JP4091231B2 - パターンの位置合わせ方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、グリーンシートあるいはテープキャリア等に形成されたパターンを検査するパターン検査方法に係り、特にマスタパターンと被測定パターンの位置合わせを行う位置合わせ方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、IC、LSIの多ピン化要求に適した実装技術として、PGA(Pin Grid Array)が知られている。PGAは、チップを付けるパッケージのベースとしてセラミック基板を用い、リード線の取り出し位置まで配線を行っている。このセラミック基板を作るために、アルミナ粉末を液状のバインダで練り合わせてシート状にしたグリーンシートと呼ばれるものが使用され、このグリーンシート上に高融点の金属を含むペーストがスクリーン印刷される。そして、このようなシートを焼成することにより、グリーンシートを焼結させると共にペーストを金属化させる、いわゆる同時焼成が行われる。
【0003】
また、その他の実装技術として、TAB(Tape Automated Bonding)が知られている。TAB法は、ポリイミド製のテープキャリア(TABテープ)上に形成された銅箔パターンをICチップの電極に接合して外部リードとする。銅箔パターンは、テープキャリアに銅箔を接着剤で貼り付け、これをエッチングすることによって形成される。
【0004】
このようなグリーンシートあるいはテープキャリアでは、パターン形成後に顕微鏡を用いて人間により目視でパターンの検査が行われる。しかしながら、微細なパターンを目視で検査するには、熟練を要すると共に、目を酷使するという問題点があった。そこで、目視検査に代わるものとして、テープキャリア等に形成されたパターンをTVカメラで撮像して自動的に検査する技術が提案されている(例えば、特開平6−273132号公報、特開平7−110863号公報)。
【0005】
図15、図16は特開平6−273132号公報に記載された断線を検出する従来の検査方法を説明するための図である。良品と判定された被測定パターンを撮像することによって作成されたマスタパターンは、パターンエッジを示す直線の集合として登録される。また、被測定パターンは、パターンを撮像した濃淡画像から抽出したパターンエッジを示すエッジデータ(エッジ座標)の集合として入力される。そして、抽出した被測定パターンのエッジデータn1、n2、n3・・・とマスタパターンの直線との対応付けを行う。この対応付けを行うために、図15に示すように、マスタパターンの連続する直線A1とA2、A2とA3・・・・がつくる角をそれぞれ2等分する2等分線A2’、A3’・・・・を求める。
【0006】
この2等分線A2’、A3’・・・・によってマスタパターンの直線A1、A2、A3・・・・の周囲は、各直線にそれぞれ所属する領域に分割される。これにより、各領域内に存在する被測定パターンのエッジデータn1、n2、n3・・・・は、その領域が属するマスタパターンの直線A1、A2、A3・・・・とそれぞれ対応付けられたことになる。例えば図15において、エッジデータn1〜n3は、直線A1と対応付けられ、データn4〜n6は、直線A2と対応付けられる。次に、被測定パターンのエッジデータとマスタパターンとを比較し、被測定パターンが断線しているかどうかを検査する。
この検査は、図16に示すように、被測定パターンの連結したエッジデータn1〜n9を追跡することによりパターンエッジを追跡するラベリング処理によって実現される。このとき、被測定パターンの先端に生じた断線により、この断線部でエッジデータが連結しないため、マスタパターンの直線A3〜A5に対応するエッジデータが存在しない。こうして、被測定パターンの断線を検出することができる。
【0007】
図17は特開平6−273132号公報に記載された短絡を検出する従来の検査方法を説明するための図である。この検査方法では、まずマスタパターンと被測定パターンを所定の大きさに切り出した検査領域20において、被測定パターンの連結したエッジデータを追跡する。これにより、被測定パターンの各エッジデータは、n1〜n18と順次ラベリングされる。しかし、パターンエッジを示す対向する2直線からなるマスタパターンMaと同じく対向する2直線からなるマスタパターンMbには、エッジデータn8、n17は登録されていない。こうして、被測定パターンの短絡を検出することができる。
【0008】
図18は特開平7−110863号公報に記載された欠損あるいは突起を検出する従来の検査方法を説明するための図である。この検査方法では、まず中心線Lに垂直な垂線を引いて、この垂線がマスタパターンのエッジを示す直線A1、A2と交わる交点間の長さをマスタパターンの幅W0として予め求めておく。次に、実際の検査では、被測定パターンのエッジデータnからマスタパターンの中心線Lに対して垂線を下ろすことにより、対向するエッジデータ間の距離を求める。この距離が被測定パターンの幅Wであり、これをマスタパターンの幅W0と比較することにより、被測定パターンの欠損あるいは突起を検出することができる。
【0009】
しかし、このような検査方法を用いるパターン検査装置では、被測定パターンの全体にわたってマスタパターンとの比較による詳細な検査をソフトウェアで行うため、パターン検査に時間がかかるという問題点があった。そこで、短時間で検査が可能なパターン検査装置が提案されている(例えば、特開平10−141930号公報)。特開平10−141930号公報に記載されたパターン検査装置では、ハードウェアによって被測定パターンの欠陥候補を検出し、検出した欠陥候補を含む所定の小領域だけソフトウェアによって検査するので、被測定パターンの欠陥を従来よりも高速に検査することができる。
【0010】
以上のような検査方法を用いるパターン検査装置では、カメラで取り込んだ被測定パターンとマスタパターンを比較するために、マスタパターンと被測定パターンの位置合わせが必要である。そして、この位置合わせは、マスタパターンに予め設けられた位置決めマークと、これに対応する被測定パターンの位置決めマークの位置を一致させることで行っていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、以上のような位置合わせ方法では、他のパターンから独立した位置決めマークが存在しないマスタパターンと被測定パターンの位置を合わせることができないという問題点があった。
