JP4089996B2 - 乾式法による不織布製造用ポリオレフィン系繊維の処理剤及び処理方法 - Google Patents
乾式法による不織布製造用ポリオレフィン系繊維の処理剤及び処理方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は乾式法による不織布製造用ポリオレフィン系繊維の処理剤及び処理方法に関する。ポリオレフィン系繊維から湿式法或は乾式法により不織布を製造することが行なわれる。本発明はこれらのうちで特に乾式法による不織布製造用ポリオレフィン系繊維の処理剤及び処理方法の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、湿式法或は乾式法による不織布製造用ポリオレフィン系繊維の処理剤として、1)ポリオキシアルキレン変性シリコーン(特開平1−148879)、2)アルキロールアミド型化合物とポリオキシアルキレン変性シリコーンとの配合物(特開平1−148880)、3)ポリグリセリン脂肪酸エステル或はこれとポリオキシアルキレン変性シリコーンとの配合物(特開平2−216265)、4)ポリエーテルポリエステルブロック共重合体或はこれとポリオキシアルキレン変性シリコーンとの配合物(特開平8−226082)、5)ポリオキシアルキレン変性シリコーンと炭素数28以上の炭化水素基を疎水基とする界面活性剤との配合物(特公平4−18068)等が提案されている。
【0003】
ところが、上記のような従来の処理剤には、それらを湿式法による不織布製造用ポリオレフィン系繊維の処理剤として使用する場合には相応に有効なものもあるが、それらを乾式法による不織布製造用ポリオレフィン系繊維の処理剤として使用する場合、乾式不織布製造工程、なかでもウエッブ製造工程におけるスカムやフライの発生を抑えて良好な操業性を確保する上で、また得られるカードウエッブに良好な地合いの均一性、透水性、耐久親水性、ウエットバック防止性を付与する上で、効果の発現が不充分という問題点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、従来の処理剤では、それらを乾式法による不織布製造用ポリオレフィン系繊維の処理剤として使用する場合、乾式不織布製造工程、なかでもウエッブ製造工程におけるスカムやフライの発生を抑えて良好な操業性を確保する上で、また得られるカードウエッブに良好な地合いの均一性、透水性、耐久親水性及びウエットバック防止性を付与する上で、効果の発現が不充分という点である。
【0005】
【課題を解決するための手段】
しかして本発明者らは、上記課題を解決するべく研究した結果、乾式法による不織布製造用ポリオレフィン系繊維の処理剤としては、特定のポリエーテル化合物と特定の有機リン酸エステル塩を、それぞれ所定割合で含有する処理剤が正しく好適であることを見出した。
【0006】
すなわち本発明は、下記の式1で示されるポリエーテル化合物と下記の有機リン酸エステル塩を、該ポリエーテル化合物/該有機リン酸エステル塩=30/70〜90/10(重量比)の割合で含有して成ることを特徴とする乾式法による不織布製造用ポリオレフィン系繊維の処理剤(以下、単に処理剤という)に係る。
また本発明は、かかる処理剤を乾式法による不織布製造用ポリオレフィン系繊維に所定量付着させることを特徴とする乾式法による不織布製造用ポリオレフィン系繊維の処理方法(以下、単に処理方法という)に係る。
【0007】
【式1】
R1−A−O−R2
【0008】
式1において、
R1:炭素数28〜60のアルキル基又は炭素数28〜60のアルカノイル基
R2:水素、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数1〜4のアルカノイル基
A:炭素数2又は3のオキシアルキレン単位の繰り返しで構成されたポリオキシアルキレン基であって、該オキシアルキレン単位の繰り返し数が5〜100であり且つ該オキシアルキレン単位としてオキシエチレン単位を50モル%以上有するポリオキシアルキレン基
【0009】
有機リン酸エステル塩:直鎖アルキル基の炭素数が12〜22の分子中にオキシアルキレン単位を有しない直鎖アルキルホスフェートカリウム塩
【0010】
本発明で用いる式1で示されるポリエーテル化合物には、1)ポリオキシアルキレン基の一端が炭素数28〜60のアルキル基で封鎖され且つ他端が水酸基であるポリエーテル化合物、2)ポリオキシアルキレン基の一端が炭素数28〜60のアルカノイル基で封鎖され且つ他端が水酸基であるポリエーテル化合物、3)ポリオキシアルキレン基の一端が炭素数28〜60のアルキル基で封鎖され且つ他端が炭素数1〜4のアルキル基で封鎖されたポリエーテル化合物、4)ポリオキシアルキレン基の一端が炭素数28〜60のアルカノイル基で封鎖され且つ他端が炭素数1〜4のアルキル基で封鎖されたポリエーテル化合物、5)ポリオキシアルキレン基の一端が炭素数28〜60のアルキル基で封鎖され且つ他端が炭素数1〜4のアルカノイル基で封鎖されたポリエーテル化合物、6)ポリオキシアルキレン基の一端が炭素数28〜60のアルカノイル基で封鎖され且つ他端が炭素数1〜4のアルカノイル基で封鎖されたポリエーテル化合物が包含される。
【0011】
式1で示されるポリエーテル化合物において、ポリオキシアルキレン基の一端を封鎖するR1としては、1)オクタコシル基、トリアコンチル基、ドトリアコンチル基、テトラトリアコンチル基、テトラコンチル基、ドテトラコンチル基、ヘキサテトラコンチル基、ペンタコンチル基、ヘキサコンチル基等の炭素数28〜60のアルキル基、2)オクタコサノイル基、トリアコンタノイル基、ドトリアコンタノイル基、テトラトリアコンタノイル基、テトラコンタノイル基、ドテトラコンタノイル基、ヘキサテトラコンタノイル基、ペンタコンタノイル基、ヘキサコンタノイル基等の炭素数28〜60のアルカノイル基等が挙げられるが、なかでも炭素数30〜40のアルキル基が好ましい。
【0012】
式1で示されるポリエーテル化合物において、ポリオキシアルキレン基の他端を構成するR2としては、1)水素、2)メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基、3)ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基等の炭素数1〜4のアルカノイル基が挙げられるが、なかでも水素が好ましい。
【0013】
式1で示されるポリエーテル化合物において、ポリオキシアルキレン基を構成するオキシアルキレン単位は、オキシエチレン単位或はオキシエチレン単位とオキシプロピレン単位とであるが、該オキシアルキレン単位としてオキシエチレン単位を50モル%以上、好ましくは70モル%以上有するものである。かかるポリオキシアルキレン基には、1)オキシエチレン単位のみから成るもの、2)50モル%以上のオキシエチレン単位と50モル%以下のオキシプロピレン単位とがブロック状及び/又はランダム状に結合したものから成るものが包含される。かかるポリオキシアルキレン基を構成するオキシアルキレン単位の繰り返し数は5〜100とするが、10〜50とするのが好ましい。
【0014】
本発明は式1で示されるポリエーテル化合物の合成方法を特に制限するものではなく、これには公知の合成方法、例えば特公昭49−14841号公報に記載されているような合成方法が適用できる。
【0015】
本発明で用いる有機リン酸エステル塩は、直鎖アルキル基の炭素数が12〜22の分子中にオキシアルキレン単位を有しない直鎖アルキルホスフェートカリウム塩(以下、単にアルキルホスフェートカリウム塩という)である。これには、1)モノアルキルホスフェートカリウム塩、2)ジアルキルホスフェートカリウム塩、3)これらの混合物が包含されるが、モノアルキルホスフェートカリウム塩とジアルキルホスフェートカリウム塩との混合物が有利に使用できる。本発明では、アルキルホスフェートカリウム塩として、ラウリルホスフェートカリウム塩、セチルホスフェートカリウム塩、ステアリルホスフェートカリウム塩、ベヘニルホスフェートカリウム塩等の直鎖アルキル基の炭素数が12〜22であるものを用いるが、ラウリルホスフェートカリウム塩、セチルホスフェートカリウム塩、ステアリルホスフェートカリウム塩等の直鎖アルキル基の炭素数が12〜18であるものを用いるのが好ましい。またモノアルキルホスフェートカリウム塩とジアルキルホスフェートカリウム塩とを混合物として用いる場合、モノアルキルホスフェートカリウム塩/ジアルキルホスフェートカリウム塩=1/2〜2/1(モル比)の割合のものが好ましい。
