JP4127722B2 - 日本人からのe型肝炎ウイルスに由来するポリヌクレオチドプローブおよびプライマー、それらを有するチップ、それらを有するキット、並びにそれらによるe型肝炎ウイルスを検出する方法 - Google Patents
日本人からのe型肝炎ウイルスに由来するポリヌクレオチドプローブおよびプライマー、それらを有するチップ、それらを有するキット、並びにそれらによるe型肝炎ウイルスを検出する方法 Download PDFInfo
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Description
(1)当該少なくとも8のヌクレオチドからなる連続する配列が、前記E型肝炎ウイルスのポリヌクレオチドとハイブリダイズし、そのようなハイブリダイゼーションによって、E型肝炎ウイルスの検出をするための配列であること;
(2)当該少なくとも8のヌクレオチドの連続する配列が、配列番号11、配列番号44、配列番号45、配列番号46、配列番号47および配列番号48並びにこれらの相補鎖からなる群より選択される配列から得られること;が提供される。
(1)当該少なくとも8のヌクレオチドからなる連続する配列が、前記E型肝炎ウイルスのポリヌクレオチドとハイブリダイズし、そのようなハイブリダイゼーションによって、E型肝炎ウイルスのポリヌクレオチドの一部を増幅をするための配列であること;
(2)当該少なくとも8のヌクレオチドの連続する配列が、配列番号11、配列番号44、配列番号45、配列番号46、配列番号47および配列番号48並びにこれらの相補鎖からなる群より選択される配列から得られること;が提供される。
(1)対象よりサンプルを得ること、
(2)前記(1)により得られたサンプルと、第1の態様に記載のポリヌクレオチドプローブを反応させること、
(3)前記(2)の反応により生じた2本鎖を検出すること、
(4)前記(3)の検出の結果から、前記サンプルにE型肝炎ウイルスが存在するか否かを判定すること、
を具備するサンプル中のE型肝炎ウイルスの存在を検出する方法が提供される。
(2)前記(1)により得られたサンプルと、第2の態様に記載の一対のPCR用プライマーとポリメラーゼとを、適切な増幅が得られる条件下で反応させること、
(3)前記(2)の反応により得られた増幅産物の存在を検出すること、
(4)前記(3)の検出の結果から、前記サンプルにE型肝炎ウイルスが存在するか否かを判定すること、
を具備するサンプル中のE型肝炎ウイルスの存在を検出する方法が提供される。
(2)前記(1)の反応により得られた増幅産物の長さを決定すること、
(3)前記(2)の結果から、前記サンプルに存在するE型肝炎ウイルスのゲノタイプを判定すること、
を具備するサンプル中のE型肝炎ウイルスのゲノタイプを決定する方法が提供される。
ここで使用する「ポリヌクレオチド」の語は、便宜的にポリヌクレオチドおよびオリゴヌクレオチド等を総括した意味で用いる。また、ここで「ポリヌクレオチド」とは、2以上のヌクレオシドがリン酸エステル結合によって結合されてなる物質を意味する。ヌクレオシドには、デオキシリボヌクレオシドおよびリボヌクレオシドが含まれるが、これに限定されない。また、「オリゴヌクレオチド」とは、数個から数十個のヌクレオシドのリン酸エステル(即ち、ヌクレオチド)がホスホジエステル結合で重合した物質を意味し、オリゴリボヌクレオチドとオリゴデオキシリボヌクレオチドとが含まれるが、これらに限定されるものではない。また、本発明の態様であるポリヌクレオチドは、HEV JRA1株から単離したウイルスゲノムRNAであっても、それを元に得たDNA等であってもよい。更にまた、本発明において「ポリヌクレオチド」とは、ペプチド核酸、モルホリノ核酸、メチルフォスフォネート核酸、S−オリゴ核酸などの人工合成核酸も指称するものとする。
本発明者等は、日本では稀であるとはいうものの、海外渡航歴のない人においてもE型肝炎の発症を見ることがある点に着目し、HEV日本固有株の存在を仮定した。その仮定の下、或る日本人急性肝炎患者よりHEVの遺伝子クローニングを試みた。その結果、新規の系統に属すると思われるHEV株を5株単離することに成功した。
(1)HEV JRA1株
本発明者等は、配列番号1に記載するJRA1株の塩基配列が、世界各地から得られた種々既知株との比較に於いて、
