JP3619075B2 - パターンの検査方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリント配線板等に形成されたパターンを検査する検査方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、プリント配線板では、パターン形成後に顕微鏡を用いて人間により目視でパターンの検査が行われる。しかしながら、微細なパターンを目視で検査するには、熟練を要すると共に、目を酷使するという問題点があった。そこで、目視検査に代わるものとして、プリント配線板等に形成されたパターンをTVカメラで撮像して自動的に検査する技術が提案されている(例えば、特開平6−273132号公報、特開平7−110863号公報)。
【0003】
図16、図17は特開平6−273132号公報に記載された断線を検出する従来の検査方法を説明するための図である。良品と判定された被測定パターンを撮像することによって作成されたマスタパターンは、パターンエッジを示す直線の集合として登録される。また、被測定パターンは、パターンを撮像した濃淡画像から抽出したパターンエッジを示すエッジデータ(エッジ座標)の集合として入力される。そして、抽出した被測定パターンのエッジデータn1、n2、n3・・・とマスタパターンの直線との対応付けを行う。この対応付けを行うために、図16に示すように、マスタパターンの連続する直線A1とA2、A2とA3・・・・がつくる角をそれぞれ2等分する2等分線A2’、A3’・・・・を求める。
【0004】
この2等分線A2’、A3’・・・・によってマスタパターンの直線A1、A2、A3・・・・の周囲は、各直線にそれぞれ所属する領域に分割される。これにより、各領域内に存在する被測定パターンのエッジデータn1、n2、n3・・・・は、その領域が属するマスタパターンの直線A1、A2、A3・・・・とそれぞれ対応付けられたことになる。例えば図16において、エッジデータn1〜n3は、直線A1と対応付けられ、データn4〜n6は、直線A2と対応付けられる。次に、被測定パターンのエッジデータとマスタパターンとを比較し、被測定パターンが断線しているかどうかを検査する。この検査は、図17に示すように、被測定パターンの連結したエッジデータn1〜n9を追跡することによりパターンエッジを追跡するラベリング処理によって実現される。このとき、被測定パターンの先端に生じた断線により、この断線部でエッジデータが連結しないため、マスタパターンの直線A3〜A5に対応するエッジデータが存在しない。こうして、被測定パターンの断線を検出することができる。
【0005】
図18は特開平6−273132号公報に記載された短絡を検出する従来の検査方法を説明するための図である。この検査方法では、まずマスタパターンと被測定パターンを所定の大きさに切り出した検査領域20において、被測定パターンの連結したエッジデータを追跡する。これにより、被測定パターンの各エッジデータは、n1〜n18と順次ラベリングされる。しかし、パターンエッジを示す対向する2直線からなるマスタパターンMaと同じく対向する2直線からなるマスタパターンMbには、エッジデータn8、n17は登録されていない。こうして、被測定パターンの短絡を検出することができる。
【0006】
図19は特開平7−110863号公報に記載された欠損あるいは突起を検出する従来の検査方法を説明するための図である。この検査方法では、まず中心線Lに垂直な垂線を引いて、この垂線がマスタパターンのエッジを示す直線A1、A2と交わる交点間の長さをマスタパターンの幅W0として予め求めておく。次に、実際の検査では、被測定パターンのエッジデータnからマスタパターンの中心線Lに対して垂線を下ろすことにより、対向するエッジデータ間の距離を求める。この距離が被測定パターンの幅Wであり、これをマスタパターンの幅W0と比較することにより、被測定パターンの欠損あるいは突起を検出することができる。
【0007】
しかし、このような検査方法を用いるパターン検査装置では、被測定パターンの全体にわたってマスタパターンとの比較による詳細な検査をソフトウェアで行うため、パターン検査に時間がかかるという問題点があった。そこで、短時間で検査が可能なパターン検査装置が提案されている(例えば、特開平10−141930号公報)。特開平10−141930号公報に記載されたパターン検査装置では、ハードウェアによって被測定パターンの欠陥候補を検出し、検出した欠陥候補を含む所定の小領域だけソフトウェアによって検査するので、被測定パターンの欠陥を従来よりも高速に検査することができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ランド等の導体パターンとランド内の穴は、別工程で形成されるので、設計時のマスタデータでは、ランドの中心と穴の中心が一致していても、穴あけ加工時の位置ずれ等により穴位置がずれることがある。従来の検査方法では、導体パターンと穴とのずれ量が許容範囲内であったとしても、欠陥として検出してしまうことがあり、これにより製品の歩留りが低下するという問題点があった。