JP4090989B2 - ジッタ測定装置、及びジッタ測定方法 - Google Patents

ジッタ測定装置、及びジッタ測定方法 Download PDF

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Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、電子回路を測定するジッタ測定装置及びジッタ測定方法に関する。特に、本発明は、電子回路のジッタを測定するジッタ測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、周期ジッタの測定には、タイムインターバルアナライザやオシロスコープが用いられている。これらは、いわゆるゼロクロス方式を用いて周期ジッタの測定を行う。まず、図1に示すように、被試験PLL11からの被測定信号(クロック信号)x(t)がタイムインターバルアナライザ12に供給される。被測定信号x(t)は、1つの立ち上がりエッジに対し、次の立ち上がりエッジが点線のように揺らぎ、両エッジの間隔T、すなわち被測定信号x(t)の周期が揺らぐ。
【0003】
ゼロクロス方式は、被測定信号のゼロクロス間の時間間隔(周期)を測定し、周期ジッタをヒストグラム解析により測定する。図2に、タイムインターバルアナライザ12が表示するヒストグラムの一例を示す。タイムインターバルアナライザについては、例えばD.Chu,"Phase Digitizing Sharpens Timing Measurements"IEEE Spectrum,pp.28-32,1988.J.Wilstrup,"A Method of Serial Data Jitter Analysis Using One-Shot Time Interval Measurements" , Proceeding of IEEE International Test Conference ,pp.819-823,1988.に記載されている。
【0004】
また、補間法を用いてジッタ測定を行うデジタルオシロスコープがある。この補間法を用いたジッタ測定方法(補間ベース・ジッタ測定方法)は、サンプリングされた被測定信号の測定データのうち、信号値がゼロクロスに近いデータ間を補完し、ゼロクロスのタイミングを推定する。即ち、データ補間によってゼロクロス間の時間間隔(周期)の測定誤差を低減し、被測定信号の周期の揺らぎを推定する。
【0005】
つまり、図3に示すように、被試験PLL11からの被測定信号x(t)は、デジタルオシロスコープ14に供給される。図4は、デジタルオシロスコープ14の構成を示す。アナログデジタル変換器15は、被測定信号をデジタルデータ列に変換し、補間器16は、デジタルデータ列中の信号値がゼロクロスに近いデータ間をデータ補完し、周期推定器17は、データ補完されたデジタルデータ列について、ゼロクロス間の周期を測定し、ヒストグラム推定器18は、周期推定器17が測定した測定値のヒストグラムを表示し、実効値及びピーク・ツゥ・ピーク値算出器19は、測定された周期の揺らぎの自乗平均値及びピークツゥピーク値を算出する。例えば、被測定信号x(t)が図5(A)に示す波形である場合、デジタルオシロスコープ14は、図5(B)に示すような周期ジッタを測定する。
【0006】
しかしながら、タイムインターバルアナライザ方式のジッタ測定法は、精度よくジッタを測定することができるが、1回の周期測定の後、測定を行うことができないデッドタイムがあるため、ヒストグラム解析に必要なデータ数を測定するのに時間がかかるという問題がある。
【0007】
また、広帯域のデジタルオシロスコープと補間法を組み合わせたジッタ測定法は、ジッタ値を過大評価するという問題がある。つまり、ジッタ測定値がタイムインターバルアナライザによる測定値と互換性を持たない。図6(A)及び図6(B)は、400MHzの被測定信号に対するタイムインターバルアナライザによるジッタ測定結果と、補間法によるジッタ測定結果の比較結果を示す。これにより、タイムインターバルアナライザによるジッタ測定値は7.72ps(RMS)であるのに対して、補間法による測定値は8.47ps(RMS)であり、ジッタ測定値を過大評価していることがわかる。また、補間法によるジッタ測定法も、長い測定時間が必要となる。
【0008】
これに対し、本願の発明者らは、T.J.Tamaguchi ,M.Soma,M.Ishida,
T.Watanabe, and T.Ohmi,"Extraction of Peak-to-Peak and RMS Sinusoidal Jitter Using an Analytic Signal Method." Procssdings of 18th IEEE VLSI Test Symposium,pp.395-402,2000.で以下に述べるジッタ測定方法を提案した。
【0009】
即ち、図7に示すように、被試験PLL回路11からのアナログのクロック波形がA/D変換器22でデジタルのクロック信号に変換され、解析信号変換手段としてのヒルベルト変換対発生器23へ供給されて複素数の解析信号に変換される。
ヒルベルト変換対発生器23において、クロック信号の基本周波数近傍の信号成分が、帯域通過フィルタにより帯域制限され、ヒルベルト変換器25に供給されヒルベルト変換される。ヒルベルト変換対発生器23は、解析信号の実数部としてヒルベルト変換されない信号成分を出力し、解析信号の虚数部としてヒルベルト変換された信号成分を出力する。
【0010】
この解析信号から瞬時位相推定器26でクロック信号の瞬時位相が推定される。この瞬時位相はリニア位相除去器27でリニア位相が除去されて、瞬時位相雑音波形が得られる。
【0011】
この瞬時位相雑音がゼロクロスサンプラ43でサンプリングされ、タイミングジッタ系列としてピーク・ツゥ・ピーク検出器32に入力され、タイミングジッタのピーク値が求められる。
【0012】
また、タイミングジッタ系列が二乗平均検出器33にも入力され、タイミングジッタの二乗平均値が求められる。
【0013】
このようにして、タイミングジッタのピーク値、タイミングジッタの二乗平均値を、瞬時位相雑音から求める方法をΔφ法と呼ぶ。
【0014】
このΔφ法によれば、タイミングジッタを高速に測定することができる。しかしながら、被測定信号のゼロクロス点を、各ゼロクロス点に最も近いサンプリング点で近似するため、信号離散化における過剰標本化比が小さい場合に、ジッタ測定の誤差が大きくなる場合があった。
【0015】
これらのため、精度よく且つ短時間でジッタを測定できるジッタ測定装置及び方法が望まれていた。
【0016】
本発明は、上記課題を解決することのできる測定装置及び測定方法を提供することを目的とする。この目的は、請求の範囲における独立項に記載の特徴の組み合わせにより達成される。また従属項は本発明の更なる有利な具体例を規定する。
【発明の開示】
【0017】
本発明の第1の形態においては、離散化された被測定信号のジッタを測定するジッタ測定装置であって、被測定信号の立ち上がりエッジまたは立ち下がりエッジのいずれかのエッジの標本点から、所定の値に最も近い振幅値を有する標本点を、被測定信号のサイクル毎に抽出し、所定の値となる被測定信号の点と、標本点との位相誤差を被測定信号のサイクル毎に算出して位相誤差系列を生成し、抽出した標本点において、隣り合う標本点の間の時間間隔系列を生成する位相誤差推定器と、位相誤差系列及び標本点間の時間間隔系列から、被測定信号の1サイクル毎の瞬時周期を算出し、算出した1サイクル毎の瞬時周期から被測定信号の基本周期を減算することで、被測定信号の周期ジッタ系列を算出する周期ジッタ推定器とを備えることを特徴とするジッタ測定装置を提供する。
【0018】
位相誤差推定器は、被測定信号における複数のゼロクロス点と、標本点のうち、複数のゼロクロス点のいずれかに対して、予め定められた条件を満たす複数の近似ゼロクロス点との位相誤差をそれぞれ算出し、位相誤差系列を生成してよい。
【0019】
位相誤差推定器は、被測定信号の各サイクルの立ち上がり、又は各サイクルの立ち下がりにおけるゼロクロス点と、標本点のうち、各サイクルの立ち上がり又は各サイクルの立ち下がりにおいて、ゼロクロス点に最も近い振幅値を有する標本点である複数の近似ゼロクロス点との位相誤差をそれぞれ算出し、位相誤差系列を生成してよい。
【0020】
位相誤差推定器は、複数の近似ゼロクロス点を抽出するゼロクロスサンプラと、近似ゼロクロス点と、対応するゼロクロス点との位相誤差系列を算出する位相誤差算出器とを有してよい。
【0021】
ゼロクロスサンプラは、隣り合う近似ゼロクロス点間の時間間隔系列を算出し、周期ジッタ推定器は、1サイクル毎の瞬時周期を算出する瞬時周期推定器と、瞬時周期推定器が算出したそれぞれの瞬時周期値から、被測定信号の基本周期を減算して、周期ジッタ系列を生成する基本周期減算器とを有してよい。
【0022】
ジッタ測定装置は、被測定信号の基本周波数近傍の周波数成分を抽出して、位相誤差推定器に供給する帯域通過フィルタを更に備えてよい。
【0023】
位相誤差算出器は、被測定信号の振幅値と、それぞれの近似ゼロクロス点における振幅値とに基づいて、それぞれの近似ゼロクロス点と、対応するゼロクロス点との位相誤差をそれぞれ算出し、位相誤差系列を算出してよい。
【0024】