図1に記す系統樹の示す如く、新規ゲノタイプに属するものであることを明らかにした。
本発明の1態様に従うと、JRA1株に特異的であり、且つ新規配列を有するポリヌクレオチドが提供される。例えば、そのような配列は、5138塩基からなる配列番号1の塩基配列により示されるポリヌクレオチドであってよい。また、該ポリヌクレオチドの何れかの領域の塩基配列により示されるポリヌクレオチド断片であってもよい。例えば、2442塩基からなる配列番号7の塩基配列により示されるポリヌクレオチドであってもよい。更に、これらの配列の相補鎖であってもよく、また、該ポリヌクレオチドおよびその相補鎖であるポリヌクレオチドの一部分を構成するポリヌクレオチド断片であってもよい。
また、本発明の態様に従うと、配列番号8に記載のアミノ酸配列により示されるポリペプチドが提供される。当該ポリペプチドは、HEV−JRA1患者において早期に産生されるポリペプチドであること、また、該ポリペプチドに対する抗体もHEV−JRA1患者において早期に産生される抗体であることを、発明者らは臨床的な研究を行うことにより証明した。従って、該ポリペプチドおよび/または該抗体をHEV−JRA1の検出用マーカーとして使用することも可能である。このようなポリペプチドおよび抗体はそれ自身公知の手段により得ることが可能である。また、このようなポリペプチドの断片およびこれを含むポリペプチド、並びに配列番号8に記載のアミノ酸配列において、1もしくは数個のペプチドが欠失、置換、又は付加された修飾されたポリペプチドも本発明の範囲に含まれる。
(1)HEV Japan JSN−FH株
上述したようにJSN−FH株は、劇症肝炎症例から単離した新規HEV株である。劇症肝炎と通常の急性肝炎では、その治療方法は全く異なる。従って、劇症肝炎との診断が早期になされれば、例えば、感染直後に診断が可能であれば、救命率は高くなる。しかしながら、劇症肝炎患者におけるHEVウイルス発現量は非常に低い。そのため、従来では、劇症肝炎患者からHEVが単離された例は殆どなく、ましてや、全長に亘るシーケンシングを調べることは困難とされている。そのような状況にも関わらず、本発明者らは、劇症肝炎患者からのHEVの単離に成功し、更に、そのゲノムの大凡の全長(または準全長)を決定した。
本発明の1態様に従うと、JSN−FH株に特異的であり、且つ新規配列を有するポリヌクレオチドが提供される。例えば、そのような配列は、7234塩基からなる配列番号11の塩基配列により示されるポリヌクレオチドであってよい。また、該ポリヌクレオチドの何れかの領域の塩基配列により示されるポリヌクレオチド断片であってもよい。例えば、238塩基からなる配列番号22の塩基配列により示されるポリヌクレオチドであってもよい。更に、これらの配列の相補鎖であってもよく、また、該ポリヌクレオチドおよびその相補鎖であるポリヌクレオチドの一部分を構成するポリヌクレオチド断片であってもよい。
また、本発明の態様に従うと、配列番号12および配列番号13に記載のアミノ酸配列により示されるポリペプチドが提供される。配列番号12に記載のアミノ酸配列は、JSN−FH株のゲノム配列のORF1の領域に対応する配列である。配列番号13に記載のアミノ酸配列は、JSN−FH株のゲノム配列のORF2の領域に対応する配列である。
(1)新規HEV株と従来のHEV株の比較
図13に、夫々のORFが、ゲノム配列のどこに位置するかについて、HEV Burma B1株(M73218)、HEV Mexico株(M74506)、HEV USA US−1株(AF060669)、HEV Japan JRA1(AP003430)、ゲノタイプ4、およびHEV Japan JSN−FHの間で比較した結果を示す。夫々の株名の後に記した括弧内の番号はNCBI accession no.である。また、本明細書では各株名の「HEV」を省略して記載することもある(例えば、HEV USA US−1株を「USA US−1株」と記載することもある)。
