JP4080995B2 - 日本人からのe型肝炎ウイルスに由来するポリヌクレオチドプローブおよびプライマー、それらを有するチップ、それらを有するキット、並びにそれらによるe型肝炎ウイルスを検出する方法 - Google Patents

日本人からのe型肝炎ウイルスに由来するポリヌクレオチドプローブおよびプライマー、それらを有するチップ、それらを有するキット、並びにそれらによるe型肝炎ウイルスを検出する方法 Download PDF

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Description

技術分野
本発明は、E型肝炎ウイルスの新規検出方法に関する。また、本発明は、そのような新規検出方法を確立するために重要な、日本人から分離された新規E型肝炎ウイルス株および新規な劇症E型肝炎株、並びにそれらに由来するポリヌクレオチドに関する。
背景技術
感染患者の肝臓で増殖したE型肝炎ウイルス(Hepatitis E virus;以下、「HEV」と略す)は、血中よりは寧ろ糞便中に排泄される。従って、HEVの感染様式は主として経口感染である。そのため、時に水系汚染が生じて局地的集団発生を見ることもある。かかる感染様式をとるため、HEVによって惹起されるE型肝炎は、主にアジアおよびアフリカなどの衛生環境不備地域に於いて多発しがちである。他方、日本や欧米等の先進諸国に於いてはHEV感染は稀であり、偶さか見つかるE型肝炎例の多くは、流行地へ渡航し帰国した旅行者において見い出される。従って、「E型肝炎=輸入感染症」との考え方が一般的な認識とされる。
HEVは1990年に米国ジーンラブス社のライエス等によって世界で初めて遺伝子クローニングされ、その後、HEVゲノムの全塩基配列が明らかになった。彼等の解析したHEV株はメキシコ株とビルマ株であった。爾来、続々とインド株、パキスタン株、ネパール株、ビルマ株、中国株および米国株等の遺伝子塩基配列が明らかにされている。しかしながら「日本株」の報告は未見である。
従来のHEV感染の診断には以下のような方法がある。即ち、上述した様々な既知HEV株の塩基配列に基づいてデザインされたプライマーを用いてPCR法を行い、ウイルスの遺伝子を検出する方法や、既知HEV株のアミノ酸配列に基づく合成ペプチドや発現蛋白質を抗原として用い、それに対する抗体を検出する方法などである。
従って、仮に、既知HEV株と系統を異にする未知HEV株が検査対象中に存在する場合には、従来の技術では、そのウイルスを検出し得ない可能性もある。
発明の開示
本発明の目的は、多様な系統に属するHEVを広汎に検出できる方法を提供することである。本発明の更なる目的は、多様な系統に属するHEVを広汎に検出するためのポリヌクレオチド、および検出されたHEVの系統を決定するためのポリヌクレオチドを提供することである。
また、本発明のもう1つの目的は、新規日本固有HEV株に由来するポリヌクレオチド、および新規HEV劇症肝炎株に由来するポリヌクレオチド、並びにそれらの塩基配列によりコードされるポリペプチドを提供することである。
本発明の更なる目的は、以上の新規HEVの遺伝子情報と共に従来公知のHEVの遺伝子情報を利用することにより、達成されるドラッグデザインを行う方法を提供することである。
本発明は、発明者らが、初めて日本人患者からHEV株、即ち、HEV Japan JRA1株、JKN−Sap株、JMY−Haw株、JKK−Sap株およびJAK−Sai株を単離したこと、劇症肝炎症例より新規HEV株であるHEV Japan JSN−FH株を単離したこと、並びにそれらのウイルスのゲノム配列を決定したことに基づいて達成された。
本発明の第1の態様に従うと、E型肝炎ウイルスのポリヌクレオチドを検出するための、少なくとも8のヌクレオチドの連続する配列を含むポリヌクレオチドプローブであって、以下のことを特徴とするポリヌクレオチドプローブ;
(1)当該少なくとも8のヌクレオチドからなる連続する配列が、前記E型肝炎ウイルスのポリヌクレオチドとハイブリダイズし、そのようなハイブリダイゼーションによって、E型肝炎ウイルスの検出をするための配列であること;
(2)当該少なくとも8のヌクレオチドの連続する配列が、配列番号11、配列番号44、配列番号45、配列番号46、配列番号47および配列番号48並びにこれらの相補鎖からなる群より選択される配列から得られること;
が提供される。
本発明の第2の態様に従うと、E型肝炎ウイルスのポリヌクレオチドを増幅するための1対乃至複数対のPCR用プライマーであって、その1対乃至複数対のPCRプライマーが、夫々独立して、少なくとも8のヌクレオチドの連続する配列を含み、以下のことを特徴とする1対乃至複数対のPCR用プライマー;
(1)当該少なくとも8のヌクレオチドからなる連続する配列が、前記E型肝炎ウイルスのポリヌクレオチドとハイブリダイズし、そのようなハイブリダイゼーションによって、E型肝炎ウイルスのポリヌクレオチドの一部を増幅をするための配列であること;
(2)当該少なくとも8のヌクレオチドの連続する配列が、配列番号11、配列番号44、配列番号45、配列番号46、配列番号47および配列番号48並びにこれらの相補鎖からなる群より選択される配列から得られること;
が提供される。
本発明の第3の態様に従うと
(1)対象よりサンプルを得ること、
(2)前記(1)により得られたサンプルと、第1の態様に記載のポリヌクレオチドプローブを反応させること、
(3)前記(2)の反応により生じた2本鎖を検出すること、
(4)前記(3)の検出の結果から、前記サンプルにE型肝炎ウイルスが存在するか否かを判定すること、
を具備するサンプル中のE型肝炎ウイルスの存在を検出する方法が提供される。
本発明の第4の態様に従うと、(1)対象よりサンプルを得ること、
(2)前記(1)により得られたサンプルと、第2の態様に記載の一対のPCR用プライマーとポリメラーゼとを、適切な増幅が得られる条件下で反応させること、
(3)前記(2)の反応により得られた増幅産物の存在を検出すること、
(4)前記(3)の検出の結果から、前記サンプルにE型肝炎ウイルスが存在するか否かを判定すること、
を具備するサンプル中のE型肝炎ウイルスの存在を検出する方法が提供される。
本発明の第5の態様に従うと、(1)サンプルと請求項12に記載の一対のPCR用プライマーとポリメラーゼとを、適切な増幅が得られる条件下で反応させること、
(2)前記(1)の反応により得られた増幅産物の長さを決定すること、
(3)前記(2)の結果から、前記サンプルに存在するE型肝炎ウイルスのゲノタイプを判定すること、
を具備するサンプル中のE型肝炎ウイルスのゲノタイプを決定する方法が提供される。
本発明の第6の態様に従うと、第1の態様に記載のポリヌクレオチドプローブを具備するプローブアッセイキットが提供される。
本発明の第7の態様に従うと、第2の態様に記載のPCR用プライマーを具備するプローブアッセイキットが提供される。
本発明の第8の態様に従うと、第1の態様に記載のポリヌクレオチドプローブを固相化された塩基配列検出用チップが提供される。
発明を実施するための最良の形態
I.用語
ここで使用する「ポリヌクレオチド」の語は、便宜的にポリヌクレオチドおよびオリゴヌクレオチド等を総括した意味で用いる。また、ここで「ポリヌクレオチド」とは、2以上のヌクレオシドがリン酸エステル結合によって結合されてなる物質を意味する。ヌクレオシドには、デオキシリボヌクレオシドおよびリボヌクレオシドが含まれるが、これに限定されない。また、「オリゴヌクレオチド」とは、数個から数十個のヌクレオシドのリン酸エステル(即ち、ヌクレオチド)がホスホジエステル結合で重合した物質を意味し、オリゴリボヌクレオチドとオリゴデオキシリボヌクレオチドとが含まれるが、これらに限定されるものではない。また、本発明の態様であるポリヌクレオチドは、HEV JRA1株から単離したウイルスゲノムRNAであっても、それを元に得たDNA等であってもよい。更にまた、本発明において「ポリヌクレオチド」とは、ペプチド核酸、モルホリノ核酸、メチルフォスフォネート核酸、S−オリゴ核酸などの人工合成核酸も指称するものとする。
ここで使用される「ポリペプチド」の語は、2つ以上のアミノ酸からなるペプチド、オリゴペプチドおよびタンパク質を示す。また、これらに限定されるものではないが、合成ペプチドおよび発現蛋白質の両者を含み、また、アミノ酸のみからなる単純蛋白質であっても、アミノ酸以外の構成成分をも含む複合蛋白質であってもよい。
ここで使用する「対象」の語は、ヒト、イヌ、ネコ、ウシ、ヤギ、ブタ、ヒツジ、及びサルを含む任意の哺乳動物などの個体であり得るが、ヒトが最も好適な対象である。
ここで使用される「サンプル」とは、生物個体から採取した血液、血清、リンパ液および組織などの生物試料をいう。また、「サンプル」は、必要に応じて、生物試料をホモジネートおよび抽出等の必要な任意の前処理を行って得た試料であってもよい。このような前処理は、対象となる生物試料に応じて当業者によって選択され得るであろう。
ここで使用される「オープンリーディングフレーム」とは、ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列の領域を指す。この領域は、コードディング配列の一部またはコーディング配列の全体を意味する。
