JP4093902B2 - オゾン発生器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、酸素を含んだ原料ガス中に電極を配置し、該電極間の放電によってオゾンを発生させるオゾン発生器に関する。
【0002】
【従来の技術】
オゾンを発生させる方法としては、無声放電法、紫外線法、化学生成法、電解法などがあり、なかでも大量のオゾンを経済的に得ることのできる方法として、無声放電法が広く用いられている。
【0003】
無声放電法では、対向する2つの電極によって形成される空間に酸素を含んだ原料ガスを供給し、電極間に交流電圧を印加して放電を生じさせることによりオゾンを発生させるが、高純度酸素を原料ガスとして使用した場合、発生オゾン濃度が経時的に低下、つまりオゾン発生効率が低下することが知られている。この現象は、特許文献1によると、発生直後のオゾン分子が基底状態に戻る過程で原子構造が変化し、オゾンが酸素に戻ることによるものである。
【0004】
そこで、従来の酸素ガスを原料とするオゾン発生器においては、原料ガスである酸素に微量の窒素ガスを添加している。窒素のような触媒ガスが存在すれば、オゾン分子の励起エネルギーを触媒ガスが吸収し、原子構造を変化させずに、オゾン分子を励起状態から基底状態に戻すことができるため、酸素の再生成がおこらず、オゾン発生効率の低下が発生しないと考えられている。
【0005】
しかし、窒素が添加された原料ガスを用いると、放電空間において、オゾンが生成されると同時に副生成物として窒素酸化物(NOX)が生成される。窒素酸化物は、地球環境に、また発生したオゾンを使用するプロセスに対して悪影響を与える物質であるため、その低減が強く求められている。したがって、現在、酸素ガスを原料とするオゾン発生器において、窒素ガスを添加しない、窒素酸化物を発生しない高効率かつクリーンなオゾン発生器の開発が強く望まれている。
【0006】
そこで、オゾン濃度の経時的低下を防ぐ方法として、たとえば特許文献1では、従来の窒素などの触媒ガス添加方式にかわり、電極部に使用する誘電体上にさらに酸化チタンを形成し、光触媒効果を付与することが提案されている。
【0007】
このようなオゾン発生器にあっては、誘電体上に酸化チタン薄膜を形成するため、製造コストが上昇する、製造工程が複雑化する、薄膜の製膜条件の管理(たとえば温度条件により酸化チタンの構造が変化する)が困難かつ煩わしいといった問題点がある。
【0008】
【特許文献1】
特開平11−278809号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、窒素をほとんど添加せずとも、また光触媒などの機能を付加せずとも、経時変化をともなわずに高効率に高濃度オゾンを発生できるオゾン発生器、すなわち製造が容易で低コストで提供することができ、かつ窒素酸化物をほとんど発生しないクリーンオゾンの高効率生成が実現できるオゾン発生器を得ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、対向する2つの電極間を放電空間とし、該放電空間に酸素を含んだ原料ガスを供給してオゾンを発生させるオゾン発生器であって、少なくとも一方の電極が、金属からなる電極本体とCaTiO 3 にMgTiO 3 を添加した誘電体からなる誘電体層により構成され、原料ガス中の窒素ガス量が、全原料ガス量の0.3%以下であるオゾン発生器に関する。
【0011】
【発明の実施の形態】
実施の形態1
図1は、本発明の実施の形態1によるオゾン発生器の電極部を示した断面図である。
【0012】
図1において、電極10と電極20とが対向配置され、両電極間に放電空間30が形成されている。電極10は、金属製の電極本体12および誘電体層14からなり、電極20は、金属製の電極本体22および誘電体層24からなる。電極10、20は、誘電体層14,24が内側(放電空間30側)となるように配置されており、放電空間30は、いわゆる誘電体―誘電体境界による放電空間となっている。この放電空間に酸素を含んだガスを原料ガスとして流入させ、電極間に駆動電源40による交流高電圧を印加することにより、オゾンを発生させることができる。
【0013】
