JP3367162B2 - 測定装置及びその活性化方法 - Google Patents

測定装置及びその活性化方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、固定化酵素を利用した
迅速かつ簡便な脱水素酵素の基質還元体の測定装置およ
びその活性化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】酵素反応を利用した測定方法は、化学反
応を用いる検出法に比較して、酸、塩基や有機溶剤等の
危険な試薬を使用せず安全な方法である。また、基質特
異性が高いため共存物質の影響を受けにくい、反応条件
が穏やかで制御しやすい等の利点がある。そのため、食
品や発酵液、体液中の特定成分の定量等、食品工業、発
酵制御、臨床検査等において酵素反応を利用した分析法
の確立に対する要求は高まっている。
【0003】酵素反応を利用した各種の分析方法があ
る。例えば、酸化酵素により基質と酸素より基質酸化体
と過酸化水素が生成する反応を利用して、減少した酸素
や生成した過酸化水素を電極法で検知する方法や、生成
した過酸化水素を比色法で定量する方法が挙げられる。
また、脱水素酵素により、基質とニコチンアミドアデニ
ンジヌクレオチド(以下NADと略す)やニコチンアミ
ドアデニンジヌクレオチドリン酸(以下NADPと略
す)等の補酵素を作用させ基質と補酵素間の酸化還元反
応を利用して増減する補酵素を比色法で定量する方法が
挙げられる。
【0004】しかし、最終検出手段が比色法である場合
は、検出物質によって感度が低い、試料のブランクの測
定が必要である、濁りや着色のある試料では、正確な測
定のためには前処理が必要である等の問題がある。また
溶液反応により脱水素酵素の基質を定量する場合、反応
の進行方向が限定される場合が多いという問題点もあ
る。つまり、例えばNADを利用する脱水素酵素反応は
ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド還元体(以下N
ADHと略す)と基質酸化体から、NADおよび基質還
元体を生成する方向に著しく平衡がかたよっている。そ
こで基質還元体を測定する場合には、生成するNADH
を他の脱水素酵素反応と共役させ、NADを再生するこ
とにより反応を進行させる方法がある。この方法におい
ても、脱水素酵素反応により生成するNADH以外の化
合物が反応系にフィードバック阻害をかけ、反応が完全
に進行しない場合が多い。その代表的な例がグルタミン
酸脱水素酵素系であり、NADを共存させて基質還元体
であるグルタミン酸を酸化した場合に、生成するアンモ
ニアおよびα- ケトグルタル酸が反応を阻害する。その
ためこれらの化合物を除去しないと、酸化できるグルタ
ミン酸の濃度が限定され、結果的にグルタミン酸の測定
レンジは狭いものとなる。
【0005】一方、酸化酵素を用いて電極法で検出する
測定方法は、濁りや、着色物質による影響を受けない
が、実用に適する酸化酵素の数が少ない。
【0006】そこで2種類の脱水素酵素と酸化酵素を組
み合わせた方法が考案されている。つまり、測定物質を
基質とする脱水素酵素の他に、ある特定の基質に作用す
る脱水素酵素と酸化酵素を作用させる。例えばL−グル
タミン酸を測定するのに、L−グルタミン酸脱水素酵素
(以下GLDHと略す)の他にL−乳酸を基質とするL
−乳酸脱水素酵素(以下L−LDHと略す)とL−乳酸
酸化酵素(以下LODと略す)を作用させる。この方法
をL−グルタミン酸を例に挙げ説明すると、まず、L−
グルタミン酸に酸化型補酵素のNADとGLDHとを作
用させ、生成したNADHにL−LDHとL−LDHの
基質酸化体のピルビン酸を作用させ、L−乳酸を生成さ
せる。このL−乳酸にLODを作用させ生成した過酸化
水素または減少した酸素を電極法により検出するもので
ある(特願平5 -157547 号) 。
【0007】また、多数の試料を同一条件で反応させる
ことができる、高価な酵素を連続使用できるという点
で、酵素の固定化が行われている。
【0008】しかし、使用する酵素の中には固定化して
も活性がすぐに低下して実用に適さない酵素があり、長