ここで使用される「E型肝炎ウイルス」の語は、消化管を介した、飲料水媒介の、主としてアジアやアフリカで発生する流行性非A非B肝炎の主要原因ウイルスを意味する。RNAウイルスであり、カリシビリダエ科カリシウイルス属に分類される。また、本明細書におけるHEVの語は、一般的に使用される分類であるゲノタイプI、II、IIIおよびIVに属するウイルスを総括的に示す語である。また、本発明の態様に従うと、HEVに属するが未だに単離および/または同定されていない株の検出および/または同定若しくはタイピングが可能である。従って、ここで使用されるHEVの語には、未知のHEVおよび本発明の態様に従って検出および/または同定若しくはタイピングされるウイルスも含み得る。また、ここでいう「HEV」とは、野生型、変異株、およびHEVの近縁株などが含まれる。特に、配列番号1に示すJRA1の5’端側の約2500塩基の配列に対して約50%以上、好ましくは60%以上、より好ましくは65%以上の相同性を有する株である。
II.新規E型肝炎ウイルス株
本発明者等は、日本では稀であるとはいうものの、海外渡航歴のない人においてもE型肝炎の発症を見ることがある点に着目し、HEV日本固有株の存在を仮定した。その仮定の下、或る日本人急性肝炎患者よりHEVの遺伝子クローニングを試みた。その結果、新規の系統に属すると思われるHEV株を5株単離することに成功した。
それらの新規HEV株は、本発明者らが、夫々HEV Japan JRA1株(Hepatitis E virus Japan JRA1、以下 JRA1株とも記す、NCBI accession no.AP003430)、HEV Japan JKN−Sap株(Hepatitis E virus、以下 JKN−Sap株とも記す、NCBI accession no.AB074918)、HEV Japan JMY−Haw株(Hepatitis E virus、以下、JMY−Haw株とも記す、NCBI accession no.AB074920)、HEV Japan JKK−Sap株(Hepatitis E virus、以下JKK−Sap株とも記す、NCBI accession no.AB074917)およびHEV Japan JAK−Sai株(Hepatitis E virus、以下JAK−Saiとも記す、NCBI accession no.AB074915)と命名した合計5つの株である。夫々のウイルスの由来は、JKK−Sap、JKN−SapおよびJMY−Hawの3株が北海道在住の急性E型肝炎患者から、JAK−Saiは埼玉に在住の急性E型肝炎患者から、JRA1は東京の患者からである。
また、本発明者らは、劇症肝炎症例から新規HEV株であるHEV JSN−FH株(Hepatitis E virus、以下 JSN−FH株とも記す)を単離した。
JRA1株のゲノムRNA配列のうちオープンリーディングフレーム1(以下、ORF1と記す)を配列番号1に、全長を配列番号48に示す。
JSN−FH株のゲノムRNA配列の5’端側の非コーディング配列の一部を除く準全長を配列番号11に示す。JSN−FH株のゲノムRNA配列のORF1およびORF2にコードされるアミノ酸配列を、夫々、配列番号12および配列番号13に示す。
また、JKN−Sap株、JMY−Haw株、JAK−Sai株およびJKK−Sap株のゲノムRNA配列のORF1の一部を、夫々、配列番号16、配列番号17、配列番号20および配列番号21に示す。また、JKN−Sap株、JMY−Haw株、JAK−Sai株およびJKK−Sap株のゲノムRNA配列の全長を、夫々、配列番号44、配列番号45(準全長)、配列番号46(準全長)および47(準全長)に示す。
2.HEV JRA1株
(1)HEV JRA1株
本発明者等は、配列番号1に記載するJRA1株の塩基配列が、世界各地から得られた種々既知株との比較に於いて、
図1に記す系統樹の示す如く、新規ゲノタイプに属するものであることを明らかにした。
既知株との差異はゲノム5’端の約2500塩基に於いて特に顕著である。図2に示すように、HEV−JRA1を含む一般的なE型肝炎ウイルスゲノムには、オープンリーディングフレーム(以下、ORFと略す)が、ORF1、ORF2およびORF3の3つ含まれる。当該5’端の約5000塩基はORF1に含まれる。その下流のゲノム領域、即ち、ORF2およびORF3の領域を含む他の領域は、ORF1に比べて株間の保存性が相対的に高い。
また、このORF1領域の中でも5’端の約2500塩基の配列は、後に記す配列表の配列番号7にて示すJRA1株の部分塩基配列に関して、ライエス等の特許に開示される塩基配列のうちでも最も高い相同性を有するMexico株(米国特許番号 5789559のSEQ ID NO−10、NCBI accession no.M74506、配列番号49に示す)と比較しても、その塩基配列の一致度は70%以下であった。両者の配列の比較を図3A、図3B、図4A、図4B、図5Aおよび5Bに示す。図3A、図3B、図4A、図4B、図5Aおよび5Bには、上段にHEV−JRA1株の配列を下段にMexico株の配列の一部を並べて示した。その相同性は2432塩基あたり69.9%である。
従って、このようなJRA1株に特異的な新規配列を明らかにしたことにより、従来ではその検出が意図されておらず、従って検出することは困難であるJRA1株を容易に且つ正確に検出することが可能になった。また更に、従来では検出することが困難であるその近縁株についても同様に検出することが可能になるであろう。このような新規E型肝炎ウイルス株の新規ゲノム配列の決定に基づく、本発明の態様についての更なる説明を以下に記す。
(2)ポリヌクレオチド
本発明の1態様に従うと、JRA1株に特異的であり、且つ新規配列を有するポリヌクレオチドが提供される。例えば、そのような配列は、5138塩基からなる配列番号1の塩基配列により示されるポリヌクレオチドであってよい。また、該ポリヌクレオチドの何れかの領域の塩基配列により示されるポリヌクレオチド断片であってもよい。例えば、2442塩基からなる配列番号7の塩基配列により示されるポリヌクレオチドであってもよい。更に、これらの配列の相補鎖であってもよく、また、該ポリヌクレオチドおよびその相補鎖であるポリヌクレオチドの一部分を構成するポリヌクレオチド断片であってもよい。
また、前記ポリヌクレオチドは、そこにおける1もしくは数個のヌクレオチドが欠失、置換、又は付加された修飾されたポリヌクレオチドであってもよい。
また、本発明の1態様に従うと、配列番号1から7に記載の塩基配列若しくはその相補鎖、またはその何れかの断片を有するポリヌクレオチド断片からなるプライマーおよびプローブが提供される。これらのプライマーおよびおよびプローブは、例えば、検出対象においてHEVを検出するための各種増幅、例えば、PCR増幅等のためのプライマーとして、または所謂DNAチップにおいて使用するプローブとして使用してよい。この場合、本ポリヌクレオチドは、10ヌクレオチド以上30ヌクレオチド以下であることが望ましい。ポリヌクレオチド断片の長さが過度に長いと、1個のヌクレオチドの相違を識別することが困難になる。また、基本的にポリヌクレオチドの長さが過度に短いと試料中に含まれるポリヌクレオチドの塩基配列の決定が困難になる。
例えば、そのようなプライマーおよびプローブには、HEVを包括的に検出するためのプライマーおよびプローブ、並びに、HEVの各種ゲノタイプを選択的に検出するためのプライマーおよびプローブが含まれる。
図6に、JRA1株の塩基配列情報の一部とそれに相当する部位における既知株の塩基配列情報とを比較した例を示した。このように塩基配列を比較することにより、HEVを包括的に検出するためのプライマーやプローブを設定するのに有用な高度保存領域や、HEVの各種ゲノタイプを選択的に検出するための高度変異領域を明確にすることが可能である。
ここで使用される「高度保存領域」とは、HEV−JRA1株の塩基配列と従来株の塩基配列の相同性が高い、例えば、90%以上、好ましくは95%以上、特に好ましくは100%の相同性を有している領域を示す。また、ここで使用される「高度変異領域」とは、HEV−JRA1株に特異的な塩基配列であって、従来株の配列とは相同性の低い、例えば、80%以下、好ましくは75%以下、特に好ましくは70%以下の相同性でしかないような領域を示す。
図6には、包括的HEV検出用のプライマーおよびプローブの設定候補領域の例であるHEV−JRA1株の配列番号1の111位から124位と、それに相当する従来株の領域を示している。また、例えば、包括的HEV検出用のプライマーおよびプローブとしては、配列番号2から5に記載の塩基配列またはその相補鎖を含むポリヌクレオチドをプライマーまたはプローブとして使用できるが、包括的HEV検出用のプライマーおよびプローブとして使用できる配列番号1の領域はこれに限るものではない。
また同様に、図6において、選択的HEV検出用のプライマーおよびプローブの設定候補領域の例であるJRA1株の配列番号1の353位から371位と、それに相当する従来株の領域を示している。また、例えば、選択的HEV検出用のプライマーおよびプローブとしては、配列番号1および7に記載の塩基配列またはその相補鎖を含むポリヌクレオチド、例えば、配列番号6またはその相補鎖を含むポリヌクレオチドをプライマーまたはプローブとして使用できるが、選択的HEV検出用のプライマーおよびプローブとして使用できる配列番号1および7の領域はこれに限るものではない。
