JP2012120380A - バッテリ充放電制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ハイブリッド電気自動車のバッテリ充放電制御装置に関し、登坂路走行時に、バッテリの温度上昇に起因したバッテリの充放電電流の抑制を不要にできるようにする。
【解決手段】エンジン1と電動発電機4とバッテリ40とをそなえ、車両前方道路状況を取得する手段60と、車両前方の道路状況に基づいて車両前方に登坂路があるか否かを判定する手段30aと、登坂路ありと判定したら、バッテリ温度と、電動発電機4の走行用トルクを利用して登坂路の区間を走行した場合のバッテリ温度上昇分とから、登坂路走行後のバッテリ40の登坂後温度を推定し、登坂後温度がバッテリ40の上限温度を超える場合に、充放電制限によって登坂後温度を上限温度まで低下させるのに必要な車両の走行距離を算出し、車両が登坂路開始点まで走行距離分だけ手前に接近した段階でバッテリ40の充放電制限によってバッテリ温度を低下させる制御手段30eとを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、ハイブリッド電気自動車に用いるバッテリ充放電制御装置に関するものである。
近年、自動車の走行駆動源として、内燃機関(以下、エンジンとも言う)と電動発電機(以下、電動モータ、又は単に、モータとも言う)とを搭載したハイブリッド電気自動車が実用化されている。このハイブリッド電気自動車では、電動モータの力行時の電力供給のためや、モータの回生制動時の発電電力による充電(エネルギ回収)を行なうために、バッテリが装備される。特に、モータの回生電力によるバッテリの充電は、燃費向上に寄与する。
このようなバッテリには、リチウムイオン電池等の二次電池が用いられるが、リチウムイオン電池等、二次電池の多くは、大電流で放電した場合には発熱を生じる。一方、充電した場合には吸熱反応を生じるが、自動車に搭載されるバッテリの場合は、通常、単電池を多数直列に接続した電池群(電池パック)として構成しているので、単電池以外の他の直列接続を行なうための金属部が発熱を生じる可能性がある。繰り返し大きな充放電電流を流した場合には、電池群を構成する各単電池の温度が連続的に上昇してしまう。
かかる二次電池は、過剰に放電したり過剰に充電したりする場合だけでなく、高温で連続的に使用される場合に、劣化が加速する。
このため、このような二次電池に対しては、その充電量(SOC:State Of Charge)が所定の範囲に維持されるように制御するだけでなく、その温度状態が過剰に高温にならないように制御することが必要になる。
これに関し、特許文献1には、電池群(電池パック)に流れる充放電電流から電池群を構成する各単電池の所定時間経過後の発熱量を推定し、この推定した発熱量が予め定められた設定値を越えるか否かを判断し、設定値を越えると判断したときには、電池群に流れる充放電電流を抑制して、使用中の単電池の温度上昇を抑制し、その結果として発熱による単電池の劣化を防止する技術が提案されている。
特開2009−81958号公報
ところで、ハイブリッド電気自動車の場合、エンジンを運転すると共に電動モータを力行運転することにより大きな駆動トルクを得ることができる。登坂路を走行する際には、大きな車両駆動トルクが必要になるが、このようにエンジンと電動モータとを共に利用して車両を走行駆動することにより、大きな車両駆動トルクが得られ、車速の低下を招くことなく走行することができる。
また、観点を変えれば、電動モータの駆動トルクの分だけ、エンジンの駆動トルク負担を軽減することができ、エンジンの運転状態を最良燃費点に近づけることができる。これにより、エンジンの燃料消費を節約することができる。
特に、積荷や乗員によって車重が大きく増大するトラックやバス等の大型商用車の場合、大きな車両駆動トルクが得られることや、エンジンの燃料消費を低減できることは、営業運転の観点からもメリットが大きい。
ところが、登坂路を走行する際に、上述のように、バッテリの温度が高くバッテリの温度上昇を抑制するために、バッテリの充放電電流を抑制或いは規制しなくてはならない場合が考えられる。この場合には、電動モータを力行運転することによる出力トルクを抑制すべき状況や、モータトルクを発生させること自体ができない状況が考えられ、車速の低下を招いたり、エンジンの駆動トルク負担の増大による燃料消費の増大を招いたりしてしまう。特許文献1等の従来技術では、このような課題に関する対策はなされていない。
本発明は、かかる課題に鑑み創案されたものであり、登坂路を走行する際に、バッテリの温度上昇に起因したバッテリの充放電電流の抑制を不要にすることができるようにした、バッテリ充放電制御装置を提供することを目的としている。
