JP4092037B2 - 物質同定装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、未知物質等の同定に用いられる新規で有用な物質同定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、未知の物質を同定する場合、その未知物質が無機物であれば螢光X線分析装置が用いられ、有機物であればFT−IR(フーリエ変換赤外分光計)が用いられる。そして、前記未知物質が無機物であるか有機物であるかが予め分かっていない場合には、図4に示すように、螢光X線分析装置およびFT−IRの両方を用いて測定を行い、それらの測定結果を互いに比較することにより、判断を行い、未知物質の同定を行っていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記図4に示した手法によれば、同じ試料を螢光X線分析装置およびFT−IRでそれぞれ個別に測定するところから、時間がかかるとともに、試料の取付け・取り外しなどをそれぞれの装置において行う必要があり、面倒な作業を行う必要がある。
【0004】
この発明は、上述の事柄に留意してなされたもので、その目的は、未知試料の同定を迅速かつ簡便に行うことができる物質同定装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、この発明の物質同定装置は、試料ステージ上の試料の同一測定位置に対して、電子銃からの電子線またはX線発生機からのX線と、赤外線発生機からの赤外線とを同時に照射し、電子線またはX線の照射によって試料において生ずる二次X線をX線検出器によって検出する一方、赤外線の照射によって試料において生ずる反射赤外線または透過赤外線を赤外線検出器によって検出し、前記X線検出器の出力を二次X線信号処理部によって処理するとともに前記赤外線検出器の出力をFT−IR信号処理部によって処理し、これら二次X線信号処理部およびFT−IR信号処理部による試料の同一測定位置の信号処理結果に基づいて前記試料の同定を行うように構成したことを特徴とする(請求項1)。
【0006】
上記構成の物質同定装置においては、例えば光学顕微鏡のような光学モニター手段で試料の測定位置(測定部位)を探し、その探した同一測定位置に電子線またはX線と赤外線とを同時に照射する。これは、X線または電子線と赤外線とが互いに干渉する等相互に悪影響を及ぼすことがないからである。そして、前記X線と赤外線を試料の同一測定位置に対して同時に照射したとき、試料において発生する二次X線および反射赤外線(または透過赤外線)をそれぞれX線検出器および赤外線検出器によって検出し、これらの検出器の出力を二次X線信号処理部およびFT−IR信号処理部によってそれぞれ処理し、X線分析およびFT−IR分析を行い、これらの試料の同一測定位置の信号処理部の出力をコンピュータにおいて解析するのである。これにより、未知物質の同定を短時間に行うことができるとともに、試料の取付けや取り外しに要する面倒な作業手間を大幅に低減することができる。
【0007】
そして、この発明の物質同定装置において、試料の同一測定位置に対して、電子線またはX線と、赤外線とを同時に照射するのに代えて、電子銃からの電子線またはX線発生機からのX線と、レーザ発振器からのレーザ光とを同時に照射して、X線分析およびラマン分析を行うようにしてもよい(請求項3)。これは、電子線またはX線とレーザ光とが互いに干渉する等相互に悪影響を及ぼすことがないからである。
【0008】
また、この発明の物質同定装置において、試料の同一測定位置に対して、電子銃からの電子線またはX線発生機からのX線と、赤外線発生機からの赤外線と、レーザ発振器からのレーザ光とを同時に照射するようにしてもよい(請求項5)。これは、電子線またはX線と赤外線とレーザ光とが互いに干渉するなど相互に悪影響を及ぼすことがないからである。
【0009】
さらに、上記物質同定装置において、前記試料の同一測定位置の信号処理結果および試料の測定位置情報に基づいてコンピュータ上で復像化し、同一画面上に前記試料のX線分析およびFT−IR分析に基づくマッピング画像を同時に表示したり(請求項2)、X線分析およびラマン分析に基づくマッピング画像を同時に表示したり(請求項4)、X線分析、FT−IR分析およびラマン分析に基づくマッピング画像を同時に表示するようにしてもよい(請求項6)。このようにした場合、元素の分布状況を明確に把握することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
この発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。図1および図2は、この発明の一つの実施の形態を説明するための図で、図1はこの発明の物質同定装置の全体構成を概略的に示す図、図2はその動作説明図である。
【0011】