位相誤差推定器は、被測定信号を複素数の解析信号に変換し、ゼロクロスサンプラに供給する解析信号変換器を更に有し、ゼロクロスサンプラは、解析信号の実数部において複数の近似ゼロクロス点を抽出し、位相誤差算出器は、それぞれの近似ゼロクロス点における解析信号の値に基づいて、それぞれの近似ゼロクロス点の瞬時位相を算出し、算出したそれぞれの瞬時位相に基づいて、ゼロクロス点と近似ゼロクロス点との位相誤差系列を算出してよい。
【0025】
ゼロクロスサンプラは、被測定信号のゼロクロス点近傍をサンプリングし、近似ゼロクロス点を抽出してよい。
【0026】
周期ジッタ推定器は、基本周期減算器が生成した周期ジッタ系列におけるそれぞれの周期ジッタ値に、対応する近似ゼロクロス点間の時間間隔と被測定信号の基本周期との比を乗算し、周期ジッタ系列を補正する周期ジッタ系列補正器を更に有してよい。
【0027】
ゼロクロスサンプラは、隣り合う近似ゼロクロス点間の時間間隔系列を算出し、周期ジッタ推定器は、時間間隔系列と位相誤差系列とに基づいて、それぞれの近似ゼロクロス点間における被測定信号の瞬時角周波数を示す瞬時角周波数系列を算出する瞬時角周波数推定器と、瞬時角周波数系列と、被測定信号の基本周期とに基づいて、周期ジッタ系列を算出する周期ジッタ算出器とを有してよい。
【0028】
周期ジッタ系列に基づいて、被測定信号の周期ジッタのピーク・ツゥ・ピーク値、実効値、ヒストグラムのうちのいずれか一つ又は複数を算出するジッタ検出器を更に備えてよい。
【0029】
周期ジッタ系列において、隣り合う周期ジッタ値の差分をそれぞれ算出したサイクル・ツゥ・サイクル周期ジッタ系列を生成するサイクル・ツゥ・サイクル周期ジッタ推定器を更に備えてよい。
【0030】
帯域通過フィルタは、被測定信号を周波数領域の信号に変換する周波数領域変換器と、周波数領域の信号に変換された被測定信号の、基本周波数近傍の周波数成分を抽出する帯域制限器と、帯域制限器が抽出した周波数成分を、時間領域の信号に変換する時間領域変換器とを有してよい。
【0031】
ジッタ測定装置は、被測定信号の振幅変調成分を除去し、位相誤差推定器に供給する波形クリッパを更に備えてよい。
【0032】
ジッタ測定装置は、被測定信号の基本周期を算出する基本周期推定器を更に備えてよい。
【0033】
周期ジッタ推定器は、周期ジッタ系列における高周波成分を除去する低域通過フィルタを更に有してよい。
【0034】
本発明の第2の形態においては、離散化された被測定信号のジッタを測定するジッタ測定方法であって、被測定信号の立ち上がりエッジまたは立ち下がりエッジのいずれかのエッジの標本点から、所定の値に最も近い振幅値を有する標本点を、被測定信号のサイクル毎に抽出し、所定の値となる被測定信号の点と、標本点との位相誤差を被測定信号のサイクル毎に算出して位相誤差系列を生成し、抽出した標本点において、隣り合う標本点の間の時間間隔系列を生成する位相誤差推定ステップと、位相誤差系列及び標本点間の時間間隔系列から、被測定信号の1サイクル毎の瞬時周期を算出し、算出した1サイクル毎の瞬時周期から被測定信号の基本周期を減算することで、被測定信号の周期ジッタ系列を算出する周期ジッタ推定ステップとを備えることを特徴とするジッタ測定方法を提供する。
【0035】
位相誤差推定ステップは、被測定信号における複数のゼロクロス点と、標本点のうち、複数のゼロクロス点のいずれかに対して、予め定められた条件を満たす複数の近似ゼロクロス点との位相誤差をそれぞれ算出し、位相誤差系列を生成してよい。
【0036】
位相誤差推定ステップは、被測定信号の各サイクルの立ち上がり、又は各サイクルの立ち下がりにおけるゼロクロス点と、標本点のうち、各サイクルの立ち上がり又は各サイクルの立ち下がりにおいて、ゼロクロス点に最も近い振幅値を有する標本点である複数の近似ゼロクロス点との位相誤差をそれぞれ算出し、位相誤差系列を生成してよい。
【0037】
位相誤差推定ステップは、複数の近似ゼロクロス点を抽出するゼロクロスサンプリングステップと、近似ゼロクロス点と、対応するゼロクロス点との位相誤差系列を算出する位相誤差算出ステップとを有してよい。
【0038】
ゼロクロスサンプリングステップは、隣り合う近似ゼロクロス点間の時間間隔系列を算出し、周期ジッタ推定ステップは、時間間隔系列及び位相誤差系列に基づいて、1サイクル毎の瞬時周期を算出する瞬時周期推定ステップと、瞬時周期推定器が算出したそれぞれの瞬時周期値から、被測定信号の基本周期を減算して、周期ジッタ系列を生成する基本周期減算ステップとを有してよい。
【0039】
被測定信号の基本周波数近傍の周波数成分を抽出する帯域通過ステップを更に備えてよい。
【0040】
位相誤差算出ステップは、被測定信号の振幅値と、それぞれの近似ゼロクロス点における振幅値とに基づいて、それぞれの近似ゼロクロス点と、対応するゼロクロス点との位相誤差をそれぞれ算出し、位相誤差系列を算出してよい。
【0041】
位相誤差推定ステップは、被測定信号を複素数の解析信号に変換する解析信号変換ステップを更に有し、ゼロクロスサンプリングステップは、解析信号の実数部において複数の近似ゼロクロス点を抽出し、位相誤差算出ステップは、それぞれの近似ゼロクロス点における解析信号の値に基づいて、それぞれの近似ゼロクロス点の瞬時位相を算出し、算出したそれぞれの瞬時位相に基づいて、ゼロクロス点と近似ゼロクロス点との位相誤差系列を算出してよい。
【0042】
ゼロクロスサンプリングステップは、被測定信号のゼロクロス点近傍をサンプリングし、近似ゼロクロス点を抽出してよい。
【0043】
周期ジッタ推定ステップは、基本周期減算ステップにおいて生成した周期ジッタ系列におけるそれぞれの周期ジッタ値に、対応する近似ゼロクロス点間の時間間隔と被測定信号の基本周期との比を乗算し、周期ジッタ系列を補正する周期ジッタ系列補正ステップを更に有してよい。
【0044】
ゼロクロスサンプリングステップは、隣り合う近似ゼロクロス点間の時間間隔系列を算出し、周期ジッタ推定ステップは、時間間隔系列と位相誤差系列とに基づいて、それぞれの近似ゼロクロス点間における被測定信号の瞬時角周波数を示す瞬時角周波数系列を算出する瞬時角周波数推定ステップと、瞬時角周波数系列と、被測定信号の基本周期とに基づいて、周期ジッタ系列を算出する周期ジッタ算出ステップとを有してよい。
【0045】
周期ジッタ系列に基づいて、被測定信号の周期ジッタのピーク・ツゥ・ピーク値、実効値、ヒストグラムのうちのいずれか一つ又は複数を算出するジッタ検出ステップを更に備えてよい。
【0046】
周期ジッタ系列において、隣り合う周期ジッタ値の差分をそれぞれ算出したサイクル・ツゥ・サイクル周期ジッタ系列を生成するサイクル・ツゥ・サイクル周期ジッタ推定ステップを更に備えてよい。
【0047】
帯域通過ステップは、被測定信号を周波数領域の信号に変換する周波数領域変換ステップと、周波数領域の信号に変換された被測定信号の、基本周波数近傍の周波数成分を抽出する帯域制限ステップと、帯域制限ステップにおいて抽出した周波数成分を、時間領域の信号に変換する時間領域変換ステップとを有してよい。
【0048】
被測定信号の振幅変調成分を除去する波形クリップステップを更に備えてよい。
【0049】
被測定信号の基本周期を算出する基本周期推定ステップを更に備えてよい。
【0050】
周期ジッタ推定ステップは、周期ジッタ系列における高周波成分を除去する低域通過ステップを更に有してよい。
【0051】
尚、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションも又、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】従来の、タイムインターバルアナライザを用いた周期ジッタの測定を説明する。
【図2】タイムインターバルアナライザ12が表示するヒストグラムの一例を示す。
【図3】従来の、デジタルオシロスコープを用いた周期ジッタの測定を説明する。
【図4】デジタルオシロスコープ14の構成を示す。
【図5】図5(A)は、被測定信号x(t)を示す。図5(B)は、周期ジッタを示す。
【図6】図6(A)は、タイムインターバルアナライザによるジッタ測定結果を示す。図6(B)は、補間法によるジッタ測定結果を示す。
【図7】従来のΔφ法による周期ジッタの測定を説明する。
【図8】本発明の実施形態に係るジッタ測定装置100の構成の一例を示す。
【図9】ゼロクロス点及び近似ゼロクロス点を示す。
【図10】周期ジッタ系列を補正した場合と補正しない場合のジッタ測定結果を示す。
【図11】図11(A)は、測定した周期ジッタのRMS値の一例を示す。図11(B)は、測定した周期ジッタのピーク・ツゥ・ピーク値の一例を示す。
【図12】1周期毎の立ち上がりの時間間隔を周期ジッタとして算出した場合の、被測定信号の周期ジッタ波形J[n]を示す。
【図13】図13(A)は、ジッタ測定装置100が測定した周期ジッタのヒストグラムの一例を示す。図13(B)は、従来のタイムインターバルアナライザで測定した周期ジッタのヒストグラムを示す。
【図14】ジッタ測定装置100が測定した周期ジッタのRMS値及びピーク値、並びに従来のタイムインターバルアナライザで測定したこれらの値とを示す。
【図15】サイクル・ツゥ・サイクル周期ジッタ系列の一例を示す。
【図16】ピーク・ツゥ・ピークジッタ検出器107及びRMSジッタ検出器108が算出したサイクル・ツゥ・サイクル周期ジッタのピーク値Jcc、pp及びRMS値Jcc、RMSの一例を示す。
【図17】離散化された被測定信号x(t)の一例を示す。
【図18】周波数領域の信号に変換された被測定信号のパワースペクトルの一例を示す。
【図19】帯域制限された周波数領域の信号XBP(f)の一例を示す。
