JP4089108B2 - 手動式袋結束機における逆止機構 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は手動式袋結束機における逆止機構に関する。
【0002】
【従来技術】
この種の袋結束機は、結束すべき袋の袋口を結束部に移動配置した後、合成樹脂製のU字状クリップを結束部に送り込み、クリップの両側の脚片を交差させ、さらに交差部をかしめることにより袋口を結束するものが知られている。ところが、従来の袋結束機は電動モータによって作動させる方式であったが、これは構造が複雑で大型化し、コストも高いので、手動式の簡便なものに対する要求が高まっている。
【0003】
これに対応するものとして、ハンドル操作によってクリップ送り、脚片交差、かしめという3つの動作を行なわせる手動式袋結束機が提案されている。これは、ハンドルを一方向に往動させるときに上記3動作が順次行なわれ、ハンドルを逆方向に復動させることにより、逆の動作が行なわれて初期位置に復帰させるように構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、手動操作では、ハンドルを往動する途中で操作を止め、そのまま復動してしまうと、かしめが行なわれなかったり、結束不良になったり、次のクリップが送られたときに詰まってしまったりするという不都合が発生する。
【0005】
本発明は上記問題点を解消し、手動による結束操作を途中で止めて元に戻すことを有効に防止することができる手動式袋結束機における逆止機構を提供することをその課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明に係る手動式袋結束機における逆止機構は、袋の口部を案内する案内通路の先端に設けられた結束部と、門形の結束用クリップを保持するとともに、このクリップの脚片を袋の口部を内側に取り込むようにして交差させる交差手段を有する送りユニットと、上記結束部をはさんで送りユニットと対向する位置に設けられて交差されたクリップの脚片の先端をかしめるかしめ機構を有するかしめユニットとを備え、手動操作により送りユニットを備えた送り手段を往復動可能とし、送り手段の往動途中で送り手段と同じ方向に往復動可能に設けられた作動バーに係合させ、さらに該作動バーとリンクを介して連結された上記かしめユニットを上記送り手段に接近する方向に移動させて上記かしめ機構を作動させ、上記送り手段の移動方向に沿う側縁部に鋸歯状の係合歯を連続形成し、上記送り手段の作動中に係合歯と対峙する位置には、上記係合歯に斜めに係合可能な逆止爪を送り手段の移動方向に回動可能で、かつ常時係合歯に対して直角に向くように付勢して配置するとともに、上記送り手段の係合歯の両端には上記逆止爪が係合不可能な欠損部を設け、両側の欠損部が逆止爪と向き合う位置まで送り手段を移動させ、上記送り手段が往動途中で停止して復動するときに上記逆止爪が係合歯に係合するようにしたことを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
図1は本発明に係る手動式袋結束機の概要を示す側面図、図2はその平面図である。符号1はベース、2は支柱、3は結束機本体、4はハンドルを示す。ハンドル4の基端は支柱2に設けられた回動軸5に支持され、回動軸5には第1のリンク6が固定され、さらに第1のリンク6はY字形に連結されたリンク7に連結されている。Y字形リンク7の二股部分の一方の端部8は支柱2に固定され、他方の端部9は送り手段10に連結されている。また、回動軸5には捩りコイルバネ14が取り付けられ、ハンドル4を常時図1に実線で示す初期位置にあるように付勢している。
【0008】
送り手段10は送り板10aとその一側に設けられた送りバー10bとから構成され、結束機本体3に一定の範囲で前後に移動可能に設けられている。送り板10a上には板状のキャリア14が一定の範囲で前後方向に移動可能に配置されている。キャリア14の後端には外方に突出する突片12が形成され、キャリア14は図2に示す初期位置と上記突片12がガイドレール13の後端部に係合する位置(図3の位置)との間を前進後退することができるように設けられている。
【0009】
キャリア14上には送りユニット11が一定の範囲で前後方向に移動可能に配置されている。送りユニット11はクリップの保持部11aと交差用作動リンク支持部11bと後端部11cと作動プレート18とを含む。保持部11aは図3に示されるように、連結クリップの先頭のクリップaの脚片15を保持するように形成されている。交差用作動リンク支持部11bには作動リンク17が回動自在に支持され、この作動リンク17は作動プレート18に軸着された1対のL字形リンク20と連結して交差手段16を構成している。作動プレート18は送りユニット11の他の部材とは異なる範囲と異なるタイミングで送り手段10と連動するように構成されている。なお、作動リンク17の先端のピンはクリップaの脚片15の係合孔23(図8参照)に係合するように形成されている。なお、作動プレート18は送りユニット11の前進が停止した後に送り手段10に係合してL字形リンク20を作動させるように構成されている。