このような歩留りの低下を防ぐためには、マスク領域を穴の部分に設定して、穴の部分についてはパターン検査を実行しないようにすればよいが、この場合には穴の検査を行うことができないという問題点があった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、欠陥の過検出を防ぐことができ、かつ穴位置の変動に影響されることなく導体パターンと穴の検査を行うことができる検査方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明のパターンの検査方法は、被測定パターンの設計時のパターンデータから導体パターン検査の基準となる第1のマスタパターンの画像を作成するとともに、被測定パターンの設計時の穴データから穴検査の基準となる第2のマスタパターンの画像を作成し、導体パターンの座標系が一致するように第1のマスタパターンの画像とカメラで撮像した被測定パターンの画像とを位置合わせした後、これらを比較して被測定パターン中の導体パターンを検査し、穴の座標系が一致するように第2のマスタパターンの画像と被測定パターンの画像とを位置合わせした後、これらを比較して被測定パターン中の穴を検査し、導体パターンの座標系が一致するように第2のマスタパターンの画像と被測定パターンの画像とを位置合わせした後、これらを比較して被測定パターン中の穴の位置ずれを検査し、前記導体パターンの検査時は、検査を実行しないマスク領域を穴の部分に設定し、前記穴の検査時は、前記マスク領域を穴以外の部分に設定するようにしたものである。このように本発明では、導体パターンの座標系が一致するように第1のマスタパターンの画像と被測定パターンの画像とを位置合わせした後、これらを比較して被測定パターン中の導体パターンを検査し、穴の座標系が一致するように第2のマスタパターンの画像と被測定パターンの画像とを位置合わせした後、これらを比較して被測定パターン中の穴を検査している。このように、導体パターンと穴とを別の座標系で個別に検査することにより、導体パターンと穴とが互いに影響しあうことを防止し、過検出を防止することができる。また、これらの検査とは別に、穴の位置ずれを検査するようにしている。また、導体パターンの検査時は、マスク領域を穴の部分に設定し、穴の検査時は、マスク領域を穴以外の部分に設定することにより、導体パターンと穴とが互いに影響しあうことを防止し、過検出を防止することができる。
【0010】
また、本発明のパターンの検査方法の1構成例は、前記穴の検査時、前記第2のマスタパターンを収縮処理して、収縮処理後の穴エッジとその内部を欠損検査用のマスタパターンとし、このマスタパターンと被測定パターンとの論理積をとることにより、被測定パターン中の穴の欠損を検査し、前記第2のマスタパターンを膨張処理して、膨張処理後の穴エッジとその内部から中央を除いた部分を突起検査用のマスタパターンとし、このマスタパターンと被測定パターンとの論理積をとることにより、被測定パターン中の穴の突起を検査するようにしたものである。このように、第2のマスタパターンを収縮処理した後の穴エッジとその内部を欠損検査用のマスタパターンとし、このマスタパターンと被測定パターンとの論理積をとると共に、第2のマスタパターンを膨張処理した後の穴エッジとその内部から中央を除いた部分を突起検査用のマスタパターンとし、このマスタパターンと被測定パターンとの論理積をとることにより、被測定パターン中の穴を高速に検査することができる。
そして、本発明のパターンの検査方法の1構成例は、前記穴の位置ずれの検査時、前記第2のマスタパターン中の穴の重心位置とこれに対応する被測定パターン中の穴の重心位置とから穴位置のずれ量を検査し、被測定パターン中の導体パターンエッジとこの導体パターン内部の穴エッジとの最小距離であるパターン残量を検査するようにしたものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の実施の形態となるパターン検査方法を示すフローチャート図、図2はこの検査方法で用いるパターン検査装置のブロック図である。図2において、パターン検査装置は、プリント配線板1を載置するためのX−Yテーブル2と、プリント配線板1を撮像するラインセンサカメラ3と、カメラ3によって撮像された被測定パターン中の導体パターン及び穴の一次検査を行うと共に穴の位置ずれの検査を行い、欠陥候補の位置を示すアドレス情報を出力する第1の画像処理装置4と、このアドレス情報により欠陥候補を含む所定の領域について、被測定パターンとマスタパターンの誤差を求め、被測定パターンの二次検査を行う第2の画像処理装置5と、装置全体を制御するホストコンピュータ6と、検査結果を表示するための表示装置7とを備えている。
【0012】
最初に、検査の前に予め作成しておくマスタパターンについて説明する。ホストコンピュータ6は、CAD(Computer Aided Design )システムによって作成され例えば磁気ディスクに書き込まれたプリント配線板のパターンデータを図示しない磁気ディスク装置によって読み出し(図1ステップ101)、読み出したパターンデータから導体パターンのエッジデータを抽出する。エッジデータは、パターンエッジを示す画素「1」の集合である。そして、ホストコンピュータ6は、パターンエッジを示す画素「1」で囲まれた領域を「1」で塗りつぶし、この画素「1」で塗りつぶされたパターン(パターン以外の背景は「0」)を導体パターン検査の基準となる第1のマスタパターンとする(ステップ102)。
