JP4093673B2 - 半導体容器の製造方法 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体素子、ハイブリッドIC、チップ抵抗、チップコンデンサ等の電子部品等を収納するためのキャビティ(凹部)を有する半導体容器の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、半導体素子等を収納するためのキャビティを有する半導体容器は、セラミックグリーンシートを打ち抜いて形成された枠部層を、アルミナペーストを介して、セラミックグリーンシートに配線層や半導体素子等の搭載部を有する配線基板に積層、圧着した後、両者を同時焼成して製造されていた。このような半導体容器の製造方法は、例えば、特公平2−41917号公報に記載されている。
【0003】
従来より、このような半導体容器は以下のように製造されていた。
まず、図4(a)に示すように、セラミックグリーンシート上に半導体素子搭載部108および配線部107とをタングステン粉末を調整してなるペーストで印刷し、ベース基板となる配線基板106とする。
次に、図4(b)に示すように、前記配線基板の上に、セラミックグリーンシートの打ち抜きにより形成された枠部層102の寸法幅よりも若干大きい寸法にてアルミナペースト104を、例えば20μmの厚さにて塗布する。
その後、図4(c)に示すように、アルミナペースト104上に、枠部層102を積層、圧着し、水素と窒素の混合ガス中、1550℃で焼成する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
近年、半導体容器の小型化および配線の高密度化の必要性から、配線の幅自体も極めて細いものとなっており、例えば、配線の幅は約250μmである。特に、高周波配線の場合には、配線のライン形状でその特性が変化してしまうため、設計通りに配線を形成する精度が要求されている。
【0005】
これに対し、上記した従来の製造方法では、セラミックグリーンシートを打ち抜いて形成された枠部層を配線基板に積層する前に、ベース基板となる配線基板上に予めアルミナペーストを塗布していたため、次のような問題が生じていた。すなわち、積層された枠部層の下を通過するように配線基板上に印刷された配線において、塗布されたアルミナペーストに対し、枠部層を正確に位置決めして載置できない場合には、配線の所望のインピーダンス特性が得られないことがあった。このため、枠部層と塗布されたアルミナペーストとの位置決めを容易とするためには、アルミナペーストを枠部層の幅よりも広く形成しておくことが考えられるが、このような場合には、塗布されたアルミナペーストが枠部層の主側面の延長線よりも張り出す(はみ出す)幅が大きくなりすぎるため、配線のインピーダンスマッチングが悪くなる。このため、求められるライン特性が出ない不具合が生じることがしばしばあった。
【0006】
また、アルミナペーストが枠部層の主面側の延長線よりも張り出す(はみ出す)幅を制御するためには、塗布されるアルミナペーストの幅を狭くしておくことが考えられるが、このような場合には、塗布されたアルミナペーストと枠部層との位置決めが困難となり、さらには、塗布されたアルミナペーストが枠部層の主側面の延長線よりも引き下がってしまうことがしばしばある。この場合、枠部層を配線基板に積層、圧着し、同時焼成後に、半導体素子をキャビティ内の搭載部に搭載し、蓋をしてシームウエルド工法にて接合するときに、前記枠部層と前記配線基板との境界にクラックや割れが生じて気密不良が生じるといった不具合があった。
【0007】
さらに、塗布されたアルミナペーストが枠部層の主側面の延長線よりも引き下がる場合には、積層された枠部層の下を通過するように配線基板上に印刷された配線において、メッキだれを生じやすくなる。この場合、配線の形状が変化して特性が変ってしまうという不具合が生じていた。
【0008】
本発明の目的は、ベース基板である配線基板表面に形成された配線部を枠部層が横切るように、前記配線基板にアルミナペーストを介して前記枠部層を積層、圧着し、同時焼成する半導体容器の製造方法において、アルミナペースト(層)の幅の変化や配線の形状の変化による電気的特性の変化を防止し、枠部層とベース基板との境界付近に生じるクラックや割れを防止することで歩留り率を上昇させることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的は、下記の手段を講じることにより解決することが可能である。