上記の目的を達成するために、本発明のバッテリ充放電制御装置は、車両の走行用トルクを出力しうるエンジンと、前記車両の走行用トルクを出力しうると共に前記エンジンの駆動による発電及び制動時のエネルギ回生による発電が可能な電動発電機と、前記電動発電機による発電電力によって充電可能なバッテリと、をそなえたハイブリッド電気自動車に装備され、前記バッテリの温度を検出するバッテリ温度検出手段と、前記車両の前方の道路状況を取得する道路状況取得手段と、前記道路状況取得手段により取得された前記車両前方の道路状況に基づいて、前記車両の前方に登坂路があるか否かを判定する登坂路判定手段と、前記登坂路判定手段が登坂路ありと判定したら、前記バッテリ温度検出手段により検出された前記バッテリの温度と、前記バッテリの電力を用いて作動する前記電動発電機の走行用トルクを利用して前記登坂路の区間を走行した場合の前記バッテリの温度上昇分とから、前記登坂路走行後の前記バッテリ温度である登坂後温度を推定する登坂後温度推定手段と、登坂後温度算出手段により算出された前記登坂後温度が前記バッテリの上限温度を超える場合に、前記バッテリの充放電制限によって前記登坂後温度を前記上限温度まで低下させるのに必要な前記車両の走行距離を算出する必要走行距離算出手段と、前記必要走行距離算出手段により前記走行距離が検出されたら、前記車両が前記登坂路の開始点まで前記走行距離分だけ手前に接近した段階で前記バッテリの前記充放電制限によって前記バッテリの温度を低下させる制御手段と、を備えていることを特徴としている。
前記バッテリの充電量を検出するバッテリ充電量検出手段を更に備え、前記制御手段は、前記バッテリ充電量検出手段により検出された前記充電量が所定充電量未満の場合には、前記バッテリの放電を制限すると共に前記バッテリの充電を前記バッテリの温度が前記上限温度よりも高くなった場合には制限し、前記充電量が前記所定充電量以上の場合には、前記バッテリの温度が前記上限温度よりも高くなれば前記バッテリの前記充放電制限によって前記バッテリの温度を低下させ、前記バッテリの温度が前記上限温度よりも高くなくても、前記必要走行距離算出手段により前記走行距離が算出されたら、前記車両が前記登坂路の開始点まで前記走行距離分だけ手前に接近した段階で前記バッテリの前記充放電制限によって前記バッテリの温度を低下させることが好ましい。
前記車両の車速を検出する車速検出手段を備え、前記制御手段は、前記車速検出手段により検出された前記車速と、前記道路状況取得手段により取得された前記前方の道路状況とに基づいて、前記電動発電機の出力トルクを用いて前記登坂路を走行する際に前記電動発電機に発生する発熱量を求めて、この発熱量に基づいて前記温度上昇分を算出することが好ましい。
前記バッテリを冷却するバッテリ冷却手段を備え、前記バッテリの前記充放電制限時には、前記バッテリ冷却手段の冷却によって前記バッテリの温度を低下させることが好ましい。
本発明のバッテリ充放電制御装置によれば、車両の前方に登坂路がある場合、検出されたバッテリの温度と、バッテリ電力を用いて作動する電動発電機の走行用トルクを利用して登坂路の区間を走行した場合のバッテリの温度上昇分とから、登坂路走行後のバッテリ温度(登坂後温度)を推定し、推定された登坂後温度がバッテリの上限温度を超える場合に、バッテリの充放電制限によって登坂後温度を上限温度まで低下させるのに必要な車両の走行距離を算出し、車両が登坂路の開始点まで走行距離分だけ手前に接近した段階でバッテリの充放電制限によってバッテリの温度を低下させる。
したがって、車両が登坂路に進入したら、バッテリ電力を用いて作動する電動発電機の走行用トルクを利用して走行させても、登坂路の区間を走行した後、登坂後温度がバッテリの上限温度を超えることはなく、バッテリの温度を上限温度以内に管理しながらも、エンジンと電動発電機とを共に利用して車両を走行駆動することにより、大きな車両駆動トルクが得られ、登坂路における車速の低下を防止することができる。
また、電動発電機による駆動トルクの分だけ、エンジンの駆動トルク負担を軽減することができ、エンジンの燃料消費を節約することができる。
特に、積荷や乗員によって車重が大きく増大するトラックやバス等の大型商用車の場合、大きな車両駆動トルクが得られることや、エンジンの燃料消費を低減できることは、営業運転の観点からもメリットが大きい。
また、バッテリの充電量が、所定充電量未満の場合には、登坂路走行時にバッテリの放電を許容できるようにするよりもバッテリの充電量の回復が急務であり、この場合には、バッテリの放電を制限すると共にバッテリの充電をバッテリの温度が上限温度よりも高くなった場合に制限するので、バッテリの充電がバッテリの温度が上限温度に上昇するまでは制限されず、バッテリの温度を管理しながらその充電量を回復させることができる。
車速と車両前方の道路状況とに基づいて、電動発電機の出力トルクを用いて登坂路を走行する際に電動発電機に発生する発熱量を求めて、この発熱量に基づいて温度上昇分を算出すれば、登坂路において電動発電機を利用して車両を走行駆動した場合にもバッテリの温度が過剰に上昇しないようにより確実に管理することが可能になる。
前記バッテリを冷却するバッテリ冷却手段を備えれば、バッテリの充放電制限時には、バッテリ冷却手段の冷却によってバッテリの温度を積極的に低下させることができ、バッテリ冷却手段の冷却性能が高いほど、バッテリの充放電を制限する走行距離を低下させることができる。
本発明の一実施形態にかかるバッテリ充放電制御装置が適用されるハイブリッド電気自動車の動力系の構成図である。 本発明の一実施形態にかかるバッテリ充放電制御装置による制御を説明するタイムチャートである。 本発明の一実施形態にかかるバッテリ充放電制御装置による制御を説明するフローチャート(メインルーチン)である。 本発明の一実施形態にかかるバッテリ充放電制御装置による制御を説明するフローチャート(サブルーチン)である。 本発明の一実施形態にかかるバッテリ充放電制御装置による制御を説明するフローチャート(サブルーチン)である。