【0013】
続いて、ホストコンピュータ6は、上記CADシステムによって作成され磁気ディスクに書き込まれたプリント配線板の穴データ(ガーバ若しくはNCデータ)を磁気ディスク装置によって読み出す(ステップ103)。そして、ホストコンピュータ6は、読み出した穴データからエッジデータを抽出して、これを穴検査の基準となる第2のマスタパターンとする(ステップ104)。第2のマスタパターンのエッジデータは、穴エッジを示す画素「1」の集合である。なお、前記パターンデータに基づいてプリント配線板1のパターンが印刷・エッチングされ、穴データに基づいてプリント配線板1が穴あけ加工されることは言うまでもない。
【0014】
次に、被測定パターンの検査について説明する。ラインセンサカメラ3は、X−Yテーブル2上に載置されたプリント配線板1を撮像する。第1の画像処理装置4は、カメラ3から出力された濃淡画像をディジタル化して、図示しない内部の画像メモリにいったん記憶する(ステップ105)。カメラ3は、X方向に画素が配列されたラインセンサなので、X−Yテーブル2あるいはカメラ3をY方向に移動させることにより、2次元の画像データが画像メモリに記憶される。
【0015】
続いて、画像処理装置4は、画像メモリに記憶された被測定パターンの濃淡画像を2値化する(ステップ106)。被測定パターンの濃淡画像データには、導体パターンとそれ以外の背景(基板)とが含まれているが、導体パターンと背景には濃度差があるので、導体パターンの濃度値と背景の濃度値の間の値をしきい値として設定すれば、導体パターンは「1」に変換され、背景は「0」に変換される。こうして、パターンエッジとその内側が画素「1」で塗りつぶされた被測定パターンを得ることができる。
【0016】
次いで、画像処理装置4は、ホストコンピュータ6から送出された第1,第2のマスタパターンの画像を受け取り、被測定パターン中の導体パターンの検査を行う(ステップ107)。図3はこの導体パターンの検査方法を示すフローチャート図である。
【0017】
ステップ107の処理において、画像処理装置4は、第1のマスタパターンに予め設定された位置決めマークに対応する、被測定パターンの領域を探索することで、被測定パターンの位置決めマークを検出し、この位置決めマークの重心と第1のマスタパターンに予め設定された位置決めマークの重心とを合わせることにより、被測定パターンと第1のマスタパターンとの位置合わせを行う(図3ステップ201)。なお、ここでの位置合わせは、第1のマスタパターンの座標系と被測定パターン中の導体パターンの座標系とを一致させることを目的としている。したがって、第1のマスタパターンに予め設定されている位置決めマークは、他のパターンから独立した導体パターンであり、これに対応する被測定パターンの位置決めマークも独立した導体パターンである。
【0018】
次に、画像処理装置4は、後述する第3〜第6のマスタパターンの各々と被測定パターンとを比較して、被測定パターンの一次検査を行う(ステップ202〜205)。ステップ202〜205の検査は、画像処理装置4のハードウェアによって同時に実施される。
【0019】
まず、第3のマスタパターンとの比較による検査(ステップ202)について説明する。画像処理装置4は、第1のマスタパターンから欠損、ピンホール又は断線検出用の第3のマスタパターンを以下のように作成する。図4は第3のマスタパターンの作成方法を説明するための図であり、第1のマスタパターンの一部を示している。なお、図4では、説明を簡単にするために、パターンエッジを意味する直線のみで第1のマスタパターンを表し、パターンエッジを意味する直線とその内側を意味する斜線で第3のマスタパターンを表しているが、実際の第1,第3のマスタパターンは、パターンエッジとその内側が画素「1」で塗りつぶされたものである。
【0020】
画像処理装置4は、図4に示すように、第1のマスタパターンをその中心線と直角の方向に収縮させて、第3のマスタパターンM3を作成する。これは、第1のマスタパターンの両エッジを示す対向する直線A1とA4(中心線はL1)の間隔、及びA2とA3(中心線はL2)の間隔を狭くして第1のマスタパターンを細らせることにより作成することができる。
【0021】
この第3のマスタパターンM3による欠陥検出の精度は、第1のマスタパターンをどれだけ収縮させるかによって決まる。例えば、第1のマスタパターンの幅の1/5を超える欠損が存在するときに欠陥と認識したい場合は、第3のマスタパターンM3の幅を第1のマスタパターンの幅の3/5となるように縮小すればよい。検出精度は、画素単位や実際の寸法で決めてもよいことは言うまでもない。こうして、欠損、ピンホール又は断線検出用の第3のマスタパターンM3が作成される。
【0022】
図5は、第3のマスタパターンM3との比較による検査方法を説明するための図である。なお、図5の例では、梨地で示すパターンNPを除いた部分が被測定パターンPである。画像処理装置4は、図5に示すように、被測定パターンPと第3のマスタパターンM3とを比較する。ただし、実際に比較するのは、被測定パターンPを論理反転したパターンNPと第3のマスタパターンM3である。
