JP6135597B2 - 電動車両 - Google Patents

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Description

本明細書が開示する技術は、電動車両に関する。なお、電動車両には、エンジンと共にモータを備えたハイブリッド車や、モータのみを備えた電気自動車が含まれる。燃料電池車も本明細書における電動車両に含まれる。
雪道等で路面が滑りやすくなった場合、タイヤのスリップが発生する場合がある。スリップを回避する車両として、主駆動源の他に補助的な駆動力を出力する補助モータを備えた電動車両が検討されている。主駆動源はモータであってもよいしエンジンであってもよい。例えば特許文献1、2には、通常走行は二輪駆動で走行し、スリップが発生したときに一時的に四輪駆動とすることでスリップを回避する技術が開示されている。即ち、特許文献1と2に開示された電動車両は、走行用の主たる動力源としてのメインモータと、スリップ防止用に一時的に駆動力を発生するサブモータ(補助モータ)を備える。メインモータは前輪と後輪の一方を駆動し、サブモータは他方を駆動する。なお、サブモータは、スリップ防止だけでなく、急勾配登坂時、加速時など、車両の駆動力を一時的に増大させたい場合にも用いられる。
以下、主駆動源であるメインモータに電力を供給するインバータをメインインバータと称し、サブモータ(補助モータ)に電力を供給するインバータをサブインバータと称する。サブモータとサブインバータは、一時的な駆動源であるため、メインモータとメインインバータほどには熱対策が施されていない。しかしながら、酷使すれば発熱により過度に温度が上昇することが起こり得る。なお、一般的にモータよりもインバータ(即ちスイッチング素子)の方が耐熱性が厳しい。そこで、以下ではサブインバータの熱対策について説明する。
特許文献1には、スリップ発生時に限られないが、サブインバータの過度の温度上昇を抑制するための技術が開示されている。特許文献1の電動車両は、サブインバータの温度が上昇しやすい状況である場合、サブインバータの出力の上限値を下げる。サブインバータの温度が上昇しやすい状況とは、外気温が高く、サブインバータの温度が低下し難い状況である。サブインバータの出力の上限値を下げることにより、サブインバータは過度な温度上昇から保護される。
サブインバータの出力の上限値を下げることは、サブモータのトルクを制限することに対応する。サブモータのトルクを制限すると、スリップが発生した場合にスリップを回避するのに必要なトルクが出力されない虞がある。特許文献2には、サブインバータの温度が閾値を超えていたらサブモータの出力を制限するが、スリップが発生している場合には、サブモータの出力制限を緩和若しくは解除する技術が開示されている。なお、特許文献2の技術では、速やかな熱保護が必要な程にサブインバータの温度が高くなったらスリップ時における出力も制限する。
特開2013−129299号公報 特開2005−312187号公報
本明細書は、主駆動源による二輪駆動の車両を一時的に四輪駆動化することのできるサブモータ(補助モータ)を備えた電動車両に関し、特許文献1や2の技術とは異なるアプローチで、スリップ抑制とサブインバータの過度の温度上昇抑制を両立する技術を提供する。
スリップし易い状況においてはスリップが発生する前から予めサブモータを駆動して四輪駆動状態にしておくのがよい。スリップが発生する前に所定のトルクでサブモータを駆動させておくことにより、スリップの発生頻度を少なくすることができる。サブモータは、上記のトルクとは別に、スリップが発生した時に、スリップを止めるために必要なトルクを出力する。
本明細書が開示する電動車両においても、サブインバータ(補助モータ用のインバータ)の温度が閾値温度を超えると、部品保護のためトルクを制限する。本明細書では、スリップが発生する前から予めサブモータが出力すべきトルクを第1要求出力(第1要求トルク)と称し、スリップが発生した時に出力するトルクを第2要求出力(第2要求トルク)と称する。別言すると、第1要求出力は、スリップ予防のためのトルクであり、第2要求出力は、発生したスリップを止めるためのトルクである。第1要求出力は、例えば運転者のスイッチ操作により出力される。あるいは、第1要求出力は、外気温がゼロ度を下回った場合に自動的に出力されるものであってもよい。本明細書では、第1要求出力と第2要求出力の出力を併せてスリップ制御と称する。