そこで、位置決めマークが存在しないパターンについては、ランドの中心を位置決めマークの代わりとしたり、パターンの角を位置決めマークの代わりとしたりする位置合わせ方法が提案されている(特開平10−318713号公報)。しかし、この位置合わせ方法においても、位置決めマークの代わりとなり得るようなランドやパターンの角が存在しないマスタパターンと被測定パターンの位置を合わせることができないという問題点があった。
【0012】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、位置決めマークあるいは位置決めマークの代わりとなり得るようなランドやパターンの角が存在しないパターンであっても、位置合わせを行うことができる位置合わせ方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明のパターンの位置合わせ方法は、マスタパターン(M)中に複数の位置決め用領域(Fm)を設定し、前記位置決め用領域毎に各領域中に存在するパターンエッジの近傍領域のみを相関値算出領域(Cm)とし、前記マスタパターンの位置決め用領域の画像とこれに対応する位置の被測定パターンの領域(Rp)の画像との相関値を前記位置決め用領域毎に前記被測定パターンの画像の位置をずらしながら算出する際に、マスタパターンと被測定パターンの各々について相関値算出領域のみを用いて相関値算出を行い、前記相関値が極大値をとるピーク位置の座標を前記位置決め用領域毎に求め、前記位置決め用領域とこの領域について求めた前記ピーク位置との位置ずれ量の判定及び前記極大値の判定を前記位置決め用領域毎に行って、前記位置ずれ量が所定画素数より小さく、かつ前記極大値が所定値より大きい場合のみ、該当する位置決め用領域に対応する被測定パターンの前記領域を被測定パターンの位置決め用領域として採用し、前記ピーク位置に基づいて採用した被測定パターンの位置決め用領域とこれに対応する前記マスタパターンの位置決め用領域の位置を合わせることにより、マスタパターンと被測定パターンの画像の位置合わせを行うようにしたものである。このように、マスタパターンの位置決め用領域に対応する領域を被測定パターンから抽出して、この被測定パターンの領域とマスタパターンの位置決め用領域との相関値を算出し、最も相関値が高いピーク位置を被測定パターンの位置決め用領域と見なして、マスタパターンと被測定パターンの互いの位置決め用領域の位置を合わせることにより、マスタパターンと被測定パターンの位置合わせを行うことができる。その結果、他のパターンから独立した位置決めマークあるいは位置決めマークの代わりとなり得るようなランドや角が存在しないパターンであっても、位置合わせを行うことができる。また、マスタパターンの位置決め用領域中に存在するパターンエッジの近傍領域のみを相関値算出領域とすることにより、濃淡の変化がない部分の影響を少なくすることができる。
【0014】
また、本発明のパターンの位置合わせ方法の1構成例として、相関値算出領域を、位置決め用領域内のマスタパターンを膨張処理したときのパターンエッジと位置決め用領域内のマスタパターンを収縮処理したときのパターンエッジとの間の領域としたものである。
また、本発明のパターンの位置合わせ方法の1構成例は、マスタパターンを所定の大きさの複数の矩形領域(Rm)に分割し、各矩形領域の自己相関値を算出して、この自己相関値が位置合わせに適した特性を示す矩形領域を位置決め用領域とするものである。これにより、マスタパターン中に位置合わせに好適な位置決め用領域を設定することができる。
また、本発明のパターンの位置合わせ方法の1構成例は、自己相関値の極大値が一定値以上を示し、かつこの極大値の他に一定値以上の極大値が存在しない場合、自己相関値が位置合わせに適した特性を示していると見なすようにしたものである。
また、本発明のパターンの位置合わせ方法の1構成例は、マスタパターンと被測定パターンの各々の位置決め用領域の座標より被測定パターンとマスタパターンの間の座標変換式を決定し、この座標変換式を用いてマスタパターンを変換することにより、マスタパターンと被測定パターンの位置合わせを行うようにしたものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の第1の実施の形態を示す位置合わせ方法を用いるパターン検査方法のフローチャート図、図2はこの検査方法で用いるパターン検査装置のブロック図である。図2において、1は検査ワークとなるグリーンシート、2はグリーンシート1を載置するためのX−Yテーブル、3はX−Yテーブル2上のグリーンシート1を撮像するラインセンサカメラ、4は被測定パターンの欠陥候補を検出する一次検査を行い、欠陥候補の位置を示すアドレス情報を出力する第1の画像処理装置、5はこのアドレス情報により欠陥候補を含む所定の領域について、被測定パターンとマスタパターンの誤差を求め、被測定パターンの二次検査を行う第2の画像処理装置、6は装置全体を制御するホストコンピュータ、7は検査結果を表示するための表示装置である。
【0016】
最初に、検査の前に予め作成しておくマスタパターンについて説明する。ホストコンピュータ6は、CAD(Computer Aided Design )システムによって作成され例えば磁気ディスクに書き込まれたグリーンシートの設計値データ(以下、CADデータとする)を図示しない磁気ディスク装置によって読み出す(図1ステップ101)。そして、ホストコンピュータ6は、読み出したCADデータからパターンのエッジデータを抽出する。エッジデータは、パターンエッジを示す画素「1」の集合である。そして、パターンエッジを示す画素「1」で囲まれた領域を「1」で塗りつぶし、この画素「1」で塗りつぶされたパターン(パターン以外の背景は「0」)を検査の基準となる第1のマスタパターンとする(図1ステップ102)。
