JP4083213B2 - 電気化学的免疫測定チップ - Google Patents

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Description

本発明は、免疫測定法を用いて、標的物質の量を電気化学的に測定するチップに関する。
免疫測定法は、抗原と抗体の結合性、すなわち抗原抗体反応、を利用することにより、標的物質の量を測定する方法である。抗原抗体反応は、これまでに知られている生物現象の中で最も種類が多く、かつ標的物質の識別性が最も高い。このため、免疫測定法は、膨大な種類の生体分子が混在する生体試料に含有された標的物質の量を、当該標的物質の単離精製作業を必要とせずに、生体試料から直接測定できる方法として注目されている。
図1は、免疫測定法の一例について説明するための工程図である。この例では、まず、標的物質4を含む試料溶液5を、抗体2が固定された槽1内に添加する(A1)。抗体2は、標的物質4に対する抗原結合部位を有している。このため、当該添加により、標的物質4と抗体2との間で抗原抗体反応が進行する。次に、バッファー溶液などを用いて槽1内を洗浄する(A2)。これにより、試料溶液に含有され得る夾雑物質3が、槽1内から除去される。その後、第2の抗体7を槽1内に添加する(A3)。第2の抗体7は、抗体2とは異なる抗原結合部位を含む。このため、当該添加により、抗体2に結合した状態にある標的物質4と第2の抗体7との間で、抗原抗体反応が進行する。第2の抗体7は、蛍光物質、放射性物質、酵素などの公知の標識体6により標識された状態にある。続いて、再度、バッファー溶液などを用いて槽1内を洗浄する(A4)。これにより、標的物質4に結合していない第2の抗体7が、槽1内から除去される。その後、槽1内に残存した、抗体2、標識物質4および第2の抗体7の複合体の量、より具体的には当該複合体における第2の抗体7を標識した状態にある標識体6の量、を測定することにより、標的物質4の量を算出する(A5)。
図2は、免疫測定法の別例について説明するための工程図である。この例では、標的物質4aを含む試料溶液とともに、標識化標的物質を所定濃度で含有するように調製された溶液を、槽1内に添加する(B1)。標識化標的物質は、標的物質4aと共通する抗原部位を有し、標識体6によって標識された状態にある、擬似的な標的物質4bである。当該添加により、槽1内において、抗体2、標的物質4aおよび標識化標的物質の三者間で競合的な抗原抗体反応が進行する。次に、バッファー溶液などを用いて槽1内を洗浄する(B2)。これにより、試料溶液に含有され得る夾雑物質3および未反応の標識化標的物質などが、槽1内から除去される。その後、槽1内に残存した、抗体2および標識化標的物質の複合体の量、より具体的には当該複合体における標識化標的物質を標識した状態にある標識体6の量、を測定し、標識化標的物質の添加量に基づいて、標的物質4aの量を算出する(B3)。
免疫測定法には、上述の二例以外にも様々なパタンが存在する。しかし、いずれのパタンにおいても、試料溶液中の標的物質の量は、当該量を反映した標識体の量に基づいて算出される。標識体の量を測定する方法としては、光学的な測定手段を用いる方法があるが、光源および輝度検出器を必要とするため、測定装置を小型化および低コスト化することが難しい。
測定装置を小型化および低コスト化するとともに、測定を、安全かつ容易に、また、高い精度で実施する観点から、電気化学的な測定手段を用いる方法が注目されている。例えば、特開平2−062952号公報および特開平9−297121号公報は、アルカリホスファターゼを標識体とし、ヘキサシアノ鉄(III)酸カリウム(フェリシアン化カリウム)を電子伝達体として用いる酵素サイクリング反応系を利用して、試料中の標的物質の量を電気化学的に測定するバイオセンサを開示する。