また、本発明の態様に従うと、配列番号1から7のポリヌクレオチド又はその断片をその一部として含むポリヌクレオチドが提供される。そのようなポリヌクレオチドは、更に、プロモーター、エンハンサー、上流活性化配列、サイレンサー、上流抑制配列、アテニュエーター、ポリAテール、核移行シグナル、ISRE、薬物耐性因子、シグナルペプチドの遺伝子、膜貫通領域の遺伝子、ルシフェリン、緑色蛍光タンパク質、フィコシアニン、西洋ワサビペルオキシダーゼを含むマーカータンパク質の遺伝子等の遺伝子からなる群から選択される少なくとも1つのポリヌクレオチドが連結されてなるポリヌクレオチドを具備するポリヌクレオチドであっても、他の任意の塩基配列を含むポリヌクレオチドであってもよい。
(3)ポリペプチド
また、本発明の態様に従うと、配列番号8に記載のアミノ酸配列により示されるポリペプチドが提供される。当該ポリペプチドは、HEV−JRA1患者において早期に産生されるポリペプチドであること、また、該ポリペプチドに対する抗体もHEV−JRA1患者において早期に産生される抗体であることを、発明者らは臨床的な研究を行うことにより証明した。従って、該ポリペプチドおよび/または該抗体をHEV−JRA1の検出用マーカーとして使用することも可能である。このようなポリペプチドおよび抗体はそれ自身公知の手段により得ることが可能である。また、このようなポリペプチドの断片およびこれを含むポリペプチド、並びに配列番号8に記載のアミノ酸配列において、1もしくは数個のペプチドが欠失、置換、又は付加された修飾されたポリペプチドも本発明の範囲に含まれる。
本態様に従えば、例えば、それ自身に抗体を結合させて該抗体を検出するような抗体検出用ポリペプチドとして使用する場合には、合成ペプチドであれば、配列番号8に含まれる連続した15から50アミノ酸残基により示されるポリペプチドを含み得る。また、発現蛋白であれば、配列番号8に含まれる連続した150から250アミノ酸残基により示されるポリペプチドを含み得る。
3.HEV Japan JSN−FH株
(1)HEV Japan JSN−FH株
上述したようにJSN−FH株は、劇症肝炎症例から単離した新規HEV株である。劇症肝炎と通常の急性肝炎では、その治療方法は全く異なる。従って、劇症肝炎との診断が早期になされれば、例えば、感染直後に診断が可能であれば、救命率は高くなる。しかしながら、劇症肝炎患者におけるHEVウイルス発現量は非常に低い。そのため、従来では、劇症肝炎患者からHEVが単離された例は殆どなく、ましてや、全長に亘るシーケンシングを調べることは困難とされている。そのような状況にも関わらず、本発明者らは、劇症肝炎患者からのHEVの単離に成功し、更に、そのゲノムの大凡の全長(または準全長)を決定した。
劇症肝炎患者から単離したHEVのゲノムは、全体像としてもユニークな配列を有していた。また、サブクローニングにより得られたクローンの1つには嘗て一度も報告されたことない、点変異(point mutation)を認めた。その変異は、ヌクレオカプシッド蛋白をコードするオープン・リーディング・フレーム(ORF2)内にストップコドンを生ぜしめる変異であって、通常のE型肝炎ウイルス株のORF2がコードする660アミノ酸からなる翻訳産物の長さを211アミノ酸に短縮せしめる変異であった。即ち、ORF2の第212番目のコドンがTAA、TAGまたはTGAの何れかのストップコドンに変じていた。
B型肝炎の場合では、プレコア・コア領域がコードする翻訳産物がフルサイズではできない変異株に感染した場合、その患者は劇症肝炎になる確率が高いことが分かっている。
JSN−FH株とMexico株(M74506)との塩基配列の比較を図7から図12に示す。上段にHEV JSN−FH株の配列を下段にMcxico株(M74506)の配列を並べて示した。その相同性は2631塩基あたり69.4%であった。
従って、このようなJSN−FH株に特異的な新規配列を明らかにしたことにより、従来ではその検出が意図されておらず、従って検出することは困難であるJSN−FH株を容易に且つ正確に検出することが可能になった。また更に、従来では検出することが困難であるその近縁株についても同様に検出することが可能になるであろう。また、患者において、JSN−FH株が検出された場合、その後、劇症肝炎を発症するであろうと示唆される。
(2)ポリヌクレオチド
本発明の1態様に従うと、JSN−FH株に特異的であり、且つ新規配列を有するポリヌクレオチドが提供される。例えば、そのような配列は、7234塩基からなる配列番号11の塩基配列により示されるポリヌクレオチドであってよい。また、該ポリヌクレオチドの何れかの領域の塩基配列により示されるポリヌクレオチド断片であってもよい。例えば、238塩基からなる配列番号22の塩基配列により示されるポリヌクレオチドであってもよい。更に、これらの配列の相補鎖であってもよく、また、該ポリヌクレオチドおよびその相補鎖であるポリヌクレオチドの一部分を構成するポリヌクレオチド断片であってもよい。
また、特に、そのORF2にストップコドンを有する株であるのか否かを検出するためのポリヌクレオチドとして、配列番号9および10に記載の塩基配列を有するポリヌクレオチド若しくはその相補鎖、またはその何れかの断片を有するポリヌクレオチド断片が提供されてもよい。また、これにより、プライマーおよびプローブが提供されてもよい。また、配列番号9および10に記載の塩基配列は、JSN−FH株のORF2の一部分の配列である。配列番号9に記載の塩基配列は、ストップコドンなしの株を特異的に検出可能な配列である。配列番号10に記載の塩基配列は、ストップコドンありの株を特異的に検出可能な配列である。また、この部分を含む塩基を増幅するための塩基配列を含むプライマーも本発明の範囲である。対象より採取した試料に含まれる核酸のORF2にフルサイズでの翻訳産物が得られないような配列を検出し、それを基に、対象がORF2にそのようなストップコドンを有するウイルス株に感染していることを検出すれば、感染早期に劇症肝炎ウイルスに感染していることを診断することが可能である。
また、上述したポリヌクレオチドは、そこにおける1もしくは数個のヌクレオチドが欠失、置換、又は付加された修飾されたポリヌクレオチドであってもよい。
また更に、本発明の1態様に従うと、配列番号11および22に記載の塩基配列若しくはその相補鎖、またはその何れかの断片を有するポリヌクレオチド断片からなるプライマーおよびプローブが提供される。これらのプライマーおよびおよびプローブは、例えば、検出対象においてHEVを検出するための各種増幅、例えば、PCR増幅等のためのプライマーとして、または所謂DNAチップにおいて使用するプローブとして使用してよい。この場合、本ポリヌクレオチドは、10ヌクレオチド以上30ヌクレオチド以下であることが望ましい。ポリヌクレオチド断片の長さが過度に長いと、1個のヌクレオチドの相違を識別することが困難になる。また、基本的にポリヌクレオチドの長さが過度に短いと試料中に含まれるポリヌクレオチドの塩基配列の決定が困難になる。
また、本発明の態様に従うと、配列番号11、22、9および10のポリヌクレオチド又はその断片をその一部として含むポリヌクレオチドが提供される。そのようなポリヌクレオチドは、更に、プロモーター、エンハンサー、上流活性化配列、サイレンサー、上流抑制配列、アテニュエーター、ポリAテール、核移行シグナル、ISRE、薬物耐性因子、シグナルペプチドの遺伝子、膜貫通領域の遺伝子、ルシフェリン、緑色蛍光タンパク質、フィコシアニン、西洋ワサビペルオキシダーゼを含むマーカータンパク質の遺伝子等の遺伝子からなる群から選択される少なくとも1つのポリヌクレオチドが連結されてなるポリヌクレオチドを具備するポリヌクレオチドであっても、他の任意の塩基配列を含むポリヌクレオチドであってもよい。
(3)ポリペプチド
また、本発明の態様に従うと、配列番号12および配列番号13に記載のアミノ酸配列により示されるポリペプチドが提供される。配列番号12に記載のアミノ酸配列は、JSN−FH株のゲノム配列のORF1の領域に対応する配列である。配列番号13に記載のアミノ酸配列は、JSN−FH株のゲノム配列のORF2の領域に対応する配列である。
当該ポリペプチドおよび/または該抗体をJSN−FHの検出用マーカーとして使用することも可能である。このようなポリペプチドおよび抗体はそれ自身公知の手段により得ることが可能である。また、このようなポリペプチドの断片およびこれを含むポリペプチド、並びに配列番号12または配列番号13に記載のアミノ酸配列において、1もしくは数個のペプチドが欠失、置換、又は付加された修飾されたポリペプチドも本発明の範囲に含まれる。
本態様に従えば、例えば、それ自身に抗体を結合させて該抗体を検出するような抗体検出用ポリペプチドとして使用する場合には、合成ペプチドであれば、配列番号12または13に含まれる連続した15から50アミノ酸残基により示されるポリペプチドを含み得る。また、発現蛋白であれば、配列番号12または13に含まれる連続した150から250アミノ酸残基により示されるポリペプチドを含み得る。
また、配列番号12により表されるORF1は、ビリオンの複製等に必要な様々な酵素蛋白をコードする領域である。従って、配列番号12の一次構造のみならず、二次構造および/または三次構造のデータを、例えば、X線回折などのそれ自身公知の方法により得て、そのデータを基にドラッグデザインを行ってもよい。このようなドラッグデザイン自体およびそれにより得られた薬剤も発明の範囲に含まれる。
また、配列番号13により表されるORF2に由来する、短縮されたヌクレオカプシッド蛋白に対する特異抗体を、それ自身公知の手段を用いて製造してもよい。そのような抗体を用いた抗原抗体反応を利用すれば、対象から採取したサンプルを用いて容易にHEV感染を診断することが可能である。