【0017】
このように本実施の形態では、正確なマスタパターンを作成するために、グリーンシート1の製造上のマスタとなったCADデータを用いる。
次に、パターン検査装置のオペレータは、全体の位置合わせを行うための位置決めマークを第1のマスタパターンMにおいて3箇所以上指定する(ステップ103)。
【0018】
図3は第1のマスタパターンMを示す図であり、Tmは位置決めマークを示す。オペレータは、表示装置7の画面に表示された図3のような映像上において、他のパターンから独立したパターンを位置決めマークTmとして指定する。ホストコンピュータ6は、指定された第1の位置決めマークTmの位置をメモリに格納する。
【0019】
次に、オペレータは、図4のように第1のマスタパターンM中に複数の分割領域Emを設定する(ステップ104)。ホストコンピュータ6は、設定された各分割領域Emの位置と大きさをメモリに格納する。なお、各分割領域Emの大きさは一定でなくてもよい。
【0020】
次に、ホストコンピュータ6は、位置決め用矩形領域を分割領域Emごとに設定する(ステップ105)。図5は位置決め用矩形領域の設定方法を示すフローチャート図、図6は位置決め用矩形領域の設定方法を説明するための図である。まず、ホストコンピュータ6は、第1のマスタパターンMの分割領域Emを図6(a)のように所定の大きさの矩形領域Rmに分割する(図5ステップ201)。
【0021】
続いて、ホストコンピュータ6は、中心座標がxs,ysの矩形領域Rm内の濃淡データと、この矩形領域RmからX方向にi、Y方向にjだけ離れた矩形領域Rm’内の濃淡データとの自己相関値f(xs,ys)を次式によって算出する(ステップ202)。
【0022】
【数1】
Figure 0004091231
【0023】
式(1)において、master1(xs+i,ys+j)は矩形領域Rm’内のマスタパターンMの濃淡データ、master2(i,j)は矩形領域Rm内のマスタパターンMの濃淡データである。
式(1)は、図6(b)のように矩形領域Rmの位置をずらした矩形領域Rm’と矩形領域Rmとの相関をとることを意味する。
【0024】
このとき、矩形領域Rmの位置ずれ範囲を指定する定数AS,AEは、マスタパターンMと被測定パターンPとの間に生じ得る位置ずれ量と、システムで許容可能な計算量(矩形領域Rmの位置ずれ量を大きくする程、計算量が増える)とから予め決定される。この定数AS,AEは、数画素程度の値に設定される。なお、本実施の形態では、X方向、Y方向共に同一の位置ずれ量AS,AEを用いているが、X方向、Y方向毎に個別の位置ずれ量を設定してもよい。
【0025】
ホストコンピュータ6は、以上のような自己相関値f(xs,ys)の算出を分割領域Em中の各矩形領域Rm毎に行う(ステップ203)。
自己相関値f(xs,ys)の算出後、ホストコンピュータ6は、分割領域Em中において自己相関値f(xs,ys)が位置合わせに適した特性を示している矩形領域Rmを位置決め用矩形領域Fmとして4箇所以上選択する(ステップ204)。
【0026】
位置合わせに適した特性とは、X方向、Y方向共に自己相関値f(xs,ys)の極大値が一定値以上を示し、かつ自己相関値f(xs,ys)が急峻な特性を示している場合である。本実施の形態では、X方向、Y方向共に、自己相関値f(xs,ys)の極大値が一定値TH以上を示し、かつこの極大値の他に一定値TH以上の極大値が存在しない場合を自己相関値f(xs,ys)が位置合わせに適した特性を示していると見なして、該当矩形領域Rmを位置決め用矩形領域Fmとする(図6(c))。そして、ホストコンピュータ6は、位置決め用矩形領域Fmの座標をメモリに格納する。
【0027】
このように、自己相関値f(xs,ys)が位置合わせに適した特性を示す矩形領域Rmを位置決め用矩形領域Fmとすることにより、マスタパターン中に位置合わせに好適な位置決め用矩形領域Fmを設定することができるので、位置合わせの精度を向上させることができる。
【0028】
なお、選択すべき位置決め用矩形領域Fmがn(例えばn=4)箇所と予め規定されていて、該当矩形領域Rmがn箇所以上存在する場合には、n箇所の位置決め用矩形領域Fmを頂点とするn角形の面積が最大となるように該当矩形領域Rm中から位置決め用矩形領域Fmを選択する。
【0029】
ホストコンピュータ6は、以上のようなステップ201〜204の処理を第1のマスタパターンM中の各分割領域Emごとに行う(ステップ205)。こうして、位置決め用矩形領域Fmの設定処理が終了する。
【0030】
次に、ホストコンピュータ6は、第1のマスタパターンから欠損、ピンホール又は断線検出用の第2のマスタパターンと、突起、飛び散り又は短絡検出用の第3のマスタパターンとを以下のように作成する(ステップ106)。図7は第2、第3のマスタパターンの作成方法を説明するための図であり、第1のマスタパターンの一部を示している。なお、図7では、説明を簡単にするために、パターンエッジを意味する直線のみで第1のマスタパターンを表し、パターンエッジを意味する直線とその内側を意味する斜線で第2、第3のマスタパターンを表しているが、実際の第1〜第3のマスタパターンは、パターンエッジとその内側が画素「1」で塗りつぶされたものである。
【0031】
まず、図7(a)に示すように、第1のマスタパターンをその中心線と直角の方向に収縮させて、第2のマスタパターンM1を作成する。これは、第1のマスタパターンの両エッジを示す対向する直線A1とA4(中心線はL1)の間隔、及びA2とA3(中心線はL2)の間隔を狭くして第1のマスタパターンを細らせることにより作成することができる。
【0032】
この第2のマスタパターンM1による欠陥検出の精度は、第1のマスタパターンをどれだけ収縮させるかによって決まる。例えば、第1のマスタパターンの幅の1/5を超える欠損が存在するときに欠陥と認識したい場合は、第2のマスタパターンM1の幅を第1のマスタパターンの幅の3/5となるように縮小すればよい。検出精度は、画素単位や実際の寸法で決めてもよいことは言うまでもない。こうして、欠損、ピンホール又は断線検出用の第2のマスタパターンM1が作成される。
【0033】