本明細書が開示する技術は、サブインバータの温度が上昇した際、第1要求出力を優先して制限する。これにより、スリップが発生したときのサブインバータの温度をできるだけ低い状態に保つようにする。即ち、発生したスリップを止めるべきときのサブインバータの温度余裕を確保する。温度余裕を確保することによって、スリップを止めるべきときに当初の予定通りのトルクを出力しても、サブインバータの温度が過度に上昇することが回避される。こうして、スリップ抑制とサブインバータの温度上昇抑制の両立が図られる。
本明細書が開示する電動車両は、二輪駆動と四輪駆動を選択可能な電動車両である。電動車両は、前輪と後輪の一方を駆動する主駆動源と、前輪と後輪の他方を駆動するサブモータ(補助モータ)と、サブモータに電力を供給するサブインバータを備えている。この電動車両は、通常は主駆動源により二輪駆動で走行する。スリップし易い路面を走行する場合にはサブモータを駆動して一時的に四輪駆動で走行することができる。スリップし易い路面を走行する場合にはサブモータを駆動することがスリップ制御に相当する。電動車両のコントローラは、スリップ制御において次の第1要求出力と第2要求出力を決定する。第1要求出力は、スリップが発生していない間にサブモータが出力するべき出力トルクである。また、第2要求出力はスリップの発生を検知した場合にサブモータが出力するべき出力トルクである。コントローラは、第1要求出力の上限値である第1上限値を決定し、第2要求出力の上限値である第2上限値を決定する。そして、コントローラは、サブインバータの温度が第1閾値温度より大きい場合に、第1上限値を下げる。さらに、コントローラは、サブインバータの温度が第2閾値温度より大きい場合に、第2上限値を下げる。第2閾値温度は第1閾値温度より大きな値に設定されている。また、第2要求出力は、第1要求出力より大きい。第2上限値は、第1上限値より大きい。
このような構成によれば、スリップ発生前のサブインバータの負荷が下がり、サブインバータの温度上昇が抑えられる。また、スリップ前のサブインバータの温度上昇が抑えられることにより、サブインバータの温度が第1閾値温度より高い第2閾値温度まで上昇するまでに余裕が生じる。即ち、第2上限値を保持しつつ第1上限値を下げることで、第2要求出力(スリップが発生した時に出力するべき出力トルク)を制限せずとも、サブインバータの過度の温度上昇を抑制できる。即ち、サブインバータの過度の温度上昇とスリップ抑制の両立が図られる。なお、サブインバータの温度が第2閾値温度より高くなった場合、即ち、速やかな負荷制限が必要なほどにサブインバータの温度が上昇した場合には、スリップ時のサブモータの出力トルクも制限する。
なお、サブモータにはサブインバータから電力が供給されるので、サブインバータの負荷を下げることは、サブモータの負荷を下げることに相当する。従って、サブモータの温度をサブインバータの温度と等価なパラメータとみなして第1要求出力及び第2要求出力の制限を判断してもよい。
本明細書が開示する技術によれば、二輪駆動車を一時的に四輪駆動化するサブモータ(補助モータ)を有する電動車両において、発生したスリップを止めるのに必要なサブモータのトルクをできるだけ制限せずに、サブインバータの過度の温度上昇を抑えることができる。本明細書が開示する技術の詳細とさらなる改良は以下の「発明を実施するための形態」にて説明する。
実施例の電動車両(ハイブリッド車)の電力系のブロック図である。 スリップの有無に関わらずリアモータを駆動する一連の処理を示すフローチャートである。 スリップが発生した時にリアモータを駆動する一連の処理を示すフローチャートである。 図4(A)は、リアインバータの温度と第1上限値の関係を示すグラフである。図4(B)は、リアインバータの温度と第2上限値の関係を示すグラフである。 リアインバータの温度に応じて出力トルクの上限値を下げる一連の処理を示すフローチャートである。