まず、図1において、1は試料2を載置する試料ステージである。この試料ステージ2は、ステージ駆動機構(図示していない)によって、紙面に垂直なX方向、紙面の左右方向と同じY方向およびこれらX,Y方向と直交するZ方向(高さ方向)にそれぞれ直線的に移動できるとともに、その試料載置面を水平面に対して適宜傾けることができるように構成されている。なお、前記ステージ駆動機構は、後述するコンピュータ14からの信号を受けたコントローラ(図示していない)によって制御されるとともに、後述する検出器10,11への光路を妨げないように構成されている。
【0012】
前記試料ステージ1の上方には、次のような部材が設けられている。まず、3は試料ステージ1上の試料2に対してX線aを照射するX線発生機である。このX線発生機3内には、X線管などが収容されている。そして、4は試料2に対して赤外線bを照射する赤外線発生機で、この赤外線発生機4内には、赤外光源および例えばマイケルソン型干渉計などの二光束干渉計が設けられている。
【0013】
5は試料ステージ1上の試料2にX線aを照射したときに試料2において生ずる螢光X線(二次X線の一種)cを検出するための例えば半導体検出器よりなる螢光X線検出器で、冷却用媒体を収容したタンク6に連なるハウジング7の先端に設けられている。そして、8は試料2に赤外線bを照射したときに試料2によって反射される赤外線dを検出する赤外線検出器である。また、9は試料ステージ1上の試料2をモニターする手段としての例えば光学顕微鏡で、この光学顕微鏡9による画像は、後述するコンピュータ14に送られる。
【0014】
そして、前記試料ステージ1の下方には、次のような部材が設けられている。まず、10は試料2にX線aを照射したときに試料2を透過した透過X線(二次X線の一種)eを検出する透過X線検出器である。また、11は試料2に赤外線bを照射したときに試料2を透過した透過赤外線fを検出する透過赤外線検出器である。なお、試料2にある一定以上の厚みがあるとき、前記透過赤外線fはほとんど生じない。
【0015】
さらに、図1において、12は前記螢光X線検出器5および透過X線検出器10のそれぞれの出力信号の処理などを行う二次X線信号処理部で、試料中に含まれる元素とその強度を判別する。13は反射赤外線検出器8および透過赤外線検出器11のそれぞれの出力信号(インターフェログラム)を処理するFT−IR信号処理部で、試料中に含まれる有機物とその強度を判別する。
【0016】
そして、14は装置全体を統括制御し、画像処理機能を有するコンピュータで、例えばパソコンよりなり、二次X線信号処理部12およびFT−IR信号処理部13と信号の授受を行い、二次X線信号処理部12およびFT−IR信号処理部13からの分析結果を解析し、物質の同定を行うことができるとともに、前記分析結果を同時マッピングすることができ、光学顕微鏡9からの画像信号が入力されるように構成されている。このコンピュータ14には、出力装置としてのカラーディスプレイ15、プリンタ16が接続されている。
【0017】
次に、上記構成の物質同定装置の動作について、図2をも参照しながら説明する。まず、試料2を試料ステージ1上に載置する。光学顕微鏡9によって試料2における測定位置を探す。このとき、試料2の画像がカラーディスプレイ15の画面上に表示されるので、マウス(図示していない)を用いて測定個所を指定すると、前記測定個所が最適の照射位置に位置するように、試料ステージ1が適宜X,Y,Z方向に移動する。
【0018】
そして、測定開始のクリックを行うと、X線発生機3からX線aが試料2の測定位置に向けて発せられるとともに、赤外線発生機4から赤外線bが前記と同一の測定位置に向けて発せられる。前記X線照射および赤外線照射によって、試料2からは二次X線c,eが生じるとともに、反射赤外線dおよび透過赤外線fが生じ、これらは、X線検出器5,10および赤外線検出器8,11によってそれぞれ検出される。そして、前記X線検出器5,10の出力は、二次X線信号処理部12において処理され、試料2中に含まれる元素とその強度が判別される。また、前記赤外線検出器8,11の出力は、FT−IR信号処理部13において処理され、試料2中に含まれる有機物とその強度が判別される。そして、二次X線信号処理部12およびFT−IR信号処理部13の分析結果は、コンピュータ14に入力され、ここで解析が行われて、物質が同定される。
【0019】
そして、X線aおよび赤外線bを絞って試料2を走査し、走査位置に同期しながらデータを取り込み、コンピュータ14上で復像化することにより、X線分析とFT−IR分析の同時マッピングを行うことができる。図2は、このことを説明するための図で、今、試料2が例えばZnとFeSと油分とからなるものであるとき、光学顕微鏡9によって符号2aで示す光学画像が得られ、X線分析によって符号2b〜2dで示す画像が得られ、FT−IR分析によって符号2eで示す画像が得られる。すなわち、画像2aは試料2の全体を示す光学画像であり、2b,2c,2d,2eは、それぞれ、試料2におけるZn、Fe、S、油分の分布状況を示す画像である。これらの画像2a〜2eをコンピュータ14において、スーパーインポーズすることにより、符号2fで示すような画像が得られる。
【0020】
