JP2002298368A - 位相測定方法及び位相測定装置 - Google Patents

位相測定方法及び位相測定装置

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JP2002298368A
JP2002298368A JP2001105155A JP2001105155A JP2002298368A JP 2002298368 A JP2002298368 A JP 2002298368A JP 2001105155 A JP2001105155 A JP 2001105155A JP 2001105155 A JP2001105155 A JP 2001105155A JP 2002298368 A JP2002298368 A JP 2002298368A
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frequency
input signal
phase
peak
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JP2001105155A
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Masao Nagano
昌生 長野
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DISC WARE KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 Lpp信号のようなピーク信号の位相を正確
に測定することができる位相測定方法及び位相測定装置
の提供。 【解決手段】 直交検波部20により1/128デシメ
ーション部15でデシメーションされた信号に対して直
交検波し、その信号の周波数に基づいて、Δθ/Δt周
波数算出部22、25及び周波数シフト部23、26に
より該直交検波信号をほぼ0Hzの複素ベースバンド信
号に変換し、その一方でFFT部16、ピーク検出部1
7、スレッシュホールドレベル決定部18、Lpp信号
位置決定部19によりメモリ14のデータに対するLp
p信号の位置を決定し、Lpp信号の位置及び複素ベー
スバンド信号に基づき、Lpp信号の位相を検出してい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばDVD−R
やDVD−RW等の記録ディスクに記録されたLpp
(Land Pre−Pit)信号の位相(PWP)を
測定するための位相測定装置及び位相測定方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】DVD−RやDVD−RW等の記録ディ
スクには、ディスク上の物理的なアドレスを認識するた
めに、各アドレスに応じて所定の出現パターンでLpp
(Land Pre−Pit)が形成されている。
【0003】Lppはウォブル(Wobble)に対し
て深い"ヒゲ"のように形成されている。ウォブルは、通
常ディスクの回転速度を検出するために形成された正弦
波状の溝(Groove)であり、この溝に応じて抽出
される信号がウォブル信号と呼ばれている。
【0004】Lpp信号は通常ウォブル信号のゼロクロ
スポイントから−90°程度位相(PWP)がずれた位
置(ウォブル信号が極小値なる位置)に形成されてお
り、Lpp信号の抽出を確実に行うためにはある程度の
範囲、例えば位相が−90°±10°の範囲にある必要
がある。ゼロクロスポイントの算出方法は従来より様々
なものがあるが、例えば平均値をとる方法、すなわち Σx/N (Σ 0→N−1) をあげることができる。
【0005】ところで、従来からLpp信号の位相が上
記の範囲にあるか否かの測定は、ウォブル信号にローパ
スフィルタをかけてウォブル信号の周波数(140kH
z)の高調波を除去する。そして、その信号のゼロクロ
ス点のうち信号が正の勾配をもちながら通過する点を0
°位相、負の勾配をもちながら通過する点を180°位
相とし、Lpp信号とこれらのゼロクロス点との関係か
ら位相を推定することで、そのような測定を行ってい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ウォブ
ル信号にローパスフィルタをかけても確実に高調波ノイ
ズを除去できず、ゼロクロス点を誤って判別することが
あり、またウォブル信号はバイアス変動や位相の前後の
変動を含んでいるので、ゼロクロス点に偏差が発生して
しまい、Lpp信号位相の正確な値が得られない、とい
う問題がある。本発明者等が実際にLpp信号の位相の
測定したところ、上記の変動によって5°程度の位相の