【図20】帯域制限された時間領域の信号波形xBP(t)の一例を示す。
【図21】解析信号の実数部の波形の一例を示す。
【図22】ジッタ測定装置100の動作の一例を示すフローチャートである。
【図23】ジッタ測定装置100の構成の他の例を示す。
【図24】図23において説明したジッタ測定装置100の動作を説明するフローチャートである。
【図25】位相誤差推定器104の構成の一例を示す。
【図26】図25において説明した位相誤差推定器104の動作の一例を示すフローチャートである。
【図27】位相誤差推定器104の構成の他の例を示す。
【図28】図27において説明した位相誤差推定器140の動作の一例を示すフローチャートである。
【図29】周期ジッタ推定器105の構成の一例を示す。
【図30】図29において説明した周期ジッタ推定器105の動作の一例を示すフローチャートである。
【図31】周期ジッタ系列推定器105の構成の他の例を示す。
【図32】図31において説明した周期ジッタ系列推定器105の動作の一例を示すフローチャートである。
【図33】帯域通過フィルタ103の構成の一例を示す。
【図34】図33において説明した帯域通過フィルタ103の動作の一例を示す。
【図35】帯域通過フィルタ103の構成の他の例を示す。
【図36】図35において説明した帯域通過フィルタ103の動作の一例を示すフローチャートである。
【図37】図37(A)は、ジッタ測定装置100の構成例の一部を示す。図37(B)は、ジッタ測定装置100の構成例の一部を示す。図37(C)は、ジッタ測定装置100の構成例の一部を示す。
【図38】振幅変調成分を有する被測定信号の一例を示す。
【図39】波形クリッパ1901が波形クリップした被測定信号の一例を示す。
【図40】図40(A)は、ADコンバータ1701及び周期推定器101の動作の一例を示す。図40(B)は、波形クリッパ1901及び周期推定器101の動作の一例を示す。
【図41】周期ジッタ推定器105の構成の他の例を示す。
【図42】図29において説明した周期ジッタ推定器105の動作の他の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0053】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではなく、又実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0054】
図8は、本発明の実施形態に係るジッタ測定装置100の構成の一例を示す。ジッタ測定装置100は、周期性を有する被測定信号(入力信号)のジッタを測定する。ジッタ測定装置100は、基本周期推定器101と、メモリ102と、帯域通過フィルタ103と、位相誤差推定器104と、周期ジッタ推定器105と、ジッタ検出器106とを備える。
【0055】
基本周期推定器101は、被測定信号の基本周波数の周期を算出し、メモリ102は、基本周期推定器101が算出した被測定信号の基本周期を格納する。帯域通過フィルタ103は、被測定信号の所望の周波数成分を抽出し、位相誤差推定器104に供給する。本例において、帯域通過フィルタ103は、被測定信号の基本周波数近傍の周波数成分を抽出する。
【0056】
位相誤差推定器104は、受け取った被測定信号の周波数成分に基づいて、被測定信号において所定の値をとる点に対して、予め定められた条件を満たす複数の標本点を抽出する。つまり、被測定信号は離散化されたデジタル信号であって、位相誤差推定器104は、離散化された複数の標本点から、予め定められた条件を満たす複数の標本点を抽出する。例えば、位相誤差推定器104は、被測定信号における複数のゼロクロス点に対して、最も近い振幅値を有する標本点をそれぞれ抽出する。このとき、位相誤差推定器104は、被測定信号の各サイクルの立ち上がり、又は各サイクルの立ち下がりのいずれかから、複数の標本点を抽出する。
【0057】
位相誤差推定器104は、抽出した複数の標本点の位相と、被測定信号が当該所定の値をとる位相との位相誤差を算出する。このとき、位相誤差推定器104は、被測定信号の、同一の立ち上がり波形部分又は立ち下がり波形部分における、標本点の位相と、被測定信号が所定の値をとる位相との位相誤差を算出する。位相誤差推定器104は、被測定信号の各サイクル毎に、当該位相誤差を算出し、算出した位相誤差系列を周期ジッタ推定器105に供給する。また、位相誤差推定器104は、抽出したそれぞれの標本点間の時間間隔系列を周期ジッタ推定器105に供給する。
【0058】
周期ジッタ推定器105は、位相誤差系列、時間間隔系列、及びメモリ12が格納した基本周期に基づいて、被測定信号の周期ジッタ系列を算出する。まず、周期ジッタ推定器105は、位相誤差系列及び標本点間の時間間隔系列から、被測定信号の1サイクル毎の瞬時周期を算出し、算出した1サイクル毎の瞬時周期から基本周期を減算することにより、被測定信号の周期ジッタ系列を算出する。周期ジッタ推定器105における周期ジッタ系列の算出方法については後述する。
【0059】
ジッタ検出器106は、周期ジッタ系列に基づいて、被測定信号のジッタを算出する。本例において、ジッタ検出器106は、周期ジッタ系列の最大値と最小値との差を算出するピーク・ツゥ・ピークジッタ検出器107と、周期ジッタ系列の二乗平均値を算出し、被測定信号のジッタの実効値(RMS値)を算出するRMSジッタ検出器108と、周期ジッタ系列のヒストグラムを生成するヒストグラム推定器109とを有する。
【0060】
また、帯域通過フィルタ103は、アナログフィルタであってよく、またデジタルフィルタであってもよい。また、FFT等を用いてソフトウェアで構成されてもよい。
【0061】
次に、周期ジッタ推定器105における周期ジッタ系列の算出方法の一例について説明する。本例においては、被測定信号としてクロック信号を用いて説明するが、被測定信号はクロック信号に限定されない。つまり、ジッタ測定装置100は、周期性を有する信号であれば、その信号のジッタを算出することができる。また、本例においては、周期ジッタ推定器105は、被測定信号のゼロクロス点の時間間隔の揺らぎに基づいて、被測定信号のジッタを算出する場合について説明する。
【0062】
ジッタのないクロック信号は、基本周波数fを有する方形波である。この信号は、フーリエ変換によって周波数f、3f、5f、・・・からなる高調波に分解できる。ジッタは、被測定信号の基本周波数の揺らぎに対応するため、基本周波数近傍の周波数成分から、被測定信号のジッタを算出することができる。ジッタ測定装置100は、帯域通過フィルタ103によって、被測定信号の基本周波数近傍の周波数成分を抽出するため、効率よくジッタを算出することができる。
【0063】
ジッタをもつクロック信号の基本サイン波成分x(t)は、振幅をA、基本周期をTとすると、
【数1】
Figure 0004090989
で表される。ここで、φ(t)は、被測定信号の瞬時位相を示し、基本周期Tを含むリニア瞬時位相成分2πt/Tと、初期位相成分θと、瞬時位相雑音成分Δφ(t)との和で表される。
【0064】
実信号x(t)の解析信号z(t)は、次式の複素信号で定義される。
【数2】
Figure 0004090989
ここで、jは虚数単位であり、複素信号z(t)の虚数部
【数3】
Figure 0004090989
は、実数部x(t)のヒルベルト変換である。一方、時間波形x(t)のヒルベルト変換は、次式で定義される。
【数4】
Figure 0004090989
【0065】
ここで、
【数3】
Figure 0004090989
は式(3)に示すように関数x(t)と、1/πtとの畳み込み演算で与えられる。すなわち、ヒルベルト変換は、x(t)を全帯域通過フィルタを通過させた場合のフィルタの出力と等価である。
【0066】
ただし、このときの出力は、スペクトル成分の大きさは変わらないが、その位相はπ/2だけシフトする。解析信号及びヒルベルト変換については、例えば、A.Papoulis,Probability,Ramdom Variables,and Stochastic Processes,2nd edition,McGraw-Hill Book Company,1984.に記載されている。
【0067】
従って、被測定信号の基本コサイン波x(t)の解析信号は、
【数5】
Figure 0004090989
で与えられる。解析信号z(t)の瞬時周波数は、下式で与えられる。
【数6】
Figure 0004090989
すなわち、
【数7】
Figure 0004090989
より、周期ジッタJは次式で算出できる。
【数8】
Figure 0004090989
【0068】
一方、x(t)の瞬時角周波数ω(t)は、
【数9】
Figure 0004090989
で与えられる。従って、式(7)及び式(8)より、周期ジッタJ(t)は、瞬時角周波数ω(t)を用いて以下のように表される。
【数10】
Figure 0004090989
【0069】
位相誤差推定器104は、被測定信号x(t)が所定の値をとる点と、当該所定の値をとる点と同一の立ち上がり波形部分又は立ち下がり波形部分における標本点との位相誤差系列を算出する。本例においては、図9に示すように、位相誤差推定器104は、被測定信号x(t)の立ち上がりの各ゼロクロス点t、tk+1に、最も近い標本点t[k]、t[k+1]を抽出し、各ゼロクロス点と対応する標本点との位相誤差をそれぞれ算出する。
【0070】
