JP4092856B2 - シート搬送装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ファックス装置やコピー機等、読取位置に原稿を自動的に搬送するシート搬送装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ファックス装置やコピー機等には、装置本体側にFBS(フラットベットスキャナ)を備えると共に、装置本体に対して開閉自在な原稿押圧板には、ADF装置(シート搬送装置)を備えており、FBS方式で原稿を読み取るときには、原稿押圧板を開いて装置本体側の読み取り面に文書等をセットして原稿押圧板を閉じた後、光源、ミラー等により静止原稿をスキャンニングして静止原稿の反射像をCCDカメラに結像させて電気信号に変換し、ADF装置を用いて原稿を読み取るときには、シート状の原稿を、シート搬送装置にて一枚ずつ搬送してFBS方式の読取面と別途に設けた原稿読取面に案内し、その読取面で原稿を読み取るようにしている。
【0003】
ADF装置の小型化を達成するために、原稿搬送路に沿って複数の搬送ローラを構成する駆動ローラと従動ローラを配置したADF装置が提案されている。このように複数の駆動ローラと従動ローラで原稿搬送路を形成することで、ADF装置を小型化することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このADF装置の搬送ローラは、原稿搬送路の内周側は、原稿搬送路の幅方向の両側に設けたサイドフレーム間に支持されるが、搬送路の外周側搬送ローラ、特に、内周側リタードローラと接触して原稿を一枚ずつ分離して送るためのセパレートローラは、原稿搬送路中に原稿が詰まったときに取り出せるよう、原稿搬送路を開放するための開閉自在な上部フレームに取り付けられており、セパレートローラを回転駆動させる際、その駆動伝達ギアの配置によっては、上部フレームが開く方向に作用することがある。またセパレートローラに対向してリタードローラが弾装されていると、このリタードローラの押圧力が助長されて上部フレームが開く方向に作用することになり、セパレートローラが浮き上がって原稿の繰り込みが良好に行い得なくなる問題がある。
【0005】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、開閉自在な上部フレームに設けられたセパレートローラ等の搬送ローラを駆動する際に、上部フレームに閉まる方向の力が作用するシート搬送装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、給紙トレイとその下部に排紙トレイを備え、その給紙トレイと排紙トレイとを結んで、原稿を、原稿読取面に搬送するための湾曲した原稿搬送路が形成され、その原稿搬送路の内周側と外周側に沿って複数の搬送ローラが設けられ、その給紙トレイ側の原稿搬送路の上流側の内周側と外周側の搬送ローラを、リタードローラとセパレートローラで構成し、そのセパレートローラを、原稿読取面に至る原稿搬送路を開放する開閉自在な上部フレームに設けたシート搬送装置において、前記セパレートローラに従動ギアを設け、他方その従動ギアに噛合する搬送ローラ駆動用ギアを、上部フレームの開閉支点とは反対側でかつ上部フレームを閉じたときに同じ高さとなるように設けて、搬送ローラ駆動用ギアが従動ギアと噛合してリタードローラを駆動するとき、上部フレームが閉まる方向に作用させて、セパレートローラがリタードローラに圧接するようにしたシート搬送装置である。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適一実施の形態を添付図面に基づいて詳述する。
【0010】
先ず、ファクシミリ装置等におけるADF装置の全体構成を図4により説明する。
【0011】
図4において、10はファクシミリ等の装置本体で、装置本体10上に開閉自在な原稿押圧板11が開閉自在に設けられ、その原稿押圧板11に、装置本体10に形成した原稿読取面12に原稿を1枚ずつ搬送して読み取らせるためのADF装置(シート搬送装置)13が設けられる。
【0012】
ADF装置13は、給紙トレイ14とその下部に排紙トレイ15を備え、その給紙トレイ14と排紙トレイ15とを結んで湾曲した原稿搬送路16が形成され、その原稿搬送路16に沿って複数の搬送ローラ17が設けられる。
【0013】
この搬送ローラ17は、給紙トレイ14側から排紙トレイ15にかけてピックアップローラ18a、セパレートローラ18bとリタードローラ19、第1紙送りローラ20と第1従動ローラ21、第2紙送りローラ22と第2従動ローラ23、第3紙送りローラ24と第3従動ローラ25、及び排出駆動ローラ26と排出従動ローラ27が、順にそれぞれ給紙を挟んで送るよう対向して設けられる。
【0014】
