JPH0731461A - 酵素反応を用いる測定装置 - Google Patents

酵素反応を用いる測定装置

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JPH0731461A
JPH0731461A JP15754793A JP15754793A JPH0731461A JP H0731461 A JPH0731461 A JP H0731461A JP 15754793 A JP15754793 A JP 15754793A JP 15754793 A JP15754793 A JP 15754793A JP H0731461 A JPH0731461 A JP H0731461A
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JP
Japan
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immobilized
dehydrogenase
electrode
lactic acid
enzyme
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JP15754793A
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Yukie Inoue
幸枝 井上
Ryuzo Hayashi
隆造 林
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New Oji Paper Co Ltd
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New Oji Paper Co Ltd
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  • Immobilizing And Processing Of Enzymes And Microorganisms (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 グルタミン酸等の種々の物質を迅速且つ正確
に測定する酵素を使用した測定装置を提供する。 【構成】上流より、送液されるキャリヤー中へ試料を注
入する機構3、L−グルタミン酸脱水素酵素とL−乳酸
脱水素酵素を含む酵素固定化体6を内包するリアクタ
ー、L−乳酸酸化酵素固定化体7、及びL−乳酸酸化酵
素固定化体により試料中のL−乳酸が酸化される際に増
加または減少する電極活性物質を検知する電極8、を具
備するフロー方式のL−グルタミン酸の測定装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、固定化酵素を利用した
迅速かつ簡便なL−グルタミン酸等の基質還元体の測定
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】L−グルタミン酸は食品のうまみ成分と
して良く知られているアミノ酸であり、各種の食品に含
有あるいは添加されている。L−グルタミン酸の測定法
には、アミノ酸分析計での測定や、ピログルタミン酸に
変換したのち有機溶媒で抽出し化学的に定量する方法
や、比色法等が多く用いられているが、前処理が面倒で
ある、測定装置が高価である等の問題があった。
【0003】一方酵素化学的にL−グルタミン酸を定量
する方法も考えられる、例えばL−グルタミン酸に作用
する酸化酵素としてL−グルタミン酸酸化酵素が知られ
ている。この酵素は、L−グルタミン酸と酸素より、α
−ケトグルタル酸とアンモニアと過酸化水素を生成す
る。この酵素と電極を組み合せるとL−グルタミン酸の
測定が可能となるはずである。しかし、L−グルタミン
酸酸化酵素の比活性が低く充分な感度を得ることは困難
である。また、基質濃度と生成する過酸化水素もしくは
減少する酸素の量に比例関係が成立する範囲が狭く、実