請求項1に記載の発明は、セラミックグリーンシートの第一主面にアルミナペーストを塗布する工程と、アルミナペーストを塗布された前記セラミックグリーンシートを打ち抜いて枠部層を形成する工程と、アルミナペースト塗布面を配線基板側にして、前記枠部層を配線基板に積層、圧着し同時焼成する工程と、を有することを特徴とする半導体容器の製造方法を要旨とする。
【0010】
請求項1の発明によれば、セラミックグリーンシートに予めアルミナペーストを塗布しておいてから、このセラミックグリーンシートを打ち抜いて枠部層を形成し、配線基板に積層、圧着し同時焼成する。予め塗布されたアルミナペーストがセラミックグリーンシートと同時に打ち抜かれることで、このアルミナペーストが枠部層の主側面の延長線よりも張り出す幅が大きくなりすぎることがなく、配線のインピーダンスマッチングが良好となり、ライン特性の変化を防止することを実現する。
【0011】
また、塗布されたアルミナペーストが枠部層の主側面の延長線よりも大幅に引き下がってしまうことを防止する。これにより、枠部層を配線基板に積層、圧着し、同時焼成後に、半導体素子をキャビティ内の搭載部に搭載し、蓋をしてシームウエルドで接合し、気密封止するときに、前記枠部層と前記配線基板との境界にクラックや割れが生じるのを防止し、気密不良を防止することが可能である。
【0012】
さらに、アルミナペーストは、予め枠部層に形成されているので、配線基板と積層する際に、塗布されたアルミナペースト層と枠部層とを位置決めする必要がない。
【0013】
請求項2に記載の発明は、セラミックグリーンシートの第一主面にアルミナペーストを塗布し、第二主面にメタライズを印刷する工程と、メタライズ印刷面を打ち抜き終了面にして、前記セラミックグリーンシートを打ち抜いて枠部層を形成する工程と、アルミナペースト塗布面を配線基板側にして、前記枠部層を配線基板に積層、圧着し同時焼成する工程と、を有することを特徴とする半導体容器の製造方法を要旨とする。
【0014】
請求項2の発明によれば、塗布されたアルミナペーストがセラミックグリーンシートと同時に打ち抜かれることで、このアルミナペーストが枠部層の主側面の延長線よりも張り出す幅が大きくなりすぎることがなく、配線のインピーダンスマッチングが良好となり、ライン特性の変化を防止することを実現する。
【0015】
さらに、塗布されたアルミナペーストが枠部層の主側面の延長線よりも大幅に引き下がってしまうことを防止する。これにより、キャビティに蓋をしてシームウエルドで接合し、気密封止するときに、前記枠部層と前記配線基板との境界にクラックや割れが生じるのを防止し、気密不良を防止することが可能である
【0016】
さらに、メタライズ印刷面を打ち抜き終了面にして、セラミックグリーンシートを打ち抜いて枠部層を形成することで、打ち抜き時に打ち抜き金型(ポンチ)がメタライズ印刷を引きずり枠部層側面に付着して、汚れやダレを生じるという不具合を防止することが可能となる。
【0017】
請求項3に記載の発明は、第一のセラミックグリーンシートの第一主面にアルミナペーストを塗布する工程と、アルミナペースト塗布面を打ち抜き終了面にして、前記第一のセラミックグリーンシートを打ち抜いて第一枠部層を形成する工程と、第二のセラミックグリーンシートの第一主面にメタライズ印刷する工程と、メタライズ印刷面を打ち抜き終了面にして、前記第二のセラミックグリーンシートを打ち抜いて第二枠部層を形成する工程と、アルミナペースト塗布面を配線基板側にして、前記第一枠部層を配線基板に積層する工程と、メタライズ印刷面と反対の面を前記第一枠部層側にして、前記第二枠部層を前記第一枠部層に積層、圧着し同時焼成する工程と、を有することを特徴とする半導体容器の製造方法を要旨とする。
【0018】
請求項3の発明によれば、塗布されたアルミナペーストがセラミックグリーンシートと同時に打ち抜かれることで、このアルミナペーストが枠部層の主側面の延長線よりも張り出す幅が大きくなりすぎることがなく、配線のインピーダンスマッチングが良好となり、ライン特性の変化を防止することを実現する。
【0019】