続いて、図7(b)に示すように、第1のマスタパターンをその中心線と直角の方向に膨張させて、第3のマスタパターンM2を作成する。これは、第1のマスタパターンの両エッジを示す対向する直線A5とA8(中心線はL3)、A6とA7(中心線はL4)、A9とA12(中心線はL5)及びA10とA11(中心線はL6)の間隔をそれぞれ広くして第1のマスタパターンを太らせることにより作成することができる。ただし、実際に第3のマスタパターンM2になるのは、膨張処理した結果を論理反転した領域、すなわち直線A5〜A8からなる第1のマスタパターンMaと、直線A9〜A12からなる第1のマスタパターンMbとをそれぞれ膨張処理して生じた2つのパターンに挟まれた領域である。
【0034】
この第3のマスタパターンM2による欠陥検出の精度は、第1のマスタパターンをどれだけ膨張させるかによって決まる。例えば、第1のマスタパターンの幅の1/5を超える欠損が存在するときに欠陥と認識したい場合は、第3のマスタパターンM2の幅を第1のマスタパターンの幅の7/5となるように拡大すればよい。また、画素単位や実際の寸法で検出精度を決めてもよいことは第2のマスタパターンと同様である。こうして、突起、飛び散り又は短絡検出用の第3のマスタパターンM2が作成される。
【0035】
次に、被測定パターンの検査について説明する。まず、グリーンシート1をカメラ3によって撮像する。そして、第1の画像処理装置4は、カメラ3から出力された濃淡画像をディジタル化して、図示しない内部の画像メモリにいったん記憶する(ステップ107)。
カメラ3は、X方向に画素が配列されたラインセンサなので、X−Yテーブル2あるいはカメラ3をY方向に移動させることにより、2次元の画像データが画像メモリに記憶される。
【0036】
続いて、画像処理装置4は、画像メモリに記憶された被測定パターンの濃淡画像を2値化する(ステップ108)。被測定パターンの濃淡画像データには、銅箔パターンとそれ以外の背景(グリーンシート等の基材)とが含まれているが、銅箔パターンと背景には濃度差があるので、銅箔パターンの濃度値と背景の濃度値の間の値をしきい値として設定すれば、銅箔パターンは「1」に変換され、背景は「0」に変換される。こうして、パターンエッジとその内側が画素「1」で塗りつぶされた被測定パターンを得ることができる。
【0037】
次いで、画像処理装置4は、2値化処理した被測定パターン全体とマスタパターン全体の位置合わせを行う(ステップ109)。図8はこの位置合わせ方法を説明するための図である。画像処理装置4には、前述のように位置決めマークTmが設定された第1のマスタパターンM(図8(a))と位置決めマークTmの位置情報とがホストコンピュータ6より送られる。画像処理装置4は、画像メモリに記憶した被測定パターンPにおいて、位置決めマークTmに対応する領域を探索することで、図8(b)のように位置決めマークTmに対応する位置決めマークTpを検出する。
【0038】
そして、画像処理装置4は、被測定パターンPとマスタパターンMの各々について、X方向に並んだ2つの位置決めマーク間の距離DXp、DXmを求める。なお、マーク間距離は、2つの位置決めマークの重心間の距離である。続いて、画像処理装置4は、求めたマーク間距離から拡大/縮小率(DXp/DXm)を算出し、この拡大/縮小率によりマスタパターンのマーク間距離が被測定パターンのマーク間距離と一致するように、マスタパターンMを全方向に拡大又は縮小する。
【0039】
次いで、画像処理装置4は、拡大/縮小補正したマスタパターンM’と被測定パターンPのそれぞれについて、Y方向に並んだ2つの位置決めマーク間の距離DYm、DYpを図8(c)、図8(d)のように求める。そして、被測定パターンのマーク間距離がマスタパターンのマーク間距離と一致するように、ラインセンサカメラ3とグリーンシート1(X−Yテーブル2)の相対速度を調整して、シート1を再度撮像する。
Y方向の画像分解能は、ラインセンサカメラ3の画素の大きさと上記相対速度によって決定される。したがって、X−Yテーブル2あるいはラインセンサカメラ3の移動速度を変えることにより、Y方向の画像分解能を調整し、マーク間距離を一致させることができる。
【0040】
次に、画像処理装置4は、こうして撮像して得られた被測定パターンP’の位置決めマーク位置と拡大/縮小補正したマスタパターンM’の位置決めマーク位置により、図8(e)のようにパターンP’、M’の角度ずれθを求め、この角度ずれがなくなるようにマスタパターンM’を回転させる。最後に、画像処理装置5は、互いのマーク位置が一致するように、マスタパターンM’と被測定パターンP’の位置を合わせる。
【0041】
このように本実施の形態では、ラインセンサカメラ3の画素数によって決定されるX方向の画像分解能に対して、カメラ3の取り込み速度を変えてY方向の画像分解能を調整することにより、縦(Y)、横(X)の比率を1:1にすることができる。したがって、良品ではあっても規格に対して許容できる範囲内の伸びが存在する被測定パターンをマスタパターンに一致させることができ、形成時のパターン位置のばらつきに対して自動的にパターンの位置補正を行うことができる。
【0042】
次に、画像処理装置4は、被測定パターンとマスタパターンの分割領域ごとの位置合わせを行う(ステップ110)。図9はこの分割領域ごとの位置合わせ方法を示すフローチャート図、図10はこの位置合わせ方法を説明するための図である。ステップ110の位置合わせ処理において、画像処理装置4は、図10(a)に示す第1のマスタパターンMから1つの分割領域Emを切り出すと共に、この分割領域Emに対応する分割領域Epを図10(b)に示す被測定パターンPから切り出す(図9ステップ301)。
【0043】
続いて、画像処理装置4は、切り出した分割領域Em中の位置決め用矩形領域Fm(Fm1〜Fm4)に対応する、分割領域Ep中の位置決め用矩形領域Fpを探索する(ステップ302)。図11はこの探索方法を示すフローチャート図である。
【0044】
まず、画像処理装置4は、図10(d)に示すように、切り出した分割領域Epから位置決め用矩形領域Fm(Fm1〜Fm4)と対応する位置にある、領域Fmと同一サイズの矩形領域Rp(Rp1〜Rp4)を抽出する(図11ステップ401)。
