JP4087883B1 - フルクタン含有飲料の安定化方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】イヌリン等のフルクタンを高濃度かつ安定的に含む常温流通型酸性飲料を提供する。さらには、フルクタンの加水分解による呈味変化にも着目し、品質管理上、風味面においても製品価値を低下させることのない上記飲料を提供する。
【解決手段】トマトジュース等のトマト果実破砕処理物をそのリコペン含量により配合、添加する高濃度のフルクタン含有飲料。pHを3.5〜7.0に調整し、かつ該トマトジュース等の赤色野菜由来のリコペンの含量が5〜500mg/Lとなるように調整することを特徴とするフルクタン含有飲料の安定化方法。
【選択図】なし

Description

本発明は食物繊維のひとつであるフルクタン含有飲料中におけるフルクタンの安定化方法、及び安定化されたフルクタンを高濃度で含有するフルクタン含有飲料に関する。具体的には、低pH及び常温条件におけるフルクタンの分解を抑制し、分解生産物であるフルクトースに起因する呈味変化を抑制する方法、およびそのような方法を適用してフルクタンが安定化されたフルクタン含有飲料に関する。
現代の欧米化された食習慣による野菜摂取不足から、食物繊維の摂取不足が指摘されるにいたっている。食物繊維(ダイエタリー・ファイバー)とは、食品中の成分のうち、人の消化酵素で消化されにくい成分のことをいい、水に溶ける「水溶性食物繊維」と、水に溶けない「不溶性食物繊維」とに分けられる。水溶性食物繊維は、糖分の吸収速度をゆるやかにするため、食後の血糖値の急激な上昇を抑え、糖尿病の予防や治療に大いに役立つと考えられている。さらに、血液中のコレステロール値を減少させ、動脈硬化症や胆石症を予防する働きもある。不溶性食物繊維は、発ガン性物質などの腸内の有害物質を体外へ排出させるはたらきを有する。食物繊維が不足すると便秘になりやすく、ひいては大腸ガンなどの原因になると考えられている。高タンパク・高脂肪に傾きがちな現在の日本の食生活において、不可欠な栄養素である。
フルクタンは、フルクトースから構成される多糖類の総称である。ラッキョウ、ニンニク、タマネギ、キクイモ、チコリ、ダリア、ヤーコン、ゴボウなど36000種類以上の植物中に存在する天然の多糖類で、近年注目されている食物繊維のひとつである。フルクタンは人間が持つ酵素では消化吸収が不可能な糖質であるため、ブドウ糖の生成が抑制されることで肝臓への負担が軽減される。更にはインシュリン(インスリン)の分泌量を低下させる作用もあり、膵臓の負担も軽減にも役立つと考えられている。このフルクタンの特性により、血糖値の上昇を抑制し、高血圧傾向の人にとっては結果として血糖値を低下させる効果が期待できる。またフルクタンは腸内で初めて分解されフルクトオリゴ糖となり、腸内細菌が代謝できるようになるため、腸内環境の改善、便秘予防の効果もあると考えられている。
フルクタンには、いくつかの種類が存在する。ゴボウやチコリに含まれるフルクタンは、イヌリンと呼ばれ、その構造は、フルクトースがβ(2−1)で2〜60個直鎖状につながり、末端にグルコースが1個結合している。
一方、ラッキョウやニンニク、タマネギなどのネギ属の植物に含まれるフルクタンは、非イヌリン型フルクタンであり、イヌリンよりも高分子で、分子量分布の幅も広く、結合様式にβ(2−6)結合を持つ。
非イヌリン型フルクタンは、イヌリンとは異なり、水溶性で冷水にも可溶である。また、冷水溶解後も比較的安定である。一方、イヌリンは冷水に不溶で、熱水には可溶であるが、加熱溶解後も冷蔵中に不溶化・白濁化したり、溶解後において非イヌリン型フルクタンよりも分解しやすい特徴がある。
フルクタンを高濃度に含有する野菜ジュース、またはフルクタンを含有するその他の飲料として、多くのフルクタンを摂取することができれば、食物繊維不足を手軽に解決することが可能であると考えられる。しかし、フルクタン、特にイヌリンは水溶液中での安定性に問題があり、特に低pH域、たとえばpH3域で加水分解を受けやすいという欠陥がある。フルクタンは、加水分解を受けると甘味の原因となるフルクトースを産生する。このように、フルクタン、特にイヌリンを含有する飲料を製品化する場合、中性飲料では成分の安定化が容易であるが、フルーツジュースや野菜ジュース、或いはスポーツ飲料などの酸性飲料に適用する場合は、その成分が不安定であり、流通・保管中に成分変化、ひいては味覚変化をきたし、生産時の食物繊維量を維持することが困難である。
