JP2003525053A - 酵素−電気化学的測定装置 - Google Patents

酵素−電気化学的測定装置

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フォン・ヴェトケ・トーマス
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    • G01N33/493—Physical analysis of biological material of liquid biological material urine

Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 本発明は、アノードとしてのＡｇ／ＡｇＣｌ−基準電極、と電解質層、疎水性膜およびセンサーとしての酵素で形成されている電気化学的に活性の作用電極とより成るクラーク電極をベースとする酵素−電気化学的測定装置に関する。本発明は、少なくとも２つのセンサーがデュアルセンサーとして配置されており、両方のセンサーの電極が一様に湿潤されておりそして電解質層および疎水性膜で被覆されそして、その疎水性膜が主にガス透過性の自体公知のポリマーであり、その上に作用電極の場合には酵素が定着されており、一方、別のセンサーの疎水性膜には酵素が存在しないことを特徴とする。工業的に製造されそして簡単に取り扱える測定装置は医学診断並びに食品−およびバイオ技術工業において種々の検体の存在および濃度を測定、制御および監視するために使用される。この装置は固定および移動環境の両方において尿糖濃度測定に特に有利でありそして家庭内制約のもとでも老人が使用することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明が属する技術分野】
本発明は、医学診断の広範な用途分野を有する、クラーク電極を用いる酵素−
電気化学的測定装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
物質代謝環境を制御するために、特に糖尿病患者の場合のそれを制御するため
に、グルコース循環濃度を規則的に制御することが必要とされる。このことはイ
ンシュリン注射するタイプ１の糖尿病患者だけでなくタイプ2 の糖尿病患者にも
当てはまり、後者は糖尿病患者の約８５％にあたる。２０１０年の糖尿病患者の
数は全世界では２億２１００万人の患者が居ると予想される（Hauner, H.;Dtsch
Med Wochenschr 1998; 123; 777-82; Pharmaco Economics 1995; 8(増補 1) 28
-71; Ammon, H.P.T.; Deutsche Apoteker Zeitung; 1999; 139年番 No.30) 。
【０００３】 糖尿病患者の高い数値を測定すると、ただ一度日常的に行なわれる皮膚への貫
入による血糖値測定法では規則的に代謝制御するという要求および希望を満足す
ることができない。これはあらゆる測定の前に必要な、肌を傷つけるために精神
的苦痛を克服することに、並びにそれぞれの測定を専ら使い捨ての材料を使用し
て実施するためにの、方法に伴う材料費にも起因する。
【０００４】 主要数の患者の場合、血糖値測定は必要ないが、尿中のグルコースの存在の制
御することで充分である。その時、尿中のグルコースは、代謝を刺激することに
よって腎臓域値を超えた場合に、その結果生理学的に活用するためにグルコース
が尿糖として腎臓から追加的に離れ出るので、検出可能な濃度で存在する。
【０００５】 尿糖を測定するためにの公知の方法は、偏光が右旋回するというグルコースの
性質に基づいている。この性質はいわゆる偏光計で利用され、その際に偏光面か
らの光の屈折角度が測定する試料の実際のグルコース濃度の尺度である(Poege,
A.W.Z. med. Labortechnik 17 (1976) 59-78) 。
【０００６】 特に予防の目的でのスクリーニング処理のために、尿糖テスト用細片も利用さ
れる。このものは大抵、酵素化学に基づいてグルコース依存の変色反応を発生さ
せる。このテスト用細片は正確さが殆どなく、それ故に測定結果に信頼性がない
という欠点を有し、そして色彩に敏感な人しか使用できない。正に糖尿病患者、
特にタイプ２の老人の場合、非常に多くの人が色彩に鈍感であり、少なくとも色
彩にの確実さがないと考えられる。
【０００７】 偏光計は診療化学において使用する実験装置として確立されているが、尿糖テ
スト用細片は、日々の代謝制御におけるグルコースの存在およびそれの濃度につ
いての信頼できる評価をするためには、日常的方法として適していない。