【0045】
次いで、画像処理装置4は、位置決め用矩形領域Fm内の濃淡データとこれに対応する矩形領域Rp内の濃淡データとの相関値g(xs,ys)を次式によって算出する(ステップ402)。
【0046】
【数2】
Figure 0004091231
【0047】
式(2)において、target(xs+i,ys+j)は矩形領域Rp内の被測定パターンPの濃淡データ、master(i,j)は位置決め用矩形領域Fm内のマスタパターンMの濃淡データ、BS,BEは相関値算出の際の位置ずれ範囲を指定する定数である。
【0048】
このとき、画像処理装置4は、濃淡の変化がない部分の影響を少なくするために、マスタパターンMのパターンエッジの近傍領域を相関値算出領域とし、マスタパターンと被測定パターンの各々について相関値算出領域内の濃淡データのみを用いて、相関値g(xs,ys)の算出を行う。
【0049】
この相関値算出領域を決定するためには、図10(e)に示す位置決め用矩形領域Fm内のマスタパターンMをその中心線と直角の方向に膨張させた画像(図10(f))と、同マスタパターンMをその中心線と直角の方向に収縮させた画像(図10(g))とを作成して、図10(f)の画像と図10(g)の画像を反転させた画像との論理積をとり、この論理積の結果を相関値算出領域Cmとする(図10(h))。すなわち、相関値算出領域Cmは、位置決め用矩形領域Fm内のマスタパターンMを膨張させたときのパターンエッジと同マスタパターンMを収縮させたときのパターンエッジとの間の領域である。
【0050】
画像処理装置4は、図10(e)に示す位置決め用矩形領域Fmのうち相関値算出領域Cm内のマスタパターンMの濃淡データと、前記位置決め用矩形領域Fmに対応する矩形領域Rp(図10(i))のうち相関値算出領域Cmに対応する領域内の被測定パターンPの濃淡データを用いて、相関値g(xs,ys)を算出する。
【0051】
次に、画像処理装置4は、相関値g(xs,ys)が極大値をとる位置(以下、ピーク位置と呼ぶ)を画素以下の精度で算出する(ステップ403)。図12は相関値g(xs,ys)のピーク位置の算出方法を説明するための図である。図12の例では、X座標がxsmの位置で相関値g(xs,ys)が最大値をとり、相関値g(xsm,ys),g(xsm−1,ys),g(xsm+1,ys)が2次式にのっているものとする。これにより、次式が成立する。
【0052】
【数3】
Figure 0004091231
【0053】
【数4】
Figure 0004091231
【0054】
【数5】
Figure 0004091231
【0055】
式(3)、式(4)、式(5)より、係数a,b,cは次式のように求めることができる。
【0056】
【数6】
Figure 0004091231
【0057】
【数7】
Figure 0004091231
【0058】
【数8】
Figure 0004091231
【0059】
一方、ax2 +bx+cをxで微分した傾きが0になる点がピーク位置なので、次式が成立する。
【0060】
【数9】
Figure 0004091231
【0061】
式(6)〜式(9)より、ピーク位置のX座標xは次式のように求めることができる。
【0062】
【数10】
Figure 0004091231
【0063】
なお、図12、式(3)〜式(10)においてysは任意の値をとるものとする。こうして、式(10)により、ピーク位置のX座標xを画素以下の精度で求めることができる。また、同様の方法により、ピーク位置のY座標yを画素以下の精度で求めることができる。
【0064】
次に、画像処理装置4は、位置決め用矩形領域FmのX座標とピーク位置のX座標xとのずれ量の絶対値、同矩形領域FmのY座標とピーク位置のY座標yとのずれ量の絶対値が所定画素数以上であるか否かを判定する(ステップ404)。さらに、画像処理装置4は、相関値g(xs,ys)の極大値(ピーク位置xにおける相関値とピーク位置yにおける相関値)が所定値(例えば0.5)以下であるか否かを判定する(ステップ405)。
【0065】
画像処理装置4は、X方向のずれ量の絶対値若しくはY方向のずれ量の絶対値の少なくとも一方が所定画素数以上である場合、あるいは相関値g(xs,ys)の極大値が所定値以下である場合、該当位置決め用矩形領域Fmを位置合わせに不適切であると判断して、位置決め用矩形領域としての設定を解除する(ステップ406)。
【0066】
位置合わせに不適切であると判断して位置決め用矩形領域Fmを削除する理由は、ずれ量の絶対値が所定画素数以上の場合、位置決め用矩形領域Fmに対応していない別の位置を探索している可能性が高く、相関値g(xs,ys)の極大値が所定値以下の場合、位置決め用矩形領域Fmとの相関性が不十分なためである。
【0067】
本発明では、ステップ105の処理において自己相関値f(xs,ys)が位置合わせに適した特性を示す矩形領域Rmを位置決め用矩形領域Fmとすることにより、マスタパターン中に位置合わせに好適な位置決め用矩形領域Fmを設定しているので、ステップ405において相関性が不十分となる割合を減らすことができ、位置合わせを効率良く行うことができる。
【0068】
なお、ステップ406の処理により、位置決め用矩形領域Fmが2箇所となった場合、後述のように座標変換式を求めることができなくなるので、この場合にはグリーンシート1が不良であると判断する。
【0069】
一方、画像処理装置4は、X,Y方向のずれ量の絶対値が所定画素数より小さく、かつ相関値g(xs,ys)の極大値が所定値より大きい場合、位置決め用矩形領域Fmに対応する、分割領域Ep中の位置決め用矩形領域Fpの中心座標を算出する(ステップ407)。すなわち、画像処理装置4は、算出したピーク位置のX座標xを位置決め用矩形領域FpのX座標とし、ピーク位置のY座標yを同矩形領域FpのY座標とする。
【0070】
