JP4089608B2 - 自動車 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車に関し、詳しくは、前輪と後輪とに動力を出力可能な自動車に関する。
従来、この種の自動車としては、前輪を駆動する前輪用原動機と後輪を駆動する後輪用原動機とを備える4輪駆動の自動車が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この自動車では、前輪および後輪に要求される要求動力を定トルク比で分配して走行し、前輪や後輪にスリップが発生したときにはスリップが発生した輪に分配されるトルクを小さくすると共に小さくしたトルクに相当するトルクがスリップが発生していない輪に分配されるようトルク比を調整することにより、要求動力に対応できるものとしている。
特開2002−67723号公報
上述の自動車では、車両の走行安定性を図る上で望ましくない場合が生じる。例えば、前輪にスリップが発生して前輪に出力するトルクの分配を小さくしてその分スリップが発生していない後輪にトルクを分配することにより要求動力に対応するものとすると、後輪から出力するトルクが過剰となって後輪にもスリップが生じ、車両によってはその挙動が不安定となる場合が生じる。
本発明の自動車は、こうした問題を解決し、スリップ時の走行安定性をより向上させることを目的の一つとする。また、本発明の自動車は、スリップ時の走行安定性を確保しながら要求動力に対処することを目的の一つとする。さらに、本発明の自動車は、路面勾配に拘わらずスリップ時の走行安定性と走行性能とをバランスさせることを目的の一つとする。
本発明の自動車は、上述の目的の少なくとも一部を達成するために以下の手段を採った。
本発明の自動車は、
前輪と後輪とに動力を出力可能な自動車であって、
前輪に動力を出力可能な前輪用動力出力手段と、
後輪に動力を出力可能な後輪用動力出力手段と、
前輪および/または後輪の空転によるスリップを検出するスリップ検出手段と、
前記スリップ検出手段により前輪か後輪かのいずれかのスリップが検出されたとき、該スリップが抑制されるよう該スリップが検出された輪としてのスリップ輪に出力する動力の制限値を設定すると共に該設定した制限値に基づいて前記スリップが検出されなかった輪としての非スリップ輪に出力する動力の制限値を設定する動力制限設定手段と、
該設定された制限値の範囲内で前輪および後輪に要求される要求動力が前輪と後輪とに出力されるよう前記前輪用動力出力手段と前記後輪用動力出力手段とを駆動制御する駆動制御手段と、
を備えることを要旨とする。
この本発明の自動車では、前輪か後輪かのいずれかのスリップが検出されたとき、スリップが抑制されるようスリップ輪に出力する動力の制限値を設定すると共にこの設定した制限値に基づいて非スリップ輪に出力する動力の制限値を設定し、設定した制限値の範囲内で要求動力が前輪と後輪とに出力されるよう前輪用動力出力手段と後輪用動力出力手段とを駆動制御する。スリップ輪に出力する動力の制限値に基づいて非スリップ輪に出力する動力を制限するから、非スリップ輪に出力される動力が過剰となるのを抑制でき、車両の走行安定性を確保できる。また、スリップ輪や非スリップ輪に出力する動力の制限値の範囲内で要求動力に対処することができる。
こうした本発明の自動車において、路面勾配を検出または推定する路面勾配検出推定手段を備え、前記動力制限設定手段は、前記検出または推定された路面勾配に基づいて前記非スリップ輪に出力する動力の制限値を設定する手段であるものとすることもできる。こうすれば、路面勾配に拘わらず車両の走行安定性を確保できる。
路面勾配検出推定手段を備える態様の本発明の自動車において、前記動力制限設定手段は、前進走行時に前記スリップ検出手段により前輪のスリップが検出されたとき又は後進走行時に前記スリップ検出手段により後輪のスリップが検出されたときに前記路面勾配検出推定手段により検出または推定された路面勾配が登り勾配として所定勾配未満のときには、前記スリップ輪に出力する動力以下に制限されるよう前記非スリップ輪に出力する動力の制限値を設定する手段であるものとすることもできる。こうすれば、非スリップ輪がスリップするのをより確実に抑制できる。また、路面勾配検出推定手段を備える態様の本発明の自動車において、前記動力制限設定手段は、前進走行時に前記スリップ検出手段により前輪のスリップが検出されたとき又は後進走行時に前記スリップ検出手段により後輪のスリップが検出されたときに前記路面勾配検出推定手段により検出または推定された路面勾配が登り勾配として所定勾配以上のときには、前記非スリップ輪に出力する動力の制限を行なわない手段であるものとすることもできる。こうすれば、路面勾配が登り勾配として所定勾配以上のとき、即ち非スリップ輪への荷重割合が大きくなるときには、非スリップ輪のスリップの可能性が低いとして非スリップ輪の動力の制限を行なわないから、登り勾配における走行性能を確保することができる。さらに、これらの態様の本発明の自動車において、前記前輪用動力出力手段と前記後輪用動力出力手段は、該後輪用動力出力手段の最大トルクが該前輪用動力出力手段の最大トルクと該後輪用動力出力手段の最大トルクとの和に対して略10ないし40%となるよう設計されてなるものとすることもできる。
また、路面勾配検出推定手段を備える態様の本発明の自動車において、前記動力制限設定手段は、前進走行時に前記スリップ検出手段により前輪のスリップが検出されたとき又は後進走行時に前記スリップ検出手段により後輪のスリップが検出されたとき、前記路面勾配検出推定手段により検出または推定された路面勾配が登り勾配として大きいほど前記非スリップ輪に出力する動力の制限が小さくなる傾向に該非スリップ輪に出力する動力の制限値を設定する手段であるものとすることもできる。こうすれば、路面勾配に応じて車両の走行安定性と走行性能とをより適切にバランスさせることができる。この態様の本発明の自動車において、前記前輪用動力出力手段と前記後輪用動力出力手段は、該後輪用動力出力手段の最大トルクが該前輪用動力出力手段の最大トルクと該後輪用動力出力手段の最大トルクとの和に対して略40ないし60%となるよう設計されてなるものとすることもできる。