【0016】
本発明の処理剤は、以上説明したような式1で示されるポリエーテル化合物とアルキルホスフェートカリウム塩とを含有するものであって、且つ該ポリエーテル化合物/該アルキルホスフェートカリウム塩=30/70〜90/10(重量比)、好ましくは40/60〜80/20(重量比)の割合で含有するものである。
【0017】
本発明の処理剤には、本発明の効果を更に向上させる目的で特定のポリエーテルポリエステルブロック共重合体を併用することが好ましい。かかるポリエーテルポリエステルブロック共重合体には、1)1〜6価の脂肪族ヒドロキシ化合物にアルキレンオキサイドを開環重合してポリオキシアルキレン基を形成させ、次いで該ポリオキシアルキレン基の末端水酸基にε−カプロラクトンを開環重合してポリエステル基を形成させたポリエーテルポリエステルブロック共重合体、2)1〜6価の脂肪族ヒドロキシ化合物にε−カプロラクトンを開環重合してポリエステル基を形成させ、次いで該ポリエステル基の末端水酸基にアルキレンオキサイドを開環重合してポリオキシアルキレン基を形成させたポリエーテルポリエステルブロック共重合体、3)1〜6価の脂肪族ヒドロキシ化合物にアルキレンオキサイドの開環重合によるポリオキシアルキレン基とε−カプロラクトンの開環重合によるポリエステル基とを交互に連結して形成させたポリエーテルポリエステルブロック共重合体が包含される。
【0018】
上記の1〜6価の脂肪族ヒドロキシ化合物には、a)1〜6価の脂肪族アルコール、b)2〜6価の脂肪族アルコールと炭素数6〜18の脂肪族モノカルボン酸との多価アルコール部分エステル、c)分子中に水酸基を1〜5個有するヒドロキシカルボン酸、d)分子中に水酸基を1〜3個有するアルカノールアミン、e)共にアルキル基の炭素数が1〜18の、アルキルジアルカノールアミン又はジアルキルアルカノールアミン、f)分子中に水酸基を1〜5個有するアルコキシル化ポリアミン等が包含される。これらのうちでは、前記のa)及びb)が好ましい。
【0019】
前記a)の1〜6価の脂肪族アルコールとしては、1)メタノール、エタノール、ブタノール、2−エチルヘキサノール、ラウリルアルコール、ステアリルアルコール等の1価の脂肪族アルコール、2)エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ソルビトール、ペンタエリスリトール等の2〜6価の脂肪族アルコールが挙げられるが、なかでもエチレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール等の2〜4価の脂肪族アルコールが好ましい。
【0020】
前記b)の多価アルコール部分エステルとしては、1)例えばエチレングリコール或はブタンジオール1モルと脂肪族モノカルボン酸1モルとから得られる、2価の脂肪族アルコールの脂肪酸モノエステル、2)例えばグリセリン或はトリメチロールプロパン1モルと脂肪族モノカルボン酸1〜2モルとから得られる、3価の脂肪族アルコールの脂肪酸モノ若しくはジエステル又はこれらの混合エステル、3)例えばペンタエリスリトール1モルと脂肪族モノカルボン酸1〜3モルとから得られる、4価の脂肪族アルコールの脂肪酸モノ〜トリエステル又はこれらの混合エステル、4)例えばソルビトール1モルと脂肪族モノカルボン酸1〜5モルとから得られる、6価の脂肪族アルコールの脂肪酸モノ〜ペンタエステル又はこれらの混合エステル、5)更にはソルビタンやソルバイトの脂肪族モノカルボン酸部分エステル等が挙げられる。
【0021】
前記b)の多価アルコール部分エステルを得るのに用いる脂肪族モノカルボン酸としては、1)ヘキサン酸、オクタン酸、ラウリン酸、ステアリン酸等の飽和脂肪族モノカルボン酸、2)パルミトオレイン酸、オレイン酸等の不飽和脂肪族モノカルボン酸等の炭素数6〜18のものが挙げられる。
【0022】
前記c)の分子中に水酸基を1〜5個有するヒドロキシカルボン酸としては、1)グルコール酸、乳酸、リンゴ酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシステアリン酸等のモノヒドロキシカルボン酸、2)酒石酸、テトラヒドロキシ琥珀酸、グルコン酸等のジ〜ペンタヒドロキシカルボン酸等が挙げられる。
【0023】
前記d)の分子中に水酸基を1〜3個有するアルカノールアミンとしては、1)モノエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン等のモノアルカノールアミン、2)ジエタノールアミン、ジプロパノールアミン等のジアルカノールアミン、3)トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン等のトリアルカノールアミン等が挙げられる。
【0024】
前記e)の共にアルキル基の炭素数が1〜18の、アルキルジアルカノールアミン又はジアルキルアルカノールアミンとしては、1)ジエチルエタノールアミン、ジブチルエタノールアミン等のジアルキルアルカノールアミン、2)エチルジエタノールアミン、ブチルジエタノールアミン、ステアリルジイソプロパノールアミン等のアルキルジアルカノールアミン等が挙げられる。
【0025】
前記f)の分子中に水酸基を1〜5個有するアルコキシル化ポリアミンとしては、N−2−ヒドロキシエチルアミノエチルアミン、N,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)アミノプロピルアミン、N,N,N’,N’−テトラ(2−ヒドロキシプロピル)−エチレンジアミン、N,N−ジ(2−ヒドロキシプロピル)−N’−2−ヒドロキシプロピル−N’’,N’’−ジ(2−ヒドロキシプロピル)−ジエチレントリアミン等が挙げられる。
【0026】
本発明において、ポリエーテルポリエステルブロック共重合体中のポリオキシアルキレン基を形成するオキシアルキレン単位は、オキシエチレン基、オキシプロピレン基、オキシブチレン基等の炭素数2〜4のオキシアルキレン単位であるが、該オキシアルキレン単位としてオキシエチレン単位を40モル%以上、好ましくは50モル%以上有するものである。かかるポリオキシアルキレン基には、1)オキシエチレン単位のみからなるもの、2)40モル%以上のオキシエチレン単位と60モル%以下のその他のオキシアルキレン単位とがブロック状及び/又はランダム状に結合したものからなるものが包含される。
【0027】
ポリエーテルポリエステルブロック共重合体において、ポリオキシアルキレン基を形成するオキシアルキレン単位の繰り返し数は、前記1〜6価の脂肪族ヒドロキシ化合物に含まれる水酸基1個当たり5〜200とするが、50〜120とするのが好ましい。乾式法による不織布製造用ポリオレフィン系繊維に更に優れた耐久親水性を付与するためである。
【0028】
本発明において、ポリエーテルポリエステルブロック共重合体中のポリエステル基を形成するオキシカプロイル単位の繰り返し数は、該オキシカプロイル単位の全繰り返し数/前記オキシアルキレン単位の全繰り返し数=1/1〜1/10(モル比)、好ましくは1/1.5〜1/4(モル比)の割合を満足するものとする。乾式法による不織布製造用ポリオレフィン系繊維に更に優れた耐久親水性を付与するためである。
【0029】
本発明は本発明で用いるポリエーテルポリエステルブロック共重合体の合成方法を特に制限するものではなく、これには公知の方法が適用できる。ポリエーテルポリエステルブロック共重合体中のポリオキシアルキレン基の形成方法としては例えば、ヒドロキシ化合物に、触媒として水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の塩基性触媒存在下で、エチレンオキイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等の炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを逐次開環重合する方法が挙げられる。またポリエーテルポリエステルブロック共重合体中のポリエステル基の形成方法としては例えば、ヒドロキシ化合物に、触媒としてアニオン重合触媒、配位アニオン重合触媒、カチオン重合触媒等の存在下で、ε−カプロラクトンを逐次開環重合する方法が挙げられる。