試料の希釈率が大きくなり、実用に適さないという問題
があった。
【0004】また、L−乳酸はみそ、しょうゆ、乳製品
等の発酵工程により製造される食品に多く含まれており
L−グルタミン酸と同時に測定する必要性が高い。L−
乳酸の測定法には各種の方法があるが、なかでもL−乳
酸酸化酵素(以下LODと略す)を利用し酸素電極もし
くは過酸化水素電極と組み合せた方法が確立されてい
る。このような、食品中の代表的なアミノ酸と有機酸を
測定することは重要であるが、従来は独立して行われて
おり、測定操作が煩雑であった。
【0005】本願発明者等は脱水素酵素反応を利用して
試料中のL−グルタミン酸量に対応した量のL−乳酸を
得ることにより、L−グルタミン酸を測定する方法を提
案したが、溶液状態の脱水素酵素反応を利用する場合は
酵素を使い捨てにするために、繰り返し使用が出来ない
という難点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の問題を
解決し、高速、高精度かつ安価なL−グルタミン酸等の
基質還元体を測定する装置を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は下記に示す実施
態様に例示されるが、これらに限定されるものではな
い。
【0008】(1)試料中の基質還元体Xred に対応す
る量の第2の基質還元体Yred を生成させる機構a及び
第2の基質還元体Yred を測定する機構bを有する基質
還元体Xred の測定装置であり、前記機構aが前記Xre
d と補酵素酸化体Coxより基質酸化体Xoxと補酵素還元
体Cred を生成する反応を触媒する第1の脱水素酵素E
1 、及び補酵素還元体Cred と第2の基質酸化体Yoxよ
り第2の基質還元体Yred と補酵素酸化体Coxを生成す
る第2の脱水素酵素E2 を固定化した酵素固定化体を有
するXred の測定装置。
【0009】(2) 酵素固定化体が、担体表面にアミ
ノシラン化試薬で処理を施し、担体表面に形成されたア
ミノ基に多官能性アルデヒドを結合させ、更に前記第1
の脱水素酵素と前記第2の脱水素酵素を固定化してなる
担体を内包するリアクターである上記の基質還元体Xre
d の測定装置。
【0010】(3)L−グルタミン酸脱水素酵素(以
下GLDHと略す)とL−乳酸脱水素酵素(以下L−L
DHと略す)を含む酵素固定化体、 ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(以下NAD
と略す)とピルビン酸と試料を前記酵素固定化体に接触
させる機構、及び 前記酵素固定化体と接触した試料中のL−乳酸を検出
するL−乳酸測定機構、を具備するL−グルタミン酸の
測定装置。
【0011】(4)上流より、送液されるキャリヤー中
へ試料を注入する機構、GLDHとL−LDHを含む酵
素固定化体を内包するリアクター、LOD固定化体、及
びLOD固定化体の反応により増加または減少する電極
活性物質を検知する電極、を具備するフロー方式のL−
グルタミン酸の測定装置。
【0012】(5)上流より、送液されるキャリヤー中
へ試料を注入する機構、LOD固定化体、LOD固定化
体により試料中のL−乳酸が酸化される際に増加または
減少する電極活性物質を検知する電極、並びにGLDH
とL−LDHを含む酵素固定化体を内包するリアクタ
ー、LOD固定化体、及び増加または減少する電極活性
物質を検知する電極、を具備するフロー方式のL−乳酸
とL−グルタミン酸の測定装置。
【0013】(6)上流より、送液されるキャリヤー中
へ試料を注入する機構、流路を2方向へ分流する機構、
一方の流路において、LOD固定化体及びLOD固定化
体により試料中のL−乳酸が酸化される際に増加または
減少する電極活性物質を検知する電極、並びに他方の流
路においてGLDHとL−LDHを含む酵素固定化体を
内包するリアクター、LOD固定化体及び増加または減
少する電極活性物質を検知する電極、を具備するフロー
