JP4093227B2 - 空気調和機の室内機 - Google Patents
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Description
本発明の課題は、熱交換器への空気の流れのバランスを向上させることができる空気調和機の室内機を提供することにある。
この空気調和機の室内機では、第1制御弁と第2制御弁とは、熱交換器の前傾斜面と後傾斜面とのそれぞれに対向するように分かれて配置される。このため、この空気調和機の室内機では、制御弁による通風抵抗のバランスを向上させることができ、熱交換器への空気の流れのバランスを向上させることができる。
この空気調和機の室内機では、前ケーシング部と熱交換器との間の空間と、後ケーシング部と熱交換器との間の空間とを利用して、第1制御弁と第2制御弁とを熱交換器の前後に分けて配置することができる。このため、この空気調和機の室内機では、内部の空間を有効に利用しており、外形を小型化することができる。
この空気調和機の室内機では、第1制御弁は、熱交換器を挟んで第2制御弁と対向する位置に配置される。このため、第1制御弁と第2制御弁との配置の対称性が高い。従って、この空気調和機の室内機では、制御弁による通風抵抗のバランスをより向上させることができ、熱交換器への空気の流れのバランスをより向上させることができる。
一般に、分割した熱交換器の間に一つの制御弁が設けられると、冷媒の圧力損失が増大して、消費エネルギーを増大させる恐れがある。しかし、この空気調和機の室内機では、第1制御弁と第2制御弁とは、冷媒回路上において第1熱交換部と第2熱交換部との間に設けられる。このため、第1制御弁と第2制御弁とを切り換えることによって、冷媒の流速が減少し、第1制御弁と第2制御弁とにおける圧力損失を低減することができる。また、この空気調和機の室内機では、上記のように第1制御弁と第2制御弁との2つの制御弁が備えられても、熱交換器への空気の流れのバランスを向上させることができる。
第2発明にかかる空気調和機の室内機では、第1制御弁と第2制御弁とは、熱交換器の前傾斜面と後傾斜面とのそれぞれに対向するように分かれて配置されるため、熱交換器への空気の流れのバランスを向上させることができる。
第4発明にかかる空気調和機の室内機では、制御弁による通風抵抗のバランスをより向上させることができ、熱交換器への空気の流れのバランスをより向上させることができる。
本発明の一実施形態に係る空調室内機を備えた空気調和機1について、図1〜図6を用いて説明すれば、以下の通りである。
本実施形態の空気調和機1は、図1に示すように、調和された空気を室内に供給するための装置であって、室内の壁面などに取り付けられる室内機2と、室外に設置される室外機3とを備えている。
空気調和機1が有する冷媒回路は、図2に示すように、圧縮機11と、四路切換弁12と、室外熱交換器13と、電動膨張弁14と、第1室内熱交換部15(第1熱交換部)と、第1電磁弁16a(第1制御弁)および第2電磁弁16b(第2制御弁)と、第2室内熱交換部17(第2熱交換部)と、アキュムレータ18とを含んでいる。なお、第1室内熱交換部15と第2室内熱交換部17とは、共に図3および図5に示す室内熱交換器10を構成する。
四路切換弁12は、圧縮機11の吐出側と接続されており、冷房、再熱除湿運転時と暖房運転時とで冷媒の流路を変更する。なお、図2に示す四路切換弁12は、冷房運転時および再熱除湿運転時における状態を示している。
室外熱交換器13は、四路切換弁12と接続されており、暖房運転時には蒸発器として機能し、冷房、再熱除湿運転時には凝縮器として機能する。また、室外熱交換器13は、隣接配置されたプロペラファン38によって室外機3内に吸い込まれた空気との間で熱交換を行う。
第1電磁弁16aおよび第2電磁弁16bは、図2および図4に示すように、冷媒回路上において第1室内熱交換部15と第2室内熱交換部17との間に互いに並列に配置されており、冷媒回路の冷媒の流れを制御することができる。具体的には、第1電磁弁16aおよび第2電磁弁16bは、通過する冷媒を膨張させる膨張弁であり、再熱除湿運転時には第2室内熱交換部17へ流れる冷媒の圧力を低下させることができる。
アキュムレータ18は、圧縮機11の吸引側と接続されており、圧縮機11に液状の冷媒が混入することを防止する。
室内機2は、水平方向であり且つ正面視における横方向に長い形状を有している(図1参照)。以下、水平方向のうち、室内機2の正面視における横方向を単に「横方向」と呼ぶ。室内機2は、図3に示すように、主として、室内機2の内部に収容されている送風機構7(送風機)、室内熱交換器ユニット5、第1電磁弁16aおよび第2電磁弁16b、室内機ケーシング8および制御部90(図6参照)を備える。
