JP3780998B2 - 給紙装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数枚のシート部材を積重状態で担持する給紙トレイと、給紙トレイ上のシート部材を搬送路へ送り込む給紙ローラと、該給紙ローラのローラ面と圧接可能な支持体と、該支持体に貼設されてローラ面と圧接する分離パッドと、該分離パッドの圧接部と支持体との間に介設された弾性変形可能な弾性部材とを備えてなる給紙装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
スキャナ、ファクシミリ、複写機等においては、複数枚の原稿を順次給紙するオート・ドキュメント・フィーダー(以下「ADF」という。)等の給紙装置が装備されているものがあり、該給紙装置によれば、給紙トレイ上に載置された複数枚の原稿を連続的且つ自動的に読取位置へ給紙することができる。このような給紙装置には、積重状態で給紙トレイ上に担持された原稿を1枚づつ分離しながら搬送路へ繰り込むために、図6に示すように、軸91に駆動力が伝達されて回転する給紙ローラ92に、支持体93の上面に配設された分離パッド94を、該支持体93を付勢することにより給紙ローラ92に圧接させた分離機構90を設け、給紙ローラ92が圧接して回転することにより搬送路へ送り込まれる原稿に、摩擦や静電気により他の原稿が付着した場合に、給紙ローラ92と分離パッド94との圧接部において他の原稿を分離パッド94の摩擦力で制止することにより原稿が重送されることを防止しているものがある。また、支持体93と分離パッド94との間にスポンジ等の弾性部材95を介設することにより、原稿分離時の摩擦等により発生する分離パッド94の振動を吸収し、また、分離パッド94と給紙ローラ92との圧接面積を増やす一方、単位面積当りの圧接力を緩和して、原稿の分離能力を維持しつつ原稿に与えるダメージを少なくするようにしている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平4−226228号公報
【特許文献2】
特開2001−97585号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記分離機構90を備えた従来の給紙装置では、前記支持体93が給紙トレイに形成された開口から出没可能に設けられることにより、支持体93の上面に設けられた分離パッド94が、給紙トレイの上方に配設された給紙ローラ92と圧接されるが、かかる従来の給紙装置においては、給紙トレイに原稿を載置する際に、給紙トレイに沿って挿入された原稿の先端が、前記開口から突出した分離パッド94に当接して、分離パッド94に剥れや破れ等の損傷を与えるおそれがあった。
【0005】
また、製造時や組付け時の誤差等により、支持体93と弾性部材95との間に段差が生じた場合に、該段差により分離パッド94の分離面に段差や膨出部が生じ、紙詰まりの原因となるおそれもあった。
【0006】
本発明は、かかる問題に鑑みてなされたものであり、シート部材が当接することにより分離パッドが損傷したり、支持体と弾性部材との段差により紙詰まりが生じることを防止できる給紙装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、複数枚のシート部材を積重状態で担持する給紙トレイと、給紙トレイ上のシート部材を搬送路へ送り込む給紙ローラと、該給紙ローラのローラ面と圧接可能な支持体と、該支持体にその表面と面一となるように配設された弾性変形可能な弾性部材と、前記支持体と前記弾性部材とにまたがって貼着され前記弾性部材に貼着されて形成される分離面が部分的にローラ面と圧接する分離パッドと、を備えてなる給紙装置において、給紙トレイの底面に固定され、且つ、その下流側端部が分離パッドと給紙ローラとの圧接部より上流側の分離面に前記支持体と前記弾性部材との継目に対応する箇所を覆うようにして圧接されて、給紙トレイ上のシート部材を分離パッドの分離面へ案内するガイドフィルムを具備したものである。