方式のL−乳酸とL−グルタミン酸の測定装置。
【0014】
【作用】本発明では機構aにより、試料中のL−グルタ
ミン酸等の測定目的物質である基質還元体Xred に対応
した濃度のL−乳酸等の第2の基質還元体Yredに変換
し、機構bにより得られたYred を測定し、測定目的物
質であるXredの濃度を算出するものである。そして本
発明は機構aにおいて、以下に説明する脱水素酵素反応
を酵素固定化体で行うことに大きな特徴を有する。
【0015】図3は本発明における酵素反応を示したも
のであるが、機構aにおいては、脱水素酵素E1 及び脱
水素酵素E2 の反応が行われる。以下に脱水素酵素E1
がL−グルタミン酸脱水素酵素、脱水素酵素E2 がL−
乳酸脱水素酵素、基質還元体Xred がL−グルタミン
酸、補酵素酸化体CoxがNAD、基質還元体Yred がL
−乳酸である場合について例示する。
【0016】本発明において利用するL−グルタミン酸
脱水素酵素(GLDH)とL−乳酸脱水素酵素(L−L
DH)の酵素反応は以下のように示される。
【0017】 GLDH反応:L−グルタミン酸+H2 O+NAD+
α−ケトグルタル酸+NH4 + +NADH+H+
【0018】L−LDH反応:ピルビン酸+NADH+
+ →L−乳酸+NAD+
【0019】まず、試料中のL−グルタミン酸はNAD
の存在下で、GLDHによりα−ケトグルタル酸とアン
モニアとNADHを生成する。次に生成したNADHは
ピルビン酸の存在下でL−LDHによりL−乳酸が生成
し、NADが再生される。この反応においてGLDHと
L−LDHの反応の平衡はともにNADHを消費しNA
Dを生成する方向に傾いている。そのため、L−グルタ
ミン酸に応答する量のL−乳酸を生成させる目的では、
GLDHについては反応が不利な方向で用いているが、
生成したNADHをL−LDHによりピルビン酸を消費
してNADに戻すことにより反応を進行させることがで
きる。
【0020】つまり、NADとピルビン酸の存在下で、
GLDHとL−LDHにL−グルタミン酸を作用させる
とL−グルタミン酸と生成するL−乳酸の間に直線関係
が成立する範囲が認められ、L−グルタミン酸の定量が
できることがわかった。
【0021】GLDHとL−LDHの固定化体に試料が
接触する際に、試料中にL−乳酸が共存する場合は、L
−LDHの作用によりNADH及びピルビン酸が生成す
ることも考えられる。しかしこの反応は著しくL−乳酸
が生成する方向に傾いており共存するL−乳酸は測定に
影響を及ぼさない。また大過剰なα−ケトグルタル酸及
びアンモニアが同時に存在すると反応は阻害されるが実
試料でこのような例は稀であり、従って実際の測定にお
いてこのような影響は無視できることがわかった。
【0022】次にL−乳酸の定量を行う機構bについて
説明する。図3に示すように、基質還元体Yred は、酸
化酵素E3 の反応を利用して測定できる。以下に酸化酵
素E3 がL−乳酸酸化酵素であり、基質還元体Yred が
L−乳酸である場合について例示する。L−乳酸酸化酵
素(LOD)の反応は次式に示される。 LOD反応:L−乳酸+O2 →ピルビン酸+H22
【0023】LODを用いたL−乳酸の定量には、分光
学的方法、電気化学的方法等が用いられる。電気化学的
方法においては、減少した酸素または増加した過酸化水
素等を検出する方法が例示できる。また、ジクロロイン
ドフェノール、フェリシアン化カリウム、ベンゾキノン
などの電子伝達体、所謂メディエーター等を介在させ測
定することもできる。酸素、過酸化水素等の電極活性物
質の増減を電極によって電流値に変換して測定する電気
化学的測定法は分光光度計を用いる測定と比較して試料
の濁りや、着色物質に影響されず、操作が簡単であり好
ましい。
【0024】消費された酸素を測定する酸素電極は、カ
ルバニ型、クラーク型等各種のものを利用できる。生成
する過酸化水素を測定する過酸化水素電極としては、ア
ノード基体に炭素、白金、ニッケル、パラジウム等を用