図面を参照して実施例の電動車両を説明する。図1に、電動車両(ハイブリッド車200)の電力系のブロック図を示す。図1に示すように、ハイブリッド車200は、前輪7を駆動するための三相交流モータであるフロントモータ3及びエンジン4を備えている。フロントモータ3及びエンジン4からの出力トルクは、動力分配機構5により合成され、デファレンシャルギア6を介して前輪7に伝達される。なお、動力分配機構5は、エンジン4の出力トルクを前輪7とフロントモータ3に分配する場合もある。その場合、ハイブリッド車200は、エンジン4の動力で走行しつつ、フロントモータ3で発電する。発電された電力は、バッテリ16に充電される。
また、ハイブリッド車200は、後輪13を駆動するための三相交流モータであるリアモータ9を備えている。ハイブリッド車200は、通常はフロントモータ3とエンジン4の駆動力で二輪駆動で走行する。即ち、フロントモータ3とエンジン4が主駆動源である。リアモータ9は補助的な駆動源であり、メインの駆動源の一つであるフロントモータ3と比較して出力が小さい。例えば、フロントモータ3の最大出力は50kWであり、リアモータ9の最大出力は5kWである。ハイブリッド車200は、通常はエンジン4とフロントモータ3で走行し、必要に応じてリアモータ9を補助的かつ一時的に駆動する。例えばハイブリッド車200は、雪道で滑り易い時にリアモータ9を駆動し、四輪駆動で走行する。
バッテリ16に蓄えられた電力は、フロントインバータ2により直流電力から交流電力に変換され、フロントモータ3に供給される。フロントインバータ2は、バッテリ16の直流電力の電圧を昇圧する電圧コンバータ回路と、昇圧後の直流電力を交流電力に変換するインバータ回路を内蔵している。なお、電圧コンバータ回路は、フロントモータ3からの回生電力を降圧してバッテリ16に充電するための降圧回路として機能する場合もある。また、バッテリ16に蓄えられた電力は、リアインバータ12により直流電力から交流電力に変換され、リアモータ9にも供給される。リアモータ9はフロントモータ3と比較して出力が小さく、その定格電圧はバッテリ16の出力電圧と等しい。それゆえ、リアインバータ12は、フロントインバータ2と異なり、電圧コンバータ回路は備えない。フロントインバータ2とリアインバータ12は中継器15によりバッテリ16と並列に接続される。フロントインバータ2及びリアインバータ12は夫々中継器15とパワーケーブル8、14によりバッテリ16に接続されている。
また、ハイブリッド車200は、コントローラ17を備えている。コントローラ17は、ハイブリッド車200の走行状況に応じて、リアインバータ12を制御する。コントローラ17は、特に、スリップが生じ易い走行状況であることを検知すると、後述するスリップ制御を実行し、車両のスリップを回避する。コントローラ17は、後述する一連の処理を実行することにより、ハイブリッド車200のスリップを予防するとともに、スリップを検知した場合には速やかにこれを止めることができる。
ハイブリッド車200は、各種センサを備えている。ハイブリッド車200は、リアインバータ12の温度を計測する温度センサ21を備えている。リアインバータ12には大きな電流が流れる。特に、リアインバータ12に備えられているスイッチング素子(トランジスタ)に大きな電流が流れることで、スイッチング素子が発熱する。温度センサ21は、リアインバータ12内部のスイッチング素子の温度を計測するように、スイッチング素子に隣接して設置される。なお、フロントインバータ2にも同様に温度センサが設置されるが、図1では図示を省略している。
また、ハイブリッド車200は、前輪7と後輪13の回転数を検知する回転数センサ19を備えている。ハイブリッド車200は、通常は前輪による二輪駆動で走行する。そのため、スリップが発生すると後輪に比べて前輪が大きく回転することになる。コントローラ17は、回転数センサ19により計測された前輪と後輪の回転数の差から、スリップの有無を検知する。即ち、ハイブリッド車200は、スリップを検知する手段を備えている。
また、ハイブリッド車200は、車両前後方向の傾斜角度、即ち、ハイブリッド車200が走行している路面の勾配を計測する勾配センサ22を備えている。さらに、ハイブリッド車200は、外気温を計測する気温センサ23を備えている。