以上のようなステップ302(ステップ401〜407)の処理が分割領域Emに設定された全ての位置決め用矩形領域Fm(Fm1〜Fm4)に対して行われる(ステップ408)。こうして、図10(c)に示すマスタパターンMの分割領域Emにおいて予め設定された位置決め用矩形領域Fm(Fm1〜Fm4)に対して、これらに対応する位置決め用矩形領域Fp(Fp1〜Fp4)を被測定パターンPの対応分割領域Epにおいて図10(j)のように求めることができる。
【0071】
次に、画像処理装置4は、位置決め用矩形領域Fm1〜Fm4の座標とこれに対応する位置決め用矩形領域Fp1〜Fp4の座標により、被測定パターンとマスタパターンの間の次式のような座標変換式を最小2乗法によって求める(図9ステップ303)。
Xm=αXp+βYp+γ
Ym=δXp+εYp+ζ ・・・(11)
【0072】
式(11)において、Xm,YmはマスタパターンのX,Y座標、Xp,Ypは被測定パターンのX,Y座標、α,β,γ,δ,ε,ζは定数である。
次に、画像処理装置4は、位置決め用矩形領域Fp1〜Fp4のうちの任意の矩形領域、例えば領域Fp1の座標をXp,Ypとして式(11)の座標変換式に代入し、座標Xm,Ymを算出する。そして、座標変換式に代入した位置決め用矩形領域Fp1に対応する位置決め用矩形領域Fm1の座標と算出した座標Xm,Ymとの偏差をX,Y座標ごとに求める。このような偏差の計算を位置決め用矩形領域毎に行う(ステップ304)。
【0073】
続いて、画像処理装置4は、算出した各偏差が所定のしきい値より大きいか否かを判定し(ステップ305)、全ての偏差が所定のしきい値以下の場合、被測定パターンの分割領域Epの歪みが許容範囲内で、かつ導出した座標変換式が適正であると判断し、この座標変換式を用いて分割領域Em内のマスタパターンの座標変換を行う(ステップ306)。
【0074】
また、画像処理装置4は、全ての偏差が所定のしきい値より大きい場合、被測定パターンの分割領域Epの歪みが許容範囲外であり、検査対象のグリーンシート1が不良であると判断する(ステップ307)。一方、画像処理装置4は、しきい値以下の偏差としきい値より大きい偏差が混在する場合、偏差がしきい値より大となる位置決め用矩形領域、例えば領域Fp4とこれに対応する位置決め用矩形領域Fm4を除外した上で(ステップ308)、残りの位置決め用矩形領域Fm1〜Fm3,Fp1〜Fp3の座標により、式(11)の座標変換式を再び求める(ステップ303)。
【0075】
以上のようなステップ303〜305,307,308の処理を各偏差が所定のしきい値以下となるまで繰り返す。こうして、式(11)の座標変換式を決定し、ステップ306のマスタパターンの変換を行うことができる。式(11)のような座標変換式を用いることは、いわゆるアフィン変換(affine transformation )を行うことを意味し、これにより分割領域Emと分割領域Epの位置ずれを補正することができる。
【0076】
本実施の形態では、座標変換式に被測定パターンの位置決め用矩形領域Fpの座標を入力した結果とマスタパターンの対応位置決め用矩形領域Fmの座標との偏差を求め、この偏差が所定のしきい値より大きい位置決め用矩形領域Fp,Fmを被測定パターンとマスタパターンの双方から除外して座標変換式を再び求めることを全ての偏差が所定のしきい値以下となるまで繰り返して、座標変換式を決定することにより、座標変換式の精度を上げることができ、高精度な位置あわせを行うことができる。
【0077】
なお、第2、第3のマスタパターンは第1のマスタパターンから作成されたものなので、第1〜第3のマスタパターンと被測定パターンとの位置合わせは第1のマスタパターンを用いて1回行えばよい。
【0078】
また、式(11)の座標変換式を求めるには、マスタパターン及び被測定パターン共に最低3箇所ずつの位置決め用矩形領域の座標が必要である。しかし、3箇所ずつでは座標変換式の精度が悪くなるため、最低4箇所ずつの位置決め用矩形領域を指定して、偏差がしきい値より大となる位置決め用矩形領域を座標変換式の導出から除外するようにしている。したがって、マスタパターン及び被測定パターン共に位置決め用矩形領域が3箇所ずつとなっても、各偏差がしきい値以下とならない場合には、位置決め用矩形領域を2箇所ずつにして座標変換式を求めることはできないので、この場合も検査対象のグリーンシート1が不良であると判断する。
【0079】
ステップ110の位置合わせ処理が終了した後、画像処理装置4は、被測定パターンの分割領域とこれに対応する第2、第3のマスタパターンの各分割領域とを比較して、被測定パターンの一次検査を行う(ステップ111,112)。ステップ111,112の検査は、画像処理装置4のハードウェアによって同時に実施される。
【0080】
まず、第2のマスタパターンM1との比較による検査(ステップ111)について説明する。図13はこの検査方法を説明するための図である。なお、図13の例では、梨地で示すパターンNPを除いた部分が被測定パターンPである。画像処理装置4は、図13に示すように、被測定パターンPの分割領域Epと第2のマスタパターンM1の上記座標変換式によって位置補正がなされた対応分割領域Emとを比較する。ただし、実際に比較するのは、被測定パターンPを論理反転したパターンNPと第2のマスタパターンM1である。
【0081】
パターンNPと第2のマスタパターンM1との論理積をとると、この論理積の結果は、被測定パターンPに欠損や断線があるか否かによって異なる。例えば、被測定パターンPがその値として「1」を有し、同様にマスタパターンM1が「1」を有するとき、被測定パターンPに欠損や断線がない場合は、パターンNPとマスタパターンM1が重なることがないので、この論理積の結果は「0」となる。
【0082】
これに対して、図13のように被測定パターンPに欠損Cがあると、この部分でパターンNPとマスタパターンM1が重なるので、論理積の結果が「1」となる。これは、被測定パターンにピンホールHや断線がある場合も同様である。こうして、被測定パターンの欠損、ピンホールあるいは断線を検出することができる。そして、画像処理装置4は、論理積の結果が「1」となって欠陥候補と認識した位置(図13では、C,Hの位置)を記憶する。
【0083】