い、カソード側に銀等を用いたものを利用できる。一般
にアノードとしては、過酸化水素に対する過電圧が低く
高感度が得られるという理由から白金を用いることが多
い。そして電極表面にポリシロキサン膜、アクリル樹脂
膜、蛋白膜、アセチルセルロース膜等の選択透過膜を有
している形式の電極が妨害物除去の観点から望ましい。
【0025】電極系は作用電極、対極より構成される2
電極の過酸化水素電極や酸素電極が利用できる。また安
定性、精度の点からは作用電極、参照電極、対極より構
成される3電極のものが好ましい。
【0026】本発明において使用する酵素は固定化して
使用する。もちろん溶液で使用しても同様の反応が進行
するが、固定化して使用すると、酵素の繰り返し利用が
可能となることや、酵素の反応条件を調整し易い等の利
点がある。
【0027】酵素の固定化法は、特に限定されず、吸着
法、化学結合法、包括法等を用いることができる。中で
も強固な固定化体を作成できる化学結合法が望ましい。
固定化に用いる担体にはケイソウ土、シリカゲル、ガラ
スビーズ、アルミナ、セラミック、カーボン、活性炭、
モレキュラーシーブ、シリコンゴム、セルロース、アガ
ロース、アミノ酸系ポリマー等が使用できる。担体とし
ては天然のケイソウ土や、その造粒体、ケイソウ土を高
温処理した耐火煉瓦等が好ましい。化学結合法として
は、担体表面にアミノシラン化試薬でアミノ基を導入
し、さらにグルタルアルデヒド等の多官能性アルデヒド
を用いてホルミル化を行った後、酵素を接触させて固定
化する方法が例示できる。また、多官能性アルデヒドを
用いてホルミル化を行い、更に過剰の多官能性アルデヒ
ドを水洗等で除去した後に酵素を接触させて固定化する
方法が好ましい。
【0028】アミノシラン化処理はγ−アミノプロピル
トリエトキシシラン、4−アミノブチルジメチルメトキ
シシラン、4−アミノブチルトリエトキシシラン等のア
ミノシラン化試薬で行う。通常アミノシラン化試薬は無
水ベンゼン、無水トルエン溶液として、これに担体を浸
漬することにより行う。多官能性アルデヒドとしてはグ
ルタルアルデヒド、グリオキザール、サクシニルジアル
デヒド等が例示できる。
【0029】酵素固定化体の形態は、電極表面の膜上に
固定化する方法、担体に固定化しカラム等のリアクター
に充填する方法、膜や中空糸を利用したリアクター等が
考えられる。なかでもカラムに固定化した担体を充填す
る方法は、電極表面に固定化する場合に比べ固定化でき
る酵素量を多くすることができ、反応に十分な量の酵素
を簡単に固定化することができる。またカラムの素材
は、アクリル、フッ素樹脂、塩化ビニル樹脂、ガラスや
ステンレス等の金属等あるいはこれらを組み合せたもの
を用いることができる。
【0030】本発明においてL−グルタミン酸からL−
乳酸への変換反応は、前記のGLDHとL−LDHの作
用によるため、GLDHとL−LDHはほぼ同時に試料
及びNAD及びピルビン酸に接触するように近接固定す
るのが好ましい。具体的には、GLDH固定化膜とL−
LDH固定化膜を重ねる方法、GLDHを固定化した担
体とL−LDHを固定化した担体を混合する方法、GL
DH溶液とL−LDH溶液を混合後、担体又は膜に固定
化する方法等がある。なおLODについては、GLDH
やL−LDHとともに近接固定してもよいし、LOD単
独で固定してもよい。
【0031】これらの固定化酵素や電極を用いて測定装
置を構築する場合、各反応段階を別々に行うこともでき
るが、キャリヤーを送液し、試料を注入する機構、GL
DHとL−LDHの固定化体、LOD固定化体、電極の
順に配列したフロー型が実用上便利である。
【0032】GLDHとL−LDHの反応に必要なNA
Dとピルビン酸の供給方法としては試料に添加してもよ
いし、フロー方式の測定装置においてキャリヤーに添加
してもよい。試料に添加する場合、NADの濃度は2m
Mから20mM、ピルビン酸は5mMから50mM程度
が好ましく、この方法は試料数が少ない場合に適してい
る。また、フロー方式で用いるキャリヤーに添加する場