また、本発明の自動車において、前記動力制限設定手段は、所定の緩変化処理を施して前記非スリップ輪に出力する動力の制限値を設定する手段であるものとすることもできる。こうすれば、非スリップ輪に出力する動力が急激に制限されるのを抑制することができる。
さらに、本発明の自動車において、前記前輪用動力出力手段は、前輪に動力を出力可能な前輪用電動機を有する手段であり、前記後輪用動力出力手段は、後輪に動力を出力可能な後輪用電動機を有する手段であるものとすることもできる。
あるいは、本発明の自動車において、前記前輪用動力出力手段は、内燃機関と、電力と動力の入出力により前記内燃機関からの動力の少なくとも一部を前輪に伝達可能な動力伝達手段を有する手段であるものとすることもできるし、前記後輪用動力出力手段は、内燃機関と、電力と動力の入出力により前記内燃機関からの動力の少なくとも一部を後輪に伝達可能な動力伝達手段を有する手段であるものとすることもできる。
動力伝達手段を有する態様の本発明の自動車において、前記動力伝達手段は、前記内燃機関の出力軸と車軸に接続された駆動軸と回転軸との3軸に接続され、該3軸のうちのいずれか2軸に入出力される動力が決定されると残余の1軸に入出力される動力が決定される3軸式動力出力手段と、前記回転軸に動力を入出力する発電可能な発電電動機とを有する手段であるものとすることもできるし、前記動力伝達手段は、前記内燃機関の出力軸に接続された第1の回転子と車軸に接続された駆動軸に接続された第2の回転子とを有し電磁気的な作用により電力と動力の入出力により前記内燃機関からの動力の少なくとも一部を前記駆動軸に出力する対回転子電動機を有する手段であるものとすることもできる。
次に、本発明を実施するための最良の形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施形態としてのハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、図示するように、エンジン22と、エンジン22の出力軸としてのクランクシャフト26にダンパ28を介して接続された3軸式の動力分配統合機構30と、動力分配統合機構30に接続された発電可能なモータMG1と、動力分配統合機構30に接続されると共に前輪63a,63bに連結された前軸64にディファレンシャルギヤ62を介して接続されたモータMG2と、後輪66a,66bに連結された後軸67にディファレンシャルギヤ65を介して接続されたモータMG3と、駆動系全体をコントロールするハイブリッド用電子制御ユニット70とを備える。
エンジン22は、ガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力する内燃機関であり、エンジン22の運転状態を検出する各種センサから信号を入力するエンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという)24により燃料噴射制御や点火制御,吸入空気量調節制御などの運転制御を受けている。エンジンECU24は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によりエンジン22を運転制御すると共に必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。
動力分配統合機構30は、外歯歯車のサンギヤ31と、このサンギヤ31と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ32と、サンギヤ31に噛合すると共にリングギヤ32に噛合する複数のピニオンギヤ33と、複数のピニオンギヤ33を自転かつ公転自在に保持するキャリア34とを備え、サンギヤ31とリングギヤ32とキャリア34とを回転要素として差動作用を行なう遊星歯車機構として構成されている。動力分配統合機構30は、キャリア34にはエンジン22のクランクシャフト26が、サンギヤ31にはモータMG1が、リングギヤ32には駆動軸としてのリングギヤ軸32aを介してモータMG2がそれぞれ連結されており、モータMG1が発電機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力をサンギヤ31側とリングギヤ32側にそのギヤ比に応じて分配し、モータMG1が電動機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力とサンギヤ31から入力されるモータMG1からの動力を統合してリングギヤ32側に出力する。リングギヤ32に出力された動力は、リングギヤ軸32aからギヤ機構60およびディファレンシャルギヤ62を介して、最終的には車両の前輪63a,63bに出力される。