本発明の1態様に従うと、JKN−Sap、JMY−Haw、JKK−SapおよびJAK−Sai株に、夫々、特異的であり、且つ新規配列を有するポリヌクレオチドが提供される。例えば、そのような配列は、夫々、JKN−Sap、JMY−Haw、JKK−SapおよびJAK−Sai株のゲノム配列を示す配列である配列番号44、配列番号45、配列番号46および配列番号47の塩基配列により示されるポリヌクレオチドであってもよい。また、これらの配列の相補鎖であってもよく、また、該ポリヌクレオチドおよびその相補鎖であるポリヌクレオチドの一部分を構成するポリヌクレオチド断片であってもよい。
また、本発明の態様に従うと、JKN−Sap、JMY−Haw、JKK−SapおよびJAK−Sai株に特異的な配列番号44、配列番号45、配列番号46および配列番号47、並びに配列番号16、17、20および21に記載のポリヌクレオチド配列がコードするアミノ酸配列により示されるポリペプチドが提供される。更に、JKN−Sap、JMY−Haw、JKK−SapおよびJAK−Sai株に夫々特異的なORF1領域のアミノ酸配列を示す配列番号50、配列番号52、配列番号54および配列番号56と、ORF2領域のアミノ酸配列を示す配列番号51、配列番号53、配列番号55および配列番号57のアミン酸配列により示されるポリペプチドおよびその断片が提供される。
上述のように新規のHEV株を発見し、その配列を特定したことにより、未知の株を含むより広汎なHEVを一度に増幅することが可能なプライマー、即ち、ユニバーサルプライマー(即ち、包括的HEV検出用のプライマー)や、および未知の株を含むより広汎なHEVを一度に検出することが可能なプローブ(即ち、包括的HEV検出用のプローブ)を提供することが可能となった。そのようなユニバーサルプライマーについて以下に説明する。
上述したように高度保存領域の配列を選択すれば、包括的HEV検出用プライマーおよびプローブが得られ、それにより包括的なウイルス検出が可能である。それに対して、一方で、高度変異領域の配列を選択すれば、選択的HEV検出用プライマーおよびプローブが得られる。更にこのような配列を使用することによって選択的なウイルスの検出および/または同定が可能である。
本発明の更なる態様に従うと、本発明は、試料におけるHEVウイルスの検出方法が提供される。
本発明の態様に従うと、上述したポリヌクレオチドを具備する塩基配列検出用チップが提供される。それらは、例えば、蛍光検出用DNAチップおよび電流検出型DNAチップ等であるが、これに限られるものではない。ウイルスの検出を、前記ポリヌクレオチドまたはその相補鎖をプローブとして配置した塩基配列検出用チップを使用することにより行えば、検出方法は簡便化および効率化される。塩基配列検出用チップは、以下の手順により作成することができる。
上述した本発明の態様に従うポリヌクレオチドまたはその一部の配列を有するポリヌクレオチド、またはそれらの配列に相補的な配列を有したポリヌクレオチドを基板に固定化する。基板は、例えば、ガラス基板およびシリコン基板等、従来用いられる何れの基板も使用することが可能である。固定化手段は、スポッター等を使用する手段、一般的な半導体技術を使用した手段等、当業者にそれ自身公知の手段を用いて固定することが可能である。
上述した本発明の態様に従うポリヌクレオチドまたはその一部の配列を有するポリヌクレオチド、またはそれらの配列に相補的な配列を有したポリヌクレオチドを、基板、例えば、電極基板、に共有結合、イオン結合、物理吸着または化学吸着等によって固定化する。電流検出型DNAチップの例は、平成8年10月24日に登録された特許番号第2573443号の遺伝子検出装置等であるが、これに限られるものではない。当該文献は引用することによりここに組み込まれる。
本発明の1態様に従うと、前記検出方法を簡便に実施できるプロテインチップが提供される。そのようなプロテインチップは、上述したポリペプチドを認識する抗体をプローブとして配置したものである。これを利用して試料中のHEVを簡便且つ効率的に検出することが可能である。プロテインチップには、蛍光検出用プロテインチップ(一般的に、蛍光色素型プロテインチップとも称する)、および電流検出型プロテインチップ(一般的に、電位型プロテインチップとも称する)等があるが、これに限られるものではない。以下に、その製作手順の例を示す。
予め当該ポリペプチドのモノクローナル抗体を作製し、これを基板に固定化する。基板は、例えば、ガラス基板およびシリコン基板等の従来用いられる何れの基板であってもよい。固定化手段は、スポッター等を使用する手段等、一般的な半導体技術を利用した手段等、それ自身公知の手段の何れかを選択してよい。また、該検出を行うための標識は、蛍光物質、放射性同位元素および色素等を用いてよい。