【0010】
なお、上記手動式袋結束機には、図8に示されるように、多数の結束用クリップaをテープ状に連結した連結クリップが使用される。ただし、本実施態様においては、その一部のみを示した。
【0011】
また、結束機本体3には袋bの口部21を案内する案内通路24が形成され、その先端には結束部25が設けられている。
【0012】
次に、結束部25をはさんで送りユニット11の反対側にはかしめユニット26が設けられている。このかしめユニット26は、特願平11ー067452号の図3に示されたドライバプレート27に設けられたローラ38が結束部25側に移動することにより交差されたクリップaの脚片15の先端をかしめるもので、かしめた後は図6のようになるのであるが、かしめ機構の説明はここでは省略する。
【0013】
ところで、上記送り手段10は作動バー28を介してかしめ機構29に連結されている。すなわち、送り手段10の側部に一体に設けられた送りバー10bの両端には凸部30、31が形成されている。また、上記送りバー10bの側部には下向きに開口する門形の作動バー28が送り手段10と平行に移動可能に設けられている。作動バー28の一方の脚部32は切欠きされ、この切欠き部33の間に上記送りバー10bの前側の凸部31が係合可能に進入している。さらに、作動バー28の前端部と上記ドライバプレート27とはリンク34で連結されている。リンク34の中央部は支軸35によって回転自在に支持されている。
【0014】
次に、上記構成の袋結束機の作動態様について説明すると、図2に示したように結束機本体3の案内通路24から結束部25に野菜やパンなどを収納した袋bの口部21を挿入した後、ハンドル4を一方向に回動操作して送り手段10を移動させると、送りユニット11が前進し、その先端の保持部11aに保持されたクリップaは結束部25に送り込まれる。この時点で図3に示すようにキャリア14の突片12はガイドレール13の後端部に係合し、送りユニット11の前進は停止する。さらにハンドル4を回し続けると、送り手段10は前進し、これに伴って作動プレート18も前進するので、交差手段16を作動させる。すなわち、作動プレート18がL字形リンク20を押して作動リンク17の先端を近接するように作動させるので、作動リンク17のピンがクリップaの脚片15を交差させる。作動プレート18の両側突片19はガイドレール13の係合突部22に係合し、それ以上は前進しない。
【0015】
そして、上述のようにクリップaの脚片15を交差させるための動作が行なわれる直前に、送り手段10の送りバー10bの後端凸部30が作動バー28の脚部32の後端に係合するので、送り手段10の前進移動に連動して作動バー28が前進作動する。これにより、図4に示すようにリンク34が支軸35を中心にして揺動するから、かしめユニット26のドライバプレート27を逆方向に移動させるので、かしめ機構29が作動し、交差した脚片15がかしめられ、ハンドル4の作動も停止する。
【0016】
かしめが終了した後、ハンドル4を逆方向に回転させると、送り手段10も後退移動するので、上述とは逆に作動プレート18が交差手段16を解除作動させ、さらに送りユニット11を結束部25から退避動させて図5に示すように元の位置に復帰移動させる。その途中で送り手段10の送りバー10bの前端の凸部31が作動バー28の脚部32に係合するので、作動バー28が作動してかしめ機構29を解除させる。そして、最後に初期位置に復帰する。結束が終了した袋bは案内通路24から排出すればよい。図6はクリップaにより袋口21が結束された状態の袋bを示す。39はかしめ部である。
【0017】
次に、上記袋結束機には、送り手段10が操作途中で逆方向に移動できないようにする逆止機構が設けられている。すなわち、図7(a) に詳しく示すように、送り手段10から突設された送りバー10bの移動方向に沿う側縁部には鋸歯状の係合歯36が連続形成されている。また、上記送りバー10bの作動中に係合歯36と対峙する位置には逆止爪37が配置されている。この逆止爪37は、上記係合歯36に斜めに係合可能で、送り手段10の移動方向に回動可能であるとともに、図示しないバネにより常時係合歯36に対して直角に向くように付勢して配置されている。さらに、上記送りバー10bの係合歯36の両端には上記逆止爪37が係合不可能な欠損部40、41が設けられている。そして、送りバー10bは逆止爪37が両側の欠損部40、41と向き合う位置まで往復動するものとして構成されている。