また、リタードローラ19、第1紙送りローラ20、第2紙送りローラ22、第3紙送りローラ24及び排出従動ローラ27は、原稿搬送路16の内周側に位置するように配置され、ピックアップローラ18a,セパレートローラ18b、第1従動ローラ21、第2従動ローラ23、第3従動ローラ25、及び排出従動ローラ26は、原稿搬送路16の外周側に位置するように配置され、これら各搬送ローラ17間には、原稿搬送路16を形成するための内周側ガイド28と外周側ガイド29がそれぞれ設けられる。
【0015】
なお、装置本体10にはADFによる原稿読取面12の他にFBSによる原稿読取ガラス面30が形成され、排紙トレイ15の下面には、装置本体10の読取ガラス面30にセットした原稿を押さえる原稿押さえ面31が形成され、装置本体10には、読取ガラス面30に原稿をセットしたときは図示していないFBSが作動して原稿の画像を読み取り、ADF装置13の給紙トレイ14に原稿をセットしたときは、ADF装置13の各搬送ローラ17が作動して原稿を原稿搬送路16に沿って搬送すると共に原稿読取面12で原稿の画像を読み取るようになっている。
【0016】
図3に示すように原稿押圧板11上には、一対のサイドフレーム32が設けられ、そのサイドフレーム32,32間に、ADF装置13の各搬送ローラ17、すなわち、リタードローラ19、第1紙送りローラ20、第2紙送りローラ22、第3紙送りローラ24及び排出駆動ローラ26が回転自在に支持される。また、セパレートローラ18b、第1従動ローラ21は、サイドフレーム32の軸部33を支点にして開閉自在に設けられた上部フレーム34に設けられる。
【0017】
さて、図1、図2により、サイドフレーム32に支持されたリタードローラ19、第1紙送りローラ20、第2紙送りローラ22、第3紙送りローラ24及び排出駆動ローラ26を駆動する駆動伝達機構を説明する。
【0018】
先ず、駆動モータ40の軸前後に連結された2段の駆動プーリ41に、それぞれベルト42,43を介して第1メインプーリ44と第2メインプーリ45が連結される。
【0019】
第1メインプーリ44に設けた駆動プーリ50とサイドフレーム32に回転自在に支持された第1紙送りローラ20のローラプーリ20aとにベルト52が掛け渡される。第1紙送りローラ20の軸51には、テンションブラケット53が揺動自在に設けられ、そのテンションブラケット53にベルト52を押圧してテンションを付与するアイドラローラ54が設けられる。
【0020】
テンションブラケット53には、円弧状の長孔55が形成されており、この長孔55にネジ56を挿通し、締め付けることにより、テンションブラケット53をサイドフレーム32に固着するようにしている。
【0021】
なお、本実施の形態では、前記テンションブラケット53はベルトテンションの調整終了後にはネジ56にて固定しているが、前述の負荷変動が伝達されないようにすれば、テンションブラケット53をネジ56で固定せずに常時板バネ58にてテンションブラケット53を付勢している構成でもよい。
【0022】
さらに、テンションブラケット53は、サイドフレーム32にネジ等の固着手段によって設けられた板バネ58が当接し、その板バネ58によりテンションブラケット53が常時反時計方向に回動が付勢されるようになっている。
【0023】
第2メインプーリ45に設けた駆動プーリ60と、第2紙送りローラ22に連結されたプーリ22aと、第3紙送りローラ24に連結されたプーリ24aとにベルト61が掛け渡される。
【0024】
第2紙送りローラ22の軸62には、傾動ブラケット63が揺動自在に設けられ、その傾動ブラケット63に、駆動プーリ60とプーリ22a間のベルト61を押圧してテンションを付与するアイドラローラ64が設けられる。
【0025】
傾動ブラケット63は、円弧状の長孔65が形成されると共に、コイルバネ68によりベルト60にテンションを付与した後に傾動ブラケット63を固定するため、長孔65を介してサイドフレーム32のネジ孔にネジ66を挿通し、該ネジ66の頭部により傾動ブラケット63をサイドフレーム32に固定するようにしている。なお、本実施の形態では、前記傾動ブラケット63はベルトテンションの調整を終了後にはネジ66にて固定しているが、ベルトの歯飛びを防止するようにすれば、傾動ブラケット63をネジ66で固定せずに常時コイルバネ68にて傾動ブラケット63を付勢している構成でもよい。
【0026】
さて第1メインプーリ44には、駆動ギア46が一体に設けられ、その駆動ギア46に第1中間ギア47が噛合され、その第1中間ギア47に第2中間ギア48が噛合されると共に第2中間ギア48に、排出駆動ローラ26の排出駆動ローラギア26aが噛合され、また第1中間ギア47には、搬送ローラ駆動用ギアとしての第3中間ギア49が噛合され、その中間ギア49に、上部フレーム34に取り付けられた搬送ローラとしてのセパレートローラ18bの従動ギア18cが噛合され、第1メインプーリ44の駆動ギア46より排出駆動ローラ26とセパレートローラ18bとが回転駆動される。