偏差が観測された。また、極端な場合には、DCバイア
スの変動が信号の振幅を超えてしまい、ゼロクロス点の
認識ができなくなり、位相を求めることができなってし
まう場合もあった。
【0007】本発明は、このような課題を解決するため
になされたもので、Lpp信号のようなピーク信号の位
相を正確に測定することができる位相測定方法及び位相
測定装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の第1の観点に係る位相測定方法は、入力信
号に含まれるピーク信号の、入力信号上の位置を検出す
る工程と、前記入力信号を直交検波する工程と、前記直
交検波された信号の周波数に基づいて、該信号をほぼ0
Hzの複素ベースバンド信号に変換する工程と、前記入
力信号上のピーク信号の位置及び前記複素ベースバンド
信号に基づき、前記ピーク信号の位相を検出する工程と
を具備することを特徴とするものである。
【0009】本発明の第2の観点に係る位相測定装置
は、入力信号に含まれるピーク信号の、入力信号上の位
置を検出する手段と、前記入力信号を直交検波する手段
と、前記直交検波された信号の周波数に基づいて、該信
号をほぼ0Hzの複素ベースバンド信号に変換する手段
と、前記入力信号上のピーク信号の位置及び前記複素ベ
ースバンド信号に基づき、前記ピーク信号の位相を検出
する手段とを具備することを特徴とするものである。
【0010】本発明では、入力信号を直交検波し、その
信号の周波数に基づいて、該信号をほぼ0Hzの複素ベ
ースバンド信号に変換し、入力信号上のピーク信号の位
置及び複素ベースバンド信号に基づき、ピーク信号の位
相を検出しているので、Lpp信号のようなピーク信号
の位相を正確に測定することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づき説明する。
【0012】図1は本発明の一実施形態に係る測定シス
テムの構成を示す概略的ブロック図である。
【0013】この図に示すように、11はモータによっ
て回転されるDVD−RやDVD−RW等の記録ディス
ク10上の信号(Ia、Ib、Ic、Id)を読み取る
ための4分割光ピックアップである。マトリックス回路
12は、ピックアップ11により読み取られた信号(I
a、Ib、Ic、Id)からウォブル信号((Ia+I
b)−(Ic+Id))を生成する。
【0014】ウォブル信号は、A/D変換器13により
例えば80MHz程度のサンプリング周波数を用いてデ
ィジタル信号に変換され、一旦メモリ14に記憶される
ようになっている。通常、ウォブル信号の周波数は14
0kHz程度であるので、サンプリング周波数はナイキ
ストの定理によりその4倍以上であるのが好ましく、ま
たメモリ14の容量は256kWord程度以上が好ま
しい。ウォブル信号の周波数が140kHzであり、位
相の分解能が1°程度必要とすると、サンプリング周波
数は140kHz×360で、50MHz程度必要とさ
れ、本実施形態の場合上記のように80MHzとしてい
る。
【0015】メモリ14に記憶された信号は、1/12
8デシメーション部15により例えば1/128程度に
デシメーションされる。この1/128デシメーション
部15は、例えばハーフバンドフィルタにより低域のみ
通過させた後に1サンプルおきに信号を間引きする動作
を7回繰り返すことにより1/128デシメーションが
実行される。この場合、最後のサンプリング周波数は3
12.5kHzとなり、元データが256kWordと
すると、1/128デシメーション部15から出力され
る信号はデシメーションされて2048ポイントとな
る。このようにデシメーションすることによって、計算
量を大幅に減らすことができ、処理の高速化を図ること
ができる。
【0016】FFT部16は、1/128デシメーショ
ン部15から出力される2048ポイントの信号を高速
フーリエ変換(FFT)し、スペクトラムを求める。こ
のスペクトラムは1024ポイントとなる。ここで、F
FT部16は、窓関数を用いた所定の分解能帯域幅(R
BW)で所定帯域のスペクトラム成分を抽出している。
窓関数は、例えばRBW=1kHzとなるようにする。
その場合、例えば窓関数としてGauss関数(g
(t))を選んだ場合、以下の式のようにしてRBW=
1kHzの窓関数を作ることができる。
【0017】 NFFT=(k/Rbw)fs =(3.0/1000)×625000 =1875→2048 NFFT:FFTを実行するデータサイズ(2のべき