以下、図面を用いて本発明の実施形態を説明する。
図1は本実施形態にかかるハイブリッド電気自動車の動力系の構成図、図2は本バッテリ充放電制御装置による制御を説明するタイムチャート、図3〜図5は本バッテリ充放電制御装置による制御を説明するフローチャートである。これらの図を参照して説明する。
〔動力系の構成〕
まず、本実施形態にかかるバッテリ充放電制御装置が適用されるハイブリッド電気自動車の動力系の構成を説明する。
本実施形態にかかるハイブリッド電気自動車は、例えば、トラック又はバスといった商用車であり、ディーゼルエンジンを搭載している。
図1に示すように、車両の前部には、駆動系として、エンジン(内燃機関)1,クラッチ2,モータ(電動発電機)3及び変速機(トランスミッション)4を備えている。
クラッチ2は、エンジン1とモータ3との間に介装され、クラッチ2を遮断すれば、エンジン1は車両の駆動系から切り離されて動力伝達はなされず、クラッチ2を接続すれば、エンジン1は車両の駆動系に加わり動力伝達がなされる。
モータ3は、その直下流側の変速機4と常時接続されており、インバータ41によって作動を制御される。インバータ41は、力行時には、バッテリ(例えば、リチウムイオン電池等の充放電可能な二次電池の単電池(セル)が複数個直列接続された電池群)40からモータ3に電力を供給して出力トルクを発生させる電動機として機能させ、回生制動時には、車両の運動エネルギを用いて電力を発電(回生発電)する発電機としてモータ3を機能させ、回生発電による電力を、バッテリ40の充電に用いるよう構成される。
変速機4は、その入力軸がモータ3の回転軸に接続されており、この変速機4の出力軸は、プロペラシャフト5,ディファレンシャル6,ドライブシャフト7等を備えた動力伝達系を介して、駆動輪(ここでは、左右の後輪)8に接続されている。
したがって、車両の力行時には、変速機4の入力軸に入力された駆動トルクを、選択された変速段に応じた変速比で変速して動力伝達系に出力する。この場合、クラッチ2を接続すれば、このクラッチ2を介して伝達されたエンジン1およびモータ3の両出力トルクが変速機4に入力され、クラッチ2を遮断すれば、モータ3のみの出力トルクが変速機4に入力される。
また、回生制動時には、車両の運動エネルギによる回転トルクが駆動輪8から動力伝達系7,6,5を経て変速機4に入力され、駆動輪8からの入力回転が変速機4の変速段に応じた変速比で変速されて、発電機として機能するモータ3を回転駆動し、車両の制動と共に回生発電を実施することができる。この場合、クラッチ2を遮断すれば、車両の運動エネルギが発電機としてのモータ3の駆動のみに利用され、効率よくエネルギ回収を行なうことができる。また、クラッチ2を接続すれば、インバータ41によるモータ3の制御による回生ブレーキとエンジンブレーキとの併用や、エンジンブレーキのみの作動を行なうことができる。
〔制御系の構成〕
エンジン1,クラッチ2,モータ3,バッテリ40及びインバータ41の制御又は管理は、コンピュータを用いた電子制御によって行なわれるようになっている。
エンジン1を制御するためにエンジンECU31が、モータ3の作動を操作するインバータ41を制御するためにインバータECU32が、バッテリ40を管理するためにバッテリECU33が、それぞれ設けられ、これらのエンジンECU31,インバータECU32,バッテリECU33及びクラッチ2を制御するために、車両ECU30が設けられている。
これらの各ECU30,31,32,33は、CPU,ROM,RAM,入出力回路等からなるコンピュータであって、適宜の機器類が付設又は接続されている。
車両ECU30は、車両の走行状態(例えば、車速),車両への駆動又は制動指令の状態(例えば、アクセル操作量やブレーキ操作量)や、バッテリ40の充電量(以下、充電量の値を「SOC」で示す),バッテリ40の温度状態等に基づいて、エンジンECU31,インバータECU32,バッテリECU33及びクラッチ2を制御する。
また、バッテリECU33には、バッテリ40の充放電電流を検出するバッテリ電流センサ51と、バッテリ40の充放電電圧を検出するバッテリ電圧センサ52と、バッテリ40の充放電回数を検出するバッテリ充放電カウンタ54とが接続されており、バッテリ40の充電量SOCは、このバッテリECU33によって、バッテリ40の充放電時の電流,電圧に基づいて算出される。したがって、バッテリECU33は、バッテリ充電量検出手段に相当する。
これらの各センサ51,52やカウンタ54は、バッテリ40の各セルに接続され、この各セルの電流,電圧,充放電回数を検出してもよいし、幾つかのセルに対して一つのセンサが接続され、この幾つかのセルの電流,電圧,温度,充放電回数を検出してもよいし、これらの各セルに対してまたは幾つかのセルに対して1つのセンサを接続することを適宜組み合わせて各センサを配設してもよい。
また、インバータECU32は、インバータ41を制御することにより、インバータ41に接続されたモータ3及びバッテリ40の電力の授受を管理する。例えば、モータ3の回生発電による発電電力を、通常状態であればバッテリ40の充電にあてるが、後述の特定状態であれば電気ヒータ21への通電にあてる。