【０００８】 それ故に酵素−電気化学的測定装置およびそれをグルコース測定に使用するこ
とにますます研究開発が集中して来ている。
【０００９】 典型的なクラーク酸素センサーに相当する、酵素−電気化学バイオセンサーの
電気化学的基本センサーは公知であり、文献に度々掲載されている。
【００１０】 例えばＤＤ２２７０２９（３Ａ）には液体状態の検体(Analyten)を測定するた
めの酵素−電気化学バイオセンサーの装置が開示されている。
【００１１】 グルコース測定のために決められたこの技術的解決手段によれば、この酵素電
極は疎水性膜および親水性膜をそれらの間に挟まれた酵素と一緒に有するサンド
イッチ膜システムで構成されている。このシステムは変更された典型的なクラー
ク電極を、検査すべき検体の酵素酸化のために酸素の消費下に発生する、検体濃
度の尺度としての過酸化水素を測定するのにもっぱら利用される。その際に過酸
化水素はアノードの所で６００ｍＶ〜７００ｍＶの電位で電気化学的に酸化され
る。このシステムは、試料から膜系を通して同様に拡散しうる他の電気化学的に
活性の物質がバイオセンサーの反応層に達しそして検体特有に発生する過酸化水
素を作動電極のところで酸化し得るので、干渉性物質として測定信号を変えてし
まうという欠点がある。
【００１２】 更に作動電極のところに達するこの種の物質はその電気化学的性質において非
特異的に該作用電極に影響を及ぼし、それ故に電極の不活性化および劣化をもた
らす。
【００１３】 非特異的検体の干渉作用は、作動電極と基準電極との間の適当な電極電位を選
択することによって、酸素の代わりに電子受容体として機能する媒体との関係で
減少し得る。その際に電極電位を約３００ｍＶまで低下させることが可能である
。しかしながら電極系に異分子が通常に入り込むのをこの方法の場合にも回避で
きないままである。
【００１４】 上述の各欠点は、干渉物質があるいは電極の不活性化および劣化が測定結果に
、厳密に検査すべき検体の存在についての所望の評価を正確に、安定にかつ再現
することができない程に著しく影響を及ぼしうると原因になる。
【００１５】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、水溶液中の検体の存在および濃度を簡単に安定にかつ再現可
能に測定しそして表示することを可能とする、酵素−電気化学を基礎として運転
する再利用可能に改善された装置を提供することである。特に本発明の課題は、
日々の生活の条件のもとで老人でも日常的試みによって尿中のグルコースの存在
あるいはその濃度を測定することおよび適切に表示および／または信号化するこ
とを可能とする装置を提供することである。
【００１６】
【課題を解決するための手段】 ３ この課題は、本発明によれば 、請求項１の特徴部分を有する酵素−電気化学
測定装置によって解決される。本発明の測定装置の有利な実施態様は請求項２〜
８の特徴部分から明らかである。この装置の本発明に従う使用方法は請求項９お
よび１０の特徴部分から判る。
【００１７】 本発明の測定装置は、医学診断並びに食品−およびバイオ技術工業において種
々の検体の存在および濃度を測定、制御および監視するために多面的に使用でき
るという長所を有する。このものは、デュアルバイオセンサー(dual Biosensor)
を採用しておりそして十分な試料量に適する装置と関係してクラーク酸素電極の
自体公知の原理に従う双極センサーとして形成された酵素−電気化学バイオセン
サーをベースとしている。
【００１８】 グルコース測定のために、試料用容器は十分の量の尿がバイオセンサーの感性
領域に保有するように形成されている。酵素- 電気化学デュアルバイオセンサー
を収容する容器は、排泄過程の間に尿の規定された部分量およびその都度の測定
課題で決まる部分量を収容できる様に構成されている。過剰量は自由に流れ出る
ことができるが、グルコースのための酵素- 電気化学デュアルバイオセンサーが
入れられている一部容器に溢流限界まで満たすように構造的に注意する。
【００１９】 次に本発明の測定装置の機能および従来技術との関係でのその長所を尿中のグ
ルコースを測定する実施例によって更に詳細に説明するが、本発明は実施例の範
囲に限定されるものではない。
【００２０】 従来技術(DD 227029 (A3))から、物理的に溶解された酸素が典型的なクラーク
電極の前に配置されたガス透過性疎水性膜を通過しそして作用電極のところで電
気化学的に還元されることは公知である。この場合には各酸素分子は二つの電極
間で遊離され、物理的に溶解された酸素の実際の濃度、酸素分圧を表す一つの流