さらに、塗布されたアルミナペーストが枠部層の主側面の延長線よりも大幅に引き下がってしまうことを防止する。これにより、蓋をしてシームウエルドで接合し、気密封止するときに、前記枠部層と前記配線基板との境界にクラックや割れが生じるのを防止し、気密不良を防止することが可能である。
【0020】
また、アルミナペースト塗布面を打ち抜き終了面にして、セラミックグリーンシートを打ち抜いて枠部層を形成することで、打ち抜き時に打ち抜き金型(ポンチ)がアルミナペーストを引きずり、枠部層の側面に付着して、汚れを生じることを防止できる。
【0021】
さらに、メタライズ印刷面を打ち抜き終了面にして、セラミックグリーンシートを打ち抜いて枠部層を形成することで、打ち抜き時に打ち抜き金型(ポンチ)がメタライズ印刷を引きずり枠部層側面に付着して、汚れやダレを生じるという不具合を防止することが可能となる。
【0022】
このように、別々のセラミックグリーンシートにそれぞれアルミナペーストを塗布し、メタライズ印刷したものを、それぞれ打ち抜く場合は、アルミナペースト塗布面およびメタライズ印刷面をそれぞれ打ち抜き終了面として打抜くことで、打ち抜き時に打ち抜き金型(ポンチ)がアルミナペーストおよびメタライズ印刷を引きずり枠部層側面に付着して、汚れやダレを生じるという不具合を防止することが可能である。
しかし、一枚または、積層した複数のセラミックグリーンシートの第一主面にアルミナペーストを塗布し、第二主面にメタライズ印刷をした場合には、メタライズ印刷の方がアルミナペーストよりも金型に引きずられやすいため、メタライズ印刷面を打ち抜き終了面にして打ち抜く方がよい。
【0023】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の半導体容器の製造方法であって、焼成後の前記アルミナペーストが前記枠部層の主側面の延長線より張り出す幅を60μm以下とすべく、前記アルミナペーストが塗布されることを特徴とする半導体容器の製造方法を要旨とする。
【0024】
請求項4の発明によると、配線のインピーダンスマッチングが良好となり、ライン特性の変化を、より効果的に防止することを実現する。
【0025】
焼成後のアルミナペーストが枠部層の主側面の延長線より張り出す幅が60μmより大きくなると、配線のインピーダンスマッチングが悪くなり、ライン特性が変化してしまう不具合が起こる。
【0026】
【発明の実施の形態】
図1(a)乃至(d)は本発明の第一の実施例の製造工程である。
まず、アルミナ(Al)、シリカ(SiO)、マグネシア(MgO)等のセラミック粉末に、ブチラールまたはセルロース等の有機結合材、及びこれらの有機結合材の溶剤等を加えて、公知の方法で形成し、ドクターブレード法にて所定の形に加工された未焼成のセラミックグリーンシート3を用意する。
次に、セラミックグリーンシート3の第一主面3aにアルミナペースト4を塗布し(図1(a)参照)、セラミックグリーンシート3の第二主面3bにタングステンを主成分とするメタライズ5を印刷する(図1(b)参照)。
【0027】
次に、メタライズ5を印刷した第二主面3bを打ち抜き終了面9にして、セラミックグリーンシート3を打ち抜いて枠部層2を形成する(図1(c)参照)。このように、メタライズ5を印刷した第二主面3bを打ち抜き終了面9として打ち抜くことで、打ち抜き時に打ち抜き金型(ポンチ)がメタライズ5を引きずることはなく、キャビティ内にメタライズが付着し、汚れ、ダレという不良になることはない。
【0028】
次に、枠部層2のアルミナペースト4の塗布面に、接着溶剤としてブチルカルビドールを塗布する。このように、枠部層2のアルミナペースト塗布面に接着溶剤を塗布した方が、従来技術のようにアルミナペーストの塗布されていない枠部層に接着溶剤を塗布するよりも、同量の溶剤量でより容易に軟化することができる。
【0029】
次に、タングステンやモリブデン等の高融点金属を主に含んだメタライズペーストをスクリーン印刷することで、所望のパターンの配線部7および半導体素子搭載部8が形成された、ベース基板である配線基板6を形成する。
その後、アルミナペースト4の塗布面(第一主面3a)を配線基板6側にして、枠部層2を配線基板6に積層、圧着し、水素と窒素の混合ガス中にて1550℃で同時焼成し、半導体容器1が得られる(図1(d)参照)。
【0030】