合は常にGLDHとL−LDHの固定化体とNADは接
触している状態にあり、試料に添加する場合より使用効
果が高いのでNADの濃度は0.1mMから5mM、ピ
ルビン酸で0.1mMから5mM程度が好ましい。この
方法は試料数が多い場合に適している。
【0033】送液されるキャリヤーとしてはGLDH、
L−LDH、LODに適したpHであるpH7付近で緩
衝能があり、電極に電気化学的な影響を及ばさないリン
酸塩系緩衝液等が用いられる。
【0034】また、L−グルタミン酸を単独で測定する
場合は上記の方法で良いが、試料中にL−乳酸が存在す
る場合はL−グルタミン酸から生成したL−乳酸とあら
かじめ存在するL−乳酸の両方の和が検出されるので、
L−グルタミン酸とは別途に試料中に元来含まれていた
L−乳酸を定量しておく必要がある。そのためには、
機構aと機構bを有する測定装置を用い、L−グルタミ
ン酸の測定とは別途に、NADあるいはピルビン酸また
はその両方が無い状態でGLDHとL−LDHの固定化
体に接触させ実質的に機構aの作用を働かせずに機構b
でL−乳酸のみを定量する方法、試料をGLDHとL
−LDHの固定化体に接触させる前に、機構bに作用さ
せることにより、例えばLODに接触させ、あらかじめ
L−乳酸を定量し、その後に機構a、第2の機構bへ導
いてL−グルタミン酸を測定する方法(図1の態様)。
流路を2方向に分流し、一方はそのまま機構bに導き
L−乳酸を測定し、他方は機構aのGLDHとL−LD
Hの固定化体に接触させた後、第2の機構bに導きLO
Dの固定化体に接触させL−乳酸を定量する方法(図2
の態様)等が例示できる。当然のことながら、、の
装置では試料を1回だけ注入すれば測定できるので分析
の高速化をさらに推進できる。の装置ではL−乳酸を
測定する操作と、NAD及びピルビン酸存在下における
グルタミン酸測定の2回の操作が必要となる。
【0035】具体的には、図1及び図2に示すフロー型
装置が例示できる。図1は機構b、機構a、第2の機構
bを直列につないだ直列型のL−グルタミン酸とL−乳
酸の測定装置である。まず、緩衝液槽(1)より緩衝液
をポンプ(2)により送液し、サンプラ(3)により試
料5μlを注入する。注入された試料は機構bのLOD
固定化カラム(4)を通過し、L−乳酸より過酸化水素
が生成する。これを過酸化水素電極(5)による電流値
の変化を検出する。この電極を第1電極とする。次に機
構aのGLDHとL−LDHの固定化カラム(6)を通
過しL−グルタミン酸よりL−乳酸への変換反応を行
う。次に第2の機構bのLOD固定化カラム(7)を通
過し、過酸化水素電極(8)で電流値の変化が検出され
る。こちらを第2電極とする。これらのカラムと電極を
30℃の恒温槽(9)中に設置する。それぞれの電極で
電流値の変化は検出器(10)により検出される。さら
に信号をパーソナルコンピュータ(12)に送ることも
できる。
【0036】図2は機構b及び機構aと機構bを並列に
つないだ並列型のL−グルタミン酸とL−乳酸の測定装
置である。まず、緩衝液槽(21)より緩衝液をポンプ
(22)により送液し、サンプラ(23)により試料5
μlを注入する。注入された試料は三方ジョイント(2
4)で二方に分流される。一方は機構bのLOD固定化
カラム(25)を通過し、L−乳酸より過酸化水素が生
成し、過酸化水素電極(26)により電流値の変化を検
出する。この電極を第1電極とする。他方は機構aのG
LDHとL−LDHの固定化カラム(27)を通過しL
−グルタミン酸からL−乳酸への変換反応が起こる。次
に第2の機構bのLOD固定化カラム(28)を通過
し、過酸化水素電極(29)で電流値の変化が検出され
る。こちらを第2電極とする。これらのカラムと電極を
30℃の恒温槽(30)中に設置する。それぞれの電極
で電流値の変化は検出器(31)により検出される。さ
らに信号をパーソナルコンピュータ(34)に送ること
もできる。
【0037】これらの場合、実際の測定には、まずL−