【0018】
上記逆止機構によれば、送りバー10bが図7(b) の矢印Aのように移動すると、逆止爪37は送りバー10bに押されて傾き、送りバー10bが移動端に達すると同図(c) のように逆止爪37は欠損部41に臨む位置にくるから中立状態となる。さらに、送りバー10bが同図(d) のように逆方向に移動すると逆止爪37は送りバー10bに押されて逆向きに傾き、送りバー10bが移動端に達すると同図(a) のように再び逆止爪37は欠損部40に臨む初期位置に戻って中立状態となる。そして、送りバー10bを同図(b) のように移動させている途中で停止させ、逆に矢印B方向に移動させようとすると、逆止爪37は係合歯36に係合する。したがって、A方向への移動途中で逆のB方向に移動することはできない。
【0019】
ここで、上述の逆止機構の作動を上記袋結束機の結束作動とともに説明すると、かしめ時に上述のようにハンドル4を往動させてクリップをかしめる操作を行なうときは、送り手段10及び送りバー10bもハンドル4に従って移動する。このとき、図3及び図7(b) に示されるように、逆止爪37は係合歯36に押されて斜めに回動するが、係合歯36が順方向に移動するため、係合歯36とは係合しない。
【0020】
次に、ハンドル4を所定の移動端まで移動させ、かしめ機構29を作動させると、図4及び図7(c) のように、逆止爪37は送りバー10bの欠損部40に対峙し、係合歯36に対して直角に向く。その後、ハンドル4を逆方向に復帰移動させると、送り手段10及び送りバー10bも図7(d) のように復動するので、図5及び図7(a) に示すように、その係合歯36が逆止爪37を逆方向に回動させて係合歯36に沿って摺動して図5に示す初期位置に戻る。逆止爪37は送り手段10の先端側の欠損部41に向き合い、係合歯36に対して中立の初期状態となる。
【0021】
ところで、かしめ操作するための往動の途中でハンドル操作を停止し、さらに元の位置に復動させようとする場合、すなわち図3及び図7(b) の途中位置までハンドル操作した後、送り手段10も逆方向に移動しようとすると、係合歯36が逆止爪37に係合するから、送り手段10は逆方向には移動できない。
【0022】
このように、いったん結束操作を開始したら、結束作業が完全に終了しなければならない。途中で操作を停止することはできない。したがって、結束不良やクリップの詰まり等の現象が発生するのを有効に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る手動式袋結束機の概要を示す側面図
【図2】上記袋結束機の概要を示す平面図
【図3】前進時に送りユニットを結束部に送った状態を示す平面図
【図4】前進時にかしめユニットを作動させた状態を示す平面図
【図5】後退時の作動状態を示す平面図
【図6】袋口が結束された状態の袋の斜視図
【図7】 (a) (b) (c) (d) は本発明に係る逆止機構の作動説明図
【図8】連結クリップの一部の斜視図
【符号の説明】
a クリップ
4 ハンドル
10 送り手段
11 送りユニット
26 かしめユニット
29 かしめ機構
36 係合歯
37 逆止爪
40、41 欠損部

Claims (1)

  1. 袋の口部を案内する案内通路の先端に設けられた結束部と、門形の結束用クリップを保持するとともに、このクリップの脚片を袋の口部を内側に取り込むようにして交差させる交差手段を有する送りユニットと、上記結束部をはさんで送りユニットと対向する位置に設けられて交差されたクリップの脚片の先端をかしめるかしめ機構を有するかしめユニットとを備え、手動操作により送りユニットを備えた送り手段を往復動可能とし、送り手段の往動途中で送り手段と同じ方向に往復動可能に設けられた作動バーに係合させ、さらに該作動バーとリンクを介して連結された上記かしめユニットを上記送り手段に接近する方向に移動させて上記かしめ機構を作動させ、上記送り手段の移動方向に沿う側縁部に鋸歯状の係合歯を連続形成し、上記送り手段の作動中に係合歯と対峙する位置には、上記係合歯に斜めに係合可能な逆止爪を送り手段の移動方向に回動可能で、かつ常時係合歯に対して直角に向くように付勢して配置するとともに、上記送り手段の係合歯の両端には上記逆止爪が係合不可能な欠損部を設け、両側の欠損部が逆止爪と向き合う位置まで送り手段を移動させ、上記送り手段が往動途中で停止して復動するときに上記逆止爪が係合歯に係合するようにしたことを特徴とする手動式袋結束機における逆止機構。
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