次に、公知のメッキ方法により配線部7および半導体素子搭載部8等の被メッキ部分をNi/Auメッキする。さらに、枠部層2により形成されたキャビティ内の半導体素子搭載部8に図示しない半導体素子を搭載する。その後、枠部層2上の所定の位置に図示しないコバール板をシームウエルド工法で接合し、気密封止する。
【0031】
上記第一の実施例では、アルミナペースト塗布前のセラミックグリーンシートは一枚であったが、これに限ることはない。例えば、複数のセラミックグリーンシートを積層した積層セラミックグリーンシートの第一主面にアルミナペーストを塗布し、第二主面にタングステンを主成分とするメタライズを印刷した後、メタライズの印刷面を打ち抜き終了面にして、セラミックグリーンシートを打ち抜いて枠部層を形成する。次に、枠部層のアルミナペーストの塗布面に、接着溶剤としてブチルカルビドールを塗布し、その後、枠部層を配線基板に積層、圧着し、同時焼成してもよい。
【0032】
図2(a)乃至(d)は本発明の第二の実施例の製造工程である。
まず、公知の製造方法で形成されたセラミックグリーンシート3Aの第一主面にアルミナペースト4を塗布し、このアルミナペースト塗布面を打ち抜き終了面9として所定の形状に打ち抜く(図2(a)参照)。
【0033】
次に、セラミックグリーンシート3Bの第一主面にタングステンを主成分とするメタライズ5を印刷し、このメタライズ印刷面を打ち抜き終了面9として所定の形状に打ち抜く(図2(b)参照)。
【0034】
次に、所定の形状に打ち抜かれたセラミックグリーンシート3Aのアルミナペースト4の塗布面に、接着溶剤としてブチルカルビドールを塗布する。このように、枠部層2のアルミナペースト塗布面に接着溶剤を塗布した方が、従来技術のようにアルミナペーストの塗布されていない枠部層に接着溶剤を塗布するよりも、同量の溶剤量でより容易に軟化することができる。
【0035】
その後、所望のパターンの配線部7および半導体素子搭載部8が形成された配線基板6を用意する。アルミナペースト4の塗布面をベース基板となる配線基板6側にして、半導体容器の枠部の一部となるセラミックグリーンシート3Aを配線基板6に積層する(図2(c)参照)。
【0036】
さらに、所定の形状に打ち抜かれたセラミックグリーンシート3Bのメタライズ印刷面とは反対の面に、接着溶剤としてブチルカルビドールを塗布する。その後、接着溶剤塗布面を配線基板6側にして、半導体容器の枠部の一部となるセラミックグリーンシート3Bを、配線基板6に積層されたセラミックグリーンシート3A上に積層する。さらに、これらの積層体を圧着し、水素と窒素の混合ガス中、1550℃で同時焼成し、半導体容器1を得る(図2(d)参照)。
【0037】
次に、公知のメッキ方法により配線部7および半導体素子搭載部8等の被メッキ部分をNi/Auメッキする。さらに、枠部層2により形成されたキャビティ内の半導体素子搭載部8に図示しない半導体素子を搭載する。その後、枠部層2上の所定の位置に図示しないコバール板をシームウエルド工法で接合し、キャビティ封止する。
【0038】
上記第二の実施例では、合計2枚のセラミックグリーンシート3A、3Bを配線基板6に積層したが、これに限ることはない。例えば、配線基板6上に積層したセラミックグリーンシート3A上に、接着溶剤としてブチルカルビドールを塗布した一枚又は複数枚のセラミックグリーンシートを積層し、さらにこの上にセラミックグリーンシート3Bを積層して枠部層を形成してもよい。
【0039】
以下、本発明の製造方法によって製造された半導体容器について説明する。
図3は、本発明の実施例により製造された半導体容器の一部拡大断面図である。枠部層2とベース基板である配線基板6は、アルミナペースト4を介在して積層、圧着され、同時焼成されている。
【0040】
配線基板6上に形成された配線部7は、高周波配線であり、配線の形状によりその特性が変化してしまうため、高度の寸法精度が要求される。焼結したアルミナペースト4が枠部層2の主側面の延長線10から張り出す幅11は、約10μmである。
【0041】
なお、焼結したアルミナペースト4が枠部層2の主側面の延長線10から張り出す幅11を制御するためには、例えば、未焼成のセラミックグリーンシート3にアルミナペースト4をスクリーン印刷法により印刷塗布する際、スクリーンのレジストの厚みを調節したり、アルミナペースト4の粘度を小さくすることによって調節される。
