JP3706375B2 - パターン検査方法およびパターン検査装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、グリーンシートあるいはフィルムキャリア等に形成されたパターンを検査するパターン検査方法およびパターン検査装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、IC、LSIの多ピン化要求に適した実装技術として、PGA(Pin Grid Array)が知られている。PGAは、チップを付けるパッケージのベースとしてセラミック基板を用い、リード線の取り出し位置まで配線を行っている。このセラミック基板を作るために、アルミナ粉末を液状のバインダで練り合わせてシート状にしたグリーンシートと呼ばれるものが使用され、このグリーンシート上に高融点の金属を含むペーストがスクリーン印刷される。そして、このようなシートを焼成することにより、グリーンシートを焼結させると共にペーストを金属化させる、いわゆる同時焼成が行われる。
また、その他の実装技術として、TAB(Tape Automated Bonding)が知られている。TAB法は、ポリイミド製のテープキャリア(TABテープ)上に形成された銅箔パターンをICチップの電極に接合して外部リードとする。銅箔パターンは、テープキャリアに銅箔を接着剤で貼り付け、これをエッチングすることによって形成される。
【0003】
このようなグリーンシートあるいはテープキャリアでは、パターン形成後に顕微鏡を用いて人間により目視でパターンの検査が行われる。しかしながら、微細なパターンを目視で検査するには、熟練を要すると共に、目を酷使するという問題点があった。そこで、目視検査に代わるものとして、テープキャリア等に形成されたパターンをTVカメラで撮像して自動的に検査するパターン検査方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。このパターン検査方法では、カメラで撮像した被測定パターンの濃淡画像を2値化して、2値化処理した被測定パターンと基準となるマスタパターンとを比較して被測定パターンを検査していた。
【0004】
被測定パターンの濃淡画像データには、パターン(銅箔パターン等の導体)とそれ以外の背景(導体が形成されるグリーンシート等の基材)とが含まれているが、一般に導体と基材には濃度差があるので、画像データの濃度の頻度を示す濃度ヒストグラムを作成すると、このヒストグラムは、周知のように基材に対応する頻度と導体に対応する頻度という2つの極大値を有する双峰性を示す。濃淡画像データを2値化するには、一般に、この2峰の間の谷点をしきい値とすればよい。
【0005】
しかし、このようなしきい値の設定方法では、被測定パターンの突起や欠損といった欠陥が誤った値に変換される可能性があり、被測定パターンの欠陥を見逃してしまう可能性があった。図9に示すように、欠損部や断線部の濃度値は、基材の濃度値に比べて高く、導体の濃度値に近い値となる。一方、突起部や短絡部の濃度値は、導体の濃度値に比べて低く、基材の濃度値に近い値となる。このため、2値化しきい値SH1による2値化では、欠損やピンホールあるいは断線といった欠陥は「1」に変換され、突起や飛び散りあるいは短絡といった欠陥は「0」に変換されてしまう。よって、図9の2値化結果に対して検査を実施しても、これらの欠陥を検出することはできない。
【0006】
そこで、図10に示すように、導体の濃度値と欠損および断線の濃度値との間の値を2値化しきい値SH2とし、突起および短絡の濃度値と基材の濃度値との間の値を2値化しきい値SH3として、これらの2値化しきい値SH2,SH3に基づいて2値化した被測定パターンとマスタパターンとを比較するパターン検査方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。2値化しきい値SH2に基づいて被測定パターンの2値化を行うと、図10に示すように欠損やピンホールあるいは断線といった欠陥が基材を示す値「0」に変換されるので、2値化した被測定パターンに対して検査を実施すれば、欠損やピンホールあるいは断線といった欠陥を正しく検出することができる。また、2値化しきい値SH3に基づいて被測定パターンの2値化を行うと、図10に示すように突起や飛び散りあるいは短絡といった欠陥が導体を示す値「1」に変換されるので、2値化した被測定パターンに対して検査を実施すれば、突起や飛び散りあるいは短絡といった欠陥を正しく検出することができる。なお、出願人は、本明細書に記載した先行技術文献情報で特定される先行技術文献以外には、本発明に関連する先行技術文献を出願時までに発見するには至らなかった。
【0007】
【特許文献1】
特許第3316977号公報
【特許文献2】
特許第3049488号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、検査ワークの基材11上に形成される導体12は、実際には図11に示すように側壁が傾斜した台形状の断面形状をしている。つまり、2値化しきい値SH2に相当する高さにおける導体12の線幅Wcおよび2値化しきい値SH3に相当する高さにおける導体12の線幅Wpは、2値化しきい値SH1に相当する高さにおける導体12の線幅Woとは異なる。
【0009】
従来のパターン検査方法では、2値化しきい値SH1に基づいて被測定パターンを2値化することを前提として検査しきい値を決定していた。このため、2値化しきい値SH2,SH3に基づいて2値化した被測定パターンに対して検査を実施すると、線幅Wc,Wpと線幅Woとの違いが検査に影響を及ぼすため、本来は問題がない被測定パターンを欠陥として検出してしまったり、問題がある被測定パターンを見逃してしまったりする可能性があった。また、このような導体の断面形状の影響を避けるためには、作業員が線幅の違いを考慮して検査しきい値を修正しなければならないという問題点があった。