なお、本発明において上流側及び下流側とは、シート部材を供給する方向における上流側及び下流側をいう。また、本給紙装置におけるシート部材とは、コピー装置やファクシミリ装置における原稿や記録用紙等であり、所謂普通紙の他、例えばオーバーヘッドプロジェクタ用の透明フィルムのような紙以外のシート状のものをも含む。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に係る給紙装置を図面に基づき具体的に説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る給紙装置100を具備するコピー・ファクシミリ複合機1の上部の外観を示す概略斜視図である。図に示すように、該コピー・ファクシミリ複合機1は、読み取るべき原稿を載置するプラテンガラスが配設された読取載置台2と、該原稿をプラテンガラス上に押圧して固定する原稿押さえカバー3と、原稿の読取り開始等を入力するための操作パネル4とを具備してなる。さらに、読取載置台2の下方に、記録用紙に画像を記録する画像記録部、画像を電送するための送信部等を内蔵した本体5と、読み取った画像を記録するための記録用紙を供給する給紙カセット6とを具備している。以下に詳述する給紙装置100は、原稿押えカバー3内のADFと一体として配設されており、プラテンガラス上の読取位置へ原稿を連続的に繰り込むようになっている。
なお、前記コピー・ファクシミリ複合機1は、本発明に係る給紙装置を具備する機器の一例であり、操作パネル4や給紙カセット6等は任意の構成であることは勿論である。
【0009】
図2は、前記原稿押えカバー3の縦断面の概略構成を示す概略断面図である。図に示すように、原稿押えカバー3には、原稿を連続的にプラテンガラス上の読取位置へ搬送して排出するADFが装備されており、本給紙装置100は、該ADFの一部として構成されており、給紙装置100によって搬送路へ繰り込まれた原稿は、搬送ガイド60に沿って読取位置Pに至り、該読取位置Pを通過する際に読取ユニット61により該原稿の画像が読み取られるものとなっている。
【0010】
前記搬送路は、給紙トレイ101から原稿を読取位置へ導く略U字形状のものであり、給紙トレイ101に載置された原稿を下方へ反転しながら読取位置Pへ導き、更に給紙トレイ101の下方の排紙トレイ63へ排出するようになっている。即ち、給紙トレイ101上に載置された原稿は、給紙トレイ101で上側となっている面が下側となって読取ユニット61に読み取られ、該読取面が下側の状態で排紙トレイ63に排出される。従って、ADFにより搬送された読み取り済みの原稿は、給紙トレイ101に載置されたページ順で排紙トレイ63へ排出される。また、搬送路には、原稿を搬送する搬送ローラ62が適宜配置されている。該搬送ローラ62は、不図示の給紙モータにより回転されるものであり、搬送路の形状や距離に応じて、搬送ローラの数を適宜増減することは当然可能である。
【0011】
読取ユニット61は、読取位置へ光を照射する光源610と、原稿からの反射光Rを所定の方向へ導くための反射ミラー611と、反射光Rを収束する集光レンズ612と、該収束光を電気信号に変換して出力する電荷結合素子(Charge Couple Device、以下「CCD」という。)613とを備えてなる所謂縮小光学系のCCD読取ユニットである。このように構成された読取ユニット61により、搬送路を搬送されている原稿の画像を読取位置Pでスキャンし、該原稿からの反射光RをCCD613へ導いて結像するものとなっており、電気信号に変換された画像信号は、アナログ/デジタル変換、シェーディング処理等が施された後、プリンタ等の画像記録部により記録用紙に記録され、又はCODEC等の送信部により電送される。
【0012】