グルタミン酸とL−乳酸のそれぞれの標準液を測定し得
られた電流値より検量線を作成する。検量線1はL−乳
酸を注入した場合、第1電極で得られる電流値より作成
するL−乳酸の検量線である。検量線2はL−乳酸を注
入した場合に第2電極で得られる電流値より作成するL
−乳酸の検量線である。検量線3はL−グルタミン酸を
注入した場合の第2電極で得られる電流値より作成する
L−グルタミン酸の検量線である。このとき当然ながら
第1電極ではL−グルタミン酸を注入しても電流値は得
られない。
【0038】実試料の測定の場合は、第1電極より得ら
れる電流値1と第2電極より得られる電流値2が得られ
る。
【0039】L−グルタミン酸量とL−乳酸量は以下に
例示する方法でそれぞれ計算できる。電流値1より検量
線1に代入しL−乳酸量を算出する。算出したL−乳酸
濃度を検量線2に代入し、電流値2に寄与するL−乳酸
の電流値を算出する。電流値2より電流値2に寄与する
L−乳酸電流値を差し引くとL−グルタミン酸に対する
電流値が求められる。このL−グルタミン酸寄与分の電
流値を検量線3に代入するとL−グルタミン酸量が算出
できる。
【0040】表1はCoxの存在下で脱水素酵素E1によ
り基質還元体Xred を酸化し、基質酸化体Xoxを生成す
る反応を例示したものである。
【0041】
【表1】
【0042】表2は生成したCredの存在下で第2の基
質酸化体であるYoxを添加し、第2の脱水素酵素E2を
作用させて、第2の基質還元体Yred を生成させる工程
を示す。またYred を酸化する酸化酵素E3を作用させ
て、Zoxを生成させる反応の組み合わせを例示してい
る。このE3の反応を利用してYredの定量を行うこと
が出来る。
【0043】
【表2】
【0044】測定する物質は、脱水素酵素E1 およびE
2 の組み合せにより自由に変えることができる。表1に
示したようにE1として各種の脱水素酵素を使用するこ
とができる。
【0045】例えば、グルタミン酸脱水素酵素を使用し
たグルタミン酸の測定、グリセロール脱水素酵素を使用
したグリセロールの測定、L−乳酸脱水素酵素を使用し
たL−乳酸の測定、アルコール脱水素酵素を使用したア
ルコールの測定、グルコース脱水素酵素を使用したグル
コースの測定、D−乳酸脱水素酵素を使用したD−乳酸
の測定等を例示できる。特にグルタミン酸測定、アルコ
ール測定は実用的な価値が高い。
【0046】また、表2に示したようにE1の反応系に
ピルビン酸とL−乳酸脱水素酵素を添加し、生成したL
−乳酸をL−乳酸酸化酵素を用いて測定することができ
る。またE1の反応系にアセトアルデヒドとアルコール
脱水素酵素を添加し、生成したエタノールをアルコール
酸化酵素を用いて測定することができる。更にE1反応
系にD−グルコノ−δ−ラクトンとD−グルコース脱水
素酵素を添加し、生成したD−グルコースをD−グルコ
ース酸化酵素を用いて測定することが出来る。
【0047】尚、E1反応に組み合わせるE2反応は、
補酵素が一致するものを選ぶ。E2の要求する補酵素は
E1と共通していれば、NADでもNADP(ニコチン
アミドアデニンジヌクレオチドリン酸)でもよい。即
ち、試料に添加する補酵素がNADの場合、E2 とE1
はNAD応答性の脱水素酵素、補酵素がNADPの場合
はNADP応答性の脱水素酵素でなければならない。
【0048】次に、E2反応により生成したYred をE
3反応を利用して定量する。このようにして最終的には
Xred の定量を行うことができる。勿論試料中に元来存
在していたYredを測定する手法も同じである。
【0049】
【実施例】以下に実施例を挙げて、本発明の内容をさら
に詳細に説明するが、もちろん本発明はこれらに限定さ
れるものではない。
【0050】実施例1 1)GLDHとL−LDHの固定化カラムの製造 焼成したケイソウ土である耐火レンガ(60〜80メッ
シュ)150mgをよく乾燥し、10%γ−アミノプロ
ピルトリエトキシシランの無水トルエン溶液に1時間浸