また、野菜ジュースなど大部分の酸性飲料は常温流通を前提とするものが多い。しかし常温においては、低温時に比べ、水溶液中でのフルクタンの分解はさらに進むため、製品化した場合、常温流通時における食物繊維量の維持はさらに困難となる。さらには、分解により多量に生成したフルクトースにより、製品の呈味が製造直後よりも甘く変化し、品質管理上、風味面においても製品価値を低下させることが大きな問題点である。また、その減少は高濃度フルクタン含有野菜飲料において顕著である。
これまで一般的にフルクタンならびにその低分子のみから構成されているフラクトオリゴ糖は、酸性下及び常温での安定性が悪いことが通常知られており、これを改善するために、粉末での製品化、及び中性飲料、或いは冷蔵流通製品での製品化が行われてきた。酸性下での安定化方法に対する検討は十分にされていないのが現状である。また、フルクタンの加水分解により多量に生じるフルクトースによる甘味の増加を解決するという試みは全くなされていない。
これら飲料について下記のような技術が報告されている。
少なくとも1種のフルクタン含有野菜を含むベビーフードに関して;
約1〜約10%フルクタンが含有され、さらにはトマトを含む様々な野菜との配合が可能であるベビーフードが知られている。しかし、イヌリンの安定性・分解性については全く検討がなされていないし、酸性食品、飲料に関する具体的な示唆もない。(例えば、特許文献1参照)
5重量%以下の繊維を含む果実ベースジュースに関して;
ジュースをベースとする飲料組成物、各種栄養素に富んだ果実ベースジュースであって、pH4.0以下で、5重量%以下の繊維(イヌリン含む)を配合することが知られている。しかし、該ジュースにおける果実はいわゆるフルーツで、主に柑橘系であり、単にジュースに食物繊維としてのイヌリンを添加するにとどまり、イヌリンの安定性に関する記載や示唆は見当たらない。(例えば、特許文献2参照)
ポリフルクタンを含有する飲料に関して;
イヌリンタイプの多糖類であるポリフルクタンを含有する飲料についても報告されている。そして、該報告中では、従来から知られる水溶性食物繊維のうち低粘性であるポリデキストロースは酸味や苦渋味を有するが、ポリフルクタンは酸味や苦渋味を有しないため、飲料に添加することが可能であるということが指摘されている。また、ポリフルクタンを添加することができる飲料として多くの種類が挙げられており、中にはトマトジュース等の記載もあるが、これらは、単に羅列的に記載されたものであり、具体的教示はなされていない。また、ポリフルクタンの水溶液中での加水分解や、さらには甘味の増加の問題に関しては全く触れられておらず、ポリフルクタンが有する問題点としての示唆すらない。(例えば、特許文献3参照)
イヌリン含有製剤の製造方法に関して;
イヌリンの安定化のためのイヌリン含有製剤の製造方法についても報告がなされている。該報告書には、イヌリンが酸性下で不安定であることから、無機又は/及び有機の緩衝作用を有する化合物を溶解した溶液を加え、pH5.5〜7に調製することで安定性が得られる旨の記載がある。これはpHをどちらかと言うと中性に維持させる方法であって、酸性条件下におけるイヌリンの安定性を改善しえたものではない。(例えば、特許文献4参照)
ところで、リコペンは、トマトやニンジン等の赤色野菜に含まれる天然の赤色カロテノイドであり食品の着色料として有用である一方、強力な抗酸化作用を有し(例えば、非特許文献1参照)、動脈硬化に関係する低密度リポタンパク質の酸化を阻害することが知られ(例えば、非特許文献2)、癌細胞の増殖を抑制することが報告されている(例えば、非特許文献3)。
これら生理的効果からリコペン は、飲料用、食品用、飼料用、化粧品用及び医薬品用の素材として有用である。リコペンはトマトの加工品にも豊富に含まれており、例えばトマトジュースやトマトの水煮、トマトケチャップやピューレなどにも多く含まれている。これらの加工品は原料のトマトを濃縮して作られているのでリコペンを効率よくとることが可能である。リコペンの上述の作用に関しては広く知られているものの、イヌリン含有飲料における安定化の問題を解決するために使用されるというような試みは全くなされていない。
Arch.Biochem.Biophys.,271,532,1989 Ntr.Metab.Cordiovasc.,Dis 7,433,1997 J.Natl.Cancer Inst.91,313,1999 特開平11−332513公報 特表2006−501803公報 特開平04−311378公報 特開2003−26610公報
上述のように、食物繊維の摂取不足を補うため、フルクタンを高濃度に含有する飲料が求められている。しかし、上記のとおり、フルクタン、とりわけイヌリンは、低pH領域において不安定であり、本来の食物繊維としての効果を低減するのみならず、分解して生成したフルクトースが飲料本来の味覚を損なうという欠点があった。特に野菜ジュース等は、本来的に低pH飲料であることから、フルクタンをこれら野菜ジュースに配合した場合には、その分解が顕著であり、何らかの改善策が望まれている。
より具体的には、フルクタン、とりわけイヌリンは低pH域で加水分解を受けやすいため、これらを含有する或いは強化した飲料を製品化する場合、中性飲料で成分の安定化は容易であるが、フルーツジュースや野菜ジュース、或いはスポーツ飲料などの酸性飲料を製品化する場合においては、その成分の安定化を図るため、何らかの措置を取る必要がある。また、野菜ジュースなど大部分の酸性飲料は常温流通を前提とするものが多いが、常温流通時におけるフルクタンの分解は、低温時に比べ著しく進むため、製品の食物繊維量の維持を困難にするという問題点もある。また、その減少は高濃度フルクタン含有野菜飲料において顕著であり、これを解決する手段が必要不可欠である。
さらには、水溶液中でのフルクタンの分解は、食物繊維としてのフルクタン量の減少のみならず、分解により多量に生成したフルクトースにより、製品の呈味が製造直後よりも甘く変化し、品質管理上、風味面においても製品価値を低下させることが、本発明者らの研究により明らかとなった。
よって、本発明が解決しようとする課題は、高濃度フルクタン含有飲料、とりわけイヌリン高含有飲料の安定化を図ることであり、また、飲料中のフルクタンを安定的に保持する常温流通型酸性飲料を提供することである。さらには、フルクタンの加水分解による呈味変化にも着目し、品質管理上、風味面においても製品価値を低下させることのないフルクタン安定化方法を提供することである。
本発明者らは、フルクタン含有飲料に関して鋭意研究を重ねた結果、高濃度のフルクタン含有飲料に、リコペン含量する赤色野菜の破砕処理物、特にトマトジュース等のトマト果実破砕処理物を配合することにより、リコペン含量を5〜500mg/Lとなるように調整し、かつ、pHを3.5〜7.0に調整することにより、酸性及び常温条件においても、流通・保管時のフルクタンの加水分解を抑えることが可能であることを見出して、本発明を完成した。さらには、本発明の方法により、フルクタン分解により生じるフルクトースが原因となる呈味変化も抑制できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、具体的には以下のとおりである。
1.pHを3.5〜7.0に調整し、かつ赤色野菜由来のリコペン含量が5〜500mg/Lとなるように調整することを特徴とするフルクタン含有飲料の安定化方法。
2.pHが3.5〜5.0、リコペンの含量が8〜500mg/Lである上記1に記載のフルクタン含有飲料の安定化方法。
3.フルクタン含量が2.5〜50g/Lである上記1又は2に記載のフルクタン含有飲料の安定化方法。
4.リコペン(L)とフルクタン(F)の比率(L/F)が0.001乃至0.02である上記1乃至3のいずれか1項に記載のフルクタン含有飲料の安定化方法。
5.赤色野菜がトマトである上記1乃至4のいずれか1項に記載のフルクタン含有飲料の安定化方法。
6.赤色野菜由来のリコペンが、トマトジュース、トマトミックスジュース、トマトピューレ、トマトペースト又はそれらの混合物に由来するリコペンである上記1乃至5のいずれか1項に記載のフルクタン含有飲料の安定化方法。
7.上記1乃至6のいずれか1項に記載した安定化方法によって安定化されたフルクタン含有飲料。
8.pHが3.5〜7.0であり、かつ赤色野菜由来のリコペンの含量が5〜500mg/Lであるフルクタン含有飲料。
9.pHが3.5〜5.0であり、かつリコペンの含量が8〜500mg/Lである上記8に記載のフルクタン含有飲料。
10.フルクタン含量が10〜50g/Lである上記8又は9に記載のフルクタン含有飲料。
11.リコペン(L)とフルクタン(F)の比率(L/F)が0.001乃至0.02である上記8乃至10のいずれか1項に記載のフルクタン含有飲料。
12.赤色野菜がトマトである上記8乃至11のいずれか1項に記載のフルクタン含有飲料。
13.赤色野菜由来のリコペンが、トマトジュース、トマトミックスジュース、トマトピューレ、トマトペースト又はそれらの混合物に由来するリコペンである上記8乃至12のいずれか1項に記載のフルクタン含有飲料の安定化方法。