また、ヌクレオカプシッド蛋白に対する抗体を認識する抗体を、それ自身公知の方法によって作製してもよい。そのような抗体を用いても対象から採取したサンプルを用いて容易にHEV感染を診断することが可能である。
4.新規HEV株と従来のHEV株の比較
(1)新規HEV株と従来のHEV株の比較
図13に、夫々のORFが、ゲノム配列のどこに位置するかについて、HEV Burma B1株(M73218)、HEV Mexico株(M74506)、HEV USA US−1株(AF060669)、HEV Japan JRA1(AP003430)、ゲノタイプ4、およびHEV Japan JSN−FHの間で比較した結果を示す。夫々の株名の後に記した括弧内の番号はNCBI accession no.である。また、本明細書では各株名の「HEV」を省略して記載することもある(例えば、HEV USA US−1株を「USA US−1株」と記載することもある)。
夫々の株名の右隣りの括弧内に示すローマ数字は夫々の株の属するゲノタイプを示す。図13に示すように、JSN−FH株は、OFR2に終止コドンTGAが存在する。
図14に、本発明の5種類の新規株を含む7種類の日本固有株と、日本以外の国において見つかったHEV株とをORF1の326nt領域を基に作成した系統樹(neighbor−joining methodによる)を示す。ここに示すように、JMM−SaiはタイプIに、JKN−Sap、JHA−SapおよびJMY−HawはタイプIIIに、JSY−Sap、JKK−SapおよびJAK−SaiはタイプIVに夫々タイピングされた。
図15から図18に、ORF1の領域の塩基配列情報について、本発明の1態様である日本固有株5種類{Japan JRA1株(配列番号15)、JKN−Sap株(配列番号16)、JMY−Haw株(配列番号17)、JKK−Sap株(配列番号21)およびJAK−Sai株(配列番号20)}および劇症肝炎患者由来株(JSN−FH株、配列番号22)、並びに従来公知の外国株{USA US−1(AF060669、配列番号18)、SWINE HEV(AF082843、配列番号19)、China type4(AJ272108、配列番号23)、Burma B1(M73218、配列番号24)、China Uigh(D11093、配列番号25)、China Hebei(M94177、配列番号26)、China Xinjiang(D11092、配列番号27)、Nepali(AF051830、配列番号28)、India FH strain(X98292、配列番号29)、Pakistan SAR55(M80581、配列番号30)、Mexico(M74506、配列番号31)}とを比較するために並べて示した。
図15から図18中には、株名と株名右の括弧内に示したNCBI accession no.と、その右側に塩基配列情報を示した。また配列の左右に記した番号は転写開始部位を1とした場合の夫々のヌクレオチドの番号を示す。最上段のJRA1株を標準として、その他の株についての特定の位置における塩基の種類が、当該位置におけるJRA1株の塩基の種類に等しい場合には「.」を示し、異なる場合には該当する塩基の種類を記した。また、最下段には、並記した複数の配列における配列の保存性を示した。即ち、特定の位置における全ての株の配列が等しい場合、最下段には「*」を示し、1株でも異なっている場合には「.」を示した。
このような新規の株およびその塩基配列は、全て本発明の範囲内である。
(2)ポリヌクレオチド
本発明の1態様に従うと、JKN−Sap、JMY−Haw、JKK−SapおよびJAK−Sai株に、夫々、特異的であり、且つ新規配列を有するポリヌクレオチドが提供される。例えば、そのような配列は、夫々、JKN−Sap、JMY−Haw、JKK−SapおよびJAK−Sai株のゲノム配列を示す配列である配列番号44、配列番号45、配列番号46および配列番号47の塩基配列により示されるポリヌクレオチドであってもよい。また、これらの配列の相補鎖であってもよく、また、該ポリヌクレオチドおよびその相補鎖であるポリヌクレオチドの一部分を構成するポリヌクレオチド断片であってもよい。
該ポリヌクレオチドの何れかの領域の塩基配列により示されるポリヌクレオチド断片であってもよい。また、ORF1領域をコードする塩基配列である配列番号16、配列番号17、配列番号20および配列番号21の塩基配列により示されるポリヌクレオチドであってもよい。また、これらの配列の相補鎖であってもよく、また、該ポリヌクレオチドおよびその相補鎖であるポリヌクレオチドの一部分を構成するポリヌクレオチド断片であってもよい。
また、例えば、配列番号16、配列番号17、配列番号20および配列番号21の塩基配列を含む塩基を増幅するための塩基配列を含むプライマーも本発明の範囲である。
また、上述したポリヌクレオチドは、そこにおける1もしくは数個のペプチドが欠失、置換、又は付加された修飾されたポリヌクレオチドであってもよい。
本発明の1態様に従うと、配列番号44、配列番号45、配列番号46および配列番号47に記載の塩基配列若しくはその相補鎖、またはその何れかの断片を有するポリヌクレオチド断片からなるプライマーおよびプローブが提供される。これらのプライマーおよびおよびプローブは、例えば、検出対象においてHEVを検出するための各種増幅、例えば、PCR増幅等のためのプライマーとして、または所謂DNAチップにおいて使用するプローブとして使用してよい。この場合、本ポリヌクレオチドは、10ヌクレオチド以上30ヌクレオチド以下であることが望ましい。ポリヌクレオチド断片の長さが過度に長いと、1個のヌクレオチドの相違を識別することが困難になる。また、基本的にポリヌクレオチドの長さが過度に短いと試料中に含まれるポリヌクレオチドの塩基配列の決定が困難になる。
また、本発明の態様に従うと、配列番号44、配列番号45、配列番号46および配列番号47、並びに配列番号16、配列番号17、配列番号20および配列番号21のポリヌクレオチド又はその断片をその一部として含むポリヌクレオチドが提供される。そのようなポリヌクレオチドは、更に、プロモーター、エンハンサー、上流活性化配列、サイレンサー、上流抑制配列、アテニュエーター、ポリAテール、核移行シグナル、ISRE、薬物耐性因子、シグナルペプチドの遺伝子、膜貫通領域の遺伝子、ルシフェリン、緑色蛍光タンパク質、フィコシアニン、西洋ワサビペルオキシダーゼを含むマーカータンパク質の遺伝子等の遺伝子からなる群から選択される少なくとも1つのポリヌクレオチドが連結されてなるポリヌクレオチドを具備するポリヌクレオチドであっても、他の任意の塩基配列を含むポリヌクレオチドであってもよい。
(3)ポリペプチド
また、本発明の態様に従うと、JKN−Sap、JMY−Haw、JKK−SapおよびJAK−Sai株に特異的な配列番号44、配列番号45、配列番号46および配列番号47、並びに配列番号16、17、20および21に記載のポリヌクレオチド配列がコードするアミノ酸配列により示されるポリペプチドが提供される。更に、JKN−Sap、JMY−Haw、JKK−SapおよびJAK−Sai株に夫々特異的なORF1領域のアミノ酸配列を示す配列番号50、配列番号52、配列番号54および配列番号56と、ORF2領域のアミノ酸配列を示す配列番号51、配列番号53、配列番号55および配列番号57のアミン酸配列により示されるポリペプチドおよびその断片が提供される。
ORF1の領域がコードするアミノ酸配列に由来するポリペプチドは、ドラッグデザインのために利用することが可能である。
ORF2の領域がコードするアミノ酸配列に由来するポリペプチドは、夫々の株を検出するための抗体を作成するために使用しても、それ自身を抗原として検出して診断を行うために使用されてもよい。また、これを利用してワクチンを作成してもよい。
本態様に従えば、例えば、それ自身に抗体を結合させて該抗体を検出するような抗体検出用ポリペプチドとして使用する場合には、合成ペプチドであれば、夫々の新規株に由来する塩基配列のORF2の領域により示されるアミノ酸配列、例えば、配列番号51、配列番号53、配列番号55または57に含まれる連続した15から50アミノ酸残基により示されるポリペプチドを含み得る。また、発現蛋白であれば、配列番号51、53、55または57に含まれる連続した150から250アミノ酸残基により示されるポリペプチドを含み得る。
該ポリペプチドおよび/または該抗体をHEV JKN−Sap、JMY−Haw、JKK−SapおよびJAK−Saiの検出用マーカーとして使用することも可能である。このようなポリペプチドおよび抗体はそれ自身公知の手段により得ることが可能である。また、このようなポリペプチドの断片およびこれを含むポリペプチド、並びに配列番号50から配列番号57に記載のアミノ酸配列において、1もしくは数個のヌクレオチドが欠失、置換、又は付加された修飾されたポリペプチドも本発明の範囲に含まれる。
本態様に従えば、例えば、それ自身に抗体を結合させて該抗体を検出するような抗体検出用ポリペプチドとして使用する場合には、合成ペプチドであれば、配列番号8に含まれる連続した15から50アミノ酸残基により示されるポリペプチドを含み得る。また、発現蛋白であれば、配列番号8に含まれる連続した150から250アミノ酸残基により示されるポリペプチドを含み得る。
5.包括的HEV検出用のプライマーおよびプローブ