【0023】
パターンNPと第3のマスタパターンM3との論理積をとると、この論理積の結果は、被測定パターンPに欠損や断線があるか否かによって異なる。例えば、被測定パターンPがその値として「1」を有し、同様にマスタパターンM3が「1」を有するとき、被測定パターンPに欠損や断線がない場合は、パターンNPとマスタパターンM3が重なることがないので、この論理積の結果は「0」となる。
【0024】
これに対し、図5のように被測定パターンPに欠損Cがあると、この部分でパターンNPとマスタパターンM3が重なるので、論理積の結果が「1」となる。これは、被測定パターンにピンホールHや断線がある場合も同様である。こうして、被測定パターンの欠損、ピンホールあるいは断線を検出することができる。そして、画像処理装置4は、パターンNPと第3のマスタパターンM3との論理積をとり、この論理積の結果が「1」となって欠陥候補と認識した位置(図5では、C,Hの位置)を記憶する。
【0025】
次に、第4のマスタパターンとの比較による検査(ステップ203)について説明する。画像処理装置4は、第1のマスタパターンから突起、飛び散り又は短絡検出用の第4のマスタパターンを以下のように作成する。図6は第4のマスタパターンの作成方法を説明するための図であり、第1のマスタパターンの一部を示している。なお、図6では、図4と同様に、パターンエッジを意味する直線のみで第1のマスタパターンを表し、パターンエッジを意味する直線とその内側を意味する斜線で第4のマスタパターンを表している。
【0026】
画像処理装置4は、図6に示すように、第1のマスタパターンをその中心線と直角の方向に膨張させて、第4のマスタパターンM4を作成する。これは、第1のマスタパターンの両エッジを示す対向する直線A5とA8(中心線はL3)、A6とA7(中心線はL4)、A9とA12(中心線はL5)およびA10とA11(中心線はL6)の間隔をそれぞれ広くして第1のマスタパターンを太らせることにより作成することができる。ただし、実際に第4のマスタパターンM4になるのは、膨張処理した結果を論理反転した領域、すなわち直線A5〜A8からなる第1のマスタパターンMaと、直線A9〜A12からなる第1のマスタパターンMbとをそれぞれ膨張処理して生じた2つのパターンに挟まれた領域である。
【0027】
この第4のマスタパターンM4による欠陥検出の精度は、第1のマスタパターンをどれだけ膨張させるかによって決まる。例えば、第1のマスタパターンの幅の1/5を超える欠損が存在するときに欠陥と認識したい場合は、第4のマスタパターンM4の幅を第1のマスタパターンの幅の7/5となるように拡大すればよい。また、画素単位や実際の寸法で検出精度を決めてもよいことは第3のマスタパターンと同様である。こうして、突起、飛び散り又は短絡検出用の第4のマスタパターンM4が作成される。
【0028】
図7は、第4のマスタパターンM4との比較による検査方法を説明するための図である。画像処理装置4は、図7に示すように、被測定パターンPと第4のマスタパターンM4とを比較する。上記と同様に、被測定パターンPa、Pbと第4のマスタパターンM4の論理積をとると、この論理積の結果は、被測定パターンPa、Pbに突起や短絡があるか否かによって異なる。つまり、被測定パターンPa、Pbに突起や短絡がない場合は、論理積の結果は「0」となる。
【0029】
これに対し、図7のように被測定パターンPaに突起Kがあると、この部分で被測定パターンPaとマスタパターンM4が重なるので、論理積の結果が「1」となる。同様に、被測定パターンPa、Pb間に短絡Sが存在すると、論理積の結果が「1」となる。これは、被測定パターンに飛び散りが存在する場合も同様である。こうして、被測定パターンの突起、飛び散りあるいは短絡を検出することができる。そして、画像処理装置4は、被測定パターンPと第4のマスタパターンM4との論理積をとり、この論理積の結果が「1」となって欠陥候補と認識した位置(図7では、K,Sの位置)を記憶する。
【0030】
次に、第5のマスタパターンとの比較による検査(ステップ204)について説明する。図8はこの検査方法を説明するための図である。図8(a)に示す被測定パターンPにおいて、第3のマスタパターンM3に対応する領域と第4のマスタパターンM4に対応する領域との間に飛び散りFが存在するとき、上記の検査では飛び散りFを検出できない。第5のマスタパターンは、このような飛び散りFを検出するためのものである。
【0031】
画像処理装置4は、第3のマスタパターンM3をその中心線Lと直角の方向に膨張させる(図8(b))。このとき、画像処理装置4は、マスタパターンM3を所定の画素分膨張させる。続いて、画像処理装置4は、マスタパターンM3を膨張させた結果と被測定パターンPとの論理積をとる。この場合、膨張処理後のマスタパターンM3と対応する領域(図8(b)においてパターンM3と重なっている領域)の被測定パターンPの画素が全て「1」なので、膨張処理後のマスタパターンM3と対応する領域における論理積の結果が全て「1」となる。したがって、この論理積の結果は、膨張処理後のマスタパターンM3と同一であり、これを第5のマスタパターンM5とする(図8(c))。