本発明の理解を深めるために、発明に至る経緯について説明する。本出願人は既に20種類の野菜を原材料として使用した野菜ジュースを開発し、販売している。その中には、20種類の原材料のひとつとして、ゴボウとトマトを使用しているものもあり、ゴボウとトマトを含む野菜飲料それ自体は以前から知られていた。しかしこれら野菜飲料においては、保存時の品質変化が問題視されることはなかった。これは、これら野菜飲料が、フルクタン(特にイヌリン)の分解が問題視されるほど多くのゴボウ繊維を含んでいるものではなかったためであり、また、ゴボウ以外に多くの野菜を含むためにフルクタンの分解によって生成されたフルクトースの甘味が打ち消されていたためと考えられる。フルクタンが重要な食物繊維として注目されるようになり、より多くのゴボウ繊維、即ちフルクタンを含む飲料、中でも野菜ジュースのような酸性飲料を提供しようとするためには、フルクタン(特にイヌリン)の酸性条件下、および常温での加水分解、製品の呈味変化はどうしても解決しなくてはならない大きな問題点としてクローズアップされるに至った。しかしそのための方法や、フルクタンの分解を抑制する物質についての情報は全く明らかになっていなかった。
そこで、本発明者らは、フルクタン(特にイヌリン)の酸性、常温下での分解を抑制する物質のスクリーニングを行った。多くの野菜汁、果実汁等を様々な濃度のフルクタンと混合し、安定性試験、呈味試験を重ねた結果、トマト果実破砕処理物を混合した場合に、顕著なフルクタン分解抑制効果が見られることを見出した。また、弱いながらも同様の効果はニンジン破砕処理物にも見いだされ、その効果はトマトやニンジン等の赤色野菜に含まれるリコペンである可能性が示唆された。さらには、赤色野菜、例えばトマト果実破砕処理物をフルクタン含有飲料に混合する際には、リコペン濃度を基準にして配合することにより、より効果的な条件を見出すに至った。
即ち、本発明によれば、高濃度のフルクタンを含む又はフルクタン含有野菜汁またはピューレを配合する常温流通型酸性飲料において、トマトジュース等(ピューレ、ペースト含む)、またはニンジンジュース等をリコペン含量が5〜500mg/L、好ましくは8〜500mg/L、さらに好ましくは10〜200mg/L、最も好ましくは10〜120mg/Lになるように配合し、かつ、フルクタン量を2.5〜50g/L、好ましくは10〜50g/Lになるように調合して、pHを3.5〜7.0、好ましくは3.5〜5.0、さらに好ましくは3.5〜4.7、最も好ましくは4.0〜4.5に調整することにより、加えて望ましくはL/F比を0.001〜0.02、好ましくは0.001〜0.012の範囲に調整することにより、保管時のフルクタンの加水分解を抑制し、フルクトース発生を低下させ、呈味変化を抑えた長期安定性に優れた常温流通可能な酸性飲料を供給することが可能になった。
本発明により、これまで不可能であった、高濃度にフルクタンを含んだ酸性飲料を安定に提供することが可能となり、現代生活において不足しがちな食物繊維のひとつであるフルクタンを野菜ジュースやその他の酸性飲料によって手軽に摂取することが可能となった。健康を維持するために、食物繊維であるフルクタンを多く摂取したいという強い要望に答えることが可能である。さらには、フルクタンの分解を抑制する物質が、トマトジュース、ニンジンジュース等のリコペンを含む赤色野菜である点も健康志向の観点から推奨されるものである。
なお、野菜ジュースには実際の野菜と比較して食物繊維が多く含まれていないという指摘もなされているが、本発明により食物繊維であるフルクタンを高濃度に含有する野菜ジュースの製品化が可能となった。
以下、本明細書における用語についてその意味するところを述べる。
「フルクタン」とは、フラクトオリゴ糖を含めたフルクトース多糖を意味し、イヌリン、フレアン、レバン、イヌロビオース、ニストースなどが含まれる。好ましくはイヌリンである。
「イヌリン」とは、フルクタンの1種であり、フルクトースがβ(2−1)で2〜60個直鎖状につながり、末端にグルコースが1個結合したものを意味する。フルクトースの結合数や分子量は特に限定されるものではない。また、イヌリンは、天然物、抽出物であってもよいが、好ましくはゴボウまたはチコリ由来の天然イヌリンである。
「フルクタン含有飲料」とは、フルクタン、好ましくはイヌリンを構成成分として含む飲料であれば特に限定されるものではない。フルクタンを成分中に含む野菜の野菜汁、例えばジュースやピューレ、あるいはフルクタンを成分中に含む果実の果実汁であってもよいし、フルクタンを含むこれら植物の抽出物であってもよい。また合成したフルクタン粉末を適当量添加したものであってもよい。フルクタンを成分中に含むものとしては、菊芋、チコリ、ゴボウ、ヤーコン、にんにく、たまねぎ、ニラ、等数多くの植物が挙げられ、特に限定されるものではないが、中でもゴボウが好ましい。
「赤色野菜」とは、果実をも含む赤色の野菜及び果実を意味し、具体的にはトマト、ニンジン、スイカ、赤ピーマン、赤カブ、ピンクグレープフルーツ、リンゴ等を挙げることができる。好適には、トマト、ニンジン、スイカであり、より好適にはトマト又はニンジン、特にトマトである。
これら赤色野菜をイヌリン含有飲料に配合するための好ましい形態は、これら野菜を破砕して搾汁とした「赤色野菜破砕処理物」、特に「トマト果実破砕処理物」である。