コントローラ17は、回転数センサ19、勾配センサ22、及び、気温センサ23のセンサデータからリアモータ9の出力すべきトルク(要求出力)を決定し、その要求出力をリアインバータ12に指令する。コントローラ17は、他にも、アクセル開度が100%の場合に走行トルクを一時的に増すように要求出力を決定するが、ここでは、スリップ回避のために決定される要求出力について説明する。
コントローラ17は、スリップ制御として、2種類の要求出力を決定する。一つは、勾配と外気温から決定される第1要求出力であり、もう一つは、前後輪の回転数差により決定される第2要求出力である。なお、第1及び第2要求出力には夫々に上限値が設けられており、コントローラ17は夫々の上限値も調整する。第1要求出力に対する上限値(第1上限値)は、第2要求出力に対する上限値(第2上限値)よりも小さい。第1要求出力は、スリップの有無に関わらずに決定される。第2要求出力は、スリップを検出したときに決定される。なお、第1要求出力と第2要求出力は異なるルールで決定され、同時にリアインバータ12に指令されることがある。ただし、リアインバータ12は、第1要求出力と第2要求出力が同時に与えられた場合には、第1要求出力は無視し、第2要求出力を採用する。従って別言すれば、第1要求出力はスリップが発生していない間にリアモータ9が出力すべきトルクであり、第2要求出力はスリップを検知したときにリアモータ9が出力すべきトルクである。また、別言すれば、第1要求出力はスリップ発生を予防するための出力トルクであり、第2要求出力は発生したスリップを止めるための出力トルクである。
図2、図3を参照して、リアモータ9を駆動する処理について説明する。図2は、スリップの発生前にリアモータを駆動する一連の処理示すフローチャートである。即ち、スリップ発生を予防するために、予めリアモータ9を駆動しておく一連の処理である。図3は、スリップが発生した場合にリアモータ9を駆動する一連の処理を示すフローチャートである。図2と図3の処理は、それぞれ独立に、走行時に所定の間隔で繰り返し実行される。図2の処理は、概説すると、勾配の絶対値が所定の大きさよりも大きく、かつ、外気温度が所定の温度よりの低い場合にリアモータ9に出力させるトルク(第1要求出力)を決定する処理である。別言すれば、図2の処理は、スリップが発生し易いと判断された走行状況下にてスリップ発生を予防するための要求出力を算出する処理である。なお、図2の処理は、外気温に関わらずに、上り勾配が所定の閾値よりも大きいときに主駆動源(エンジン4とフロントモータ3)だけでは出力トルクが不足すると判定されたときにも実行される。しかし、ここでは、スリップ制御に着目して説明するので、図2の処理は、上記概説の通りである。
先ず、図2のフローチャートについて説明する。コントローラ17は、勾配センサ22により路面勾配を計測し、気温センサ23により外気温を計測する(S1)。コントローラ17は、勾配が所定の閾値勾配より大きく、外気温が所定の閾値温度より低い場合、スリップが発生し易い環境でハイブリッド車200が走行していると判断する。そして、コントローラ17は、勾配と外気温から、リアモータ9が出力するべき出力トルクである第1要求出力を算出する(S2)。この第1要求出力は、スリップが発生しているか否かに関わらずリアモータ9が出力するべき出力トルクである。ただし、先に述べたように、リアインバータ12は、第1要求出力と、スリップ時に算出される第2要求出力(後述)が同時に与えられた場合には、第1要求出力は無視し、第2要求出力を採用する。即ち、第1要求出力は、スリップしていない間にリアモータ9が出力すべきトルクである。コントローラ17は、リアインバータ12の温度に応じて第1要求出力の上限値である第1上限値を決定する(S3)。第1上限値とリアインバータ12の温度の関係については後述する。第1要求出力が第1上限値よりも小さい場合(S4:YES)、コントローラ17は、リアインバータ12に第1要求出力でリアモータ9を駆動するように指令を出す(S5)。リアインバータ12は、第1要求出力からリアモータ9に出力するべき出力電流を算出し、リアモータ9に供給する。また、第1要求出力が第1上限値よりも大きい場合(S4:NO)、コントローラ17は、リアインバータ12に第1上限値でリアモータ9を駆動するように指令を出す(S6)。リアインバータ12は、第1要求出力と同様に、第1上限値からリアモータ9に出力するべき出力電流を算出し、リアモータ9に供給する。