【0010】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、作業員が検査しきい値を修正することなく検査ワークの導体の断面形状の影響を除去して、被測定パターンの欠陥を正しく検出することができるパターン検査方法およびパターン検査装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、検査ワークを撮像した濃淡画像において、導体の濃度値と基材の濃度値の間の値を第1の2値化しきい値とし、前記導体の濃度値と前記第1の2値化しきい値の間の値を第2の2値化しきい値とし、前記第1の2値化しきい値と前記基材の濃度値の間の値を第3の2値化しきい値として、前記濃淡画像を前記第2の2値化しきい値に基づいて2値化処理した第1の被測定パターンおよび前記濃淡画像を前記第3の2値化しきい値に基づいて2値化処理した第2の被測定パターンを基準となるマスタパターンと比較して被測定パターンの欠陥を検出するパターン検査方法において、前記第1の2値化しきい値における導体の第1の線幅、前記第2の2値化しきい値における導体の第2の線幅、および前記第3の2値化しきい値における導体の第3の線幅を前記検査ワークから予め求める測定手順と、前記濃淡画像を前記第2の2値化しきい値に基づいて2値化して前記第1の被測定パターンを生成する第1の2値化処理手順と、前記濃淡画像を前記第3の2値化しきい値に基づいて2値化して前記第2の被測定パターンを生成する第2の2値化処理手順と、前記第1の線幅と前記第2の線幅とに基づいて、前記第1の2値化しきい値に対応して予め設定された欠損又は断線検出用の第1の検査しきい値を前記第2の2値化しきい値に対応するように補正する第1の補正手順と、前記第1の線幅と前記第3の線幅とに基づいて、前記第1の2値化しきい値に対応して予め設定された突起又は短絡検出用の第2の検査しきい値を前記第3の2値化しきい値に対応するように補正する第2の補正手順と、前記第1の被測定パターンと前記マスタパターンとの誤差量を前記補正後の第1の検査しきい値と比較する第1の検査手順と、前記第2の被測定パターンと前記マスタパターンとの誤差量を前記補正後の第2の検査しきい値と比較する第2の検査手順とを有するものである。
【0012】
また、本発明のパターン検査方法の1構成例において、前記第1の補正手順は、前記第1の線幅をWo、前記第2の線幅をWc、画像の分解能をξ、前記第1の検査しきい値をS1としたとき、この第1の検査しきい値S1をS1+((Wo−Wc)/2)/ξに補正し、前記第2の補正手順は、前記第3の線幅をWp、前記第2の検査しきい値をS2としたとき、この第2の検査しきい値S2をS2+((Wp−Wo)/2)/ξに補正し、前記マスタパターンは、基準となる第1のマスタパターンを左右両側でそれぞれS1+((Wo−Wc)/2)/ξだけ収縮させた欠損又は断線検出用の第2のマスタパターンと、前記第1のマスタパターンを左右両側でそれぞれS2+((Wp−Wo)/2)/ξだけ膨張させた突起又は短絡検出用の第3のマスタパターンとからなり、前記第1の検査手順は、前記第1の被測定パターンと前記第2のマスタパターンとの論理積をとり、前記第2の検査手順は、前記第2の被測定パターンと前記第3のマスタパターンとの論理積をとるようにしたものである。
【0013】
また、本発明のパターン検査方法の1構成例において、前記第1の補正手順は、前記第1の線幅をWo、前記第2の線幅をWc、前記第1の検査しきい値をS4としたとき、この第1の検査しきい値S4をS4+(Wo−Wc)に補正し、前記第2の補正手順は、前記第3の線幅をWp、前記第2の検査しきい値をS6としたとき、この第2の検査しきい値S6をS6+(Wp−Wo)に補正し、前記第1の検査手順は、前記マスタパターンの幅に対する前記第1の被測定パターンの欠け量を前記補正後の第1の検査しきい値と比較し、前記第2の検査手順は、前記マスタパターンの幅に対する前記第2の被測定パターンの突起量を前記補正後の第2の検査しきい値と比較するようにしたものである。
【0014】
また、本発明のパターン検査方法の1構成例において、前記第1の補正手順は、前記第1の線幅をWo、前記第2の線幅をWc、前記マスタパターンの幅をW1、前記第1の検査しきい値をS5としたとき、この第1の検査しきい値S5を((S5×W1)+(Wo−Wc))/W1に補正し、前記第2の補正手順は、前記第3の線幅をWp、前記第2の検査しきい値をS7としたとき、この第2の検査しきい値S7を((S7×W1)+(Wp−Wo))/W1に補正し、前記第1の検査手順は、前記マスタパターンの幅に対する前記第1の被測定パターンの欠け量と前記マスタパターンの幅との比率を、前記補正後の第1の検査しきい値と比較し、前記第2の検査手順は、前記マスタパターンの幅に対する前記第2の被測定パターンの突起量と前記マスタパターンの幅との比率を、前記補正後の第2の検査しきい値と比較するようにしたものである。
【0015】
また、本発明のパターン検査装置は、前記濃淡画像を前記第2の2値化しきい値に基づいて2値化して前記第1の被測定パターンを生成する第1の2値化処理手段と、前記濃淡画像を前記第3の2値化しきい値に基づいて2値化して前記第2の被測定パターンを生成する第2の2値化処理手段と、前記検査ワークから予め求められた前記第1の2値化しきい値における導体の第1の線幅および前記第2の2値化しきい値における導体の第2の線幅に基づいて、前記第1の2値化しきい値に対応して予め設定された欠損又は断線検出用の第1の検査しきい値を前記第2の2値化しきい値に対応するように補正する第1の補正手段と、前記検査ワークから予め求められた前記第1の線幅および前記第3の2値化しきい値における導体の第3の線幅に基づいて、前記第1の2値化しきい値に対応して予め設定された突起又は短絡検出用の第2の検査しきい値を前記第3の2値化しきい値に対応するように補正する第2の補正手段と、前記第1の被測定パターンと前記マスタパターンとの誤差量を前記補正後の第1の検査しきい値と比較する第1の検査手段と、前記第2の被測定パターンと前記マスタパターンとの誤差量を前記補正後の第2の検査しきい値と比較する第2の検査手段とを有するものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