図3は、特開平2−062952号公報および特開平9−297121号公報に記載のバイオセンサにおいて利用される、酵素サイクリング反応系について説明するための図である。この酵素サイクリング反応系は、アルカリホスファターゼ、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸酸化型(NADP)、エタノール、アルコール脱水素酵素、ジアホラーゼ、およびジアホラーゼの基質となるフェリシアン化カリウムを含有する反応溶液において誘導される、第1〜第3の反応によって構成されている。第1の反応は、NADPが、アルカリホスファターゼにより脱リン酸化され、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド酸化型(NAD)へと変換される反応である。第2の反応は、第1の反応によって生成したNADが、エタノールとともに、アルコール脱水素酵素の触媒作用による酸化還元反応を受けて、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド還元型(NADH)へと還元される反応である。第3の反応は、第2の反応によって生成したNADHが、ジアホラーゼの触媒作用によってフェリシアン化カリウムと反応し、NADへと酸化されるとともに、フェリシアン化カリウムがヘキサシアノ鉄(II)酸カリウム(フェロシアン化カリウム)へと変換される反応である。なお、NADPは、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸還元型(NADPH)であってもよい。フェロシアン化カリウムは、反応溶液中に電圧を印加することにより、フェリシアン化カリウムに変換される。反応溶液中のアルカリホスファターゼの量は、上記の第1〜3の反応を経ることにより、第3の反応において生成したフェロシアン化カリウムの量に反映される。これにより、フェロシアン化カリウムからフェリシアン化カリウムへの変換に伴って生じる酸化電流量を測定することで、アルカリホスファターゼの量を測定できる。
バイオセンサをチップ化するためには、酵素サイクリング反応に必要な試薬をチップ内に長期的に保持させることが重要である。アルコール脱水素酵素を利用する酵素サイクリング反応系では、上記のとおりエタノールを用いる必要がある。エタノールは、高い揮発性を有するために、チップ内に長期的に保持させることが難しい。このため、アルコール脱水素酵素を含む酵素サイクリング反応系を利用して、バイオセンサをチップ化することは容易ではない。
本発明者は、これまでに、揮発性の高い試薬を必要としない新規な酵素サイクリング反応系の確立を進めてきた。図4は、この新規な酵素サイクリング反応系について説明するための図である。基本的な反応メカニズムは図3に示す酵素サイクリング反応系と同様であるが、本発明者が提案する酵素サイクリング反応系は、図4に示すように、アルコール脱水素酵素に代えてリンゴ酸脱水素酵素を、また、エタノールに代えてリンゴ酸およびリンゴ酸塩から選ばれる少なくとも1種を用いる。この酵素サイクリング反応系は、エタノールのような揮発性の高い試薬を含まない。
図4に示す新規な酵素サイクリング反応系は、脂質修飾酵素が関与しない反応系である。従来、基質を含有しない試料液に対する酸化電流値(ブランク値)の発生を抑制する側面から、脂質修飾酵素が関与しない酵素サイクリング反応系を利用する場合、酵素および電子伝達体を完全に分離した状態でチップ内に保持させることが望ましいと考えられていた(例えば、特開2005−046001号公報)。
ところが、本発明者が検討したところ、図4に示す新規な酵素サイクリング反応系を利用する場合、後述する比較例に示すように、酵素および電子伝達体を完全に分離した状態でチップに保持させることによっては、ブランク値の発生は抑制できるものの、チップの測定精度を実用に十分な程度にまで向上することはできない。
本発明者は、図4に示す反応系に関与する試薬群を、一部の電子伝達体(フェリシアン化カリウム)のみを酵素から分離した状態でチップに保持させ、他の一部の電子伝達体(NADPまたはNADPH)を酵素と同一の場所に固定することによって、ブランク値の発生を抑制できるとともに、チップの測定精度を実用に十分な程度にまで向上できることを見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明は、免疫測定法を用いて電気化学的に標的物質の量を測定するチップであって、前記チップは、作用極および対極からなる電極、または作用極、対極、および参照極からなる電極を有し、該チップ内に、NADPおよびNADPHから選ばれる少なくとも1種、リンゴ酸脱水素酵素、該リンゴ酸脱水素酵素の基質、フェリシアン化カリウムならびにジアホラーゼが固定され、前記リンゴ酸脱水素酵素と、前記NADPおよび前記NADPHから選ばれる少なくとも1種と、前記基質とが混合された状態で同一の場所に固定され、前記リンゴ酸脱水素酵素と、前記フェリシアン化カリウムとが離間した状態で固定されたチップを提供する。