「赤色野菜破砕処理物」とは、トマト等の赤色野菜を破砕して搾汁した、所謂「赤色野菜の搾汁」を意味する。
ここで、「トマト果実破砕処理物」とは、トマト果実を破砕または搾汁等したトマト由来の材料であれば特に限定されるものではなく、トマトジュース、トマトミックスジュース、トマトピューレ、トマトペースト、濃縮トマト等、各種のトマト加工品が含まれる。中でもトマトジュース、トマトピューレが好ましい。また、トマトの種類も限定されるものではない。
「トマトジュース」とは、トマトを破砕して搾汁し、又は裏ごしし、皮、種子等を除去したもの(所謂「トマトの搾汁」。)、又は濃縮トマトを希釈して搾汁の状態に戻したものを意味する。
「トマトミックスジュース」とは、トマトジュースを主原料とし、これに、セルリー、にんじんその他の野菜類を破砕して搾汁したもの又はこれを濃縮したものを希釈して搾汁の状態に戻したものを加えたものを意味する。
「トマトピューレ」とは、濃縮トマトのうち、無塩可溶性固形分が24%未満のもの、又はこれにトマト固有の香味を変えない程度に少量の食塩、香辛料、たまねぎその他の野菜類、レモン又はpH調整剤を加えたもので無塩可溶性固形分が24%未満のものを意味する。
「トマトペースト」とは、濃縮トマトのうち、無塩可溶性固形分が24%以上のもの、又はこれにトマト固有の香味を変えない程度に少量の食塩、香辛料、たまねぎその他の野菜類、レモン又はpH調整剤を加えたもので無塩可溶性固形分が24%以上のものを意味する。
「濃縮トマト」とは、トマトを破砕して搾汁し、又は裏ごしし、皮、種子等を除去した後濃縮したもの(粉末状及び固形状のものを除く。)で無塩可溶性固形分が8%以上のものを意味する。
本発明のフルクタン含有飲料は、上記トマトジュース等の他に、ニンジン破砕処理物、リンゴ果汁等の果汁乃至野菜汁をさらに含んでもよい。
ここで、「ニンジン破砕処理物」とは、ニンジンを破砕または搾汁等したニンジン由来の材料であれば特に限定されるものではなく、ニンジンを搾汁したニンジンジュース、これを濃縮したニンジンピューレ、これを更に濃縮したニンジンペースト等、各種のニンジン加工品が含まれる。中でもニンジンジュースが好ましい。また、ニンジンの種類も限定されるものではない。
本発明における飲料のpHに関しては、3.5〜7.0の範囲でトマト果実破砕処理物等がフルクタンの加水分解を抑制する効果は得られるが、好ましくは3.5〜5.0、さらに好ましくは3.5〜4.7、最も好ましくは4.0〜4.5である。pHの調整は、トマトジュース等を加えることによって、あるいは飲料添加物として許容され得るクエン酸等の酸成分を添加して調整してもよい。
本発明におけるフルクタン含有濃度は、特に限定されるものではないが、食物繊維の摂取という目的からすれば高濃度であることが好ましい。フルクタン含有量は、少なくとも2.5g/L以上、好ましくは10g/L以上である。また、高濃度とは、好ましくは10g/L以上の濃度を意味する。
しかし、50g/Lを超えるような高濃度になるとゴボウ臭、ゴボウ味覚が強すぎて好ましくない。
フルクタン含有量は、フルクタンの安定化の観点からすると2.5g/L以上であれば特に限定されるものではないが、フルクタン含有飲料であることを考慮するならば、好ましくは2.5〜50g/L、さらにフルクタン高濃度含有飲料であることを考慮するならば、好ましくは10〜50g/L、さらに好ましくは10〜40g/Lであり、この範囲において効果的に飲料中のフルクタンを安定化することが可能である。また、フルクタン含有飲料の観点からすると、フルクタン含有量は2.5g/L以上であれば特に限定されるものではないが、好ましくは2.5〜50g/L、フルクタン高濃度含有飲料の観点からすれば、好ましくは10〜50g/L、さらに好ましくは10〜40g/Lであり、この範囲においてフルクタンを効果的に摂取することができる。フルクタン含有量、特にイヌリン含有量の調整はゴボウ搾汁液の配合量、あるいはイヌリン等のフルクタン製剤の配合量を調整することによって達成される。
本発明における「リコペン」は、特に限定されるものではないが、好ましくは赤色野菜、特に好ましくはトマトに由来するリコペンである。飲料中に含有されるべきリコペン量はフルクタン濃度によっても左右されるが、フルクタン濃度がそれ程高くない場合には5mg/L以上でその効果が見られる。しかし、通常は好ましくは8mg/L以上である。フルクタン安定化に必要なリコペン濃度は5〜500mg/L、好ましくは8〜500mg/L、さらに好ましくは10〜200mg/L、最も好ましくは10〜120mg/Lである。これらリコペン含有量は、赤色野菜の破砕・搾汁液の配合量を調整することによって調整することができる。