れを生じる。
【００２１】 グルコースのための同様に公知の酵素−電気化学バイオセンサーの場合には疎
水性膜の前に酵素層が設けられており、この層には好ましくは酵素のグルコース
オキシダーゼが含まれそしてもう一方の側が溶解されたイオンおよび分子によっ
て透過される親水性膜によって覆われている。センサーが存在する溶液から、存
在する酵素によって接触的に酸化される検体が今度は拡散された時、この反応で
酸素が消費されるために作用電極のところでの酸素分圧が減少する。即ち、この
場合に測定される酸素分圧は、酵素反応によって消費される分だけ減少している
。この様にして溶液中の初めの酸素分圧と作用電極のところのそれぞれの量だけ
減少した酸素分圧との間の差が検出すべき検体の濃度の目安である。この分圧差
の評価は、分析すべき媒体中の初めの酸素分圧が一定でそして既知であることを
前提としている。しかしながらこの前提は生物学的溶液において決まっていない
。この立場で本発明の解決法を試みる。
【００２２】 それにもかかわらず試験すべき試料中の実際に存在するグルコースの指示手段
として酸素消費量の測定が使用できるためには、公知の電気化学的基本センサー
を本発明に従って、作用電極の疎水性膜被覆が検出すべき検体の酸化にとって適
当である酵素で被覆されていない別のセンサーを典型的なクラーク電極システム
に付け足す様に更に発展させおよび組み合わせる。この作用電極のところでは、
酵素反応に起因する酸素消費が生じないので、分析すべき試料中の実際の濃度に
相応する酸素が還元される。この様にして形成されるデュアルセンサーの作動電
極の信号は本発明に従って差増幅器に送られ、そこにおいて検体のグルコースが
存在する場合について実際の信号差を表示する。この特別な測定信号のさらなる
加工はユーザーによる特別な方法で適宜に行える。
【００２３】 本発明の解決法では、一方においては測定に影響を及ぼす物質を作用電極によ
って完全に、しかし選択的に排除し、もう一方においては検出すべき検体または
特異的検出反応の生成物を作用電極のところで完全にかつ選択的に増加させるこ
とを保証するという特別な長所を伴う。これによって干渉および電極の不活性化
が排除される。
【００２４】 酵素−電気化学的デュアルバイオセンサー並びに対応する測定課題にとって充
分な尿量が入る溢流容器は本発明に従って形態装置ならびに便器槽に固定された
装置として設計されていてもよい。
【００２５】 この様に工業的に製造できかつ簡単に取り扱える本発明の尿糖測定用解決手段
は通院に適しそしてそれ故に日常生活における家庭内の制約のもとで老人が使用
できる。可能な測定の回数はもっぱらバイオセンサーの寿命によって制限される
。
【００２６】 酵素のグルコースオキシダーゼを同様に酸素消費性の他の反応相手に交換する
場合には、他の検体を未知の組成の媒体中で測定することができる。例えば酵素
としてのラクタートオキシダーゼを使用することによって糖含有テンサイ生汁ま
たは他の液体中のラクタートの濃度を測定しそして表示することが可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 ＦＩ テーマコート゛(参考） Ｇ０１Ｎ 27/327 Ｇ０１Ｎ 27/46 ３３８ 27/404 27/30 ３５３Ｂ 27/416 ３５３Ｆ ３４１Ｋ ３４１Ｚ (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ，ＴＲ)，ＯＡ(ＢＦ ，ＢＪ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＧＷ， ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，Ｇ Ｍ，ＫＥ，ＬＳ，ＭＷ，ＭＺ，ＳＤ，ＳＬ，ＳＺ，ＴＺ ，ＵＧ，ＺＷ)，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ， ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ， ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ，Ｃ Ｎ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ ，ＧＤ，ＧＥ，ＧＨ，ＧＭ，ＨＲ，ＨＵ，ＩＤ，ＩＬ， ＩＮ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，Ｌ Ｃ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＤ，ＭＧ ，ＭＫ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ， ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＳＬ，Ｔ Ｊ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＳ，ＵＺ，ＶＮ ，ＹＵ，ＺＷ (72)発明者 シュボック・アレクサンダー ドイツ連邦共和国、グリーベノウ、ゲルク ヴェーク、24 Ｆターム(参考） 4B029 AA07 BB16 CC03 FA12 FA13 4B063 QA19 QQ03 QQ23 QS39 QX05

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 アノードとしてのＡｇ／ＡｇＣｌ−基準電極、と電解質層並
    びに疎水性膜およびセンサーとしての酵素で形成されている電気化学的に活性の
    作用電極とより成るクラーク電極をベースとする酵素−電気化学的測定装置にお
    いて、少なくとも２つのセンサーがデュアルセンサーとして配置されており、両
    方 のセンサーの電極が電解質層および疎水性特性の膜で被覆されそして一様に
    湿潤されており、疎水性膜が主にガス透過性の自体公知のポリマーであり、一方
    のセンサーの作用電極だけに酵素が固定化されており、他方、別のセンサーの疎
    水性膜には酵素が存在しないままであることを特徴とする、上記酵素−電気化学
    的測定装置。
  2. 【請求項２】 電気化学的作用電極が金−、白金−、炭素電極または酸素活
    性触媒よりなる電極、好ましくはルテニウム−セレンまたは鉄をベースとする電
    極である、請求項１に記載の酵素−電気化学的測定装置。
  3. 【請求項３】 酵素が酸素消費酵素（オキシダーゼ）、好ましくはグルコー
    ス−オキシダーゼ、ラクタート−オキシダーゼ、アルコール−オキシダーゼ、ス
    ルフィット−オキシダーゼ、ウレアーゼまたはペルオキシダーゼである、請求項
    １または２に記載の酵素−電気化学的測定装置。
  4. 【請求項４】 酵素が付着した電極が、種々の酵素を結合させることによっ
    て、好ましくはオキシダーゼの群から選ばれた酵素およびペルオキシダーゼの群
    から選ばれた酵素を結合されることによって、二−または多機能酵素電極として
    形成されている、請求項１〜３のいずれか一つに記載の酵素−電気化学的測定装
    置。
  5. 【請求項５】 酵素の層で覆われた膜が親水性膜で被覆されている、請求項
    １〜４のいずれか一つに記載の酵素−電気化学的測定装置。
  6. 【請求項６】 酵素で覆われていないセンサーが試料溶液の干渉されていな
    い初めの酸素分圧を測定しそして酵素被覆されたセンサーが酵素反応のために低
    下した酸素分圧を測定する、請求項１〜５のいずれか一つに記載の酵素−電気化
    学的測定装置。
  7. 【請求項７】 両方のセンサーの信号を差増幅器に送りそしてその差増幅器
    が両方の電極信号の差を検出すべき分析物の存在あるいは不存在並びにその濃度
    について定性的および定量的指標として生じさせそしてこれらの値を任意に光学
    的にまたは音響的に、アナログでまたはデジタルで表示する、請求項１〜６のい
    ずれか一つに記載の酵素−電気化学的測定装置。
  8. 【請求項８】 センサーをオーバーフロー容器中に配置し、そしてこのオー
    バーフロー容器を、測定に充分な充満状態をあらゆる測定過程で保証するように
    設置する、請求項１〜７のいずれか一つに記載の酵素−電気化学的測定装置。
  9. 【請求項９】 尿中のグルコースの存在および濃度を測定、制御および監視
    するために並びにグルコース、ラクタート、尿酸、スルフィット、マルトース、
    サッカロース、グルタマート、フルクトース、ピルバート、フェノール類、グル
    タミン、ガラクトースおよびリシンの存在および濃度を測定、制御および監視す
    るために請求項１〜８のいずれか一つに記載の酵素−電気化学的測定装置を使用
    する方法。
  10. 【請求項１０】 尿中のグルコースの存在および濃度を測定、制御および監
    視するために酵素−電気化学的測定装置を便器槽および／または尿器中に固定配
    置するかまたは移動使用できるように構造的に形成する、請求項９に記載の方法
    。
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