本実施の形態において、誘電体層14、24は、たとえばCaTiO3にMgTiO3を添加した低損失(低tanδ)緻密化セラミクスからなる。MgTiO3の量は5〜80重量%が好ましい。MgTiO3は必ずしも添加しなくてもよいが、添加しない場合、あるいは添加量が少ない場合には、tanδが大きくなる傾向がある。また、MgTiO3が80重量%よりも多い場合、tanδは小さくなるが比誘電率を大きくできなくなる傾向がある。誘電体層14、24は、MgTiO3の添加量を変化させることにより、低損失のまま、その比誘電率を20〜200程度にまで変化させることができる。
【0014】
誘電体層14、24の比誘電率は40以上が好ましい。比誘電率が40以上であれば、強力な電子放出を得ることができ、窒素をそれほど添加することなく、また、光触媒などの機能を付与することなく、経時変化をともなわずに高効率に高濃度オゾンを発生することができる。
【0015】
誘電体層14、24は、たとえばCaTiO3粉末とMgTiO3粉末とからなる混合体を焼結することにより形成することができ、圧接(電極本体と誘電体層を接触させ、締めつけて固定する)、ロー付、接着などにより電極本体12、22と一体化される。また、スパッタリングなどにより、電極本体12、22の表面に直接成型することも可能である。
【0016】
また逆に、誘電体層14、24上にスパッタや蒸着によって金属膜を形成し、これを電極本体12、22としてもよい。
【0017】
両電極間の空隙、すなわち放電空間30の厚さは、50〜300μmが好ましく、100〜200μmがさらに好ましい。両電極間の空隙が300μmよりも大きい場合、得られる最高オゾン濃度が低くなる傾向があり、両電極間の空隙が50μmよりも小さい場合、実質上、均一な放電空間を形成することが困難になる傾向がある。
【0018】
原料ガスとしては、高純度(99.9%以上)の酸素ガスが好ましい。また、原料ガス中の窒素ガス量は、全ガス量の0.3%以下が好ましく、0.1%以下がさらに好ましい。窒素ガス量が少ないほど、窒素酸化物の発生が抑制でき好ましい。前述の誘電体層14、24を有する本実施の形態のオゾン発生器では、窒素ガスをほとんど添加しなくても、オゾン生成能力が時間とともに低下することはない。
【0019】
駆動電源40の周波数は、50Hz〜30kHzが好ましく、1〜10kHzがさらに好ましい。電源の周波数が50Hzよりも低い場合、必要電圧が大きくなる傾向があり、30kHzよりも高い場合、電源の制御が困難になる傾向がある。
【0020】
また、駆動電源40の電圧は、1〜15kV(波高値、以下同じ)が好ましく、2〜10kVがさらに好ましい。電源電圧が1kVよりも低い場合、周波数が高いと同義ゆえ、電源の制御が困難になる傾向があり、15kVよりも高い場合、オゾン発生器や電源の絶縁設計や絶縁機器コストに問題が生じる傾向がある。
【0021】
図1に示した電極構造のオゾン発生器について、誘電体層14および24の比誘電率を140とし、駆動電源の周波数を10kHzとした場合の印加電圧−放電電力特性を図2に実線で示す。図2においては、縦軸がオゾン発生器の放電電力(W)、横軸はオゾン発生器に印加する電圧の波高値(V)を示している。
【0022】
図2から明らかなように、誘電体層14、24の比誘電率εrが140であり、電源周波数fが10kHzである場合、3kV弱の電源電圧で定格電力(250W)を満足することができる。
【0023】
一方、図2の二点鎖線は、誘電体層14および24を比誘電率εrが10のAl23とし、電源周波数fを10kHzとした場合の特性である。なお、Al23は、現在多くのオゾン発生器において使用されている誘電体材料である。誘電体層14、24の比誘電率εrが10である場合、定格電力(250W)を満足するためには、およそ6kVの電圧が必要となることがわかる。
【0024】
また、図2に破線で表わした特性は、誘電体層14および24の比誘電率εrを140とし、駆動電源の周波数fを2kHzとした場合のものである。およそ6kVの電圧で、定格電力(250W)を満足することがわかる。
【0025】
このように、誘電体層に比誘電率εrの大きい材料を用いることにより、より低い電圧および/またはより低い周波数の電源で、従来のオゾン発生器と同等の放電電力を得ることができる。したがって、従来、きわめて高周波・高電圧を印加せざるをえなかったオゾン発生器において、充分な低電圧化・低周波化が可能となり、駆動電源40の負荷を低減させることができ、かつ低コスト化が実施できる。