モータMG1,MG2,MG3は、いずれも発電機として駆動できると共に電動機として駆動できる周知の同期発電電動機として構成されており、インバータ41,42,43を介してバッテリ50と電力のやりとりを行なう。インバータ41,42,43とバッテリ50とを接続する電力ライン54は、各インバータ41,42,43が共用する正極母線および負極母線として構成されており、モータMG1,MG2,MG3のいずれかで発電される電力を他のモータで消費することができるようになっている。したがって、バッテリ50は、モータMG1,MG2,MG3のいずれかから生じた電力や不足する電力により充放電されることになる。なお、モータMG1,MG2,MG3により電力収支のバランスをとるものとすれば、バッテリ50は充放電されない。モータMG1,MG2,MG3は、いずれもモータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという)40により駆動制御されている。モータECU40には、モータMG1,MG2,MG3を駆動制御するために必要な信号、例えばモータMG1,MG2,MG3の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ44,45,46からの信号や図示しない電流センサにより検出されるモータMG1,MG2,MG3に印加される相電流などが入力されており、モータECU40からは、インバータ41,42,43へのスイッチング制御信号が出力されている。モータECU40は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によってモータMG1,MG2,MG3を駆動制御すると共に必要に応じてモータMG1,MG2,MG3の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。
バッテリ50は、バッテリ用電子制御ユニット(以下、バッテリECUという)52によって管理されている。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な信号、例えば、バッテリ50の端子間に設置された図示しない電圧センサからの端子間電圧,バッテリ50の出力端子に接続された電力ライン54に取り付けられた図示しない電流センサからの充放電電流,バッテリ50に取り付けられた図示しない温度センサからの電池温度などが入力されており、必要に応じてバッテリ50の状態に関するデータを通信によりハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。なお、バッテリECU52では、バッテリ50を管理するために電流センサにより検出された充放電電流の積算値に基づいて残容量(SOC)も演算している。
なお、エンジン22およびモータMG1,MG2,MG3は、モータMG3により後輪66a,66b(後軸67)に出力可能な最大トルクがエンジン22とモータMG1,MG2とにより前輪63a,63b(前軸64)に出力可能な最大トルクとモータMG3により後軸67に出力可能な最大トルクとの和に対して約20%程度となるよう設計されている。
前輪63a,63bおよび後輪66a,66bには、油圧により作動する油圧ブレーキ68aが取り付けられている。油圧ブレーキ68aは、ブレーキアクチュエータ68の駆動により前輪63a,63bおよび後輪66a,66bに作用させる制動力を調整できるようになっている。ブレーキアクチュエータ68は、ブレーキECU69により駆動制御されている。ブレーキECU69には、前輪63a,63bおよび後輪66a,66bの各回転速度を検出する車輪速センサ69aからの車輪速信号が図示しない入力ポートを介して入力されている。また、ブレーキECU69は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によりブレーキアクチュエータ68を駆動制御すると共に必要に応じて油圧ブレーキの作動に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。
ハイブリッド用電子制御ユニット70は、CPU72を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU72の他に処理プログラムを記憶するROM74と、データを一時的に記憶するRAM76と、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。ハイブリッド用電子制御ユニット70には、イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号,シフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP,アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc,ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ88からの車速V、路面の勾配を検出する勾配センサ89からの路面勾配Rθなどが入力ポートを介して入力されている。ハイブリッド用電子制御ユニット70は、前述したように、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52,ブレーキECU69と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52,ブレーキECU69と各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。
こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20では、運転者によるアクセルペダル83の踏み込み量に対応するアクセル開度Accと車速Vとに基づいて前軸64および後軸67に出力すべき要求トルクを計算し、この要求トルクに対応する要求動力が前軸64と後軸67とに出力されるように、エンジン22とモータMG1,MG2,MG3とが運転制御される。