本発明によれば、揮発性の高い試薬を必要とせずに、高精度な免疫学的測定を実施できるチップを提供できる。
図5および図6は、図4に示す酵素サイクリング反応系を利用して試料溶液中の標的物質の量を測定するチップの一例について説明するための図である。
チップ100は、図5に示すように、試料溶液をチップ内に導入するための試料導入口8、試料溶液中の標的物質の量を反映した量のアルカリホスファターゼ標識化物質を含む溶液を得るための反応槽9、試薬固定槽10、および定電位測定が可能な電極が保持された電極槽13を有している。試薬固定槽10と電極槽13は流路14aにより連通されている。反応層9と試薬固定槽10は流路14bにより連通されている。試料導入口8と反応層9は流路14cにより連通されている。チップ200は、図6に示すように、試料導入口8、試薬固定槽10および電極槽13を有している。試薬固定槽10と電極槽13は流路14aにより、また、試料導入口8と試薬固定槽10は流路14dにより連通されている。これらの槽や流路などは、チップ基板20上に形成されている。チップ基板の材料としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)が例示できる。チップ基板の材料は、ポリカーボネート、ポリイミドおよびポリプロピレンなどに代表される、PET以外の樹脂材料であっても、また、ガラスであっても構わない。
試薬固定槽10には、フェリシアン化カリウム11と、試薬混合物12とが、離間した状態で、かつ乾燥した状態で、固定されている。試薬混合物12は、リンゴ酸脱水素酵素、NADPおよびNADPHから選ばれる少なくとも1種、ならびにリンゴ酸脱水素酵素の基質を含有する。試薬固定槽10には、ジアホラーゼも乾燥状態で固定されている。なお、本明細書において試薬がチップ内に固定されている状態とは、チップに多少の衝撃が加わっても、所定の位置からずれない程度の強固さで試薬がチップ内に保持されている状態をいう。こうした状態にある試薬は、試料溶液に対して容易に溶解する状態にある。リンゴ酸脱水素酵素の基質としては、リンゴ酸およびリンゴ酸塩から選ばれる少なくとも1種が例示できる。リンゴ酸塩としては、リンゴ酸ナトリウムおよびリンゴ酸カリウムから選ばれる少なくとも1種を例示できる。このように、本発明のチップ100、200は、チップ基板20と、チップ基板20上に固定されたフェリシアン化カリウム11および試薬混合物12とを有し、フェリシアン化カリウム11と試薬混合物12とが、互いに離間した状態にある。チップ100、200は、さらに、試薬混合物12の一部として、または別の成分として、チップ基板20上に固定されたジアホラーゼを有する。
チップ100では、試料導入口8から導入された試料溶液が、流路14cを通じて反応槽9に送られる。反応槽9では、試料溶液中の標的物質の量を反映する、アルカリホスファターゼ標識された物質を含有する溶液が調製される。その後、当該溶液は、流路14bを通じて試薬固定槽10に送られる。当該溶液を得るための反応は、図1および2の工程図に代表されるように種々のパタンが存在する。このため、反応槽9は、反応のパタンに応じ、槽ならびに流路の数および配置パタンを適宜調整してよい。
チップ200では、試料溶液中の標的物質の量を反映する、アルカリホスファターゼ標識された物質を含有する溶液を、流路14dを通じて試料導入口8から試薬固定槽10に導入する。当該溶液は、チップの使用者が、チップ内に導入する前に調製する。
チップ100および200のいずれにおいても、アルカリホスファターゼ標識された物質を含有する溶液が試薬固定槽10に導入されると、当該溶液に、上記のフェリシアン化カリウムからジアホラーゼまでの試薬群が溶解する。これにより、試薬固定槽10において、当該試薬群と、溶液中のアルカリホスファターゼとの間で、図4に示すサイクリング反応が進行する。サイクリング反応後の溶液は、流路14aを通じて電極槽13に送られる。電極槽13では、当該電極槽13に導入された溶液に電圧が印加される。これにより、サイクリング反応によって得られたフェロシアン化カリウムがフェリシアン化カリウムに変換されるとともに、当該変換の際に流れる電流値が測定される(定電位測定)。そして、上記のとおり、定電位測定により得た電流値に基づいて、試料溶液中の標的物質の量が算出される。