漬した後、よくトルエンで洗浄し、乾燥する。こうして
アミノシラン化処理した担体を5%グルタルアルデヒド
に1時間浸漬してホルミル化する。その後、よく蒸留水
で洗浄し、最後にpH7.0、100mMのリン酸ナト
リウム緩衝液で置き換え、この緩衝液をできるだけ除い
ておく。このホルミル化した耐火レンガにpH7.0、
100mMリン酸ナトリウム緩衝液にGLDH(ベーリ
ンガー社製)1000ユニット/ml、L−LDH(ベ
ーリンガー社製)100ユニット/mlの濃度で溶解し
た溶液200μlを接触させ、0〜4℃で1日放置し固
定化する。この酵素固定化担体を内径3.5mm、長さ
30mmのアクリル製のカラムに充填しGLDHとL−
LDHの固定化カラムとした。
【0051】2)LODの固定化カラムの製造 焼成したケイソウ土である耐火レンガ(30〜60メッ
シュ)150mgを用いて1)と同様にホルミル化し、
pH7.0、100mMリン酸ナトリウム緩衝液にLO
D(シグマ社製)50ユニット/mlの濃度で溶解した
溶液200μlを接触させ、0〜4℃で1日放置し固定
化する。この酵素固定化担体を内径3.5mm、長さ3
0mmのアクリル製のカラムに充填しLOD固定化カラ
ムとした。
【0052】3)過酸化水素電極の製造 直径2mmの白金線の側面を熱収縮テフロンで被覆し、
その線の一端をやすり及び1500番のエメリー紙で平
滑に仕上げる。この白金線を作用極、1cm角型白金板
を対極、飽和カロメル電極を参照極として、0.1M硫
酸中、+2.0Vで10分間の電解処理を行う。その後
白金線をよく水洗した後、40℃で10分間乾燥し、1
0%γ−アミノプロピルトリエトキシシランの無水トル
エン溶液に1時間浸漬後、洗浄する。牛血清アルブミン
(シグマ社製、FractionV)20mgを蒸留水
1mlに溶解し、その中にグルタルアルデヒドを0.2
%になるように加える。この混合液を手早く先に用意し
た白金線上に5μlのせ、40℃で15分間乾燥硬化し
て過酸化水素選択透過膜とし、これを過酸化水素電極と
した。
【0053】また参照電極としてはAg/AgCl参照
電極を用い、対極には導電性の配管を用いた。
【0054】4)測定装置 図1に示すフロー型測定装置を用いた。緩衝液の組成は
100mMリン酸ナトリウム、50mM塩化カリウム、
1mMアジ化ナトリウム、1mMNAD、1mMピルビ
ン酸を含みpH7.0である。ポンプの流速は0.7m
l/分であった。
【0055】5)標準液の測定 4)の測定装置に蒸留水、1、2、3mMのL−乳酸、
1、2、3mMのL−グルタミン酸を注入し、第1、第
2電極で得られた電流値は表1のようになり、次の検量
線が得られた。ただし、Yは電流値(nA)、Xは試料
中のL−乳酸濃度(mM)とする。
【0056】
【表3】
【0057】 検量線1: 第1電極,L−乳酸検量線 Y=21.48X+0.0 検量線2: 第2電極,L−乳酸検量線 Y=21.95X−0.1 検量線3: 第2電極,L−グルタミン酸検量線 Y=13.62X+0.1
【0058】6)混合試料の測定 4)の測定装置にL−グルタミン酸、L−乳酸の混合液
を注入した。第1、第2電極で得られた電流値、標準液
測定により算出した検量線より算出したL−グルタミン
酸、L−乳酸の濃度は表2のようになった。
【0059】
【表4】
【0060】
【発明の効果】本発明の測定装置を用いることにより、
L−グルタミン酸とL−乳酸等の測定が短時間で正確に
簡単にできるようになった。また、溶液のGLDH、L
−LDHを使用したL−グルタミン酸とL−乳酸の測定
に比べ、本発明では酵素の繰り返し利用が可能となり、
酵素の反応条件を調整し易くなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は実施例1で用いたフロー型のL−グルタ
ミン酸とL−乳酸の測定装置である。
【図2】図2は本発明の他の態様を示す。
【図3】図3は本発明の酵素反応を示す。
【符号の説明】