期間にわたり安定な測定を行うことが困難であった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、長期にわた
り、安定に測定できる測定装置を提供することを目的と
し、また、酵素活性の低下した固定化体の活性を回復さ
せる方法を提供する。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は下記に示す実施
態様に例示されるが、これらに限定されるものではな
い。
【0011】(1) L−乳酸脱水素酵素と他の脱水素
酵素を固定化した酵素固定化体;L−乳酸酸化酵素固定
化体;及びL−乳酸酸化酵素反応により増加又は減少す
る電極活性物質を検出する電極;を具備する前記他の脱
水素酵素の基質還元体の測定装置であり、少なくとも前
記他の脱水素酵素を物理吸着法により固定化してなる測
定装置。 (2) 前記2つの酵素固定化体が同じリアクターに内
包されており、且つL−乳酸脱水素酵素、他の脱水素酵
素、及びL−乳酸酸化酵素を混合された状態で含む酵素
固定化体である(1)記載の測定装置。 (3) 更に、L−乳酸酸化酵素固定化体とL−乳酸酸
化酵素反応により増加又は減少する電極活性物質を検出
する電極を具備する(1)又は(2)記載の測定装置。 (4) L−乳酸酸化酵素が担体に共有結合により固定
化されており、L−乳酸脱水素酵素と、他の脱水素酵素
が担体に物理吸着により固定化されている(1)又は
(2)記載の測定装置。 (5) L−乳酸酸化酵素とL−乳酸脱水素酵素が担体
と共有結合により固定化され、他の脱水素酵素が担体に
物理吸着により固定化されている(1)又は(2)記載
の測定装置。 (6) 他の脱水素酵素がL−グルタミン酸脱水素酵素
である(1)又は(2)記載の測定装置。 (7) (1)又は(2)記載の測定装置の他の脱水素
酵素を固定化した酵素固定化体に、他の脱水素酵素を含
む溶液を通液することにより他の脱水素酵素を物理吸着
固定化することによる測定装置の活性化方法。
【0012】
【作用】本発明において利用するL−LDHとLODの
酵素反応は以下のように示される。
【0013】L−LDH反応:ピルビン酸+NADH+
+ →L−乳酸+NAD+ LOD反応:L−乳酸+O2 →ピルビン酸+H2 2
【0014】この2種類の酵素を組み合わせた反応を用
いて、減少する酸素または生成する過酸化水素を検出す
ることによりピルビン酸またはNADHの測定ができ
る。この酵素反応の前にさらに、次の脱水素酵素反応を
行えば、各種の物質を測定することができる。
【0015】脱水素酵素反応:基質+NAD+ →基質酸
化体+NADH+H+ つまり、試料中の測定物質(他の脱水素酵素の基質還元
体)はNADの存在下で、他の脱水素酵素による酸化還
元反応の作用を受け基質酸化体とNADHを生成する。
次に生成したNADHはピルビン酸の存在下でL−LD
HによりL−乳酸を生成しNADを再生する。生成した
L−乳酸は溶存酸素のもとでLODにより酸化され、ピ
ルビン酸を再生し過酸化水素を生成する。
【0016】本発明において、利用できる脱水素酵素は
各種のNADを補酵素とする脱水素酵素、L−グルタミ
ン酸脱水素酵素、グリセロール脱水素酵素、ソルビトー
ル脱水素酵素等を利用することができる。
【0017】これらの反応により最終的に生成した過酸
化水素、もしくは減少した酸素等の電極活性物質の定量
は、電気化学的方法が用いられる。分光学的方法によっ
て過酸化水素を定量する方法は、化学反応を行い比色法
によって検出するので、試料の着色や、濁りが影響す
る。それに比較して電気化学的方法では、減少した酸素
を酸素電極で、増加した過酸化水素を過酸化水素電極で
検出するため簡単で精度がよい。また、ジクロロインド
フェノール、フェリシアン化カリウム、ベンゾキノンな
どの電子伝達体、所謂メディエーター等を介在させ測定
することもできる。
【0018】消費された酸素を測定する酸素電極は、カ
ルバニ型、クラーク型等各種公知のものを利用でき、選
択透過膜を有してもよい。生成する過酸化水素を測定す
る過酸化水素電極としては、アノード基体に炭素、白
金、ニッケル、パラジウム等を用い、カソード側に銀等