[第1の実施の形態]
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の第1の実施の形態を示すパターン検査方法のフローチャート、図2はこの検査方法で用いるパターン検査装置のブロック図である。図2において、1はグリーンシート等の検査ワーク、2は検査ワーク1を載せるX−Yテーブル、3は検査ワーク1を撮像するラインセンサカメラ、4は基準となるマスタパターンとカメラ3で撮像した被測定パターンとを比較して被測定パターンを検査する画像処理装置、5は装置全体を制御するホストコンピュータ、6は検査結果を表示するための表示装置である。
【0017】
画像処理装置4は、マスタパターンと被測定パターンとの位置合わせを行う位置合わせ手段と、被測定パターンの濃淡画像を後述する第2の2値化しきい値に基づいて2値化して第1の被測定パターンを生成する第1の2値化処理手段と、濃淡画像を後述する第3の2値化しきい値に基づいて2値化して第2の被測定パターンを生成する第2の2値化処理手段と、第1の被測定パターンとマスタパターンとの誤差量を後述する第1の検査しきい値と比較する第1の検査手段と、第2の被測定パターンとマスタパターンとの誤差量を後述する第2の検査しきい値と比較する第2の検査手段とを構成している。位置合わせ手段および第1、第2の検査手段の少なくとも一部は、コンピュータによって構成される。
【0018】
ホストコンピュータ5は、第1の2値化しきい値に対応して予め設定された欠損又は断線検出用の第1の検査しきい値を補正する第1の補正手段と、第1の2値化しきい値に対応して予め設定された突起又は短絡検出用の第2の検査しきい値を補正する第2の補正手段とを構成している。ホストコンピュータ5および画像処理装置4内のコンピュータは、例えば演算装置、記憶装置及びインタフェースを備えたハードウェア資源とこれらのハードウェア資源を制御するプログラムによって実現することができる。
【0019】
最初に、検査の前に予め作成しておくマスタパターンについて説明する。ホストコンピュータ5は、CAD(Computer Aided Design )システムによって作成され例えば磁気ディスクに書き込まれた検査ワークの設計値データ(以下、CADデータとする)を図示しない磁気ディスク装置によって読み出す(図1ステップ101)。
【0020】
そして、ホストコンピュータ5は、読み出したCADデータからパターンのエッジデータを抽出する。エッジデータは、パターンエッジを示す画素「1」の集合である。そして、パターンエッジを示す画素「1」で囲まれた領域を「1」で塗りつぶし、この画素「1」で塗りつぶされたパターン(パターン以外の背景は「0」)を検査の基準となる第1のマスタパターンとする(図1ステップ102)。このように本実施の形態では、正確なマスタパターンを作成するために、検査ワーク1の製造上のマスタとなったCADデータを用いる。
【0021】
次に、被測定パターンの検査について説明する。まず、検査ワーク1をカメラ3によって撮像する。そして、画像処理装置4は、カメラ3から出力された濃淡画像をディジタル化して、図示しない内部の画像メモリにいったん記憶する(図1ステップ103)。カメラ3は、X方向に画素が配列されたラインセンサなので、X−Yテーブル2あるいはカメラ3をY方向に移動させることにより、2次元の画像データが画像メモリに記憶される。
【0022】
次いで、画像処理装置4は、被測定パターンの濃淡画像とマスタパターンとの位置合わせを行う(ステップ104)。図3はこの位置合わせ方法を説明するための図である。マスタパターンMには、図3(a)に示すように予め位置決めマークTmが設定されている。画像処理装置4は、画像メモリに記憶した被測定パターンPにおいて、位置決めマークTmに対応する領域を探索することで、図3(b)のように位置決めマークTmに対応する位置決めマークTpを検出する。
【0023】
そして、画像処理装置4は、被測定パターンPとマスタパターンMの各々について、X方向に並んだ2つの位置決めマーク間の距離DXp、DXmを求める。なお、マーク間距離は、2つの位置決めマークの重心間の距離である。続いて、画像処理装置4は、求めたマーク間距離から拡大/縮小率(DXp/DXm)を算出し、この拡大/縮小率によりマスタパターンのマーク間距離が被測定パターンのマーク間距離と一致するように、マスタパターンMを全方向に拡大又は縮小する。
【0024】
次いで、画像処理装置4は、拡大/縮小補正したマスタパターンM’と被測定パターンPのそれぞれについて、Y方向に並んだ2つの位置決めマーク間の距離DYm、DYpを図3(c)、図3(d)のように求める。そして、被測定パターンのマーク間距離がマスタパターンのマーク間距離と一致するように、ラインセンサカメラ3と検査ワーク1(X−Yテーブル2)の相対速度を調整して、シート1を再度撮像する。Y方向の画像分解能は、ラインセンサカメラ3の画素の大きさと上記相対速度によって決定される。したがって、X−Yテーブル2あるいはラインセンサカメラ3の移動速度を変えることにより、Y方向の画像分解能を調整し、マーク間距離を一致させることができる。
【0025】
