JPH0815217A - マンニトール測定方法 - Google Patents

マンニトール測定方法

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JPH0815217A
JPH0815217A JP6142093A JP14209394A JPH0815217A JP H0815217 A JPH0815217 A JP H0815217A JP 6142093 A JP6142093 A JP 6142093A JP 14209394 A JP14209394 A JP 14209394A JP H0815217 A JPH0815217 A JP H0815217A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 速く、正確なマンニトール測定法を提供す
る。 【構成】 マンニトールを含み得る試料、マンニト
ール脱水素酵素、補酵素酸化体Cox、補酵素還元体
Cred と第2の脱水素酵素の基質酸化体Yoxより基質還
元体Yred と補酵素酸化体Coxを生成する第2の脱水素
酵素、及び第2の脱水素酵素の基質酸化体Yoxを含む
反応系で、第2の脱水素酵素の基質還元体Yred を生成
させるA工程、並びに、生成した基質還元体Yred を測
定するB工程を有するマンニトール測定方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、酵素反応を利用した測
定方法であり、特にマンニトール測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】酵素試薬を用いた測定法は、化学反応を
用いる検出法に比較して、酸、塩基や有機溶剤等の危険
な試薬を使用せず、加熱、抽出等の繁雑な反応操作を行
うことがなく、また廃液の処理等もほとんど考慮する必
要が無い等、安全で環境にもやさしい分析方法である。
また酵素は基質特異性が高く選択性に優れ、反応条件も
穏やかであるという利点がある。
【0003】そのため従来より酵素反応を利用した各種
の分析方法が知られている。例えば、基質と酸素より酸
化酵素の作用で基質酸化体と過酸化水素が生成する反応
を利用して減少した酸素や増加した過酸化水素を電極法
で検知する方法や、生成した過酸化水素を比色法で定量
する方法が一般的である。また、脱水素酵素を用いた測
定法では、基質に補酵素を添加し脱水素酵素の作用で基
質と補酵素間の酸化還元反応が起こるのを利用して増減
する補酵素を比色法で検出する方法が一般的である。
【0004】これらの方法のうち最終検出手段が比色法
による場合は、試料の濁り、着色が正確な測定を妨げた
り、これらの除去のため繁雑な前処理が必要となる等の
問題があった。
【0005】また、酸化酵素を用いて電極で検出する測
定法は、濁りや着色物質による影響を受けないが、実用
に適する充分な活性を有する酸化酵素の種類が限定され
ているので、多様な測定要求に応えることができなかっ
た。脱水素酵素に関しては、例えば、アルコール脱水素
酵素はエタノールに比べメタノールにはあまり作用しな
いので、メタノールの混在する系でエタノールを測定す
る場合に用いられる。しかし、脱水素酵素の補酵素とし
て利用されるニコチンアミドアデニンジヌクレオチド
(以下NADと略す)等を再現性よく電極法で測定する
ことは困難であり、単純に脱水素酵素を利用することは
できない。
【0006】様々な測定対象の中には、化学反応による
検出では測定が困難なものもある。例えばマンニトール
は、フラクトースが還元された糖アルコールで、タマネ
ギやキノコ、コンブ等の藻類に含まれている。また、マ
ンニトールの用途としては低カロリー甘味料、食品や化
粧品の品質改良剤、安定化剤等が挙げられる。そのた
め、マンニトールを測定する要求は高まっているが、他
の糖アルコールや糖が共存する系で、糖アルコールの性
質を利用した化学反応でマンニトールだけを選択的に測
定することは難しい。このような各種の糖や糖アルコー
ルを含む場合では前処理を行った後、HPLC(高速液
体クロマトグラフ)等により測定しなければならずマン
ニトールだけを簡便に測定するのには不向きである。