また、本発明では、予めアルミナペーストを塗布したセラミックグリーンシートを打ち抜くことで枠部層を形成するため、枠部層の主側面からアルミナペーストが張り出す幅が少ない。よって、焼結したアルミナペースト4が枠部層2の主側面の延長線10から張り出す幅11を容易に制御可能である。
【0042】
焼結したアルミナペーストが枠部層の主側面の延長線から張り出す幅が大きいと、配線部上にある絶縁体の存在の大きさによっても特性は変化するため、インピーダンスマッチングが悪くなる。
【0043】
【表1】
Figure 0004093673
【0044】
表1は、枠部層を有する半導体容器における、焼結したアルミナペーストが枠部層の主側面の延長線から張り出す幅による、気密不良率および配線のライン特性不良のテスト結果を示したものである。枠部層の主側面の延長線から、焼結したアルミナペーストの張り出す幅が、60μm以下の場合良好な結果が得られた(試料番号1乃至4参照)。
【0045】
また、焼結したアルミナペーストが枠部層の主側面の延長線から張り出す幅が5μm未満の場合には、シームウエルドによるキャビティ封止時にクラック、割れの発生による気密不良が生じた(試料番号1参照)。
焼結したアルミナペーストが枠部層の主側面の延長線から張り出す幅が42μm以上60μm以下の場合には、配線のライン特性に若干不良がみられた(試料番号4参照)。
よって、より好ましくは、焼結したアルミナペーストが枠部層の主側面の延長線から張り出す幅が5μm以上40μm以下であるとよい(試料番号2、3参照)。
【0046】
焼結したアルミナペーストが枠部層の主側面の延長線から張り出す幅が62μmから122μmの場合には(試料番号5乃至7参照)、配線のライン特性不良が起った。
【0047】
なお、アルミナペーストが枠部層の主側面の延長線よりも引き下がる場合には、アルミナペーストに窪みが生じやすく、配線のメッキ工程において、この窪みに無電解メッキ液がたまる。このメッキ液は洗浄しても完全には除去することができず、Ni/Auメッキが、メッキされるべき配線以外の部分に残ってメッキだれが生じてしまう。
本発明により、アルミナペーストが枠部層の主側面の延長線から張り出すことで、メッキだれによる配線の形状の変化を防止することが可能となる。
【0048】
本発明の半導体容器の製造方法は、キャビティを有する所謂ピングリッドアレイ型パッケージ、ボールグリッドアレイ型パッケージ、リードレスチップキャリア、またはマルチチップモジュール等の半導体容器の製造方法に適応可能である。
【0049】
本発明の実施形態は、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば上記実施形態に制限されることはない。例えば、上記セラミックグリーンシートは、アルミナ(Al)、シリカ(SiO)、マグネシア(MgO)等を主成分とするものに限らず、窒化アルミニウム、ムライト、コージュライト等のガラスセラミック、結晶化ガラス、Si等を用いることができる。また、前記キャビティ内に収納する部品は、半導体素子にこだわらず、トランジスタ、ICチップ等の半導体素子、およびコンデンサ、インダクタンス、抵抗、SAWフィルタ等の電子部品等を収納することが可能である。
【0050】
また、より好ましい効果を得る為には、枠部層2の主側面の延長線10から、焼結したアルミナペースト4の張り出す幅11が5μm以上40μm以下の範囲で選択すると良い。
【0051】
【発明の効果】
以上のように、本発明に記載の半導体容器の製造方法によると、予めセラミックグリーンシートにアルミナペーストを塗布してからこれを打ち抜いて枠部層を形成し、その後、配線基板に積層、圧着して同時焼成する。よって、積層された枠部層の下を通過するように配線基板上に印刷された配線において、枠部層と、ベース基板となる配線基板を介在するアルミナペーストが、枠部層の主側面の延長線よりも張り出す幅が大きくなり過ぎることを容易に避けることが可能となる。また、配線のインピーダンスマッチングを良好にすることが容易となり、求められるライン特性が出ないという不具合を防止することができる。
【0052】
また、塗布されたアルミナペーストが枠部層の主側面の延長線よりも引き下がることを避け、半導体素子をキャビティ内の搭載部に搭載し、蓋をしてシームウエルドで接合し、気密封止するときに、前記枠部層と前記配線基板との境界にクラックや割れが生じて気密不良が生じる不具合を避けることが可能となる。