次に、画像処理装置4は、こうして撮像して得られた被測定パターンP’の位置決めマーク位置と拡大/縮小補正したマスタパターンM’の位置決めマーク位置により、図3(e)のようにパターンP’、M’の角度ずれθを求め、この角度ずれがなくなるようにマスタパターンM’を回転させる。最後に、画像処理装置4は、互いのマーク位置が一致するように、マスタパターンM’と被測定パターンP’の位置を合わせる。
【0026】
ステップ104の位置合わせ処理が終了した後、ホストコンピュータ5は、被測定パターンの濃淡画像データを2値化する際の2値化しきい値を画像処理装置4に対して設定する。2値化処理は、例えば2値化しきい値よりも高い濃度値を「1」に変換し、2値化しきい値以下の濃度値を「0」に変換するので、これによりパターンエッジとその内側が画素「1」で塗りつぶされた被測定パターンを得ることができる。
しかし、図9で説明したように、第1の2値化しきい値SH1による2値化では、欠損やピンホールあるいは断線といった欠陥は「1」に変換され、突起や飛び散りあるいは短絡といった欠陥は「0」に変換されてしまう。
【0027】
そこで、本実施の形態のホストコンピュータ5は、画像処理装置4に対して欠損、ピンホール又は断線検出用の第2の2値化しきい値SH2を設定し(図1ステップ105)、画像処理装置4は、2値化しきい値SH2に基づいて被測定パターンの濃淡画像データを2値化する(ステップ106)。2値化しきい値SH2に基づいて被測定パターンの2値化を行うと、図10に示したように欠損やピンホールあるいは断線といった欠陥が基材を示す値「0」に変換される。画像処理装置4は、2値化しきい値SH2に基づいて2値化した欠損、ピンホール又は断線検出用の第1の被測定パターンを画像メモリに格納する。
【0028】
続いて、ホストコンピュータ5は、画像処理装置4に対して突起、飛び散り又は短絡検出用の第3の2値化しきい値SH3を設定し(図1ステップ107)、画像処理装置4は、2値化しきい値SH3に基づいて被測定パターンの濃淡画像データを2値化する(ステップ108)。2値化しきい値SH3に基づいて被測定パターンの2値化を行うと、図10に示したように突起や飛び散りあるいは短絡といった欠陥が導体を示す値「1」に変換される。画像処理装置4は、2値化しきい値SH3に基づいて2値化した突起、飛び散り又は短絡検出用の第2の被測定パターンを画像メモリに格納する。
【0029】
次に、画像処理装置4は、2値化処理した被測定パターンとマスタパターンとを比較して被測定パターンを検査する。本実施の形態では、ハードウェアによって被測定パターンの欠陥候補を検出して(一次検査)、検出した欠陥候補を含む所定の小領域だけソフトウェアによって検査する(二次検査)。
まず、ハードウェアによる論理演算によって被測定パターンを高速に検査する一次検査について説明する。
【0030】
ホストコンピュータ5は、ステップ102で作成した第1のマスタパターンMoを中心線と直角の方向に収縮処理して欠損、ピンホール又は断線検出用の第2のマスタパターンMcを予め作成しておく(図4(a))。図4(a)の例では、直線A1とA4(中心線はL1)および直線A2とA3(中心線はL2)からなる第1のマスタパターンMoを収縮処理して第2のマスタパターンMcを作成している。
【0031】
第2のマスタパターンMcによる欠陥検出の精度は第1のマスタパターンMoをどれだけ収縮させるかによって決まる。一次検査欠損設定値(第1の検査しきい値)S1[画素]以上の欠損が存在するときに欠陥と認識したい場合は、第1のマスタパターンMoを左右両側でそれぞれS1だけ収縮させればよい(2値化しきい値SH1に基づいて被測定パターンを2値化した場合)。2値化した被測定パターンと第2のマスタパターンMcとの論理積演算を行うことにより、一次検査欠損設定値S1以上の欠損を検出することができる。
【0032】
ただし、一次検査欠損設定値S1は、2値化しきい値SH1に基づいて被測定パターンの濃淡画像を2値化することを前提として決定されている。これに対して本実施の形態では、2値化しきい値SH2に基づいて2値化した被測定パターンと第2のマスタパターンMcとの論理積演算を行う。前述のように検査ワーク1の導体の断面形状は台形なので、SH1からSH2に2値化しきい値をずらす分だけ導体の幅が細くなるため、この変化に応じて一次検査欠損設定値S1を補正(第2のマスタパターンMcの幅を補正)する必要がある。
【0033】
図5は一次検査欠損設定値S1の補正方法を説明するための図である。まず、パターン検査装置を使用する作業者は、図5(a)に示すように基材11上に導体12が形成された検査ワーク1において、2値化しきい値SH1に相当する高さHoにおける導体12の第1の線幅Wo[mm]、2値化しきい値SH2に相当する高さHcにおける導体12の第2の線幅Wc[mm]、2値化しきい値SH3に相当する高さHpにおける導体12の第3の線幅Wp[mm]を予め測定しておく。
【0034】
2値化しきい値SH1は、例えば2値化しきい値SH1と基材の濃度値の差DF1と、導体の濃度値と基材の濃度値の差DF4との比率DF1/DF4が所定値R1となるように設定され、2値化しきい値SH2は、2値化しきい値SH2と基材の濃度値の差DF2と、導体の濃度値と基材の濃度値の差DF4との比率DF2/DF4が所定値R2となるように設定され、2値化しきい値SH3は、2値化しきい値SH3と基材の濃度値の差DF3と、導体の濃度値と基材の濃度値の差DF4との比率DF3/DF4が所定値R3となるように設定される。
【0035】
したがって、導体の濃度値と基材の濃度値の差DF4に相当する実寸、すなわち検査ワーク1の基材11に対する導体12の高さHを求めることができれば、2値化しきい値SH1,SH2,SH3に相当する高さHo,Hc,Hpを求めることができ、高さHo,Hc,Hpにおける導体12の線幅Wo,Wc,Wpを測定することができる。