【0007】このようにマンニトールだけを選択的に測
定するには、酵素を利用した測定法が望ましく、マンニ
トール脱水素酵素を利用することができるが、マンニト
ール脱水素酵素を利用した反応であっても最終検出手段
が比色法である場合は前記のような問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の酸化
酵素のみを利用した電気化学的測定では充分な活性を有
する酵素の種類が少なく、測定対象が限られていた等、
前記の問題を解決し、マンニトールを精度良く簡便に測
定することができる方法を提供する。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記の各態様
を含むが、これらに限定されるものではない。
【0010】(1) マンニトールを含み得る試料、
マンニトールと補酵素(ニコチンアミドアデニンジヌク
レオチドまたはニコチンアミドアデニンジヌクレオチド
リン酸)の酸化体よりフラクトースと補酵素還元体を生
成する反応を触媒するマンニトール脱水素酵素、前記
補酵素酸化体、補酵素還元体と第2の脱水素酵素の基
質酸化体Yoxより基質還元体Yred と補酵素酸化体を生
成する第2の脱水素酵素、第2の脱水素酵素の基質酸
化体Yoxを含む反応系で、第2の脱水素酵素の基質還元
型Yred を生成させるA工程、並びに、生成したYred
を測定するB工程、を有する試料中のマンニトール測定
方法。
【0011】(2) 生成した基質還元体Yred を測定
する工程が、Yred の酸化反応を触媒する酸化酵素の固
定化体に接触させ、減少または増加する電極活性物質の
変化量を電気化学的に検出することによる(1)記載の
測定方法。
【0012】(3) 更に試料中に元来存在していたY
red を測定するC工程を有し、前記第2の脱水素酵素の
基質還元体Yred を生成させるA工程の後に前記B工程
を行い求めた基質還元体Yred の測定値からC工程で求
めた試料中に元来存在していたYred 量を補正する
(1)記載の測定方法。 (4) 酸化酵素の反応により減少または増加する物質
が酸素または過酸化水素である(2)記載の測定方法。
【0013】(5) (1)において、第2の脱水素酵
素がL−乳酸脱水素酵素であり、その基質酸化体Yoxが
ピルビン酸であり、基質酸化体Yred がL−乳酸である
マンニトール測定方法。 (6) (2)において、Yred がL−乳酸であり、酸
化酵素がL−乳酸酸化酵素であるマンニトール測定方
法。
【0014】(7) マンニトールを含み得る試料、
マンニトール脱水素酵素、補酵素酸化体Cox、補
酵素還元体Cred と第2の脱水素酵素の基質酸化体Yox
より基質還元体Yred と補酵素酸化体Coxを生成する第
2の脱水素酵素、及び第2の脱水素酵素の基質酸化体
Yoxを含む反応系で、第2の脱水素酵素の基質還元体Y
red を生成させるA工程、並びに生成した基質還元体Y
red を測定するB工程、を有する試料中のマンニトール
測定方法。
【0015】
【作用】本発明はA工程として、マンニトール脱水素酵
素の反応と別の第2の脱水素酵素の反応を複合させて、
試料中のマンニトール量に対応した量のYred を生成さ
せる。まずマンニトール脱水素酵素の反応式は以下のよ
うに示される。ただし、補酵素はニコチンアミドアデニ
ンジヌクレオチド(以下NADと略す)あるいはニコチ
ンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(以下NADP
と略す)であり、それぞれ補酵素酸化体COXはNADま
たはNADP、還元体Cred はNADHまたはNADP
Hで例示される。
【0016】マンニトール脱水素酵素反応 マンニトール+NAD(P)→フラクトース+NAD
(P)H
【0017】この反応は可逆的であり、反応平衡に達す
ると反応は見かけ上停止するので、すべてのマンニトー
ルがすべてフラクトースに変換されるものではない。そ
のため、生成してきたフラクトースもしくはNAD
(P)Hを別の物質に変換し平衡をずらして反応を進行
させる必要がある。またこのフラクトースもしくはNA
D(P)Hの消費反応はマンニトール脱水素酵素の反応