【0053】
また、本発明に記載の半導体容器の製造方法によると、セラミックグリーンシートの第一主面にアルミナペーストを塗布し、第二主面にメタライズ印刷し、その後、メタライズ印刷面を打ち抜き終了面にして、前記セラミックグリーンシートを打ち抜いて枠部層を形成する。このため、アルミナペーストの枠部層からの大幅な張り出しおよび引き下がりを防止すると同時に、メタライズ印刷面を打ち抜き終了面にして、セラミックグリーンシートを打ち抜いて枠部層を形成することで、ポンチ打ち抜き時にポンチがメタライズ印刷を引きずり枠部層のキャビティの内側に付着して、汚れやダレを生じるという不具合を防止することが可能となる。
【0054】
また、焼成後のアルミナペーストが枠部層の主側面の延長線より張り出す幅を適度にすることができるため、キャビティに蓋をしてシームウエルドで接合し、気密封止するときに、前記枠部層と前記配線基板との境界にクラックや割れが生じ、気密不良が生じてしまう不具合を容易に防止することが可能となる。さらに、配線のインピーダンスマッチングが悪くなり、ライン特性が変化してしまう不具合を容易に防止することが可能となる。
【0055】
さらに、予めセラミックグリーンシートにアルミナペーストを塗布してからこれを打ち抜いて枠部層を形成し、その後、配線基板に積層するため、従来のように、配線基板上のアルミナペーストへの、枠部層の位置決めが不要となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施形態の半導体容器の製造方法の工程を示す。
【図2】本発明の第二の実施形態の半導体容器の製造方法の工程を示す。
【図3】本発明の実施例により製造された半導体容器の一部拡大断面図である。
【図4】従来技術の半導体容器の製造方法の工程を示す。
【符号の説明】
1,101 半導体容器
2,102 枠部層
3,3A,3B セラミックグリーンシート
4,104 アルミナペースト
5 メタライズ
6,106 配線基板
7,107 配線部
8,108 半導体素子搭載部
9 打ち抜き終了面
10 枠部層の主側面の延長線
11 焼結したアルミナペーストが枠部層の主側面の延長線から張り出す幅

Claims (4)

  1. セラミックグリーンシートの第一主面にアルミナペーストを塗布する工程と、
    アルミナペーストを塗布された前記セラミックグリーンシートを打ち抜いて枠部層を形成する工程と、
    アルミナペースト塗布面を配線基板側にして、前記枠部層を配線基板に積層、圧着し同時焼成する工程と、を有することを特徴とする半導体容器の製造方法。
  2. セラミックグリーンシートの第一主面にアルミナペーストを塗布し、第二主面にメタライズを印刷する工程と、
    メタライズ印刷面を打ち抜き終了面にして、前記セラミックグリーンシートを打ち抜いて枠部層を形成する工程と、
    アルミナペースト塗布面を配線基板側にして、前記枠部層を配線基板に積層、圧着し同時焼成する工程と、を有することを特徴とする半導体容器の製造方法。
  3. 第一のセラミックグリーンシートの第一主面にアルミナペーストを塗布する工程と、
    アルミナペースト塗布面を打ち抜き終了面にして、前記第一のセラミックグリーンシートを打ち抜いて第一枠部層を形成する工程と、
    第二のセラミックグリーンシートの第一主面にメタライズ印刷する工程と、
    メタライズ印刷面を打ち抜き終了面にして、前記第二のセラミックグリーンシートを打ち抜いて第二枠部層を形成する工程と、
    アルミナペースト塗布面を配線基板側にして、前記第一枠部層を配線基板に積層する工程と、
    メタライズ印刷面と反対の面を前記第一枠部層側にして、前記第二枠部層を前記第一枠部層に積層、圧着し同時焼成する工程と、を有することを特徴とする半導体容器の製造方法。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の半導体容器の製造方法であって、
    焼成後の前記アルミナペーストが前記枠部層の主側面の延長線より張り出す幅を60μm以下とすべく、前記アルミナペーストが塗布されることを特徴とする半導体容器の製造方法。
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