車両ECU30は、駆動時には、アクセル操作量に基づいて、車両に必要な駆動トルクを設定すると共に、エンジン1とモータ3との何れを使用するか或いは両方を使用するかを設定し、エンジン1とモータ3との両方を使う場合には駆動トルクの配分を行なう。エンジンECU31やインバータECU32は、車両ECU30により設定された駆動トルクを出力するようにエンジン1又はモータ3の作動を制御する。
例えば車両の発進時には、基本的には、クラッチ2を切ってモータ3のみの駆動トルクを用い、その後の走行時には、エンジン1を始動させてクラッチ2を接続して、エンジン1の駆動トルクを主体に、モータ3の駆動トルクを補助的に用いて走行する。ただし、バッテリ40の充電量が不足している場合や、バッテリ40の温度が所定温度以上に昇温している場合には、発進時や走行時にモータ3を用いずエンジン1のみを用いて走行する。
また、制動時には、基本的には、クラッチ2を切って駆動輪8の回転エネルギをモータ3のみに送って回生発電を行なう。この回生発電による電力は、通常は、バッテリ40の充電に用いられる。
ただし、バッテリ40の充電量SOCが上限(満充電)又は上限の近傍(略満充電)に達している場合や、バッテリ40の温度が所定温度以上に昇温している場合には、回生発電による電力をバッテリ40の充電に用いることはできない。
つまり、バッテリ40は充電量が過剰に高くなると発熱を伴いながら劣化が促進される。また、充電量が過剰に低下しても劣化を招く。そこで、車両ECU30は、バッテリ40の充電量も管理する。
さらに、バッテリ40は温度が過剰に高くなると劣化が促進される。そこで、車両ECU30は、バッテリ40の温度も管理する。
特に、この温度管理に関しては、重量の大きい商用車の場合特に重要である。
つまり、前述のように、本ハイブリッド電気自動車は、大型或いは中型の商用車であり、輸送可能な重量を確保することや積載スペースを確保することが重要であり、更には、車両コストの高騰を抑えることも重要である。また、ハイブリッド自動車を適用する第1の目的は燃費改善効果である。したがって、このような商用車に必要な条件とのバランスを考慮して、このバッテリ40は、車両の大きさに対するバッテリ容量(充電容量,熱容量)が、通常のハイブリッド電気自動車の乗用車の場合よりも相対的に小さいものが搭載されている。
さらに、商用車の場合、積載重量を確保し効率良く輸送をする観点から、乗用車に比べて大型車両が多く、このため、高トルクの力行運転や回生制動を行なう場合も多い。つまり、限られた容量のバッテリ40で、力行運転のためのモータの放電や回生制動によるモータの充電を大電流で場合が多く発生する。バッテリ40は小容量なので熱容量も小さいため、バッテリ40で大きな熱量の発熱を伴う高トルクの力行運転や回生制動を行なうと、バッテリ40の各単電池自体の発熱や単電池間を接する金属部の発熱によるバッテリ40の温度上昇も著しくなる。
バッテリ40は高温状態になると劣化が促進するので、車両ECU30が、バッテリ40の温度が過剰に上昇しないようにするバッテリ40の温度管理は極めて重要である。
このバッテリ40の温度管理のために、バッテリ40には、バッテリ40の温度を検出するバッテリ温度センサ53が装備され、このバッテリ温度センサ53は、検出したバッテリ温度T情報が車両ECU30に入力されるように接続される。
また、バッテリ40の充電量の管理のために、車両ECU30に接続されたバッテリECU33から算出されたバッテリ40の充電量SOCが入力されるように接続される。
さらに、本装置の場合、単に、バッテリ40の充電量や温度を管理するだけでなく、車両の前方に登坂路がある場合に、この登坂路の走行に可能な限りバッテリ40の電力を利用して発生するモータ2の出力トルクを利用して走行することができるように、車両ECU30は、特有のバッテリ管理を行なうようになっている。
このようなバッテリ40の管理のために、車両ECU30には、登坂路判定手段30aと、発熱量推定手段30bと、登坂後温度推定手段30cと、必要走行距離算出手段30dと、充放電制限手段(制御手段)30eとが、何れもコンピュータソフトウェアによる機能要素として設けられている。また、車両ECU30には、車両情報(例えば、車速V)を検出する車両情報検出手段50[例えば、車速検出手段(車速センサ)]、及び、自車両前方の道路状況の情報取得する道路状況取得手段60が接続され、各情報が入力される。以下、これらを説明する。
〔バッテリ管理の制御〕
登坂路判定手段30aは、道路状況取得手段60から車両ECU30に入力される車両前方の道路状況の情報に基づいて、自車両の前方に登坂路があるか否かを判定する。本実施形態では、道路状況取得手段60に、車両に搭載されたナビゲーションシステムが流用されている。
つまり、この車載ナビゲーションシステムは、各地点の位置情報に高度情報が付加された地図データが登録された地図データベース(記憶装置)と、自車両の現在位置を判定する現在位置判定機能とを備え、自車両の走行予定ルートを設定すれば、上記地図データと判定した自車両の現在位置とから、自車両が走行しようとしている前方の道路を特定することができるので、この自車両の前方の道路各点の、自車両の現在位置からの距離と高度とを情報として取得し出力することができ、道路状況取得手段60として機能する。