を用いた公知のものを利用できる。一般にアノードとし
ては、過酸化水素に対する過電圧が低く高感度が得られ
るという理由から白金を用いることが多い。そして電極
表面にポリシロキサン膜、アクリル樹脂膜、蛋白膜、ア
セチルセルロース膜等の選択透過膜を有している形式の
電極が妨害物除去の観点から望ましい。
【0019】電極系は作用電極、対極より構成される2
電極の過酸化水素電極や酸素電極が利用できる。また安
定性、精度の点からは作用電極、参照電極、対極より構
成される3電極のものが好ましい。
【0020】本発明において使用する酵素は固定化して
使用する。もちろん溶液で使用しても同様の反応が進行
するが、固定化して使用すると、酵素の繰り返し利用が
可能となることや、酵素の反応条件を調整し易い等の利
点がある。
【0021】L−乳酸脱水素酵素と他の脱水素酵素は混
合して固定し、L−乳酸酸化酵素は別に固定して、それ
ぞれ別のリアクターに内包させることもできるし、3酵
素を混合固定して同一リアクターに内包させることもで
きる。
【0022】固定化酵素の形態は、電極表面の膜上に固
定化する方法、担体に固定化しカラム等のリアクターに
充填する方法、膜や中空糸を利用したリアクター等が考
えられる。なかでもカラムに固定化した担体を充填する
方法は、電極表面に固定化する場合に比べ固定化できる
酵素量を多くすることができ、反応に十分な量の酵素を
簡単に固定化することができる。またカラムの素材は、
アクリル樹脂、フッ素樹脂、塩化ビニル樹脂、ガラスや
ステンレス等の金属等あるいはこれらを組み合せたもの
を用いることができる。
【0023】酵素の固定化法には、吸着法、化学結合
法、包括法等が挙げられる。それぞれの固定化方法には
長所と短所がある。吸着法は担体の性質により酵素が物
理的に担体に吸着することを利用した固定化方法であ
る。長所は、比較的穏やかな条件で固定化することがで
きる。また簡単に固定化することができること、担体の
再生ができ何度も固定化することができるという点であ
る。しかし短所として結合が弱く酵素が脱離しやすいと
いう点である。
【0024】一方、化学結合法は担体と酵素をグルタル
アルデヒドのような架橋試薬で強固な共有結合を形成さ
せる固定化方法である。長所は、結合が強固で固定化し
た酵素が脱離しにくいことであるが、短所は共有結合反
応の条件がきびしいので固定化体の活性が低い場合があ
ること、及び酵素活性の再生ができない等である。
【0025】すべての酵素を同じ方法で固定化すること
は操作上簡単であるが、酵素の性質によりそれが適さな
い場合もある。例えば、固定化しても比較的安定で化学
結合法の処理に耐えうる酵素は化学結合で強固に固定化
しておくことが望ましい。また、固定化すると不安定
で、活性低下が早い酵素は、簡単に酵素を固定化するこ
とができ、しかも化学反応を行わない吸着法が適してい
る。
【0026】LODは化学結合しても安定であり、ま
た、L−LDHも比較的化学結合により固定化しても安
定であるため、LODとL−LDHは化学結合法で、他
の脱水素酵素は吸着法で固定化するか、或いはLODは
化学結合法で、L−LDHと他の脱水素酵素は吸着法で
固定化する。それぞれの固定化法の長所を活かして、本
発明では担体にまずLODを化学結合法で固定化する。
このときL−LDHも化学結合法で結合させてもよい。
このLOD固定化担体をカラムリアクターに充填した
後、L−LDHを固定化していない場合はL−LDHと
他の脱水素酵素を含む溶液をカラムリアクターに通液す
ることにより物理的に吸着固定することが出来る。
【0027】
【0028】本発明では、安定性の悪い他の脱水素酵素
の活性が低下した場合には、この脱水素酵素を通液する
ことにより再度吸着が起こり活性が回復し、カラム全体
の寿命を伸ばすことができる。固定化に用いる担体には
ケイソウ土、焼成ケイソウ土、シリカゲル、ガラスビー
ズ、アルミナ、セラミック、カーボン、活性炭、モレキ
ュラーシーブ、シリコンゴム、セルロース、アガロー
ス、アミノ酸系ポリマー等が使用できる。特にケイソウ
土、焼成ケイソウ土、シリカゲルが好ましい。
【0029】L−LDHと他の脱水素酵素の反応に必要
なNADとピルビン酸は、キャリヤーに添加する方法が