上述のように新規のHEV株を発見し、その配列を特定したことにより、未知の株を含むより広汎なHEVを一度に増幅することが可能なプライマー、即ち、ユニバーサルプライマー(即ち、包括的HEV検出用のプライマー)や、および未知の株を含むより広汎なHEVを一度に検出することが可能なプローブ(即ち、包括的HEV検出用のプローブ)を提供することが可能となった。そのようなユニバーサルプライマーについて以下に説明する。
図15から図18に、グループI、II、IIIおよびIVに属する代表的なHEV株のORF1の配列を列記した。表中の株名右の括弧内の記号は NCBI accession no.である。また配列の左右に記した番号は転写開始部位を1とした場合の夫々のヌクレオチドの番号を示す。
「ユニバーサルプライマー」または「ユニバーサルプローブ」とは、未知の株のHEVを含むHEVを包括的に検出することが可能な塩基配列を含む核酸を含むポリヌクレオチド断片を指す。例えば、このようなユニバーサルプライマーの塩基配列は、図15から18に示す配列から選択することが可能である。例えば、そのような配列は、高度保存領域であることが好ましい。
ここで使用される「高度保存領域」とは、HEV−JRA1株の塩基配列と従来株の塩基配列の相同性が高い、例えば、90%以上、好ましくは95%以上、特に好ましくは100%の相同性を有している領域を示す。
図15から18に、JSN−FH株の塩基配列情報の一部とそれに相当する部位における既知株の塩基配列情報とを比較した例を示した。このように塩基配列を比較することにより、HEVを包括的に検出するためのプライマーやプローブを設定するのに有用な高度保存領域や、HEVの各種ゲノタイプを選択的に検出するための高度変異領域を明確にすることが可能である。
図15から18には、包括的HEV検出用のプライマーおよびプローブの設定候補領域の例を示した。図15中の(1)の領域、即ち、HEV−JRA1株の配列番号15の19位から37位と、それに相当する従来株の領域;図16中の(4)の領域、即ち、HEV−JRA1株の配列番号15の111位から127位と、それに相当する従来株の領域;図17中の(5)の領域、即ち、HEV−JRA1株の配列番号15の174位から181位と、それに相当する従来株の領域;図17中の(6)の領域即ち、HEV−JRA1株の配列番号15の213位から220位と、それに相当する従来株の領域が高度保存領域の好ましい例である。
包括的HEV検出用のプライマーは、好ましくは図15中の(1)の領域に含まれる配列を具備する6塩基から100塩基、より好ましくは15塩基から25塩基、のポリヌクレオチドをセンスプライマーとして使用すればよい。また、このセンスプライマーと同時に、図15中の(4)、(5)および/または(6)の領域に含まれる配列を具備する6塩基から100塩基、より好ましくは15塩基から25塩基、のポリヌクレオチドをセンスプライマーとして使用すればより好ましい。
また、図15および16中の(7)の領域、即ち、HEV−JRA1株の配列番号15の48位から100位と、それに相当する従来株の領域も、包括的HEV検出用のプライマー群として使用することが可能である。この場合、(7)の領域全長に亘る配列は必ずしも必要ではなく、(7)の領域から選択される6塩基から25塩基、好ましくは15塩基から22塩基の連続した配列を使用すればよい。例えば、包括的HEV検出用のプライマーの好ましい例を以下に示す:
Figure 0004080995
Figure 0004080995
ここで、明細書中「a」または「A」はアデニン、「c」または「C」はシトシン、「g」または「G」はグアニン、「t」または「T」はチミン、「r」または「R」はGまたはA、「y」または「Y」はT若しくはUまたはU、「w」または「W」はAまたはT若しくはUを示す。
これらの包括的HEV検出用のプライマー群は、例えば、以下のように2段階に分けて解析に使用することがより好ましい。例えば、上記の配列番号32および配列番号33をセンスプライマーとして使用し、更に配列番号34および配列番号35をアンチセンスプライマーとして使用して、第1回目の増幅に使用する。続いて、上記配列番号36、配列番号37および配列番号38をセンスプライマーとして、更に配列番号39および配列番号40をアンチセンスプライマーとして第2回目の増幅を行う。これにより、広汎な未知のHEV変異株に由来するポリヌクレオチド断片を得ることが可能である。更に得られた増幅産物を塩基泳動などのそれ自身公知の手段によって解析してもよい。更に、その後、得られたポリヌクレオチド断片についてタイピングを行ってもよい。
また、上記の配列をプローブとして使用する場合も、包括的HEV検出用のプローブは、好ましくは図15中の(1)の領域に含まれる連続した配列をその配列に含む6塩基から100塩基、より好ましくは12塩基から25塩基、のポリヌクレオチドをプローブとして使用すればよい。また、同様に、図15中の(4)、(5)および/または(6)の領域に含まれる連続した配列をその配列に含む6塩基から100塩基、より好ましくは12塩基から25塩基、のポリヌクレオチドをプローブとして使用すればより好ましい。
以上に好ましい包括的HEV検出用のプライマーの例を示したが、これに限定するものではない。
6.タイピング用ヌクレオチド配列
上述したように高度保存領域の配列を選択すれば、包括的HEV検出用プライマーおよびプローブが得られ、それにより包括的なウイルス検出が可能である。それに対して、一方で、高度変異領域の配列を選択すれば、選択的HEV検出用プライマーおよびプローブが得られる。更にこのような配列を使用することによって選択的なウイルスの検出および/または同定が可能である。
また、ここで使用される「高度変異領域」とは、HEV−JRA1株に特異的な塩基配列であって、従来株の配列とは相同性の低い、例えば、80%以下、好ましくは75%以下、特に好ましくは70%以下の相同性でしかないような領域を示す。
図15、16、17および18には、選択的HEV検出用のプライマーおよびプローブの設定候補となる領域の例を示した。例えば、図15中の(2)の領域、即ち、HEV−JRA1株の配列番号15の52位から69位と、それに相当する従来株の領域;図16中の(3)の領域、即ち、HEV−JRA1株の配列番号15の77位から95位と、それに相当する従来株の領域;が高度変異領域の好ましい例である。
例えば、図15の(2)の領域は、ゲノタイプによってその塩基配列が変わる領域である。また更にこの(2)の領域はゲノタイプ毎に3つの部分に分けた。即ち、図中「III」を記号を付した部分に含まれる株はゲノタイプIIIであり、「IV」を付した部分はゲノタイプIVであり、「I,II」を付した部分はゲノタイプIおよびIIを含む部分である。また、図16の(3)の領域についても同様である。このようにゲノタイプ毎に、特定の部位の塩基の種類が異なっていることを利用して、解析しようとするHEVのタイピングを行うことが可能である。
また、上記の配列をプローブとして使用する場合には、選択的HEV検出用のプローブは、好ましくは図15中の(2)の領域に含まれる連続した配列をその配列に含む6塩基から100塩基、より好ましくは12塩基から25塩基、のポリヌクレオチドをプローブとして使用すればよい。また、同様に、図16中の(3)の領域に含まれる連続した配列をその配列に含む6塩基から100塩基、より好ましくは12塩基から25塩基、のポリヌクレオチドをプローブとして使用すればより好ましい。
また、上記の配列をプライマーとして使用する場合には、選択的HEV検出用プライマーは、好ましくは図15中の(2)の領域に含まれる連続した配列をその配列に含む6塩基から100塩基、より好ましくは12塩基から25塩基、のポリヌクレオチドをプライマーとして使用すればよい。また、同様に、図16中の(3)の領域に含まれる連続した配列をその配列に含む6塩基から100塩基、より好ましくは12塩基から25塩基、のポリヌクレオチドをプライマーとして使用すればより好ましい。或いは、図15中の(2)の領域および/または図16中の(3)の領域を少なくとも含むポリヌクレオチドを増幅できるようなプライマーを選択すればよい。
5.HEVウイルス検出方法
本発明の更なる態様に従うと、本発明は、試料におけるHEVウイルスの検出方法が提供される。
ここで使用される「試料」とは、生物から採取した血液、血清、リンパ液および組織等、糞便および尿等の排泄物の生物試料、並びに河川および下水等の環境から採取した水および土等の環境試料である未処理の試料を、必要に応じて、ホモジネートおよび抽出等の必要な任意の前処理を行ったものをいう。このような前処理は、対象となる試料に応じて当業者によって選択され得るであろう。
本発明の態様に従うと、HEVウイルス検出方法は、上述したプライマーを用いて、それ自身公知の増幅反応、例えば、ポリメラーゼ連鎖反応(一般的にPCRと称される、以下、PCRと記す)を利用した方法により行うことが可能である。例えば、典型的には逆転写PCR、逆転写nested PCR、又はその変法、例えば、逆PCR、5‘RACE、3’RACEであり得る。
例えば、そのような検出方法は以下のように行い得る。まず、E型肝炎ウイルスゲノムが含まれる試料に所望のプライマーを混合し、適切なPCR条件下、例えば、温度変化の条件設定は95℃4分に引き続き{95℃30秒、55℃30秒、72℃45秒}を30サイクル、そして最後に72℃7分でPCR反応を行う。続いて、産物を、電気泳動、DNAチップ、等の手段により解析することによりE型肝炎ウイルス由来のゲノム断片を検出することによりE型肝炎ウイルスを検出することが可能である。例えば、電気泳動であれば、HEVゲノム由来のバンドの有無を調べることによりE型肝炎ウイルス由来のゲノム断片を検出できる。