乗) Rbw:分解能帯域幅 k:窓関数の時間幅と分解能帯域幅とを関係付ける定数 fs:サンプリング周波数 g(t)=exp[−t/a] a=4ln2/(π・Rbw) Δt=1/fs=1/2×312.5kHz g[i]=exp[−9.12×10−6×i] i=−1024→1024 →g=7×10−7 FFT部16は、例えば得られたスペクトラムから14
0kHzを中心に前後50kHz、即ち90kHz〜1
90kHzを所定の帯域として抽出する。
【0018】振幅・バイアス推定部17は、FFT部1
6で得られた90kHz〜190kHz間の帯域のスペ
クトラム成分から振幅及び0Hz間の帯域のスペクトラ
ム成分からDCバイアスを推定している。
【0019】スレッシュホールドレベル決定部18は、
推定された振幅及びDCバイアスに基づき、ピーク信号
としてのLpp信号の位置を検出するためのスレッシュ
ホールドレベルを決定する。例えば、スレッシュホール
ドレベル決定部18は、スレッシュホールドレベル=D
Cバイアス−4×ピークレベルからスレッシュホールド
レベルを決定している。上式では、1/2振幅を4倍し
ているが、信号の状態に応じてその数値を例えば3〜5
の間で適当に選択すればよい。これにより、信号のDC
バイアスに影響されず、確実にLppを検出することが
できる。
【0020】Lpp信号位置決定部19は、メモリ14
に記憶された信号からスレッシュホールドレベル決定部
18により決定されたスレッシュホールドレベルを用い
てLpp信号の、前記記憶された信号上の位置を決定す
る。例えば、Lpp信号は、256kポイントで50個
前後あるが、これらの各Lpp信号の位置及び要素番号
を決定する。
【0021】直交検波部20は、1/128デシメーシ
ョン部15によりデシメーションされた信号に対して直
交検波を行う。すなわち、直交検波部20は、信号f
(t)に対してexp[j2πfst/4]を離散的に実
行する。
【0022】 fOUT=fINPUT[i]exp[jωi] 式 (1) i=0〜∞ ω=2πfs/4 exp[jωi]=1、j、−1、−j であり、入力信号を単振動であるとすると、 fINPUT[i]=cosωt=Re[exp[jωt]] =1/2(exp[jωt]+exp[−jωt]) 式(2) となり、従って、 fOUT=fINPUT[i]×exp[jΔωi]=1/2(exp[jωt]+ exp[−jωt])×exp[jΔωi] =1/2(exp[j(ω+Δω)]+exp[j(ω−Δω)]) 式(3) となり、和と差の成分となる。ここで、ωとΔωとが近
接していると、式(3)の第2項は周波数=0に近い、
いわゆるベースバンド成分となる。第1項の和の成分は
LPFで除去する。LPFはこの第1項と第2項を明確
に分離できればよい。本実施形態では、直交検波はLP
Fを含んでいるが、LPFを必ずしも含まなくても勿論
良い。
【0023】1/2デシメーション部21は、直交検波
されたIQ信号に対して1/2のデシメーションを行
い、余分な帯域を除去する。すなわち、1/2デシメー
ション部21は、例えばベースバンド信号に対してLP
Fをかけて帯域を絞り、デシメーションしている。
【0024】第1のΔθ/Δt周波数算出部22は、1
/2デシメーションされたIQ信号の周波数の変化を算
出し、その周波数の変化から周波数偏差を算出する。こ
こで、周波数は位相の時間微分であり、位相はatan
(虚数部/実数部)である。
【0025】 frequency=ΔFq(t)=dθ(t)/2πdt =dtan−1(Q(t)/I(t))/2πdt =(Q(dI/dt)−I(dQ/dt))/2π(Q+I) 式(4 ) θ(t)=tan−1(Q(t)/I(t)) 周波数偏差Δωとすると Δω=Δθ(t)/Δt 式(5) となる。
【0026】第1の周波数シフト部23は、算出された
周波数偏差をキャンセルするように、IQ信号の周波数
をシフトする。すなわち、周波数をシフトさせるには、 I(t)+jQ(t)→{I(t)+jQ(t)}exp[−jωt] 式(6 ) を計算すればよい。
【0027】 I+jQ→{I(t)+jQ(t)}exp[−jωt] 式( 7) のように、式(6)は複素信号に複素数の定数を乗算す
ることとなる。
【0028】ローパスフィルタ24は、周波数シフト後
のIQ信号から低域成分だけを通過させる。
【0029】第2のΔθ/Δt周波数算出部25は、ロ
ーパスフィルタ24を通過したIQ信号の周波数の変化
を算出し、その周波数の変化から周波数偏差を算出す
る。
【0030】第2の周波数シフト部26は、算出された
周波数偏差をキャンセルするように、IQ信号の周波数
をシフトする。これにより、直交検波されたIQ信号は
ほぼ0Hzの複素ベースバンド信号に変換される。
【0031】このような第2のΔθ/Δt周波数算出部
25及び第2の周波数シフト部26による動作は2回以
