回収搬送路10eの途中の切換部G(請求項2における第2切換部)で分岐する搬送路10f(請求項2における第1接続搬送路)は前記搬送路10aに合流する形で接続されている。
【0049】
さらに前記回収搬送路10eの切換部GとGとの中間点の合流部19と前記補充搬送路10aの切換部Gとの間は搬送路10g(請求項3における第2接続搬送路)により接続されている。
【0050】
なお、図1には出金搬送路10cの一部として搬送路10hが設けられている。この搬送路10hは、出金搬送路10cを構成しているベルト対群のうち末端のベルト対で構成される搬送路域を指称し、出金紙幣識別部16域のベルト対の出口部に臨む始端から切換部Gに至る末端までをいう。この搬送路10hに関しての詳細は後述する。
【0051】
次に本発明の主要部である紙幣一時補保留部9およびそれに関連する搬送系の詳細を図2〜図7を参照して説明する。
【0052】
図示の実施形態は紙幣を上下方向に集積するようにした場合を示しており、その紙幣一時保留部9は、一時保留空間の上部に配設される上部搬送体21と、下部に配設される下部搬送体22と、紙幣の一時保留時には集積位置におかれ集積終了時に前記上部搬送体21に向けて上昇する受台23とを有し、上部搬送体21は、前記出金口側搬送路10dと搬送路10hと回収搬送路10eとの駆動を司るモータM(図5、図9示)により駆動され、下部搬送体22は一時保留紙幣を集積状態で搬送する際に上昇したとき前記駆動系からの回転を受けて従動回転するようになっている。
【0053】
図1においてモータMが正転すると、出金口側搬送路10d(上部搬送体21および駆動力が伝達された状態の下部搬送体22で構成)は紙幣を図において左方へ送る向きに、また搬送路10hは紙幣を上方へ送る向きにそれぞれ駆動される。
【0054】
前記モータMの逆転時には、出金口側搬送路10dは紙幣を図において右方へ送る向きに、また搬送路10hは紙幣を下方へ送る向き(このときは搬送路10hに紙幣は存在しない)に駆動される。
【0055】
一方、このモータMと搬送路10eを構成するベルト群との間には正転用および逆転用の各ワンウェイクラッチが介在されており、したがって前記モータMの正転時には一方のワンウェイクラッチは回転を伝達させないが、他方のワンウェイクラッチが働いて紙幣を図において右方へ送るよう搬送路10eが駆動される。またモータMの逆転時には一方のワンウェイクラッチが回転を伝達し、他方のワンウェイクラッチは回転を伝達せず、この結果この場合にも搬送路10eは紙幣を右方へ送る方向に駆動される。
【0056】
前記受台23を含む下部搬送体22を昇降動させる昇降機構は、図2〜図4にその一例を示している。
【0057】
これら下部搬送体22および受台23は、昇降駆動部24により昇降する昇降フレーム25上に支持されている。
【0058】
上記昇降フレーム25は、その一端にスライドブロック26を有し、このスライドブロック26は機体1側に立設されたガイドロッド27にスライドベアリング28を介して嵌挿され、所定のストロークの範囲を昇降自在とされている。
【0059】
上記昇降フレーム25の上面の左右部に軸受部29,29があり、これら軸受部29,29に回転自在に支持されるプーリー軸30,31,32上の左右対をなすプーリー33,34,35に左右一対のベルト36,36が巻装され、このベルト36,36間の中間位置のプーリー軸30,31にはプーリー37,38が固着されている。またプーリー軸30,31間にも回転自在なプーリー軸32’が設けられ、ベルト36,36を上面から押圧付勢してベルトを受台23より下位に位置させるようになっている。
【0060】
前記プーリー軸のうち前後方向中間に位置するプーリー軸31の両端部にはピニオン39,39が固着されており、これらピニオン39,39は機体1側に立設されたラック40,40に噛合されていて左右が傾くことなく昇降されるようになっている。
【0061】
前記スライドブロック26を昇降させる昇降駆動部24は、図2および図3に示すように、モータMとこのモータMにより回転するカム41と、基端が機体1側に軸42により枢支されたリンク部材43とで構成され、このリンク部材43の先端の長孔43aにスライドブロック26のピン44が嵌合されているとともにリンク部材43の側面に枢支されたローラ45が前記カム41の周面に当接されており、このカム41の回転でその低所41aにローラ45が位置するとき昇降フレーム25が下降位置におかれ、カム41の高所41bにローラ45が移行するにつれて昇降フレーム25が上昇するように構成されている。
【0062】
図2、図3において46,47(図9の位置検知センサ群Sの一部)は、カム41の回転位置を検知してモータMの駆動を制御するセンサを示す。すなわち昇降フレーム25、スライドブロック26、一対のベルト36,36がモータMの駆動により一体的に上昇、下降する際に上昇位置と下降位置を検知し、モータMを停止させる働きを持つ。
【0063】
前記受台23は、前記ベルト36,36を含むプーリーと対応する部位が切り抜かれた板状のもので、前記昇降フレーム25の上面に圧縮バネ48,48を介して水平に支持される。そしてこの受台23はその上方からの無負荷時には図2、図4に鎖線で示すように下部搬送体22(ベルト36,36)の上面より所定量上方に位置させ、昇降フレーム25が上昇してもその途中まではその位置関係が保たれる。
【0064】
この昇降フレーム25が上昇位置より低い所定高さ位置まで上昇したとき、受台23はその左右端部がストッパ49,49(後述する機枠60,60に形成された各逃孔の上縁)に当たって停止する。
【0065】
昇降フレーム25は上昇位置へ向けてさらに上昇を続けるが、受台23は撓みながら圧縮されて行く圧縮バネ48,48のバネ圧を受けながら停止している。その結果、昇降フレーム25と一体に上昇するベルト36,36はその上昇の途中で受台23より上方に変位し、上昇位置に至ると所定量上方に突出した位置(図2の実線図示位置)となる。
【0066】
上記において紙幣集積位置では受台23の上面をベルト36,36の上面より所定量上方に位置させる理由は、集積される1枚目の紙幣が受台23上をスムーズに滑り、確実に集積位置へ送り込むためである。仮にベルト36,36を受台23の上面により所定量上方に位置させる位置関係(紙幣の搬送には不可欠)で、受台23とベルト36,36を昇降フレーム25上に位置を固定したとすると、ベルト36,36は集積紙幣を挟持搬送する働きをするので一般にウレタン等のスリップしにくい材質の材料が用いられ、そのため紙幣の集積時にベルト36,36が受台23より上方に突出していると1枚目の紙幣が受台23上にスムーズに滑り込めず、ベルト36,36と接触して抵抗を受け、引っ掛かったり傾斜姿勢になって集積不良の原因となるからである。
【0067】
前記下部搬送体22への回転伝達系は、図5〜図7に示すように、搬送路10d,10e,10h駆動用のモータMと、このモータMの出力軸上のプーリー51から中間プーリー52群を経由するタイミングベルト53により回転される伝動ギヤ54と、この伝動ギヤ54の軸55を中心として揺動自在に支持されバネ56により図5において反時計方向に付勢されてストッパ57により回動範囲が定められた揺動部材58と、この揺動部材58に軸支され前記伝動ギヤ54に常時噛合する第1回転体としての第1ギヤ59と、下部搬送体22の後部側のプーリー33,33およびその中間のプーリー37を支持するプーリー軸30の機枠60の一側から突出された突出端に固着される第2回転体としての第2ギヤ61とで構成されている。
【0068】
この第2ギヤ61は、下部搬送体22が上昇位置へ移動する途中の時点で第1ギヤ59と結合可能な状態となる。なおここでいう結合可能な状態とは、モータMおよび第1ギヤ59の回転駆動に備えた待機状態をいい、この実施形態では下部搬送体22の上昇時に第1ギヤ59と第2ギヤ61との各歯山同士または各歯底同士が向き合ってその外周縁が接触する状態の場合、あるいは第2ギヤ61および第1ギヤ59の歯山と歯底が向き合ってそのまま噛み合い状態となる場合のいずれかをいう。このいずれの状態になるかは規則性がなく、ギヤの回転停止位置によって決まる。上記第1ギヤ59および第2ギヤ61に代えてローラまたはベルトとし、第1ローラ(またはベルト)と第2ローラ(またはベルト)とした場合は両者の圧接状態が結合可能な状態である。
【0069】
下部搬送体22は、前記第1ギヤ59と第2ギヤ61との結合可能状態を保持したままさらに上昇を続け、上昇位置に至って停止する。この時点でモータMおよび第1ギヤ59の回転駆動に備えて待機完了状態となる。
【0070】
上記第1ギヤ59を揺動部材58により移動可能に設けた理由は、それらに関連する機構(ベルト36,36、第1ギヤ59、第2ギヤ61、受台23、昇降駆動部24、昇降フレーム25、スライドブロック26等)の組み立て誤差、使用年月による摩耗等により第1ギヤ59と第2ギヤ61との結合可能状態になる高さ位置が変化することに対応するためである。
【0071】
前記下部搬送体22に対する上部搬送体21は、下部搬送体22を構成する一対のベルト36,36に対し上部から圧接可能に対向する一対のベルトで構成され、このベルトを張装する各プーリー群は図示しない各揺動レバーにより上昇可能に支持されるとともに図示しない引張りバネにより下方へ付勢され、各揺動レバーの下降限はストッパにより規定されている。
【0072】