登坂路判定手段30aは、自車両の現在位置から予め設定された距離(道のり)の範囲内の道路の各点の高度を検出して、予め定められた距離(道のり)以上にわたって高度が連続的に上昇する箇所を登坂路であると判定する。そして、自車両の前方における設定距離(道のり)の範囲内に登坂路があれば、「自車両の前方に登坂路がある」と判定し、自車両前方の設定距離範囲内に登坂路がなければ、「自車両の前方に登坂路がない」と判定する。
発熱量推定手段30bは、登坂路判定手段30aにより「自車両の前方に登坂路がある」と判定されると、この登坂路において、バッテリ40を放電させて発生するモータ2の出力トルクを利用して走行する場合のバッテリ40の発熱量Qを推定する。ここでは、バッテリ40の各セルの放電に応じた発熱量QBIN1及び各セル間の金属部分の通電による発熱量QBIN2から、下式(1)のようにバッテリ40の発熱量Qを推定する。
=QBIN1+QBIN2・・・(1)
なお、セルの放電に応じた発熱QBIN1は各セルの内部抵抗R(既知の値)と瞬時瞬時の電流値Iの二乗Iとの乗算値Rを時間積分した値∫Rdtに比例するので、登坂路走行時の電流値Iを一定値IUSとし登坂路走行時間をt1として下式(2)により算出できる。
最もシンプルには、この一定電流値IUSを、登坂時にモータ2から一定の出力トルクが得られるように、登坂路の斜度(道路勾配)によらず予め設定した固定値としてもよいが、本実施形態では、モータ2に登坂路の勾配に応じた出力トルクを発生させ、エンジン出力の燃費を良好な状態に保持しながら車両が想定車速VUSで前方の登坂路を登りきることができるように上記一定電流値IUSを設定する。
車重Wがわかれば、勾配θの登坂路を想定車速VUSで走行させるのに必要な車両の駆動トルク(必要トルク)は求めることはでき、エンジン出力トルクをほぼ一定(最良燃費点近傍)とすると、必要トルクからこのエンジン出力トルクを減算すればモータ2に要求される出力トルクを算出できる。勾配θは道路状況取得手段60から登坂路区間の長さLUS及び登坂路区間の高度差HUSから算出でき(tanθ=HUS/LUS)、車重Wは車両がエアサスペンションであれば把握できる。また、ここでは、想定車速VUSを車両情報検出手段50から得られる現在車速Vとする。
また、各セル間の金属部分の通電による発熱QBIN2は金属部分の抵抗R(既知の値)と瞬時瞬時の電流値Iの二乗Iとの乗算値Rを時間積算した値Rtに比例するので、登坂路走行時の電流値Iを一定値IUSとし登坂路走行時間をt1として下式(3)により算出できる。なお、登坂路走行時間t1は登坂路の長さLUS登坂路を走行する想定車速VUS(=V)とから下式(4)により算出できる。
BIN1=C1・Rt1 C1:比例乗数・・・(2)
BIN2=C2・Rt1 C2:比例乗数・・・(3)
t1=LUS/V ・・・(4)
登坂後温度推定手段30cは、バッテリ40の温度Tと、バッテリの温度上昇分ΔTとから、登坂路走行後のバッテリ温度(登坂後温度)TBUSを推定する。バッテリ40の温度Tは、バッテリ温度センサ53から得られる。バッテリの温度上昇分ΔTは、バッテリの熱容量をCとすれば、上記の発熱量Qと、Q=CΔTの関係があるので、1/Cを比例係数Cとすると、下式(5)により算出できる。したがって、登坂後温度TBUSは下式(6)により算出できる。
ΔT=C・Q C:比例乗数(=1/C)・・・(5)
BUS=T−ΔT・・・(6)
必要走行距離算出手段30dは、上記のように登坂後温度推定手段30cにより推定された登坂後温度TBUSがバッテリ40の上限温度TBSを超える場合(TBUS>TBS)に、バッテリ40の充放電制限によって登坂後温度TBUSを上限温度TBSまで低下させるのに必要な車両の走行距離L1を算出する。なお、上限温度TBSは、バッテリ40の温度Tをこれ以上に上昇させるとバッテリ40の劣化が許容限度以上に促進されると推定されるバッテリ40の管理上の上限温度又は上限温度付近(上限温度よりもマージン分だけ低い)温度である。
ここで、登坂後温度TBUSを上限温度TBSまで低下させるのに必要な冷却時間txに着目すると、冷却時間txはバッテリ40の冷却性能に応じる。
ここでは、バッテリ40に、図示しない水冷式又は空冷式の冷却装置(バッテリ冷却手段)が装備され、冷却装置の最大能力冷却時の冷却性能(単位時間当たりの放熱量QBC)は、冷却装置の規格等によって決まるので既知である。したがって、単位時間当たりのバッテリの温度低下量dTは、バッテリの熱容量をCとすれば、上式(5)と同様に、下式(7)により算出できる。
dT=C・QBC C:比例乗数(=1/C)・・・(7)
したがって、登坂後温度TBUSを上限温度TBSまで低下させる、即ち、バッテリ40の温度を登坂後温度TBUSと上限温度TBSとの差ΔT2(=TBUS−TBS)だけ低下させるのに必要な冷却時間txについて、下式(8)が成立し、この式(8)により必要な冷却時間txを算出できる。
tx=ΔT2/dT
=ΔT2C・QBC C:比例乗数(=1/C
=ΔT2・C/QBC :バッテリの熱容量 ・・・(8)
必要な車両の走行距離L1は、この間の走行車速を現在車速Vとすると、必要な冷却時間txとこの走行車速Vとから式(9)により算出できる。
L1=V・tx ・・・(9)