【0030】
本発明で用いるポリエーテルポリエステルブロック共重合体は、1〜6価の脂肪族ヒドロキシ化合物を出発物質とし、これにその水酸基を介してポリオキシアルキレン基とポリエステル基とを結合させたものであるが、本発明によれば、ポリオキシアルキレン基とポリエステル基との結合形態として、1〜6価の脂肪族ヒドロキシ化合物の水酸基にポリオキシアルキレン基を結合させ、次に該ポリオキシアルキレン基の末端水酸基にポリエステル基を結合させたものが好ましい。この場合、出発物質として使用する1〜6価の脂肪族ヒドロキシ化合物としては、1〜6価の脂肪族アルコール、又は2〜6価の脂肪族アルコールと炭素数6〜18の脂肪族モノカルボン酸との多価アルコール部分エステルが好ましく、上記したもののなかでは2〜4価のものが更に好ましい。
【0031】
上記の場合、ポリエーテルポリエステルブロック共重合体はポリエステル基を構成するポリオキシカプロイル基に基づく水酸基を末端基として有するものとなる。本発明では、ポリエーテルポリエステルブロック共重合体と共に又はこれに代えて、かかるポリエーテルポリエステルブロック共重合体の末端水酸基に炭素数2〜22のアシル化剤を反応させたアシル化ポリエーテルポリエステルブロック共重合体を用いることができる。
【0032】
かかるアシル化ポリエーテルポリエステルブロック共重合体には、1)ポリエーテルポリエステルブロック共重合体の末端水酸基の全部をアシル化剤によりアシル化した完全アシル化物、2)ポリエーテルポリエステルブロック共重合体の末端水酸基の一部をアシル化剤によりアシル化した部分アシル化物が包含される。アシル化によって形成されるアシル基としては、1)アセチル基、プロパノイル基、ブタノイル基、ヘキサノイル基、ヘプタノイル基、オクタノイル基、ノナノイル基、デカノイル基、ヘキサデカノイル基、オクタデカノイル基等の炭素数2〜18のアルカノイル基、2)ヘキサデセノイル基、エイコセノイル基、オクタデセノイル基等の炭素数16〜22のアルケノイル基が挙げられる。
【0033】
本発明の処理剤は、以上説明したようなポリエーテルポリエステルブロック共重合体及び/又はアシル化ポリエーテルポリエステルブロック共重合体を前記した式1で示されるポリエーテル化合物とアルキルホスフェートカリウム塩との合計量に対して、該ポリエーテル化合物とアルキルホスフェートカリウム塩との合計量/該(アシル化)ポリエーテルポリエステルブロック共重合体=40/60〜90/10(重量比)の割合で含有するものとし、好ましくは60/40〜80/20(重量比)の割合で含有するものとする。
【0034】
本発明の処理剤を乾式法による不織布製造用ポリオレフィン系繊維へ付着させる場合、該処理剤を、該ポリオレフィン系繊維の紡糸工程、延伸工程、更には延伸後の各工程において、浸漬法、スプレー法、ローラー給油法、計量ポンプを用いたガイド給油法等の給油法により付着させることができるが、浸漬法で付着させるのが好ましい。処理剤の付着量は、ポリオレフィン系繊維に対し0.05〜5重量%とするが、0.1〜2.5重量%とするのが好ましい。ポリオレフィン系繊維に所望通りの優れたカード通過性を付与し、また得られるカードウェッブに優れた地合の均一性、透水性、耐久親水性及びウェットバック防止性を付与するためである。
【0035】
本発明の処理剤はその水性液としてポリオレフィン系繊維に付着させるのが好ましい。かかる水性液の調製にはホモミキサーやホモジナイザー等を用いる公知の機械的乳化方法が適用できる。調製される水性液の処理剤濃度は通常1〜30重量%とするが、5〜15重量%とするのが有利である。
【0036】
本発明の処理剤を適用するポリオレフィン系繊維としては、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリブテン繊維、芯鞘構造の複合繊維であって鞘部がポリオレフィン系繊維である複合繊維、例えば鞘部がポリエチレン繊維であるポリエチレン/ポリプロピレン複合繊維、ポリエチレン/ポリエステル複合繊維等が挙げられる。
【0037】
【発明の実施の形態】
本発明に係る処理剤の実施形態としては、次の1)〜18)が挙げられる。
1)下記のポリエーテル化合物(H−1)とラウリルホスフェートカリウム塩(P−1){モノラウリルホスフェートカリウム塩/ジラウリルホスフェートカリウム塩=50/50(モル比)}とを、ポリエーテル化合物(H−1)/ラウリルホスフェートカリウム塩(P−1)=40/60(重量比)の割合で含有して成る処理剤。
ポリエーテル化合物(H−1):式1中の、R1がトリアコンチル基、R2が水素であり、Aがオキシエチレン単位の繰り返しから成っていてその繰り返し数が40のポリオキシアルキレン基であるポリエーテル化合物
【0038】
2)下記のポリエーテル化合物(H−2)と前記のラウリルホスフェートカリウム塩(P−1)とを、ポリエーテル化合物(H−2)/ラウリルホスフェートカリウム塩(P−1)=50/50(重量比)の割合で含有して成る処理剤。
ポリエーテル化合物(H−2):式1中の、R1がテトラコンチル基、R2が水素であり、Aがオキシエチレン単位の繰り返しから成っていてその繰り返し数が45のポリオキシアルキレン基であるポリエーテル化合物
【0039】
3)下記のポリエーテル化合物(H−3)とステアリルホスフェートカリウム塩(P−2){モノステアリルホスフェートカリウム塩/ジステアリルホスフェートカリウム塩=50/50(モル比)}とを、ポリエーテル化合物(H−3)/ステアリルホスフェートカリウム塩(P−2)=80/20(重量比)の割合で含有して成る処理剤。
ポリエーテル化合物(H−3):式1中の、R1がトリアコンタノイル基、R2が水素であり、Aが80モル%のオキシエチレン単位と20モル%のオキシプロピレン単位との繰り返しから成っていてその合計繰り返し数が45のポリオキシアルキレン基であるポリエーテル化合物
【0040】
4)下記のポリエーテル化合物(H−4)と前記のラウリルホスフェートカリウム塩(P−1)とを、ポリエーテル化合物(H−4)/ラウリルホスフェートカリウム塩(P−1)=60/40(重量比)の割合で含有して成る処理剤。
ポリエーテル化合物(H−4):式1中の、R1がテトラコンタノイル基、R2が水素であり、Aがオキシエチレン単位の繰り返しから成っていてその繰り返し数が25のポリオキシアルキレン基であるポリエーテル化合物
【0041】
5)下記のポリエーテル化合物(H−5)と前記のステアリルホスフェートカリウム塩(P−2)とを、ポリエーテル化合物(H−5)/ステアリルホスフェートカリウム塩(P−2)=60/40(重量比)の割合で含有して成る処理剤。
ポリエーテル化合物(H−5):式1中の、R1がペンタコンチル基、R2がメチル基であり、Aがオキシエチレン単位の繰り返しから成っていてその繰り返し数が50のポリオキシアルキレン基であるポリエーテル化合物
【0042】
6)下記のポリエーテル化合物(H−6)とセチルホスフェートカリウム塩(P−3){モノセチルホスフェートカリウム塩/ジセチルホスフェートカリウム塩=50/50(モル比)}とを、ポリエーテル化合物(H−6)/セチルホスフェートカリウム塩(P−3)=80/20(重量比)の割合で含有して成る処理剤。
ポリエーテル化合物(H−6):式1中の、R1がトリアコンチル基、R2がアセチル基であり、Aがオキシエチレン単位の繰り返しから成っていてその繰り返し数が40のポリオキシアルキレン基であるポリエーテル化合物
【0043】
7)前記のポリエーテル化合物(H−1)と前記のラウリルホスフェートカリウム塩(P−1)と下記のポリエーテルポリエステルブロック共重合体(B−1)とを含有し、ポリエーテル化合物(H−1)/ラウリルホスフェートカリウム塩(P−1)=60/40(重量比)の割合であって、且つポリエーテル化合物(H−1)とラウリルホスフェートカリウム塩(P−1)との合計量/ポリエーテルポリエステルブロック共重合体(B−1)=65/35(重量比)の割合で含有して成る処理剤。