【0036】
ここで、ステップ103で検査ワーク1を撮像する際、画像処理装置4は、撮像した被測定パターンの濃淡画像データを第1の2値化しきい値SH1に基づいて2値化し、この2値化処理した被測定パターンの線幅Woと第1のマスタパターンMoの幅W1とを測定する。そして、作業員若しくは照明光量調整手段(例えばホストコンピュータ5)は、WoとW1とが一致するようにカメラ3の照明光量を調整する。画像処理装置4がこの照明光量調整後に再び検査ワーク1を撮像して画像メモリに格納した濃淡画像データが、ステップ103で撮像した最終的な被測定パターンである。したがって、導体12を撮像して2値化しきい値SH1で2値化した被測定パターンの幅Woと第1のマスタパターンMoの幅W1とは一致する(図5(b))。2値化しきい値SH1に相当する高さHoにおける導体12の線幅Woに対して、2値化しきい値SH2に相当する高さHcにおける導体12の線幅Wcの細り分は、導体12の左右両側で各々(Wo−Wc)/2[mm]となる。分解能をξ[mm/画素]として、細り分(Wo−Wc)/2を画素数に換算すると、((Wo−Wc)/2)/ξ[画素]となる。
【0037】
したがって、2値化しきい値SH2に対応するためには、導体12の細り分((Wo−Wc)/2)/ξに応じて、この分だけ第2のマスタパターンの幅を細くすればよい。すなわち、一次検査欠損設定値S1をS1+((Wo−Wc)/2)/ξに補正すればよく、第1のマスタパターンMoを左右両側でそれぞれS1+((Wo−Wc)/2)/ξだけ収縮させればよい。
こうして、ホストコンピュータ5は、一次検査欠損設定値S1を補正し(図1ステップ109)、第2のマスタパターンMcを作成する(図1ステップ110)。
【0038】
また、ホストコンピュータ5は、第1のマスタパターンMoを中心線と直角の方向に膨張処理して突起、飛び散り又は短絡検出用の第3のマスタパターンMpを予め作成しておく(図4(b))。図4(b)において、実際に第3のマスタパターンMpになるのは、膨張処理した結果を論理反転した領域、すなわち直線A5〜A8からなるマスタパターンMoaと、直線A9〜A12からなるマスタパターンMobとをそれぞれ膨張処理して生じた2つのパターンに挟まれた領域である。
【0039】
第3のマスタパターンMpによる欠陥検出の精度は、第1のマスタパターンをどれだけ膨張させるかによって決まる。一次検査突起設定値(第2の検査しきい値)S2[画素]以上の突起が存在するときに欠陥と認識したい場合は、第1のマスタパターンMoを左右両側でそれぞれS2だけ膨張させればよい(2値化しきい値SH1に基づいて被測定パターンを2値化した場合)。2値化した被測定パターンと第3のマスタパターンMpとの論理積演算を行うことにより、一次検査突起設定値S2以上の欠損を検出することができる。
【0040】
一次検査欠損設定値S1と同様に、一次検査突起設定値S2は2値化しきい値SH1に基づいて被測定パターンの濃淡画像を2値化することを前提として決定されている。これに対して本実施の形態では、2値化しきい値SH3に基づいて2値化した被測定パターンと第3のマスタパターンMpとの論理積演算を行う。SH1からSH3に2値化しきい値をずらす分だけ導体の幅が太くなるため、この変化に応じて一次検査突起設定値S2を補正(第3のマスタパターンMpの幅を補正)する必要がある。
【0041】
図6は一次検査突起設定値S2の補正方法を説明するための図である。2値化しきい値SH1に相当する高さHoにおける導体12の線幅Woに対して、2値化しきい値SH3に相当する高さHpにおける導体12の線幅Wpの太り分は、導体12の左右両側で各々(Wp−Wo)/2[mm]となる(図6(b))。この太り分(Wp−Wo)/2を画素数に換算すると、((Wp−Wo)/2)/ξ[画素]となる。
【0042】
したがって、2値化しきい値SH3に対応するためには、導体12の太り分((Wp−Wo)/2)/ξに応じて、この分だけ第3のマスタパターンMpの幅を太くすればよい。すなわち、一次検査突起設定値S2をS2+((Wp−Wo)/2)/ξに補正すればよく、第1のマスタパターンMoを左右両側でそれぞれS2+((Wp−Wo)/2)/ξだけ膨張させればよい。なお、前述のとおり、実際に第3のマスタパターンMpになるのは、膨張処理した結果を論理反転したときに「1」となる領域である。
【0043】
こうして、ホストコンピュータ5は、一次検査突起設定値S2を補正し(図1ステップ111)、第3のマスタパターンMpを作成する(図1ステップ112)。なお、第2のマスタパターンMcおよび第3のマスタパターンMpは、第1のマスタパターンMoを収縮/膨張させて作成したものなので、第2のマスタパターンMcおよび第3のマスタパターンMpと被測定パターンとの位置合わせを改めて行う必要はない。
【0044】
次に、画像処理装置4は、2値化した被測定パターンとマスタパターンMc,Mpとを比較して、被測定パターンを検査する(図1ステップ113)。まず、第2のマスタパターンMcとの比較による検査について説明する。図7(a)はこの検査方法を説明するための図である。なお、図7(a)の例では、梨地で示すパターンNPを除いた部分が被測定パターンPである。画像処理装置4は、2値化しきい値SH2に基づいて2値化した被測定パターンPと第2のマスタパターンMcとを図7(a)のように比較する。ただし、実際に比較するのは、被測定パターンPを論理反転したパターンNPとマスタパターンMcである。
【0045】
パターンNPとマスタパターンMcとの論理積をとると、この論理積の結果は、被測定パターンPに欠損や断線があるか否かによって異なる。例えば、被測定パターンPがその値として「1」を有し、同様にマスタパターンMcが「1」を有するとき、被測定パターンPに欠損や断線がない場合は、パターンNPとマスタパターンMcが重なることがないので、この論理積の結果は「0」となる。