この処理は、前述したように、スリップが発生しやすい走行環境において、スリップが発生する前に、リアモータ9を駆動する処理である。即ち、ハイブリッド車200は、スリップが発生し易い走行環境であると判定すると、自動的に四輪駆動化し、スリップを予防する。
次に、図3のフローチャートについて説明する。処理の開始とともに、コントローラ17は、回転数センサ19から前輪と後輪の回転数の差NDを算出する(S11)。そして、回転数の差NDが所定の閾値回転数差ND1より大きい場合(S12:YES)、コントローラ17は、タイヤのスリップが発生したと判断して、スリップを止めるためにリアモータ9が出力するべき出力トルクである第2要求出力を算出する(S13)。コントローラ17は、リアインバータ12の温度に応じて第2要求出力の上限値である第2上限値を決定する。第2上限値とリアインバータ12の温度の関係については後述する(S14)。第2要求出力が第2上限値よりも小さい場合(S15:YES)、コントローラ17は、リアインバータ12に第2要求出力でリアモータ9を駆動するように指令を出す(S16)。リアインバータ12は、第2要求出力からリアモータ9に出力するべき出力電流値を算出し、リアモータ9に供給する。また、第2要求出力が第2上限値よりも大きい場合(S15:NO)、コントローラ17は、リアインバータ12に第2上限値でリアモータ9を駆動するように指令を出す(S16)。リアインバータ12は、第2要求出力と同様に、第2上限値からリアモータ9に出力するべき出力電流値を算出し、リアモータ9に供給する。なお、先に述べたように、図2のフローチャートのステップS5、S6の処理による第1要求出力(あるいは第1上限値)が、ステップS16、S17の処理による第2要求出力(あるいは第2上限値)と同時にリアインバータ12に与えられている場合、リアインバータ12は、第1要求出力(あるいは第1上限値)を無視し、第2要求出力(あるいは第2上限値)に従ってリアモータ9を駆動する。一方、回転数の差NDが所定の閾値回転数差ND1より小さい場合(S17:NO)、タイヤのスリップは発生していないと判断され、処理は終了する。図3のS16とS17の処理により、発生したスリップが速やかに解消される。
リアモータ9が出力する出力トルクには、部品保護のため上限値が設定される。この上限値は、リアモータ9及びリアインバータ12の設計仕様により設定される。この上限値は一定の値ではなく、リアインバータ12の温度に応じて設定される。図4(A)は、リアインバータ12の温度と第1要求出力の上限値である第1上限値の関係を示すグラフである。図4(A)に示すように、リアインバータ12の温度が低い場合、第1上限値は値F1に維持される。リアインバータ12の温度が所定の第1閾値温度T1より大きくなると、第1上限値は温度の上昇と共に下がる。例えば、図4(A)に示すように、温度T1から温度T1+10(℃)の間では、第1上限値が一定の割合で温度の上昇と共に下がる。リアモータ9の出力トルクの上限値を下げることは、リアインバータ12の出力の上限値を下げることに相当する。よって、上記のように、リアインバータ12の温度に応じて第1上限値を設定することにより、リアインバータ12の負荷に応じて、部品保護のためにリアインバータ12の出力を下げる。また、図4(B)は、リアインバータ12の温度と第2要求出力の上限値である第2上限値の関係を示すグラフである。第1上限値と同様に、リアインバータ12の温度が所定の第2閾値温度T2より大きくなると、第2上限値は値F2から温度の上昇と共に下がる。つまり、リアインバータ12の温度に応じて第2上限値を設定することにより、リアインバータ12の負荷に応じて、部品保護のためにリアインバータ12の出力を下げる。なお、第2上限値F2の方が第1上限値F1よりも大きい。これは、前輪(主駆動源により駆動される車輪)に発生したスリップを止めるために後輪が出力すべきトルクは、予防のために後輪が出力すべきトルクよりもはるかに大きいからである。