と同時に行わなければ効果が無いので、同様の条件で反
応させることができる酵素を使用することが考えられ
る。そして、本発明ではマンニトール脱水素酵素の反応
に利用される補酵素を共有する第2の脱水素酵素を利用
する。還元された補酵素を再酸化する反応を組み合せ
て、補酵素をリサイクルし、高価な補酵素の使用量を少
なくすることにより、分析コストを低減させることがで
きる。
【0018】また、脱水素酵素であれば反応の平衡状態
が、ほとんどの場合基質還元体Yred と補酵素酸化体N
AD(P)が生成する方向へ偏っているので使用するこ
とができる。上記のマンニトール脱水素酵素の反応系に
更に第2の脱水素酵素とその基質酸化体Yoxを添加し、
第2の脱水素酵素の反応を複合させる。
【0019】第2脱水素酵素反応 Yox+NAD(P)H→Yred +NAD(P) 本発明ではマンニトールと当mole以上のYoxを添加する
ものであり、1moleのマンニトールより1moleのYred
を生成させることができる。
【0020】次にB工程として、生成したYred を測定
すれば、試料中のマンニトール量を求めることができ
る。Yred の定量にはYred に特異的に作用する酸化酵
素を使用する方法が好ましい。酸化酵素はYred を溶存
酸素の存在下で基質酸化体Zoxに酸化し過酸化水素を生
成する。酸化酵素の代表的な反応は下記に例示されてい
る。
【0021】酸化酵素反応 Yred +O2 →Zox+H2 2 この酸化酵素の反応は酸素より過酸化水素を生成する一
方向の反応であり、Zoxが共存していても反応には影響
がなく、またNAD(P)、NAD(P)Hが共存して
いても影響がない。マンニトール脱水素酵素及び第2の
脱水素酵素は酸化酵素の反応を阻害したり、酸化酵素の
反応によって阻害されないので失活させる必要はない。
【0022】酸化酵素反応の検出方法は電気化学的検出
等があるが、これについては後に記載する。本発明にお
いて補酵素酸化体NAD(P)がマンニトール脱水素酵
素の反応で還元されNAD(P)Hになり、さらに第2
の脱水素酵素の反応で酸化されNAD(P)に戻る。こ
のため見かけ上補酵素は反応に関与していないかのよう
であるが、電子伝達体としてリサイクルしている。した
がって、本発明では反応系にNAD(P)を添加する
が、たとえNAD(P)量が試料中のマンニトール量よ
り少ない場合でもマンニトールを完全にYred に変換す
ることができる。
【0023】測定を行う上でマンニトールと基質還元体
Yred の間の変換係数は必ずしも100%である必要は
なく、予め決められた係数に従って計算ができる。つま
り、100%反応が終了するまでに反応を停止させ、速
度論的にマンニトール濃度を求めることもできる。ただ
し反応を完結させることにより正確な反応時間の制御が
不必要となるため実用的に好ましい。
【0024】このような反応条件を達成するためには、
反応系に加える基質酸化体Yoxの量は試料マンニトール
量より多くなくては、すべてのマンニトールを酸化させ
ることはできない。試料がマンニトール以外に基質還元
体Yred を含む場合は、C工程として試料中の基質還元
体Yred 量をまず測定しておき、次に試料中のマンニト
ールからYred への変換反応を行なった後のYred を測
定し、両者の差からYred の増加量を求めてから、マン
ニトールの量を求める必要がある。
【0025】マンニトール脱水素酵素と第2の脱水素酵
素の反応は同時に進行させるが、酸化酵素の反応は別段
階で行うのでYred の酸化により生成するZoxはYoxと
同一であってもかまわない。また、マンニトールは反応
系にNAD(P)を添加するので酸化酵素により生成す
るZoxとは反応しない。このためマンニトールのリサイ
クルは起こらない。
【0026】本発明においては測定対象はマンニトール
であるが、第2の脱水素酵素には各種のものを組み合わ
せることができ、その例を表1に示す。
【0027】
【表1】
【0028】選択する第2脱水素酵素の種類により、Y
oxは自動的に決定され、同時に測定するYred および酸
化酵素も決まる。この方法により、酸化酵素を利用した
Yred (例えばD−グルコース、L−乳酸等)の測定、