【0046】
これに対して、図7(a)のように被測定パターンPに欠損Cがあると、この部分でパターンNPとマスタパターンMcが重なるので、論理積の結果が「1」となる。これは、被測定パターンにピンホールHや断線がある場合も同様である。こうして、被測定パターンの欠損、ピンホールあるいは断線を検出することができる。画像処理装置4は、論理積の結果が「1」となって欠陥候補と認識した位置(図7(a)では、C,Hの位置)を記憶する。
【0047】
次に、第3のマスタパターンMpとの比較による検査について説明する。図7(b)はこの検査方法を説明するための図である。画像処理装置4は、2値化しきい値SH3に基づいて2値化した被測定パターンPとマスタパターンMpとを図7(b)のように比較する。上記と同様に、被測定パターンPa、PbとマスタパターンMpの論理積をとると、この論理積の結果は、被測定パターンPa、Pbに突起や短絡があるか否かによって異なる。つまり、被測定パターンPa、Pbに突起や短絡がない場合は、論理積の結果は「0」となる。
【0048】
これに対して、図7(b)のように被測定パターンPaに突起Kがあると、この部分で被測定パターンPaとマスタパターンMpが重なるので、論理積の結果が「1」となる。同様に、被測定パターンPa、Pb間に短絡Sが存在すると、論理積の結果が「1」となる。これは、被測定パターンに飛び散りが存在する場合も同様である。こうして、被測定パターンの突起、飛び散りあるいは短絡を検出することができる。画像処理装置4は、論理積の結果が「1」となって欠陥候補と認識した位置(図7(b)では、K,Sの位置)を記憶する。
【0049】
以上のような一次検査を行った後、画像処理装置4は、記憶した欠陥候補の位置をアドレス情報とする。そして、画像処理装置4は、前記アドレス情報が示す位置の欠陥候補を中心とする、所定の大きさの領域について、被測定パターンと第1のマスタパターンとを比較して誤差を求めることにより、被測定パターンの二次検査を行う。
【0050】
図8(a)は欠損を検出する二次検査の方法を説明するための図、図8(b)は突起を検出する二次検査の方法を説明するための図である。なお、図8では、記載を容易にするため、第1のマスタパターンMoの幅W1と2値化しきい値SH1に相当する高さにおける導体12の線幅Woとが等しいものとしている。二次検査の検査しきい値としては、二次検査欠損設定値(第1の検査しきい値)S4[mm]および二次検査突起設定値(第2の検査しきい値)S6[mm]が予め設定されている。
【0051】
画像処理装置4は、前記欠陥候補を中心とする所定の大きさの領域において、第1のマスタパターンの幅W1と導体12を撮像して2値化した被測定パターンの幅との誤差量(欠け量)を求め、この欠け量が最大となる点を欠損Cの先端とする。この最大の誤差量をa[mm]とすると、a≧S4のとき欠陥と認識する(図8(a))。
【0052】
また、画像処理装置4は、前記欠陥候補を中心とする所定の大きさの領域において、第1のマスタパターンの幅W1と被測定パターンの幅との誤差量(突起量)を求め、この突起量が最大となる点を突起Kの先端とする。この最大の誤差量をb[mm]とすると、b≧S6のとき欠陥と認識する(図8(b))。
【0053】
ところで、二次検査欠損設定値S4は、2値化しきい値SH1に基づいて被測定パターンの濃淡画像を2値化することを前提として決定されている。これに対して本実施の形態では、2値化しきい値SH2に基づいて2値化した被測定パターンと第1のマスタパターンMoとを比較して、欠け量を求める。このため、一次検査欠損設定値S1と同様に二次検査欠損設定値S4を補正する必要がある。
【0054】
図8(c)は、二次検査欠損設定値S4の補正方法を説明するための図である。2値化しきい値SH1に相当する高さにおける導体12の線幅Woに対して、2値化しきい値SH2に相当する高さにおける導体12の線幅Wcの細り分は、左右両側の合計値ではWo−Wc[mm]となる。したがって、導体12の細り分Wo−Wcだけ見かけ上の欠け量が増えるので、2値化しきい値SH2に対応するためには、二次検査欠損設定値S4をS4+(Wo−Wc)に補正すればよい。
【0055】
二次検査欠損設定値S4と同様に、二次検査突起設定値S6は2値化しきい値SH1に基づいて被測定パターンの濃淡画像を2値化することを前提として決定されている。これに対して本実施の形態では、2値化しきい値SH3に基づいて2値化した被測定パターンと第1のマスタパターンMoとを比較して、突起量を求める。このため、一次検査突起設定値S2と同様に二次検査突起設定値S6を補正する必要がある。
【0056】
図8(d)は、二次検査突起設定値S6の補正方法を説明するための図である。2値化しきい値SH1に相当する高さにおける導体12の線幅Woに対して、2値化しきい値SH3に相当する高さにおける導体12の線幅Wpの太り分は、左右両側の合計値ではWp−Wo[mm]となる。したがって、導体12の太り分Wp−Woだけ見かけ上の突起量が増えるので、2値化しきい値SH3に対応するためには、二次検査突起設定値S6をS6+(Wp−Wo)に補正すればよい。
【0057】
こうして、ホストコンピュータ5は、二次検査欠損設定値S4を補正すると共に(ステッ114)、二次検査突起設定値S6を補正し(ステッ115)、画像処理装置4は、被測定パターンと第1のマスタパターンとを比較して誤差を求めることにより、被測定パターンの二次検査を行う(ステップ116)。
【0058】