【0032】
続いて、画像処理装置4は、第5のマスタパターンM5をその中心線Lと直角の方向に膨張させる(図8(d))。このとき、画像処理装置4は、マスタパターンM5を所定の画素分膨張させる。そして、画像処理装置4は、マスタパターンM5を膨張させた結果と被測定パターンPとの論理積をとる。この場合、膨張処理後のマスタパターンM5と対応する領域(図8(d)においてマスタパターンM5と重なっている領域)の被測定パターンPの画素が全て「1」なので、膨張処理後のマスタパターンM5と対応する領域における論理積の結果が全て「1」となる。したがって、この論理積の結果は、膨張処理後のマスタパターンM5と同一であり、これを新たな第5のマスタパターンM5とする(図8(e))。
【0033】
このような膨張処理と論理積処理が繰り返されると、第5のマスタパターンM5の大きさが被測定パターンPの大きさに近づき、ついには、図8(f)、図8(g)に示すように被測定パターンPと同一となる(ただし、被測定パターンPに飛び散りFが存在する場合は、完全な同一とはならない)。そして、これ以降に同様の処理が繰り返されても、第5のマスタパターンM5が被測定パターンPより大きくなることはない。
【0034】
その理由は、被測定パターンPのエッジより外側の画素が「0」のため、図8(g)のマスタパターンM5を膨張させて被測定パターンPと論理積をとっても、被測定パターンPのエッジより外側の論理積の結果が「1」になることはないからである。なお、被測定パターンPには飛び散りFが存在するが、飛び散りFは被測定パターンPとつながっていないので、第5のマスタパターンM5に飛び散りFによる画素「1」が現れることはない。
【0035】
次いで、画像処理装置4は、最終的な第5のマスタパターンM5と被測定パターンPとの排他的論理和をとる。この排他的論理和の結果は、被測定パターンPに飛び散りがあるか否かによって異なる。被測定パターンPに飛び散りがない場合は、被測定パターンPとマスタパターンM5が同一なので、排他的論理和の結果が全て「0」となる。
【0036】
これに対し、被測定パターンPに飛び散りが存在する場合は、被測定パターンPとマスタパターンM5に相違があり、排他的論理和の結果が「1」となる画素が存在することになる。こうして、第3、第4のマスタパターンM3,M4と対応しない領域に存在する飛び散りを検出することができる。そして、画像処理装置4は、排他的論理和の結果が「1」となって欠陥と認識した位置(図8ではFの位置)を記憶する。
【0037】
次に、第6のマスタパターンとの比較による検査(ステップ205)について説明する。図9はこの検査方法を説明するための図である。図9(a)に示す被測定パターンPにおいて、第3のマスタパターンM3に対応する領域と第4のマスタパターンM4に対応する領域との間にピンホールHが存在するとき、上記の検査ではピンホールHを検出できない。第6のマスタパターンは、このようなピンホールHを検出するためのものである。
【0038】
まず、画像処理装置4は、第4のマスタパターンM4を論理反転させる。これにより、画素「1」が「0」となり画素「0」が「1」となるので、マスタパターンM4を論理反転させた結果は、パターンエッジとその内側が画素「1」で塗りつぶされた図9(b)のようなパターンNM4となる。
【0039】
続いて、画像処理装置4は、パターンNM4をその中心線Lと直角の方向に収縮させる(図9(c))。このとき、画像処理装置4は、パターンNM4を所定の画素分収縮させる。そして、画像処理装置4は、パターンNM4を収縮させた結果と被測定パターンPとの論理和をとる。この論理和の結果は、収縮処理後のパターンNM4と同一であり、これを第6のマスタパターンM6とする(図9(d))。
【0040】
次に、画像処理装置4は、この第6のマスタパターンM6をその中心線Lと直角の方向に収縮させる(図9(e))。このとき、画像処理装置4は、マスタパターンM6を所定の画素分収縮させる。そして、画像処理装置4は、マスタパターンM6を収縮させた結果と被測定パターンPとの論理和をとる。この論理和の結果は、収縮処理後のマスタパターンM6と同一であり、これを新たな第6のマスタパターンM6とする(図9(f))。
【0041】
このような収縮処理及び論理和処理が繰り返されると、第6のマスタパターンM6の大きさが被測定パターンPの大きさに近づき、ついには、図9(g)に示すように被測定パターンPと同一となる(ただし、被測定パターンPにピンホールHが存在する場合は、完全な同一とはならない)。そして、これ以降に同様の処理が繰り返されても、第6のマスタパターンM6が被測定パターンPより小さくなることはない。
【0042】
その理由は、被測定パターンPが画素「1」で塗りつぶされているため、図9(g)のマスタパターンM6を収縮させて被測定パターンPと論理和をとっても、被測定パターンPのエッジより内側の論理和の結果が「0」になることはないからである。なお、被測定パターンPにはピンホールHが存在するが、ピンホールHは被測定パターンPのエッジとつながっていないので、第6のマスタパターンM6にピンホールHによる画素「0」が現れることはない。