予め、ポリペプチドのモノクローナル抗体を作製し、これを、一般的な電流検出型DNAチップに用いる基板に対して固定することにより製造してよい。
上述のような本発明の態様に従う新規HEV株、並びにポリヌクレオチドおよびポリペプチドを用いて、対象がHEVに感染しているか否か、および/または感染しているならそのゲノタイプは何れになるのか、および/または対象が劇症HEVに感染しているか否か、を診断することが可能である。
本発明の1態様に従うと、HEVに対するワクチンが提供される。そのようなワクチンは、上述したような本発明に従う新規HEVウイルス塩基配列にコードされる由来する核酸を含むHCV由来の免疫原性ポリペプチドの1種類またはそれ以上のポリペプチドを用いて調整することが可能である。例えば、上述した何れの新規株のORF2領域のポリペプチドを使用してもよい。また、免疫原性のポリペプチドを含有するワクチンの製造は、それ自身公知の何れの方法を用いて行うことが可能である。
上述した新規HEV由来の遺伝情報は、抗ウイルス剤の開発および改良に有用である。例えば、一般的には、「ポストゲノム創薬」と呼ばれるそれ自身公知のドラッグデザインの手法を用いて、以下のプロセスによって行うことが可能である。
本発明はまた、上述したような本発明の何れの態様に従うポリヌクレオチド、ポリヌクレオチド断片、ポリヌクレオチドプローブ、ポリヌクレオチドプライマー、ポリペプチド、抗原および抗体は、使用目的に応じて、適切なキットとして提供されてもよい。例えば、ポリヌクレオチドやポリヌクレオチドなどは、塩基配列検出用チップの製造のために、基板および/または種々の試薬および/または標識物質などと組み合わせてキットを形成してもよい。また、ポリヌクレオチドプローブは、反応容器および/または緩衝液用塩類および/またはその他の必要な試薬などと組み合わせてキットを形成してもよい。例えば、ポリヌクレオチドプライマーの場合は、反応容器および/または緩衝液用塩類および/またはその他の必要な試薬、例えば、ポリメラーゼおよび/または基質などと組み合わせてキットを形成してもよい。しかしながら、本発明により提供されるキットは、以上の組み合わせに限定されるものではなく、必要に応じて種々のものと組み合わせてキットとして提供されてもよい。また、使用目的もこれに限定するものではなく、上述した何れの目的に対するキットを形成することが可能である。そのようなキットも本発明の範囲に含まれる。
1.プライマー
本例のRT−PCRに於いては、配列表の配列番号1あるいは2に記載のHEV−JRA1由来塩基配列より選別した下記の塩基配列を有する4種のオリゴヌクレオチドプライマーを用いた;
#HE5−1(5’−TCGATGCCATGGAGGCCCA−3’)(センス,配列表1のnt19−37に対応)(下線部は配列表配列番号2に相当)
#HE5−2(5’−GCCYTKGCGAATGCTGTGG−3’)(センス,配列表1のnt105−123に対応)(Y=C or T; K=G or T)(下線部は配列表配列番号3に相当)
#HE5−3(5’−TCRAARCAGTARGTGCGGTC−3’)(アンチセンス,配列表1のnt450−469に対応)(R=A or G)(下線部は配列表配列番号4に相当)
#HE5−4(5’−CATAGCCTCSGCRACATCAG−3’)(アンチセンス,配列表1のnt541−560に対応)(S=G or C; R=A or G)(下線部は配列表配列番号5に相当)。
先ず、患者血清50microLからSMITEST EX R&D(Genome Science Laboratories)から核酸を抽出した。この核酸に対して、アンチセンスプライマーである#HE5−4を添加し、ポリメラーゼMMLV−RT(Stratagene)の存在下に37℃30分反応させることによってcDNA合成(即ち、RNAからDNAへの逆転写反応)を行った。