適している。このときNADの濃度は0.5mMから5
mM、ピルビン酸で0.5mMから5mM程度が好まし
い。送液されるキャリヤーとしてはL−LDH、LOD
他の脱水素酵素に適したpHであるpH7付近で緩衝
能があり、電極に電気化学的な影響を及ばさないリン酸
塩系緩衝液等が用いられる。以上に、他の脱水素酵素の
基質還元体測定について説明したが、試料中にL−乳酸
が含まれる可能性がある試料を測定する場合は、L−乳
酸量を測定し、それにより基質還元体の測定値を修正す
る必要がある。
【0030】そのためには、例えば検出部を2種類設け
る必要がある。つまり、一方はLOD固定化体と電極を
備えたL−乳酸の検出部、及びL−LDH、LODと他
の脱水素酵素の固定化体と電極を備えた他の脱水素酵素
の基質還元体とL−乳酸を検出する検出部である。この
2つの検出部で得られた電流値より前記基質還元体とL
−乳酸の濃度が求められる。このとき、2つの検出部の
配置は、直列に配置してもよいし、並列に配置してもよ
い。
【0031】具体的には、他の脱水素酵素としてGLD
Hを用いた図1及び図2に示すフロー型装置が例示でき
る。
【0032】図1は直列型のL−グルタミン酸、L−乳
酸の測定装置である。まず、緩衝液槽(1)より緩衝液
をポンプ(2)により送液し、サンプラ(3)により試
料5μlを注入する。注入された試料はLODカラム
(4)を通過し、L−乳酸より過酸化水素が生成し、過
酸化水素電極(5)により電流値の変化を検出する。こ
のカラムと電極を第1成分検出部とする。次にGLD
H、L−LDH、およびLODを固定化したカラム
(6)を通過し、L−グルタミン酸より、NADH、L
−乳酸を経て過酸化水素が生成し過酸化水素電極(7)
で電流値の変化が検出される。こちらを第2成分検出部
とする。これらのカラムと電極を30℃の恒温槽(8)
中に設置する。それぞれの電極で電流値の変化は検出器
(9)により検出される。さらに信号をパーソナルコン
ピュータ(11)に送ることもできる。
【0033】図2は並列型のL−グルタミン酸、L−乳
酸の測定装置である。まず、緩衝液槽(21)より緩衝
液をポンプ(22)により送液し、サンプラ(23)に
より試料5μlを注入する。注入された試料は三方ジョ
イント(24)で二方に分流される。一方はLODカラ
ム(25)を通過し、L−乳酸より過酸化水素が生成
し、過酸化水素電極(26)により電流値の変化を検出
する。このカラムと電極を第1成分検出部とする。一方
はGLDH、L−LDH、およびLODを固定化したカ
ラム(27)を通過しL−グルタミン酸からNADH、
L−乳酸を経て過酸化水素が生成し、過酸化水素電極
(28)で電流値の変化が検出される。こちらを第2成
分検出部とする。これらのカラムと電極を30℃の恒温
槽(29)中に設置する。それぞれの電極で電流値の変
化は検出器(30)により検出される。さらに信号をパ
ーソナルコンピュータ(33)に送ることもできる。
【0034】これらの場合、実際の測定には、まずL−
グルタミン酸とL−乳酸のそれぞれの標準液を測定し得
られた電流値より検量線を作成する。検量線1はL−乳
酸を注入した場合、第1電極で得られる電流値より作成
するL−乳酸の検量線である。検量線2はL−乳酸を注
入した場合に第2電極で得られる電流値より作成するL
−乳酸の検量線である。検量線3はL−グルタミン酸を
注入した場合の第2電極で得られる電流値より作成する
L−グルタミン酸の検量線である。このとき当然ながら
第1電極ではL−グルタミン酸を注入しても電流値は得
られない。実試料の測定の場合は、第1電極より得られ
る電流値1と第2電極より得られる電流値2が得られ
る。
【0035】L−グルタミン酸量とL−乳酸量は例えば
以下に示す方法でそれぞれ計算される。電流値1より検
量線1に代入しL−乳酸量を算出する。算出したL−乳
酸濃度を検量線2に代入し、電流値2に寄与するL−乳
酸の電流値を算出する。電流値2より電流値2に寄与す
るL−乳酸電流値を差し引くとL−グルタミン酸に基づ
く電流値が求められる。このL−グルタミン酸寄与分の
電流値を検量線3に代入するとL−グルタミン酸量が算
出できる。
【0036】