ポリエーテルポリエステルブロック共重合体(B−1):エチレングリコール62g(1モル)にエチレンオキサイド4532g(103.0モル)及びプロピレンオキサイド2992.8g(51.6モル)との混合物を開環重合してポリオキシアルキレン基を形成させ、次いでε−カプロラクトン5928g(52モル)を開環重合してポリエステル基を形成させた、ポリオキシアルキレン基がエチレングリコールの水酸基1個当たり75モルのオキシアルキレン単位を有すると共にオキシアルキレン単位としてオキシエチレン単位を100モル%有しており、且つオキシカプロイル単位の全繰り返し数/オキシアルキレン単位の全繰り返し数=1/3(モル比)の割合で有するポリエーテルポリエステルブロック共重合体
【0044】
8)前記のポリエーテル化合物(H−2)と前記のステアリルホスフェートカリウム塩(P−2)と下記のポリエーテルポリエステルブロック共重合体(B−2)とを含有し、ポリエーテル化合物(H−2)/ステアリルホスフェートカリウム塩(P−2)=60/40(重量比)の割合であって、且つポリエーテル化合物(H−2)とステアリルホスフェートカリウム塩(P−2)との合計量/ポリエーテルポリエステルブロック共重合体(B−2)=50/50(重量比)の割合で含有して成る処理剤。
ポリエーテルポリエステルブロック共重合体(B−2):前記のポリエーテルリエステルブロック共重合体(P−1)の合成におけるエチレンオキサイド4532g(103.0モル)及びプロピレンオキサイド2992.8g(51.6モル)の混合物の代わりにエチレンオキサイド6798g(154.5モル)を用い、その他は前記のポリエーテルポリエステルブロック共重合体(P−1)の合成と同様にした、ポリオキシアルキレン基がエチレングリコールの水酸基1個当たり75モルのオキシアルキレン単位を有すると共にオキシアルキレン単位としてオキシエチレン単位を100モル%有しており、且つオキシカプロイル単位の全繰り返し数/オキシアルキレン単位の全繰り返し数=1/3(モル比)の割合で有するポリエーテルポリエステルブロック共重合体
【0045】
9)前記のポリエーテル化合物(H−3)と前記のラウリルホスフェートカリウム塩(P−1)と下記のポリエーテルポリエステルブロック共重合体(B−3)とを含有し、ポリエーテル化合物(H−3)/ラウリルホスフェートカリウム塩(P−1)=70/30(重量比)の割合であって、且つポリエーテル化合物(H−3)とラウリルホスフェートカリウム塩(P−1)との合計量/ポリエーテルポリエステルブロック共重合体(B−3)=50/50(重量比)の割合で含有して成る処理剤。
ポリエーテルポリエステルブロック共重合体(B−3):グリセリン92g(1モル)にプロピレンオキサイド2691.2g(46.4モル)を開環重合し、更にエチレンオキサイド8157.6g(185.4モル)を開環重合してポリオキシアルキレン基を形成させ、次いでε−カプロラクトン10602g(93モル)を開環重合してポリエステル基を形成させた、ポリオキシアルキレン基がグリセリンの水酸基1個当たり75モルのオキシアルキレン単位を有すると共にオキシアルキレン単位としてオキシエチレン単位を80モル%有しており、且つオキシカプロイル単位の全繰り返し数/オキシアルキレン単位の全繰り返し数=1/2.5(モル比)の割合で有するポリエーテルポリエステルブロック共重合体
【0046】
10)前記のポリエーテル化合物(H−4)と前記のラウリルホスフェートカリウム塩(P−1)と下記のポリエーテルポリエステルブロック共重合体(B−4)とを含有し、ポリエーテル化合物(H−4)/ラウリルホスフェートカリウム塩(P−1)=60/40(重量比)の割合であって、且つポリエーテル化合物(H−4)とラウリルホスフェートカリウム塩(P−1)との合計量/ポリエーテルポリエステルブロック共重合体(B−4)=50/50(重量比)の割合で含有して成る処理剤。
ポリエーテルポリエステルブロック共重合体(B−4):グリセリン92g(1モル)にエチレンオキサイド10199g(231.8モル)を開環重合してポリエーテルブロックを形成させ、次いでε−カプロラクトン10716g(94モル)を開環重合してポリエステルブロックを形成させた、ポリエーテルブロックがグリセリンの水酸基1個当たり75モルのオキシアルキレン単位を有すると共にオキシアルキレン単位としてオキシエチレン単位を100モル%有しており、且つオキシカプロイル単位の全繰り返し数/オキシアルキレン単位の全繰り返し数=1/2.5(モル比)の割合で有するポリエーテルポリエステルブロック共重合体
【0047】
11)前記のポリエーテル化合物(H−5)と前記のラウリルホスフェートカリウム塩(P−1)と下記のポリエーテルポリエステルブロック共重合体(B−5)とを含有し、ポリエーテル化合物(H−5)/ラウリルホスフェートカリウム塩(P−1)=60/40(重量比)の割合であって、且つポリエーテル化合物(H−5)とラウリルホスフェートカリウム塩(P−1)との合計量/ポリエーテルポリエステルブロック共重合体(B−5)=50/50(重量比)の割合で含有して成る処理剤。
ポリエーテルポリエステルブロック共重合体(B−5):ペンタエリスリトール136g(1モル)にエチレンオキサイド7920g(180モル)及びプロピレンオキサイド3619.2g(62.4モル)の混合物を開環重合してポリオキシアルキレン基を形成させ、次いでε−カプロラクトン14090g(123.6モル)を開環重合してポリエステル基を形成させた、ポリオキシアルキレン基がペンタエリスリトールの水酸基1個当たり60モルのオキシアルキレン単位を有すると共にオキシアルキレン単位としてオキシエチレン単位を75モル%有しており、且つオキシカプロイル単位の全繰り返し数/オキシアルキレン単位の全繰り返し数=1/2(モル比)の割合で有するポリエーテルポリエステルブロック共重合体
【0048】
12)前記のポリエーテル化合物(H−1)と前記のラウリルホスフェートカリウム塩(P−1)と下記のポリエーテルポリエステルブロック共重合体(B−6)とを含有し、ポリエーテル化合物(H−1)/ラウリルホスフェートカリウム塩(P−1)=50/50(重量比)の割合であって、且つポリエーテル化合物(H−1)とラウリルホスフェートカリウム塩(P−1)との合計量/ポリエーテルポリエステルブロック共重合体(B−6)=65/35(重量比)の割合で含有して成る処理剤。
ポリエーテルポリエステルブロック共重合体(B−6):ソルビタンモノステアレート430g(1モル)にエチレンオキサイド7920g(180モル)を開環重合してポリオキシアルキレン基を形成させ、次いでε−カプロラクトン13568g(120モル)を開環重合してポリエステル基を形成させた、ポリオキシアルキレン基がソルビタンモノステアレートの水酸基1個当たり60モルのオキシアルキレン単位を有すると共にオキシアルキレン単位としてオキシエチレン単位を100モル%有しており、且つオキシカプロイル単位の全繰り返し数/オキシアルキレン単位の全繰り返し数=1/1.5(モル比)の割合で有するポリエーテルポリエステルブロック共重合体
【0049】
13)前記のポリエーテル化合物(H−2)と前記のステアリルホスフェートカリウム塩(P−2)と下記のアシル化ポリエーテルポリエステルブロック共重合体(B−7)とを含有し、ポリエーテル化合物(H−2)/ステアリルホスフェートカリウム塩(P−2)=60/40(重量比)の割合であって、且つポリエーテル化合物(H−2)とステアリルホスフェートカリウム塩(P−2)との合計量/ポリエーテルポリエステルブロック共重合体(B−7)=50/50(重量比)の割合で含有して成る処理剤。
ポリエーテルポリエステルブロック共重合体(B−7):前記のポリエーテルポリエステルブロック共重合体(B−3)2110g(0.1モル)をステアリン酸88.0g(0.31モル)でアシル化したアシル化ポリエーテルポリエステルブロック共重合体
【0050】