その結果、下部搬送体22が下降位置にあるときは上部搬送体21の下面(ベルトの下面)は出金口部8の紙幣載置面8aより若干下方の定位置にある。そして下部搬送体22が上昇位置に移動すると、その移動途中で下部搬送体22(一対のベルト36,36)に載る集積紙幣の上面(集積紙幣が不存在のときは下部搬送体22のベルト36,36の上面)が上部搬送体21のベルトの下面に当接する。下部搬送体22が上昇位置へ向けてさらに移動を続けると上部搬送体21の下面は前記図示しない引張りバネと自重とによる付勢力により下部搬送体22のベルト36,36との間で集積紙幣を強い力で挟みつける。
【0073】
下部搬送体22がさらに上昇すると、上部搬送体21も集積紙幣を挟持したまま下部搬送体22と一体となって移動し始め、下部搬送体22が上昇位置に至って停止すると上部搬送体21も集積紙幣を挟持したままその位置で停止する。なお上部搬送体21の一対のベルトの下面のうち集積紙幣と接触しているベルト域は下部搬送体22の一対のベルト36,36を基準として挟持厚み分だけ上方へ変位するが、集積紙幣と接触していないベルト域は上方への変位量が少ないことはいうまでもない。
【0074】
次に前記モータMから上部搬送体21としての一対のベルトへの駆動力伝達系について説明すると、図5において中間プーリー52群のうちの1つの軸52Aにギヤ70が固設され、これに噛み合うギヤ71が軸72に固着されており、この軸72には伝達プーリー73が固着され、この軸72を中心にレバー74が揺動自在に支持されている。
【0075】
このレバー74の先端には軸75が回動自在に支持され、この軸75に伝達プーリー76、搬送プーリー10d−pが固着され、前記伝達プーリー73と伝達プーリー76との間には伝達ベルト77が張装されている。
【0076】
前記搬送プーリー10d−pは、上部搬送体21としての一対のベルトを駆動するもので、上記一対のベルトに対応して軸75に一対として固設されている。またこの搬送プーリー10d−p,10d−pが紙幣の量に拘わらず前記一対のベルトの下部走行域の上面を押圧するよう、前記レバー74が機枠との間に張設された図示しない引張りバネにより図において反時計方向に付勢されている。
【0077】
なお搬送路10eについても搬送幅方向に一対のベルトを備える構成とされ、上側および下側の各一対のベルトは圧接接触状態とされている。このうち下側の一対のベルトは一定位置におかれるのに対し上側の一対のベルトは上部搬送体21と同様の支持構造(一対のベルトを張装するプーリー群、各揺動レバー、各引張りバネ、各ストッパ)により上方へ変位可能とされ、集積紙幣の搬送を可能としている。
【0078】
図5においては、モータMが駆動されると第1ギヤ59が回転する。この第1ギヤ59の回転前の段階で第2ギヤ61および第1ギヤ59の歯山と歯底とが向き合って噛合状態となっていた場合は、第1ギヤ59の回転で第2ギヤ61は直ちに回転を始める。また第1ギヤ59の回転前の段階で第1ギヤ59と第2ギヤ61との各歯山同士または各歯底同士が向き合ってその外周縁が接触していた場合には、第1ギヤ59が歯の半ピッチ程度回転したところで第2ギヤ61と第1ギヤ59との歯山と歯底とが向き合って噛み合い状態となり、第1ギヤ59の回転が第2ギヤ61に伝達されて回転を始めることになる。これにより上部搬送体21、下部搬送体22は集積紙幣を挟持した状態で双方が駆動され、集積紙幣の搬送を行うことになる。
【0079】
図9は紙幣出金処理機全体の制御ブロック図を示すもので、制御部100を有し、この制御部100には、機体1の前面の操作部101からの入力信号、上位機からの指令信号Pxが入力されるようになっており、この指令信号Pxが制御部100へ入力されることを条件にこの処理機の諸操作が可能となる。
【0080】
前記制御部100には釦スイッチD11〜D31からの信号が入力されるようになっている。この釦スイッチD11〜D31は、図10示の機体1の背面に設けられる単位回収釦D、補充釦D、回収釦Dの釦操作に対応する単位回収モード信号、補充モード信号、回収モード信号を入力するもので、上位機からの指令信号Px(単位回収モード、補充モード、回収モードの各モードにより異なる各指令信号)が入力されていることを条件にその信号入力が可能となる。なお補充モードとは別に無計数補充モードがあるが、これについては作用の説明時に述べることとする。
【0081】
上記制御部100により制御される表示ランプL〜Lが設けられている。これら図10において扉7aの上縁側部に単位回収釦D、この単位回収釦Dの近傍下部で扉7aの側部に表示ランプL、この表示ランプLの下部で扉7aの側部に表示ランプLが配設される。
【0082】
上記表示ランプLは、出金取り忘れ紙幣(出金紙幣)が一部突出した状態で出金口部8へ投出されるが、顧客が取り出さず、その結果逆送されて回収収納部5aに取り込まれる場合、あるいは単位回収紙幣が1枚ずつ連続して直接回収収納部5aへ送られる場合に点灯し、紙幣が取り出されることにより消灯する。上記表示ランプLの点灯は、回収収納部5aにある紙幣有無検知スイッチ(図9のセンサSnのうちの1個)が紙幣有を検知することによる。
【0083】
前記表示ランプLは、出金モード時や回収モード時におけるリジェクト紙幣(出金リジェクト紙幣、回収リジェクト紙幣)が出金リジェクト紙幣収納部5bに存在するときに点滅し、出金リジェクト紙幣収納部5bのリジェクト紙幣が満杯になると点灯する。上記表示ランプLの点滅は、出金リジェクト紙幣収納部5b内にある紙幣有無検知スイッチ(図9のセンサSnのうちの1個)が紙幣有を検知することによる。また表示ランプLの点灯は、補充リジェクト紙幣フルセンサ(図9のセンサSnのうちの1個)のフル検知による。そして出金リジェクト紙幣収納部5bからすべてのリジェクト紙幣が取り出されると、表示ランプLは点滅または点灯状態から消灯する。
【0084】
前記扉4の側部には、補充釦D、補充・回収ランプL、回収釦Dが配設され、扉4の下部に位置する補充リジェクトボックス14の側部には補充リジェクトランプLが配設されている。
【0085】
前記補充・回収ランプLは、補充または回収の指令信号Pxの入力により点滅(補充は長い点滅、回収は短い点滅)し、補充釦Dや回収釦Dの操作に基づく補充モード時や回収モード時に点灯し、そのモードの終了で消灯する。
【0086】
補充リジェクトランプLは、補充リジェクトボックス14に補充リジェクト紙幣が存在する場合(図9のセンサSnの1個である補充リジェクト紙幣有無検知スイッチが紙幣有を検知したとき)に点滅し、補充リジェクトボックス14の補充リジェクト紙幣が満杯(図9のセンサSnの1個である補充リジェクト紙幣フルセンサのフル検知による)になると点灯する。また補充リジェクトボックス14を引き出して補充リジェクト紙幣をすべて取り出した後、再セットすると補充リジェクトランプLは消灯する。
【0087】
再び図9において、制御部100には、補充紙幣識別部11、出金紙幣識別部16、搬送路センサ群Sm、位置検知センサ群Sn(紙幣の有無、量の検知を含む)が接続されている。
【0088】
またクラッチC(モータMの駆動力を補充繰り出し部12へ伝達する作用を行う)、モータMは補充繰り出し部12、搬送路10aおよび10bの各一部の駆動用であり、搬送路10bは切換部Gから一時保留部2aへの搬送路、切換部Gから一時保留部2aへの搬送路、切換部Gから補充・回収紙幣収納部3への搬送路である。なお切換部Gから補充・回収紙幣収納部3への搬送路の末端は、補充・回収紙幣収納部3への繰り込みベルト,プーリー,ローラが対向配置されるが、この紙幣繰り込みベルトとローラとは補充紙幣繰り出し時には図示しないガイドで被覆されて紙幣とは摩擦接触しないよう考慮されている(このガイドを進退移動させるソレノイドもここでは図示は省略してある)。モータM(搬送路10aおよび10bの各残存部分、搬送路10f、搬送路10gの駆動用)、モータM(一時保留部2a、2aの底板開閉用)、モータM(繰り出し部15、15、搬送路10cの駆動用)、モータM(搬送路10h、10e、10d、上部搬送体21、下部搬送体22の駆動用)、モータM(ステージ13,引出制御機構110の移動用)、モータM(昇降駆動部24、昇降フレーム25の移動用)、モータM(仕切板6の上下動用)、ソレノイドSD〜SD(切換部G〜Gの切り換え用)がそれぞれ接続されている。なおこれらの制御と各部の駆動については動作説明時に併せて説明する。
【0089】
図11はクラッチに係る部分の説明図で、モータMの駆動時にクラッチC、Cを通じて繰り出し部15、15の一方が選択的に駆動される。そのとき搬送路10cも駆動状態のままにおかれる。
【0090】
停止している一方の繰り出し部(15または15)と回転している搬送路10cとが摩擦接触しないよう考慮されており、その部分を図11に示している。
【0091】
この図11において、繰り出し部15(15)を構成するキッカローラ151−1(152−1)、フィードローラ151−2(152−2)、ゲートローラ151−3(152−3)が設けられ、このキッカローラ151−1(152−1)とフィードローラ151−2(152−2)はクラッチC(C)が通電されると駆動され、非通電になると定位置で停止される。前述のクラッチCも全く同じ働きをする。
【0092】
なお出金に使用可能なリジェクト紙幣(斜行紙幣等)の繰り出しが連続して例えば10回発生したとき、そのリジェクト紙幣を一時保留部2a(2a)へ送るとともに、キッカローラ151−1(152−1)とフィードローラ151−2(152−2)および搬送路10c(但しモータMで駆動される部分のみ)を所定回正逆回転させ、その間に正常な紙幣繰り出しに復帰すると正転による正常繰り出しを続行する。
【0093】