本発明のもう1つの態様に従うと、HEVウイルス検出方法は、上述したプローブを用いて、それ自身公知のハイブリダイゼーション反応を利用した検出方法により行うことが可能である。また、この場合、当該プローブを所望の標識物質により標識することも可能である。
上述したような包括的HEV検出用プライマーおよびプローブを使用することにより包括的なウイルス検出が可能であり、また、選択的HEV検出用プライマーおよびプローブを使用することにより選択的なウイルスの検出が可能である。
例えば、高度保存領域を用いた検出系を組むことによってHEV感染の診断精度を向上させることが出来る。また一方で、高度変異領域を用いたゲノタイプ特異検出系は感染ルートの解明や疫学研究に寄与することも可能である。また、輸血用血液における該ウイルス検査にも使用することが可能である。更に、環境に由来する試料における該ウイルス検査にも使用することが可能である。
本発明の態様に従うと、該ウイルスの検出は、上述した核酸レベルのみならずアミノ酸レベルでも達成され得る。例えば、配列番号8などにて示されるアミノ酸配列は、上記ポリヌクレオチドと同様に、HEV存在のマーカーとして使用することが可能である。例えば、ヒトを含む生物における該ウイルス感染を包括的に診断するためにも、また、ゲノタイプ特異的に診断するためなどに使用することが可能である。同様に上述の何れのアミノ酸配列もこのような目的に使用してよい。
上述した本発明に従うHEV−JRA1由来の遺伝子およびポリヌクレオチドは、新規物質である。これらポリヌクレオチドまたはそれに基づいて作成されるポリペプチドおよび抗体を用いて、HEVを検出する方法は、試料におけるウイルスゲノムやウイルス抗体等を検出する上で、従来の技術を凌駕する有用性を有するものである。後述において、実施例を挙げて本発明の有用性を具体的に示す。
また、HEVの検出方法およびHEV感染の診断技術を向上させる為には、かかる新株の遺伝子塩基配列情報を検出系および診断系に反映させて行くことが望ましい。
8.塩基配列検出用チップ
本発明の態様に従うと、上述したポリヌクレオチドを具備する塩基配列検出用チップが提供される。それらは、例えば、蛍光検出用DNAチップおよび電流検出型DNAチップ等であるが、これに限られるものではない。ウイルスの検出を、前記ポリヌクレオチドまたはその相補鎖をプローブとして配置した塩基配列検出用チップを使用することにより行えば、検出方法は簡便化および効率化される。塩基配列検出用チップは、以下の手順により作成することができる。
(a) 蛍光検出用塩基配列検出用チップの作製
上述した本発明の態様に従うポリヌクレオチドまたはその一部の配列を有するポリヌクレオチド、またはそれらの配列に相補的な配列を有したポリヌクレオチドを基板に固定化する。基板は、例えば、ガラス基板およびシリコン基板等、従来用いられる何れの基板も使用することが可能である。固定化手段は、スポッター等を使用する手段、一般的な半導体技術を使用した手段等、当業者にそれ自身公知の手段を用いて固定することが可能である。
(b)電流検出型塩基配列検出用チップの作製
上述した本発明の態様に従うポリヌクレオチドまたはその一部の配列を有するポリヌクレオチド、またはそれらの配列に相補的な配列を有したポリヌクレオチドを、基板、例えば、電極基板、に共有結合、イオン結合、物理吸着または化学吸着等によって固定化する。電流検出型DNAチップの例は、平成8年10月24日に登録された特許番号第2573443号の遺伝子検出装置等であるが、これに限られるものではない。当該文献は引用することによりここに組み込まれる。
本発明の態様に従って、ポリヌクレオチド類を具備するプローブおよび遺伝子配列検出用チップを用いてウイルスの検出を行えば、その検出を簡便且つ効率よく行える。
9.プロテインチップ
本発明の1態様に従うと、前記検出方法を簡便に実施できるプロテインチップが提供される。そのようなプロテインチップは、上述したポリペプチドを認識する抗体をプローブとして配置したものである。これを利用して試料中のHEVを簡便且つ効率的に検出することが可能である。プロテインチップには、蛍光検出用プロテインチップ(一般的に、蛍光色素型プロテインチップとも称する)、および電流検出型プロテインチップ(一般的に、電位型プロテインチップとも称する)等があるが、これに限られるものではない。以下に、その製作手順の例を示す。
(a)蛍光検出用プロテインチップの作製
予め当該ポリペプチドのモノクローナル抗体を作製し、これを基板に固定化する。基板は、例えば、ガラス基板およびシリコン基板等の従来用いられる何れの基板であってもよい。固定化手段は、スポッター等を使用する手段等、一般的な半導体技術を利用した手段等、それ自身公知の手段の何れかを選択してよい。また、該検出を行うための標識は、蛍光物質、放射性同位元素および色素等を用いてよい。
(b)電流検出型プロテインチップの作製
予め、ポリペプチドのモノクローナル抗体を作製し、これを、一般的な電流検出型DNAチップに用いる基板に対して固定することにより製造してよい。
本発明の態様に従い、上述した抗体を具備するプロテインチップを用いてウイルスの検出を行えば、その検出を簡便且つ効率よく行える。
また、上記の抗体に変えて、上述したポリペプチドを基板に固定したチップを作製し、これを用いて該ポリペプチドに対する抗体を検出するために使用してもよい。
10.診断系
上述のような本発明の態様に従う新規HEV株、並びにポリヌクレオチドおよびポリペプチドを用いて、対象がHEVに感染しているか否か、および/または感染しているならそのゲノタイプは何れになるのか、および/または対象が劇症HEVに感染しているか否か、を診断することが可能である。
そのような診断方法は、例えば、まず、対象からそれ自身公知の方法でサンプルを採取すること、必要に応じてサンプルの精製や核酸の増幅を行うこと、前記精製により核酸試料を得ることを行う。次に、本発明に従うポリペプチドを用いて、例えば、標的配列の増幅の有無を検出したり、ハイブリダイゼーションの有無を検出することによって、目的とする診断を行うことが可能である。また、上述のような本発明に従うポリペプチドを抗体検出用ポリペプチドとして使用し、抗原抗体反応を利用することにより、目的の診断を行ってもよい。
11.予防用ワクチン
本発明の1態様に従うと、HEVに対するワクチンが提供される。そのようなワクチンは、上述したような本発明に従う新規HEVウイルス塩基配列にコードされる由来する核酸を含むHCV由来の免疫原性ポリペプチドの1種類またはそれ以上のポリペプチドを用いて調整することが可能である。例えば、上述した何れの新規株のORF2領域のポリペプチドを使用してもよい。また、免疫原性のポリペプチドを含有するワクチンの製造は、それ自身公知の何れの方法を用いて行うことが可能である。
12.ドラッグデザイン
上述した新規HEV由来の遺伝情報は、抗ウイルス剤の開発および改良に有用である。例えば、一般的には、「ポストゲノム創薬」と呼ばれるそれ自身公知のドラッグデザインの手法を用いて、以下のプロセスによって行うことが可能である。
(1)HEVゲノムのORF1がコードする複数の酵素タンパク質の3次元構造を、発現タンパク質のX線結晶解析および/またはNMR解析により実際に計測する。或いは、アミノ酸配列情報のみに基づいて、コンピュータ上でシミュレートすることにより、酵素タンパク質の3次元構造を得る。これらの情報を基に、薬剤の標的と成り得るドメイン(以下、「レセプタードメイン」と記す)の候補を探索する。
(2)HEV ORF1タンパク質の酵素活性を阻害することが、既に判明している薬剤、阻害効果は未だ不明ではあるが既に合成されている化合物、未だ合成されていないが構成式が既知である化合物、及び新規の構造式をもつ架空の化合物、これら(以下、「リガンド」と記す)について、夫々の3次元構造をコンピュータに入力する。
(3)前記(2)のコンピュータを用いて、前記(1)で得られたレセプタードメイン候補と前記(2)で得られたリガンドが、三次元的に結合可能か否かを、三次元的ドッキング解析を行うことにより決定する。それにより、レセプタードメインとの有効な組み合わせを選択する。或いは、より有効なドッキング状態をもたらすためのリガンド側の分子の改良を、コンピュータによってシミュレートする。
(4)前記(3)の工程により得られた(即ち、前記の工程により選択または改良された)リガンドはHEVの増殖を抑制または阻止する有効な抗ウイルス剤に成りうる。
HEVは多様性に富むウイルスである。従って、そのようなHEVの全ての(或いは、出来るだけ多くの)株に対して、等しく有効性を発揮するような抗ウイルス剤を開発および/または改良するためには、現存する全ての(或いは、出来るだけ多くの)HEV株の塩基配列情報を獲得しておく必要がある。上述の本発明の側面に従うと、そのような塩基配列情報の獲得に対して有利な効果が提供される。
このような利用は、上述した何れの新規HEVに由来する何れのORF1について行ってよい。また、このような方法により得られた薬剤も本発明の範囲に含まれる。
13.アッセイキット