以下、ゼロクロス点を例にして説明するが、位相誤差推定器104が被測定信号x(t)の所定の値をとる点について位相誤差系列を算出する場合についても、同様に位相誤差系列は算出できる。
【0071】
近似ゼロクロス点t[k]と、被測定信号におけるゼロクロス点tとの間の位相誤差をδ[k]とすると、隣り合う二つの近似ゼロクロス点間[t[k]、t[k+1]]における瞬時角周波数ω[k]は、下式に示すように[t[k]、t[k+1]]間にすすむ位相角と経過時間との比で与えられる。
【数11】
Figure 0004090989
ここで、Tk、k+1は隣り合う二つの近似ゼロクロス点t[k]とt[k+1]との間の時間間隔であり、近似ゼロクロス点のタイミングは、標本点のサンプリングタイミングであるため、近似ゼロクロス点のタイミング系列t[k]は既知であるか、又は容易に算出できる。よって、Tk。k+1は、近似ゼロクロス点のタイミング系列において、対応するタイミングの差分を算出することにより、下式のように算出できる。位相誤差推定器104は、下式に基づいて隣り合う近似ゼロクロス点間の時間間隔系列を算出する。
【数12】
Figure 0004090989
【0072】
また、位相誤差δ[k]は、近似ゼロクロス点t[k]における位相角φ(t[k])とゼロクロス点tにおける位相角φ(t)により、下式のように表される。
【数13】
Figure 0004090989
ここで、帯域制限された被測定信号x(t)は、式(1)に示すように振幅Aを有する基本コサイン波であり、位相角φ(t)と振幅値x(t)は次のような関係を有する。
【数14】
Figure 0004090989
【0073】
このため、被測定信号の時刻tにおける位相角φ(t)は、時刻tの振幅値x(t)と振幅Aから、逆正弦関数を用いて、
【数15】
Figure 0004090989
で表される。ただし、逆正弦関数は、−π/2から+π/2までの範囲の位相を用いて表されるため、式(14)はコサイン波の位相角が−πから0までの範囲、即ち、コサイン波の立ち上がり領域において成り立つ。従って、基本コサイン波x(t)の立ち上がりゼロクロス点に対して、近似ゼロクロス点t[k]における振幅値を
【数16】
Figure 0004090989
とすると、t[k]における位相角φ(t[k])は、式(14)より、
【数17】
Figure 0004090989
で与えられる。一方、ゼロクロス点tにおける振幅値は0であるから、ゼロクロス点tにおける位相角φ(t)は、
【数18】
Figure 0004090989
である。従って、立ち上がりゼロクロス点tとその近似ゼロクロス点t[k]との位相誤差δ[k]は、式(12)、式(16)、及び式(17)より、
【数19】
Figure 0004090989
で算出することができる。、コサイン波の位相角が0からπまでの範囲、即ち立ち下がり領域については、時刻tにおける位相角φ(t)は、時刻tの振幅値x(t)と振幅Aから、逆正弦関数を用いて、
【数20】
Figure 0004090989
で表される。従って、基本コサイン波x(t)の立ち下がりにおいて、近似ゼロクロス点とゼロクロス点との位相誤差δ[k]は、次式で算出できる。
【数21】
Figure 0004090989
【0074】
位相誤差推定器104は、ゼロクロス点が立ち上がり波形部分にあるか、又は立ち下がり波形部分にあるかを判定し、対応する式(18)又は式(19)のいずれかを用いて、ゼロクロス点と近似ゼロクロス点との位相誤差を算出してよい。以上から明らかなように、位相誤差δ[k]は、近似ゼロクロス点における被測定信号の瞬時値と、被測定信号の振幅値とから算出することができる。
【0075】
また、位相誤差推定器104は、被測定信号x(t)を解析信号に変換し、位相誤差δ[k]を算出してもよい。すなわち、位相誤差推定器104は、下式のように、被測定信号を解析信号に変換する。
【数22】
Figure 0004090989
そして、近似ゼロクロス点t[k]における解析信号データ
【数23】
Figure 0004090989
から、下式のように近似ゼロクロス点における瞬時位相を算出する。
【数24】
Figure 0004090989
位相誤差推定器104は、算出した近似ゼロクロス点における瞬時位相と、ゼロクロス点における瞬時位相との差分を算出することにより、位相誤差δ[k]を算出してもよい。例えば、立ち上がりゼロクロス点におけるゼロクロス点の瞬時位相は−π/2であるため、下式によって位相誤差δ[k]を算出してよい。
【数25】
Figure 0004090989
【0076】
また、立ち下がりゼロクロス点におけるゼロクロス点の瞬時位相はπ/2であるため、下式によって位相誤差δ[k]を算出してもよい。
【数26】
Figure 0004090989
【0077】
以上により、周期ジッタJ[k]は、位相誤差δ[k]を用いて、式(9)、及び式(10)から
【数27】
Figure 0004090989
で算出することができる。ここで、右辺の( )で囲まれた項は、図9に示すように、被測定信号の瞬時周期
【数28】
Figure 0004090989
と基本周期Tとの差、即ち周期ジッタを示す。周期ジッタ推定器105は、式(27)を用いて周期ジッタを算出する。
【0078】
また、(T/Tk、k+1)の項は、上記周期ジッタに対する補正項である。この補正により、より高い精度で周期ジッタを算出することができる。つまり、周期ジッタ推定器105は、近似ゼロクロス点のタイミングと被測定信号の基本周期とに基づいて、算出した周期ジッタを補正してよい。
【0079】
上記補正項は、図10に示すように、周期ジッタのRMS値とピーク・ツゥ・ピーク値に対して、ジッタ推定値と理論値との誤差を小さくできる。つまり、補正項を用いない場合は、RMS値及びピーク・ツゥ・ピーク値はそれぞれ+0.53%及び15.9%の誤差があったが、補正項を用いた例においては、これらの誤差をそれぞれ−0.004%及び+0.04%に低減できた。尚、図10は、サイン波ジッタを有する信号に対するシミュレーションにより算出した。
【0080】
また、実波形を用いた実験結果を図11(A)に示す。図11(A)において横軸は1周期当たりのサンプリング数を示し、縦軸は周期ジッタのRMS値を示す。図11(A)に示すように、周期ジッタのRMS値はサンプリング数に関係なくほぼ一定の値を算出することができる。また、補正値を用いる方法も、補正値を用いない方法も、同様の結果が得られる。
【0081】
また、図11(B)に周期ジッタのピーク・ツゥ・ピーク値の実験結果を示す。補正項を用いない場合、周期ジッタのピーク・ツゥ・ピーク値は、過剰標本化比が小さくなるにつれて過大評価される。ここで過剰標本化比は、サンプリング定理により波形を再現するために必要な標本数(再現するべき波形の1周期に対して標本数2)に対するサンプリング数の比を指す。図11(B)からわかるように、ジッタ測定装置100によれば、過剰標本化比が小さい場合に生じる誤差を低減することができる。本例の実験結果によれば、過剰標本化比が4のとき約8%、過剰標本化比が1.5のとき約18%の誤差が生じるが、上述した補正項を用いることにより、この誤差を低減することができる。
【0082】
また、ジッタ測定装置100は、はじめに被測定信号の基本周波数成分を取り出すために、帯域通過フィルタ103を用いて被測定信号を帯域制限する。この帯域制限された被測定信号の各ゼロクロス点に最も近い標本点を近似ゼロクロス点として抽出し、この近似ゼロクロスサンプル列から近似ゼロクロス点と被測定信号のゼロクロス点との位相誤差系列(δ[n])を算出する。次に位相誤差系列から式(26)によって被測定信号の周期ジッタ系列を算出する。
【0083】
ここで、ジッタ測定装置100は、所望の立ち上がり波形又は立ち下がり波形において、周期ジッタを算出してよい。例えば、被測定信号の立ち上がりと、隣接する立ち下がりとの間の時間間隔の変動を周期ジッタとして算出してよく、また被測定信号の所望の周期間隔における立ち上がり(又は立ち下がり)の周期ジッタを算出してもよい。例えば、2サイクル毎における立ち上がりの時間間隔の変動を周期ジッタとして算出してもよい。
【0084】
次に、周期ジッタ推定器105は、算出した周期ジッタ系列に前述した補正項を乗算し、周期ジッタ系列の値を補正する。図12に、1サイクル毎の立ち上がりの時間間隔を周期ジッタとして算出した場合の、被測定信号の周期ジッタ波形J[n]を示す。ピーク・ツゥ・ピークジッタ検出器107及びRMSジッタ検出器108は、周期ジッタ推定器105がこのようにして算出した周期ジッタ系列の二乗平均、及び最大値と最小値との差をそれぞれ算出する。ピーク・ツゥ・ピークジッタ検出器107及びRMSジッタ検出器108は、それぞれ式(28)、及び式(29)により周期ジッタ系列のRMS値及びピーク・ツゥ・ピーク値を算出する。
【数29】
Figure 0004090989
【数30】
Figure 0004090989
【0085】
ここで、Mは測定された周期ジッタのデータ数である。図13(A)に、ジッタ測定装置100が測定した周期ジッタのヒストグラムの一例を示す。ヒストグラム推定器109は、図13(A)に示すような周期ジッタのヒストグラムを生成する。また、図13(B)に、従来のタイムインターバルアナライザで測定した周期ジッタのヒストグラムを示す。図13(A)及び図13(B)に示すように、本例におけるジッタ測定装置100によれば、従来のタイムインターバルアナライザと互換性の有る測定を行うことができる。
【0086】