充放電制限手段(制御手段)30eは、バッテリECU(充電量検出手段)33により算出(検出)された充電量SOCが所定充電量SOCmin未満の場合には、充電は制限しないが放電は制限する。なお、所定充電量SOCminは、充電量SOCが過剰に低下するとバッテリ40の劣化を招くので、充電量SOCを管理する許容下限値として設定される値である。充電や放電の制限とは、ここでは充電や放電を完全に禁止するものとする。
また、充放電制限手段30eは、充電量SOCが所定充電量SOCmin未満であるか否かにかかわらず、バッテリ40の温度Tが上限温度所定温度TBS以上になれば、バッテリ40の充放電を制限する。
そして、充放電制限手段30eは、バッテリECU(充電量検出手段)33により算出された充電量SOCが所定充電量SOCmin以上あっても、登坂後温度TBUSがバッテリ40の上限温度TBSを超えて、必要走行距離算出手段30dにより走行距離L1が算出されたら、車両が登坂路の開始点us1まで走行距離L1分だけ手前に接近した段階で、つまり、登坂路の開始点us1までの距離Lが必要走行距離L1まで減少したら、バッテリ40の充放電制限によってバッテリ40の温度を低下させる。この充放電制限は、車両が登坂路に進入するまで行ない、車両が登坂路に進入したら制限を解除する。
〔作用、効果〕
本発明の一実施形態にかかるバッテリ充放電制御装置は、上述のように構成されるので、例えば、図2〜図5に示すように、車両ECU30がバッテリ40の充放電を制御する。
つまり、図3に示すように、まず、車両情報検出手段50から得られる車両情報(現在の車速Vを含む)と、道路状況取得手段60から得られる自車両の前方の道路状況の情報(登坂路区間の距離LUS,高度差HUSを含む)と、バッテリECU(バッテリ充電量検出手段)33からのバッテリ充電量SOCと、バッテリ温度センサ53からのバッテリ温度Tとを取得する(ステップS10)。
そして、バッテリ充電量SOCが所定充電量SOCmin未満か否かを判断し(ステップS20)、バッテリ充電量SOCが所定充電量SOCmin未満の場合には、放電を制限する(ステップS90)。この放電制限により、バッテリ40への充電がなくてもバッテリ充電量SOCは所定充電量SOCminの付近に保持される。
一方、充電はバッテリ温度Tに応じて制限する。つまり、バッテリ40の温度Tがバッテリ40の管理上の上限温度又は上限温度付近の温度である判定基準温度TBS以上か否かを判断し(ステップS100)、バッテリ40の温度Tが判定基準温度TBS以上に上昇したら、充電も制限する(ステップS110)。
このように、バッテリ40の温度Tが判定基準温度TBS以上に上昇しない限り、充電は制限されないので、回生制動によるバッテリ40の充電を行って、バッテリ充電量SOCを回復させることができる。
これに対して、バッテリ充電量SOCが所定充電量SOCmin未満でなければ、自車両が登坂路走行中ではなく且つ自車両前方に登坂路がある状態か否かを判断し(ステップS30)、自車両が登坂路走行中ではなく且つ自車両前方に登坂路がある場合には、登坂後温度TBUSを推定する(ステップS40)。
この登坂後温度TBUSの推定は、図4に示すように、まず、登坂路の勾配θ(tanθ=HUS/LUS)から登坂路で車速Vを維持しながら走行するためのモータ2の出力トルクを算出する(ステップS42)。つまり、車重Wと登坂路の勾配θとから想定車速VUSで走行させるのに必要な車両の駆動トルク(必要トルク)を求め、エンジン出力トルクをほぼ一定(最良燃費点近傍)として、必要トルクからこのエンジン出力トルクを減算してモータ2に要求される出力トルクを算出する。
次に、モータ2への供給電流と出力トルクとの関係から、このモータ2の出力トルクを得るのに必要なモータ供給電流Imを算出する(ステップS44)。
次に、このモータ供給電流Imと、登坂路の走行時間t1(=LUS/V)とから、バッテリの温度上昇分ΔTを算出する(ステップS46)。この算出には、前記の式(1)〜(5)を用いることができる。
次に、バッテリ温度Tと、上記のバッテリの温度上昇分ΔTとから、登坂後のバッテリ温度を算出(推定)する(ステップS48)。この算出には、前記の式(6)を用いることができる。
こうして、登坂後温度TBUSを推定したら、図3に示すように、上推定された登坂後温度TBUSがバッテリ40の上限温度TBSを超えるか否かを判定する(ステップS50)。
ここで、登坂後温度TBUSがバッテリ40の上限温度TBSを超える場合(TBUS>TBS)には、バッテリ40の充放電制限によって登坂後温度TBUSを上限温度TBSまで低下させるのに必要な車両の走行距離(必要走行距離)L1を算出する(ステップS60)。
この必要走行距離L1の算出は、図5に示すように、まず、バッテリ40の登坂後温度TBUSを上限温度TBSまで低下させるのに必要な温度低下量、つまり、登坂後温度TBUSと上限温度TBSとの差ΔT2(=TBUS−TBS)を算出する(ステップS62)。
そして、単位時間当たりのバッテリの温度低下量dTを算出する(ステップS64)。この算出には、前記の式(7)を用いることができる。
次に、登坂後温度TBUSを上限温度TBSまで低下させる、即ち、バッテリ40の温度を登坂後温度TBUSと上限温度TBSとの差ΔT2(=TBUS−TBS)だけ低下させるのに必要な冷却時間(冷却必要時間)txを算出する(ステップS66)。この算出には、前記の式(8)を用いることができる。
