JP4092151B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、給紙装置を備えた複写機、ファクシミリ、プリンタを含む画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、画像形成装置は、1対のレジストローラによって、用紙を画像形成部へ搬送するようにしている。このレジストローラには用紙からの紙粉が付着し堆積することがある。レジストローラに対する紙粉の付着は、レジストローラの摩擦係数を下げ、用紙の搬送力を低下させる原因となる。また、レジストローラに付着した紙粉が画像形成部へ移ると、異常画像の原因にもなる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、以前から紙粉を除去回収できる画像形成装置が提案されている。代表的な技術は、特開平10−129874号に開示されるように、クリーニングブレードをレジストローラ表面に当接し、レジストローラの回転に伴ってローラ上の紙粉を物理的に剥ぎ取るものである。しかしながら、画像形成装置内で搬送される用紙は、搬送中にジャムすることがある。
【0004】
このため、特開平11−157699号に開示されるように、レジストローラ近傍で用紙がジャムしたとき、ユーザーによってジャム用紙が除去できるようにガイド板を開放する機構を採用する場合がある。この場合、前述の紙粉取り用のクリーニングブレードを装着していると、紙粉回収部は密閉した構造を採用していないため、せっかく回収した紙粉がガイド板の開放と共に装置内に飛散してしまう。そのため、開放可能なガイド板には紙粉取り用のクリーニングブレードは現在のところ装着不可能となっている。
【0005】
特開平7−25503号における技術では、紙粉回収部を密封する構成が開示されている。紙粉回収部の開口部一端にクリーニングブレード(スクレーパ)を設け、他端には(前記クリーニングブレード当接点よりも上流側)に常時当接するスクイシート部材を設置して密閉している。
【0006】
このような構成では、紙粉回収時に紙粉回収部に蓄積した紙粉量が確認できないため、定期的な装置のメンテナンスに合わせて紙粉回収部を取り外し、紙粉回収量の確認および紙粉回収部の清掃を必要とする。さらに、どんな条件でも定期メンテナンス前に紙粉が満杯にならないような大容量の回収部を必要とする。
【0007】
本発明の目的は、上記問題点を解消するために、メンテナンス作業負担を軽減する紙粉回収機構を備えた画像形成装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決するために、請求項1記載の発明では、画像形成部に用紙を搬送する搬送ローラ対と、この搬送ローラ対に用紙を案内する1対のガイド部材を有する画像形成装置において、前記1対のガイド部材の一方を、画像形成装置本体のカバー開閉のためのカバー回動動作に連動して、用紙を案内する第1位置と搬送路を開放する第2位置との間で前記搬送ローラ中心に揺動可能に構成し、この揺動可能なガイド部材に、前記揺動の中心となる前記搬送ローラ上へ付着した紙粉を除去する紙粉除去部材と、この紙粉除去部材を支持する支持板と、前記紙粉除去部材にて回収される紙粉を蓄積するための一部または全体が透明あるいは半透明である紙粉回収ケースとを設置し、自らの先端が、前記搬送ローラの回転方向と同じ方向を向きかつ前記搬送ローラに接するように紙粉の飛散を防止するシールド部材を前記紙粉回収ケースの一端に設けたことを特徴とする。
【0009】
請求項2記載の発明では、請求項1記載の画像形成装置において、前記紙粉回収ケースの透明または半透明の部分が前記揺動ガイド部材への取付け面を除く位置にあることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の画像形成装置において、前記シールド部材は前記紙粉除去部材の材質よりも柔らかい材質で構成されていることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1〜3の何れか一つに記載の画像形成装置において、前記紙粉回収ケースが回収紙粉で満杯になったことを検知する光学式検知手段を設けたことを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項1〜4の何れか一つに記載の画像形成装置において、前記ガイド部材は用紙を画像形成装置内で上下方向に搬送されるようにガイドすることことを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面により本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は本発明が適用される画像形成装置の概略図である。図1において、画像形成装置本体1には感光体ドラム3を有し、周知の電子写真プロセスに基づいて画像形成を行う画像形成部2が設けられている。この画像形成部2の下方には、転写用の用紙を給紙する2段に構成された給紙カセットを有する給紙部4が設けられている。5は手差し給紙部であり、6は用紙の表裏を反転する両面ユニットである。
【0011】
画像形成装置において、給紙部4もしくは手差し給紙部5から給紙された用紙は搬送ローラ10を介して1対のレジストローラ11に送られ、これらのレジストローラ11によって画像形成部2で形成されるトナー像とタイミングを合わせて転写部に搬送される。転写部には、転写ベルト7が設けられており、転写部に送られた用紙は未定着トナー像が転写されるとともに、転写ベルト7の走行によってさらに上方へ搬送され、定着ローラ対8に挟持される。定着ローラ対8によって搬送される用紙に、加熱および加圧の作用によって未定着トナー像が永久画像として定着されるとともに上方に搬送される。
【0012】
定着ローラ対8の上方には、シートの搬送先を排紙部9か両面ユニット6かを選択的に切り換える切り換え爪12が配置されている。この切り換え爪12は、実線で示す位置にある時、用紙を排紙部9に導き、鎖線で示す位置にあるときは用紙を両面ユニット6へ案内する。
【0013】
両面ユニット6には、入り口近くに反転爪13が配置され、この反転爪13に続いて反転ローラ14が設けられている。前記切り換え爪12によって両面ユニット6に搬送された用紙は、反転爪13が当初実線の位置にあるので反転ローラ14によってスイッチバック(反転)路15に送られ、用紙の後端が反転爪13を抜けると、この反転爪13が鎖線の位置に切り換わるとともに、反転ローラ14が逆回転を始める。この切り換えによって、用紙は後端が先頭となって両面ユニット搬送路16を通り、再びレジストローラ対11に送られ、このとき用紙は表裏が反転されているので、裏面に画像が形成される。
【0014】
このように構成された画像形成装置は、その用紙搬送路中、いかなる場所でジャムが発生してもこれをユーザーが容易に処理できるように構成されている。レジスト部においてもジャムが発生することがあるため、次に、図2および図3を使用してレジスト部の固定および揺動ガイド板を開放してジャム処理を行う機構を説明する。
【0015】
図2はレジストローラ対の近傍に設けたジャム処理機構を示す部分断面図であり、図3は図2のジャム処理機構を開放状態において示す部分断面図である。図1で示した給紙部4や手差し給紙部5または両面ユニット6から搬送される用紙は1対のガイド部材を構成する固定ガイド板20と揺動ガイド板21に案内されて1対のレジストローラ11のニップに導かれる。揺動ガイド板21は図2および図3における右側のレジストローラ11の軸22に揺動可能に装着されている。
【0016】
揺動ガイド板21のガイド面と反対側には画像形成装置本体1のカバー23が設けられ、カバー23は支軸24を介して画像形成装置本体1に回動可能に装着されている。カバー23には、その回転量を規制する規制部材としての第1および第2規制リンク25,26が設けられている。第1規制リンク25の一端は軸27を介してカバー23に回転可能に装着され、他端はピン28を介して第2規制リンク26の一端と連結されている。また、第2規制リンク26の他端は軸29を介して画像形成装置本体1の機枠に軸支されている。
【0017】