図5を参照して、リアインバータ12の温度に応じて出力トルクの上限値を下げる一連の処理を説明する。図5は、その一連の処理を示すフローチャートである。図5に示す一連の処理は、図2、図3に示す一連の処理とは独立して走行時に所定の間隔で繰り返し実行される。
コントローラ17は、図4(A)、(B)に示す温度と上限値の関係を記憶している。先ず、コントローラ17は、温度センサ21によりリアインバータ12の温度を計測する(S21)。そして、リアインバータ12の温度が所定の第1閾値温度T1より大きい場合(S22:YES)、コントローラは、図4(A)の関係に従って、第1要求出力の上限値である第1上限値を値F1より低い値に下げる(S23)。一方、リアインバータ12の温度が第1閾値温度T1より小さい場合(S22:NO)、第1上限値は、図4(A)に示す値F1に維持され、処理が終了する。
さらに、コントローラ17は、ステップS23からステップS24に進む。リアインバータ12の温度が所定の第2閾値温度T2より大きい場合(S24:YES)、コントローラは、図4(B)の関係に従って、第2要求出力の上限値である第2上限値を値F2より低い値に下げる(S25)。一方、リアインバータ12の温度が所定の第2閾値温度T2より小さい場合(S24:NO)、第2上限値は、図4(B)に示す値F2に維持され、処理が終了する。
図4に示すように、第2閾値温度T2は第1閾値温度T1より大きい値である。リアインバータ12の温度は、負荷の高まりにより徐々に上昇する。そのため、ステップS23の処理は、ステップS25の処理よりも先に実施される。したがって、リアインバータ12の温度が第1閾値温度T1より上昇した場合、第1要求出力が先に制限され、スリップが発生していない間のリアインバータ12の負荷が軽減される。リアインバータ12の負荷が軽減されることで、リアインバータ12の温度が第2閾値温度T2まで上昇するまでに余裕が生じる。リアインバータ12の温度が第2閾値温度T2まで上昇しなければ、スリップ時に出力される第2要求出力は制限されない。よって、図5に示す一連の処理を実施することにより、スリップが発生した時に第2要求出力を制限せずに済む期間が長くなる。
実施例で説明した技術の利点を説明する。図3−図5に示した処理の全体がスリップ制御に相当する。このスリップ制御は、リアモータ9を作動させ、車両を四輪駆動化することで実現される。リアモータ9の出力トルクには2種類の意味がある。一つは、スリップ発生を予防する第1要求出力であり、もう一つは、発生したスリップを止めるための第2要求出力である。実施例のハイブリッド車200は、路面傾斜と外気温度からスリップが発生し易い走行状況を検知し、自動的に第1要求出力を出力するようにプログラムされている。リアモータ9が第1要求出力を出力し、車両が四輪駆動化すると、スリップが生じ難くなり、ドライバビリティが向上する。第1要求出力ではスリップを予防することができずにスリップが発生すると、リアモータ9は、第1要求出力よりも大きい第2要求出力を出力し、スリップを速やかに止める。
第1要求出力は、スリップし易い走行状況が続くかぎり出力され続ける。従って、第1要求出力を出力し続けているとリアインバータ12の温度が上昇する。スリップ発生前にリアインバータ12の温度が上がり過ぎると、スリップ発生時、部品の熱保護のために第2要求出力を制限しなくてはならない状況になり易い。そこで、実施例のハイブリッド車200は、第2要求出力を制限するのに先立って第1要求出力を制限し、スリップ発生前のリアインバータ12の温度上昇を抑える。そうすることで、スリップ発生時の第2要求出力の制限を先延ばしにする。なお、第1要求出力を制限することで、スリップ発生の頻度(確率)は高まるが、第2要求出力を制限せずに出力することができるので、スリップは発生毎に速やかに解消することができる。