14)前記のポリエーテル化合物(H−2)と前記のラウリルホスフェートカリウム塩(P−1)と下記のアシル化ポリエーテルポリエステルブロック共重合体(B−8)とを含有し、ポリエーテル化合物(H−2)/ラウリルホスフェートカリウム塩(P−1)=60/40(重量比)の割合であって、且つポリエーテル化合物(H−2)とラウリルホスフェートカリウム塩(P−1)との合計量/ポリエーテルポリエステルブロック共重合体(B−8)=75/25(重量比)の割合で含有して成る処理剤。
ポリエーテルポリエステルブロック共重合体(B−8):前記のポリエーテルポリエステルブロック共重合体(B−5)2530(0.1モル)をステアリン酸88.0g(0.31モル)でアシル化したアシル化ポリエーテルポリエステルブロック共重合体
【0051】
15)前記のポリエーテル化合物(H−3)と前記のセチルホスフェートカリウム塩(P−3)と下記のポリエーテルポリエステルブロック共重合体(B−9)とを含有し、ポリエーテル化合物(H−3)/セチルホスフェートカリウム塩(P−3)=70/30(重量比)の割合であって、且つポリエーテル化合物(H−3)とセチルホスフェートカリウム塩(P−3)との合計量/ポリエーテルポリエステルブロック共重合体(B−9)=60/40(重量比)の割合で含有して成る処理剤。
ポリエーテルポリエステルブロック共重合体(B−9):グリセリン92g(1モル)にε−カプロラクトン10567.8g(92.7モル)を開環重合してポリエステル基を形成させ、次いでエチレンオキサイド10208g(232モル)を開環重合してポリオキシアルキレン基を形成させた、ポリオキシアルキレン基がグリセリンの水酸基1個当たり75モルのオキシアルキレン単位を有すると共にオキシアルキレン単位としてオキシエチレン単位を100モル%有しており、且つオキシカプロイル単位の全繰り返し数/オキシアルキレン単位の全繰り返し数=1/2.5(モル比)の割合で有するポリエーテルポリエステルブロック共重合体
【0052】
16)前記のポリエーテル化合物(H−3)と前記のラウリルホスフェートカリウム塩(P−1)と下記のポリエーテルポリエステルブロック共重合体(B−10)とを含有し、ポリエーテル化合物(H−3)/ラウリルホスフェートカリウム塩(P−1)=60/40(重量比)の割合であって、且つポリエーテル化合物(H−3)とラウリルホスフェートカリウム塩(P−1)との合計量/ポリエーテルポリエステルブロック共重合体(B−10)=50/50(重量比)の割合で含有して成る処理剤。
ポリエーテルポリエステルブロック共重合体(B−10):40重量%のグルコン酸水溶液490g(1モル)にエチレンオキサイド11000g(250モル)を開環重合してポリオキシアルキレン基を形成させ、次いでε−カプロラクトン27900g(245モル)を開環重合してポリエステル基を形成させた、ポリオキシアルキレン基がグルコン酸の水酸基1個当たり40モルのオキシアルキレン単位を有すると共にオキシアルキレン単位としてオキシエチレン単位を100モル%有しており、且つオキシカプロイル単位の全繰り返し数/オキシアルキレン単位の全繰り返し数=1/1(モル比)の割合で有するポリエーテルポリエステルブロック共重合体
【0053】
17)前記のポリエーテル化合物(H−4)と前記のラウリルホスフェートカリウム塩(P−1)と下記のポリエーテルポリエステルブロック共重合体(B−11)とを含有し、ポリエーテル化合物(H−4)/ラウリルホスフェートカリウム塩(P−1)=60/40(重量比)の割合であって、且つポリエーテル化合物(H−4)とラウリルホスフェートカリウム塩(P−1)との合計量/ポリエーテルポリエステルブロック共重合体(B−11)=50/50(重量比)の割合で含有して成る処理剤。
ポリエーテルポリエステルブロック共重合体(B−11):トリエタノールアミン149g(1モル)にエチレンオキサイド5386g(122.4モル)を開環重合してポリオキシアルキレン基を形成させ、次いでε−カプロラクトン13800g(121モル)を開環重合してポリエステル基を形成させた、ポリオキシアルキレン基がトリエタノールアミンの水酸基1個当たり40モルのオキシアルキレン単位を有すると共にオキシアルキレン単位としてオキシエチレン単位を100モル%有しており、且つオキシカプロイル単位の全繰り返し数/オキシアルキレン単位の全繰り返し数=1/1(モル比)の割合で有するポリエーテルポリエステルブロック共重合体
【0054】
18)前記のポリエーテル化合物(H−5)と前記のラウリルホスフェートカリウム塩(P−1)と下記のポリエーテルポリエステルブロック共重合体(B−12)とを含有し、ポリエーテル化合物(H−5)/ラウリルホスフェートカリウム塩(P−1)=60/40(重量比)の割合であって、且つポリエーテル化合物(H−5)とラウリルホスフェートカリウム塩(P−1)との合計量/ポリエーテルポリエステルブロック共重合体(B−12)=50/50(重量比)の割合で含有して成る処理剤。
ポリエーテルポリエステルブロック共重合体(B−12):N,N,N’,N’−テトラ(2−ヒドロキシプロピル)−エチレンジアミン292g(1モル)にエチレンオキサイド7181g(163.2モル)を開環重合してポリオキシアルキレン基を形成させ、次いでε−カプロラクトン18500g(162モル)を開環重合してポリエステル基を形成させた、ポリオキシアルキレン基がN,N,N’,N’−テトラ(2−ヒドロキシプロピル)−エチレンジアミンの水酸基1個当たり40モルのオキシアルキレン単位を有すると共にオキシアルキレン単位としてオキシエチレン単位を100モル%有しており、且つオキシカプロイル単位の全繰り返し数/オキシアルキレン単位の全繰り返し数=1/1(モル比)の割合で有するポリエーテルポリエステルブロック共重合体
【0055】
また本発明に係る乾式法による不織布製造用ポリオレフィン系繊維の処理方法の実施形態としては、次の19)が挙げられる。
19)前記した1)〜18)のいずれかの処理剤100gと水900gとを激しく撹拌して分散液とし、更にホモジナイザーにより乳化して処理剤の10重量%水性液とした後、これを水で希釈した1重量%水性液を用いて、乾式法による不織布製造に供する2.0デニール×51mmカットのポリエチレン/ポリエステル複合繊維綿に対し処理剤として0.35重量%となるよう浸漬法で付着させる方法。
【0056】
以下、本発明の構成及び効果をより具体的にするため、実施例等を挙げるが、本発明がこれらの実施例に限定されるものではない。
【0057】
【実施例】
試験区分1(ポリエーテル化合物の合成)
・ポリエーテル化合物(H−1)の合成
トリアコンチルアルコール439g(1モル)及び水酸化カリウム20gをオートクレーブに仕込み、オートクレーブ内を窒素ガスで置換した後、120℃に加温し、エチレンオキサイド1804g(41モル)を圧入して、反応させた。1時間の熟成反応後、触媒を吸着剤処理により除去し、反応物を得た。得られた反応物を分析したところ、オキシエチレン単位の繰り返し数が40であり、水酸基価24、数平均分子量2400(GPC法、ポリスチレン換算、以下同じ)のポリエーテル化合物(H−1)であった。
【0058】
ポリエーテル化合物(H−2)〜(H−4)及び(h−1)〜(h−4)の合成
ポリエーテル化合物(H−1)の場合と同様にして、ポリエーテル化合物(H−2)〜(H−4)及び(h−1)〜(h−4)を合成した。
【0059】
・ポリエーテル化合物(H−5)の合成
ペンタコンチルアルコール718g(1モル)をオートクレーブに仕込み、触媒として水酸化カリウム粉末0.3gを加えた後、オートクレーブ内を窒素で置換した。撹拌しながら反応温度を110℃〜120℃に維持してエチレンオキサイド2244g(51モル)を圧入し、付加重合反応を行った。圧入後、同温度で1時間熟成して反応を終了した。反応物をフラスコに移し、触媒の水酸化カリウムをリン酸で中和した。中和物からリン酸塩を濾別してポリオキシアルキレンモノペンタコンチルエーテル2925gを得た。ここで得られたポリオキシアルキレンモノペンタコンチルエーテル2918g(1モル)と48重量%水酸化カリウム水溶液117gをオートクレーブに仕込み、撹拌しながら70〜100℃で減圧下に脱水を行った。その後反応温度を100〜120℃に維持して、塩化メチル53g(1.05モル)をオートクレーブ内の圧力低下が認められなくなるまで圧入し、エーテル化反応を行った。反応生成物から副生した塩化カリウムを濾別して、ポリエーテル化合物(H−5)を得た。これを分析したところ、ポリオキシアルキレン基がオキシエチレン単位の繰り返し数50で構成されたポリオキシアルキレンペンタコンチルメチルエーテルであった。