及びマンニトールの測定を連続的に行うことも可能とな
る。尚、第2脱水素酵素には、マンニトール脱水素酵素
と同じ補酵素つまりNADまたはNADPに反応するも
のを選ばなければならない。
【0029】本発明において用いるマンニトール脱水素
酵素および第2の脱水素酵素の種類、由来についてはと
くに限定されない。また、マンニトール脱水素酵素およ
び第2の脱水素酵素の活性量についてもとくに限定され
ない。しかし、活性量が少なすぎると反応に時間がかか
りすぎ、また単位時間あたりの変化量が少なく測定が困
難になる場合がある。また活性量が多いと反応は速い
が、分析コストが上昇する。そのため実用的にはマンニ
トール脱水素酵素0.1〜20U/ml、第2の脱水素
酵素については用いる脱水素酵素の種類により異なる
が、表記活性でマンニトール脱水素酵素の100分の1
から100倍程度が好ましい。
【0030】また測定に用いるNADまたはNADPに
ついては同様に、少量でも存在すれば反応は進行する
が、速度は遅い。そして、多量に存在すると反応は速く
なるが、分析コストが上昇するので、0.1〜20mM
程度が好ましい。そして、第2の脱水素酵素の基質酸化
体Yoxは、マンニトール測定上限の1.0〜5倍量あれ
ばよい。
【0031】次に、第2の脱水素酵素の反応により生成
したYred を酸化酵素反応を利用して定量するB工程を
具体的に説明する。勿論試料中に元来存在していたYre
d を測定するC工程も手法としては同じである。酸化酵
素の反応で生成した過酸化水素の定量は、例えば、パー
オキシダーゼと2,2’−アジノ−ジ(3−エチルベン
ツチアゾリン)−6−スルホン酸または4−アミノアン
チピリンをもちいた方法(トリンダー法)等により、可
視部の吸光度を測定することにより測定できる。可視部
の吸光度測定は補酵素の定量に使用する紫外部の吸光度
測定に比べ、濁りの影響を受けにくい。しかし、分光光
度計をもちいる測定は試料の濁りや、着色物質を含んで
いる場合には正確な測定が困難であり、そのために前処
理を必要とする。
【0032】この方法に比較して、減少した酸素、また
は生成した過酸化水素を電極によって電流値に変換して
測定する電気化学的測定法は操作が簡単で濁りや着色物
質の影響を受けにくく優れた検出手段である。消費され
た酸素を測定する酸素電極は、ガルバニ型、クラーク型
等各種公知のものを利用できる。
【0033】生成する過酸化水素を測定する過酸化水素
電極としては、アノード基体に炭素、白金、ニッケル、
パラジウム等を用い、カソード側に銀等を用いた公知の
ものを利用できる。一般にアノードとしては、過電圧が
低く高感度が得られるという理由から白金を用いること
が多い。そして電極表面にポリシロキサン膜、アクリル
樹脂膜、蛋白膜、アセチルセルロース膜、アルブミン膜
等の選択透過膜を有している形式の電極が妨害物除去の
観点から望ましい。
【0034】また、ジクロロインドフェノール、フェリ
シアン化カリウム、ベンゾキノン等の電子伝達体、所謂
メディエーター等を介在させた電極で測定することもで
きる。電極系は作用電極、対極より構成される2電極の
過酸化水素電極や酸素電極が利用できるが、安定性、精
度の点から作用電極、参照電極、対極より構成される3
電極のものがより望ましい。
【0035】尚、溶液状の酸化酵素を利用することもで
きるが、酸化酵素を固定化して用いると酵素の繰り返し
利用が可能となり、酵素の反応条件を規定し易い等の利
点がある。また、酸化酵素固定化体を、増減する酸素ま
たは過酸化水素等の変化量を検出する電極と組み合せて
使用するとYred の検出を1段階で短時間に行うことが
でき、好ましい。
【0036】酵素の固定化法は、特に限定されず、吸着
法、化学結合法、包括法等を用いることができる。中で
も強固な固定化体を作成できる化学結合法が望ましい。
固定化にもちいる担体にはケイソウ土、シリカゲル、ガ
ラスビーズ、アルミナ、セラミック、カーボン、活性
炭、モレキュラーシーブ、シリコンゴム、セルロース、
アガロース、アミノ酸系ポリマー等が使用できる。化学
結合法としては、担体表面にアミノシラン化試薬でアミ
ノ基を導入し、さらにグルタルアルデヒド等の多官能性
アルデヒドを用いてホルミル化を行った後、酵素を接触