「フルクタン含有飲料の安定化」とは、飲料中に含まれるフルクタンの安定化を意味し、より具体的には、フルクタン、とりわけイヌリンの分解、特に加水分解を抑制することを意味する。フルクタンは、加水分解にとってフルクトースを遊離する。したがって、飲料中のフルクトース量を測定することにより加水分解の進行を知ることができる。よって、フルクトースへの変化率を安定化の指標とすることができる。これは製造直後のフルクトース含量と37℃30日間保管後のフルクトース含量を比較したものであり、分解の指標となる。好ましくは、フルクトース変化率が1.5以下である。更に好適には1.3以下である。
フルクタンの最適濃度は、消費者の要望により、あるいは商品によって異なるであろう。また、イヌリン等のフルクタン濃度が異なれば、その分解を抑制するに必要なリコペン濃度も自ずと変わってくる。そのような場合、最も好適な指標は、「リコペン/フルクタン(mg/mg)」(L/F比)である。L/F比を指標とした場合の好ましいL/F比は、0.001〜0.02、好ましくは0.001〜0.012である。0.001以下では十分な安定化の効果が得られない。また、0.02以上の場合はフルクタン量が少なく食物繊維の摂取の観点からその効果が期待できず、あるいはトマト汁が過剰となってフルクタン含有飲料としての意味が薄らぐ。
このように、本発明によれば、高濃度フルクタン、とりわけイヌリンを含有する野菜汁またはピューレを配合する常温流通型酸性飲料において、トマトジュース等(ピューレ、ペースト含む)、またはニンジンジュース等をリコペン含量が5mg/L以上、好ましくは8〜500mg/L、さらに好ましくは10〜200mg/L、最も好ましくは10〜120mg/Lになるように配合し、かつ、フルクタン量を2.5〜50g/L、好ましくは10〜50g/Lになるように調合して、pHを3.5〜7.0、好ましくは3.5〜5.0、さらに好ましくは3.5〜4.7、最も好ましくは4.0〜4.5に調整することにより、保管時のイヌリンの加水分解を抑制し、フルクトース発生を低下させ、呈味変化を抑えた長期安定性に優れた常温流通可能な酸性飲料を供給することが可能になった。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
フルクタンを含有するトマトジュース飲料を調製した。フルクタンとトマトジュースの配合比は表1に示すとおりである。また、比較のためにフルクタンのみからなる飲料とトマトジュースのみからなる飲料を用意した。各飲料とも調合後93℃まで加熱し、缶に充填後巻き締め、冷却し、容器詰缶飲料とした。そして製造直後のpH、フルクタン濃度、リコペン濃度、フルクトース濃度を測定し、更に37℃で30日間保管した後のフルクトース濃度を測定した。尚、pH調整には必要に応じてクエン酸を用いた。
トマトジュースは、Brix5.5°でリコピン含量が109mg/Lの濃縮還元トマトジュースを用いた。フルクタンは、チコリ由来のラフティリンST(オラフティ社製。イヌリン含量79%)を使用した。
フルクタン濃度の測定は、メガザイム社のフルクタン測定キットを使用し、AOACMethod 999.03(17th
edition)に基づき分析した。フルクトースは電気化学検出器を用いたHPLC法で分析した。リコペンはUV450nmでHPLC分析した。
Figure 0004087883
上記表において、変化率評価、甘味変化、総合評価の意味はそれぞれ以下のとおりである。
(変化率評価)
B/Aが、1.5以下のものを合格(○印)とし、それを上回るものを不可(×印)とした。
(甘味変化)
以下の基準に基づいて、7人のパネラに実施例及び比較例の飲料を評価させた。
0:変化なし(ほぼ同等)
1:わずかに甘くなった
2:やや甘くなった
3:明らかに甘くなった
4:顕著に甘くなった
(総合評価)
変化率が1.5以下で甘味変化が0、1又は2の場合を合格(○印)とし、変化率が1.5を超え、甘味変化が3又は4の場合を不可(×印)とした。
(比較例1)
フルクタン(ラフティリンST)のみを配合しトマトジュースを含まない比較例1の飲料は、pH調整(pH4.49)をしてもその分解を抑えられず、フルクタンの分解に起因するフルクトース含量の増加が観察された。30日後のフルクトースへの変化率(B/A)は4.87であった。
(比較例2)
トマトジュースにもフルクトースが含まれているが、フルクタン非存在下では、フルクトース濃度には変化が見られなかった。なお、フルクタンを含有していないので総合評価は行わなかった。
(実施例1)
トマトジュース由来のリコペン存在下において、フルクタンの分解抑制効果が観察された。即ち、フルクトースへの変化率(B/A)は1.12であった。なお、このときのリコペン濃度は54.5mg/Lであり、また、L/F比は0.00138であった。