上繰り返す。周波数がある程度まで0Hzに近づいたこ
とが確認されるまで行う。このとき、I+jQ信号はベ
ースバンド信号であり、この信号は下記の式(10)に
相当する。
【0032】すなわち、信号の一般系は 実数形式: f(t)=Re[A(t)exp[jωt+θ(t)]+I+jQ] 式(8 ) 複素形式: f(t)=A(t)exp[jωt+θ(t)]+I+jQ 式(9 ) という形式で表現することができる。ただし、 A(t):信号の振幅 ω:信号の周波数 θ:位相変動成分 I+jQ:原点オフセット成分。虚数成分は実数部
に影響しないので0とみなしてよい。
【0033】ここで、現実に観測可能であるのは実数形
式であるが、本質は複素形式の実数部を観測していると
考えることができる。
【0034】ウォブル信号は140kHzの正弦波にノ
イズ成分が加えられたものなので、140kHz前後を
通過する狭帯域なバンドパスフィルタを通過させれば、
最大公約数的正弦波を求めることができるはずである。
【0035】各Lppの時刻がわかればその位相も求め
られるはずである。従って、式(9)に時刻tを代入し
位相成分を計算すれば求めることができる。
【0036】位相をパラメータとして得るには信号を式
(9)のように複素数として扱うことが合理的である。
【0037】ウォブル信号のように、正弦波の成分を含
んでいるものは、狭帯域バンドパスフィルタを用いずと
もFFT等でフーリエ成分を得られれば、そこからA
(t)、ω、θの平均値を求めることができる。
【0038】FFTで求めたA(t)、ω、θはあくま
でも窓関数の時間域での平均である。
【0039】Lppの逐次位相を得るには、ωを中心と
してある程度の帯域の信号を得て、ω、θの時間変動を
得なければならない。ωの時間変動はθにもりこまれる
ので、ωは一定値とみなすことができる。
【0040】原点オフセット成分I+jQは実数部
だけが問題になる。そして、その成分は信号の位相成分
θ(t)に影響しない。従って、位相を求める際には考
慮しない。
【0041】よって、ωがわかれば、式(9)にexp
[−jωt]をかけてやれば、 f(t)=A(t)exp[jθ(t)] 式(1 0) となり、θ(t)を得る。原点オフセット成分はθの中に含まれる。 =A(t)exp[jωt+θ(t)] 式(11 ) となる。
【0042】これらの式を時系列データとして得ること
ができれば、ωは固定値であるので、tがわかれば式
(9)での位相成分を求めることができる。
【0043】位相検出部27は、ウォブル信号上のLp
p信号及び変換された複素ベースバンド信号に基づき、
Lpp信号の位相(PWP)を検出する。すなわち、ベ
ースバンドのI+jQ信号は式(10)に相当するの
で、これにω=Δωとして式(11)の位相部分だけを
計算すればよい。
【0044】位相統計処理部28は、Lpp信号の位相
(PWP)の統計処理を行う。位相統計処理部28は、
統計処理により例えばPWPのヒストグラム、Lppの
検出数、Lpp位相の平均、最大値、最小値、平均の自
乗、自乗の平均、分散等を求める。
【0045】次に、このように構成されたシステムにお
ける処理の流れを、図2のフローチャート及び図3〜図
17に示す波形図を参考にしながら説明する。
【0046】図3はメモリ14に記憶された信号を示し
ている(ステップ201)。図3では、256kWor
dからなるサンプルデータのうち4000ポイントを示
している。
【0047】次に、この信号は、図4及び図5に示すよ
うに、デシメーション部15により1/128にデシメ
ーションされる(ステップ202)。図4では、信号全
体を示している。また、図5は図4の一部を拡大(10
00〜1200サンプル)した図である。
【0048】次に、この信号は、図6及び図7に示すよ
うに、FFT部16により高速フーリエ変換される(ス
テップ203)。図6では、縦軸がdBである。図7で
は、縦軸はリニアである。図8にDCレベル(DC L
evel)とピークレベル(「Peak」)との関係を
示す。また、このFFTでは、例えば図9に示す窓関数
としてGauss関数を用い、分解能帯域幅(RBW)
を1kHzとしている。
【0049】次に、ピーク検出部17により図7に示し
たスペクトラムからDCレベル(DC Level)と
ピークレベル(「Peak」)「Peak」が検出され
る(ステップ204)。
【0050】次に、スレッシュホールドレベル決定部1
8により、推定された振幅及びDCバイアスに基づきス
レッシュホールドレベルが決定される(ステップ20
5)。
【0051】次に、Lpp信号位置決定部19により、
メモリ14のデータに対してレッシュホールドレベルを
用いてLpp信号の位置が決定される(ステップ20