【実施例】以下に実施例を挙げて、本発明の内容をさら
に詳細に説明するが、もちろん本発明はこれらに限定さ
れるものではない。
【0037】実施例1 (1)LOD固定化カラムの製造 焼成したケイソウ土である耐火レンガ(30〜60メッ
シュ)150mgをよく乾燥し、10%γ−アミノプロ
ピルトリエトキシシランの無水トルエン溶液に1時間浸
漬した後、よくトルエンで洗浄し、乾燥する。こうして
アミノシラン化処理した担体を5%グルタルアルデヒド
に1時間浸漬してホルミル化する。その後、よく蒸留水
で洗浄し、最後にpH7.0、100mMのリン酸ナト
リウム緩衝液で置き換え、この緩衝液をできるだけ除い
ておく。このホルミル化した耐火レンガにpH7.0、
100mMリン酸ナトリウム緩衝液にLOD(シグマ社
製)50ユニット/mlの濃度で溶解した溶液200μ
lを接触させ、0〜4℃で1日放置し固定化する。この
酵素固定化担体を内径3.5mm、長さ30mmのアク
リル樹脂製のカラムに充填しLOD固定化カラムとし
た。
【0038】(2)GLDH、L−LDH、LOD固定
化カラムの製造 (1)で作成したものと同様のLOD固定化カラムに、
pH7.0、100mMリン酸ナトリウム緩衝液にGL
DH(ベーリンガー社製)50ユニット/ml、L−L
DH(ベーリンガー社製)10ユニット/mlの濃度で
溶解した溶液5mlを流速0.6ml/分で接触させ、
固定化した。
【0039】(3)過酸化水素電極の製造 直径2mmの白金線の側面を熱収縮テフロンで被覆し、
その線の一端をやすり及び1500番のエメリー紙で平
滑に仕上げる。この白金線を作用極、1cm角型白金板
を対極、飽和カロメル電極を参照電極として、0.1M
硫酸中、+2.0Vで10分間の電解処理を行う。その
後白金線をよく水洗した後、40℃で10分間乾燥し、
10%γ−アミノプロピルトリエトキシシランの無水ト
ルエン溶液に1時間浸漬後、洗浄する。牛血清アルブミ
ン(シグマ社製、Fraction V)20mgを蒸
留水1mlに溶解し、その中にグルタルアルデヒドを
0.2%になるように加える。この混合液を手早く先に
用意した白金線上に5μlのせ、40℃で15分間乾燥
硬化して過酸化水素選択透過膜とし、これを過酸化水素
電極とした。
【0040】また参照電極としてはAg/AgCl参照
電極を用い、対極には導電性の配管を用いた。
【0041】(4)測定装置 図1に示すフロー型測定装置を用いた。緩衝液の組成は
100mMリン酸ナトリウム、50mM塩化カリウム、
1mMアジ化ナトリウム、1mMNAD、1mMピルビ
ン酸を含みpH7.0である。ポンプの流速は0.6m
l/分であった。
【0042】(5)標準液の測定 (4)の測定装置に蒸留水、1、2、3mMのL−乳
酸、1、2、3mMのL−グルタミン酸を注入し、第1
電極、第2電極で得られた電流値は表1のようになり、
次の検量線が得られた。ただし、Yは電流値(nA)、
Xは試料中のL−乳酸濃度(mM)とする。
【0043】
【表1】
【0044】 検量線1 第1電極 L−乳酸検量線 Y=4
5.06X+0.81 検量線2 第2電極 L−乳酸検量線 Y=3
3.21X+0.31 検量線3 第2電極 L−グルタミン酸検量線 Y=
9.40X+0.35
【0045】実施例2 (1)LOD固定化カラムの製造 実施例1の(1)と同様にLOD固定化カラムを作製し
た。 (2)GLDH、L−LDH、LOD固定化カラムの製
造 実施例1の(1)と同様にホルミル化した担体に、pH
7.0、100mMリン酸ナトリウム緩衝液にLOD
(シグマ社製)50ユニット/ml、L−LDH(ベー
リンガー社製)250ユニット/mlの濃度で溶解した
溶液200μlを接触させ、0〜4℃で1日放置し固定
化する。この酵素固定化担体を内径3.5mm、長さ3
0mmのアクリル樹脂製のカラムに充填する。このカラ
ムに、pH7.0、100mMリン酸ナトリウム緩衝液
にGLDH(ベーリンガー社製)50ユニット/ml1
0ユニット/mlの濃度で溶解した溶液5mlを流速
0.6ml/分で接触させ、固定化する。
【0046】(3)過酸化水素電極の製造 実施例1の(3)と同様に過酸化水素電極を作製した。 (4)測定装置 図1に示すフロー型測定装置を用いた。緩衝液の組成は