トマトジュースを配合した実施例1では、配合しなかった比較例1と比較して、37℃30日間保管後のフルクタン分解が顕著に抑制され、フルクトース濃度は製造直後と比較して1.12倍とほとんど変化がなかった。それに対してトマトジュースを配合していない比較例1では、フルクトース濃度が製造直後の4.87倍に増加していた。甘味変化を調べた結果、比較例1では冷蔵保存のものと比較して顕著に甘くなったとの評価を受けたが、実施例1では、変化が観察されなかった。
以上から、フルクタン含有酸性飲料において、リコペン含量が54.5mg/Lとなるようにトマトジュースを配合することにより、顕著にフルクタンの加水分解によるフルクトースの生成を抑えることができることが明らかとなった。
[実施例2,3]
ゴボウピューレとトマトジュースからなる飲料を調製した。ゴボウピューレとトマトジュースの配合比は表2に示すとおりである。また、比較のためにゴボウピューレのみからなる飲料と少量のトマトジュースを加えたゴボウピューレ飲料についても試験を行った。pHは、いずれの場合も約4.3とした。各飲料とも調合後93℃まで加熱し、缶に充填後巻き締め、冷却し、容器詰缶飲料とした。上記実施例乃至比較例と同様に、製造直後のpH、フルクタン濃度、リコペン濃度、フルクトース濃度を測定し、更に37℃で30日間保管した後のフルクトース濃度を測定した。尚、pH調整には必要に応じてクエン酸を用いた。
尚、ゴボウピューレはゴボウを水洗した後、長さ約8cmにカットし、95℃以上で15分間ブランチングした後、フードプロセッサー及びジューサーを用いてピューレ状に加工し、ゴボウピューレとした。
Figure 0004087883
(比較例3)
フルクタンを10.3g/L含有するするゴボウピューレ飲料は、30日保管後にフルクトース濃度が2.04倍となり、フルクタンの分解が観察された。
(比較例4)
リコペン濃度が5.5mg/Lとなるようにトマトジュースを加えることによってフルクタンの分解は抑制された。リコペン不存在の場合は変化率(B/A)が2.04であったものが、リコペンを5.5mg/L共存させることにより、変化率(B/A)は1.53にまで低減された。使用目的、用途によってはこれで十分である。しかし、甘味評価の結果は3であって、明らかに甘くなっており、その効果は必ずしも完璧なものではなかった。ちなみに、L/F比が0.001以下であった。
(実施例2)
比較例4に比べて、L/F比が0.001以上になるように調整した。その結果、L/F比が0.00053である比較例4に比較して、本発明者らが一応の目標値として設定した変化率(B/A)1.5を下回ることができた。
(実施例3)
リコペン含量をさらに増加させて10.3mg/Lとしたものは、フルクトース濃度変化率(B/A)は1.13であって、フルクタンの分解をほぼ完全に抑制した。このときのL/F比は0.00396であった。
このように、フルクタン2.6g/Lに対して、リコペン濃度が5.5mg/L又は10.3mg/Lとなるようにトマトジュースを配合した場合には、37℃30日間保存後のフルクタンの加水分解によるフルクトース生成が、製造直後の1.43倍又は1.13倍であって、分解はほぼ完全に抑制された。
[実施例4〜9]
フルクタン含量を10.3g/Lに固定して、表3に示した配合比にしたがって各種フルクタン含有酸性飲料を作成し、pHの影響、トマトジュース以外のニンジンジュース、リンゴジュースの添加の効果について、それぞれの濃縮還元ジュースを用いて試験を行った。pH、フルクタン濃度、リコペン濃度、フルクトース濃度の測定方法は上記と同じである。また、その評価方法も上記と同じである。pH調整は必要に応じて、クエン酸または重曹を用いた。
Figure 0004087883
(比較例5)
トマトジュースを含まない、即ちリコペンを含まないゴボウピューレのみからなる飲料は、pH3.7程度の低pH領域においては、フルクタン分解が促進され、その変化率(B/A)は6.19であった。
(比較例6、7)
上記比較例5の試験結果を受けてpHの影響を調べるために、pHを4.00、4.30にして試験をおこなったが、変化率(B/A)はそれぞれ4.46、2.85であって顕著な改善は見られなかった。
(比較例8)
赤色野菜の1つであるニンジンジュースを配合することによって、フルクタン分解を抑制できるか否かについて試験を行った。そ結果、フルクタン分解が若干ではあるが改善されることが分かった。ニンジン中に含まれるリコペン(0.4mg/L)乃至はその第3成分による効果であると推定される。しかし、その変化率(B/A)は1.54であり、必ずしも満足し得るもではなかった。