さらに、車速Vと冷却必要時間txとから必要な車両の走行距離L1を算出する(ステップS68)。この算出には、前記の式(9)を用いることができる。
そして、図3に示すように、登坂路の開始点us1までの距離Lが必要走行距離L1まで減少したか否かを判定し(ステップS70)、登坂路開始点us1までの距離Lが必要走行距離L1まで減少したら、充放電を制限する(ステップS80)。登坂路の開始点us1までの距離Lが必要走行距離L1に減少するまでは、充放電を制限しない。
このようにして、登坂後温度TBUSが上限温度TBSを超えると予想される場合には、登坂路に進入する前に、登坂路の開始点us1までの距離Lが必要走行距離L1になった時点で、バッテリ40の充放電制限によってバッテリ40の温度を低下させるので、車両が登坂路に進入してから、バッテリ40の電力を用いてモータ2を作動させてこのモータ2の出力トルクを走行用トルクに利用して走行しても、登坂路の区間を走行した後、登坂後温度TBUSがバッテリの上限温度TBSを超えることはなく、バッテリ40の温度を上限温度TBUS以内に管理しながらも、エンジン1とモータ2とを共に利用して車両を走行駆動することにより、大きな車両駆動トルクが得られ、登坂路における車速Vの低下を防止することができる。
また、モータ2による駆動トルクの分だけ、エンジン2の駆動トルク負担を軽減することができ、エンジン2の運転状態を最良燃費点に近づけることができる。これにより、エンジン2の燃料消費を節約することができる。
特に、積荷や乗員によって車重が大きく増大するトラックやバス等の大型商用車の場合、大きな車両駆動トルクが得られることや、エンジンの燃料消費を低減できることは、営業運転の観点からもメリットが大きい。
特に、車速と車両前方の道路状況とに基づいて、モータ2の出力トルクを用いて登坂路を走行する際にモータ2に発生する発熱量を求めて、この発熱量に基づいて温度上昇分を算出するので、登坂路においてモータ2を利用して車両を走行駆動した場合にもバッテリ40の温度が過剰に上昇しないようにより確実に管理することが可能になる。
また、本実施形態では、バッテリ40を積極的に冷却する冷却装置を備えているので、バッテリ40の充放電制限時には、バッテリ冷却装置の冷却によってバッテリ40の温度を積極的に低下させることができ、バッテリ冷却装置の冷却性能が高いほど、バッテリ40の充放電を制限する走行距離を低下させることができる。
さらに、バッテリ40の充電量SOCが、所定充電量SOC未満の場合には、登坂路走行時にバッテリの放電を許容できるようにするよりもバッテリの充電量の回復が急務であり、この場合には、バッテリの放電を制限すると共にバッテリの充電をバッテリの温度が上限温度よりも高くなった場合に制限するので、バッテリの充電がバッテリの温度が上限温度に上昇するまでは制限されず、バッテリの温度を管理しながらその充電量を回復させることができる。
例えば図2は、バッテリ充電量SOCが所定充電量SOCmin以上確保されている状況下で、車両Cの前方に登坂路usがあり、車両Cが登坂路usの手前の降坂路dsを下っていて、バッテリ40の温度が上昇して、登坂後温度TBUSが上限温度TBSを超えると予想される場合を示している。
従来技術であれば、バッテリ40の温度が上限温度TBSまで上昇しない限りバッテリの充放電は規制しないため、車両Cが降坂路dsを下っていてバッテリ40の温度が上昇しても、回生発電による充電が続行される。しかし、この充電の続行によって、バッテリ40の温度は上昇を続けていくことになり、車両Cが登坂路usの入口us1に進入して登坂後温度TBUSが上限温度TBSを超える場合でも、モータ2の出力トルクを利用して登坂路usを走行するので、途中で、バッテリ40の温度が上限温度TBSまで上昇し、バッテリの充放電が規制される。このため、モータ2の出力トルクを利用できなくなり、その分だけ車両駆動トルクが減少し、登坂路usにおける車速の低下を招くおそれもある。また、モータ2による駆動トルクの減少分だけ、エンジン1の駆動トルク負担が増大し、燃費効率よくエンジン1を運転することができなくなり、エンジン1の燃料消費効率が低下する。
これに対して、本発明の装置では、車両Cが降坂路dsを下っていて車両Cが登坂路usの手前の降坂路dsを下っていて、バッテリ40の温度が上昇し登坂後温度TBUSが上限温度TBSを超えると予想される場合には、登坂路の開始点us1までの距離Lが必要走行距離L1に減少した段階で回生発電による充電が停止される。したがって、回生発電によるバッテリ40の充電ができない分だけエネルギを電力として回収することができない(ただし、回生発電による電力はバッテリ40の充電以外に利用することができる)が、その後、車両Cが登坂路入口us1に進入してから、バッテリ40の温度をバッテリ上限温度TBS以内に保持しながらモータ2の出力トルクを利用して登坂路usを走行しきることができる。
したがって、エンジン1とモータ2とを共に利用して車両を走行駆動することにより、大きな車両駆動トルクが得られ、登坂路における車速の低下を防止することができる。
また、モータ2による駆動トルクを確保できる分だけ、エンジン1の駆動トルク負担を軽減することができ、エンジンの運転状態を最良燃費点に近づけることができる。これにより、エンジンの燃料消費を節約することができる。