また、図には示していないが、原稿押えカバー3内には、リードセンサ、ステップモータ等の駆動源、駆動伝達のためのギアやタイミングベルト等が適宜設けられており、給紙装置100や読取ユニット61等とともに制御手段により制御される構成となっている。また、前述したADFの構成は一例にすぎず、前記読取ユニット61を、原稿が載置されたプラテンガラスの下方を水平方向に移動して画像読取りを行うフラットベッドスキャナと併用したり、CCDを用いた縮小光学系の読取ユニット61に代えて所謂密着形イメージセンサ(Contact Image Sensor、以下「CIS」という。)を使用することも可能であり、更にCCD又はCISを搬送路の対向位置等に夫々配置したり、搬送路に原稿戻し路を設けて原稿の両面読取りを行うことも可能である。
【0013】
給紙装置100は、図2及び図3に示すように、複数枚の原稿を積重状態で担持する給紙トレイ101と、該原稿を搬送路へ送り込む給紙ローラ102と、給紙ローラ102のローラ面と圧接可能な支持体103と、支持体103に貼設されてローラ面と圧接する分離パッド104と、給紙トレイ101の底面から分離パッド104に渡って設けられたガイドフィルム105とを備えたものである。
【0014】
給紙トレイ101は、図に示すように、原稿押えカバー3の上部に、原稿を供給する方向へ若干傾斜させて設けられており、その上面において複数枚の原稿を積重状態で担持するようになっている。使用者が給紙トレイ101上に原稿を載置する場合には、給紙トレイ101の傾斜下端側に原稿の先端を揃えるようにして載置する。一方、給紙トレイ101の傾斜下端は、その上面が給紙ローラ102の下方まで至った後、給紙ローラ102のローラ面へ向かって上方へ湾曲した形状のものであり、給紙トレイ101上に載置された原稿が給紙ローラ102に当接する角度及び位置を規制している。また、該湾曲部分は、搬送路方向へ傾斜した給紙トレイ101上に載置された複数枚の原稿を、搬送路ヘ流れ込むことなく積層状態で貯留することを可能とし、また、原稿を給紙トレイ101に載置する際に、図3に示すように、各原稿の先端が該湾曲部分に沿って斜めにずれることにより、例えば密着状態にあった原稿が捌かれて、原稿を最上紙から分離し易くなり重送が防止される。なお、図には示していないが、給紙トレイ101には、原稿の幅方向の位置を規制して原稿の斜め送りを防止する可変式のガイド部材が設けられている。
【0015】
前記給紙トレイ101の傾斜下流側近傍には、給紙ローラ102及び分離パッド104が夫々配置されており、給紙トレイ101上に載置された複数枚の原稿を1枚づつ分離しながら搬送路ヘ繰り込むようになっている。
【0016】
給紙ローラ102は、搬送路入口の上側部分に配設されて、原稿と圧接しながら回転することにより該原稿を搬送路へ送り込むものであり、例えばシリコンローラ等を用いることができる。さらに、該給紙ローラ102の上流側には、給紙トレイ101に載置された原稿の最上紙を取り出すためのピックアップローラ20が配設されている。ピックアップローラ20も、給紙ローラ102と同様に、原稿と圧接しながら回転することにより該原稿を搬送路へ送り込むものであり、不図示の給紙クラッチにより上下方向に揺動する揺動アーム21に軸支されて、給紙トレイ101の底面に接離可能となっている。該揺動アーム21の揺動により、ピックアップローラ20は、給紙トレイ101に原稿を載置する際等の通常の状態では給紙トレイ101から離されており、原稿繰込み時に原稿の最上紙と接触するように降下し、ピックアップローラ20及び給紙ローラ102が回転することにより、原稿の最上紙が搬送路ヘ送り込まれる。
【0017】
なお、ピックアップローラ20は給紙トレイ101の底面に接触するまで降下可能であるので、原稿枚数により原稿の束の厚さが変化しても常に最上紙と接触可能である。また、給紙ローラ102及びピックアップローラ20は、不図示の給紙モータにより適当なギア等を介して回転されるものであり、また、前記給紙トレイ101の原稿の有無は、不図示の原稿セットセンサにより検知され、該検知信号に基づいて画像読取制御部が給紙ローラ102、ピックアップローラ20、及び揺動アーム21の動作を制御するものとなっている。
【0018】