また所定回の正逆回転の間に正常な紙幣繰り出しに復元しないときは機械をダウンさせる。なおゲートローラ151−3(152−3)は、モータMの正転,逆転に拘わらず強制駆動されることはなく、軸にワンウェイクラッチを介して設けられ、常時紙幣繰り出し方向へは回転せず、逆方向へは自由回転するようにしてある。
【0094】
フィードローラ151−2(152−2)が固定される軸151−4(152−4)には、フィード151−2(152−2)の左右外側に位置して一対のプーリー10c−c,10c−cが軸受10c−c,10c−cを介して回転自在に支持される。そして搬送路10cの左右一対のベルト10c−b,10c−bが前記一対のプーリー10c−c,10c−cに掛回されている。
【0095】
その結果、繰り出し部15,15が停止していても、自由回転軸受10c−c,10c−cを介して摩擦接触することなく一対のプーリー10c−c、10c−cおよび一対のベルト10c−b,10c−bは回転駆動を続けることができるのである。
【0096】
次に図12を参照してモータMから搬送路10d,10e,10hへの駆動力伝達系の構成を説明する。その前提として、図1においてプーリー10d−pは既述の通り上部搬送体21としての搬送ベルトを押圧して強制駆動するプーリー、またはプーリー10e−pは、搬送路10eの上部側の搬送ベルトを下方から上方へ押圧して強制駆動するプーリー、プーリー10e−pは、搬送路10eの下部側の搬送ベルトを下方から上方へ押圧して強制駆動するプーリー、プーリー10h−pは、搬送路10hの左側の搬送ベルトの右側を左方から右方へ押圧して強制駆動するプーリーである。なお搬送路10hの右側の搬送ベルトは左側の搬送ベルトに押圧接触して従動回転する。
【0097】
図12において、モータMの出力軸に固定されるプーリー51にはタイミングベルト53(図5参照)が巻装され、プーリー10d−p、プーリー10h−pへ駆動力が伝達される。またこの出力軸に固定されるプーリー51Aと駆動軸Aに固定されるプーリー110との間にはタイミングベルト53Aが巻装されている。その結果、タイミングベルト53A、駆動軸Aは、モータMの正回転により正回転(実線矢印方向回転)、モータMの逆回転により逆回転(一点矢印方向回転)する。
【0098】
前記駆動軸Aの一端には、該駆動軸Aの正回転(実線矢印方向回転)のみを逆回転(一点鎖線方向回転)に変換して駆動軸Aに伝達するための一方向クラッチ111Aが内蔵されたギヤ111が設けられている。
【0099】
また前記駆動軸Aの他端には、該駆動軸Aの逆回転(一点鎖線方向回転)を駆動軸Aに伝達するための一方向クラッチ112が内蔵されたプーリー113が設けられている。
【0100】
一方、上記駆動軸Aは、その一端に駆動軸Aのギヤ111と噛合するギヤ114が固着され、他端には駆動軸Aのプーリー113とベルト115で連繋されるプーリー116が固着されている。
【0101】
その結果、駆動軸Aは、モータMの正回転,逆回転のいずれの場合も逆回転(一点鎖線方向回転)し、この駆動軸Aに一対のプーリー10e−p,10e−pが固着され、搬送路10eの下側の一対のベルトに駆動力を与える。
【0102】
また駆動軸Aの他端に固着されたプーリー117と駆動軸Aに固着されたプーリー118との間にベルト119が巻装され、駆動軸Aに固着されるプーリー120と支軸Aのプーリー121との間にベルト122が巻装されている。
【0103】
また駆動軸Aに、搬送路10eの上部側の搬送ベルトを下方から上方へ押圧して強制駆動するプーリー10e−pが固着され、その駆動軸Aの端部に前記ベルト122を上方から下方へ押圧するローラ123が固着されて該ベルト122の回転方向とは逆方向に回転されるようになされている。
【0104】
これにより、駆動軸A5はモータMの正回転、逆回転かのいずれかの方向への回転に対しても実線図示方向に回転(駆動軸Aの回転とは逆方向回転)をする。
【0105】
したがって搬送路10eの上部側搬送ベルトおよび下部側搬送ベルトは、モータMの正回転、逆回転に拘わらず図1において右方向へ強制駆動される。なお上記モータMは、集積紙幣の搬送時には低速回転し、1枚ずつの搬送時には正、逆回転とも高速回転される。
【0106】
図13は補充リジェクトボックス14のロックおよびロック解除の制御、すなわち補充リジェクトボックス14の引き出し可否の制御を行う引出し制御機構130の一例を示している。
【0107】
補充リジェクトボックス14の引き出し幅方向外側壁(図13において紙面表裏方向の表側の壁面)にはロックピン14aが固設され、このロックピン14aに対向する機体1側には支軸131を中心に揺動可能なロックレバー132が設けられている。
【0108】
このロックレバー132は、機体1との間に引張りバネ133が張設され、図13において時計方向への回転力が付勢されており、機体1に設けられたストッパ134により揺動限が規制されている。
【0109】
ステージ13の側部(図13において紙面表裏方向の表側)には突起13aが設けられ、この突起13aは補充・回収紙幣収納部3の紙幣収納空間の側壁外に突出されている。
【0110】
前記ロックレバー132の前記突起13aの昇降軌道に臨む部位にカム面132aが形成されており、また補充リジェクトボックス14のロックピン14aの移動域に臨んでロック部132bが形成されている。
【0111】
図13においてSnは、補充リジェクトボックス14が機体1の正規の位置まで挿入されて装着されたことを検知する装着検知センサ(図9の位置検知センサ群Snのうちの1個)を示す。
【0112】
上記の引出し制御機構130は、補充・回収紙幣収納部3内の紙幣の繰り出し中に補充リジェクトボックス14が引き抜かれることを防止する機能を果たす。
【0113】
すなわちステージ13が図13において一点鎖線図示位置まで最下降したとき、ロックレバー132も一点鎖線図示位置へ移動し、このロックレバー132のロック部132bがロックピン14aの移動域から退去する。その結果、補充リジェクトボックス14は、機体1から人手により機体1の背部側(図13において右方)へ引き出すことができる。
【0114】
引き出された補充リジェクトボックス14内の補充リジェクト紙幣を取り出し、空になった補充リジェクトボックス14を再び装着すると、装着検知センサSnが装着を検知したことを条件にステージ13の上昇が可能となり、ステージ13が上昇(傾斜姿勢のまま傾斜角度の方向へ直線的に上昇)すると、ロックレバー132が図13において実線図示の位置に変位し、そのロック部132bでロックピン14aの移動を阻止し、補充リジェクトボックス14の引き出しが阻止される。
【0115】
なお補充リジェクトボックス14が引き抜き状態のままであるときは装着検知センサSnは働かず、したがってステージ13の上昇用モータMも非作動のままにおかれる。またステージ13の定位置は待機位置の図13の一点鎖線図示位置(図1の実線図示位置)である。そして補充リジェクトボックス14が装着されて装着検知センサSnがそれを検知していること、および補充リジェクトボックス14内の補充リジェクト紙幣量が所定量になっていないこと(位置検知センサ群Snの1つであるフル検知センサがフル検知しないこと)等を条件にステージ13の上昇が可能となる。
【0116】
なお、従来の紙幣出金機などにおいては、出金時のリジェクト紙幣を受収するリジェクトボックスを備えているものはあるが、このリジェクトボックスは機体から自由に引き出すことができるものであった。
【0117】
またリジェクトボックスが自由に引き出されることを防ぐ手段として、ソレノイドのプランジャにロックレバーを連結し、このソレノイドの励磁によりロックレバーをロック解除方向へ移動させてリジェクトボックスの引き出しを可能とするようにしたものもある。
【0118】
しかるにリジェクトボックスの近傍にはソレノイドを配置することが難しく、リジェクトボックスから離れた位置にソレノイドを配置せざるを得なくなり、そのためソレノイドとロックレバーとの連動機構が複雑化したり、構造が大型化することが避けられなかった。またソレノイドの電気制御が必要となるのでコストアップに繋がるという問題があった。
【0119】
この点において上記実施形態によれば、機体1の背部に機械管理者または機械作業者が操作する補充・回収紙幣収納部3を設け、その下部に同様に機体1の背部から操作することのできる補充リジェクトボックス14を設けるようにし、また補充・回収紙幣収納部3は補充紙幣を載せるステージ13を上部の補充繰り出し部12に押しつけて繰り出す構成とし、さらに補充・回収紙幣収納部3へは回収時には紙幣を収納するようにしている。
【0120】
そのためステージ13に回収収納される集積紙幣の上面と補充繰り出し部12の下面との間には回収紙幣がスムーズに載るように所定の間隔がおかれ、回収紙幣の受収に合わせて前記所定の間隔を維持するようステージ13が下降する。
【0121】
このステージ13上に回収される最大紙幣量は下記の関係に設定される。すなわち回収紙幣最大紙幣量になったときのステージ13の下降限度は図13の実線図示位置のロックレバー132のカム面132aより所定量上方位置に突起13aが位置する関係に設定される。そして回収量が最大になってもロックレバー132によるロックピン14aのロックを保持する位置とし、回収時の補充リジェクトボックス14の引き抜きを阻止するように考慮されている。
【0122】
この実施形態では、上記のように補充・回収紙幣収納部3の例として示しているが、補充専用の収納部3として用いる場合であってもよい。
【0123】
いずれにしても補充リジェクトボックス14のロック、アンロックをステージ13の下降移動を利用してメカ的に行うので、ソレノイド等の電気的手段を用いる必要がなく、その結果電気制御も不要となり、構造の小型化とコストダウンを図ることができる。