また、図14にジッタ測定装置100が測定した周期ジッタのRMS値及びピーク値、並びに従来のタイムインターバルアナライザで測定したこれらの値とを示す。ここで、測定された周期ジッタのピーク値Jppは、イベント数(ゼロクロス数)の対数の平方根にほぼ比例する。例えば、5000イベント程度においては、Jpp=45psとなる。図14に、Jpp=45psを正値とした場合における、測定装置100の測定結果の誤差を示す。図13及び図14に示すように、測定装置100によれば、ジッタ測定の誤差が小さく、従来のタイムインターバルアナライザと互換性のある測定を行うことができる。
【0087】
更に、測定装置100によれば、周期ジッタと、サイクル・ツゥ・サイクル周期ジッタとを同時に測定することができる。サイクル・ツゥ・サイクル周期ジッタは、被測定信号において連続するサイクル間の周期変動であり、下式により算出することができる。
【数31】
Figure 0004090989
【0088】
ジッタ測定装置100は、上式に基づいて、サイクル・ツゥ・サイクル周期ジッタを算出してよい。また、ピーク・ツゥ・ピークジッタ検出器107及びRMSジッタ検出器108は、サイクル・ツゥ・サイクル周期ジッタに基づいて、サイクル・ツゥ・サイクル周期ジッタのピーク・ツゥ・ピーク値及びRMS値を算出してもよい。この場合、、ピーク・ツゥ・ピークジッタ検出器107及びRMSジッタ検出器108は下式に基づいてサイクル・ツゥ・サイクル周期ジッタのピーク・ツゥ・ピーク値Jcc、pp及びRMS値Jcc、RMSを算出する。
【数32】
Figure 0004090989
【数33】
Figure 0004090989
ここで、Lは測定されたサイクル・ツゥ・サイクル周期ジッタの標本数を示す。図15に、サイクル・ツゥ・サイクル周期ジッタ系列の一例を示す。また、ピーク・ツゥ・ピークジッタ検出器107及びRMSジッタ検出器108が算出したサイクル・ツゥ・サイクル周期ジッタのピーク値Jcc、pp及びRMS値Jcc、RMSの一例を図16に示す。
【0089】
また、ジッタ測定装置100は、アナログの被測定信号を離散化した後で帯域制限フィルタ処理を適用してよく、アナログの被測定信号に帯域制限フィルタ処理を適用してから波形を離散化してもよい。帯域通過フィルタ103は、アナログフィルタであってよく、またデジタルフィルタであってもよい。また、フーリエ変換を用いてソフトウェアによりフィルタ処理を行ってもよい。アナログ信号の離散化には、高速なAD変換器、デジタイザ、デジタルサンプリングオシロスコープ等を用いることが好ましい。
【0090】
また、ジッタ測定装置100は、波形クリップ手段を有し、被測定信号のジッタに対応する位相変調成分を保持した状態で、振幅変調成分を取り除いて、ジッタの測定を行ってもよい。振幅変調成分を除去することにより、精度よくジッタの測定を行うことができる。
【0091】
次に、帯域通過フィルタ103について説明する。本例において、帯域通過フィルタ103は、デジタル信号の帯域制限を行う。離散化されたデジタル信号の帯域制限は、デジタルフィルタでも実現してよく、またフーリエ変換によって実現してもよい。ここでは、フーリエ変換を用いて帯域制限を行う場合について説明する。
【0092】
図17に、離散化された被測定信号x(t)の一例を示す。帯域通過フィルタ103は、離散化された被測定信号を、高速フーリエ変換(FFT)により周波数領域の信号X(f)に変換する。図18に周波数領域の信号に変換された被測定信号のパワースペクトルの一例を示す。次に、被測定信号の基本周波数(本例においては400MHz)近傍のデータのみを残し、他の周波数成分を零とすることにより、帯域制限を行う。
【0093】
図19に、帯域制限された周波数領域の信号XBP(f)の一例を示す。最後に、帯域制限された信号XBP(f)に逆FFTを施し、帯域制限された時間領域の信号波形xBP(t)を算出する。以上の動作により、帯域通過フィルタ103は、被測定信号の基本周波数近傍の成分のみを抽出した信号を生成することができる。図20に、帯域制限された時間領域の信号波形xBP(t)の一例を示す。
【0094】
次に、位相誤差推定器104における、近似ゼロクロス点の検出法について説明する。はじめに、位相誤差推定器104は、入力された被測定信号の解析信号の実数部x(t)の最大値を100%レベル、最小値を0%レベルとして、検出するべきゼロクロス点の信号値レベルV(50%)を算出する。次に、被測定信号の隣り合うそれぞれのサンプル値(x(j−1)、x(j)、ただしjは整数)と、算出した信号値Vとの差分(x(j−1)−V、x(j)−V)を算出する。次に、算出した差分の積((x(j−1)−V)×(x(j)−V))を算出する。被測定信号のゼロクロス点は、算出した積の値の符号が変化する点である。
【0095】
ここで、位相誤差推定器104は、被測定信号のそれぞれの標本点に対して、上述した演算を行ってよい。演算した結果に基づいて、前述した積の値の符号が変化する標本点の組を抽出する。この場合、位相誤差推定器104は、前述した積の値が、例えば正から負に変化する標本点の組を検出してよく、また負から正に変化する標本点の組を検出してもよい。
【0096】
位相誤差推定器104は、抽出した標本点の組に対して、それぞれの標本点のうち絶対値の小さい標本点を近似ゼロクロス点として抽出する。また、抽出した近似ゼロクロス点におけるタイミングを、近似ゼロクロスタイミングとして、近似ゼロクロス点間の時間間隔系列を算出する。図21に、解析信号の実数部の波形の一例を示す。図21において、丸印は、検出された近似ゼロクロス点を示す。本例においては、位相誤差推定器104は、波形の立ち上がりにおける近似ゼロクロス点を検出する。
【0097】
また、位相誤差推定器104において近似ゼロクロス点を算出する被測定信号は、近似ゼロクロス点を精度よく算出するために、オーバーサンプリングされたデジタル信号であることが好ましい。例えば、基本周波数の少なくとも3倍以上の周波数で、離散化されていることが好ましい。例えば、帯域通過フィルタ103がアナログ信号を位相誤差推定器104に供給する場合、位相誤差推定器104は、当該アナログ信号の基本周波数の少なくとも3倍以上の周波数で、当該アナログ信号をサンプリングした標本点を算出する。
【0098】
図22は、ジッタ測定装置100の動作の一例を示すフローチャートである。まず、ステップ201において基本周期推定器101が、被測定信号の基本周期を算出し、メモリ102に格納する。次に、ステップ202において帯域通過フィルタ103が、被測定信号の基本周波数近傍の周波数成分を抽出し、位相誤差推定器104に供給する。
【0099】
次に、ステップ203において位相誤算推定器104が、帯域通過フィルタ103が抽出した被測定信号の周波数成分において、前述した近似ゼロクロス点の系列を算出し、それぞれの近似ゼロクロス点と、対応するゼロクロス点との位相誤差δ[k]を算出する。また、位相誤差推定器104は、前述したように隣り合う近似ゼロクロス点の間の時間間隔系列を算出する。
【0100】
次に、ステップ204において周期ジッタ推定器105が、位相誤差推定器104が算出した近似ゼロクロス点の系列、及び近似ゼロクロス点の時間間隔系列と、メモリ102が格納した被測定信号の基本周期とに基づいて、被測定信号の周期ジッタ系列を式(26)に関連して説明したように算出する。そして、ステップ205においてジッタ検出器106が、位相誤差推定器105が算出した周期ジッタ系列に基づいて、被測定信号の周期ジッタ値を算出する。
【0101】
また、被測定信号の基本周期が、メモリ102に予め格納されている場合、ステップ201は省略できる。
【0102】
図23は、ジッタ測定装置100の構成の他の例を示す。図23において、図8と同一の符号を付した構成要素は、図8に関連して説明した構成要素と同一又は同様の機能及び構成を有する。本例におけるジッタ測定装置100は、被測定信号のサイクル・ツゥ・サイクル周期ジッタ値を更に算出する。本例におけるジッタ測定装置100は、図8に関連して説明したジッタ測定装置100の構成に加え、サイクル・ツゥ・サイクル周期ジッタ推定器301とスイッチ302とを更に備える。
【0103】
サイクル・ツゥ・サイクル周期ジッタ推定器301は、周期ジッタ推定器105が算出した周期ジッタ系列を受け取り、式(30)に関連して説明したように、周期ジッタ系列の隣り合うデータの差分を算出し、被測定信号のサイクル・ツゥ・サイクル周期ジッタ系列を算出する。
【0104】
スイッチ302は、周期ジッタ推定器105が算出した周期ジッタ系列、又はサイクル・ツゥ・サイクル周期ジッタ推定器301が算出したサイクル・ツゥ・サイクル周期ジッタ系列のいずれかを、ジッタ検出器106に供給する。ジッタ検出器106は、受け取った周期ジッタ系列、又はサイクル・ツゥ・サイクル周期ジッタ系列に基づいて、被測定信号の周期ジッタ値、又はサイクル・ツゥ・サイクル周期ジッタ値を算出する。
【0105】
また、ジッタ測定装置100は、スイッチ302を備えなくともよい。この場合、ジッタ測定装置100は、サイクル・ツゥ・サイクル周期ジッタ値を算出し、周期ジッタ値を算出しない。
【0106】
図24は、図23において説明したジッタ測定装置100の動作を説明するフローチャートである。図24において、ステップ201〜ステップ205においては、ジッタ測定装置100は図22において説明したジッタ測定装置100と同一又は同様の動作を行う。
【0107】