一方、前記給紙ローラ102の下方には、給紙トレイ101に開口10が設けられて、支持体103が該開口10から分離パッド104が貼設された上面を突出するように配設されている。該分離パッド104は、支持体103の上面に貼設されて前記給紙ローラ102のローラ面と圧接されている。なお、図には詳細に示していないが、分離パッド104は給紙ローラ102の軸方向全域に設ける必要はなく、最小読取幅から最大読取幅の各種原稿が共通して通過する一部の位置において、原稿を分離可能な摩擦力を奏するように設ければ十分である。また、給紙トレイ101の開口10を含む一部分は開閉可能な蓋体12として構成されており、分離パッド104の取替え等のメンテナンス作業の容易が図られている。
【0019】
前記支持体103は、図4に示すように、その下部の上流側に水平方向の軸30が両側方へ突出するように設けられており、該軸30が原稿押えカバー3のハウジング等に支持されて支持体103が回動可能となる。また、支持体103の回動先端側とハウジング等との間には支持体103を付勢するコイルバネ64が介設されるが、該コイルバネ64の上端側が外嵌されるバネ受け部31が支持体103の下面に突設されている。一方、支持体103の上面の上流側端部及び下流側端部には、上流側位置決め部32又は下流側位置決め部33が夫々形成されており、これにより支持体103の上面に設けられる弾性部材35の原稿供給方向の位置決めがなされている。
【0020】
上流側位置決め部32は、弾性部材35の上流端の位置決めを行うものであって、支持体103の上面から上方へ突出しており、その突出高さは弾性部材35の厚みと略同等である。従って、弾性部材35が支持体103の上面に配設された場合に、上流側位置決め部32の上面と弾性部材35の上面とが略面一となる。下流側位置決め部33は、弾性部材35の下流端の位置決めを行うものであって、前記上流側位置決め部32と同様に支持体103の上面から上方へ突出しているが、その突出高さは弾性部材35の厚みより低い。これは、給紙ローラ102と分離パッド104で圧接されている原稿の先端側に斜め下方への搬送力が作用した場合に、弾性部材35及び分離パッド104ともに該搬送力に従って圧縮されるように弾性変形することにより、原稿の円滑な供給を可能とするためである。
【0021】
このような上流側位置決め部32及び下流側位置決め部33により、弾性部材35の位置決めがなされる。該弾性部材35は、スポンジや発泡合成樹脂等の弾性変形が可能なものであり、例えばスポンジのように、給紙される原稿等の厚みに応じて容易に弾性変形するものが好適である。その平面形状は、支持体103の上面と同様の矩形であり、厚みは原稿の厚みによる弾性変形の程度を考慮して適宜設定する。
【0022】
さらに、支持体103の下部の下流側には、水平方向へ突出する突片36が形成されている。突片36は、コイルバネ64により上方向へ付勢された支持体103が所定位置から上方へ回動することを規制するためのものであり、図3に示すように、該突片36の上面が給紙トレイ101の開口10の周縁部や原稿押えカバー3のハウジング、搬送ガイド60等と当接可能なように支持体103が配設される。
【0023】
分離パッド104は、原稿に対する摩擦係数が給紙ローラ102の原稿に対する摩擦係数より低く、且つ原稿同士の摩擦係数より高いシート状のものであり、例えばウレタン系樹脂により形成することが可能である。該分離パッド104は、図4に示すように、前記弾性部材35の上面に貼着されて分離面40が形成され、該分離面40の上流側端部及び下流側端部が夫々下方に曲折されて支持体103の側面で、接着剤やタッカー、係合爪等により固定されている。
【0024】
前記支持体103が、図2及び図3に示すように、給紙トレイ101の開口10に出没自在に設けられることにより、分離パッド104は、給紙ローラ102の下方からローラ面に圧接されており、該圧接部を通過する原稿の厚みに応じて下方へ回動可能となっている。
【0025】