【0124】
次に上記実施形態の全体の作用について説明する。
【0125】
A)補充モード
図9において、上位機から補充モードに関する指令信号Pxが制御部100に入力されると、補充・回収ランプL(図10示)が「長い間隔の点滅」を繰り返し、補充に関する指令信号Pxの入力を機械管理者または機械作業者(顧客ではない。顧客は機体1の前面側でのみ操作可。以下これらを機械管理者等という)に知らせる。
【0126】
なお補充・回収ランプLが「短い間隔の点滅」をしている場合は、上位機から回収指令信号Pxが制御部100に入力されたことを機械管理者等に知らせ、補充指令信号Pxと区別する。
【0127】
補充リジェクトボックス14は、そのときステージ13が最下降位置にあるので自由に引き出すことができる。補充リジェクト紙幣が該ボックス14内に存在する場合はその補充リジェクト紙幣を該ボックス14から抜き出し、空となった補充リジェクトボックス14を機体1に装着する。機械管理者等は中央精算所へ行き、補充リジェクト紙幣があるときはそれを精算所へ渡すとともに、補充紙幣として千円紙幣、万円紙幣を各300枚ずつ受けとる。
【0128】
その紙幣を機体1まで持ち来たし、機体1の背面の扉4を開け、ステージ13上へ計600枚の紙幣を揃えて積載する。
【0129】
次に補充釦Dを押すと図9に示すスイッチD21がONとなり、制御部100を通じてモータMが駆動され、ステージ13が上昇して前記積載した重積紙幣の上面が補充繰り出し部12に押圧され、その押圧状態が位置検知センサ群Snで検知されるとモータMが一時停止するとともにモータM、Mが共に回転する。
【0130】
そのとき未だクラッチCは非励磁(一定時間経過後に励磁)であり、補充繰り出し部12は停止しているが、この補充繰り出し部12以降の搬送路10aおよび10b、10f、10gはモータM,Mの回転で駆動される。また補充紙幣識別部11も識別可能となる。
【0131】
一方、表示ランプLが点灯状態となり、補充動作中であることを知らせる。また搬送路センサ群Sm、位置検知センサ群Snが作動可能な状態となる。そして切換部G、G、Gに対応するソレノイドSD、SD、SDが補充紙幣識別部11への識別信号、搬送路センサ群Smに基づいてON、OFFの切り替えが可能となる。
【0132】
そのときクラッチCがONとなり、補充繰り出し部12が駆動され、紙幣の繰り出しが開始される。この繰り出しは、繰り出された紙幣が補充紙幣識別部11で識別される都度、次の紙幣の繰り出しが行われるピッチとスピードとで繰り出される。
【0133】
また補充繰り出し部12で紙幣が繰り出されることに応じて位置検知センサ群Snを通じてモータMが間欠駆動し、ステージ13が所定量ずづ上昇して重積紙幣が所定圧で補充繰り出し部12へ押し付けられ、紙幣の連続的な1枚繰り出しが続けられる。
【0134】
こうして繰り出された紙幣が補充紙幣識別部11で千円紙幣と識別されると千円用の一時保留部2aへ、万円紙幣と識別されると万円用の一時保留部2aへ水平状態に集積され、それ以外の紙幣や2枚重なりの紙幣等のリジェクト紙幣は補充リジェクト紙幣として補充リジェクトボックス14内へ水平状態で送り込まれて集積される。例えば補充紙幣識別部11で千円紙幣がまず100枚識別されるとクラッチCが非励磁となり、補充繰り出し部12が一時停止し、モータMも一時停止状態となる。
【0135】
一方、、搬送路10a、10b内の紙幣がその識別結果に応じた一時保留部2a、2a、補充リジェクトボックス14に受収される時間を見越してモータM、Mが停止する。
【0136】
次いでモータMが所定時間回転し、一時保留部2a、2aの一対の底板2a11、2a11、2a21、2a21が下方へ観音開きされ、各集積一時保留紙幣は各出金紙幣収納部2、2へ集積状態の底部上に積まれる。また各出金紙幣収納部2、2へ収納された紙幣枚数は制御部100の記憶部に記憶される。
【0137】
モータMの継続回転により一対の底板2a11、2a11、2a21、2a21が閉じ、モータMが停止する。
【0138】
その直後にモータM、Mの回転とクラッチCのON(励磁)とにより再び補充紙幣の繰り出し、補充紙幣識別部11による識別、千円紙幣および万円紙幣の一時保留部2a、2aへの一時保留集積、補充リジェクト紙幣の補充リジェクトボックス14への収納が行われる。
【0139】
再び一方の一時保留部2aまたは2aが100枚になると、前回と同様に補充繰り出し部12がクラッチCのOFF(非励磁)で停止し、その後モータM,Mが停止する。次いでモータMの回転で一対の底板2a11、2a11、2a21、2a21が開き、一時保留紙幣は各出金紙幣収納部2、2へ収納される。
【0140】
そのとき各金種用の一時保留枚数は制御部100の記憶部へ加算され、各出金紙幣収納部2,2の各収納枚数合計値として前記記憶部に記憶される。
【0141】
同様にして補充・回収紙幣収納部13内のすべての紙幣を出金紙幣収納部2,2、補充リジェクトボックス14へ収納する。その収納が終了すると、補充・回収ランプLは消灯し、補充モードは終了する。
【0142】
また補充モードの動作途中で補充リジェクトボックス14内の補充リジェクト紙幣の量が満杯になったときは、補充リジェクトランプLは点滅から点灯に移行する。
【0143】
一方、クラッチCの非励磁、搬送路10a、10b内の紙幣が各一時保留部2、2、補充リジェクトボックス14へ収納(満杯時であっても数枚の紙幣の収納は可能に設定)する時間経過後のモータM、Mの停止、モータMの逆転によるステージ13の最下降位置への移動がそれぞれに行われ、補充リジェクトボックス14を引き抜いて補充リジェクト紙幣を取り出し、空になった補充リジェクトボックス14を再度機体1にセットする。
【0144】
すると今度は補充釦Dを押さずともステージ13が上昇し、補充釦Dの押圧がなされた場合と同様に補充モードが続行され、前述の動作を繰り返してステージ13上のすべての紙幣が繰り込まれて補充モードが終了する。
【0145】
B)出金モード
まず顧客が図9における操作部101により出金額の入力、その額と受け取る権利者であることを証する証書の読み取りによる入力がなされる。
【0146】
この操作部101からの入力と上位機からの出金指令信号Pxとにより各出金紙幣収納部2、2から紙幣の出金繰り出しが行われる。
【0147】
すなわちモータM,M,M,M(高速回転)が駆動され、搬送路10a、10b、10c(10hを含む)、10d、10e、10f、10gが駆動される。またモータMは停止していて底板2a11、2a11、2a21、2a21は閉じた状態におかれている。モータMは所定時間駆動したのち停止し、仕切板6は図8の実線図示位置から二点鎖線図示位置まで上昇して停止し、出金リジェクト紙幣の受け入れに備える。モータMについては、図2の実線図示位置から所定角度回転し、昇降フレーム25が下降した位置に対応する位置で停止する。
【0148】
なおモータMは、補充モードと回収モードで使用され、出金モード時には使われないので停止状態のままである。また出金紙幣識別部16、搬送路検知センサ群Sm、位置検知センサ群Sn、切換部G〜Gを作動するソレノイドSD〜SDも作動可能な状態になる。
【0149】
出金紙幣が2金種の両方である場合は、出金紙幣収納部2の方から、また1金種の場合はその金種の出金紙幣収納部2または2の紙幣を出金する。
【0150】
なお繰り出し部15、15は、キッカローラ151−1、152−1の1回転で1枚の紙幣が繰り出される関係に設定されている。
【0151】
具体例として、出金額が15万8千円と仮定すると、まずクラッチCが励磁され、繰り出し部15が駆動されて千円紙幣8千円分、すなわちキッカローラ151−1が8回転分駆動される。その間に繰り出された紙幣は出金紙幣識別部16で識別され、千円紙幣と識別された紙幣は搬送路10dから紙幣一時保留部9へ水平姿勢で集積される。一方、出金紙幣識別部16で千円紙幣と識別された時点で制御部100の記憶部の千円紙幣収納枚数合計値から1枚分減算される。その時の受台23は図2、図5の二点鎖線図示の位置にある。
【0152】
一方、出金紙幣識別部16で出金に使用し得ないリジェクト紙幣と判断された出金リジェクト紙幣は、搬送路10eから出金リジェクト紙幣収納部5bへ送り込まれて水平状態に集積される。
【0153】
また出金紙幣識別部16で不具合い紙幣(斜行紙幣、異常接近紙幣等と判断されて再繰り出し可能と判断された紙幣)と判断された紙幣は、搬送路10eから搬送路10fへ分岐され、搬送路10a、10bを通って一時保留部2aへ送られる。そしてキッカローラ151−1の8回転でクラッチCを一旦停止させる。出金紙幣識別部16で出金リジェクト紙幣あるいは不具合紙幣と判断された紙幣の場合は、制御部100の記憶部の千円紙幣枚数値から減算はされない。
【0154】
上記のキッカローラ151−1の8回転で正規の千円紙幣8枚が出金紙幣識別部16で識別され、紙幣一時保留部9へ送られる場合は出金紙幣収納部2からの繰り出しは終了するが、正規の千円紙幣が例えば6枚と識別されるとクラッチCを再度励磁し、キッカローラ151−1を2回転追加される。
【0155】
これにより2枚の正規の千円紙幣が識別されて紙幣一時保留部9へ収納されると、出金紙幣収納部2からの紙幣の繰り出しが終了する。それでも8枚の正規の千円紙幣の繰り出しに至らないときは、不足の千円紙幣の枚数分クラッチCを励磁させてキッカローラ151−1を追加回転させ、8枚の正規の千円紙幣の識別がなされると出金紙幣収納部2からの繰り出しを終了する。
【0156】