【0060】
・ポリエーテル化合物(h−5)の合成
ポリエーテル化合物(H−5)の場合と同様にして、ポリエーテル化合物(h−5)を合成した。
【0061】
・ポリエーテル化合物(H−6)の合成
ポリエーテル化合物(H−1)の合成の場合と同様にして得た中間体としてのポリオキシアルキレンモノトリアコンチルエーテル2198g(1モル)、氷酢酸72g(1.2モル)及び触媒として濃硫酸6gをフラスコに仕込み、撹拌しながら反応温度を100〜110℃とし、減圧下に脱水してエステル化反応を行った。反応終了後、冷却しながら、濃硫酸と未反応酢酸とを48重量%水酸化カリウム35gで中和した。次いで生成水を減圧下に留去した。副生した無機塩を濾別してポリエーテル化合物(H−6)を得た。これを分析したところ、ポリオキシアルキレン基がオキシエチレン単位の繰り返し数40で構成されたポリオキシアルキレンモノトリアコンチルエーテルの酢酸エステルであった。
試験区分1で合成した各ポリエーテル化合物の内容を表1にまとめて示した。
【0062】
【表1】
【0063】
試験区分2{(アシル化)ポリエーテルポリエステルブロック共重合体の合成}
・ポリエーテルポリエステルブロック共重合体(B−1)の合成
エチレングリコール62g(1モル)及び水酸化カリウム20gをオートクレーブに仕込み、オートクレーブ内を窒素ガスで置換した後、120℃に加温し、エチレンオキサイド4532g(103.0モル)とプロピレンオキサイド2992.8g(51.6モル)との混合物を圧入して、反応させた。1時間の熟成反応後、触媒を吸着剤処理により除去し、反応物を得た。得られた反応物を分析したところ、エチレングリコールの水酸基1個当たり50モルのオキシエチレン単位と25モルのオキシプロピレン単位(NMR分析法、以下同じ)とを有する、水酸基価15.2、数平均分子量7500(GPC法、ポリスチレン換算、以下同じ)のポリエーテル化合物であった。得られたポリエーテル化合物750g(0.1モル)及びテトラブチルチタネート2.5gをフラスコに仕込み、窒素ガス気流下で撹拌しながら150℃に加温した。140〜150℃に温度を保ち、ε−カプロラクトン592.8g(5.2モル)を20分かけて滴下した。滴下終了後、150℃で3時間反応を続けて合成を終了し、反応物を得た。得られた反応物を分析したところ、オキシエチレン単位/オキシプロピレン単位/オキシカプロイル単位=50/25/25(モル%)の共重合比率であり、数平均分子量13200のポリエーテルポリエステルブロック共重合体(B−1)であった。
【0064】
・ポリエーテルポリエステルブロック共重合体(B−5)の合成
ポリエーテルポリエステルブロック共重合体(B−1)の場合と同様にして、表2記載のポリエーテルポリエステルブロック共重合体(B−5)を得た。
【0065】
・ポリエーテルポリエステルブロック共重合体(B−2)の合成
エチレングリコール62g(1モル)及び水酸化カリウム17gをオートクレーブに仕込み、オートクレーブ内を窒素ガスで置換した後、120℃に加温し、エチレンオキサイド6798g(154.5モル)を圧入して、反応させた。1時間の熟成反応後、触媒を吸着剤処理により除去し、反応物を得た。得られた反応物を分析したところ、エチレングリコールの水酸基1個当たり75モルのオキシエチレン単位を有する、水酸基価16.8、数平均分子量6800のポリエーテル化合物であった。得られたポリエーテル化合物680g(0.1モル)及びテトラブチルチタネート4.2gをフラスコに仕込み、窒素ガス気流下で撹拌しながら150℃に加温した。140〜150℃に温度を保ち、ε−カプロラクトン592.8g(5.2モル)を40分かけて滴下した。滴下終了後、150℃で3時間反応を続けて合成を終了し、反応物を得た。得られた反応物を分析したところ、オキシエチレン単位/オキシカプロイル単位=75/25(モル%)の共重合比率であり、数平均分子量12500のポリエーテルポリエステルブロック共重合体(B−2)であった。
【0066】
・ポリエーテルポリエステルブロック共重合体(B−4)及び(B−6)の合成
ポリエーテルポリエステルブロック共重合体(B−2)の場合と同様にして、表2記載のポリエーテルポリエステルブロック共重合体(B−4)及び(B−6)を得た。
【0067】
・ポリエーテルポリエステルブロック共重合体(B−3)の合成
グリセリン92g(1モル)及び水酸化カリウム27gをオートクレーブに仕込み、オートクレーブ内を窒素ガスで置換した後、120〜140℃に温度を保ちながらプロピレンオキサイド2691.2g(46.4モル)を圧入して、反応させた。同温度で1時間の熟成反応後、更にエチレンオキサイド8157.6g(185.4モル)を圧入して、反応させた。同温度で1時間の熟成反応後、触媒を吸着剤処理により除去し、反応物を得た。得られた反応物を分析したところ、グリセリンの水酸基1個当たり60モルのオキシエチレン単位と15モルのオキシプロピレン単位とを有する、水酸基価15.8、数平均分子量10800のポリエーテル化合物であった。得られたポリエーテル化合物1080g(0.1モル)及びテトラブチルチタネート3.8gをフラスコに仕込み、窒素ガス気流下で撹拌しながら150℃に加温した。140〜150℃に温度を保ち、ε−カプロラクトン1060.2g(9.3モル)を40分かけて滴下した。滴下終了後、150℃で3時間反応を続けて合成を終了し、反応物を得た。得られた反応物を分析したところ、オキシエチレン単位/オキシプロピレン単位/オキシカプロイル単位=60/15/30(モル%)の共重合比率であり、数平均分子量21100のポリエーテルポリエステルブロック共重合体(B−3)であった。
【0068】
・ポリエーテルポリエステルブロック共重合体(B−9)の合成
グリセリン92g(1モル)及びテトラブチルチタネート7.6gをフラスコに仕込み、窒素ガス気流下で撹拌しながら150℃に加温した。140〜150℃に温度を保ち、ε−カプロラクトン10567.8g(92.7モル)を40分かけて滴下した。滴下終了後、150℃で3時間反応を続けて合成を終了し、触媒を吸着剤処理により除去して、反応物を得た。得られた反応物を分析したところ、グリセリンの水酸基1個当たり30モルのオキシカプロイル単位を有する、数平均分子量10300のポリエステル重合体であった。得られたポリエステル重合体1030g(0.1モル)及び水酸化カリウム8gをオートクレーブに仕込み、オートクレーブ内を窒素ガスで置換した後、120℃に加温し、エチレンオキサイド1020.8g(23.2モル)を圧入して、反応させた。1時間の熟成反応後、触媒を吸着剤処理により除去し、反応物を得た。得られた反応物を分析したところ、グリセリンの水酸基1個当たり75モルのオキシエチレン単位を有する、したがってオキシエチレン単位/オキシカプロイル単位=75/30(モル%)の共重合比率であり、数平均分子量20300のポリエーテルポリエステルブロック共重合体(B−9)であった。
【0069】
・アシル化ポリエーテルポリエステルブロック共重合体(B−7)の合成
前記のポリエーテルポリエステルブロック共重合体(B−3)2110g(0.1モル)、ステアリン酸88.0g(0.31モル)及びパラトルエンスルホン酸1水和物8gをフラスコに仕込み、窒素ガス気流下で温度を120〜130℃にし、同温度で2時間反応させた後、減圧下に120℃で副生する水を除去して、生成物を得た。得られた生成物は、ポリエーテルポリエステルブロック共重合体(B−3)の1分子にステアロイル基が3個導入された、数平均分子量21900のアシル化ポリエーテルポリエステルブロック共重合体(B−7)であった。
【0070】
・アシル化ポリエーテルポリエステルブロック共重合体(B−8)の合成
アシル化ポリエーテルポリエステルブロック共重合体(B−7)の場合と同様にして、表2記載のアシル化ポリエーテルポリエステルブロック共重合体(B−8)を得た。
【0071】