(実施例4〜7)
比較例5〜7のゴボウピューレのみからなる飲料にリコペン量が55mg/Lになるようにトマトジュースを加え、各種のpH値にて試験を行った。トマトジュースを加えたものは、pH値が3.75であってもその変化率(B/A)は1.27であって、満足し得るものであった。pH値が、4.0乃至4.5のものは変化率の観点からも、また甘味変化の観点からしても完全に満足し得るものであった。ちなみに、L/F比は0.0053であった。
(実施例8,9)
実施例8では、トマトジュースの代わりに濃縮トマトピューレを用いた。また実施例9では、トマトジュースに更にリンゴジュースを加えた。
実施例8から伺い知れるように、トマトジュースの代わりに濃縮トマトピューレを用いた場合も実施例4〜7と同様の効果が確認された。このときのL/F比は0.011であった。また、リンゴジュースを加えても良好な結果が維持された。なお、このときのL/F比は0.0053であった。
上記のとおり、トマトジュースを添加しない場合には、pH4.3、pH4.0、pH3.75とフルクタン含有飲料のpHが低くなるに従って、37℃30日間保存後のフルクタンの加水分解によるフルクトースの生成が顕著となり、それぞれ製造時の、2.85倍、4.46倍、6.19倍となった。それに対して、トマトジュースを配合した飲料では、1.04倍(pH4.5)、1.07倍(pH4.25)、1.16倍(pH4.0)、1.27倍(pH3.75)となり、pH3.75〜pH4.5の範囲、特に4.0〜4.5の範囲でその効果は顕著であった。
本発明により、高濃度フルクタン含有飲料、とりわけゴボウなどのフルクタン高含有植物の搾汁液やピューレを配合した食物繊維を高濃度で含む酸性飲料を安定に提供することが可能となり、現代生活において不足しがちな食物繊維のひとつであるフルクタンを野菜ジュースやその他の酸性飲料によって手軽に摂取することが可能となった。
健康を維持するために、食物繊維であるフルクタンを多く摂取したいという強い要望に答えることが可能である。さらには、フルクタンの分解を抑制する物質が、トマトジュース、ニンジンジュース等のリコペンを含む赤色野菜である点も健康志向の観点から推奨されるものであり、大いに期待し得るものである。
なお、野菜ジュースには実際の野菜と比較して食物繊維が多く含まれていないという指摘もなされているが、本発明によれば食物繊維であるフルクタンを高濃度に含有する野菜ジュースの製品化が可能となり、しかも手軽に摂取可能となった。

Claims (13)

  1. pHを3.5〜7.0に調整し、かつ赤色野菜由来のリコペンの含量が5〜500mg/Lとなるように調整することを特徴とするフルクタン含有飲料の安定化方法。
  2. pHが3.5〜5.0、リコペンの含量が8〜500mg/Lである請求項1に記載のフルクタン含有飲料の安定化方法。
  3. フルクタン含量が2.5〜50g/Lである請求項1又は2に記載のフルクタン含有飲料の安定化方法。
  4. リコペン(L)とフルクタン(F)の比率(L/F)が0.001乃至0.02である請求項1乃至3のいずれか1項に記載のフルクタン含有飲料の安定化方法。
  5. 赤色野菜がトマトである請求項1乃至4のいずれか1項に記載のフルクタン含有飲料の安定化方法。
  6. 赤色野菜由来のリコペンが、トマトジュース、トマトミックスジュース、トマトピューレ、トマトペースト又はそれらの混合物に由来するリコペンである請求項1乃至5のいずれか1項に記載のフルクタン含有飲料の安定化方法。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載した安定化方法によって安定化されたフルクタン含有飲料。
  8. pHが3.5〜7.0であり、かつ赤色野菜由来のリコペンの含量が5〜500mg/Lであるフルクタン含有飲料。
  9. pHが3.5〜5.0であり、かつリコペンの含量が8〜500mg/Lである請求項8に記載のフルクタン含有飲料。
  10. フルクタン含量が10〜50g/Lである請求項8又は9に記載のフルクタン含有飲料。
  11. リコペン(L)とフルクタン(F)の比率(L/F)が0.001乃至0.02である請求項8乃至10のいずれか1項に記載のフルクタン含有飲料。
  12. 赤色野菜がトマトである請求項8乃至11のいずれか1項に記載のフルクタン含有飲料。
  13. 赤色野菜由来のリコペンが、トマトジュース、トマトミックスジュース、トマトピューレ、トマトペースト又はそれらの混合物に由来するリコペンである請求項8乃至12のいずれか1項に記載のフルクタン含有飲料の安定化方法。
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