次いでクラッチCが励磁され、出金紙幣収納部2から上記と同様な繰り出し方法により15万円分、すなわち15枚の正規の万円紙幣が繰り出されて出金紙幣識別部16で識別され、紙幣一時保留部9へ集積状態で一時保留される。
【0157】
その途中で出金紙幣識別部16が出金リジェクト紙幣と識別すると、その出金リジェクト紙幣は搬送路10eから出金リジェクト紙幣収納部5bへ送り込まれ、水平状態で集積される。また出金紙幣識別部16で不具合い紙幣と識別された紙幣は搬送路10eから搬送路10fへ分岐され、搬送路10a、10eを通って、一時保留部2aへ水平状態で集積される。
【0158】
なお図8に上記紙幣の流れを示しているが、図において実線は出金正規紙幣のルート、破線は出金リジェクト紙幣のルート、鎖線は不具合い紙幣のルートをそれぞれに示している。
【0159】
前記のように搬送路センサ群Smを通じて紙幣一時保留部9へ15万8千円分の正規紙幣が揃えられて集積されたことが確認されると、モータM、M、M、Mが停止し、搬送路10a、10b、10c(10hも含む)、10d、10e、10f、10hが停止する。
【0160】
一方、モータMが起動し、カム41が回動してその高所41bでローラ45を介してリンク部材43を上方へ揺動させ、これに伴って昇降フレーム25がガイドロッド27およびプーリー軸31のピニオン39、39とラック40、40との噛合により水平状態を保って上昇する(図2示)。
【0161】
昇降フレーム25の上昇途中で受台23はストッパ49、49に当ってそれ以上の上昇が抑えられ、これにより集積状態の一時保留紙幣は受台23上から下部搬送体22のベルト36、36上へ移載される。これと共に第2ギヤ61が第1ギヤ59に当接し、噛合可能な状態となる。
【0162】
昇降フレーム25および下部搬送体22はさらに上昇し、図2および図5に示す位置でセンサ46、47によるモータMの停止により停止する。
【0163】
この下部搬送体22の上昇途中で一時保留紙幣の上面が上部搬送体21の下面に押し付けられ、紙幣の集積量に応じた量だけ上部搬送体21が押し上げられて両搬送体21、22間に集積紙幣が狭持される。
【0164】
次いでセンサ46、47および他のセンサ(図9における位置検知センサ群Sn)によりモータMが低速回転し、上下の搬送体21、22により集積紙幣が出金口部8から一部が突出した状態になるまで搬送し、その一部が突出した時点でモータMの停止(図9における搬送路センサ群Smによる)により停止する。
【0165】
顧客が出金口部8から集積紙幣を引き抜いて受け取ることにより出金紙幣の支払いは終了する。
【0166】
それと共にモータMが再起動し、下部搬送体22および受台23は図2に示す下降位置に下がるとともにモータMが停止する。またモータMが起動し、一対の底板2a11、2a11、2a21、2a21が開き、不具合い紙幣を出金紙幣収納部2、2へ収納した後、各一対の底板2a11、2a11、2a21、2a21が閉じ、モータMが停止する。
【0167】
以上で出金モードは終了となる。
【0168】
なお、出金口部8から集積紙幣が所定時間経過しても引き抜かれない場合は、制御部100を通じてまずモータMが起動し、仕切板6を下降させて図8の一点鎖線図示位置に位置させたのちモータMが停止となる。
【0169】
次に制御部100を通じモータMが逆方向に低速回転し、集積状態のまま紙幣は搬送路10d、10eを通って回収収納部5aへ送られる。搬送路センサ群Smが集積紙幣の回収を回収収納部5aへの収納により検知するとモータMが停止する一方、モータMが起動し、仕切板6を図1の実線図示位置まで上昇させると停止する。そのとき取り忘れ取り込み・単位回収ランプLが点灯する。
【0170】
機械管理者等は扉7aを開け、取り忘れの出金紙幣を取り出す一方、その動作でモータMが起動し、一対の底板2a11、2a11、2a21、2a21が開き、不具合い紙幣が各出金紙幣収納部2、2へ収納されて出金モードが完了する。
【0171】
このときの制御部100の記憶部の千円および万円の各収納枚数合計値は、各出金紙幣収納部2,2内の紙幣枚数と出金リジェクト紙幣収納部5b内の紙幣枚数との合計値であるとの考え方に立つ。
【0172】
なお、出金リジェクト紙幣収納部5bが満杯で取り出すときは、その金種別枚数を目で確認し、制御部100を操作して記憶部の千円、万円の各収納枚数合計値から減算させる。
【0173】
C)単位回収モード
単位回収モードとは、出金紙幣収納部2、2から100枚単位で紙幣を回収するモードである。この場合、千円紙幣または万円紙幣のいずれかを100枚、あるいは千円紙幣と万円紙幣とを組み合わせて100枚のいずれであってもよく、上位機から制御部100への指令信号Pxによって決められる。
【0174】
ここでは前記指令信号Pxが各出金紙幣収納部2、2からそれぞれ千円紙幣と万円紙幣を50枚ずつ計100枚を回収する場合について説明する。
【0175】
上記指令に基づいてまずモータMが起動し、仕切板6が図1の実線図示位置から図8の一点鎖線図示位置にまで下降移動して停止する。
【0176】
各出金紙幣収納部2、2からの紙幣の繰り出しと搬送は前記出金モード時と同じである。異なる点としては、回収リジェクト紙幣を紙幣一時保留部9へ一時保留することと、回収不具合い紙幣を一時保留部2a、2aへ受収し、処理の終了時に出金紙幣収納部2、2へ収納することなどである。
【0177】
すなわち出金紙幣収納部2から紙幣が繰り出され、出金紙幣識別部16で正規の千円紙幣と識別された紙幣は搬送路10eを通って回収収納部5aへ送り込まれ、水平状態で集積される。その間に出金紙幣識別部16で回収リジェクト紙幣と判断された紙幣は紙幣一時保留部9へ集積される。また出金紙幣識別部16で回収不具合い紙幣と判断された紙幣は、繰り出された出金紙幣収納部2に対応する一時保留部2aに受収される。
【0178】
出金紙幣収納部2から繰り出されて識別された紙幣が正規の千円紙幣で50枚になると、同様にして出金紙幣収納部2から万円紙幣の繰り出しに移行し、出金紙幣識別部16により正規の万円紙幣であると判断されると回収収納部5aへ、回収リジェクト紙幣は紙幣一時保留部9へ、回収不具合い紙幣は一時保留部2aへ受収される。
【0179】
合計100枚の紙幣が識別され、正規紙幣と判断されて回収収納部5aに収納(出金識別部16と搬送路センサ群Smとによる確認)されると、モータM、M、M、Mが停止する一方、モータMが起動して仕切板6が図1の実線図示位置へ上昇して停止する。
【0180】
一方、取り忘れ取り込み・単位回収ランプLを点灯させ、単位回収紙幣の取り出しを機械管理者等に促す。そして機械管理者等が扉7aを開けて単位回収紙幣を取り出すと、前記ランプLは消灯する。
【0181】
次いでモータMが再起動し、仕切板6を図1の実線図示位置から図8の二点鎖線図示位置まで上昇させて停止する。
【0182】
次に出金一時保留部9の回収リジェクト紙幣を上部搬送体21と下部搬送体22とで挟着し、モータMの低速回転により両搬送体21、22が図1および図8の右方向に駆動され、回収リジェクト紙幣は搬送路10d、10eを通って出金リジェクト紙幣収納部5bへ集積状態のまま受収される。
【0183】
出金リジェクト紙幣収納部5bに紙幣が収納されると、位置検知センサ群Sn(図9)の一つによりそれを検知し、モータMを停止させるとともにモータMを再起動させ、仕切板6を図1において実線図示位置まで上昇させて停止する。
【0184】
一方、モータMが起動し、各一対の底板2a11、2a11、2a21、2a21を開き、一時保留されている回収不具合い紙幣を各出金紙幣収納部2、2へ収納し、そのモータMを停止させる。なお回収紙幣が出金紙幣識別部16で正規紙幣と判断されたときはその都度制御部100の記憶部の千円、万円紙幣の対応する枚数値から1枚ずつ減算されて行く。回収不具合紙幣と回収リジェクト紙幣は各枚数値から減算されない。
【0185】
D)回収モード
この回収モードも各モータM、M、M、Mの駆動は他のモードの場合と同様であるので、他の異なる点のみについて説明する。
【0186】
図9において、回収モードに関する指令信号Pxが制御部100に入力されることを条件に機械管理者等が図10の回収釦Dを押すと、表示ランプL(図10示)が点滅する。
【0187】
一方、図1および図8のステージ13がモータMにより上昇し、停止状態にある補充繰り出し部12から所定寸法だけ下降した位置になる。
【0188】
また補充・回収紙幣収納部3の図1、図8における上部左側にある紙幣繰り込み12A(切換部G近傍位置)の紙幣繰り込みベルト、プーリー、および対向するローラ(それぞれモータMで駆動)はこれらを被覆していたガイド(図示せず)が退避し、回収紙幣の繰り込みが可能な状態となる。この状態でモータMが起動し、仕切板6を図8の二点鎖線図示位置へ上昇位置させて停止する。このときクラッチCは非励磁のままで補充繰り出し部12は停止状態におかれている。
【0189】
次いでまずクラッチCが励磁され、出金紙幣収納部2内の、紙幣が1枚ずつ繰り出され、出金識別部16で正規の回収紙幣か、回収リジェクト紙幣か、回収不具合い紙幣かが識別される。このとき制御部100の記憶部の千円紙幣枚数値から正規回収紙幣と判断された紙幣のみが減算される。なお万円紙幣についても同じである。
【0190】
正規の回収紙幣は、搬送路10C(10hを含む)、10e、10f、10a、10b、切換部Gを通じてステージ13上へ水平姿勢で集積される。このとき最上位の紙幣と補充繰り出し部12との間に適正な間隔を保つよう、紙幣の回収枚数に応じてモータMを間欠的に逆転駆動し、ステージ13を所定量ずつ下降させる。
【0191】
また回収リジェクト紙幣は、出金リジェクト紙幣収納部5bに受収する。さらに回収不具合い紙幣は搬送路10c(10hを含む)、10e、10f、10a、10b、切換部Gを通じて一時保留部2aへ送られる。