ガイドフィルム105は、図3に示すように、給紙トレイ101の開口10の上流側から分離パッド104の分離面40に渡って設けられている。該ガイドフィルム105は、数枚程度の原稿を所定の方向へ案内できる程度の適度な強度を有する一方、一定以上の外力に対して弾性変形可能な薄膜状のものであり、例えばポリエチレンテレフタレートやポリプロピレン等の合成樹脂フィルム等を用いることができる。また、ガイドフィルム105のガイド面、即ち表面は、原稿を円滑に案内できるように滑らかで、原稿に対する摩擦係数が低いことが好ましい。
【0026】
さらに詳細に説明するに、給紙トレイ101には、開口10の上流側に開口10と略同幅の凹欠部11が形成されている。該凹欠部11は、ガイドフィルム105を原稿ガイド10の底面に配設した場合に、ガイドフィルム105のガイド面が給紙トレイ101の底面と面一となるように形成されたものであり、その凹欠深さはガイドフィルム105の厚みと略同等である。また、凹欠部11の平面形状はガイドフィルム105と同様の矩形であるが、その長さ寸法(原稿供給方向の寸法)はガイドフィルム105より短いものとなっている。従って、ガイドフィルム105は該凹欠部11に配設され、その底面側において給紙トレイ101と接着固定されているが、その下流側端部50は凹欠部11から下流側に突出するようにして開口10にまで至っており、下流側端部50は給紙トレイ101とは接着固定されず、図に示すように、該下流側端部50は開口10において分離パッド104と圧接している。このようにガイドフィルム105が設けられることにより、給紙トレイ101の開口10の周縁や原稿押えカバー3のハウジングとの継目部分等に原稿が引っ掛かることを防止している。また、支持体103の上流側の側面に対応する箇所Aの分離パッド104、及び支持体103の上流側位置決め部32と弾性部材35との継目に対応する箇所Bの分離パッド104の分離面40を覆い、該箇所に給紙される原稿が接触することを防止している。
【0027】
その一方、下流側端部50は分離パッド104と給紙ローラ102との圧接部Cには至っていない。これは、分離パッド104の分離面40の作用、即ち重送される原稿と圧接し、その摩擦力により該原稿を制止する作用を発揮させるためである。これにより、ガイドフィルム105の下流側端部50は、前記圧接部Cより上流側の分離パッド104の分離面40と圧接するものとなって、給紙トレイ101から供給される原稿がガイドフィルム105によって分離パッド104の分離面40へ的確に案内されるものとなっている。
【0028】
図5は、給紙トレイ101上に載置された複数枚の原稿から、給紙ローラ102と分離パッド104により最上紙の原稿のみが分離されて搬送路へ送り込まれる動作を示したものであるが、前記ピックアップローラ20により原稿の最上紙が給紙ローラ102へ送られる際に、紙の摩擦力や静電気により、その下側の原稿も最上紙に従動して給紙ローラ102へ送られることがある。例えば、図5(a)に示すように、ピックアップローラ20が圧接回転して給送する紙D1に付随して紙D2が重なるようにして送られた場合には、紙D1,D2の先端は、前記ガイドフィルム105に案内されて、圧接部Cの上流側の分離パッド104の分離面40へ送られる。従って、前述したように、紙D1,D2の先端は、支持体103の上流側の側面に対応する箇所Aの分離パッド104に当接することがなく、また、支持体103の上流側位置決め部32と弾性部材35との継目に対応する箇所Bの分離パッド40の分離面40に段差や膨出部が生じていても、紙D1,D2は該箇所Bに接触することなく円滑に圧接部Cへ送られ、紙詰まり等が生じることはない。
【0029】
その後、圧接部Cにおいては、紙D1は給紙ローラ102のローラ面と圧接し、紙D2は分離パッド104の分離面40と圧接する。紙D1は給紙ローラ102の回転により搬送路へ送り込まれるが、このとき、紙D2は、紙同士の摩擦力より大きい摩擦係数を有する分離パッド104により、先端側が分離パッド104の分離面40に圧接した状態で、紙の摩擦力や静電気に逆らって制止される。これにより、図5(b)に示すように、紙D1が単独で分離面40を通過して搬送路ヘ送り込まれるが、その際、紙D1が分離パッド104と圧接しても、給紙ローラ102の紙に対する摩擦係数は、分離パッド104より大きいので、紙D1は分離パッド104の分離面40により制止されることなく給紙ローラ102の回転に従って搬送路ヘ送り込まれる。