・ポリエーテルポリエステルブロック共重合体(B−10)の合成
40重量%のグルコン酸水溶液490g(1モル)及び水酸化カリウム28gをオートクレーブに仕込み、オートクレーブ内を窒素ガスで置換した後、85℃に加温し、エチレンオキサイド11000g(250モル)を圧入して、反応させた。1時間の熟成反応後、触媒を吸着剤処理により除去し、水を減圧留去して、反応物を得た。得られた反応物を分析したところ、グルコン酸の水酸基1個当たり40モルのオキシエチレン単位を有する、水酸基価31.9、数平均分子量11000のポリエーテル化合物であった。得られたポリエーテル化合物1100g(0.1モル)及びテトラブチルチタネート2.5gをフラスコに仕込み、窒素ガス気流下で撹拌しながら150℃に加温した。140〜150℃に温度を保ち、ε−カプロラクトン2790g(24.5モル)を20分かけて滴下した。滴下終了後、150℃で3時間反応を続けて合成を終了し、反応物を得た。得られた反応物を分析したところ、オキシエチレン単位/オキシカプロイル単位=50/50(モル%)の共重合比率であり、数平均分子量38300のポリエーテルポリエステルブロック共重合体(B−10)であった。
【0072】
・ポリエーテルポリエステルブロック共重合体(B−11)の合成
トリエタノールアミン149g(1モル)及び水酸化カリウム13gをオートクレーブに仕込み、オートクレーブ内を窒素ガスで置換した後、120℃に加温し、エチレンオキサイド5386g(122.4モル)を圧入して、反応させた。1時間の熟成反応後、触媒を吸着剤処理により除去し、反応物を得た。得られた反応物を分析したところ、トリエタノールアミンの水酸基1個当たり40モルのオキシエチレン単位を有する、水酸基価31.5、数平均分子量5500のポリエーテル化合物であった。得られたポリエーテル化合物550g(0.1モル)及びテトラブチルチタネート2.5gをフラスコに仕込み、窒素ガス気流下で撹拌しながら150℃に加温した。140〜150℃に温度を保ち、ε−カプロラクトン1380g(12.1モル)を20分かけて滴下した。滴下終了後、150℃で3時間反応を続けて合成を終了し、反応物を得た。得られた反応物を分析したところ、オキシエチレン単位/オキシカプロイル単位=50/50(モル%)の共重合比率であり、数平均分子量19200のポリエーテルポリエステルブロック共重合体(B−11)であった。
【0073】
・ポリエーテルポリエステルブロック共重合体(B−12)の合成
N,N,N’,N’−テトラ(2−ヒドロキシプロピル)−エチレンジアミン292g(1モル)及び水酸化カリウム13gをオートクレーブに仕込み、オートクレーブ内を窒素ガスで置換した後、120℃に加温し、エチレンオキサイド7180g(163.2モル)を圧入して、反応させた。1時間の熟成反応後、触媒を吸着剤処理により除去し、反応物を得た。得られた反応物を分析したところ、N,N,N’,N’−テトラ(2−ヒドロキシプロピル)−エチレンジアミンの水酸基1個当たり40モルのオキシエチレン単位を有する、水酸基価31.0、数平均分子量7500のポリエーテル化合物であった。得られたポリエーテル化合物750g(0.1モル)及びテトラブチルチタネート5.2gをフラスコに仕込み、窒素ガス気流下で撹拌しながら150℃に加温した。140〜150℃に温度を保ち、ε−カプロラクトン1850g(16.2モル)を20分かけて滴下した。滴下終了後、150℃で3時間反応を続けて合成を終了し、反応物を得た。得られた反応物を分析したところ、オキシエチレン単位/オキシカプロイル単位=50/50(モル%)の共重合比率であり、数平均分子量26100のポリエーテルポリエステルブロック共重合体(B−12)であった。
試験区分2で合成した各(アシル化)ポリエーテルポリエステル共重合体の内容を表2にまとめて示した。
【0074】
【表2】
【0075】
表2において、
ポリエーテルブロックを構成するオキシアルキレン単位の繰り返し数:脂肪族ヒドロキシ化合物の水酸基1個当たりの繰り返し数
EO:オキシエチレン単位
PO:オキシプロピレン単位
*1:N,N,N’,N’−テトラ(2−ヒドロキシプロピル)−エチレンジアミン
【0076】
試験区分3(水性液の調製)
・水性液(WP−1)の調製
試験区分1で合成したポリエーテル化合物(H−1)40gとラウリルホスフェートカリウム塩(P−1){モノラウリルホスフェートカリウム塩/ジラウリルホスフェートカリウム塩=50/50(モル比)}60gとを混合、融解した後、90℃の熱水900gを加え、激しく撹拌して分散液とし、更に250kg/cm2の圧力でホモジナイザー処理して、10重量%の水性液(WP−1)を得た。
【0077】
・水性液(WP−2)〜(WP−6)及び水性液(WR−1)〜(WR−10)の調製
水性液(WP−1)の場合と同様にして、表3又は表4に記載したそれぞれ10重量%の水性液(WP−2)〜(WP−6)及び水性液(WR−1)〜(WR−10)を得た。
【0078】
・水性液(WP−7)の調製
試験区分1で合成したポリエーテル化合物(H−1)39gと試験区分2で合成したポリエーテルポリエステルブロック共重合体(B−1)35gと前記のラウリルホスフェートカリウム塩(P−1)26gを混合、融解した後、90℃の熱水900gを加え、激しく撹拌して分散液とし、更に250kg/cm2の圧力でホモジナイザー処理して、10重量%の水性液(WP−7)を得た。
【0079】
・水性液(WP−8)〜(WP−18)の調製
水性液(WP−1)の場合と同様にして、表3に記載したそれぞれ10重量%の水性液(WP−8)〜(WP−18)を得た。
【0080】
・水性液(WR−11)の調製
ポリエーテル化合物(H−1)50g、ポリエーテル変性シリコーン(PS−1){側鎖にポリオキシアルキレン鎖を有するポリジメチルシロキンであって、該ポリオキシアルキレン鎖としてオキシエチレン単位/オキシプロピレン単位=40/60(モル比)の割合で有しており、該ポリオキシアルキレン鎖の割合が45重量%である、分子量が3000のもの}30g、POE(20)ソルビタンモノステアレート10g及びPOE(5)オクチルホスフェートカリウム塩10gを1時間混練し、次いで900gの水を加え、250kg/cm2の圧力でホモジナイザー処理して、10重量%の水性液(WR−11)を得た。
試験区分3で調製した水性液の内容を表3及び表4にまとめて示した。
【0081】
試験区分4(乾式法による不織布製造用ポリオレフィン系繊維への処理剤の付着とその評価)
・乾式法による不織布製造用ポリオレフィン系繊維への処理剤の付着
鞘部がポリエチレンであり、芯部がポリエステルであるポリオレフィン系複合繊維綿(2.0デニール×51mmカット長)を、表4又は表5に記載した水性液を水で希釈して浴濃度を目標付着量となるようにした処理浴(浴温25℃、浴比1:30)に、5分間浸漬し、絞り率50重量%で遠心脱水した後、60℃×60分間送風乾燥して下記評価用の処理綿とした。尚、処理綿への処理剤付着量は、該処理綿をソックスレー抽出器を用いてメタノール/ベンゼン(50/50容量比)混合溶剤で抽出することにより測定した。評価結果及び測定結果を表3及び表4にまとめて示した。
【0082】
・スカム及びフライの評価
上記で得た処理綿2000gを25℃×60%RHの温湿度で24時間調湿し、同条件下に、開繊機で開繊した後、小型ローラーカード(1山タイプ)を通してカードウェッブを調製した。スカムを針布に付いた汚れで下記の評価基準により評価し、またフライを小型ローラーカードの側面に黒色のスクリーンを立てて下記の評価基準により評価した。結果を表3及び表4にまとめて示した。尚、スカム及びフライが少ない程、カード通過性が良く、操業性が良い。
・・スカムの評価基準
◎:針布にスカムが全く認められない
○:針布に僅かにスカムが認められる
△:針布にやや多くのスカムが認められる
×:針布にスカムが堆積し、掃除をする必要がある
・・フライの評価基準
◎:フライが全く認められない
○:フライが僅かに認められる
△:フライがやや多く認められる
×:フライが多く認められ、掃除をする必要がある
【0083】
・カードウェッブの地合いの均一性の評価