【0192】
出金紙幣収納部2内のすべての紙幣が繰り出されたことを位置検知センサ群Snの一つが検知するとクラッチCが非励磁とされ、繰り出し部15が停止する。次にモータMが起動して一対の底板2a11、2a11(2a21、2a21も同時に開く)が開いて一時保留紙幣が出金紙幣収納部2内へ収納される。
【0193】
次にクラッチCが励磁され、紙幣を再度繰り出し、出金紙幣識別部16で正規の回収紙幣と判断されると補充・回収紙幣収納部3へ、回収リジェクト紙幣および回収不具合い紙幣は出金リジェクト紙幣収納部5bに受収される。
【0194】
こうして出金紙幣収納部2内のすべての紙幣の繰り出し、搬送、受収がなされると、クラッチCが非励磁になるとともにクラッチCが励磁され、万円紙幣の回収動作に移行する。
【0195】
この万円紙幣に関しても出金紙幣識別部16で万円正規回収紙幣、回収リジェクト紙幣、回収不具合い紙幣に区分され、補充・回収紙幣収納部3、出金リジェクト紙幣収納部5b、一時保留部2aのそれぞれに送られる。
【0196】
そして出金紙幣収納部2内のすべての紙幣が繰り出され、識別、搬送、受収が行われると、クラッチCが非励磁となり、繰り出し部15を停止させるとともにモータMが起動し、一時保留紙幣を出金紙幣収納部2内へ収納する。
【0197】
次いでクラッチCが再度励磁され、出金紙幣収納部2内の紙幣が繰り出され、回収正規紙幣は補充・回収紙幣部3へ、回収リジェクト紙幣と回収不具合紙幣は出金リジェクト紙幣収納部5bへ受収される。
【0198】
次にモータMを起動させ、仕切板6を図1の実線図示位置へ移動させて停止する。またモータM、M、M、M(高速回転)を停止させる。
【0199】
一方、モータMは逆転方向に連続回転し、ステージ13が図1、図8、図13において最下降位置に移動して停止する。また補充・回収ランプLは、回収途中では点滅しているが、ステージ13が最下降位置まで下がると点灯に切り替わる。そして機械管理者等が扉4を開け、回収紙幣のすべてを取り出すと上記ランプLは消灯される。
【0200】
出金リジェクト紙幣収納部5bについては、出金または回収リジェクト紙幣が存在するとランプLは点滅し、それらの紙幣が満杯になると点灯(この場合、紙幣を取り出さない限り機械は作動しない)し、仕切板6が図1、図8の実線図示位置に位置していることを条件に扉7bが開放でき、出金および回収リジェクト紙幣を取り出すことができる。この出金および回収リジェクト紙幣の金種別枚数を人手により確認し、制御部100の記憶部の千円、万円の紙幣の各枚数値から減算すると千円、万円紙幣の各枚数値は零となる。
【0201】
以上で回収モードは終了する。
【0202】
なお上記において単位回収モードあるいは回収モードで取り出した回収紙幣、回収および/または出金リジェクト紙幣は中央精算所へ持参して手渡す。
【0203】
E)無計数補充モード
前記の(A)補充モードとは別にこの無計数補充モードがある。この(E)無計数補充モードと前記(A)補充モードとの相違は、(A)補充モードでは機外紙幣を機内へ補充するのに対し、(E)無計数補充モードは機内に存在する紙幣(出金リジェクト紙幣収納部5b内の紙幣)を出金紙幣収納部2,2へその一時保留部2a,2aを経由して補充することと、補充紙幣識別部11で正規の千円、万円紙幣と識別されてもその計数値を制御部100の記憶部の千円、万円紙幣の各枚数値に加算しないことである。
【0204】
上記記憶部の千円、万円紙幣の各枚数値は、(B)出金モード、(C)単位回収モード、(D)回収モードの説明においても述べたように、出金紙幣収納部2,2から繰り出されて出金紙幣識別部16で識別される不具合紙幣、出金リジェクト紙幣、回収リジェクト紙幣の各枚数値は減算されていない。
【0205】
すなわち出金紙幣収納部2,2内の各紙幣枚数と、出金リジェクト紙幣収納部5b内の紙幣の各枚数(出金リジェクト紙幣でも人の目で見ると千円紙幣と万円紙幣とを区分け可能であり、各金種紙幣の枚数を指す)の各合計値が制御部100の記憶部の千円および万円紙幣の各枚数値と一致するとの考えからである。
【0206】
この(E)無計数補充モードの時に補充紙幣識別部11で不具合紙幣またはリジェクト紙幣と判断された紙幣は、搬送路10g(本発明でいう第2接続搬送路に相当)、搬送路10eを通って出金リジェクト紙幣収納部5bへ送られる。
【0207】
以下にその動作について説明する。
【0208】
例えば出金途中で金種別出金紙幣収納部2,2内の紙幣が減少して出金額に達しない場合、すなわち1人の顧客との取引の途中で金種別出金紙幣収納部2,2内の紙幣が減少して出金できなくなる場合がある。
【0209】
このような場合、図9において上位機から無計数補充モードの指令信号Pxが制御部100に入力される。これにより(B)出金モードの取引動作途中の場合は制御部100は出金取引中断状態となる。次いで出金・回収リジェクトランプL(図10示)が点灯し、出金リジェクト紙幣収納部5b内の紙幣の取り出しを機械管理者等に促す。また補充・回収ランプLが「長い間隔の点滅」を繰り返し、「無計数補充モード」の操作を機械管理者等に促す。
【0210】
機械管理者等は出金リジェクト紙幣収納部5b内の紙幣をすべて取り出し、補充・回収紙幣収納部3へ装填する。
【0211】
次に補充釦Dを押すと、仕切板6が図8に二点鎖線図示位置へ上昇し、次いでステージ13が上昇し、ステージ13上の紙幣が補充繰り出し部12に押しつけられて以降、前記(A)補充モードと同様に紙幣が繰り出され、補充紙幣識別部11で正規紙幣と判断されると搬送路10a,10bを通じ各対応する一時保留部2a,2aへ、リジェクト紙幣または不具合紙幣と判断された紙幣は搬送路10aから切換部Gを通じて搬送路10gへ送られ、合流部19において搬送路10eに至り、出金リジェクト紙幣収納部5bへ送られる。
【0212】
補充・回収紙幣収納部3内の紙幣が無くなり、補充紙幣識別部11を通過した最後の紙幣が一時保留部2a,2a、出金リジェクト紙幣収納部5bのいずれかに入る時間経過したのちに仕切板6を図1の実線図示位置へ位置させる一方、一時保留部2a,2aの底板2a11,2a11,2a21,2a21を開放させて一時保留紙幣を千円および万円の各出金紙幣収納部2,2へ収納させる。
【0213】
この状態で機械は停止し、(E)無計数補充モードは終了する。なお(B)出金モードの取引中断の場合は、(E)無計数補充モードが終了すると自動的に(B)出金モードの取引中断が解除され、出金動作が引き続き継続して動作される。
【0214】
以上で(A)〜(E)の各モードの動作説明を終わる。
【0215】
ところで、図示の実施形態では、紙幣一時保留部における紙幣の集積方向を上下方向とした場合について示したが、紙幣を立位姿勢で集積するものであってもよい。
【0216】
また一時保留紙幣が所定量になると一時保留紙幣を集積状態で送出する時期は、出金紙幣である場合は操作入力される出金希望金額と実際に繰り出される出金一時保留金額が一致した段階でその一時保留紙幣が自動的に出金のために送出される態様、あるいは上記一致後の出金承認操作によって出金送出される態様のいずれであってもよい。
【0217】
第1搬送体(上部搬送体)および第2搬送体(下部搬送体)は、ベルト構造によるほかローラ構造、ベルトとローラとの組み合せ構造とすることができる。
【0218】
また受台の紙幣集積位置は、一定位置としてもよいほか、第1搬送体と一時保留紙幣上面との間に適切な間隔が空くよう一時保留紙幣量の増加とともに第1搬送体に対し離反させるよう制御するようにしてもよい。
【0219】
さらに本発明における第1切換部はソレノイドSDと切換部Gが、また第2切換部はモータMと仕切板6がこれに相当する。
【0220】
図示の実施形態においては、機体1の上部に配設される出金口部8、紙幣一時保留部9、回収口部(回収収納部5a、出金リジェクト紙幣収納部5b)およびこれらに関連する扉7a,7b、一括搬送路(搬送路10d,10e,10fの一部、10gの一部、10h)、切換部G,Gが組み込まれる第1ユニットUと、搬送路10a,10b,10d,10gの一部、10fの一部、切換部G,G,Gが組み込まれる第2ユニットUが機体1に対し上方へ向け回動させて内部を開放することができるように構成されている。
【0221】
上記第1ユニットUは、図14に示すようにその枠体150の前部側下部が機体1側に枢軸151により枢支されていて、この枢軸151を支点として後方部を機体1に対し上方へ開動可能とされ、前記第2ユニットUはその枠体152の前部側下部が機体1側に枢軸153により支持されていて、この枢軸153を支点として後方部を機体1に対し上方へ開動可能とされている。
【0222】
そして前記第1ユニットUの枠体150はその前後方向中央下部が台形状に凹陥されていてこの凹部150a内に第2ユニットUの機枠152が丁度嵌り込めるようになっており、これらユニットU,Uを閉止したとき各関連する搬送路が図1のように連通状態に接続されるようになっている。
【0223】
図15〜図17は前記第1ユニットUおよび第2ユニットU部分の動作態様を内部機構を省略して示すもので、これらユニットU,U部分には相互ロック機構154が設けられており、この相互ロック機構154は第2ユニットUを閉じない限り第1ユニットUを閉じることができないようにして不慮の事故が起きないようにするためのものである。
【0224】
ここにおいて図15は第1、第2ユニットU,Uの双方の閉止状態時、図16は第1ユニットUのみ開放した状態時、そして図17は第1、第2ユニットU,Uの双方の開放状態時をそれぞれ示している。