6)。図23に示すように信号y[i]がスレッシュホー
ルドレベルを連続して下回っている区間の最小値である
点をLppとしている。この検出方法の一例を図18の
フローチャートに示す。
【0052】次に、直交検波部20により1/128デ
シメーション部15でデシメーションされた信号に対し
て直交検波が行われる(ステップ207)。図10は直
交検波直後のIQ信号であり、図11はその一部を拡大
した図を示している。
【0053】次に、1/2デシメーション部21により
直交検波されたIQ信号に対して1/2のデシメーショ
ンが行われる(ステップ208)。図12はこのデシメ
ーション後のIQ信号であり、図13はその一部を拡大
した図を示している。
【0054】次に、第1のΔθ/Δt周波数算出部22
により1/2デシメーションされたIQ信号の周波数の
周波数偏差が算出され(ステップ209)、第1の周波
数シフト部23により算出された周波数偏差をキャンセ
ルするようにIQ信号の周波数がシフトされる(ステッ
プ210)。図14は第1回目の周波数シフト後のIQ
信号を示している。
【0055】次に、ローパスフィルタ24により周波数
シフトされたIQ信号がフィルタリングされ(ステップ
211)、第2のΔθ/Δt周波数算出部25によりフ
ィルタリングされたIQ信号の周波数の周波数偏差が算
出され(ステップ212)、第2の周波数シフト部26
により算出された周波数偏差をキャンセルするようにI
Q信号の周波数がシフトされる(ステップ213)。図
15は第2回目の周波数シフト後のIQ信号を示してい
る。
【0056】このようなステップ212及びステップ2
13は周波数がある程度まで0Hzに近づくまで(ステ
ップ214)繰り返して行われる。
【0057】次に、位相検出部27によりウォブル信号
上のLpp信号及び変換された複素ベースバンド信号
(図16参照)に基づき、Lpp信号の位相(PWP)
が検出される(ステップ215)。
【0058】そして、位相統計処理部28によりLpp
信号の位相(PWP)の統計処理が行われる(ステップ
216)。図17はPWPのヒストグラムの一例を示し
ている。この例では明確なピークを求めるにはサンプル
数がまだ不足していることがわかる。
【0059】このように本実施形態によれば、直交検波
部20により1/128デシメーション部15でデシメ
ーションされた信号に対して直交検波し、その信号の周
波数に基づいて、Δθ/Δt周波数算出部22、25及
び周波数シフト部23、26により該直交検波信号をほ
ぼ0Hzの複素ベースバンド信号に変換し、その一方で
FFT部16、ピーク検出部17、スレッシュホールド
レベル決定部18、Lpp信号位置決定部19によりメ
モリ14のデータに対するLpp信号の位置を決定し、
Lpp信号の位置及び複素ベースバンド信号に基づき、
Lpp信号の位相を検出しているので、Lppの位相を
正確に測定することができる。
【0060】次に、本発明の他の実施形態を説明する。
【0061】図19はこの実施形態に係るシステムの構
成を示す図であり、1/4デシメーション部31、ロー
パスフィルタ32及び変動スレッシュホールドレベル決
定部33を有する点が最初に示した実施形態と構成を異
にする。
【0062】1/4デシメーション部31は、1/12
8デシメーション部15でデシメーションされた信号に
対して更に1/4のデシメーションを行い、余分な帯域
をカットする。ローパスフィルタ32は、この1/4デ
シメーションされた信号に対してハーフバンドのLPF
処理を行う。この結果の一例を図20に示す。
【0063】変動スレッシュホールドレベル決定部33
は、このLPF処理後の信号である準DC成分から、例
えば変動スレッシュホールドレベル=準DC成分−4×
ピークレベルの式を用いて変動スレッシュホールドレベ
ルを決定する。そして、この変動スレッシュホールドレ
ベルの適用については例えば図21に示す動作フローを
用いて行われる。図22にこのようにして導出された固
定スレッシュホールドレベルと変動スレッシュホールド
レベルの一例を示す。
【0064】本実施形態では、変動スレッシュホールド
レベルを用いてLppの位置検出を行っているので、よ
り確実にLppの位置を検出することができる。
【0065】なお、本発明は、上述した実施形態には限
定されない。
【0066】例えば、上述した実施形態では、ウォブル
信号をデシメーションして高速フーリエ変換していた
が、ウォブル信号を直接高速フーリエ変換しても勿論よ
い。
【0067】
【発明の効果】以上説明したように、Lpp信号のよう
なピーク信号の位相を正確に測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るシステムの構成を示