本発明はまた、上述したような本発明の何れの態様に従うポリヌクレオチド、ポリヌクレオチド断片、ポリヌクレオチドプローブ、ポリヌクレオチドプライマー、ポリペプチド、抗原および抗体は、使用目的に応じて、適切なキットとして提供されてもよい。例えば、ポリヌクレオチドやポリヌクレオチドなどは、塩基配列検出用チップの製造のために、基板および/または種々の試薬および/または標識物質などと組み合わせてキットを形成してもよい。また、ポリヌクレオチドプローブは、反応容器および/または緩衝液用塩類および/またはその他の必要な試薬などと組み合わせてキットを形成してもよい。例えば、ポリヌクレオチドプライマーの場合は、反応容器および/または緩衝液用塩類および/またはその他の必要な試薬、例えば、ポリメラーゼおよび/または基質などと組み合わせてキットを形成してもよい。しかしながら、本発明により提供されるキットは、以上の組み合わせに限定されるものではなく、必要に応じて種々のものと組み合わせてキットとして提供されてもよい。また、使用目的もこれに限定するものではなく、上述した何れの目的に対するキットを形成することが可能である。そのようなキットも本発明の範囲に含まれる。
以下、本発明に従うHEVゲノムの検出に関する例を記載するが、この記載は例示を目的とするものであり、本発明の範囲を制限するものではない。
例1.RT−PCR法によるHEVゲノムRNAの検出
1.プライマー
本例のRT−PCRに於いては、配列表の配列番号1あるいは2に記載のHEV−JRA1由来塩基配列より選別した下記の塩基配列を有する4種のオリゴヌクレオチドプライマーを用いた;
#HE5−1(5’−TCGATGCCATGGAGGCCCA−3’)(センス,配列表1のnt19−37に対応)(下線部は配列表配列番号2に相当)
#HE5−2(5’−GCCYTKGCGAATGCTGTGG−3’)(センス,配列表1のnt105−123に対応)(Y=C or T; K=G or T)(下線部は配列表配列番号3に相当)
#HE5−3(5’−TCRAARCAGTARGTGCGGTC−3’)(アンチセンス,配列表1のnt450−469に対応)(R=A or G)(下線部は配列表配列番号4に相当)
#HE5−4(5’−CATAGCCTCSGCRACATCAG−3’)(アンチセンス,配列表1のnt541−560に対応)(S=G or C; R=A or G)(下線部は配列表配列番号5に相当)。
2.検出方法
先ず、患者血清50microLからSMITEST EX R&D(Genome Science Laboratories)から核酸を抽出した。この核酸に対して、アンチセンスプライマーである#HE5−4を添加し、ポリメラーゼMMLV−RT(Stratagene)の存在下に37℃30分反応させることによってcDNA合成(即ち、RNAからDNAへの逆転写反応)を行った。
かくて合成されたcDNAに対して、次に、上記4種のプライマーとFast Start Taq DNA Polymerase(Roche社)を用いてnested PCRを行った。温度変化の条件設定は95℃4分に引き続き{95℃30秒、55℃30秒、72℃45秒}を30サイクル、そして最後に72℃7分であった。PCR反応産物はアガロースゲルを用いて電気泳動を行い、365bpの長さのHEVゲノム由来のバンドの有無を調べた。
3.結果および考察
図7に示すのは、或る日本人急性肝炎患者より経時的に採取することが出来た血清サンプルについて、上記方法によりHEV genome RNAを検出した結果である。図7のグラフには、肝炎の経過を象徴する肝機能検査数値の変化を示した。図中の略語は以下の通りである。ASTはアスパルティックアミノトランスフェレースを、ALTはアラニンアミノトランスフェレースを、Total bilirubinは総ビリルビンを表す。図7の写真は、当該グラフに対応する時機に同患者より得た血清からのPCR産物の電気泳動の結果を示す(即ち、RT−PCR:逆転写ポリメラーゼ連鎖反応法による)。横軸は入院後の日数である。
本症例に於いては、図7の如く、HEV RNAが病初期より27日以上にわたって持続的に血清中に検出された。これは従来の常識を覆す新知見である。なぜならば、従来の常識では、HEV RNAが血中に出現するのはASTやALTやTotal bilirubinがピークに達するまでの極く短い期間と考えられて来たからである(Purcell,R.H.In Fields Virology,eds.Fields,B.N.,Knipe,D.M.,& Howley,P.M.Lippincott−Raven,Philadelphia,1996,3rd Ed.,Vol.2,pp.2831−2843)。このような結果は、本発明に基づいて構築し得るHEV genome RNAの検出系が極めて感度の高いものとなり得ることを示唆し、更には、かかる検出系を用いて解析せられた臨床データがHEV感染に關する学問的理解を更に深める効果を齎すという有用性をも示唆するものである。
例2.新規HEV株の単離
7例の急性E肝炎患者について試験を行った。JHA−Sap、JKK−Sap、JKN−Sap、JMY−HawおよびJSY−Sapを単離した5例は北海道に、JAK−SaiおよびJMM−Saiを単離した2例は埼玉県に在住の患者であった。それぞれの患者における疾患の発症は、時間および場所の両方ともに、他の患者との関連性はなく、また、局地的な流行に関連するものでもない。6例の患者には最近の海外への旅行はなかった。JMY−Hawを単離した患者についてのみ、その患者における疾患発症の1ヶ月前にハワイに旅行していた。患者からの血清サンプルは、急性期に採取し、ウイルス学的解析を行うまで、−20℃以下で凍結保存した。
HEV配列は、高橋らの方法(Takahashi K,Iwata K,Watanabe N,et al.Virology2001;287:9−12)に準じ、当該方法に若干の改良を加えて行った。核酸サンプルは、市販の核酸抽出用キット(SMITEST EX−R&D;ゲノム・サイエンス・ラボラトリーズ)を用いて、血清25mLから抽出した。第1ストランドcDNAを、モロニーマウス白血病ウイルス逆転写酵素(Stratagene社製)で37℃で30分間、合成した。アンチセンスプライマーとしてHE5−4(5’−CATAGCCTCSGCRACATCAG−3’;NT541−560)とHE5−5(5’−CATYGCCTCSGCAACATCGG−3’;nt541−560;夫々のヌクレオチドの位置はHEV−JRA1株のそれに相当する)の混合物を使用した。次に、cDNAについて、ネステットポリメラーゼ連鎖反応(以下、PCRと記す)を行った。第1ラウンドPCRのためには、Fast Start Taq DNA Polymerase(Roche社)と、外側センスプライマーHE5−1(5’−TCGATGCCATGGAGGCCCA−3’;nt19−37)と、外側アンチセンスプライマーHE5−4/HE5−5(配列は上述を参照)混合物を用いた。続いて、第2ラウンドPCRのためには、内側センスプライマーHE5−2(5’−GCCYTKGCGAATGCTGTGG−3’;nt105−123)と、内側アンチセンスプライマーHE5−3(5’−TCRAARCAGTARGTGCGGTC−3’;nt450−569)とHE5−6(5’−TYAAAACAGTAGGTTCGATC−3’;nt450−469)の混合物を用いて、温度変化の条件設定は95℃4分に引き続き{95℃30秒、55℃30秒、72℃45秒}を30サイクル、そして最後に72℃7分であった。
これにより326−nt領域がHEVゲノムのORF1から増幅された。次に、Dye Terminator Cycle Sequencing FS Ready Reaction Kit(Perkin−Elmer Applied Biosystems社)と373A DNAシーケンサー(Applied Biosystem社)を使用してシーケンシングを行った。
これらの日本人由来の単離株から得られた配列を、種々の国籍の患者から得られた単離株の配列と比較した。比較には、コンピュータソフトウェアGENETYX−MAC version 10.1(Software Development社)を用いた。
上記の比較の結果を、図14に示した。326−nt ORF1配列を比較すると、7つの日本固有株は、大きくは3つのグループに分かれた。JMM−Sai配列は、他の6つの単離株と73.0%から75.7%の相同性を有していた。JKN−Sap、JHA−SapおよびJMY−Hawはグループ内では95.4%から98.8%の相同性があったが、他のグループの単離株とは73.0%から79.1%の相同性しかなかった。JSY−Sap、JKK−SapおよびJAK−Saiは、互いに89.0%から99.7%の相同性を有していたが、他の4つの株に対しては、74.8%から78.8%の相同性しかなかった。プロトタイプであるJRA1株の全長ゲノムは、これらの単離株に対して90%未満の相同性しか有していなかった。
例3.HEVの包括的検出
先ず、複数の患者からを採血した。各々の患者血清50microLからSMITEST EX R&D(Genome Science Laboratories)から核酸を抽出した。これらの核酸に対して、夫々)センスプライマーとしての5’−gcagaccacrtatgtgktcg−3’(配列番号32)および5’−ccacrtatgtggtcgaygcc−3’(配列番号33)と、アンチセンスプライマーとしての5’−acmarctgscgrggytgcat−3’(配列番号34)および5’−cgytgratwggrtgrttcca−3’(配列番号35)を添加した。これらを、ポリメラーゼMMLV−RT(Stratagene)の存在下に 37℃30分反応させることによってcDNA合成(即ち、RNAからDNAへの逆転写反応)を行った。