【0026】
つぎに、図1に示した電極構造のオゾン発生器について、誘電体層14、24の比誘電率εrとオゾン発生能力との関係を調べた。すでに述べたとおり、酸素ガスを原料ガスとするオゾン発生器においては、時間とともにオゾンの発生効率が低下し発生オゾン濃度が低下するため、原料ガス中に窒素ガスを添加することにより、これを防止している。
【0027】
そこで、誘電体層14、24の比誘電率εrを変化させ、所定のオゾン濃度(250g/N3)を安定して発生することができる窒素ガス添加量を求めた。なお、原料ガス流量は1NL/min、放電電力は定格電力(250W)とした。結果を図3に示す。図3において、縦軸は原料ガス中の窒素ガス量(%)、横軸は誘電体層14、24の比誘電率である。
【0028】
図3から、誘電体層14、24の比誘電率εrが40未満である場合、原料ガスに1%程度の窒素を添加しなければ、所定のオゾン濃度(250g/N3)を安定して発生することができないことがわかる。
【0029】
これに対し、比誘電率εrが40程度の誘電体を誘電体層14、24として使用した場合、添加する窒素ガス量を0.3%程度にまで低減しても、所定のオゾン濃度(250g/N3)を安定して発生することができる。また、さらに比誘電率εrを大きくすると、添加する窒素を10ppm程度の極微量としても、所定のオゾン濃度を発生できる。
【0030】
これは、誘電体層に比誘電率εrの大きい材料を用いることにより、従来(比誘電率10の誘電体)ならばオゾン発生効率が低下する窒素量(窒素添加量1%未満)において、その低下量を補う程度以上の電子放出が誘電体層14、24から放電空間30に対して作用しているためと考えられる。誘電体層に比誘電率εrの大きい材料を用いる本実施の形態のオゾン発生器では、比誘電率10の誘電体を用いる従来のオゾン発生器よりもきわめて強化された電子放出が発生することにより、酸素分子の解離が活発化され、酸素原子生成効率が大きく向上したものと考えられる。
【0031】
したがって、放電空間30が誘電体−誘電体境界で形成されたオゾン発生器において、比誘電率40以上の低損失誘電体を用いることにより、従来1%程度必要とされていた原料ガスに添加する窒素量を0.3%以下に低減することが可能となる。これにより、窒素酸化物をほとんど発生しないクリーンなオゾン発生器を提供できる。また、低損失で比誘電率が高い誘電体の使用により、駆動電源5の負荷も軽減することができる。
【0032】
実施の形態2
前記実施の形態1では、対向する電極10、20の両方に高誘電率の誘電体層14、24を設けたが、図4に示すように、高電圧側の電極20にのみ誘電体層24を設けてもよく、図5に示すように、接地されている方の電極10にのみ誘電体層14を設けてもよい。この場合、放電空間30は、いわゆる金属―誘電体境界による放電空間となる。図4または図5のように一方の電極にのみ高誘電率の誘電体層を設けた場合でも、実施の形態1と同等の効果が得られる。
【0033】
図4に示した電極構造のオゾン発生器について、誘電体層24の比誘電率εrとオゾン発生能力との関係を調べた。前記実施の形態1の図3と同様、原料ガス流量を1NL/min、放電電力を定格電力(250W)とし、所定のオゾン濃度(250g/N3)を安定して発生することができる窒素ガス添加量を求めた。結果を図6に示す。図6において、縦軸は原料ガス中の窒素ガス量(ppm)、横軸は誘電体層24の比誘電率を表わす。
【0034】
図6から、従来と同様に比誘電率εrが10程度の誘電体を用いた場合、50ppm程度の窒素を添加する必要があるが、比誘電率εrが40程度の誘電体を用いることにより、窒素の添加量を20ppm程度にまで低減でき、さらに比誘電率を大きく設定すると、窒素の添加量を10ppm以下にまで低減できることがわかる。
【0035】
したがって、放電空間30が誘電体―誘電体境界で形成された場合(実施の形態1)でも、本実施の形態のように金属―誘電体境界で形成された場合においても、従来に比べて添加する窒素量を大幅に低減することが可能となり、窒素酸化物をほとんど発生しないオゾン発生器を提供できる。また、駆動電源5の負荷軽減に対しても、大きな効果をもたらすことができる。
【0036】
実施の形態3
前記実施の形態1および2では、平板状の電極10、20を対向させて放電空間30を形成したが、電極の形状は平板状に限られない。