以上のように、本実施の形態によれば、線幅Wo,Wc,Wpを検査ワーク1から予め求め、線幅WoとWcに基づいて第1の検査しきい値(一次検査欠損設定値S1、二次検査欠損設定値S4)を第2の2値化しきい値SH2に対応するように自動的に補正し、線幅WoとWpに基づいて第2の検査しきい値(一次検査突起設定値S2、二次検査突起設定値S6)を第3の2値化しきい値SH3に対応するように自動的に補正するので、作業員が線幅Wc,Wpと線幅Woとの違いを考慮して第1の検査しきい値および第2の検査しきい値を修正する必要がなくなる。
【0059】
[第2の実施の形態]
第1の実施の形態では、第1のマスタパターンに対する被測定パターンの誤差量を検査しきい値(二次検査欠損設定値S4および二次検査突起設定値S6)と比較していたが、誤差量と第1のマスタパターンの幅との比率を検査しきい値と比較するようにしてもよい。この場合の検査しきい値としては、二次検査欠損設定値(第1の検査しきい値)S5[%]および二次検査突起設定値(第2の検査しきい値)S7[%]が予め設定されている。
【0060】
画像処理装置4は、前記欠陥候補を中心とする所定の大きさの領域において、第1のマスタパターンの幅W1[mm]と導体12を撮像して2値化した被測定パターンの幅との誤差量(欠け量)を求め、この欠け量が最大となる点を欠損Cの先端とする。この最大の誤差量をa[mm]とすると、a/W1≧S5のとき欠陥と認識する。
【0061】
また、画像処理装置4は、前記欠陥候補を中心とする所定の大きさの領域において、第1のマスタパターンの幅W1[mm]と被測定パターンの幅との誤差量(突起量)を求め、この突起量が最大となる点を突起Kの先端とする。この最大の誤差量をb[mm]とすると、b/W1≧S7のとき欠陥と認識する。
【0062】
第1の実施の形態と同様に、二次検査欠損設定値S5は2値化しきい値SH1に基づいて被測定パターンの濃淡画像を2値化することを前提として決定されており、これに対して本実施の形態では、2値化しきい値SH2に基づいて2値化した被測定パターンと第1のマスタパターンとを比較して欠け量を求めるため、二次検査欠損設定値S5を補正する必要がある。2値化しきい値SH2に対応するためには、二次検査欠損設定値S5を((S5×W1)+(Wo−Wc))/W1に補正すればよい。
【0063】
同様に、二次検査突起設定値S7は2値化しきい値SH1に基づいて被測定パターンの濃淡画像を2値化することを前提として決定されており、これに対して本実施の形態では、2値化しきい値SH3に基づいて2値化した被測定パターンと第1のマスタパターンとを比較して突起量を求めるため、二次検査突起設定値S7を補正する必要がある。2値化しきい値SH3に対応するためには、二次検査突起設定値S7を((S7×W1)+(Wp−Wo))/W1に補正すればよい。
【0064】
こうして、本実施の形態においても、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0065】
【発明の効果】
本発明によれば、第1の2値化しきい値における導体の第1の線幅、第2の2値化しきい値における導体の第2の線幅、および第3の2値化しきい値における導体の第3の線幅を検査ワークから求め、第1の線幅と第2の線幅とに基づいて、第1の2値化しきい値に対応して予め設定された欠損又は断線検出用の第1の検査しきい値を第2の2値化しきい値に対応するように補正し、第1の線幅と第3の線幅とに基づいて、第1の2値化しきい値に対応して予め設定された突起又は短絡検出用の第2の検査しきい値を第3の2値化しきい値に対応するように補正するので、作業員が第2の線幅および第3の線幅と第1の線幅との違いを考慮して第1の検査しきい値および第2の検査しきい値を修正する必要がなくなる。その結果、本発明によれば、導体の断面形状の影響を自動的に除去して、被測定パターンの欠陥を正しく検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態を示すパターン検査方法のフローチャートである。
【図2】 パターン検査装置のブロック図である。
【図3】 被測定パターンとマスタパターンの位置合わせ方法を説明するための図である。
【図4】 欠損、ピンホール又は断線検出用のマスタパターンと突起、飛び散り又は短絡検出用のマスタパターンの作成方法を説明するための図である。
【図5】 一次検査欠損設定値の補正方法を説明するための図である。
【図6】 一次検査突起設定値の補正方法を説明するための図である。
【図7】 マスタパターンと被測定パターンとの論理演算によって被測定パターンの欠陥を検出する一次検査の方法を説明するための図である。
【図8】 欠損および突起を検出する二次検査の方法を説明するための図並びに二次検査欠損設定値および二次検査突起設定値の補正方法を説明するための図である。
【図9】 被測定パターンの濃淡画像に単一のしきい値で2値化処理を行った結果を示す図である。
【図10】 被測定パターンの濃淡画像に2つのしきい値で2値化処理を行った結果を示す図である。
【図11】 検査ワークの導体の断面図である。
【符号の説明】
1…検査ワーク、2…X−Yテーブル、3…ラインセンサカメラ、4…画像処理装置、5…ホストコンピュータ、6…表示装置。
Claims (5)
- 検査ワークを撮像した濃淡画像において、導体の濃度値と基材の濃度値の間の値を第1の2値化しきい値とし、前記導体の濃度値と前記第1の2値化しきい値の間の値を第2の2値化しきい値とし、前記第1の2値化しきい値と前記基材の濃度値の間の値を第3の2値化しきい値として、前記濃淡画像を前記第2の2値化しきい値に基づいて2値化処理した第1の被測定パターンおよび前記濃淡画像を前記第3の2値化しきい値に基づいて2値化処理した第2の被測定パターンを基準となるマスタパターンと比較して被測定パターンの欠陥を検出するパターン検査方法において、