かくて合成された夫々のcDNAに対して、センスプライマーとしての5’−tgktcgaygccatggaggc−3’(配列番号36)、5’−tgktcgaygccatggaggc−3’(配列番号37)および5’−aygccatggaggcccaycag−3’(配列番号38)と、アンチセンスプライマーとしての5’−ckracyaccacagcattcgc−3’(配列番号39)および5’−ggcckracyaccacagcatt−3’(配列番号40)をもちいて、Fast Start Taq DNA Polymerase(Roche社)を用いてnested PCRを行った。温度変化の条件設定は95℃4分に引き続き{95℃30秒、55℃30秒、72℃45秒}を30サイクル、そして最後に72℃7分であった。PCR反応産物はアガロースゲルを用いて電気泳動を行った。
その結果、上述のような本例の方法により、37例中8例について増幅産物が得られた。電気泳動によりバンドが得られた8例について、得られたバンドを模式的に図22に示す。各サンプル毎に得られたバンドは、図22に示すように異なる位置に観察された。このことから、これらの8例は使用された複数のプライマーが、幾つかの組み合わせでサンプル中のHEVゲノムに対して作用し、増幅が行われたことが示唆された。即ち、HEV腸性の患者から検出されたHEVのゲノタイプは異なることが示唆された。
非ABC型急性肝炎患者37例のサンプルについて、それぞれ増幅反応を行った。増幅の結果を、従来の方法により行って得た結果と本例の方法により行って得た結果を、図20に纏めて示した。図20の「採血日」の項目は、各患者から採血した日付を示し、その右隣のアルファベットは患者のイニシャルである。図中「sample No」は院内における通しのサンプル番号である。図中「従来」の項目は従来のプライマーを用いて増幅した場合のHEVウイルスの検出の有無を示し、「本例」の項目は本例の方法によるHEVの検出の有無を示す。それらの試験において、HEVが検出された場合には「+」を、検出されなかった場合には「−」を記す。図20に示すように、従来のプライマーで同様の増幅および電気泳動を行った場合には検出されなかったウイルス株に関しても、本例の方法は検出することができた。
例4.1患者における追跡調査
急性E型肝炎に罹患したある患者について、その血中に存在するウイルスを継時的に測定した。測定の方法は、上述の例3に示す方法による本発明の態様に従う方法と、例3に示す従来の方法を用いた。その結果を図21に示す。図中の最も左の項目は採血日を示す。その右隣の数字は当該患者の入院日からの日数である。図中「sample No」は院内における通しのサンプル番号である。図中「従来」の項目は従来のプライマーを用いて増幅した場合のHEVウイルスの検出の有無を示し、「本例」の項目は本例の方法によるHEVの検出の有無を示す。それらの試験において、HEVが検出された場合には「+」を、検出されなかった場合には「−」を記す。
本発明の態様に従うプライマーを使用した場合の方が、従来の方法よりもより少ないウイルスについても検出できた。
例5.HEVのタイピング
次に、例3で得られた夫々の増幅産物を、以下のようなプローブ固定化プレートを用いてタイピングした。
(1)プローブ固定化プレート
市販のマイクロタイタープレートのウェルに、53merのプローブ(5’−aaggctcctggcrtyactactgcyatwgagcaggcwgctctrgcwgcggccaa−3’)、HEV−I,II用プローブ(5’−ctcctggcatcactactgc−3’)およびHEV−III用プローブ(5’−ctcctggcattactactgc−3’)、HEV−IV用プローブ(5’−ctcctggcgtcactactg−3’)を、夫々、固相した。
(2)ハイブリダイゼーションアッセイによるタイピング
前記(1)で準備したプローブ固定化プレートに対して、例3で得られた夫々の増幅産物を添加し、ハイブリダイゼーションを行った。次に、夫々のウェルの吸光度(O.D)を測定した。
結果を図23Aから図23Eに示す。図23Aのグラフ、図23Bのグラフ、図23Cのグラフ、図23Dのグラフおよび図23Eのグラフは、夫々、異なるゲノタイプを有するHEV、即ち、JRA1株、JKN−Sap株、JKK−Sap株、JAK−Sai株、JMM−Sai株について行ったタイピングの結果を示す。全てのグラフの横軸は、左からHEV−I,II固相ウェル、HEV−III固相ウェル、HEV−IV(54merプライマー)固相ウェルである。ゲノタイプIIIの場合、HEV−III用プローブのみ固相したウェルの O.Dのみが他のウェルに比べて高かった。ゲノタイプIVの場合、HEV−IV用プローブのみを固相したウェルのO.Dのみが他のウェルに比べて高かった。また、ゲノタイプIの場合、V−I,II固相ウェルが他のウェルに比べてO.Dが高かった。このような指標を基に、当該プローブを用いて患者の血清中のウイルスをタイピングした。その結果は、図20の「genotype」の項目に示した。この結果から分かるように、本発明の態様に従うプローブを用いて、患者から採取したHEVのタイピングを容易に行うことが可能であることが証明された。
ここで引用される文献は、引用されることによりその全体に亘って、本明細書に組み込まれる。
更なる利益および変更が当業者によって容易に想到されるであろう。従って、そのより広い範囲の側面における本発明は、ここに示し且つ記載された詳細および代表的な態様により限定されるものではない。従って、添付された請求の範囲およびそれらの等価物により限定されるような全般的な発明の思想の精神および範囲から逸脱せずに、種々の変更がなされることが可能である。
【配列表】
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【図面の簡単な説明】
図1は、E型肝炎ウイルス株の系統樹を示す図である。
図2は、HEV JRA1の遺伝子地図を示す図である。
図3Aおよび図3Bは、HEV JRA1の部分塩基配列とメキシコ株の部分塩基配列との比較を示す図である。
図4Aおよび図4Bは、図3Aおよび図3Bに続く、HEV JRA1の部分塩基配列とメキシコ株の部分塩基配列との比較を示す図である。
図5Aおよび図5Bは、図4Aおよび図4Bに続く、HEV JRA1の部分塩基配列とメキシコ株の部分塩基配列との比較を示す図である。
図6は、本発明の態様であるプライマーおよびプローブを示す図である。
図7は、HEV JSN−FNの部分塩基配列とメキシコ株の部分塩基配列との比較を示す図である。
図8は、図7に続くHEV JSN−FNの部分塩基配列とメキシコ株の部分塩基配列との比較を示す図である。
図9は、図8に続くHEV JSN−FNの部分塩基配列とメキシコ株の部分塩基配列との比較を示す図である。
図10は、図9に続くHEV JSN−FNの部分塩基配列とメキシコ株の部分塩基配列との比較を示す図である。
図11は、図10に続くHEV JSN−FNの部分塩基配列とメキシコ株の部分塩基配列との比較を示す図である。
図12は、図11に続くHEV JSN−FNの部分塩基配列とメキシコ株の部分塩基配列との比較を示す図である。
図13は、種々のHEV株のORF領域の比較を示す図である。
図14は、HEV株の系統樹を示す図である。
図15は、種々のHEV株のORF1の配列を比較する図である。
図16は、図15に続く、種々のHEV株のORF1の配列を比較する図である。
図17は、図16に続く、種々のHEV株のORF1の配列を比較する図である。
図18は、図17に続く、種々のHEV株のORF1の配列を比較する図である。
図19は、ある患者からの血清サンプル中のHEVのRNAの存在と、肝機能検査数値の変化を示す図である。
図20は、本発明の態様に従うプライマーを用いて得たnonA,B,C急性肝炎患者のサンプルについてHEVを検出した結果を示す図である。
図21は、本発明の態様に従い、ある患者について継時的にHEVを検出した結果を示す図である。
図22は、本発明の態様に従い、増幅されたHEVを電気泳動しで検出した結果を示す図である。
図23Aから図23Eは、プローブの種類とHEVのゲノタイプと吸光度との関係を示す図である。

Claims (1)

  1. (1)対象より血清を得ること、
    (2)前記(1)により得られた血清と、配列番号32および配列番号33により示されるセンスプライマーと、配列番号34および配列番号35により示されるアンチセンスプライマーとポリメラーゼとを、適切な増幅が得られる条件下で反応させてcDNAを得ること、
    (3)前記(2)の反応により得られた反応産物である cDNA を、配列番号36および配列番号38により示されるセンスプライマーと、配列番号39および配列番号40により示されるアンチセンスプライマーとポリメラーゼとを、適切な増幅が得られる条件化で nested PCR 反応させること、
    (4)前記(3)の反応により得られた反応産物を検出すること、
    (5)前記(4)の検出の結果から、前記サンプルにE型肝炎ウイルスが存在するか否かを判定すること、
    を具備するサンプル中のE型肝炎ウイルスの存在を検出する方法。
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