図7に示すのは、或る日本人急性肝炎患者より経時的に採取することが出来た血清サンプルについて、上記方法によりHEV genome RNAを検出した結果である。図7のグラフには、肝炎の経過を象徴する肝機能検査数値の変化を示した。図中の略語は以下の通りである。ASTはアスパルティックアミノトランスフェレースを、ALTはアラニンアミノトランスフェレースを、Total bilirubinは総ビリルビンを表す。図7の写真は、当該グラフに対応する時機に同患者より得た血清からのPCR産物の電気泳動の結果を示す(即ち、RT−PCR:逆転写ポリメラーゼ連鎖反応法による)。横軸は入院後の日数である。
7例の急性E肝炎患者について試験を行った。JHA−Sap、JKK−Sap、JKN−Sap、JMY−HawおよびJSY−Sapを単離した5例は北海道に、JAK−SaiおよびJMM−Saiを単離した2例は埼玉県に在住の患者であった。それぞれの患者における疾患の発症は、時間および場所の両方ともに、他の患者との関連性はなく、また、局地的な流行に関連するものでもない。6例の患者には最近の海外への旅行はなかった。JMY−Hawを単離した患者についてのみ、その患者における疾患発症の1ヶ月前にハワイに旅行していた。患者からの血清サンプルは、急性期に採取し、ウイルス学的解析を行うまで、−20℃以下で凍結保存した。
先ず、複数の患者からを採血した。各々の患者血清50microLからSMITEST EX R&D(Genome Science Laboratories)から核酸を抽出した。これらの核酸に対して、夫々)センスプライマーとしての5’−gcagaccacrtatgtgktcg−3’(配列番号32)および5’−ccacrtatgtggtcgaygcc−3’(配列番号33)と、アンチセンスプライマーとしての5’−acmarctgscgrggytgcat−3’(配列番号34)および5’−cgytgratwggrtgrttcca−3’(配列番号35)を添加した。これらを、ポリメラーゼMMLV−RT(Stratagene)の存在下に 37℃30分反応させることによってcDNA合成(即ち、RNAからDNAへの逆転写反応)を行った。
急性E型肝炎に罹患したある患者について、その血中に存在するウイルスを継時的に測定した。測定の方法は、上述の例3に示す方法による本発明の態様に従う方法と、例3に示す従来の方法を用いた。その結果を図21に示す。図中の最も左の項目は採血日を示す。その右隣の数字は当該患者の入院日からの日数である。図中「sample No」は院内における通しのサンプル番号である。図中「従来」の項目は従来のプライマーを用いて増幅した場合のHEVウイルスの検出の有無を示し、「本例」の項目は本例の方法によるHEVの検出の有無を示す。それらの試験において、HEVが検出された場合には「+」を、検出されなかった場合には「−」を記す。
次に、例3で得られた夫々の増幅産物を、以下のようなプローブ固定化プレートを用いてタイピングした。
市販のマイクロタイタープレートのウェルに、53merのプローブ(5’−aaggctcctggcrtyactactgcyatwgagcaggcwgctctrgcwgcggccaa−3’)、HEV−I,II用プローブ(5’−ctcctggcatcactactgc−3’)およびHEV−III用プローブ(5’−ctcctggcattactactgc−3’)、HEV−IV用プローブ(5’−ctcctggcgtcactactg−3’)を、夫々、固相した。
前記(1)で準備したプローブ固定化プレートに対して、例3で得られた夫々の増幅産物を添加し、ハイブリダイゼーションを行った。次に、夫々のウェルの吸光度(O.D)を測定した。
Claims (2)
- E型肝炎ウイルスに由来するポリヌクレオチド断片を包括的に得るためのユニバーサルプライマーセットであって、
(1)E型肝炎ウイルスのcDNAを作成するための
配列番号32に示される以下のプライマーまたはその相補鎖からなる第一の混合センスプライマー;
gcagaccacatatgtggtcg、
gcagaccacatatgtgttcg、
gcagaccacgtatgtggtcg、および
gcagaccacgtatgtgttcg、
および
配列番号33により示される以下のプライマーまたはその相補鎖からなる第二の混合センスプライマー;
ccacatatgtggtcgacgcc、
ccacatatgtggtcgatgcc、
ccacgtatgtggtcgacgcc、および
ccacgtatgtggtcgatgcc、