変形例について説明する。ハイブリッド車200は、回転数センサ19に加えて、スリップを検知するためのセンサとして、ヨーレートセンサを備えてもよい。ヨーレートセンサはジャイロセンサの一種であり、ヨーレートセンサによりハイブリッド車200のヨー角の速度(ヨー角速度)が計測される。ヨー角とは、ハイブリッド車200の重心を通る鉛直軸周りの回転角のことである。コントローラ17は、ヨー角速度を積分することでヨー角を算出する。コントローラ17は、算出したヨー角とハンドルの舵角の差から、ハイブリッド車200がヨー角方向にスリップしているか否かを検知することができる。このヨーレートセンサによりヨー角方向のスリップを検知することで、スリップを検知する精度を高めることができる。
また、図5に示す一連の処理において、ステップS22、S24では、リアインバータ12の温度で判断していたが、リアインバータ12の近似温度として、リアモータ9の温度を採用してもよい。
「リアモータ9」が「補助モータ」の一例である。また、「フロントモータ3とエンジン4」が「主駆動源」の一例である。
以下、実施例で示した技術に関する留意点を述べる。実施例における制御アルゴリズムをまとめると次の通りである。ハイブリッド車200のコントローラ17は、次のスリップ制御を実行する。コントローラ17は、スリップし易い走行状況であると判断すると、スリップが発生していない間は第1要求出力をリアモータ9に出力させ、スリップ発生を検知すると、第1要求出力よりも大きい第2要求出力をリアモータ9に出力させる。そして、コントローラ17は、リアモータ9のインバータ12の温度が第1閾値温度より大きい場合に、第1要求出力の上限値を下げる。さらに、コントローラ17は、インバータの温度が第1閾値温度より大きな値である第2閾値温度より大きい場合に、第2要求出力の上限値を下げる。コントローラ17は、「スリップが発生ステップし易い走行状況」を、少なくとも外気温度に基づいて判定する。
実施例の技術は、通常はリアに備えられたリアモータで二輪駆動で走行し、フロントに備えられたフロントモータ及を使って一時的に四輪駆動で走行する電動車両に採用することも好適である。また、実施例の技術は、ハイブリッド車だけでなく、モータのみを備えた電気自動車に採用することも好適である。さらに、主駆動源はエンジンだけであってもよい。
また、実施例では、車両の走行環境を判断するのに、外気温と路面勾配を利用したが、それ以外の情報を利用してもよい。例えば、図3に示す一連の処理において、スリップが発生した回数を利用してもよい。様々な情報を組み合わせることで、車両の走行環境を判断する精度が向上する。
実施例のハイブリッド車では、車両がスリップし易い路面を走行中であることを判定して自動的にスリップ制御を実行する。スリップ制御は、ドライバによるスイッチ操作で実行されるものであってもよい。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
2:フロントインバータ
3:フロントモータ
4:エンジン
5:動力分配機構
6:デファレンシャルギア
7:前輪
8、14:パワーケーブル
9:リアモータ(補助モータ)
12:リアインバータ
13:後輪
15:中継器
16:バッテリ
17:コントローラ
19:回転数センサ
21:温度センサ
22:勾配センサ
23:気温センサ
T1:第1閾値温度
T2:第2閾値温度

Claims (1)

  1. 前輪と後輪の一方を駆動する主駆動源と、
    前記主駆動源の駆動力を補助するモータであって前輪と後輪の他方を駆動する補助モータと、
    前記補助モータに電力を供給するインバータと、
    前記補助モータを駆動して車両のスリップを抑制するスリップ制御を実行するコントローラと、を備えており、
    前記スリップ制御において前記コントローラは、
    スリップが発生してしない間に前記補助モータが出力するべき第1要求出力とスリップの発生を検知した場合に前記補助モータが出力するべき第2要求出力であって、前記第1要求出力より大きい第2要求出力を決定して前記インバータに供給し、
    前記インバータの温度が第1閾値温度より大きい場合に、前記第1要求出力の第1上限値を下げ、前記インバータの温度が前記第1閾値温度より大きな値である第2閾値温度より大きい場合に、前記第2要求出力の第2上限値であって、前記第1上限値より大きい第2上限値を下げる、
    ことを特徴とする電動車両。
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