【0030】
また、図には示していないが、複数枚の原稿の束が給紙トレイ101に載置される場合に、使用者が原稿に勢いをつけたり強く挿入したとしても、ガイドフィルム105が支持体103の側面に対応する箇所Aの分離パッド104をも覆っているので、該箇所Aに原稿の先端が当接することがなく、分離パッド104の剥れや破れ等の損傷を防ぐことができる。
【0031】
なお、前記実施の形態では本給紙装置100が原稿押えカバー3内のADFと一体として装備されたコピー・ファクシミリ複合機1を例に説明したが、本発明に係る給紙装置を、例えば、記録用紙を供給するための給紙カセットや手差しトレイに適用したり、スキャナ等の他の装置にも適用できることは当然可能である。また、本実施の形態で示した給紙装置100の構成は本発明に係る給紙装置の具体的構成態様の一例であり、本発明の要旨を変更しない範囲内で種々の変更が可能であり、例えば、給紙ローラ102及びピックアップローラ20と分離パッド104との上下位置を逆にして、給紙トレイ101上の原稿の最下紙から順次繰り込むようにすること等が可能である。
【0032】
【発明の効果】
このように、本発明に係る給紙装置によれば、複数枚のシート部材を積重状態で担持する給紙トレイと、給紙トレイ上のシート部材を搬送路へ送り込む給紙ローラと、該給紙ローラのローラ面と圧接可能な支持体と、該支持体にその表面と面一となるように配設された弾性変形可能な弾性部材と、前記支持体と前記弾性部材とにまたがって貼着され前記弾性部材に貼着されて形成される分離面が部分的にローラ面と圧接する分離パッドと、を備えてなる給紙装置において、給紙トレイの底面に固定され、且つ、その下流側端部が分離パッドと給紙ローラとの圧接部より上流側の分離面に前記支持体と前記弾性部材との継目に対応する箇所を覆うようにして圧接されて、給紙トレイ上のシート部材を分離パッドの分離面へ案内するガイドフィルムを具備したので、シート部材を載置又は供給する際に分離パッドにシート部材が当接することがなく、分離パッドが損傷することを防止できる。また、支持体と弾性部材との段差等により分離面に段差等が生じたとしても、該段差箇所をガイドフィルムが覆い、紙詰まりが生じることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】コピー・ファクシミリ複合機1の外観を示す概略斜視図である。
【図2】原稿押えカバー3の内部構造を示す概略縦断面図である。
【図3】給紙装置100付近の主要な構成を示す拡大縦断面図である。
【図4】支持体103及び分離パッド104の構成を示す断面図である。
【図5】給紙装置100により複数枚の原稿から最上紙が分離される状態を示す図である。
【図6】従来の分離機構90の主要構成を示す概略斜視図である。
【符号の説明】
100 給紙装置
101 給紙トレイ
102 給紙ローラ
103 支持体
104 分離パッド
105 ガイドフィルム
35 弾性部材
40 分離面
50 下流側端部
Claims (1)
- 複数枚のシート部材を積重状態で担持する給紙トレイと、給紙トレイ上のシート部材を搬送路へ送り込む給紙ローラと、該給紙ローラのローラ面と圧接可能な支持体と、該支持体にその表面と面一となるように配設された弾性変形可能な弾性部材と、前記支持体と前記弾性部材とにまたがって貼着され前記弾性部材に貼着されて形成される分離面が部分的にローラ面と圧接する分離パッドと、を備えてなる給紙装置において、
給紙トレイの底面に固定され、且つ、その下流側端部が分離パッドと給紙ローラとの圧接部より上流側の分離面に前記支持体と前記弾性部材との継目に対応する箇所を覆うようにして圧接されて、給紙トレイ上のシート部材を分離パッドの分離面へ案内するガイドフィルムを具備したことを特徴とする給紙装置。
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