ステップ401において、サイクル・ツゥ・サイクル周期ジッタ推定器301は、サイクル・ツゥ・サイクル周期ジッタ系列を算出する。そして、スイッチ302は、サイクル・ツゥ・サイクル周期ジッタ系列をジッタ検出器106に供給する。
【0108】
次にステップ402において、ジッタ検出器106は、サイクル・ツゥ・サイクル周期ジッタ系列に基づいて、被測定信号のサイクル・ツゥ・サイクル周期ジッタ値を算出する。また、ジッタ測定装置100が被測定信号の周期ジッタ値を算出しない場合、ステップ205は省略できる。
【0109】
図25は、位相誤差推定器104の構成の一例を示す。位相誤差推定器104は、ゼロクロスサンプラ501と、位相誤差算出器502とを有する。
【0110】
ゼロクロスサンプラ501は、帯域通過フィルタ103から帯域制限された被測定信号を受け取り、上述した被測定信号の複数の近似ゼロクロス点を抽出する。例えば、ゼロクロスサンプラ501は、被測定信号を所定のサンプリング周波数でサンプリングし、サンプリングした標本点から、近似ゼロクロス点を抽出する。また、ゼロクロスサンプラ501は抽出した近似ゼロクロス点の時間間隔系列を算出する。ゼロクロスサンプラ501は、抽出した近似ゼロクロス点の系列を位相誤差算出器502に供給し、算出した時間間隔系列を周期ジッタ推定器105に供給する。
【0111】
位相誤差算出器502は、上述したように、それぞれの近似ゼロクロス点と、対応するゼロクロス点との位相誤差系列を算出し、周期ジッタ推定器105に供給する。
【0112】
図26は、図25において説明した位相誤差推定器104の動作の一例を示すフローチャートである。まず、ステップ601において、ゼロクロスサンプラ501が、帯域通過フィルタ103から受け取った信号に基づいて、近似ゼロクロス点の系列を算出する。
【0113】
次に、ステップ602において、ゼロクロスサンプラ501は、近似ゼロクロス点の系列における時間間隔系列を算出する。ここで、ゼロクロスサンプラ501は、式(11)を用いて近似ゼロクロス点の系列における時間間隔系列を算出する。
【0114】
次に、ステップ603において、位相誤差算出器502が、近似ゼロクロス点の系列に基づいて、近似ゼロクロス点の系列と、被測定信号のゼロクロス点との位相誤差の系列を算出する。ここで、位相誤差算出器502は、式(18)又は式(20)を用いて当該位相誤差の系列を算出する。帯域通過フィルタ103によって、被測定信号を基本周波数近傍の周波数成分を有する正弦波とするため、式(18)又は式(20)を用いて位相誤差を算出することができる。また、式(18)及び式(20)における振幅Aは、帯域通過フィルタ103が抽出する各サンプルの二乗平均値又は最大値と最小値との差から算出することができる。
【0115】
図27は、位相誤差推定器104の構成の他の例を示す。本例における位相誤差推定器104は、図25において説明した位相誤差推定器104の構成に加え、解析信号変換器701を更に有する。解析信号変換器701は、帯域通過フィルタ103から受け取った信号を、複素数の解析信号に変換し、ゼロクロスサンプラ501に供給する。例えば、解析信号変換器701は、受け取った信号を解析信号の実数部として出力し、受け取った信号のヒルベルト変換を解析信号の虚数部として出力する。また、解析信号変換器701は、フーリエ変換によって解析信号を生成してもよい。
【0116】
ゼロクロスサンプラ501は、解析信号の実数部における近似ゼロクロス点のタイミングにおいて、解析信号をサンプリングし、式(22)に示すような近似ゼロクロス複素データ系列を算出する。また、位相誤差算出器502は、近似ゼロクロス複素データ系列から、式(23)を用いて近似ゼロクロス点の位相を算出し、式(24)、及び式(25)を用いて、位相誤差系列δ[k]を算出する。また、ゼロクロスサンプラ501は、式(11)を用いて近似ゼロクロス点間の時間間隔系列を算出する。
【0117】
図28は、図27において説明した位相誤差推定器140の動作の一例を示すフローチャートである。まず、ステップ801において、解析信号変換器701が、帯域通過フィルタ103から受け取った信号を解析信号に変換する。次に、ステップ802において、ゼロクロスサンプラ501が、解析信号の実数部における近似ゼロクロスタイミングにおいて、解析信号をサンプリングし、近似ゼロクロス複素データ系列を算出する。
【0118】
次に、ステップ803において、ゼロクロスサンプラ501は、近似ゼロクロス複素データ系列における時間間隔系列を算出する。次に、ステップ804において、位相誤差算出器502が、近似ゼロクロス複素データ系列から、近似ゼロクロス複素データと、被測定信号のゼロクロス点との位相誤差系列を算出する。また、ゼロクロスサンプラ501は、近似ゼロクロス点間の時間間隔系列を算出する。
【0119】
図29は、周期ジッタ推定器105の構成の一例を示す。周期ジッタ推定器105は、瞬時周期推定器901と、基本周期減算器902と、周期ジッタ系列補正器903とを有する。
【0120】
瞬時周期推定器901は、位相誤差推定器104が算出した位相誤差系列、及び近似ゼロクロス点間の時間間隔系列、並びにメモリ102が格納した被測定信号の基本周期に基づいて、式(27)に関連して説明したように、被測定信号の瞬時周期系列を算出する。
【0121】
基本周期減算器902は、瞬時周期推定器901が算出した瞬時周期系列のそれぞれの周期値から、被測定信号の基本周期値を減算した周期ジッタ系列を算出する。
【0122】
周期ジッタ系列補正器903は、基本周期減算器902が算出した周期ジッタ系列を、式(26)に関連して説明した補正項を用いて補正して出力する。
【0123】
図30は、図29において説明した周期ジッタ推定器105の動作の一例を示すフローチャートである。まず、ステップ1001において、上述したように瞬時周期推定器901が、被測定信号の瞬時周期系列を算出する。次に、ステップ1002において、基本周期減算器902が、瞬時周期系列のそれぞれの瞬時周期値から、被測定信号の基本周期を減算し、周期ジッタ系列を生成する。次に、ステップ1003において、周期ジッタ系列補正器903が、上述したように周期ジッタ系列を補正して出力する。
【0124】
図31は、周期ジッタ系列推定器105の構成の他の例を示す。周期ジッタ推定器105は、瞬時角周波数推定器1101と、周期ジッタ算出器1102とを有する。本例における周期ジッタ系列推定器105は、それぞれの近似ゼロクロスタイミング間における、被測定信号の瞬時角周波数に基づいて、被測定信号の周期ジッタ系列を算出する。
【0125】
瞬時角周波数推定器1101は、位相誤差推定器104から受け取った位相誤差系列と、近似ゼロクロス点間の時間間隔系列とから、式(10)に関連して説明したように、それぞれの近似ゼロクロスタイミング間における、被測定信号の瞬時角周波数を算出する。
【0126】
周期ジッタ算出器1102は、それぞれの近似ゼロクロスタイミング間における、被測定信号の瞬時角周波数と、被測定信号の基本周期とに基づいて、式(9)を用いて周期ジッタ系列を算出する。
【0127】
また、周期ジッタ推定器105は、周期ジッタ算出器1102が算出した周期ジッタ系列において、低周波成分を通過させる低域通過フィルタ2101を更に有することが好ましい。
【0128】
図32は、図31において説明した周期ジッタ系列推定器105の動作の一例を示すフローチャートである。まず、ステップ1201において、瞬時角周波数推定器1101が、上述したように被測定信号の瞬時角周波数系列を算出する。次に、ステップ1202において、周期ジッタ算出器1102は、瞬時角周波数系列及び被測定信号の基本周期に基づいて、被測定信号の周期ジッタ系列を算出する。
【0129】
図33は、帯域通過フィルタ103の構成の一例を示す。帯域通過フィルタ103は、周波数領域変換器1301と、帯域制限器1302と、時間領域変換器1303とを有する。
【0130】
周波数領域変換器1301は、被測定信号を例えばFFTによって、周波数領域の信号に変換する。帯域制限器1302は、周波数領域の信号に変換された被測定信号の、基本周波数近傍の周波数成分を抽出して、時間領域変換器1303に供給する。時間領域変換器1303は、受けとった周波数領域の信号を、例えば逆FFTによって、時間領域の信号に変換し、位相誤差推定器104に供給する。
【0131】
図34は、図33において説明した帯域通過フィルタ103の動作の一例を示す。まず、ステップ1401において周波数領域変換器1301が被測定信号を周波数領域の信号に変換する。次に、ステップ1402において帯域制限器1302が、受け取った周波数領域の信号のうち、被測定信号の基本周波数近傍の周波数成分を抽出する。次に、ステップ1403において時間領域変換器1303が、帯域通過フィルタが抽出した周波数成分を、時間領域の信号に変換する。
【0132】
図35は、帯域通過フィルタ103の構成の他の例を示す。帯域通過フィルタ103は、被測定信号を蓄積するバッファメモリ1501と、バッファメモリ1501が蓄積した信号を順次選択する信号選択器1502と、信号選択器1502が選択した部分信号に、予め定められた窓関数を乗算する窓関数乗算器1503と、窓関数が乗算された部分信号を、周波数領域の信号に変換する周波数領域変換器1504と、周波数領域に変換された信号のうち、被測定信号の正の基本周波数近傍の周波数成分を抽出する帯域制限器1505と、帯域制限器1505が抽出した周波数成分を、時間領域の信号に変換する時間領域変換器1506と、時間領域の信号に、窓関数の逆数を乗算し、解析信号を生成する振幅補正器1507とを有する。また、信号選択器1502は、直前に選択した部分信号と、一部が重複する部分信号を選択する。