【0027】
このセパレートローラ(搬送ローラ)18bの従動ギア18cと噛合する第3中間ギア(搬送ローラ駆動用ギア)49は、従動ギア18cに対して上部フレーム34の開閉支点となる軸部33とは反対方向に配置され、かつ反対方向の第3中間ギア49により従動ギア18cが図示の矢印方向に回転することで、上部フレーム34が閉まる方向(反時計方向)に作用するようにされ、さらに、上部フレーム34を閉じたとき、リタードローラ19に圧接するように上部フレーム34に設けられる。
【0028】
次に本発明の作用を述べる。
【0029】
駆動モータ40により駆動プーリ41が回転され、ベルト42,43にて第1メインプーリ44と第2メインプーリ45とが回転される。
【0030】
先ず、第1メインプーリ44の駆動プーリ50の回転にて、ベルト52を介して、第1紙送りローラ20のローラプーリ20aが回転される。この際、ベルト52は、板バネ58によりテンションブラケット53が常時反時計方向に回動するよう付勢され、アイドラローラ54が、ベルト52を押圧して板バネ58の弾性力に見合った張力を付与することが可能となる。
【0031】
また、第2メインプーリ45の駆動プーリ60の回転によりベルト61を介して、第2紙送りローラ22に連結されたプーリ22aと、第3紙送りローラ24に連結されたプーリ24aが回転され、コイルバネ68で、反時計方向に付勢された傾動ブラケット63により、そのアイドラローラ64が、駆動プーリ60とプーリ22a間のベルト61を押圧してテンションを付与するため、ベルト61の張力が適正に保たれ第2紙送りローラ22と第3紙送りローラ24が正確に回転される。
【0032】
次に、第1メインプーリ44の駆動ギア46の回転にて、第1中間ギア47、第2中間ギア48を介して、排出駆動ローラギア26aが回転され、排出駆動ローラ26が回転される。
【0033】
さて、第1中間ギア47の回転により、第3中間ギア(搬送ローラ駆動用ギア)49が、図示の矢印方向に回転され、これと噛合する上部フレーム34に取り付けられた従動ギア18cが図示の矢印方向に回転されて、搬送ローラであるセパレートローラ18bが回転される。
【0034】
この際、従動ギア18cは、図示の矢印のように反時計方向に回転されるため、その回転力が上部フレーム34に取り付けられていても上部フレーム34を閉じる方向に作用するため、支障なく回転でき、セパレートローラ18bがリタードローラ19に対してそのニップ位置から離間しないため、良好な原稿の分離搬送が行われる。
【0035】
また、セパレートローラ18bは、リタードローラ19に弾接し、その回転により、セパレートローラ18bは、常時上に押し上げられるが、第3中間ギア49にて上部フレーム34の支点である軸部33を中心に常時押し下げる力が作用するため、上部フレーム34が開放する方向に力が作用することがない。
【0036】
【発明の効果】
以上要するに本発明によれば、搬送ローラであるセパレートローラが、リタードローラとのニップ位置から離間しないため良好な原稿分離搬送が行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示す要部拡大図である。
【図2】本発明の平面図である。
【図3】図1を裏面から見た要部断面図である。
【図4】本発明の全体構成を示す断面図である。
【符号の説明】
17 搬送ローラ
18b セパレートローラ(搬送ローラ)
18c 従動ギア
19 リタードローラ
33 軸部
34 上部フレーム
49 第3中間ギア(搬送ローラ駆動用ギア)

Claims (1)

  1. 給紙トレイとその下部に排紙トレイを備え、その給紙トレイと排紙トレイとを結んで、原稿を、原稿読取面に搬送するための湾曲した原稿搬送路が形成され、その原稿搬送路の内周側と外周側に沿って複数の搬送ローラが設けられ、その給紙トレイ側の原稿搬送路の上流側の内周側と外周側の搬送ローラを、リタードローラとセパレートローラで構成し、そのセパレートローラを、原稿読取面に至る原稿搬送路を開放する開閉自在な上部フレームに設けたシート搬送装置において、前記セパレートローラに従動ギアを設け、他方その従動ギアに噛合する搬送ローラ駆動用ギアを、上部フレームの開閉支点とは反対側でかつ上部フレームを閉じたときに同じ高さとなるように設けて、搬送ローラ駆動用ギアが従動ギアと噛合してリタードローラを駆動するとき、上部フレームが閉まる方向に作用させて、セパレートローラがリタードローラに圧接するようにしたことを特徴とするシート搬送装置。
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