送風機構7は、室内から室内機2の内部に入り室内熱交換器10を通って再び室内へと吹き出される空気の流れを生成する機構であり、クロスフローファン21、室内ファンモータ22(図2参照)等を有する。クロスフローファン21は、横方向に長い円筒形状に構成され、中心軸が横方向に平行になるように配置されている。室内ファンモータ22は、クロスフローファン21の側方に配置され、クロスフローファン21を回転駆動する。送風機構7は、後述する底フレーム62によって支持されている。
室内熱交換器ユニット5は、図3に示すように室内熱交換器10、補助配管50(図5参照)などを有する。室内熱交換器10は、上述した第1室内熱交換部15および第2室内熱交換部17を有している。なお、図2の冷媒回路に含まれる第1室内熱交換部15および第2室内熱交換部17は、個々独立した構成となっているが、本実施形態では、図4に示すように、1つの熱交換器の中でその一部分とそれ以外の部分とが第1室内熱交換部15および第2室内熱交換部17に相当し、その間に並列配置された第1電磁弁16aと第2電磁弁16bとに接続されている。
室内機ケーシング8は、上述したように、室内熱交換器ユニット5や送風機構7を収容するものであり、図1に示すように、横方向に長い箱形の形状を有している。室内機ケーシング8は、側面視において略D型の形状を有しており、奥行き方向の寸法すなわち厚さが上下方向の寸法すなわち高さよりも小さい薄型の形状となっている。この室内機ケーシング8は、図3に示すように、前面グリル61(前ケーシング部)と底フレーム62とを有している。
第1電磁弁16aおよび第2電磁弁16bは、図3および図5に示すように、室内熱交換器10の前後に分かれて一つずつ配置されている。
第1電磁弁16aは、前面グリル61と室内熱交換器10の第1前部52との間であって、第1前部52の前方に配置されている。より詳しくは、第1電磁弁16aは、室内熱交換器10の前傾斜面55の上部近傍に対向して配置されている。
図6に示す制御部90は、室内機2と室外機3とに分かれて設けられており、リモコン93からの指示に従って、指示された空調運転を行う。
制御部90による具体的な制御内容について以下説明する。
<再熱除湿運転時の動作>
再熱除湿運転時には、室内機2において、第1室内熱交換部15を凝縮器として、第2室内熱交換部17を蒸発器として機能させる。このため、電動膨張弁14を開状態とする一方、第1電磁弁16aおよび第2電磁弁16bの片方あるいは両方を閉状態とする。これにより、第1室内熱交換部15を凝縮器として機能させるとともに、第2室内熱交換部17に流れる冷媒が膨張して低温低圧の液冷媒となるため、第2室内熱交換部17の全体あるいは一部を蒸発器として機能させることが可能になる。
なお、この第1状態と第2状態との切り換えは、室内機2に取り付けられた温度センサ91や湿度センサ92(図6参照)によって検知された室内の顕熱負荷、潜熱負荷の大きさに応じて、自動的に制御されていてもよいし、ユーザによって手動で行われてもよい。
本実施形態の室内機2では、冷房運転時には、第1室内熱交換部15および第2室内熱交換部17の双方を蒸発器として用いるために、電動膨張弁14を閉状態とする。これにより、電動膨張弁14を通過した冷媒は膨張して低温低圧の液冷媒となるため、第1室内熱交換部15および第2室内熱交換部17の双方を蒸発器として機能させることができる。なお、このときの第1電磁弁16aおよび第2電磁弁16bは、ともに開状態となる。
(1)
この空気調和機1の室内機2では、第1電磁弁16aおよび第2電磁弁16bは、冷媒回路上において第1室内熱交換部15と第2室内熱交換部17との間に設けられる。このため、第1電磁弁16aおよび第2電磁弁16bを切り換えることによって、冷媒の流速が減少し、第1電磁弁16aおよび第2電磁弁16bにおける圧力損失を一つの制御弁が設けられる場合よりも低減することができる。
この空気調和機1の室内機2では、第1電磁弁16aおよび第2電磁弁16bが室内熱交換器10の前後に室内熱交換器10を挟んで互いに対向する位置に配置される。このため、通風抵抗の要因となる第1電磁弁16aおよび第2電磁弁16bが室内熱交換器10を挟んで前後に対称に配置されており、室内熱交換器10の前後で通風抵抗のバランスが向上している。これにより、この空気調和機1の室内機2では、室内熱交換器10を通る空気の流れのバランスが向上している。