【0037】
たとえば図7に示すように、筒状の電極10内に棒状(あるいは筒状)の電極20を挿入した円筒管式オゾン発生器であっても、両電極あるいはいずれか一方の電極に高誘電率の誘電体層を設けることにより、実施の形態1および2と同様の効果を得ることができる。
【0038】
誘電体層は、筒状に焼結し、成形してもよいし、電極20の外周表面および/または電極10の内周表面に一体化してもよい。
【0039】
実施の形態4
前記実施の形態1〜3では、誘電体としてCaTiO3にMgTiO3を添加したものを用いたが、CaTiO3のかわりにBaTiO3、TiO2、SrTiO3、ZrTiO4、SnO2TiO2、Nd2Ti27、BaTi49、Ba2Ti920、La2Ti27、(Mg0.95Ca0.05)TiO3、(Zr0.8Sn0.2)TiO4、(Mg・Ca・La)TiO3、(ZrSn)TiO4、CaZrO3、SrZrO3、BaZrO3、SrSnO3、BaO・4TiO2、PbZrO3、PbCaZrO3、BaNd2Ti514、Bi23−BaO−Nd23−TiO2、PbO−BaO−Nd23−TiO2、Bi23−CaO−ZnO−Nb23などの金属酸化物を用い、これらのいずれかにMgTiO3を添加しても、実施の形態1〜3と同様の効果を得ることができる。また、これら酸化物のうちのいくつかからなる混合物にMgTiO3を添加しても、実施の形態1〜3と同様の効果を得ることができる。また、CaTiO3を含め、これら金属酸化物を単独で、あるいは混合物とし、MgTiO3を添加することなく用いても、比誘電率が40以上と大きくtanδが小さい材料であれば、実施の形態1〜3と同様の効果を得ることができる。
【0040】
従来、tanδが大きく、オゾン発生器の電極部材として用いられなかった金属酸化物であっても、本発明のように、MgTiO3を添加することで、きわめて低損失で高誘電率かつ電子放出に長けた材料として成形できることが発見された。
【0041】
実施の形態5
本発明における誘電体層14、24は、従来用いられていたAl23に比べ多少硬度が低下している。そのため、加工が容易である。
【0042】
そこで、図8の断面図に示すように、誘電体層14、24の表面を加工して凹部を設け、この凹部が放電空間30となるようにしてもよい。凹部は、たとえばサンドブラストなどにより形成することができ、また機械加工によって形成することもできる。
【0043】
放電によってオゾンを発生させるオゾン発生器では、所期の放電が得られるよう、放電空隙長を所定の値に設定し保持する必要がある。このため、金属や絶縁物にてスペーサを形成し、これを両電極間に介装して、両電極間の間隔を所定の寸法に保っている。
【0044】
これに対し本実施の形態では、図8(a)に示すように、一方の電極20の誘電体層24に凹部を設け、対向する電極10の誘電体層14に当接させているため、別途スペーサを設ける必要がない。このため、放電空隙長を精度よく一定に維持でき、かつオゾン発生器の部品点数を削減することができる。
【0045】
なお、図8(a)において、電極10の誘電体層14に凹部を形成してもよく、両電極の誘電体層14、24に凹部を形成してもよい。
【0046】
また、図8(b)に示すように、一方の電極20の誘電体層24に凹部を設け、対向する電極10に当接させてもよい。この場合、放電空間30は、いわゆる金属―誘電体境界による放電空間となる。また、電極10の誘電体層14に凹部を設け、対向する電極20に当接させてもよい。
【0047】
本実施の形態によれば、放電空隙長を精度よく一定に維持でき、かつオゾン発生器の部品点数を削減することができる。
【0048】
実施の形態6
図9におけるオゾン発生器電極部の断面図に示すように、誘電体層14、24の表面に保護膜16、26を形成してもよい。
【0049】
本発明のオゾン発生器においては、誘電体層14、16の硬度が、従来のオゾン発生器において用いられているAl23などと比較して、やや低くなる傾向にある。このため、放電場に曝された場合、スパッタエッチングなどにより誘電体層14、24の表面が削られる可能性がある。表面が削られることにより、誘電体層14、24の表面粗さや厚さが変化し、放電形態に微妙な変化をおよぼす可能性があり、また、削られた誘電体がパーティクルとして生成するオゾンに混入し、オゾンガス中のコンタミネショーションとなる可能性もある。