エンジン22とモータMG1,MG2,MG3の運転制御としては、要求動力に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にエンジン22から出力される動力のすべてが動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2,MG3の一方または双方とによってトルク変換されて前軸64と後軸67とに出力されるようモータMG1,MG2,MG3を駆動制御するトルク変換運転モードや要求動力とバッテリ50の充放電に必要な電力との和に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にバッテリ50の充放電を伴ってエンジン22から出力される動力の全部またはその一部が動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2,MG3の一方または双方とによるトルク変換を伴って要求動力が前軸64と後軸67とに出力されるようモータMG1,MG2,MG3を駆動制御する充放電運転モード、エンジン22の運転を停止してモータMG2,MG3の一方または双方から要求動力に見合う動力を前軸64と後軸67とに出力するよう運転制御するモータ運転モードなどがある。
次に、こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20の動作、特に前輪63a,63bか後輪66a,66bかのいずれかがスリップした際の動作について説明する。図2は、ハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、シフトレバー81が前進走行可能なポジションにあるとき、即ちDレンジやBレンジにあるときに所定時間毎(例えば、8msec毎)に繰り返し実行される。
駆動制御ルーチンが実行されると、ハイブリッド用電子制御ユニット70のCPU72は、まず、アクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Accや車速センサ88からの車速V,回転位置検出センサ44,45,46からの回転位置に基づいてモータECU40により演算されるモータMG1,MG2,MG3の回転数Nm1,Nm2,Nm3,バッテリECU52により演算されるバッテリ50の残容量SOCなど制御に必要なデータを入力する処理を行なう(ステップS100)。
続いて、入力したアクセル開度Accと車速Vとに基づいて車両に要求される前軸64および後軸67に出力すべき要求トルクT*と要求パワーP*とを設定する処理を行なう(ステップS102)。要求トルクT*は、実施例では、アクセル開度Accと車速Vと要求トルクT*との関係を予め求めて要求トルク設定用マップとしてROM74に記憶しておき、アクセル開度Accと車速Vとが与えられると要求トルク設定用マップから対応する要求トルクT*を導出して設定するものとした。要求トルク設定用マップの一例を図3に示す。また、要求パワーP*は、設定した要求トルクT*に車速Vを乗じて得られるものとして設定するものとした。
次に、スリップ制御要求があるか否かを調べる(ステップS104)。スリップ制御要求は、実施例では、図示しないスリップ判定処理ルーチンの実行によって、前輪63a,63bにリングギヤ軸32aを介して連結されたモータMG2の回転数Nm2の時間変化としての回転加速度αfと後輪66a,66bに連結されたモータMG3の回転数Nm3の時間変化としての回転加速度αrとに基づいてスリップの発生の有無と前輪のスリップか後輪のスリップかの種別とをRAM76の所定アドレスに書き込むことにより行なうものとした。スリップ制御要求がないと判定されたときには、前後軸のトルクの分配比として通常時の分配比Dを設定する(ステップS106)。ここで、通常時の分配比Dの設定は、例えば、車両が発進する際に荷重割合が大きくなる後輪66a,66bに比較的大きなトルクが出力される分配比として設定したり、車両に制動力が要求されたときにモータMG2,MG3による回生が効率よく行なわれる分配比として設定したりすることにより行なわれる。一方、スリップ制御要求があると判定されたときには、スリップ輪の回転加速度に基づいてスリップ輪のトルク制限値Ts1limを設定し(ステップS108)、設定したスリップ輪のトルク制限値Ts1limと要求トルクT*とに基づいて分配比Dを設定する(ステップS110)。トルク制限値Tslimの設定は、例えば、回転加速度が大きいほどスリップ輪に出力されるトルクを大きく制限する値として設定することにより行なうことができる。また、このトルク制限値Ts1limに基づく分配比Dの設定は、例えば、トルク制限値Ts1limを用いてスリップ輪に出力すべきトルク(スリップ輪トルク)を設定すると共に要求トルクT*からスリップ輪トルクを減じて非スリップ輪に出力すべきトルク(非スリップ輪トルク)を設定し、設定したスリップ輪トルクと非スリップ輪トルクとスリップ輪が前輪か後輪か否かの種別とにより次式(1)を用いて設定することにより行なうことができる。例えば、要求トルクT*が値100であるときに前輪63a,63bがスリップしてトルク制限値Ts1limが値60に設定されたときには、スリップ輪トルクとしての前輪63a,63bのトルクを値60に設定し、非スリップ輪トルクとしての後輪66a,66bのトルクを値40に設定して分配比Dを値0.4に設定するのである。
Figure 0004089608
こうして前後軸のトルクの分配比Dを設定すると、設定した分配比Dと要求トルクT*とに基づいて次式(2)と次式(3)とにより前軸64(前輪63a,63b)に要求されるトルクとしての前軸要求トルクTf*と後軸67(後輪66a,66b)に要求されるトルクとしての後軸要求トルクTr*とを設定する(ステップS112)。そして、バッテリ50の残容量SOCやアクセル開度Accに基づいてバッテリ50が充放電すべきパワーとしてのバッテリ要求パワーPb*を設定すると共に要求パワーP*とバッテリ要求パワーPb*とロス(Loss)との和によりエンジン22から出力すべきエンジン要求パワーPe*を設定し(ステップS114)、設定したエンジン要求パワーPe*に基づいてエンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定する処理を行なう(ステップS116)。この処理は、エンジン22を効率よく動作させる動作ラインとエンジン要求パワーPe*とに基づいて目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定することにより行なわれる。エンジン22の動作ラインの一例と目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定する様子を図4に示す。図示するように、目標回転数Ne*と目標トルクTe*は、動作ラインとエンジン要求パワーPe*(Ne*×Te*)が一定の曲線との交点により求めることができる。