揺動ガイド板21とカバー23とは、連結手段としてのリンク部材30を介して連結されている。リンク部材30は揺動ガイド板21と第2規制リンク26との間に設けられている。リンク部材30の一端には揺動ガイド板21との連結部において長孔31が形成され、この長孔31内に揺動ガイド板21に設けられたピン32が移動可能に連結されている。リンク部材30の他端は軸33を介して第2規制リンク26と連結されている。
【0018】
前述のように各部品を構成することによって、カバー23が軸24を中心として時計方向に回動して開くと、第1規制リンク25を介して第2規制リンク26が軸29を中心として反時計方向に回動される。これにより、リンク部材30が引っ張られほぼ長孔31の長さ分だけ移動すると、揺動ガイド板21が軸22を中心に反時計方向に回動される。
【0019】
かくして、カバー23を移動すると揺動ガイド板21は反時計方向に回動するので、レジスト部の搬送路は開放される。したがって、ジャムした用紙は容易に目視できるので、ジャム用紙の取り忘れなどを防止できる。
【0020】
図4は本発明の画像形成装置に設ける紙粉回収ユニットの実施の形態を図2と対応する位置において示す概略図であり、図5は図4の紙粉回収ユニットの実施の形態を図3と対応する位置において示す概略図である。図6は図5の紙粉回収ユニットを分解した概略図である。
【0021】
揺動ガイド板21には着脱自在な紙粉回収ケース14が配置されている。さらにレジストローラ対11に付着する紙粉を掻き落とす紙粉除去部材12を接着した紙粉除去部材支持板13が、紙粉回収ケース14に着脱可能に設けられて紙粉回収ユニットを構成する。紙粉除去部材12の先端はレジストローラ11の表面に押圧され、レジストローラ11が回転駆動されることによって、その表面に付着した紙粉を掻き落とし、その紙粉を重力の利用によって紙粉回収ケース14の奥へ溜める。
【0022】
紙粉除去部材12は厚さ0.1mmから0.3mm程度のポリエステル製のフィルムが最適である。また、紙粉回収ケース14の一端には紙粉の飛散を防止するシールド部材34が接着されており、中程にはこの紙粉回収ケース14に流入する空気のみを排出しかつ紙粉をせき止めるフィルタ35を備えた窓が設けられている。
【0023】
紙粉回収ケース14は一部または全体が透明あるいは半透明の材料で形成されており、この透明あるいは半透明の部分は揺動ガイド板21への取付け面、すなわち、紙粉除去部材12を接着した紙粉除去部材支持板13を除く紙粉回収ケース14部分である。
【0024】
紙粉回収ケース14に紙粉が満杯になった時には、紙粉除去部材12および紙粉除去部材支持板13が付いた状態で取っ手19を利用して紙粉回収ケース14を揺動ガイド板21から外した後、紙粉回収ケース14から紙粉除去部材12および紙粉除去部材支持板13を外し、紙粉回収ケース14に溜まった紙粉を廃棄処分する。
【0025】
このとき、紙粉回収ケース14は一部または全体が透明あるいは半透明であるので、光学式検知手段(図示せず)を用いて回収紙粉の満杯を検知し、メンテナンス指示のメッセージを表示し、機械を停止することも可能である。
【0026】
紙粉除去部材12に摩耗や欠け等の不具合が発見された場合、紙粉除去部材支持板13と共に交換する。シールド部材34に同様の不具合が発生した場合は、紙粉回収ケース14と共に交換する。
【0027】
図7は図4の実施の形態におけるレジストローラ、紙粉回収ケースおよびシールド部材の1部分を拡大して示す部分図である。図5において、シールド部材34はレジストローラ11の回転に対してしたがう角度で紙粉回収ケース14に貼り付けられており、先端がレジストローラ11にわずかに接している。シールド部材34は紙粉除去部材12の素材よりも柔らかい材料であり、厚さ0.1mmから0.3mm程度の発泡ポリウレタン製のシートが最適である。
【0028】
レジストローラ11が時計周りに回転すると紙粉がシールド部材34に当たるが、レジストローラ11とシールド部材34とで作られる当接角度θがある程度小さく、かつシールド部材34が柔らかい材料の場合には、紙粉の掻き取りができずにシールド部材34が紙粉回収ケース14側に入り込むことが実証されている。
【0029】