次に、第3のマスタパターンM2との比較による検査(ステップ112)について説明する。図14はこの検査方法を説明するための図である。画像処理装置4は、図14に示すように、被測定パターンPの分割領域Epと第3のマスタパターンM2の上記座標変換式によって位置補正がなされた対応分割領域Emとを比較する。上記と同様に、被測定パターンPa、Pbと第3のマスタパターンM2の論理積をとると、この論理積の結果は、被測定パターンPa、Pbに突起や短絡があるか否かによって異なる。つまり、被測定パターンPa、Pbに突起や短絡がない場合は、論理積の結果は「0」となる。
【0084】
これに対し、図14のように被測定パターンPaに突起Kがあると、この部分で被測定パターンPaとマスタパターンM2が重なるので、論理積の結果が「1」となる。同様に、被測定パターンPa、Pb間に短絡Sが存在すると、論理積の結果が「1」となる。これは、被測定パターンに飛び散りが存在する場合も同様である。こうして、被測定パターンの突起、飛び散りあるいは短絡を検出することができる。そして、画像処理装置4は、論理積の結果が「1」となって欠陥候補と認識した位置(図14では、K,Sの位置)を記憶する。
【0085】
以上のような一次検査を行った後、画像処理装置4は、記憶した欠陥候補の位置をアドレス情報として出力する。
第2の画像処理装置5は、第1の画像処理装置4によって欠陥候補が検出された場合(ステップ113においてYES)、上記アドレス情報が示す位置の欠陥候補を中心とする、分割領域より小さい所定の大きさの領域について、被測定パターンと第1のマスタパターンとを比較して誤差を求めることにより、被測定パターンの二次検査を行う(ステップ114)。この検査の方法は、前述した図15〜図18の従来の方法と同様である。
【0086】
以上のようなステップ110〜114の処理を未検査の分割領域がなくなるまで(ステップ115)、分割領域ごとに行う。なお、位置決め用矩形領域Fmは、マスタパターンの全ての分割領域に設定しなくてもよい。例えば、位置決めマークTmに近い周辺部では、マスタパターンと被測定パターンの位置ずれが小さいので、分割領域ごとの位置合わせを省略してもよい。すなわち、画像処理装置4は、位置決め用矩形領域Fmが設定されていないマスタパターンの分割領域Emに対応する、被測定パターンの分割領域Epについては分割領域ごとの位置合わせを省略する。
【0087】
第2,第3のマスタパターンの各々と被測定パターンとの比較検査は、ハードウェアで実現でき、検出した欠陥候補を含む所定の領域だけ、処理時間のかかる被測定パターンと第1のマスタパターンの比較によって検査するので、被測定パターンを従来よりも高速に検査することができる。
【0088】
また、検査ワークに局所的な歪みが存在する場合、従来のパターン検査方法では、局所的なマスタパターンとのずれが発生し、このずれが欠陥候補として検出されるため、検査ワークの局所的な歪みが許容範囲内であったとしても、二次検査を実施することになり、検査時間が低下してしまう。特に、テープキャリアは、ポリイミド製の薄いフィルムであり、可撓性を有している。このため、検査ワークがテープキャリアである場合、カメラで撮像するテープキャリアには、局所的な歪みが存在し、この歪みは、被測定パターンのマスタパターンとの位置ずれの原因となる。
【0089】
また、テープキャリア上に形成されたパターンの中央付近には、位置決めマークとなり得るような独立したパターンが存在しない。したがって、従来はテープキャリアの周辺部に配設された独立したパターンを位置決めマークとしている。しかし、このような位置合わせ方法では、周辺部以外で発生している、テープキャリアの局所的な歪みに起因する位置ずれを補正することができない。このため、この被測定パターンのマスタパターンとの位置ずれは、前述の検査において欠陥として検出されることになる。
【0090】
これに対して本実施の形態では、検査ワークの局所的な歪みが許容範囲内(つまり、前記偏差がしきい値以下)であれば、座標変換式による分割領域ごとの位置合わせによって検査ワークの局所的な歪みを吸収するので、この歪みが欠陥候補として検出されることがなくなる。
【0091】
なお、図10(a)、図10(b)では各分割領域の重なりが存在しないが、実際の各分割領域は左右上下が他の分割領域と重なるように設定される。これにより、各分割領域の境界の部分の歪みが許容範囲内か否かを隣り合う複数の分割領域の偏差によって判断することができ、各分割領域のつながり具合を検査することができる。
【0092】
また、本実施の形態では、1つの分割領域の検査が終了した後に、次の分割領域の検査を行っているが、複数の分割領域を並行して検査すれば、更に高速な検査ができることは言うまでもない。
さらに、本実施の形態では、位置決め用矩形領域Fm,Fpを分割領域毎の位置合わせに使用しているが、全体の位置合わせに使用してもよい。
【0093】
【発明の効果】
本発明によれば、マスタパターン中に位置決め用領域を設定して、この位置決め用領域中に存在するパターンエッジの近傍領域のみを相関値算出領域とし、位置決め用領域に対応する位置の領域を被測定パターンから抽出して、この被測定パターンの領域とマスタパターンの位置決め用領域との相関値を算出する際に、マスタパターンと被測定パターンの各々について相関値算出領域のみを用いて相関値算出を行い、最も相関値が高いピーク位置を被測定パターンの位置決め用領域と見なして、マスタパターンと被測定パターンの互いの位置決め用領域の位置を合わせることにより、マスタパターンと被測定パターンの位置合わせを行うことができる。その結果、他のパターンから独立した位置決めマークあるいは位置決めマークの代わりとなり得るようなランドや角が存在しないパターンであっても、位置合わせを行うことができる。また、位置決め用領域中に存在するパターンエッジの近傍領域のみを相関値算出領域とすることにより、濃淡の変化がない部分の影響を少なくすることができるので、位置合わせの精度を向上させることができる。さらに、本発明を局所的な位置合わせに使用すれば、局所的な歪みが発生しやすく、かつ位置決めマークとなり得るような独立したパターンが存在しないテープキャリア等の検査ワークであっても、局所的な位置合わせをして、検査ワークの局所的な歪みを吸収し、マスタパターンの分割領域と被測定パターンの分割領域の微妙な位置ずれを補正することができるので、正常な検査を行うことができる。また、検査ワークの局所的な歪みが許容範囲内であれば、この歪みが欠陥候補として検出されることがなくなり、歪みに起因する二次検査が実施されることがなくなるので、検査時間を短縮することができる。