スカム及びフライの評価の場合と同じ条件で目付24g/m2のカードウェッブを調製した。これを用いて下記の評価基準でカードウェッブの地合いの均一性を評価した。
・・カードウェッブの地合いの均一性の評価基準
◎:斑が全くなく、均一である
○:僅かな斑が認められるが、問題にならない
△:斑が少し確認でき、やや問題である
×:広範囲にはっきりと斑が確認でき、製品とならない
【0084】
・透水性の評価
上記で得られたカードウェッブから10cm×10cmの小片を裁断し、130℃のヒータープレートで30秒間熱処理して透水性評価の試料とした。この試料を20℃×60%RHの恒温室内で24時間調湿した後、水平板上におき、ビューレットを用いて10mmの高さから0.4mlの水滴を落下させ、その水滴が完全に吸収されてしまうまでに要する時間を測定し、下記の評価基準で評価した。
・・透水性の評価基準
◎:透水までに要する時間が0.5秒未満
○:透水までに要する時間が0.5秒以上〜1秒未満
△:透水までに要する時間が1秒以上〜2秒未満
×:透水までに要する時間が2秒以上
【0085】
・耐久親水性の評価
上記の透水性評価試料の上に80mlのイオン交換水を試料の全面に振りかけて吸引、通過させた後、40℃×90分間送風乾燥して、再度上記の透水性の評価を行なうという操作を繰り返して、透水性の評価が△になるまでの繰り返し回数を求め、下記の評価基準で評価した。
・・耐久親水性の評価基準
◎:繰り返し回数が15回以上
○:繰り返し回数が10〜14回
△:繰り返し回数が5〜9回
×:繰り返し回数が4回以下
【0086】
ウエットバック防止性の評価
紙おむつの最外部の不織布素材から10cm×10cmの不織布片を切除し、切除した部分に上記の透水性評価試料と同様に作成した10cm×10cmの小片を取り付けてウエットバック防止性評価試料とした。評価用の不織布が上向きになるようにウエットバック防止性評価試料を水平に置き、試料面中央に両端が開放された内径6cmの円筒を垂直に立て、この円筒に水80mlを注入し、5分間静置して、紙おむつ内部に水を吸収させた。次に水を吸収させた面に10cm×10cmのろ紙を15枚重ねたものを載せ、更にその上に10cm×10cmで2.8kgの錘板を載せて、2分間荷重した後、15枚重ねたろ紙の総重量を測量し、その増加率を算出して、下記の評価基準で評価した。
・・ウエットバック防止性の評価基準
◎:重量増加率が1%未満
○:重量増加率が1%以上〜1.3%未満
△:重量増加率が1.3%以上〜2%未満
×:重量増加率が2%以上
【0087】
【表3】
【0088】
【表4】
【0089】
表3及び表4において、
付着量:ポリオレフィン系複合繊維綿に対する付着量(重量%)
H−1〜H−6,h−1〜h−5:試験区分1で合成したポリエーテル化合物
P−1:ラウリルホスフェートカリウム塩{モノラウリルホスフェートカリウム塩/ジラウリルホスフェートカリウム塩=50/50(モル比)の混合物}
P−2:ステアリルホスフェートカリウム塩{モノステアリルホスフェートカリウム塩/ジステアリルホスフェートカリウム塩=50/50(モル比)の混合物}
P−3:セチルホスフェートカリウム塩{モノセチルホスフェートカリウム塩/ジセチルホスフェートカリウム塩=50/50(モル比)の混合物}
PR−1:オクチルホスフェートカリウム塩
PR−2:ポリオキシエチレングリコール(オキシエチレン単位の繰り返し数5)モノラウリルエーテルホスフェートカリウム塩
PR−3:ポリオキシエチレングリコール(オキシエチレン単位の繰り返し数5)モノステアリルエーテルホスフェートカリウム塩
B−1〜B−12:試験区分2で合成した(アシル化)ポリエーテルポリエステルブロック共重合体
【0090】
【発明の効果】
既に明らかなように、以上説明した本発明には、乾式法による不織布製造用ポリオレフィン系繊維にそのウエッブ製造工程におけるスカムやフライの発生を抑えて優れたカード通過性を付与し、同時に得られるカードウェッブに優れた地合の均一性、透水性、耐久親水性及びウェットバック防止性を付与することができるという効果がある。
Claims (9)
- 下記の式1で示されるポリエーテル化合物と下記の有機リン酸エステル塩を、該ポリエーテル化合物/該有機リン酸エステル塩=30/70〜90/10(重量比)の割合で含有して成ることを特徴とする乾式法による不織布製造用ポリオレフィン系繊維の処理剤。
【式1】
R1−A−O−R2
(式1において、
R1:炭素数28〜60のアルキル基又は炭素数28〜60のアルカノイル基
R2:水素、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数1〜4のアルカノイル基
A:炭素数2又は3のオキシアルキレン単位の繰り返しで構成されたポリオキシアルキレン基であって、該オキシアルキレン単位の繰り返し数が5〜100であり且つ該オキシアルキレン単位としてオキシエチレン単位を50モル%以上有するポリオキシアルキレン基)
有機リン酸エステル塩:直鎖アルキル基の炭素数が12〜22の分子中にオキシアルキレン単位を有しない直鎖アルキルホスフェートカリウム塩 - ポリエーテル化合物が、式1中のR1が炭素数30〜40のアルキル基であり、R2が水素である場合のものである請求項1記載の乾式法による不織布製造用ポリオレフィン系繊維の処理剤。
- 有機リン酸エステル塩が、直鎖アルキル基の炭素数が12〜18の直鎖アルキルホスフェートカリウム塩である請求項1又は2記載の乾式法による不織布製造用ポリオレフィン系繊維の処理剤。
- ポリエーテル化合物/有機リン酸エステル塩=40/60〜80/20(重量比)の割合で含有する請求項1、2又は3記載の乾式法による不織布製造用ポリオレフィン系繊維の処理剤。
- 更に下記のポリエーテルポリエステルブロック共重合体を、ポリエーテル化合物と有機リン酸エステル塩との合計量/該ポリエーテルポリエステルブロック共重合体=40/60〜90/10(重量比)の割合で含有する請求項1、2、3又は4記載の乾式法による不織布製造用ポリオレフィン系繊維の処理剤。
ポリエーテルポリエステルブロック共重合体:1〜6価の脂肪族ヒドロキシ化合物に炭素数2〜4のアルキレンオキサイドとε−カプロラクトンとをそれぞれ開環重合して、分子中にオキシアルキレン単位の繰り返しで構成されたポリオキシアルキレン基とオキシカプロイル単位の繰り返しで構成されたポリエステル基とを形成させたポリエーテルポリエステルブロック共重合体であって、該ポリオキシアルキレン基が該脂肪族ヒドロキシ化合物の水酸基1個当たり5〜200モルのオキシアルキレン単位を有すると共に該オキシアルキレン単位としてオキシエチレン単位を40モル%以上有しており、且つ該オキシカプロイル単位の全繰り返し数/該オキシアルキレン単位の全繰り返し数=1/1〜1/10(モル比)の割合で有するポリエーテルポリエステルブロック共重合体 - ポリエーテルポリエステルブロック共重合体が、1〜6価の脂肪族ヒドロキシ化合物にアルキレンオキサイドを開環重合してポリオキシアルキレン基を形成させ、次いで該ポリオキシアルキレン基の末端水酸基にε−カプロラクトンを開環重合してポリエステル基を形成させたものである請求項5記載の乾式法による不織布製造用ポリオレフィン系繊維の処理剤。
- ポリエーテルポリエステルブロック共重合体が、1〜6価の脂肪族ヒドロキシ化合物として、1〜6価の脂肪族アルコール、又は2〜6価の脂肪族アルコールと炭素数6〜18の脂肪族モノカルボン酸との多価アルコール部分エステルを用いたものである請求項6記載の乾式法による不織布製造用ポリオレフィン系繊維の処理剤。
- ポリエーテルポリエステルブロック共重合体と共に又はこれに代えて、ポリエーテルポリエステルブロック共重合体のポリエステル基の末端水酸基に炭素数2〜22のアシル化剤を反応させたアシル化ポリエーテルポリエステルブロック共重合体を用いる請求項6又は7記載の乾式法による不織布製造用ポリオレフィン系繊維の処理剤。
- 請求項1、2、3、4、5、6、7又は8記載の処理剤を乾式法による不織布製造用ポリオレフィン系繊維に対し0.05〜5重量%付着させることを特徴とする乾式法による不織布製造用ポリオレフィン系繊維の処理方法。
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