Figure 0004089608
そして、設定した目標回転数Ne*とリングギヤ軸32aの回転数Nr(Nm2)と動力分配統合機構30のギヤ比ρとに基づいてモータMG1の目標回転数Nm1*を計算すると共に計算した目標回転数Nm1*と現在の回転数Nm1とに基づいてモータMG1の目標トルクTm1*を計算する(ステップS118)。図5に、動力分配統合機構30の共線図を示す。図中、S軸はサンギヤ31の回転数を示し、C軸はキャリア34の回転数を示し、R軸はリングギヤ32の回転数を示す。サンギヤ31の回転数はモータMG1の回転数Nm1でありキャリア34の回転数はエンジン22の回転数Neでありリングギヤ32の回転数はモータMG2の回転数であるから、モータMG1の目標回転数Nm1*は、回転数Nm2と目標回転数Ne*と動力分配統合機構30のギヤ比ρとに基づいて次式(4)により計算することができる。したがって、計算した目標回転数Nm1*で回転するよう目標トルクTm1*を設定してモータMG1を駆動制御することにより、エンジン22を目標回転数Ne*で回転させることができる。また、モータMG1の目標トルクTm1*は、実施例では、目標回転数Nm1*と現在の回転数Nm1とを用いてフィードバック制御における関係式(5)により設定するものとした。ここで、式(5)中の「KP」は比例項におけるゲインを示し、「KI」は積分項におけるゲインを示す。
Figure 0004089608
モータMG1の目標トルクTm1*を設定すると、前軸要求トルクTf*と目標トルクTm1*とに基づいて次式(6)によりモータMG2から出力すべき目標トルクTm2*を設定すると共に後軸要求トルクTr*に基づいて次式(7)によりモータMG3から出力すべき目標トルクTm3*を設定する(ステップS120)。図5の共線図に示すように、モータMG2の目標トルクTm2*は、モータMG1からの目標トルクTm1*の出力によりエンジン22からリングギヤ軸32aに直接伝達されるトルク(−Tm1*/ρ)と前軸要求トルクTf*に対応するリングギヤ軸32a上のトルクとの偏差として求めることができる。ここで、式(6)中の「G1」は、前軸64の回転数N1に対するモータMG2の回転数Nm2の比(Nm2/N1)であり、式(7)中の「G2」は、後軸67の回転数N2に対するモータMG3の回転数Nm3の比(Nm3/N2)である。
Figure 0004089608
次に、スリップ輪が前輪63a,63bであるときのトルク制限値Ts1limに基づいて後輪66a,66b(非スリップ輪)のトルク制限値Ts2limを設定し(ステップS122)、設定したトルク制限値Ts2limを上限値としてステップS120で設定された目標トルクTm3*を制限する処理を行なう(ステップS124)。ここで、トルク制限値Ts2limの設定は、図6に例示する後輪トルク制限値設定処理の実行により行なわれる。
後輪トルク制限値設定処理では、勾配センサ89からの路面勾配Rθを入力し(ステップS200)、スリップ制御要求があるか否か、即ち前輪63a,63bか後輪66a,66bかのいずれかにスリップが発生しているか否かを判定し(ステップS202)、スリップが発生しているときにはスリップ輪が前輪63a,63bであるか否かを判定する(ステップS204)。スリップ輪が前輪63a,63bであると判定されると、路面勾配Rθが登り勾配として所定勾配Aref未満であるか否かを判定する(ステップS206)。ここで、所定勾配Arefは、実施例では、雪路などの路面を走行中であっても後輪66a,66bがスリップする可能性が低い荷重割合となる坂路の路面勾配として設定されている。路面勾配Rθが所定勾配Aref未満と判定されたときには、即ち平坦路かそれに近い路面勾配であると判定されたときには、図2のルーチンのステップS108で設定したスリップ輪のトルク制限値Ts1limから所定の調整値αを減じることにより(次式(5)参照)、後輪66a,66bのトルク制限値Ts2limを設定する(ステップS208)。ここで、調整値αは、ステップS108やステップS110の処理で前輪63a,63bのスリップにより前輪63a,63b(前軸64)に出力するトルクを制限すると共に制限した分に相当するトルクを後輪66a,66b(後軸67)に分配したときに後輪66a,66bがスリップして車両に横滑りが生じたりいわゆるプッシングアンダーが生じたりして車両の挙動が不安定となるのを防止するために設定されるものであり、車両別に定められる。例えば、調整値αを、後輪66a,66bに出力されるトルクがスリップ中の前輪63a,63bに出力されるトルク以下となるよう設定することができる。
Figure 0004089608
こうして後輪66a,66bのトルク制限値Ts2limを設定すると、前輪63a,63bにスリップが発生したときのスリップ輪としての前輪63a,63bのトルク制限値Ts1limの設定の急変に伴って後輪66a,66bのトルク制限値Ts2limが急変するのを防止するためにトルク制限値Ts2limを前回のルーチンのステップS124で設定されたモータMG3の目標トルクTm3*(前回Tm3*)を中心とした所定範囲内でガードすることによりレート処理を行なって(ステップS210)、処理を終了する。