【0043】
次いで、画像処理装置4は、最終的な第6のマスタパターンM6と被測定パターンPの排他的論理和をとる。この排他的論理和の結果は、被測定パターンPにピンホールHがあるか否かによって異なる。被測定パターンPにピンホールがない場合は、被測定パターンPとマスタパターンM6が同一なので、排他的論理和の結果が全て「0」となる。
【0044】
これに対し、被測定パターンPにピンホールHが存在する場合は、被測定パターンPとマスタパターンM6に相違があり、排他的論理和の結果が「1」となる画素が存在することになる。こうして、第3、第4のマスタパターンM3,M4と対応しない領域に存在するピンホールHを検出することができる。そして、画像処理装置4は、排他的論理和の結果が「1」となって欠陥と認識した位置(図9ではHの位置)を記憶する。
【0045】
以上のような一次検査を行った後、画像処理装置4は、記憶した欠陥候補の位置をアドレス情報として出力する。
第2の画像処理装置5は、第1の画像処理装置4によって欠陥候補が検出された場合、前記アドレス情報が示す位置の欠陥候補を中心とする所定の大きさの領域について、被測定パターンと第1のマスタパターンとを比較して誤差を求めることにより、被測定パターンの二次検査を行う(ステップ206)。この検査の方法は、前述した図16〜図19の従来の方法と同様である。
【0046】
第3〜第6のマスタパターンの各々と被測定パターンとの比較検査は、ハードウェアで実現でき、検出した欠陥候補を含む所定の領域だけ、処理時間のかかる被測定パターンと第1のマスタパターンの比較によって検査するので、被測定パターンを高速に検査することができる。なお、以上の何れの検査においても、検査を実行しないマスク領域を穴の部分に設定し、穴の部分についてはパターン検査を実施しないようにしている。ここでは、第2のマスタパターン中の穴エッジをその中心から外側に向かって全方向に所定量だけ膨張させ、膨張処理後の穴エッジとその内部をマスク領域としている。
【0047】
次に、第1の画像処理装置4は、被測定パターン中の穴の検査を行う(ステップ108)。図10は、穴の検査方法を示すフローチャート図である。ステップ108の処理において、画像処理装置4は、第2のマスタパターンに予め設定された位置決めマークに対応する、被測定パターンの領域を探索することで、被測定パターンの位置決めマークを検出し、この位置決めマークの重心と第2のマスタパターンに予め設定された位置決めマークの重心とを合わせることにより、被測定パターンと第2のマスタパターンとの位置合わせを行う(図10ステップ301)。なお、ここでの位置合わせは、第2のマスタパターンの座標系と被測定パターン中の穴の座標系とを一致させることを目的としている。したがって、第2のマスタパターンに予め設定されている位置決めマークは、導体パターンではなく穴であり、これに対応する被測定パターンの位置決めマークも穴である。
【0048】
続いて、画像処理装置4は、被測定パターン中の穴の一次検査を行う(ステップ302〜304)。ステップ302〜304の検査は、画像処理装置4のハードウェアによって同時に実施される。まず、第7のマスタパターンとの比較による欠損検査(ステップ302)について説明する。図11はこの検査方法を説明するための図である。
【0049】
画像処理装置4は、図11(a)に示すように第2のマスタパターンM2中の穴エッジをその中心に向かって収縮させ、収縮処理後の穴エッジとその内部を第7のマスタパターンM7とする。この第7のマスタパターンM7による欠陥検出の精度は、第2のマスタパターンM2をどれだけ収縮させるかによって決まる。例えば、2画素を超える欠損が存在するときに欠陥と認識したい場合は、第2のマスタパターンM2を2画素分だけ縮小すればよい。
【0050】
第7のマスタパターンM7と被測定パターンPとの論理積をとると、この論理積の結果は、被測定パターンP中の穴に欠損(導体パターン側から見た場合には穴に対する突起)があるか否かによって異なる。穴に欠損がない場合は、被測定パターンPと第7のマスタパターンM7とが重なることがないので、この論理積の結果は「0」となる。
【0051】
これに対し、図11(b)のように被測定パターンPの穴に欠損Cがあると、この部分で被測定パターンPと第7のマスタパターンM7とが重なるので、論理積の結果が「1」となる。こうして、穴の欠損を検出することができる。そして、画像処理装置4は、第7のマスタパターンM7と被測定パターンPとの論理積をとり、論理積の結果が「1」となって欠陥候補と認識した位置(図11では、Cの位置)を記憶する。なお、ここでは、第7のマスタパターンM7より外側の領域を全てマスク領域とし、穴以外の部分については検査を実施しないようにしている。
【0052】
次に、第8のマスタパターンとの比較による突起検査(ステップ303)について説明する。図12は、この検査方法を説明するための図である。画像処理装置4は、図12(a)に示すように第2のマスタパターンM2中の穴エッジをその中心から外側に向かって全方向に膨張させ、膨張処理後の穴エッジとその内部から中央の領域を除いた部分を第8のマスタパターンM8とする(図12(b))。
【0053】