させて固定化する方法が好適な例として挙げられる。固
定化酵素の形態は、担体に固定化しカラム等のリアクタ
ーに充填する方法が考えられる。
【0037】また、酸化酵素をグルタルアルデヒド、ホ
ルムアルデヒド、サクシニルアデヒド等の架橋剤で固定
した膜を電極に取りつけて使用することもできる。膜状
に固定化する際にはアルブミン、グロブリン、ゼラチン
等の他のタンパク質を添加して酸化酵素を架橋すること
もできる。測定に使用する緩衝液は酸化酵素に適したp
Hで緩衝能があり、電極に電気化学的な影響を及ぼさな
いものならよい。
【0038】
【実施例】以下に実施例を挙げて、本発明の内容をさら
に詳細に説明するが、もちろん本発明はこれらに限定さ
れるものではない。
【0039】実施例1 マンニトール水溶液にマンニトール脱水素酵素、NA
D、L−乳酸脱水素酵素、ピルビン酸(YOX)を接触さ
せ一定時間反応させた後に(A工程)、生成したL−乳
酸(Yred )を測定した(B工程)。L−乳酸測定は、
以下に説明するL−乳酸測定装置を用い、生成した過酸
化水素を白金電極で測定する方法で行った。
【0040】(1)L−乳酸酸化酵素固定化カラムの製
造方法 焼成したケイソウ土である耐火レンガ(30〜60メッ
シュ)150mgをよく乾燥し、10%γ−アミノプロ
ピルトリエトキシシランの無水トルエン溶液に1時間浸
漬した後、よくトルエンで洗浄し、乾燥する。こうして
アミノシラン化処理した担体を5%グルタルアルデヒド
に1時間浸漬した後、よく蒸留水で洗浄し、最後にpH
7.0、100mMのリン酸ナトリウム緩衝液で置き換
え、この緩衝液をできるだけ除いておく。このホルミル
化した耐火レンガにpH7.0、100mMリン酸ナト
リウム緩衝液にL−乳酸酸化酵素(シグマ社製)50ユ
ニット/mlの濃度で溶解した溶液200μlを接触さ
せ、0〜4℃で1日放置し固定化する。この酵素固定化
担体を内径3.5mm、長さ30mmのカラムに充填し
L−乳酸酸化酵素固定化カラムとする。
【0041】(2)過酸化水素電極の製造 直径2mmの白金線の側面を熱収縮テフロンで被覆し、
その線の一端をやすりおよび1500番のエメリー紙で
平滑に仕上げる。この白金線を作用極、1cm角型白金
板を対極、飽和カロメル電極を参照極として、0.1M
硫酸中、+2.0Vで10分間の電解処理を行う。その
後白金線をよく水洗した後、40℃で10分間乾燥し、
10%γ−アミノプロピルトリエトキシシランの無水ト
ルエン溶液に1時間浸漬後、洗浄する。牛血清アルブミ
ン(シグマ社製、Fraction V)20mgを蒸
留水1mlに溶解し、その中にグルタルアルデヒドを
0.2%になるように加える。この混合液を手早く先に
用意した白金線上に5μlのせ、40℃で15分間乾燥
硬化して選択透過膜を形成し、これを過酸化水素電極と
する。
【0042】また参照電極としてはAg/AgCl参照
電極を用い、対極には導電性の配管を用いた。
【0043】(3)L−乳酸測定装置 図1に示すフロー型L−乳酸測定装置によってL−乳酸
の測定を行った。緩衝液(1)をポンプ(2)により送
液し、オートサンプラ(3)より試料5μlを注入す
る。試料中のL−乳酸より、恒温槽(4)中のL−乳酸
酸化酵素固定化カラム(5)によって過酸化水素が生成
し、過酸化水素電極(6)により電流値の変化が捕らえ
られ検出器(7)により検出される。さらに信号をコン
ピュータ(10)に送ることもできる。
【0044】緩衝液の組成は100mMリン酸ナトリウ
ム、50mM塩化カリウム、1mMアジ化ナトリウムを
含みpH7.0である。
【0045】(4)測定方法 反応系での最終濃度がNAD5mM、ピルビン酸10m
M、マンニトール脱水素酵素(シグマ社製)1ユニット
/ml、L−乳酸脱水素酵素(ベーリンガー社製)10
ユニット/ml、リン酸ナトリウムを含みpH7.5
で、マンニトール1mM、マンニトール2mM、
マンニトール5mM、を含む溶液をそれぞれ、25℃に
おいて約60分反応させた(A工程)。
【0046】上記の反応液と蒸留水をブランクに用い
て、L−乳酸の1mM、2mM、5mMを上記(3)に
記載のL−乳酸測定装置を用いて測定し得られた電流値
(nA)を求めた。
【0047】(5)結果 マンニトールの反応液とL−乳酸標準液のそれぞれの電