ステップS202でスリップが発生していないと判定されたり、ステップS204でスリップ輪が前輪63a,63bでないと判定されたり、ステップS206で路面勾配Rθが所定勾配Aref以上である、即ち坂路であると判定されたときには、非スリップ輪である後輪66a,66bのトルクを制限しなくても後輪66a,66bのスリップの可能性は小さいと判断して、後輪66a,66bのトルク制限値Ts2limをモータMG3の最大トルクに対応する最大トルクTmaxに設定して(ステップS212)、処理を終了する。
図2の駆動制御ルーチンに戻って、こうしてエンジン22の目標回転数Ne*や目標トルクTe*,モータMG1,MG2,MG3の目標トルクTm1*,Tm2*,Tm3*を設定すると、エンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*についてはエンジンECU24に、モータMG1,MG2,MG3の目標トルクTm1*,Tm2*,Tm3*についてはモータECU40にそれぞれ送信して(ステップS126)、駆動制御ルーチンを終了する。目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを受信したエンジンECU24は、エンジン22が目標回転数Ne*と目標トルクTe*とにより運転されるよう燃料噴射制御や点火制御などの制御を行なう。また、目標トルクTm1*,Tm2*を受信したモータECU40は、目標トルクTm1*,Tm2*,Tm3*でモータMG1,MG2,MG3が駆動されるようインバータ41,42,43のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。
図7に、前輪63a,63bにスリップが発生したときに前輪63a,63bに出力されるトルク(前輪トルク)と後輪66a,66bに出力されるトルク(後輪トルク)の時間変化の様子を示す説明図を示す。時刻t1に前輪63a,63bが空転してスリップが発生すると、前輪63a,63bの回転加速度に応じてスリップを抑制するために前輪63a,63bのトルク制限値Ts1limが設定されて前輪トルクが制限される。この際、路面勾配Rθが所定勾配Aref以上にあり車両が坂路を走行中と判定されたときには、非スリップ輪である後輪66a,66b側に分配するトルクの制限は行なわずに、前輪トルクが制限された分がそのまま後輪66a,66b側に分配されて要求トルクT*に対応したトルクが出力される(図7中の一点破線を参照)。一方、路面勾配Rθが所定勾配Aref未満にあり車両が平坦路を走行中と判定されたときには、車両の横滑りやプッシングアンダーを防止するために前輪63a,63bのトルク制限値Ts1limから調整値αを減じて得られるトルク制限値Ts2limをもって後輪トルクが制限される(図7中の実線を参照)。時刻t1から時刻t2までは、前輪トルクの制限と共に後輪トルクの制限が急激に行なわれるのを防止するためにレート処理がなされる。
以上説明した実施例のハイブリッド自動車20によれば、前輪63a,63bが空転してスリップが発生したときに、スリップを抑制するためのトルク制限値Ts1limをもってスリップ輪としての前輪63a,63b(前軸64)に出力するトルクを制限し、路面勾配Rθが所定勾配Aref未満(平坦路)のときにトルク制限値Ts1limから調整値αを減じて得られるトルク制限値Ts2limをもって非スリップ輪としての後輪66a,66b(後軸67)に出力するトルクを制限するから、路面勾配Rθに拘わらず前輪63a,63bに出力するトルクを制限した分に相当するトルクを後輪66a,66bに分配するものに比して、後輪66a,66bのスリップによる横滑りの発生やいわゆるプッシングアンダーの発生などを抑制でき、車両の走行安定性をより向上させることができる。しかも、路面勾配Rθが所定勾配Aref以上(坂路)のときには後輪66a,66bのトルク制限値Ts2limを最大トルクTmaxに設定して後輪66a,66bのトルク制限を行なわないから、前輪63a,63bのスリップ時における坂路の走行性を向上させることができる。また、後輪66a,66bのトルク制限値Ts2limにレート処理を施すから、前輪63a,63bのスリップの抑制のために前輪63a,63bに出力するトルクが急激に制限されたときに後輪66a,66bに出力されるトルクが過剰に制限されるのを抑制できる。
実施例のハイブリッド自動車20では、エンジン22およびモータMG1,MG2,MG3を、モータMG3により後輪66a,66b(後軸67)に出力可能な最大トルクがエンジン22とモータMG1,MG2とにより前輪63a,63b(前軸64)に出力可能な最大トルクとモータMG3により後軸67に出力可能な最大トルクとの和に対して約20%程度となるよう設計するものとしたが、こうした比率に限定されず、約10%〜40%の比率や他の如何なる比率に設計するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、前輪63a,63bのスリップ時に、路面勾配Rθが所定勾配Aref未満のときには予め設定された所定の調整値αを用いて後輪66a,66bのトルク制限値Ts2limを設定して後輪66a,66bに出力するトルクを制限し、路面勾配Rθが所定勾配Aref以上のときにはトルク制限値Ts2limをモータMG3の最大トルクに対応する最大トルクTmaxに設定して後輪66a,66bに出力するトルクの制限を解除したが、路面勾配Rθに応じた調整値αを設定してこの調整値αを用いてトルク制限値Ts2limを設定するものとしてもよい。この場合、例えば、トルク制限値Ts2limは、路面勾配Rθと調整値αとの関係を予めマップとしてROM74に記憶しておき、路面勾配Rθが与えられるとマップから対応する調整値αを導出し、導出した調整値αに基づいて前述した式(8)により計算されたものを設定することができる。このマップの一例を図8に示す。図示するように、路面勾配Rθが登り勾配として大きいほど小さくなる傾向に調整値αを設定するのは、路面勾配Rθが登り勾配として大きいほど後輪66a,66bの荷重割合が大きくなるから、比較的大きなトルクを後輪66a,66bに分配しても後輪66a,66bのスリップは発生せず車両の走行安定性を確保できることに基づく。これにより、路面勾配Rθに応じて車両の走行安定性と走行性能とを適切にバランスさせることができる。こうした処理は、特に、後輪66a,66bに出力可能な最大トルクが比較的大きな自動車、例えば、モータMG3により後輪66a,66b(後軸67)に出力可能な最大トルクがエンジン22とモータMG1,MG2とにより前輪63a,63b(前軸64)に出力可能な最大トルクとモータMG3により後軸67に出力可能な最大トルクとの和に対して約40〜60%程度となるよう設計されている自動車に対して有効な処理となる。
実施例のハイブリッド自動車20では、トルク制限値Ts2limの急変を防止するためにトルク制限値Ts2limにレート処理を施すものとしたが、なまし処理によるものとしてもよい。また、こうした緩変化処理を施さないものとしても構わない。
実施例のハイブリッド自動車20では、路面勾配Rθとして勾配センサ89により直接検出されたものを用いたが、走行中または停車に至る過程で前軸64および後軸67に出力したトルク(Tv)と車両の加速度(αv)との関係式(Rθ=Tv−K・αv;Kは車重や車輪の径などから定まる係数)から計算されるものを用いるものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、シフトレバー81が前進走行可能なポジションとされて走行しているときに前輪63a,63bにスリップが生じたとき、トルク制限値Ts2limを設定してスリップが生じていない後輪66a,66bに出力するトルクを制限するものとしたが、シフトレバー81が後進走行可能なポジション、即ちRレンジとされて走行しているときに後輪66a,66bにスリップが生じたときでも、スリップが生じていない前輪63a,63bに出力するトルクを制限するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、エンジン22と動力分配統合機構30とモータMG1,MG2とを前軸64に接続し、モータMG3を後軸67に接続したが、エンジン22と動力分配統合機構30とモータMG1,MG2とを後軸67に接続し、モータMG3を前軸64に接続するものとしてもよい。
実施例では、モータMG1からの動力の入出力によりエンジン22からの動力を動力分配統合機構30を介して前輪63a,63bに接続された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力可能なハイブリッド自動車に適用して説明したが、前輪に動力を出力可能な前輪用動力出力装置と後輪に動力を出力可能な後輪用動力出力装置とを備える自動車であれば、如何なるタイプの自動車にも適用することができる。例えば、図9の変形例のハイブリッド自動車120に示すように、動力分配統合機構30とモータMG1に代えて、エンジン22のクランクシャフト26に接続されたインナーロータ132と前輪63a,63bに接続されたアウターロータ134とを有し、電磁的な作用により電力と動力の入出力を伴ってエンジン22の動力の一部を前輪63a,63bに出力する対ロータ電動機130を備える自動車に適用するものとしてもよい。
以上、本発明の実施の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明の一実施例であるハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。 ハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 要求トルク設定用マップの一例を示す説明図である。 エンジン要求パワーPe*から目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定する様子を説明する説明図である。 動力分配統合機構30の共線図の一例を示す説明図である。 ハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される後輪トルク制限値設定処理の一例を示すフローチャートである。 前輪63a,63bにスリップが発生したときに前輪63a,63bに出力する前輪トルクと後輪66a,66bに出力する後輪トルクの時間変化の様子を説明する説明図である。 路面勾配Rθと調整値αとの関係を示すマップである。 変形例のハイブリッド自動車120の構成の概略を示す構成図である。
符号の説明
20,120 ハイブリッド自動車、22 エンジン、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、26 クランクシャフト、28 ダンパ、30 動力分配統合機構、31 サンギヤ、32 リングギヤ、32a リングギヤ軸、33 ピニオンギヤ、34 キャリア、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、41,42,43 インバータ、44,45,46 回転位置検出センサ、50 バッテリ、52 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、54 電力ライン、60 ギヤ機構、62,65 ディファレンシャルギヤ、63a,63b 前輪、64 前軸、66a,66b 後輪、67 後軸、68 ブレーキアクチュエータ、68a 油圧ブレーキ、69 ブレーキECU、69a 車輪速センサ、70 ハイブリッド用電子制御ユニット、72 CPU、74 ROM、76 RAM、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ、89 勾配センサ、130 対ロータ電動機、132 インナーロータ 134 アウターロータ、MG1,MG2,MG3 モータ。