1 緩衝液槽 2 ポンプ 3 サンプラ 4 LOD固定化カラム 5 過酸化水素電極(第1電極) 6 GLDH、L−LDH固定化カラム 7 LOD固定化カラム 8 過酸化水素電極(第2電極) 9 恒温槽 10 検出器 11 シングルボードコンピュータ 12 パーソナルコンピュータ 13 RS232Cコード 14 サンプラ制御信号 15 送液ポンプ制御信号 16 廃液 21 緩衝液槽 22 ポンプ 23 サンプラ 24 三方ジョイント 25 LOD固定化カラム 26 過酸化水素電極(第1電極) 27 GLDH、L−LDH固定化カラム 28 LOD固定化カラム 29 過酸化水素電極(第2電極) 30 恒温槽 31 検出器 32 シングルボードコンピュータ 33 RS232Cコード 34 パーソナルコンピュータ 35 サンプラ制御信号 36 送液ポンプ制御信号 37 廃液
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12Q 1/26 6807−4B 1/32 6807−4B

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料中の基質還元体Xred に対応する量
    の第2の基質還元体Yred を生成させる機構a及び第2
    の基質還元体Yred を測定する機構bを有する基質還元
    体Xred の測定装置であり、前記機構aが前記Xred と
    補酵素酸化体Coxより基質酸化体Xoxと補酵素還元体C
    red を生成する反応を触媒する第1の脱水素酵素E1 、
    及び補酵素還元体Cred と第2の基質酸化体Yoxより第
    2の基質還元体Yred と補酵素酸化体Coxを生成する第
    2の脱水素酵素E2 を固定化した酵素固定化体を有する
    Xred の測定装置。
  2. 【請求項2】 酵素固定化体が、担体表面にアミノシラ
    ン化試薬で処理を施し、担体表面に形成されたアミノ基
    に多官能性アルデヒドを結合させ、更に前記第1の脱水
    素酵素と前記第2の脱水素酵素を固定化してなる酵素固
    定化体である請求項1記載の基質還元体Xred の測定装
    置。
  3. 【請求項3】 上流より、送液されるキャリヤー中へ試
    料を注入する機構、L−グルタミン酸脱水素酵素とL−
    乳酸脱水素酵素を含む酵素固定化体を内包するリアクタ
    ー、L−乳酸酸化酵素固定化体、及びL−乳酸酸化酵素
    固定化体の反応により増加または減少する電極活性物質
    を検知する電極、を具備するフロー方式のL−グルタミ
    ン酸の測定装置。
  4. 【請求項4】 上流より、送液されるキャリヤー中へ試
    料を注入する機構、L−乳酸酸化酵素固定化体、L−乳
    酸酸化酵素固定化体により試料中のL−乳酸が酸化され
    る際に増加または減少する電極活性物質を検知する電
    極、並びにL−グルタミン酸脱水素酵素とL−乳酸脱水
    素酵素を含む酵素固定化体を内包するリアクター、L−
    乳酸酸化酵素固定化体、及び増加または減少する電極活
    性物質を検知する電極、を具備するフロー方式のL−乳
    酸とL−グルタミン酸の測定装置。
  5. 【請求項5】 上流より、送液されるキャリヤー中へ試
    料を注入する機構、流路を2方向へ分流する機構、一方
    の流路において、L−乳酸酸化酵素固定化体及びL−乳
    酸酸化酵素固定化体により試料中のL−乳酸が酸化され
    る際に増加または減少する電極活性物質を検知する電
    極、並びに他方の流路においてL−グルタミン酸脱水素
    酵素とL−乳酸脱水素酵素を含む酵素固定化体を内包す
    るリアクター、L−乳酸酸化酵素固定化体及び増加また
    は減少する電極活性物質を検知する電極、を具備するフ
    ロー方式のL−乳酸とL−グルタミン酸の測定装置。
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