上述したように、この発明の物質同定装置によれば、試料2の同定を行う際、試料2の同一測定位置のX線分析とFT−IR分析とを同時に行うようにしているので、X線分析によって元素の同定が行われ、FT−IR分析によって有機物の同定が行われる。したがって、試料2が無機物であっても有機物であっても、1度の測定だけで、未知物質の同定を行うことができ、従来の手法に比べて、同定を短時間に行うことができる。そして、前記物質同定装置においては、試料2の取付けや取り外しの作業手間を大幅に低減することができ、測定のための操作がより簡単になる。
【0021】
上述の実施の形態においては、試料2に対してその同一測定位置にX線aと赤外線bを同時に照射するようにしていた。これは、X線aと赤外線bとが互いに干渉する等相互に悪影響を及ぼすことがないからである。このように、X線aに対して相互に悪影響を及ぼさないものとしてレーザ光がある。そして、このレーザ光は、赤外線bに対して相互に悪影響を及ぼさない。
【0022】
そこで、この発明の他の実施の形態として、X線、赤外線およびレーザ光を同時に試料2の同一測定位置に照射するように構成した物質同定装置を説明する。すなわち、図3において、17はラマン光分析部で、その内部には、レーザ発振器(図示していない)からのレーザ光gを90°曲げて反射するミラー18、ビームスプリッタ19、レーザ光以外の光を通過させるノッチフィルタ20が設けられている。そして、21はノッチフィルタ20を経た光が入射するモノクロメータ、22はCCDである。また、23はラマン信号処理部で、ラマン分析を行い、その出力はコンピュータ14に送られる。
【0023】
前記ラマン分析は、次のようにして行われる。すなわち、レーザ発振器からのレーザ光gを、反射ミラー18およびビームスプリッタ19を経てラマン光分析部17から試料2に照射すると、入射光と異なったエネルギーを有する光hが試料2から散乱する。そして、この散乱光hはラマン光分析部17によって検出され、ノッチフィルタ20を経てモノクロメータ21に送られ、さらに、CCD22を経てラマン信号処理部に送られ、ラマンスペクトルに基づいて未知物質の同定などが行われる。
【0024】
この図3に示した物質同定装置の動作は、図1に示した物質同定装置のそれと同様であるのでその詳細な説明は省略する。そして、この実施の形態においては、X線分析による無機物の同定およびFT−IR分析による有機物の同定に加えて、ラマン分析により、未知物質の同定を行うことができるとともに、物質のミクロな構造や歪みや欠陥などがわかる。
【0025】
なお、上記図3に示した実施の形態においては、X線、赤外線およびレーザ光を同時同一測定位置に照射し、3種類(X線分析、FT−IR分析、ラマン分析)の測定を同時に行えるようにしているが、これに代えて、X線およびレーザ光を同時に照射するようにして、X線分析とラマン分析とを同時に行うようにしてもよい。このようにした場合、元素と分子の同時分析を行うことができる。
【0026】
上記いずれの物質同定装置による分析において、試料2に対して温度や圧力などの物理的変化を与え、試料2の挙動を計測するようにしてもよい。すなわち、X線分析においては、試料2に対して温度や圧力を変化させても、異なる測定結果は得られないが、FT−IR分析やラマン分析においては、温度や圧力を変化させることにより、物質の結合状態の変化を測定することができ、これにより、試料2に物理的変化を与えたときの試料2の挙動を測定することができる。
【0027】
なお、上述の各実施の形態においては、X線分析を行うに際し、試料2に対してX線発生機からのX線aを照射するようにしているが、試料2に対して電子銃(図示していない)からの電子線を照射するようにしてもよい。また、試料2の光学画像を得る手段として、光学顕微鏡9に代えて、CCDカメラを用いてもよく、さらに、光学顕微鏡とCCDカメラとを併用してもよい。
【0028】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明の物質同定装置においては、試料の同一測定位置に対する複数の分析を同時に行うことができ、未知試料の同定を迅速かつ簡便に行うことができる。また、請求項2,4および6に記載の物質同定装置においては、前記効果に加えて、複数の分析によるマッピング像を同一画面に表示することができ、元素の分布状況を明確に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の物質同定装置の一例を概略的に示す図である。
【図2】 前記装置の動作説明図である。
【図3】 この発明の物質同定装置の他の例を概略的に示す図である。
【図4】 従来技術を説明するための図である。
【符号の説明】
1…試料ステージ、2…試料、3…X線発生機、4…赤外線発生機、10…X線検出器、8,11…赤外線検出器、12…二次X線信号処理部、13…FT−IR信号処理部、17…ラマン光分析部、23…ラマン信号処理部、a…X線、b…赤外線、c…螢光X線、d…反射赤外線、e…透過X線、f…透過赤外線、g…レーザ光、h…散乱光。

Claims (6)