流値は表2のようになった。
【0048】
【表2】
【0049】L−乳酸、マンニトールのそれぞれの検量
線は以下のようになった。ただし、rは相関係数、Yは
濃度X(mM)のときの電流値(nA)である。 L−乳酸 検量線 r=0.9999 Y=23.82X+0.78 マンニトール 検量線 r=1.0000 Y=23.74X−0.04
【0050】L−乳酸の検量線もマンニトールの検量線
もほぼ等しく、反応が進行するとマンニトールの酸化が
完了し、ピルビン酸が還元されL−乳酸が生成してい
る。そのため、反応終了後のL−乳酸量を測定すると、
マンニトールの測定が可能である。
【0051】実施例2 実施例1と同様のL−乳酸測定装置をもちいてL−乳酸
とマンニトールの混合液を測定した。 (1)測定方法 L−乳酸標準液とマンニトール標準液を混合した試料溶
液と、酵素と補酵素等を含む反応試薬を容量比1:1で
混合し、25℃の室温で1時間反応させた。反応試薬の
組成は、NAD10mM、ピルビン酸20mM、マンニ
トール脱水素酵素(シグマ社製)2ユニット/ml、L
−乳酸脱水素酵素(ベーリンガー社製)20ユニット/
ml、リン酸ナトリウムを含みpH7.5である。
【0052】〔A〕試料をそのまま(C工程)、及び
〔B〕マンニトールの酸化が完了しピルビン酸が還元さ
れた状態の反応液(A工程とB工程)の2点について実
施例1のL−乳酸測定装置を用いてL−乳酸濃度を測定
した。反応後の試料溶液〔B〕は2倍に希釈されている
ので、得られた測定値を2倍し、はじめの試料溶液
〔A〕のL−乳酸濃度を差し引いてマンニトール濃度を
求めた。
【0053】(2)結果 それぞれの試料のL−乳酸とマンニトール濃度は表3の
ようになり、L−乳酸、マンニトールとも正確に測定す
ることができた。
【0054】
【表3】
【0055】
【発明の効果】本発明の酵素反応を用いることにより、
マンニトールを簡便に、精度よく定量することが可能と
なった。また、第2の脱水素酵素の基質還元体Yred も
一連の操作で連続して測定することもできる。例えば、
マンニトールとL−乳酸の2成分を連続して簡便に測定
することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は実施例で使用したフロー方式のL−乳酸
測定装置を示す。
【図2】図2は本発明の酵素反応を示す。
【符号の説明】
1 緩衝液槽 2 ポンプ 3 サンプラ 4 恒温槽 5 L−乳酸酸化酵素固定化カラム 6 過酸化水素電極 7 検出器 8 シングルボードコンピュータ 9 RS232Cコード 10 パーソナルコンピュータ 11 サンプラ制御信号 12 送液ポンプ制御信号 13 廃液

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マンニトールを含み得る試料、マン
    ニトール脱水素酵素、補酵素酸化体Cox、補酵素還
    元体Cred と第2の脱水素酵素の基質酸化体Yoxより基
    質還元体Yred と補酵素酸化体Coxを生成する第2の脱
    水素酵素、及び第2の脱水素酵素の基質酸化体Yoxを
    含む反応系で、第2の脱水素酵素の基質還元体Yred を
    生成させるA工程、並びに生成した基質還元体Yred を
    測定するB工程、を有する試料中のマンニトール測定方
    法。
  2. 【請求項2】 生成した基質還元体Yred を測定する工
    程が、Yred の酸化反応を触媒する酸化酵素の固定化体
    に接触させ、減少または増加する電極活性物質の変化量
    を電気化学的に検出することによる請求項1記載の測定
    方法。
  3. 【請求項3】 更に試料中に元来存在していたYred を
    測定するC工程を有し、前記第2の脱水素酵素の基質還
    元体Yred を生成させるA工程の後に前記B工程を行い
    求めた基質還元体Yred の測定値からC工程で求めた試
    料中に元来存在していたYred 量で補正する請求項1記
    載の測定方法。
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