図4に示す反応系に関与する試薬は、試薬固定槽10に代えて、流路14a、14b、14dや電極槽13において、試料溶液に溶解可能な状態で固定されていてもよい。電極槽13における電極の構成は、作用極および対極からなる二極式としてもよいし、作用極、対極および参照極からなる三極式としてもよい。各槽間の送液は、例えば遠心力を利用することにより行ってもよいし、また例えばポンプなどを利用して流路内に圧力をかけることにより行ってもよい。
以下、実施例により、本発明をさらに詳細に説明する。
図7に示すチップ300を用意した。チップ300は、PETにより構成されたチップ基板15、チップ基板15上に配置された対極および測定極からなる電極系16、ならびにチップ基板15上に配置された絶縁層17を備える。電極系16は、例えば、公知の導電性カーボンペーストを所定のパタンでチップ基板15上にスクリーン印刷した後、加熱し、乾燥させることにより形成すればよい。絶縁層17は、例えば、公知の絶縁性ペーストを、電極系16の一部が露出した状態にある電極露出部位19が形成され、また、チップ外から電極系16に電圧を印加できる状態で電極系16の他の一部が露出するように、チップ基板15上にスクリーン印刷した後、加熱し、乾燥することにより形成すればよい。絶縁層17の表面の一部の領域は、図4に示す酵素サイクリング反応に関与する試薬群を乾燥状態で固定させる試薬固定部位18として使用した。
(比較例1)
1Mのフェリシアン化カリウム溶液(1μL)、1000U/mLのジアホラーゼ溶液(6.7μL)、4Mのリンゴ酸ナトリウム溶液(7.8μL)、5mMのNADP溶液(1μL)、25000U/mLのリンゴ酸脱水素酵素溶液(1μL)、および1MのTris−HCl溶液(5μL、pH9)を混合することにより、混合溶液を調製した。この混合溶液(22.5μL)を、チップ300の試薬固定部位18上に配置した後、常温(25℃)で3時間、真空乾燥させた。これにより、図4に示す酵素サイクリング反応に関与する試薬群を、全て混合した状態で試薬固定部位18上に乾燥固定した。
続いて、アルカリホスファターゼ標識CRP抗体溶液(100μL)を、試薬固定部位18上に乾燥固定されている試薬群に添加し、当該溶液に試薬群を溶解させることにより、反応溶液を調製した。反応溶液は、アルカリホスファターゼ標識CRP抗体の濃度が、0M、0.083nM、0.415nM、0.830nMとなるように複数種を調製した。
反応溶液を30℃で10分間インキュベートした後、チップ300の電極露出部位19に移動させ、400mVの定電圧を反応溶液に印加する定電位測定を実施した。
図8は、比較例1における、反応溶液中のアルカリホスファターゼ標識CRP抗体濃度(ALP−Ab濃度)と、電圧印加直後にそれぞれの反応溶液において流れた電流値との関係を示すグラフである。図8に示すように、定電位測定により検出された電流値は、ばらつきが大きく、また、ALP−Ab濃度との間の相関が非常に乏しかった。このように、比較例1のチップを使用して、標的物質の量を高精度に測定することは難しい。
(比較例2)
図4に示す酵素サイクリング反応に関与する試薬群を、電子伝達体(フェリシアン化カリウムおよびNADP)と、酵素(リンゴ酸脱水素酵素およびジアホラーゼ)とを分離した状態で試薬固定部位18上に乾燥固定したチップ300を用いたこと以外は、比較例1と同様にして定電位測定を実施した。
試薬群は、次のようにして乾燥固定した。1000U/mLのジアホラーゼ溶液(6.7μL)、4Mのリンゴ酸ナトリウム溶液(7.8μL)、25000U/mLのリンゴ酸脱水素酵素溶液(1μL)、および1MのTris−HCl溶液(5μL、pH9)を混合することにより、混合溶液を調製した。また、1Mのフェリシアン化カリウム溶液(1μL)、および5mMのNADP溶液(1μL)を用意した。これらの混合溶液(20.5μL)、フェリシアン化カリウム溶液(1μL)、およびNADP溶液(1μL)を、それぞれ試薬固定部位18上の異なる領域に配置した後、常温で3時間、真空乾燥させた。
図9は、比較例2における、反応溶液中のALP−Ab濃度と、電圧印加直後にそれぞれの反応溶液において流れた電流値との関係を示すグラフである。図9に示すように、定電位測定により検出された電流値は、比較例1と比べてブランク値が抑制された状態にあったが、ばらつきが大きかった。また、当該電流値のプロットに対する近似線の傾き(検量線の傾き)は、比較例1と比べてさらに小さかった。このように、比較例2のチップを使用して、標的物質の量を高精度に測定することは難しい。
(実施例1)