【0133】
被測定信号x(t)の部分信号に、窓関数を乗算した場合、被測定信号x(t)は振幅変調される。しかし、本例における帯域通過フィルタ103によれば、振幅補正器1508において窓関数の逆数を乗算することにより、被測定信号x(t)の振幅変調を補正することができる。
【0134】
図36は、図35において説明した帯域通過フィルタ103の動作の一例を示すフローチャートである。はじめに、ステップ1601において、バッファメモリ1501は、被測定信号を蓄積する。つぎに、ステップ1602において、信号選択器1502は、バッファメモリ1501が蓄積した信号の一部を取り出す。つぎに、ステップ1603において、窓関数乗算器1503は、信号選択器1502が選択した部分信号に窓関数を乗算する。つぎに、ステップ1604において、周波数領域変換器1504は、窓関数を乗算された部分信号にFFTを施し、時間領域の信号を周波数領域の両側スペクトルに変換する。つぎに、ステップ1605において、帯域制限器1506は、変換された周波数領域の両側スペクトルに対し、負の周波数成分をゼロに置き換える。つぎに、帯域制限器1506は、負の周波数成分をゼロに置き換えられた片側スペクトルに対し、被測定信号の基本周波数付近の成分のみを残しその他の周波数成分をゼロに置き換え、周波数領域の信号を帯域制限する。つぎに、ステップ1606において、時間領域変換器1507は、帯域制限された周波数領域の片側スペクトルに逆FFTを施し、周波数領域の信号を時間領域の信号に変換する。つぎに、ステップ1607において、振幅補正器1508は、逆変換された時間領域の信号に窓関数の逆数を乗算し、帯域制限された解析信号を生成する。次に、ステップ1608において、帯域通過フィルタ103は、バッファメモリ1501に処理されていないデータが存在するか否かを確認し、処理されていないデータが存在する場合、ステップ1609において、信号選択器1502は、次の部分信号を選択する。信号選択器102が、前回取り出した分と一部重複させながら部分信号を順次取り出した後、帯域通過フィルタ103は、上述した処理を繰り返す。
【0135】
図37(A)は、ジッタ測定装置100の構成例の一部を示す。図37(A)に示すように、ジッタ測定装置100は、アナログの被測定信号をサンプリングして、デジタルの被測定信号を生成し、基本周期推定器101及び帯域通過フィルタ103に供給するA/D変換器1701を更に備えてもよい。A/D変換器1701は、高速なサンプリングが行える、A/D変換器、デジタイザ、デジタルサンプリングオシロスコープであることが好ましい。
【0136】
図37(B)は、ジッタ測定装置100の構成例の一部を示す。図37(B)に示すように、ジッタ測定装置100は、アナログの被測定信号を波形クリップし、振幅変調成分を除去する波形クリッパ1901を更に備えてもよい。また、図37Cに示すように、ジッタ測定装置100は、波形クリッパ1901の前段又は後段にA/D変換器1701を更に備えてもよい。
【0137】
次に、波形クリッパ1901における波形クリップについて説明する。波形クリッパ1901は、被測定信号から振幅変調成分を除去し、周期ジッタに対応する位相変調成分を残す。例えば、波形クリッパ1901は、アナログ又はデジタルの被測定信号の値を所定の定数倍し、予め定められた第1の閾値より大きい信号値を第1の閾値に置き換え、予め定められた第2の閾値より小さい信号値を第2の閾値に置き換えることにより、被測定信号の振幅変調成分を除去する。
【0138】
図38に振幅変調成分を有する被測定信号の一例を示す。被測定信号が振幅変調しているため、波形の包絡線が変動している。図39に、波形クリッパ1901が波形クリップした被測定信号の一例を示す。図39においては、振幅成分が除去されているため、波形の包絡線が一定の値となっている。
【0139】
図40(A)は、図37(A)において説明したように、ジッタ測定装置100がADコンバータ1701を備える場合の、ADコンバータ1701及び周期推定器101の動作の一例を示す。まず、ステップ1801においてADコンバータ1701がアナログの被測定信号を離散化して、デジタルの被測定信号に変換する。次に、ステップ201で、周期推定器101が離散化された被測定信号に基づいて、被測定信号の基本周期を算出する。
【0140】
図40(B)は、図37(B)において説明したように、ジッタ測定装置100が波形クリッパ1901を備える場合の、波形クリッパ1901及び周期推定器101の動作の一例を示す。まず、ステップ2001において、波形クリッパ1901が被測定信号の振幅変調成分を除去する。次に、ステップ201において周期推定器101が被測定信号の基本周期を算出する。
【0141】
図41は、周期ジッタ推定器105の構成の他の例を示す。本例における周期ジッタ推定器105は、図29において説明した周期ジッタ推定器105の構成に加え、低域通過フィルタ2101を更に有する。低域通過フィルタ2101は、周期ジッタ系列補正器903が補正した周期ジッタ系列における高周波成分を除去する。低域通過フィルタ2101は、被測定信号の基本周波数程度の雑音成分を除去することにより、周期ジッタ系列の誤差を低減することができる。例えば、低域通過フィルタ2101は、被測定信号の基本周波数の1/2以上の周波数成分を除去する。本例における低域通過フィルタ2101と、図31において説明した低域通過フィルタ2101は同様の機能を有してよい。
【0142】
図42は、図29において説明した周期ジッタ推定器105の動作の他の例を示すフローチャートである。本例において周期ジッタ推定器105は、図30において説明した動作に加え、ステップ2201において、周期ジッタ系列の高調波成分を除去する。これにより、より精度よく周期ジッタ値を測定することができる。
【0143】
また、ジッタ検出器106は、ピーク・ツゥ・ピークジッタ検出器107、RMSジッタ検出器108、及びヒストグラム推定器109のいずれか1つ又は複数を備えてよい。
【0144】
また、ジッタ測定装置100は、例えばコンピュータ等であってよい。この場合、コンピュータは、コンピュータをジッタ測定装置100として機能させるプログラムを格納する。
【0145】
以上説明したように、ジッタ測定装置100によれば、被測定信号の周期ジッタを精度よく測定することができる。特に、被測定信号を低い過剰標本化比で離散化した場合の、周期ジッタの測定精度を向上することができる。このため、従来のΔφ法に比べ、大幅に周期ジッタの測定精度を向上することができる。
【0146】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。上記実施形態に、多様な変更または改良を加えることができる。そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0147】
上記説明から明らかなように、本発明のジッタ測定装置によれば、被測定信号の周期ジッタを精度よく測定することができる。
【産業上の利用可能性】
【0148】
上述説明から明らかなように、本発明に係るジッタ測定装置、及びジッタ測定方法によれば、被測定信号の周期ジッタを、高速且つ精度よく測定することができる。

Claims (34)

  1. 離散化された被測定信号のジッタを測定するジッタ測定装置であって、
    前記被測定信号の立ち上がりエッジまたは立ち下がりエッジのいずれかのエッジの標本点から、所定の値に最も近い振幅値を有する標本点を、前記被測定信号のサイクル毎に抽出し、前記所定の値となる前記被測定信号の点と、前記標本点との位相誤差を前記被測定信号のサイクル毎に算出して位相誤差系列を生成し、抽出した前記標本点において、隣り合う前記標本点の間の時間間隔系列を生成する位相誤差推定器と、
    前記位相誤差系列及び標本点間の前記時間間隔系列から、前記被測定信号の1サイクル毎の瞬時周期を算出し、算出した1サイクル毎の前記瞬時周期から前記被測定信号の基本周期を減算することで、前記被測定信号の周期ジッタ系列を算出する周期ジッタ推定器と
    を備えることを特徴とするジッタ測定装置。
  2. 前記位相誤差推定器は、前記被測定信号における複数のゼロクロス点と、前記ゼロクロス点に最も近い振幅値を有する近似ゼロクロス点との位相誤差をそれぞれ算出し、前記位相誤差系列を生成することを特徴とする請求項1に記載のジッタ測定装置。
  3. 前記被測定信号の基本周波数を測定する基本周期測定器を更に備える請求項1に記載のジッタ測定装置。
  4. 前記位相誤差推定器は、
    前記近似ゼロクロス点を抽出し、隣り合う前記近似ゼロクロス点間の前記時間間隔系列を算出するゼロクロスサンプラと、
    前記近似ゼロクロス点と、対応する前記ゼロクロス点との前記位相誤差系列を算出する位相誤差算出器と
    を有することを特徴とする請求項2に記載のジッタ測定装置。
  5. 前記周期ジッタ推定器は、
    前記時間間隔系列及び前記位相誤差系列に基づいて、前記被測定信号の1サイクル毎の瞬時周期を算出する瞬時周期推定器と、
    前記瞬時周期推定器が算出したそれぞれの瞬時周期値から、前記被測定信号の基本周期を減算して、前記周期ジッタ系列を生成する基本周期減算器と
    を有することを特徴とする請求項4に記載のジッタ測定装置。