特に、積荷や乗員によって車重が大きく増大するトラックやバス等の大型商用車の場合、大きな車両駆動トルクが得られることや、エンジンの燃料消費を低減できることは、営業運転の観点からもメリットが大きい。
〔その他〕
以上、本発明の一実施形態を説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、かかる実施形態の一部を変更したり、かかる実施形態の一部のみを適用したりして、実施することができる。
例えば、上記の実施形態では、充電や放電の制限を充電や放電を完全に禁止するものとしているが、充電や放電の制限を、充電や放電の予め設定したレベル(電流値)よりも低いレベルに抑えることとすることも考えられる。
また、上記の実施形態では、重量の大きい商用車への適用例を説明したが、本発明の対象はかかる自動車に限定されず、また、自動車以外の車両(鉄道車両)への適用も可能である。
また、車両に搭載されるエンジンもディーゼルエンジンに限定されない。
1 エンジン
2 クラッチ
3 モータ(電動発電機)
4 変速機
5 プロペラシャフト
6 ディファレンシャル
7 ドライブシャフト
8 駆動輪
30 車両ECU
30a 登坂路判定手段
30b 発熱量推定手段
30c 登坂後温度推定手段
30d 必要走行距離算出手段
30e 充放電制限手段(制御手段)
31 エンジンECU
32 インバータECU
33 バッテリECU(バッテリ充電量検出手段)
40 バッテリ
41 インバータ
50 車両情報検出手段
51 バッテリ電流センサ
52 バッテリ電圧センサ
53 バッテリ温度センサ
54 バッテリ充放電カウンタ
60 ナビゲーションシステム(道路状況取得手段)

Claims (4)

  1. 車両の走行用トルクを出力しうるエンジンと、前記車両の走行用トルクを出力しうると共に前記エンジンの駆動による発電及び制動時のエネルギ回生による発電が可能な電動発電機と、前記電動発電機による発電電力によって充電可能なバッテリと、をそなえたハイブリッド電気自動車に装備され、
    前記バッテリの温度を検出するバッテリ温度検出手段と、
    前記車両の前方の道路状況を取得する道路状況取得手段と、
    前記道路状況取得手段により取得された前記車両前方の道路状況に基づいて、前記車両の前方に登坂路があるか否かを判定する登坂路判定手段と、
    前記登坂路判定手段が登坂路ありと判定したら、前記バッテリ温度検出手段により検出された前記バッテリの温度と、前記バッテリの電力を用いて作動する前記電動発電機の走行用トルクを利用して前記登坂路の区間を走行した場合の前記バッテリの温度上昇分とから、前記登坂路走行後の前記バッテリ温度である登坂後温度を推定する登坂後温度推定手段と、
    登坂後温度推定手段により推定された前記登坂後温度が前記バッテリの上限温度を超える場合に、前記バッテリの充放電制限によって前記登坂後温度を前記上限温度まで低下させるのに必要な前記車両の走行距離を算出する必要走行距離算出手段と、
    前記必要走行距離算出手段により前記走行距離が算出されたら、前記車両が前記登坂路の開始点まで前記走行距離分だけ手前に接近した段階で前記バッテリの前記充放電制限によって前記バッテリの温度を低下させる制御手段と、を備えている
    ことを特徴とする、バッテリ充放電制御装置。
  2. 前記バッテリの充電量を検出するバッテリ充電量検出手段を更に備え、
    前記制御手段は、
    前記バッテリ充電量検出手段により検出された前記充電量が所定充電量未満の場合には、前記バッテリの放電を制限すると共に前記バッテリの充電を前記バッテリの温度が前記上限温度よりも高くなった場合には制限し、
    前記充電量が前記所定充電量以上の場合には、前記バッテリの温度が前記上限温度よりも高くなれば前記バッテリの前記充放電制限によって前記バッテリの温度を低下させ、前記バッテリの温度が前記上限温度よりも高くなくても、前記必要走行距離算出手段により前記走行距離が検出されたら、前記車両が前記登坂路の開始点まで前記走行距離分だけ手前に接近した段階で前記バッテリの前記充放電制限によって前記バッテリの温度を低下させる
    ことを特徴とする、請求項1記載のバッテリ充放電制御装置。
  3. 前記車両の車速を検出する車速検出手段を備え、
    前記制御手段は、前記車速検出手段により検出された前記車速と、前記道路状況取得手段により取得された前記前方の道路状況とに基づいて、前記電動発電機の出力トルクを用いて前記登坂路を走行する際に前記電動発電機に発生する発熱量を求めて、この発熱量に基づいて前記温度上昇分を算出する
    ことを特徴とする、請求項1又は2記載のバッテリ充放電制御装置。
  4. 前記バッテリを冷却するバッテリ冷却手段を備え、
    前記バッテリの前記充放電制限時には、前記バッテリ冷却手段の冷却によって前記バッテリの温度を低下させる
    ことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のバッテリ充放電制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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