【0050】
そこで、本実施の形態では、誘電体層14、24の放電空間30に面する側の表面に、保護膜16、26を形成する。保護膜16、26としては、Al23膜、窒化膜およびガラスなどの硬い皮膜を用いることができる。
【0051】
保護膜の厚さは0.1〜5μmが好ましく、0.5〜2μmがさらに好ましい。膜厚が0.1μmよりも小さい場合、保護膜自身がスパッタエッチングなどの影響を受け、長寿命化がはかれない傾向があり、膜厚が5μmよりも大きい場合、保護膜形成コストが大きくなる傾向がある。
【0052】
保護膜は、蒸着、スパッタリングおよびCVDなどにより、誘電体層14、24上に直接形成すればよい。
【0053】
なお図9では、両方の電極10、20に保護膜16、26を設けているが、いずれか一方の電極にのみ保護膜を設けるようにしてもよい。
【0054】
高誘電率の誘電体層上にさらに保護膜を形成する本実施の形態のオゾン発生器によれば、低電圧・低周波の電源で、窒素ガスの添加量を削減しつつ充分なオゾンを生成することができ、さらに誘電体層が放電に曝されて削られることがないため、長期にわたってきわめて安定した放電が得られ、かつ不純物のないクリーンなオゾンガスを得ることができる。
【0055】
【発明の効果】
本発明によれば、電極に高誘電率の誘電体層を設けることにより、きわめて強力な電子放出を発生させることができる。このため、従来のオゾン発生器で問題となっていたオゾン発生量の経時的低下を、窒素ガスをほとんど添加することなく防止することができ、窒素酸化物をほとんど発生しないクリーンなオゾン発生器を提供することができる。また、低電圧および/または低周波の電源で充分にオゾンを発生させることができ、小型で低コストなオゾン発生器を提供することができる。
【0056】
また、誘電体層表面に凹凸を形成し凹部を放電空間とすることにより、電極間にスペーサを介装することなく放電空隙長を正確に保つことができ、部品点数を削減して低コストのオゾン発生器を実現しつつ、所期の放電を安定して得ることができる。
【0057】
さらに、誘電体層上に保護膜を形成することにより、誘電体層表面がプラズマによるダメージを受けることがないため、誘電体層の表面粗さや厚さに変動が生じることがなく、安定した放電を確保することができる。また、コンタミネーションの発生も防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1によるオゾン発生器の電極部を示した断面図である。
【図2】 誘電体層の比誘電率および駆動電源の周波数が異なるいくつかのオゾン発生器について、印加電圧−放電電力特性を示した図である。
【図3】 図1の電極構造を有するオゾン発生器について、誘電体層の誘電率と、所定のオゾン濃度を安定して発生するために必要な窒素ガス添加量との関係を示した図である。
【図4】 本発明の実施の形態2によるオゾン発生器の電極部を示した断面図である。
【図5】 本発明の実施の形態2によるオゾン発生器の電極部を示した断面図である。
【図6】 図4の電極構造を有するオゾン発生器について、誘電体層の誘電率と、所定のオゾン濃度を安定して発生するために必要な窒素ガス添加量との関係を示した図である。
【図7】 本発明の実施の形態3によるオゾン発生器の電極部を示した断面図である。
【図8】 本発明の実施の形態5によるオゾン発生器の電極部を示した断面図である。
【図9】 本発明の実施の形態6によるオゾン発生器の電極部を示した断面図である。
【符号の説明】
10 電極、12 電極本体、14 誘電体層、16 保護膜、20 電極、22 電極本体、24 誘電体層、26 保護膜、30 放電空間、40 駆動電源。

Claims (3)

  1. 対向する2つの電極間を放電空間とし、該放電空間に酸素を含んだ原料ガスを供給してオゾンを発生させるオゾン発生器であって、
    少なくとも一方の電極が、金属からなる電極本体とCaTiO 3 にMgTiO 3 を添加した誘電体からなる誘電体層により構成され、
    原料ガス中の窒素ガス量が、全原料ガス量の0.3%以下であるオゾン発生器。
  2. 前記誘電体層の表面に凹部を有する請求項1記載のオゾン発生器。
  3. 前記誘電体層上に保護膜を有する請求項1記載のオゾン発生器。
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