【0094】
また、マスタパターンを所定の大きさの複数の矩形領域に分割し、各矩形領域の自己相関値を算出して、この自己相関値が位置合わせに適した特性を示す矩形領域を位置決め用領域とすることにより、マスタパターン中に位置合わせに好適な位置決め用領域を設定することができるので、位置合わせの精度を向上させることができる。さらに、マスタパターンの位置決め用領域の設定後、被測定パターンの位置決め用領域を探索する処理において、位置合わせに不適当な位置決め用領域の設定を解除すれば、位置合わせの精度を向上させることができる。本発明では、マスタパターン中に位置合わせに好適な位置決め用領域を設定することができるので、位置合わせを効率良く行うことができる。
【0095】
また、マスタパターンと被測定パターンの各々の位置決め用領域の座標より被測定パターンとマスタパターンの間の座標変換式を決定し、この座標変換式を用いてマスタパターンを変換することにより、マスタパターンと被測定パターンとの位置合わせを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態を示す位置合わせ方法を用いるパターン検査方法のフローチャート図である。
【図2】 パターン検査装置のブロック図である。
【図3】 第1のマスタパターン及び位置決めマークを示す図である。
【図4】 第1のマスタパターンの分割領域を示す図である。
【図5】 マスタパターンの位置決め用矩形領域の設定方法を示すフローチャート図である。
【図6】 マスタパターンの位置決め用矩形領域の設定方法を説明するための図である。
【図7】 第2、第3のマスタパターンの作成方法を説明するための図である。
【図8】 被測定パターンとマスタパターンの全体の位置合わせ方法を説明するための図である。
【図9】 被測定パターンとマスタパターンの分割領域ごとの位置合わせ方法を示すフローチャート図である。
【図10】 被測定パターンとマスタパターンの分割領域ごとの位置合わせ方法を説明するための図である。
【図11】 被測定パターンの位置決め用矩形領域の探索方法を示すフローチャート図である。
【図12】 相関値のピーク位置の算出方法を説明するための図である。
【図13】 第2のマスタパターンとの比較による検査方法を説明するための図である。
【図14】 第3のマスタパターンとの比較による検査方法を説明するための図である。
【図15】 断線を検出する従来の検査方法を説明するための図である。
【図16】 断線を検出する従来の検査方法を説明するための図である。
【図17】 短絡を検出する従来の検査方法を説明するための図である。
【図18】 欠損あるいは突起を検出する従来の検査方法を説明するための図である。
【符号の説明】
1…グリーンシート、2…X−Yテーブル、3…ラインセンサカメラ、4…第1の画像処理装置、5…第2の画像処理装置、6…ホストコンピュータ、7…表示装置。

Claims (5)

  1. 基準となるマスタパターンの画像とカメラで撮像した被測定パターンの画像とを比較することにより被測定パターンを検査するパターン検査方法において、
    マスタパターン中に複数の位置決め用領域を設定し、
    前記位置決め用領域毎に各領域中に存在するパターンエッジの近傍領域のみを相関値算出領域とし、
    前記マスタパターンの位置決め用領域の画像とこれに対応する位置の被測定パターンの領域の画像との相関値を前記位置決め用領域毎に前記被測定パターンの画像の位置をずらしながら算出する際に、前記マスタパターンと被測定パターンの各々について前記相関値算出領域のみを用いて相関値算出を行い、
    前記相関値が極大値をとるピーク位置の座標を前記位置決め用領域毎に求め、
    前記位置決め用領域とこの領域について求めた前記ピーク位置との位置ずれ量の判定及び前記極大値の判定を前記位置決め用領域毎に行って、前記位置ずれ量が所定画素数より小さく、かつ前記極大値が所定値より大きい場合のみ、該当する位置決め用領域に対応する被測定パターンの前記領域を被測定パターンの位置決め用領域として採用し、
    前記ピーク位置に基づいて採用した被測定パターンの位置決め用領域とこれに対応する前記マスタパターンの位置決め用領域の位置を合わせることにより、前記マスタパターンと被測定パターンの画像の位置合わせを行うことを特徴とするパターンの位置合わせ方法。
  2. 請求項1記載のパターンの位置合わせ方法において、
    前記相関値算出領域は、前記位置決め用領域内のマスタパターンを膨張処理したときのパターンエッジと前記位置決め用領域内のマスタパターンを収縮処理したときのパターンエッジとの間の領域であることを特徴とするパターンの位置合わせ方法。
  3. 請求項1記載のパターンの位置合わせ方法において、
    前記マスタパターンを所定の大きさの複数の矩形領域に分割し、各矩形領域の自己相関値を算出して、この自己相関値が位置合わせに適した特性を示す矩形領域を前記位置決め用領域とすることを特徴とするパターンの位置合わせ方法。
  4. 請求項3記載のパターンの位置合わせ方法において、
    前記自己相関値の極大値が一定値以上を示し、かつこの極大値の他に一定値以上の極大値が存在しない場合、前記自己相関値が位置合わせに適した特性を示していると見なすことを特徴とするパターンの位置合わせ方法。
  5. 請求項1記載のパターンの位置合わせ方法において、
    前記マスタパターンと被測定パターンの各々の位置決め用領域の座標より被測定パターンとマスタパターンの間の座標変換式を決定し、この座標変換式を用いて前記マスタパターンを変換することにより、前記マスタパターンと被測定パターンの位置合わせを行うことを特徴とするパターンの位置合わせ方法。
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