Claims (11)

  1. 前輪と後輪とに動力を出力可能な自動車であって、
    前輪に動力を出力可能な前輪用動力出力手段と、
    後輪に動力を出力可能な後輪用動力出力手段と、
    前輪および/または後輪の空転によるスリップを検出するスリップ検出手段と、
    路面勾配を検出または推定する路面勾配検出推定手段と、
    前記スリップ検出手段により前輪か後輪かのいずれかのスリップが検出されたとき、該スリップが抑制されるよう該スリップが検出された輪としてのスリップ輪に出力する動力の制限値を設定すると共に該設定した制限値に基づいて前記スリップが検出されなかった輪としての非スリップ輪に出力する動力の制限値を設定し、前進走行時に前記スリップ検出手段により前輪のスリップが検出されたとき又は後進走行時に前記スリップ検出手段により後輪のスリップが検出されたときに前記路面勾配検出推定手段により検出または推定された路面勾配が登り勾配として所定勾配未満のときには前記スリップ輪に出力する動力以下に制限されるよう前記非スリップ輪に出力する動力の制限値を設定する動力制限設定手段と、
    該設定された制限値の範囲内で前輪および後輪に要求される要求動力が前輪と後輪とに出力されるよう前記前輪用動力出力手段と前記後輪用動力出力手段とを駆動制御する駆動制御手段と、
    を備える自動車。
  2. 前記動力制限設定手段は、前進走行時に前記スリップ検出手段により前輪のスリップが検出されたとき又は後進走行時に前記スリップ検出手段により後輪のスリップが検出されたときに前記路面勾配検出推定手段により検出または推定された路面勾配が登り勾配として所定勾配以上のときには、前記非スリップ輪に出力する動力の制限を行なわない手段である請求項記載の自動車。
  3. 前記前輪用動力出力手段と前記後輪用動力出力手段は、該後輪用動力出力手段の最大トルクが該前輪用動力出力手段の最大トルクと該後輪用動力出力手段の最大トルクとの和に対して略10ないし40%となるよう設計されてなる請求項1または2記載の自動車。
  4. 前輪と後輪とに動力を出力可能な自動車であって、
    前輪に動力を出力可能な前輪用動力出力手段と、
    後輪に動力を出力可能な後輪用動力出力手段と、
    前輪および/または後輪の空転によるスリップを検出するスリップ検出手段と、
    路面勾配を検出または推定する路面勾配検出推定手段と、
    前記スリップ検出手段により前輪か後輪かのいずれかのスリップが検出されたとき、該スリップが抑制されるよう該スリップが検出された輪としてのスリップ輪に出力する動力の制限値を設定すると共に該設定した制限値に基づいて前記スリップが検出されなかった輪としての非スリップ輪に出力する動力の制限値を設定し、前進走行時に前記スリップ検出手段により前輪のスリップが検出されたとき又は後進走行時に前記スリップ検出手段により後輪のスリップが検出されたときには前記路面勾配検出推定手段により検出または推定された路面勾配が登り勾配として大きいほど前記非スリップ輪に出力する動力の制限が小さくなる傾向に該非スリップ輪に出力する動力の制限値を設定する動力制限設定手段と、
    該設定された制限値の範囲内で前輪および後輪に要求される要求動力が前輪と後輪とに出力されるよう前記前輪用動力出力手段と前記後輪用動力出力手段とを駆動制御する駆動制御手段と、
    を備える自動車。
  5. 前記前輪用動力出力手段と前記後輪用動力出力手段は、該後輪用動力出力手段の最大トルクが該前輪用動力出力手段の最大トルクと該後輪用動力出力手段の最大トルクとの和に対して略40ないし60%となるよう設計されてなる請求項記載の自動車。
  6. 前記動力制限設定手段は、所定の緩変化処理を施して前記非スリップ輪に出力する動力の制限値を設定する手段である請求項1ないし5いずれか1項に記載の自動車。
  7. 請求項1ないし6いずれか1項に記載の自動車であって、
    前記前輪用動力出力手段は、前輪に動力を出力可能な前輪用電動機を有する手段であり、
    前記後輪用動力出力手段は、後輪に動力を出力可能な後輪用電動機を有する手段である
    自動車。
  8. 前記前輪用動力出力手段は、内燃機関と、電力と動力の入出力により前記内燃機関からの動力の少なくとも一部を前輪に伝達可能な動力伝達手段を有する手段である請求項記載の自動車。
  9. 前記後輪用動力出力手段は、内燃機関と、電力と動力の入出力により前記内燃機関からの動力の少なくとも一部を後輪に伝達可能な動力伝達手段を有する手段である請求項記載の自動車。
  10. 前記動力伝達手段は、前記内燃機関の出力軸と車軸に接続された駆動軸と回転軸との3軸に接続され、該3軸のうちのいずれか2軸に入出力される動力が決定されると残余の1軸に入出力される動力が決定される3軸式動力出力手段と、前記回転軸に動力を入出力する発電可能な発電電動機とを有する手段である請求項8または9記載の自動車。
  11. 前記動力伝達手段は、前記内燃機関の出力軸に接続された第1の回転子と車軸に接続された駆動軸に接続された第2の回転子とを有し電磁気的な作用により電力と動力の入出力により前記内燃機関からの動力の少なくとも一部を前記駆動軸に出力する対回転子電動機を有する手段である請求項8または9記載の自動車。
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