【0225】
上記相互ロック機構154は、後端近くが機体1に枢軸155(枢軸153と同じ軸で、その大径軸部分を指す)により揺動自在に支持された第2ユニットロック部材156と、第2ユニットUに前端が枢支された第2ユニットロック兼ロック解除部材157と、機体1側に軸158により軸支されたストッパリンク159と、このストッパリンク159に連結された中継リンク160と、後端部が機体1側に枢軸161aにより揺動自在に支持された第2ユニットロック解除部材161とを有している。
【0226】
前記第2ユニットロック部材156側は前部側にロック孔162が形成されており、このロック孔162に第1ユニットUの枠体150に突設されたピン163が遊嵌されている。このロック孔162は、前記第1ユニットUを開放位置(図16、図17示の状態)としたとき前記ピン163が係合して第1ユニットUの閉止を阻止する第1ロック部164と、開放中間位置で前記ピン163が係合する第2ロック部165とを有する変形長孔状を有しており、これらロック部164,165間は長孔で連なっていてその末端は第1ユニットUの閉止時に前記ピン163が当接するストッパ部166とされている。また前記枢軸155より後方の端部には2叉状の係合部167が形成されており、上辺には手掛け168が水平方向に屈曲形成されている。
【0227】
前記第1ユニットロック兼ロック解除部材157は、第2ユニットUの枠体152に枢軸169により揺動自在に支持され、その枢軸169とは反対側の端部にはピン170が突設されており、このピン170は機体1に固設のガイド部材171の水平方向に形成されたガイド孔172に嵌合されている。
【0228】
このガイド孔172は、機体1の前後方向の前端部および中央部に前記ピン170が落ち込む凹部173,174が形成されており、第2ユニットUが全開位置におかれたとき前記ピン170が前部側の凹部173に嵌合して静止し、その閉止途中で中央部の凹部174に嵌合して半開き状態を保持し、さらに閉じきったときガイド孔172の後端に位置されるようになっている。なお157bは操作用の取手を示す。
【0229】
前記ストッパリンク159は、機体1側に軸158により枢支され、その一端に前記第1ユニットロック兼ロック解除部材157の二叉状の係合部167に嵌入し得るストッパピン175が突設され、後端にはピン176が突設されていて、このピン176は中継リンク160の前端の長孔177に嵌入されている。
【0230】
この中継リンク160は、中央部が機体1側に枢軸160aにより揺動自在に支持され、その後端の段部178の上面が機体1側に設けられたストッパ179に当接自在とされている。またこの中継リンク160の枢軸160aより前部側と第2ユニットロック解除部材161の後端部との間に引張りバネ180が張装され、第2ユニットUが閉じられたときその第2ユニットロック兼ロック解除部材157の枢軸169に近い位置の下面の突部157aが中継リンク160の後方上面に当接して中継リンク160が図において時計方向に回動されるようになっている。
【0231】
前記第2ユニットロック解除部材161は、前記第2ユニットロック部材156および第2ユニットロック兼ロック解除部材157に直接手を触れることなくロック解除させるためのもので、その前端側に前記枢軸161aを中心とする円弧状の縦長の孔181を有し、この孔181に機体1側のピン182が嵌合されていてこの孔181の長さの範囲だけ該ロック解除部材161をその枢軸161aを支点に上下方向に揺動自在とされている。
【0232】
この第2ユニットロック解除部材161の上面には前記ストッパリンク159の一端に植設されたストッパピン175と関係する傾斜面183が後方に向けて下り傾斜に形成されている。
【0233】
またこの第2ユニットロック解除部材161の前記孔181の上端近くにはピン184が突設されており、このピン184は前記第2ユニットロック部材156の下面に当接自在とされ、このロック部材156を上方へ押し上げるように揺動させることにより前記ピン184を介して第2ユニットロック部材156をその枢軸155を中心に図において時計方向に回動させることができるようになっている。
【0234】
次に上記相互ロック機構154の作用を説明する。
【0235】
図15に示すように第1ユニットUおよび第2ユニットUが閉止されている機械稼働時には、第1ユニットUのピン163は第2ユニットロック部材156のガイド孔162のストッパ部166に位置されており、また第2ユニットUの第2ユニットロック兼ロック解除部材157は水平姿勢におかれていてそのピン170はガイド部材171のガイド孔172の後端に位置されている。
【0236】
この第2ユニットロック兼ロック解除部材157の倒伏によりその突部157aが中継リンク160の後部上面に当たってこれを押し上げており、それにより中継リンク160の前端側の長孔177を介してストッパリンク159のピン176を上方へ稼働させて該ストッパリンク159を軸158を中心に反時計方向に回動してこのストッパリンク159のストッパピン175は第2ユニットロック部材156の二叉状の係合部167から抜け出た位置におかれている。
【0237】
また上記ストッパリンク159の下端部でそのストッパピン175より前側の下面は第2ユニットロック解除部材161の傾斜面183に接しておかれている。さらに第1ユニットUのピン163は第2ユニットロック部材156のロック孔162の後端に位置している。
【0238】
この状態から第1ユニットUの枠体150の後端に手を掛けて持ち上げ、他方の手を第2ユニットロック部材156の手掛け168に掛けて上方へ持ち上げるようにすれば、第1ユニットUは枢軸151を支点として上方に開くとともにそのピン163は第2ユニットロック部材156のロック孔162内を移動してその第1ロック部164に至り、その位置で第1ユニットUから手を放せばピン163は図16に示すように第1ロック部164に嵌合し、第1ユニットUの開放状態を保つ。このとき他の部材は図15の状態のままにおかれている。
【0239】
次いで第2ユニットUの後端に手を掛けて持ち上げると、第2ユニットUは枢軸155を支点として開く。このとき第2ユニットロック兼ロック解除部材157の取手157bに手を掛けて補助しつつ第2ユニットUを開けばそのピン170はガイド孔172の前端の凹部173に嵌合し、図17の状態となって静止する。
【0240】
一方、上記第2ユニットロック兼ロック解除部材157の上方への回動によりその突部157aが中継リンク160から離反することにより該中継リンク160はバネ180の作用により枢軸160aを中心に反時計方向に回動し、その前端の長孔177を介してストッパリンク159を軸158を中心に時計方向に回転させる。
【0241】
これによりストッパリンク159のストッパピン175は前記の第2ユニットロック部材156の係合部167内に嵌入し、当該ロック部材156を揺動不能に拘束する(図17示)。
【0242】
したがって第2ユニットUを開けた状態で第1ユニットUを閉じようとしても、第2ユニットロック部材156は前記ストッパピン175が係合部167に嵌合していることにより動くことができず、これにより第1ユニットUを閉じることはできない。
【0243】
図17に示す両ユニットU,Uの開放状態からこれらを閉じるときは、まず第2ユニットロック兼ロック解除部材157の取手157bに手を掛けて若干引き上げるようにすれば、そのピン170がガイド孔172の凹部173から外れ、次いで第2ユニットUを閉じれば前記ピン170がガイド孔172内をスライドして後退し、第2ユニットUを閉じることができる。
【0244】
第2ユニットUが閉じ終わる直前に至ると、第2ユニットロック兼ロック解除部材157の突部157aが中継リンク160の枢軸160aより後方の上面を押圧するので中継リンク160はバネ180による付勢に抗して時計方向に回動し、これによりストッパリンク159は長孔177とピン176を介して反時計方向に回動するのでそのストッパピン175は第2ユニットロック部材156の二叉状の係合部167から抜け出し、該ロック部材156の拘束が解かれる。
【0245】
次いで第1ユニットUの後端を若干上方へ持ち上げつつ第2ユニットロック部材156の手掛け168に手を掛けてそのロック孔162の第1ロック部164からピン163を外せばそのまま第1ユニットUを閉じることができ、図15の状態に復する。
【0246】
なお上記第2ユニットロック部材156の手掛け168に手を掛けにくいときは、第2ユニットロック解除部材161を上方へ押し上げるように回動させれば、そのピン184が第2ユニットロック部材156を押し上げる方向に回動させ、これによりピン163を第1ロック部164から外すことができる。これは第2ロック部165においても同様である。
【0247】
したがって上記実施形態によれば、第2ユニットUが開いている場合は第1ユニットUを閉じることができず、操作中に手を挟むような危険性を皆無とすることができる。なお第1ユニットU、第2ユニットUが図15に示す位置に閉じられたときの位置を保持するため適宜な錠(通称パッチン錠)により固定するようになされている。
【0248】
【発明の効果】
以上説明した本発明によれば下記の効果を得ることができる。
【0249】
請求項1記載の発明によれば、出金に使用する紙幣の機内への補充と機内からの回収とを容易に行うことができ、また出金リジェクト紙幣収納部の出金リジェクト紙幣の取り出しも容易とすることができ、これらにより機械の操作性の向上を図ることができる。