  6. 前記被測定信号の基本周波数近傍の周波数成分を抽出して、前記位相誤差推定器に供給する帯域通過フィルタを更に備えることを特徴とする請求項5に記載のジッタ測定装置。
  7. 前記位相誤差算出器は、
    前記被測定信号の振幅値と、
    それぞれの前記近似ゼロクロス点における振幅値と
    に基づいて、それぞれの前記近似ゼロクロス点と、対応する前記ゼロクロス点との位相誤差をそれぞれ算出し、前記位相誤差系列を算出することを特徴とする請求項6に記載のジッタ測定装置。
  8. 前記位相誤差推定器は、前記被測定信号を複素数の解析信号に変換し、前記ゼロクロスサンプラに供給する解析信号変換器を更に有し、
    前記ゼロクロスサンプラは、前記解析信号の実数部において複数の前記近似ゼロクロス点を抽出し、
    前記位相誤差算出器は、それぞれの前記近似ゼロクロス点における前記解析信号の値に基づいて、それぞれの前記近似ゼロクロス点の瞬時位相を算出し、算出したそれぞれの前記瞬時位相に基づいて、前記ゼロクロス点と前記近似ゼロクロス点との位相誤差系列を算出することを特徴とする請求項6に記載のジッタ測定装置。
  9. 前記ゼロクロスサンプラは、前記被測定信号の前記ゼロクロス点近傍をサンプリングし、前記近似ゼロクロス点を抽出することを特徴とする請求項4に記載のジッタ測定装置。
  10. 前記周期ジッタ推定器は、基本周期減算器が生成した前記周期ジッタ系列におけるそれぞれの周期ジッタ値に、対応する前記近似ゼロクロス点間の時間間隔と前記被測定信号の基本周期との比を乗算し、前記周期ジッタ系列を補正する周期ジッタ系列補正器を更に有することを特徴とする請求項5に記載のジッタ測定装置。
  11. 前記周期ジッタ推定器は、
    前記時間間隔系列と前記位相誤差系列とに基づいて、それぞれの前記近似ゼロクロス点間における前記被測定信号の瞬時角周波数を示す瞬時角周波数系列を算出する瞬時角周波数推定器と、
    前記瞬時角周波数系列と、前記被測定信号の基本周期とに基づいて、前記周期ジッタ系列を算出する周期ジッタ算出器と
    を有することを特徴とする請求項4に記載のジッタ測定装置。
  12. 前記周期ジッタ系列に基づいて、前記被測定信号の周期ジッタのピーク・ツゥ・ピーク値、実効値、ヒストグラムのうちのいずれか一つ又は複数を算出するジッタ検出器を更に備えることを特徴とする請求項1に記載のジッタ測定装置。
  13. 前記周期ジッタ系列において、隣り合う周期ジッタ値の差分をそれぞれ算出したサイクル・ツゥ・サイクル周期ジッタ系列を生成するサイクル・ツゥ・サイクル周期ジッタ推定器を更に備えることを特徴とする請求項1に記載のジッタ測定装置。
  14. 前記帯域通過フィルタは、
    前記被測定信号を周波数領域の信号に変換する周波数領域変換器と、
    前記周波数領域の信号に変換された前記被測定信号の、基本周波数近傍の周波数成分を抽出する帯域制限器と、
    前記帯域制限器が抽出した前記周波数成分を、時間領域の信号に変換する時間領域変換器と
    を有することを特徴とする請求項6に記載のジッタ測定装置。
  15. 前記被測定信号の振幅変調成分を除去し、前記位相誤差推定器に供給する波形クリッパを更に備えることを特徴とする請求項1に記載のジッタ測定装置。
  16. 前記被測定信号の前記基本周期を算出する基本周期推定器を更に備えることを特徴とする請求項5又は11に記載のジッタ測定装置。
  17. 前記周期ジッタ推定器は、前記周期ジッタ系列における高周波成分を除去する低域通過フィルタを更に有することを特徴とする請求項5又は11に記載のジッタ測定装置。
  18. 離散化された被測定信号のジッタを測定するジッタ測定方法であって、
    前記被測定信号の立ち上がりエッジまたは立ち下がりエッジのいずれかのエッジの標本点から、所定の値に最も近い振幅値を有する標本点を、前記被測定信号のサイクル毎に抽出し、前記所定の値となる前記被測定信号の点と、前記標本点との位相誤差を前記被測定信号のサイクル毎に算出して位相誤差系列を生成し、抽出した前記標本点において、隣り合う前記標本点の間の時間間隔系列を生成する位相誤差推定ステップと、
    前記位相誤差系列及び標本点間の前記時間間隔系列から、前記被測定信号の1サイクル毎の瞬時周期を算出し、算出した1サイクル毎の前記瞬時周期から前記被測定信号の基本周期を減算することで、前記被測定信号の周期ジッタ系列を算出する周期ジッタ推定ステップと
    を備えることを特徴とするジッタ測定方法。
  19. 前記位相誤差推定ステップは、前記被測定信号における複数のゼロクロス点と、前記ゼロクロス点に最も近い振幅値を有する近似ゼロクロス点との位相誤差をそれぞれ算出し、前記位相誤差系列を生成することを特徴とする請求項18に記載のジッタ測定方法。
  20. 前記被測定信号の基本周波数を測定する基本周期測定ステップを更に備える請求項18に記載のジッタ測定方法。
  21. 前記位相誤差推定ステップは、
    複数の前記近似ゼロクロス点を抽出し、隣り合う前記近似ゼロクロス点間の前記時間間隔系列を算出するゼロクロスサンプリングステップと、
    前記近似ゼロクロス点と、対応する前記ゼロクロス点との前記位相誤差系列を算出する位相誤差算出ステップと
    を有することを特徴とする請求項19に記載のジッタ測定方法。
  22. 前記周期ジッタ推定ステップは、
    前記時間間隔系列及び前記位相誤差系列に基づいて、前記瞬時周期の系列である瞬時周期系列を算出する瞬時周期推定ステップと、
    前記瞬時周期系列のそれぞれの周期値から、前記被測定信号の基本周期を減算して、前記周期ジッタ系列を生成する基本周期減算ステップと
    を有することを特徴とする請求項21に記載のジッタ測定方法。
  23. 前記被測定信号の基本周波数近傍の周波数成分を抽出する帯域通過ステップを更に備えることを特徴とする請求項22に記載のジッタ測定方法。
  24. 前記位相誤差算出ステップは、
    前記被測定信号の振幅値と、
    それぞれの前記近似ゼロクロス点における振幅値と
    に基づいて、それぞれの前記近似ゼロクロス点と、対応する前記ゼロクロス点との位相誤差をそれぞれ算出し、前記位相誤差系列を算出することを特徴とする請求項23に記載のジッタ測定方法。
  25. 前記位相誤差推定ステップは、前記被測定信号を複素数の解析信号に変換する解析信号変換ステップを更に有し、
    前記ゼロクロスサンプリングステップは、前記解析信号の実数部において複数の前記近似ゼロクロス点を抽出し、
    前記位相誤差算出ステップは、それぞれの前記近似ゼロクロス点における前記解析信号の値に基づいて、それぞれの前記近似ゼロクロス点の瞬時位相を算出し、算出したそれぞれの前記瞬時位相に基づいて、前記ゼロクロス点と前記近似ゼロクロス点との位相誤差系列を算出することを特徴とする請求項23に記載のジッタ測定方法。
  26. 前記ゼロクロスサンプリングステップは、前記被測定信号の前記ゼロクロス点近傍をサンプリングし、前記近似ゼロクロス点を抽出することを特徴とする請求項21に記載のジッタ測定方法。
  27. 前記周期ジッタ推定ステップは、基本周期減算ステップにおいて生成した前記周期ジッタ系列におけるそれぞれの周期ジッタ値に、対応する前記近似ゼロクロス点間の時間間隔と前記被測定信号の基本周期との比を乗算し、前記周期ジッタ系列を補正する周期ジッタ系列補正ステップを更に有することを特徴とする請求項22に記載のジッタ測定方法。
  28. 前記周期ジッタ推定ステップは、
    前記時間間隔系列と前記位相誤差系列とに基づいて、それぞれの前記近似ゼロクロス点間における前記被測定信号の瞬時角周波数を示す瞬時角周波数系列を算出する瞬時角周波数推定ステップと、
    前記瞬時角周波数系列と、前記被測定信号の基本周期とに基づいて、前記周期ジッタ系列を算出する周期ジッタ算出ステップと
    を有することを特徴とする請求項21に記載のジッタ測定方法。
  29. 前記周期ジッタ系列に基づいて、前記被測定信号の周期ジッタのピーク・ツゥ・ピーク値、実効値、ヒストグラムのうちのいずれか一つ又は複数を算出するジッタ検出ステップを更に備えることを特徴とする請求項18に記載のジッタ測定方法。
  30. 前記周期ジッタ系列において、隣り合う周期ジッタ値の差分をそれぞれ算出したサイクル・ツゥ・サイクル周期ジッタ系列を生成するサイクル・ツゥ・サイクル周期ジッタ推定ステップを更に備えることを特徴とする請求項18に記載のジッタ測定方法。
  31. 前記帯域通過ステップは、
    前記被測定信号を周波数領域の信号に変換する周波数領域変換ステップと、
    前記周波数領域の信号に変換された前記被測定信号の、基本周波数近傍の周波数成分を抽出する帯域制限ステップと、
    前記帯域制限ステップにおいて抽出した前記周波数成分を、時間領域の信号に変換する時間領域変換ステップと
    を有することを特徴とする請求項23に記載のジッタ測定方法。
  32. 前記被測定信号の振幅変調成分を除去する波形クリップステップを更に備えることを特徴とする請求項18に記載のジッタ測定方法。
  33. 前記被測定信号の前記基本周期を算出する基本周期推定ステップを更に備えることを特徴とする請求項22又は28に記載のジッタ測定方法。
  34. 前記周期ジッタ推定ステップは、前記周期ジッタ系列における高周波成分を除去する低域通過ステップを更に有することを特徴とする請求項22又は28に記載のジッタ測定方法。
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