  1. 試料ステージ上の試料の同一測定位置に対して、電子銃からの電子線またはX線発生機からのX線と、赤外線発生機からの赤外線とを同時に照射し、電子線またはX線の照射によって試料において生ずる二次X線をX線検出器によって検出する一方、赤外線の照射によって試料において生ずる反射赤外線または透過赤外線を赤外線検出器によって検出し、前記X線検出器の出力を二次X線信号処理部によって処理するとともに前記赤外線検出器の出力をFT−IR信号処理部によって処理し、これら二次X線信号処理部およびFT−IR信号処理部による試料の同一測定位置の信号処理結果に基づいて前記試料の同定を行うように構成したことを特徴とする物質同定装置。
  2. 試料ステージ上の試料の同一測定位置に対して、電子銃からの電子線またはX線発生機からのX線と、赤外線発生機からの赤外線とを同時に照射し、電子線またはX線の照射によって試料において生ずる二次X線をX線検出器によって検出する一方、赤外線の照射によって試料において生ずる反射赤外線または透過赤外線を赤外線検出器によって検出し、前記X線検出器の出力を二次X線信号処理部によって処理するとともに前記赤外線検出器の出力をFT−IR信号処理部によって処理し、これら二次X線信号処理部およびFT−IR信号処理部による試料の同一測定位置の信号処理結果および試料の測定位置情報に基づいてコンピュータ上で復像化し、同一画面上に前記試料のX線分析およびFT−IR分析に基づくマッピング画像を同時に表示するように構成したことを特徴とする物質同定装置。
  3. 試料ステージ上の試料の同一測定位置に対して、電子銃からの電子線またはX線発生機からのX線と、レーザ発振器からのレーザ光とを同時に照射し、電子線またはX線の照射によって試料において生ずる二次X線をX線検出器によって検出する一方、レーザ光の照射によって試料において生ずる散乱光をラマン光分析部で検出し、前記X線検出器の出力を二次X線信号処理部によって処理するとともに前記ラマン光分析部の検出出力をラマン信号処理部によって処理し、これら二次X線信号処理部およびラマン信号処理部による試料の同一測定位置の信号処理結果に基づいて前記試料の同定を行うように構成したことを特徴とする物質同定装置。
  4. 試料ステージ上の試料の同一測定位置に対して、電子銃からの電子線またはX線発生機からのX線と、レーザ発振器からのレーザ光とを同時に照射し、電子線またはX線の照射によって試料において生ずる二次X線をX線検出器によって検出する一方、レーザ光の照射によって試料において生ずる散乱光をラマン光分析部で検出し、前記X線検出器の出力を二次X線信号処理部によって処理するとともに前記ラマン光分析部の検出出力をラマン信号処理部によって処理し、これら二次X線信号処理部およびラマン信号処理部による試料の同一測定位置の信号処理結果および試料の測定位置情報に基づいてコンピュータ上で復像化し、同一画面上に前記試料のX線分析およびラマン分析に基づくマッピング画像を同時に表示するように構成したことを特徴とする物質同定装置。
  5. 試料ステージ上の試料の同一測定位置に対して、電子銃からの電子線またはX線発生機からのX線と、赤外線発生機からの赤外線と、レーザ発振器からのレーザ光とを同時に照射し、電子線またはX線の照射によって試料において生ずる二次X線をX線検出器によって検出する一方、赤外線の照射によって試料において生ずる反射赤外線または透過赤外線を赤外線検出器によって検出するとともに、レーザ光の照射によって試料において生ずる散乱光をラマン光分析部で検出し、前記X線検出器の出力を二次X線信号処理部によって処理するとともに前記赤外線検出器の出力をFT−IR信号処理部によって処理し、また、前記ラマン光分析部の検出出力をラマン信号処理部によって処理し、これら二次X線信号処理部、FT−IR信号処理部およびラマン信号処理部による試料の同一測定位置の信号処理結果に基づいて前記試料の同定を行うように構成したことを特徴とする物質同定装置。
  6. 試料ステージ上の試料の同一測定位置に対して、電子銃からの電子線またはX線発生機からのX線と、赤外線発生機から赤外線と、レーザ発振器からのレーザ光とを同時に照射し、電子線またはX線の照射によって試料において生ずる二次X線をX線検出器によって検出する一方、赤外線の照射によって試料において生ずる反射赤外線または透過赤外線を赤外線検出器によって検出するとともに、レーザ光の照射によって試料において生ずる散乱光をラマン光分析部で検出し、前記X線検出器の出力を二次X線信号処理部によって処理するとともに前記赤外線検出器の出力をFT−IR信号処理部によって処理し、また、前記ラマン光分析部の検出出力をラマン信号処理部によって処理し、これら二次X線信号処理部、FT−IR信号処理部およびラマン信号処理部による試料の同一測定位置の信号処理結果および試料の測定位置情報に基づいてコンピュータ上で復像化し、同一画面上に前記試料のX線分析、FT−IR分析およびラマン分析に基づくマッピング画像を同時に表示するように構成したことを特徴とする物質同定装置。
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