第8のマスタパターンM8による欠陥検出の精度は、第2のマスタパターンをどれだけ膨張させるかによって決まる。所定量(例えば2画素)を超える突起が存在するときに欠陥と認識したい場合は、第2のマスタパターンを所定量+第8のマスタパターンの幅の分だけ膨張させればよい。また、第8のマスタパターンM8から除く前記中央領域の半径は、第2のマスタパターンM2の穴エッジの半径+前記所定量となる。
【0054】
第8のマスタパターンM8と被測定パターンPとの論理積をとると、この論理積の結果は、被測定パターンP中の穴に突起(導体パターン側から見た場合には穴による欠損)があるか否かによって異なる。穴に突起がない場合は、被測定パターンPと第8のマスタパターンM8が全領域で重なるので、この論理積の結果は「1」となる。
【0055】
これに対して、図12(c)のように穴に突起Kがあると、この部分で被測定パターンPと第8のマスタパターンM8の重なりがなくなるので、論理積の結果が「0」となる。こうして、穴の突起を検出することができる。そして、画像処理装置4は、第8のマスタパターンM8と被測定パターンPとの論理積をとり、論理積の結果が「0」となって欠陥候補と認識した位置(図12では、Kの位置)を記憶する。なお、ここでは、第8のマスタパターンM8より外側の領域を全てマスク領域とし、穴以外の部分については検査を実施しないようにしている。
【0056】
次に、画像処理装置4は、被測定パターン中の穴の面積を算出し、この面積が所定の範囲内か否かを検査する(ステップ304)。この検査は、面積で判断する代わりに、算出した面積を直径に換算して、直径が所定の範囲内か否かを検査してもよい。
【0057】
以上のような一次検査を行った後、画像処理装置4は、記憶した欠陥候補の位置をアドレス情報として出力する。
第2の画像処理装置5は、第1の画像処理装置4によって欠陥候補が検出された場合、前記アドレス情報が示す位置の欠陥候補を中心とする所定の大きさの領域について、被測定パターンと第2のマスタパターンとを比較して誤差を求めることにより、被測定パターンの二次検査を行う(ステップ305)。
【0058】
次に、第1の画像処理装置4は、穴の位置ずれの検査を行う(ステップ109)。図13は、この位置ずれの検査方法を示すフローチャート図である。ステップ109の処理において、画像処理装置4は、第2のマスタパターンに予め設定された位置決めマークに対応する、被測定パターンの領域を探索することで、被測定パターンの位置決めマークを検出し、この位置決めマークの重心と第2のマスタパターンに予め設定された位置決めマークの重心とを合わせることにより、被測定パターンと第2のマスタパターンとの位置合わせを行う(図13ステップ401)。
【0059】
なお、ここでの位置合わせは、第2のマスタパターンの座標系と被測定パターン中の導体パターンの座標系とを一致させることを目的としている。したがって、第2のマスタパターンに予め設定されている位置決めマークは、導体パターンとの位置合わせ用に予め設定された独立したパターンであり、これに対応する被測定パターンの位置決めマークも独立したパターンである。
【0060】
続いて、画像処理装置4は穴位置のずれ量の検査を行う(ステップ402)。図14はこの穴位置のずれ量の検査方法を説明するための図である。画像処理装置4は、第2のマスタパターン中の穴の重心Gmを求めると共に、被測定パターンP中の穴の重心Gpを求め、重心Gmと重心GpとのX方向の距離XG、Y方向の距離YGを算出する。画像処理装置4は、このような穴位置のずれ量の算出を第2のマスタパターンの4隅にある少なくとも4つの穴とこれらに対応する被測定パターンの少なくとも4つの穴との間で行う。4隅の穴でずれ量を求めているのは、X,Y方向のずれだけでなく、第2のマスタパターンと被測定パターンとの間の回転角度のずれを算出するためである。
【0061】
次に、画像処理装置4はパターン残量の検査を行う(ステップ403)。図15はこのパターン残量の検査方法を説明するための図である。画像処理装置4は、第2のマスタパターン中の穴の重心Gmと被測定パターンP中の穴の重心Gpとを通る直線を求める。そして、画像処理装置4は、この直線と被測定パターンPの穴エッジとの交点から重心Gmまでの距離Dhを求めると共に、前記直線と被測定パターンPのパターンエッジとの交点から重心Gmまでの距離Drを求め、Dr−Dhを算出することにより、パターン残量Dを算出する。
【0062】
最後に、画像処理装置4は、算出した穴の面積あるいは直径が所定の範囲内か否か、穴位置のずれ量(X,Y方向のずれ量及び角度のずれ量)が所定の範囲内か否か、パターン残量が指定値以上残っているか否かにより、被測定パターンが正常か否かを判定し、判定結果をホストコンピュータ6へ送出する。同様に、画像処理装置5は、二次検査の結果をホストコンピュータ6へ送出する。そして、ホストコンピュータ6は、判定結果を表示装置7の画面に表示する(ステップ110)。なお、本実施の形態では、ステップ107〜109の処理を順次行っているが、ステップ107の処理とステップ108,109の処理を並行して行ってもよい。
【0063】
【発明の効果】