100mMリン酸ナトリウム、50mM塩化カリウム、
1mMアジ化ナトリウム、1mMNAD、1mMピルビ
ン酸を含みpH7.0である。ポンプの流速は1.0m
l/分であった。
【0047】(5)標準液の測定 (4)の測定装置に蒸留水、1、2、3mMのL−乳
酸、1、2、3mMのL−グルタミン酸を注入し、第1
電極、第2電極で得られた電流値は表2のようになり、
次の検量線が得られた。ただし、Yは電流値(nA)、
Xは試料中のL−乳酸濃度(mM)とする。
【0048】
【表2】
【0049】 検量線1 第1電極 L−乳酸検量線 Y=3
4.26X+0.74 検量線2 第2電極 L−乳酸検量線 Y=2
7.91X+0.24 検量線3 第2電極 L−グルタミン酸検量線 Y=
3.88X+0.13
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は実施例1、実施例2で用いたフロー型L
−グルタミン酸L−乳酸測定装置の図である。
【図2】図2は本発明の他の態様を示す。
【図3】図3は本発明の酵素反応を示す。
【符号の説明】
1 緩衝液槽 2 ポンプ 3 サンプラ 4 LOD固定化カラム 5 過酸化水素電極(第1電極) 6 GLDH、L−LDH、LOD固定化カラム 7 過酸化水素電極(第2電極) 8 恒温槽 9 検出器 10 シングルボードコンピュータ 11 パーソナルコンピュータ 12 RS232Cコード 13 サンプラ制御信号 14 送液ポンプ制御信号 15 廃液 21 緩衝液槽 22 ポンプ 23 サンプラ 24 三方ジョイント 25 LOD固定化カラム 26 過酸化水素電極(第1電極) 27 GLDH、L−LDH、LOD固定化カラム 28 過酸化水素電極(第2電極) 29 恒温槽 30 検出器 31 シングルボードコンピュータ 32 RS232Cコード 33 パーソナルコンピュータ 34 サンプラ制御信号 35 送液ポンプ制御信号 36 廃液
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 27/416 C12Q 1/32

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 L−乳酸脱水素酵素と他の脱水素酵素を
    固定化した酵素固定化体;L−乳酸酸化酵素固定化体;
    及びL−乳酸酸化酵素反応により増加又は減少する電極
    活性物質を検出する電極;を具備する前記他の脱水素酵
    素の基質還元体の測定装置であり、少なくとも前記他の
    脱水素酵素を物理吸着法により固定化してなる測定装
    置。
  2. 【請求項2】 前記2つの酵素固定化体が同じリアクタ
    ーに内包されており、且つL−乳酸脱水素酵素、他の脱
    水素酵素、及びL−乳酸酸化酵素を混合された状態で含
    む酵素固定化体である請求項1記載の測定装置。
  3. 【請求項3】 更に、L−乳酸酸化酵素固定化体とL−
    乳酸酸化酵素反応により増加又は減少する電極活性物質
    を検出する電極を具備する請求項1又は2記載の測定装
    置。
  4. 【請求項4】 L−乳酸酸化酵素が担体に共有結合によ
    り固定化されており、L−乳酸脱水素酵素と他の脱水素
    酵素が担体に物理吸着により固定化されている請求項1
    又は2記載の測定装置。
  5. 【請求項5】 L−乳酸酸化酵素とL−乳酸脱水素酵素
    が担体と共有結合により固定化され、他の脱水素酵素が
    担体に物理吸着により固定化されている請求項1又は2
    記載の測定装置。
  6. 【請求項6】 他の脱水素酵素がL−グルタミン酸脱水
    素酵素である請求項1又は2記載の測定装置。
  7. 【請求項7】 請求項1又は2記載の測定装置の他の脱
    水素酵素を固定化した酵素固定化体に、他の脱水素酵素
    を含む溶液を通液することにより他の脱水素酵素を物理
    吸着固定化することによる測定装置の活性化方法。
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