また、出金途中で金種別紙幣収納部内の紙幣が減少して出金額に達しない場合、すなわち或る顧客の取引途中で金種別紙幣収納部内の紙幣が減少して出金することができなくなった場合等に直ちに補充することができ、これにより出金取引途中で顧客を長時間待たせるような不都合を解消することができる。
【0250】
請求項2記載の発明によれば、出金不正規紙幣につき出金に供し得べき再識別可能紙幣と出金に供し得ない出金リジェクト紙幣とに区分けし、再識別可能紙幣を出金に供するようにしたので、係員にとっては出金リジェクト紙幣の回収操作の機会や出金補充操作の機会が大幅に減少し、機械の操作性を格段に向上させることができる。
【0252】
請求項4記載の発明によれば、補充リジェクト紙幣も機体の背面から取り出せるので、係員の操作性をさらに向上させることができる。
【0253】
請求項5記載の発明によれば、補充リジェクト紙幣収納部のロック、アンロックのためにソレノイド等の電気的手段を一切用いることなく実施することができ、これにより電気制御が不要となって安価に構成することが可能となるとともに小型化し得る利点がある。
【0254】
請求項6記載の発明によれば、機体内の主たる搬送系を開放することができるのでメンテナンスが容易にできるとともに、第2ユニットを閉止させない限り第1ユニットを閉止することができないので、誤って両者の間に手指を挟むような事故を確実に防止することができ、安全で点検が容易な操作性のよい紙幣出金機とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による紙幣出金機の一実施形態を示す略示断面図。
【図2】図1における第2搬送体(下部搬送体)の昇降機構の一例を示す側面図。
【図3】同、平面図。
【図4】同、正面図。
【図5】第2搬送体への駆動部の一例を示す側面図。
【図6】同、平面図。
【図7】同、正面図。
【図8】紙幣の流れを示す説明図。
【図9】全体の制御ブロック図。
【図10】機体の背面図。
【図11】出金紙幣収納部の繰り出し部と搬送路(10c)の駆動系の説明図。
【図12】モータ(M)から搬送路(10d,10e,10h)への駆動伝達系の説明図。
【図13】引出し制御機構の側面図。
【図14】図1における第1ユニットおよび第2ユニットを開放した状態として示す略示断面図。
【図15】図14の第1、第2ユニットの相互ロック機構を示し、第1ユニットおよび第2ユニットの閉止時の右側面図。
【図16】同、第1ユニットのみ開いた状態時の右側面図。
【図17】同、第1、第2ユニットの双方を開いた状態時の右側面図。
【符号の説明】
1 機体
、2 出金紙幣収納部
2a、2a 一時保留部
3 補充・回収紙幣収納部
出金リジェクト紙幣収納部(出金リジェクト紙幣受収部)
8 出金口部
9 紙幣一時保留部
10a〜10h 搬送路
12 補充繰り出し部
12A 紙幣繰り込み部
14 補充リジェクト紙幣収納部
21 第1搬送体(上部搬送体)
22 第2搬送体(下部搬送体)
23 受台
24 昇降駆動部
25 昇降フレーム
36 ベルト
39 ピニオン
40 ラック
59 第1回転体(第1ギヤ)
61 第2回転体(第2ギヤ)
U1 第1ユニット
U2 第2ユニット
154 相互ロック機構
156 第2ユニットロック部材
157 第2ユニットロック兼ロック解除部材
159 ストッパリンク
160 中継リンク

Claims (6)

  1. 機体の前面上部に形成された出金口部と、機体の背面上部域に形成され前記出金口部からの取り忘れ紙幣を回収する回収口部と、
    前記出金口部の背部近傍に形成された出金一時保留部と、
    機体の下部域に配設され出金紙幣を集積状態で収納する複数の金種別出金紙幣収納部と、
    これら金種別出金紙幣収納部ごとにそれぞれ設けられ当該金種別出金紙幣収納部内の紙幣を1枚ずつ分離して繰り出す金種別紙幣繰り出し部と、
    これら繰り出し部により繰り出された紙幣を搬送するとともに途中に出金紙幣識別部を有し該出金紙幣識別部を通過した紙幣を上方に搬送する出金搬送路、およびその出金搬送路が接続されるとともに前記出金口部と回収口部とを接続すべく前後方向に設けられ前記出金紙幣識別部による識別結果に基づいて出金正規紙幣と判断された紙幣の前記出金一時保留部への送り込みと該出金一時保留部内の出金すべき集積紙幣の前記出金口部への送り出しと前記出金口部から取り出し忘れとなった集積紙幣の回収口部への集積状態での搬送を行う一括搬送路を有する紙幣搬送部と、
    前記出金紙幣識別部による識別結果に基づいて出金不正規紙幣と判断され前記紙幣搬送部から分岐される紙幣を出金リジェクト紙幣として受収する出金リジェクト紙幣受収部と
    を有する紙幣出金機において、
    前記機体の背面下部域に設けられ上部に紙幣の繰り出し部および繰り込み部を有する補充・回収紙幣収納部と、
    この補充・回収紙幣収納部の前方へ向けて配設され上部に一時保留部を、下部に紙幣繰り出し部を有する金種別出金紙幣収納部と、
    前記機体内で前記回収口部近傍に設けられ機体の背面から出金リジェクト紙幣の取り出しが可能とされた出金リジェクト紙幣受収部と、
    この出金リジェクト紙幣受収部から離隔して設けられた補充リジェクト紙幣収納部と、
    前記補充・回収紙幣収納部からその繰り出し部により繰り出される紙幣を搬送し補充紙幣識別部による識別結果に基づいて区分け部で金種別紙幣と補充リジェクト紙幣とに区分けし、各対応する前記金種別出金紙幣収納部の一時保留部および前記補充リジェクト紙幣収納部へ区分け収納せしめる補充搬送路と、
    前記金種別出金紙幣収納部の下部域から最前位の金種別出金紙幣収納部の前側に至ってから上昇して前記一括搬送路に接続され途中に出金紙幣識別部を有する出金搬送路と、
    前記金種別出金紙幣収納部から回収される回収紙幣が前記出金搬送路を通じて前記一括搬送路へ送られるときその回収紙幣を前記一括搬送路から分岐して搬送し前記繰り込み部を通じて前記補充・回収紙幣収納部へ回収し、前記補充搬送路と一部共用とされる回収搬送路と
    を具備し、
    前記補充・回収紙幣収納部から繰り出される補充紙幣を前記補充紙幣識別部で識別し、正規紙幣と判断されて前記金種別出金紙幣収納部へ送られる紙幣枚数を制御部に金種ごとに加算記憶せしめる補充モードを設けるとともに、補充紙幣が前記補充紙幣識別部で正規紙幣と判断されて前記金種別出金紙幣収納部へ送られる場合であってもその紙幣枚数を制御部に加算記憶させない無計数補充モードを設け、この無計数補充モード時には前記出金リジェクト紙幣受収部の出金リジェクト紙幣を出金紙幣として前記補充・回収紙幣収納部へ補充可能としたことを特徴とする紙幣出金機。
  2. 出金正規紙幣と出金不正規紙幣との識別を行うとともに出金不正規紙幣については出金に供し得べき再識別可能紙幣と出金に供し得ない出金リジェクト紙幣との識別を可能とする出金紙幣識別部と、
    前記繰り出し紙幣搬送路の末端にあって搬送紙幣のうち出金正規紙幣は出金一時保留部側へ、出金不正規紙幣は回収口部側へ搬送方向を切り換える第1切換部と、
    前記一括搬送路の第1切換部と回収口部との間の一括搬送路域に設けられ出金紙幣識別部を通じて再識別可能と判断された紙幣を分岐する第2切換部と、
    この第2切換部の位置と前記補充紙幣搬送路における補充紙幣識別部と最初の区分け部の間の位置とを接続し、前記第2切換部で分岐された再識別紙幣を補充紙幣搬送路へ送る第1接続搬送路と
    を有している請求項1記載の紙幣出金機。
  3. 前記無計数補充モードの補充時に補充リジェクト紙幣と判断された紙幣を前記出金リジェクト紙幣受収部へ戻すため前記補充紙幣搬送路から分岐して前記一括搬送路に接続する第2接続搬送路を有している請求項1または2記載の紙幣出金機。
  4. 前記補充モード時に前記補充紙幣搬送路を通じて搬送される補充リジェクト紙幣を収納する前記補充リジェクト紙幣収納部は補充リジェクト紙幣を機体の背面から取り出せるように構成されている請求項1記載の紙幣出金機。
  5. 前記補充リジェクト紙幣収納部を装着位置でロックするとともに所定の時期にロックを解除する引出し制御機構を備え、
    前記補充・回収紙幣収納部は、補充紙幣および回収紙幣を集積状態で上部に載置するステージを有し、
    前記引出し制御機構は、補充リジェクト紙幣収納部を装着位置でロックするロック部と、前記ステージの移動に連動してステージが最下降位置に位置することにより前記ロック部をロック解除位置に位置させる解除部材とを有している請求項4記載の紙幣出金機。
  6. 機体の前面上部に位置する出金口部、機体の背面上部域に位置し前記出金口部からの取り忘れ紙幣を回収する回収口部、前記出金口部の背部近傍に位置する紙幣一時保留部、前記出金口部と回収口部とを接続して機体の前後方向に配置される一括搬送路、出金リジェクト紙幣受収部を内蔵し、機体の前面位置の軸を中心に機体の背面側から開放可能とされた第1ユニットと、
    前記補充・回収紙幣収納部から前記金種別一時保留部へ補充紙幣を搬送する補充紙幣搬送路、この補充紙幣搬送路と一部共用され前記金種別紙幣収納部から回収される回収紙幣を前記一括搬送路から受け入れて前記補充・回収紙幣収納部へ向けて搬送する回収紙幣搬送路を内蔵し、機体の前面側の端部位置の軸を中心に機体の背面側から開放可能とされその閉止時に前記第1ユニットにより隠蔽される第2ユニットと
    を有し、
    前記第1ユニットの開放時に第2ユニットの開放を可能とし、第2ユニットを閉鎖したときのみ第1ユニットの閉止を許容する相互ロック機構を有している請求項1記載の紙幣出金機。
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