本発明によれば、導体パターンの座標系が一致するように第1のマスタパターンの画像と被測定パターンの画像とを位置合わせした後、これらを比較して被測定パターン中の導体パターンを検査し、穴の座標系が一致するように第2のマスタパターンの画像と被測定パターンの画像とを位置合わせした後、これらを比較して被測定パターン中の穴を検査しており、導体パターンと穴とを別の座標系で個別に検査することにより、導体パターンと穴とが互いに影響しあうことを防止することができる。その結果、穴位置の変動に影響されることなく導体パターンと穴の検査を行うことができ、欠陥の過検出を防止して、製品の歩留りを向上させることができる。
【0064】
また、導体パターンの検査時は、マスク領域を穴の部分に設定し、穴の検査時は、マスク領域を穴以外の部分に設定することにより、導体パターンと穴とが互いに影響しあうことを防止し、過検出を防止することができる。
【0065】
また、第2のマスタパターンを収縮処理して、収縮処理後の穴エッジとその内部を欠損検査用のマスタパターンとし、このマスタパターンと被測定パターンとの論理積をとると共に、第2のマスタパターンを膨張処理して、膨張処理後の穴エッジとその内部から中央を除いた部分を突起検査用のマスタパターンとし、このマスタパターンと被測定パターンとの論理積をとることにより、被測定パターン中の穴を高速に検査することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態となるパターン検査方法を示すフローチャート図である。
【図2】図1のパターン検査方法で用いるパターン検査装置のブロック図である。
【図3】導体パターンの検査方法を示すフローチャート図である。
【図4】第3のマスタパターンの作成方法を説明するための図である。
【図5】第3のマスタパターンとの比較による検査方法を説明するための図である。
【図6】第4のマスタパターンの作成方法を説明するための図である。
【図7】第4のマスタパターンとの比較による検査方法を説明するための図である。
【図8】第5のマスタパターンとの比較による検査方法を説明するための図である。
【図9】第6のマスタパターンとの比較による検査方法を説明するための図である。
【図10】穴の検査方法を示すフローチャート図である。
【図11】第7のマスタパターンとの比較による検査方法を説明するための図である。
【図12】第8のマスタパターンとの比較による検査方法を説明するための図である。
【図13】穴の位置ずれの検査方法を示すフローチャート図である。
【図14】穴位置のずれ量の検査方法を説明するための図である。
【図15】パターン残量の検査方法を説明するための図である。
【図16】断線を検出する従来の検査方法を説明するための図である。
【図17】断線を検出する従来の検査方法を説明するための図である。
【図18】短絡を検出する従来の検査方法を説明するための図である。
【図19】欠損あるいは突起を検出する従来の検査方法を説明するための図である。
【符号の説明】
1…プリント配線板、2…X−Yテーブル、3…ラインセンサカメラ、4…第1の画像処理装置、5…第2の画像処理装置、6…ホストコンピュータ、7…表示装置。
Claims (3)
- 被測定パターンの設計時のパターンデータから導体パターン検査の基準となる第1のマスタパターンの画像を作成するとともに、被測定パターンの設計時の穴データから穴検査の基準となる第2のマスタパターンの画像を作成し、
導体パターンの座標系が一致するように第1のマスタパターンの画像とカメラで撮像した被測定パターンの画像とを位置合わせした後、これらを比較して被測定パターン中の導体パターンを検査し、
穴の座標系が一致するように第2のマスタパターンの画像と被測定パターンの画像とを位置合わせした後、これらを比較して被測定パターン中の穴を検査し、
導体パターンの座標系が一致するように第2のマスタパターンの画像と被測定パターンの画像とを位置合わせした後、これらを比較して被測定パターン中の穴の位置ずれを検査し、
前記導体パターンの検査時は、検査を実行しないマスク領域を穴の部分に設定し、前記穴の検査時は、前記マスク領域を穴以外の部分に設定することを特徴とするパターンの検査方法。 - 請求項1記載のパターンの検査方法において、
前記穴の検査時、前記第2のマスタパターンを収縮処理して、収縮処理後の穴エッジとその内部を欠損検査用のマスタパターンとし、このマスタパターンと被測定パターンとの論理積をとることにより、被測定パターン中の穴の欠損を検査し、前記第2のマスタパターンを膨張処理して、膨張処理後の穴エッジとその内部から中央を除いた部分を突起検査用のマスタパターンとし、このマスタパターンと被測定パターンとの論理積をとることにより、被測定パターン中の穴の突起を検査することを特徴とするパターンの検査方法。 - 請求項1記載のパターンの検査方法において、
前記穴の位置ずれの検査時、前記第2のマスタパターン中の穴の重心位置とこれに対応する被測定パターン中の穴の重心位置とから穴位置のずれ量を検査し、被測定パターン中の導体パターンエッジとこの導体パターン内部の穴エッジとの最小距離であるパターン残量を検査することを特徴とするパターンの検査方法。
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