すブロック図である。
【図2】図1に示したシステムの処理フローを示す図で
ある。
【図3】図1に示したメモリに記憶された入力信号の波
形図である。
【図4】デシメーション後の入力信号の波形図である。
【図5】図4の一部を拡大した波形図である。
【図6】高速フーリエ変換後のスペクトラム図(縦軸d
B)である。
【図7】高速フーリエ変換後のスペクトラム図(縦軸リ
ニア)である。
【図8】DCレベルとピークレベルとの関係を示す模式
的波形図である。
【図9】窓関数として用いたGauss関数の一例を示
す図である。
【図10】直交検波直後のIQ信号を示す波形図であ
る。
【図11】図10の一部を拡大した図である。
【図12】デシメーション後のIQ信号を示す波形図で
ある。
【図13】図12の一部を拡大した図である。
【図14】第1回目の周波数シフト後のIQ信号を示す
波形図である。
【図15】第2回目の周波数シフト後のIQ信号を示す
波形図である。
【図16】Lpp信号及び変換された複素ベースバンド
信号を示す波形図である。
【図17】PWPのヒストグラムの一例を示す図であ
る。
【図18】Lpp信号の位置検出方法の一例を示すフロ
ーチャートである。
【図19】本発明の他の実施形態に係るシステムの構成
を示すブロック図である。
【図20】LPF処理後の準DC成分を示す波形図であ
る。
【図21】変動スレッシュホールドレベルの適用につい
ての動作をフローチャートである。
【図22】他の実施形態に係るLpp信号及び変換され
た複素ベースバンド信号を示す波形図である。
【図23】Lppの検出方法を説明するための図であ
る。
【符号の説明】
10 記録ディスク 11 4分割光ピックアップ 12 マトリックス回路 13 A/D変換器 14 メモリ 15 1/128デシメーション部 16 FFT部 17 振幅・バイアス推定部 18 スレッシュホールドレベル決定部 19 Lpp信号位置決定部 20 直交検波部 21 1/2デシメーション部 22 第1のΔθ/Δt周波数算出部 23 第1の周波数シフト部 24 ローパスフィルタ 25 第2のΔθ/Δt周波数算出部 26 第2の周波数シフト部 27 位相検出部 28 位相統計処理部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G030 AA03 AB04 AD09 AF01 AG05 5D044 BC05 BC06 DE38 FG05 5D090 AA01 BB03 BB04 DD03 EE15 FF50 GG09

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力信号に含まれるピーク信号の、入力
    信号上の位置を検出する工程と、 前記入力信号を直交検波する工程と、 前記直交検波された信号の周波数に基づいて、該信号を
    ほぼ0Hzの複素ベースバンド信号に変換する工程と、 前記入力信号上のピーク信号の位置及び前記複素ベース
    バンド信号に基づき、前記ピーク信号の位相を検出する
    工程とを具備することを特徴とする位相測定方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の位相測定方法におい
    て、 前記位置検出工程は、 前記入力信号を高速フーリエ変換して所定帯域のスペク
    トラム成分を抽出する工程と、 前記スペクトラム成分から信号の振幅及びDCバイアス
    を推定する工程と、 前記推定された信号の振幅及びDCバイアスに基づき、
    前記入力信号に含まれるピーク信号の位置を検出するた
    めのスレッシュホールドレベルを決定する工程と、 前記スレッシュホールドレベルを用いて入力信号に含ま
    れるピーク信号の、入力信号上の位置を検出する工程と
    を具備することを特徴とする位相測定方法。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の位相測定方法におい
    て、 前記入力信号を高速フーリエ変換する前に、前記入力信
    号をデシメーションする工程を更に具備することを特徴
    とする位相測定方法。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載の位相測定方法におい
    て、 前記スペクトラム成分抽出工程は、窓関数を用いた所定
    の分解能帯域幅で前記所定帯域のスペクトラム成分を抽
    出することを特徴とする位相測定方法。
  5. 【請求項5】 請求項2に記載の位相測定方法におい
    て、 前記スレッシュホールドレベル決定工程は、前記推定さ