第1電磁弁16aおよび第2電磁弁16bへと接続される前部補助配管56および後部補助配管57は、比較的長い直線的な形状を有している。このため、前部補助配管56および後部補助配管57には安定した状態で冷媒が流れることができ、前部補助配管56および後部補助配管57を流れる冷媒の音を低減させることができる。
(1)
第1電磁弁16aおよび第2電磁弁16bは、通過する冷媒を減圧する膨張弁であるが、他の制御弁であってもよい。例えば、第1電磁弁16aおよび第2電磁弁16bに代えて冷媒流量の調整のみを行う調整弁が複数設けられる場合にも本発明が適用可能である。
上記の実施形態では、第1電磁弁16aおよび第2電磁弁16bは、室内熱交換器10を挟んで対称に配置されているが、第1電磁弁16aおよび第2電磁弁16bが、対称ではなく、上下左右に多少位置をずらして配置されてもよい。このような配置によっても、第1電磁弁16aおよび第2電磁弁16bが室内熱交換器10の一方側に偏って配置される場合より空気流れのバランスを向上させることができる。
上記の実施形態では、第1電磁弁16aおよび第2電磁弁16bの2つの制御弁が設けられているが、3つ以上の制御弁が設けられる場合にも本発明が適用可能である。例えば、3つの制御弁が設けられる場合は、2つの制御弁と1つの制御弁とが、それぞれ室内熱交換器10の前後に分けて配置されるとよい。このような配置によっても、3つの制御弁が室内熱交換器10の一方側に偏って配置される場合より空気流れのバランスを向上させることができる。なお、4つの制御弁が設けられる場合には、3つの制御弁と1つの制御弁とに分けて設けてもよいが、通風抵抗のバランスの観点からは室内熱交換器10の前後に同数の制御弁が配置されることがより望ましい。
2 室内機
7 送風機構(送風機)
10 室内熱交換器(熱交換器)
15 第1熱交換部
16a 第1電磁弁(第1制御弁)
16b 第2電磁弁(第2制御弁)
17 第2熱交換部
55 前傾斜面
54 後傾斜面
61 前面グリル(前ケーシング部)
64 底フレーム背面部(後ケーシング部)
90 制御部
Claims (6)
- 空気の流れを生成する送風機(7)と、
冷媒回路の一部を構成し、通過する前記空気と冷媒との間で熱交換を行わせる熱交換器(10)と、
前記冷媒回路の冷媒の流れを制御する第1制御弁(16a)および第2制御弁(16b)と、
を備え、
前記第1制御弁(16a)は前記熱交換器(10)の前方に配置され、
前記第2制御弁(16b)は前記熱交換器(10)の後方に配置される、
空気調和機(1)の室内機(2)。 - 前記熱交換器(10)は、上端が後方に傾斜した前傾斜面(55)と、前記前傾斜面(55)の後側に配置され上端が前方に傾斜した後傾斜面(54)とを有し、
前記第1制御弁(16a)は、前記前傾斜面(55)に対向して配置され、
前記第2制御弁(16b)は、前記後傾斜面(54)に対向して配置される、
請求項1に記載の空気調和機(1)の室内機(2)。 - 前記熱交換器(10)の前方を覆う前ケーシング部(61)と、
前記熱交換器(10)の後方を覆う後ケーシング部(64)と、
をさらに備え、
前記第1制御弁(16a)は、前記熱交換器(10)と前記前ケーシング部(61)との間に配置され、
前記第2制御弁(16b)は、前記熱交換器(10)と前記後ケーシング部(64)との間に配置される、
請求項1または2に記載の空気調和機(1)の室内機(2)。 - 前記第1制御弁(16a)は、前記熱交換器(10)を挟んで前記第2制御弁(16b)と対向する位置に配置される、
請求項1から3のいずれかに記載の空気調和機(1)の室内機(2)。 - 前記熱交換器(10)は、第1熱交換部(15)と第2熱交換部(17)とを有し、
前記第1制御弁(16a)と前記第2制御弁(16b)とは、前記冷媒回路上において前記第1熱交換部(15)と前記第2熱交換部(17)との間に設けられる、
請求項1から4のいずれかに記載の空気調和機(1)の室内機(2)。 - 前記第1制御弁(16a)と前記第2制御弁(16b)とは、通過する冷媒を膨張させる膨張弁であり、
前記第1制御弁(16a)と前記第2制御弁(16b)とを制御して、冷房運転時には前記第1熱交換部(15)および前記第2熱交換部(17)を蒸発器として機能させ、再熱除湿運転時には前記第1熱交換部(15)を凝縮器として機能させると共に前記第2熱交換部(17)を蒸発器として機能させる制御部(90)をさらに備える、
請求項5に記載の空気調和機(1)の室内機(2)。
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