前記第1の2値化しきい値における導体の第1の線幅、前記第2の2値化しきい値における導体の第2の線幅、および前記第3の2値化しきい値における導体の第3の線幅を前記検査ワークから予め求める測定手順と、
前記濃淡画像を前記第2の2値化しきい値に基づいて2値化して前記第1の被測定パターンを生成する第1の2値化処理手順と、
前記濃淡画像を前記第3の2値化しきい値に基づいて2値化して前記第2の被測定パターンを生成する第2の2値化処理手順と、
前記第1の線幅と前記第2の線幅とに基づいて、前記第1の2値化しきい値に対応して予め設定された欠損又は断線検出用の第1の検査しきい値を前記第2の2値化しきい値に対応するように補正する第1の補正手順と、
前記第1の線幅と前記第3の線幅とに基づいて、前記第1の2値化しきい値に対応して予め設定された突起又は短絡検出用の第2の検査しきい値を前記第3の2値化しきい値に対応するように補正する第2の補正手順と、
前記第1の被測定パターンと前記マスタパターンとの誤差量を前記補正後の第1の検査しきい値と比較する第1の検査手順と、
前記第2の被測定パターンと前記マスタパターンとの誤差量を前記補正後の第2の検査しきい値と比較する第2の検査手順とを有することを特徴とするパターン検査方法。 - 請求項1記載のパターン検査方法において、
前記第1の補正手順は、前記第1の線幅をWo、前記第2の線幅をWc、画像の分解能をξ、前記第1の検査しきい値をS1としたとき、この第1の検査しきい値S1をS1+((Wo−Wc)/2)/ξに補正し、
前記第2の補正手順は、前記第3の線幅をWp、前記第2の検査しきい値をS2としたとき、この第2の検査しきい値S2をS2+((Wp−Wo)/2)/ξに補正し、
前記マスタパターンは、基準となる第1のマスタパターンを左右両側でそれぞれS1+((Wo−Wc)/2)/ξだけ収縮させた欠損又は断線検出用の第2のマスタパターンと、前記第1のマスタパターンを左右両側でそれぞれS2+((Wp−Wo)/2)/ξだけ膨張させた突起又は短絡検出用の第3のマスタパターンとからなり、
前記第1の検査手順は、前記第1の被測定パターンと前記第2のマスタパターンとの論理積をとり、
前記第2の検査手順は、前記第2の被測定パターンと前記第3のマスタパターンとの論理積をとることを特徴とするパターン検査方法。 - 請求項1記載のパターン検査方法において、
前記第1の補正手順は、前記第1の線幅をWo、前記第2の線幅をWc、前記第1の検査しきい値をS4としたとき、この第1の検査しきい値S4をS4+(Wo−Wc)に補正し、
前記第2の補正手順は、前記第3の線幅をWp、前記第2の検査しきい値をS6としたとき、この第2の検査しきい値S6をS6+(Wp−Wo)に補正し、
前記第1の検査手順は、前記マスタパターンの幅に対する前記第1の被測定パターンの欠け量を前記補正後の第1の検査しきい値と比較し、
前記第2の検査手順は、前記マスタパターンの幅に対する前記第2の被測定パターンの突起量を前記補正後の第2の検査しきい値と比較することを特徴とするパターン検査方法。 - 請求項1記載のパターン検査方法において、
前記第1の補正手順は、前記第1の線幅をWo、前記第2の線幅をWc、前記マスタパターンの幅をW1、前記第1の検査しきい値をS5としたとき、この第1の検査しきい値S5を((S5×W1)+(Wo−Wc))/W1に補正し、
前記第2の補正手順は、前記第3の線幅をWp、前記第2の検査しきい値をS7としたとき、この第2の検査しきい値S7を((S7×W1)+(Wp−Wo))/W1に補正し、
前記第1の検査手順は、前記マスタパターンの幅に対する前記第1の被測定パターンの欠け量と前記マスタパターンの幅との比率を、前記補正後の第1の検査しきい値と比較し、
前記第2の検査手順は、前記マスタパターンの幅に対する前記第2の被測定パターンの突起量と前記マスタパターンの幅との比率を、前記補正後の第2の検査しきい値と比較することを特徴とするパターン検査方法。 - 検査ワークを撮像した濃淡画像において、導体の濃度値と基材の濃度値の間の値を第1の2値化しきい値とし、前記導体の濃度値と前記第1の2値化しきい値の間の値を第2の2値化しきい値とし、前記第1の2値化しきい値と前記基材の濃度値の間の値を第3の2値化しきい値として、前記濃淡画像を前記第2の2値化しきい値に基づいて2値化処理した第1の被測定パターンおよび前記濃淡画像を前記第3の2値化しきい値に基づいて2値化処理した第2の被測定パターンを基準となるマスタパターンと比較して被測定パターンの欠陥を検出するパターン検査装置において、
前記濃淡画像を前記第2の2値化しきい値に基づいて2値化して前記第1の被測定パターンを生成する第1の2値化処理手段と、
前記濃淡画像を前記第3の2値化しきい値に基づいて2値化して前記第2の被測定パターンを生成する第2の2値化処理手段と、
前記検査ワークから予め求められた前記第1の2値化しきい値における導体の第1の線幅および前記第2の2値化しきい値における導体の第2の線幅に基づいて、前記第1の2値化しきい値に対応して予め設定された欠損又は断線検出用の第1の検査しきい値を前記第2の2値化しきい値に対応するように補正する第1の補正手段と、
前記検査ワークから予め求められた前記第1の線幅および前記第3の2値化しきい値における導体の第3の線幅に基づいて、前記第1の2値化しきい値に対応して予め設定された突起又は短絡検出用の第2の検査しきい値を前記第3の2値化しきい値に対応するように補正する第2の補正手段と、
前記第1の被測定パターンと前記マスタパターンとの誤差量を前記補正後の第1の検査しきい値と比較する第1の検査手段と、
前記第2の被測定パターンと前記マスタパターンとの誤差量を前記補正後の第2の検査しきい値と比較する第2の検査手段とを有することを特徴とするパターン検査装置。
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