図4に示す酵素サイクリング反応に関与する試薬群を、電子伝達体のうちフェリシアン化カリウムのみを酵素およびその基質から分離した状態で、試薬固定部位18上に乾燥固定したチップ300を用いたこと以外は、比較例2と同様にして定電位測定を実施した。
試薬群は、次のようにして乾燥固定した。1000U/mLのジアホラーゼ溶液(6.7μL)、4Mのリンゴ酸ナトリウム溶液(7.8μL)、5mMのNADP溶液(1μL)、25000U/mLのリンゴ酸脱水素酵素溶液(1μL)、および1MのTris−HCl溶液(5μL、pH9)を混合することにより、混合溶液を調製した。また、1Mのフェリシアン化カリウム溶液(1μL)を用意した。これらの混合溶液(21.5μL)、およびフェリシアン化カリウム溶液(1μL)を、それぞれ試薬固定部位18上の異なる領域に配置した後、常温で3時間、真空乾燥させた。
図10は、実施例1における、反応溶液中のALP−Ab濃度と、電圧印加直後にそれぞれの反応溶液において流れた電流値との関係を示すグラフである。図10に示すように、定電位測定により検出された電流値は、ALP−Ab濃度との間に高い相関が認められた。このように、実施例1のチップを使用すると、標的物質の量を高精度に測定できる。
(比較例3)
図4に示す酵素サイクリング反応に関与する試薬群を、電子伝達体のうちNADPのみを酵素およびその基質から分離した状態で、試薬固定部位18上に乾燥固定したチップ300を用いたこと以外は、比較例2と同様にして定電位測定を実施した。
試薬群は、次のようにして乾燥固定した。1Mのフェリシアン化カリウム溶液(1μL)、1000U/mLのジアホラーゼ溶液(6.7μL)、4Mのリンゴ酸ナトリウム溶液(7.8μL)、25000U/mLのリンゴ酸脱水素酵素溶液(1μL)、および1MのTris−HCl溶液(5μL、pH9)を混合することにより、混合溶液を調製した。また、5mMのNADP溶液(1μL)を用意した。これらの混合溶液(21.5μL)、およびNADP溶液(1μL)を、それぞれ試薬固定部位18上の異なる領域に配置した後、常温で3時間、真空乾燥させた。
図11は、比較例3における、反応溶液中のALP−Ab濃度と、電圧印加直後にそれぞれの反応溶液において流れた電流値との関係を示すグラフである。図11に示すように、定電位測定により検出された電流値のプロットに対する近似線の傾き(21.6)は、実施例1において得られた近似線の傾き(72.7)と比べて、1/3にも満たない程度に小さかった。このように、比較例3のチップでは、実施例1のチップを使用した場合に匹敵する程度の高精度で、標的物質の量を測定することは難しい。
本発明により、揮発性の高い試薬を必要とせずに、高精度な免疫学的測定を実施できるチップが提供される。
図1は、免疫測定法の一例を説明するための工程図である。 図2は、免疫測定法の別例を説明するための工程図である。 図3は、アルコール脱水素酵素を利用する酵素サイクリング反応系について説明するための図である。 図4は、新規な酵素サイクリング反応系について説明するための図である。 本発明の測定チップの一例を示す図である。 本発明の測定チップの別例を示す図である。 実施例および比較例で用いたチップを示す図である。 比較例1における定電位測定の結果を示すグラフである。 比較例2における定電位測定の結果を示すグラフである。 実施例1における定電位測定の結果を示すグラフである。 比較例3における定電位測定の結果を示すグラフである。

Claims (3)

  1. 免疫測定法を用いて電気化学的に標的物質の量を測定するチップであって、
    前記チップは、作用極および対極からなる電極、または作用極、対極、および参照極からなる電極を有し、
    該チップ内に、NADPおよびNADPHから選ばれる少なくとも1種、リンゴ酸脱水素酵素、該リンゴ酸脱水素酵素の基質、フェリシアン化カリウムならびにジアホラーゼが固定され、
    前記リンゴ酸脱水素酵素と、前記NADPおよび前記NADPHから選ばれる少なくとも1種と、前記基質とが混合された状態で同一の場所に固定され
    記リンゴ酸脱水素酵素と、前記フェリシアン化カリウムとが離間した状態で固定されたチップ。
  2. 前記リンゴ酸脱水素酵素の前記基質が、リンゴ酸およびリンゴ酸塩から選ばれる少なくとも1種である、請求項1に記載のチップ。
  3. 前記リンゴ酸塩が、リンゴ酸ナトリウムおよびリンゴ酸カリウムから選ばれる少なくとも1種を含む、請求項2に記載のチップ。
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