図8は紙粉回収ケースへのシールド部材の貼り付け角度を説明する、図4の実施の形態におけるレジストローラ、紙粉回収ケースおよびシールド部材の1部分を拡大して示す部分図である。図8において、シールド部材34はその先端がレジストローラ11の表面に対する当接角度θが0°に近似するように紙粉回収ケース14に貼り付けるのが最適である。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1〜5の画像形成装置においては、1対のガイド部材の一方を、画像形成装置本体のカバー開閉のためのカバー回動動作に連動して、用紙を案内する第1位置と搬送路を開放する第2位置との間で前記搬送ローラ中心に揺動可能に構成し、この揺動可能なガイド部材に前記搬送ローラ上へ付着した紙粉を除去する紙粉除去部材と、この紙粉除去部材を支持する支持板と、前記紙粉除去部材にて回収される紙粉を蓄積する紙粉回収ケースを設け、この紙粉回収ケースの一部または全体が透明あるいは半透明であるため、紙粉回収ケースを取り外すことなく、容易に紙粉回収量を確認することができる。
【0031】
請求項2の画像形成装置においては、紙粉回収ケースの透明または半透明の部分を揺動ガイド板への取付け面を除く位置に設けたので、また、紙粉回収ケースを取り外すことなく、容易に紙粉回収量を確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用される画像形成装置の概略図である。
【図2】レジストローラ対の近傍に設けたジャム処理機構を示す部分断面図である。
【図3】図2のジャム処理機構を開放状態において示す部分断面図である。
【図4】本発明の画像形成装置に設ける紙粉回収ユニットの実施の形態を図2と対応する位置において示す概略図である。
【図5】図4の紙粉回収ユニットの実施の形態を図3と対応する位置において示す概略図である。
【図6】図5の紙粉回収ユニットを分解した概略図である。
【図7】図4の実施の形態におけるレジストローラ、紙粉回収ケースおよびシールド部材の1部分を拡大して示す部分図である。
【図8】紙粉回収ケースへのシールド部材の貼り付け角度を説明する、図4の実施の形態におけるレジストローラ、紙粉回収ケースおよびシールド部材の1部分を拡大して示す部分図である。
【符号の説明】
1 画像形成装置本体
2 画像形成部
11 レジストローラ
12 紙粉除去部材
13 紙粉除去部材支持板
14 紙粉回収ケース
20 固定ガイド板(ガイド部材)
21 揺動ガイド板(ガイド部材)
Claims (5)
- 画像形成部に用紙を搬送する搬送ローラ対と、この搬送ローラ対に用紙を案内する1対のガイド部材を有する画像形成装置において、
前記1対のガイド部材の一方を、画像形成装置本体のカバー開閉のためのカバー回動動作に連動して、用紙を案内する第1位置と搬送路を開放する第2位置との間で前記搬送ローラ中心に揺動可能に構成し、
この揺動可能なガイド部材に、前記揺動の中心となる前記搬送ローラ上へ付着した紙粉を除去する紙粉除去部材と、この紙粉除去部材を支持する支持板と、前記紙粉除去部材にて回収される紙粉を蓄積するための一部または全体が透明あるいは半透明である紙粉回収ケースとを設置し、
自らの先端が、前記搬送ローラの回転方向と同じ方向を向きかつ前記搬送ローラに接するように紙粉の飛散を防止するシールド部材を前記紙粉回収ケースの一端に設けたことを特徴とする画像形成装置。 - 前記紙粉回収ケースの透明または半透明の部分が前記揺動ガイド部材への取付け面を除く位置にあることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
- 前記シールド部材は前記紙粉除去部材の材質よりも柔らかい材質で構成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置。
- 前記紙粉回収ケースが回収紙粉で満杯になったことを検知する光学式検知手段を設けたことを特徴とする請求項1〜3の何れか一つに記載の画像形成装置。
- 前記ガイド部材は用紙を画像形成装置内で上下方向に搬送されるようにガイドすることを特徴とする請求項1〜4の何れか一つに記載の画像形成装置。
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