    れたDCバイアスに当該DCバイアスの変動を加算する
    ことを特徴とする位相測定方法。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の位相測定方法におい
    て、 前記入力信号を直交検波する前に、当該入力信号をデシ
    メーションする工程を更に具備することを特徴とする位
    相測定方法。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載の位相測定方法におい
    て、 前記ベースバンド信号変換工程は、 前記直交検波された信号の周波数の変化を算出する工程
    と、 前記周波数の変化から周波数偏差を算出する工程と、 前記算出された周波数偏差をキャンセルするように、前
    記信号の周波数をシフトする工程とを具備することを特
    徴とする位相測定方法。
  8. 【請求項8】 請求項1に記載の位相測定方法におい
    て、 前記直交検波工程と前記ベースバンド信号変換工程との
    間で、前記直交検波された信号をデシメーションする工
    程を更に具備することを特徴とする位相測定方法。
  9. 【請求項9】 請求項7に記載の位相測定方法におい
    て、 前記周波数変化算出工程、前記周波数偏差算出工程及び
    周波数シフト工程を複数回繰り返して行うことを特徴と
    する位相測定方法。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の位相測定方法におい
    て、 最初の周波数シフト工程の後に、信号にローパスフィル
    タをかける工程を更に具備することを特徴とする位相測
    定方法。
  11. 【請求項11】 入力信号に含まれるピーク信号の、入
    力信号上の位置を検出する手段と、 前記入力信号を直交検波する手段と、 前記直交検波された信号の周波数に基づいて、該信号を
    ほぼ0Hzの複素ベースバンド信号に変換する手段と、 前記入力信号上のピーク信号の位置及び前記複素ベース
    バンド信号に基づき、前記ピーク信号の位相を検出する
    手段とを具備することを特徴とする位相測定装置。
  12. 【請求項12】 請求項11に記載の位相測定装置にお
    いて、 前記位置検出手段は、 前記入力信号を高速フーリエ変換して所定帯域のスペク
    トラム成分を抽出する手段と、 前記スペクトラム成分から信号の振幅及びDCバイアス
    を推定する手段と、 前記推定された信号の振幅及びDCバイアスに基づき、
    前記入力信号に含まれるピーク信号の位置を検出するた
    めのスレッシュホールドレベルを決定する手段と、 前記スレッシュホールドレベルを用いて入力信号に含ま
    れるピーク信号の、入力信号上の位置を検出する手段と
    を具備することを特徴とする位相測定装置。
  13. 【請求項13】 請求項12に記載の位相測定装置にお
    いて、 前記入力信号を高速フーリエ変換する前に、前記入力信
    号をデシメーションする手段を更に具備することを特徴
    とする位相測定装置。
  14. 【請求項14】 請求項12に記載の位相測定装置にお
    いて、 前記スペクトラム成分抽出手段は、窓関数を用いた所定
    の分解能帯域幅で前記所定帯域のスペクトラム成分を抽
    出することを特徴とする位相測定装置。
  15. 【請求項15】 請求項12に記載の位相測定装置にお
    いて、 前記スレッシュホールドレベル決定手段は、前記推定さ
    れたDCバイアスに当該DCバイアスの変動を加算する
    ことを特徴とする位相測定装置。
  16. 【請求項16】 請求項11に記載の位相測定装置にお
    いて、 前記入力信号を直交検波する前に、当該入力信号をデシ
    メーションする手段を更に具備することを特徴とする位
    相測定装置。
  17. 【請求項17】 請求項11に記載の位相測定装置にお
    いて、 前記ベースバンド信号変換手段は、 前記直交検波された信号の周波数の変化を算出する手段
    と、 前記周波数の変化から周波数偏差を算出する手段と、 前記算出された周波数偏差をキャンセルするように、前
    記信号の周波数をシフトする手段とを具備することを特
    徴とする位相測定装置。
  18. 【請求項18】 請求項11に記載の位相測定装置にお
    いて、 前記直交検波手段の後段に配置され、前記直交検波され
    た信号をデシメーションする手段を更に具備することを
    特徴とする位相測定装置。
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