並びに
配列番号34により示される以下のプライマーまたはその相補鎖からなる第一の混合アンチセンスプライマー;
acaaactggcgaggctgcat、
acaaactggcgaggttgcat、
acaaactggcggggctgcat、
acaaactggcggggttgcat、
acaaactgccgaggctgcat、
acaaactgccgaggttgcat、
acaaactgccggggctgcat、
acaaactgccggggttgcat、
acaagctggcgaggctgcat、
acaagctggcgaggttgcat、
acaagctggcggggctgcat、
acaagctggcggggttgcat、
acaagctgccgaggctgcat、
acaagctgccgaggttgcat、
acaagctgccggggctgcat、
acaagctgccggggttgcat、
accaactggcgaggctgcat、
accaactggcgaggttgcat、
accaactggcggggctgcat、
accaactggcggggttgcat、
accaactgccgaggctgcat、
accaactgccgaggttgcat、
accaactgccggggctgcat、
accaactgccggggttgcat、
accagctggcgaggctgcat、
accagctggcgaggttgcat、
accagctggcggggctgcat、
accagctggcggggttgcat、
accagctgccgaggctgcat、
accagctgccgaggttgcat、
accagctgccggggctgcat、および
accagctgccggggttgcat、
および
配列番号35により示される以下のプライマーまたはその相補鎖からなる第二の混合アンチセンスプライマー;
cgctgaataggatgattcca、
cgctgaataggatggttcca、
cgctgaatagggtgattcca、
cgctgaatagggtggttcca、
cgctgaattggatgattcca、
cgctgaattggatggttcca、
cgctgaattgggtgattcca、
cgctgaattgggtggttcca、
cgctggataggatgattcca、
cgctggataggatggttcca、
cgctggatagggtgattcca、
cgctggatagggtggttcca、
cgctggattggatgattcca、
cgctggattggatggttcca、
cgctggattgggtgattcca、
cgctggattgggtggttcca、
cgttgaataggatgattcca、
cgttgaataggatggttcca、
cgttgaatagggtgattcca、
cgttgaatagggtggttcca、
cgttgaattggatgattcca、
cgttgaattggatggttcca、
cgttgaattgggtgattcca、
cgttgaattgggtggttcca、
cgttggataggatgattcca、
cgttggataggatggttcca、
cgttggatagggtgattcca、
cgttggatagggtggttcca、
cgttggattggatgattcca、
cgttggattggatggttcca、
cgttggattgggtgattcca、および
cgttggattgggtggttcca、
並びに
(2)前記cDNAを増幅するための
配列番号36により示される以下のプライマーまたはその相補鎖からなる第一の混合センスプライマー;
tggtcgacgccatggaggc、
tggtcgatgccatggaggc、
tgttcgacgccatggaggc、および
tgttcgatgccatggaggc、
および
配列番号38により示される以下のプライマーまたはその相補鎖からなる第二の混合センスプライマー;
acgccatggaggcccaccag、
acgccatggaggcccatcag、
atgccatggaggcccaccag、および
atgccatggaggcccatcag、
並びに
配列番号39により示される以下のプライマーまたはその相補鎖からなる第一の混合アンチセンスプライマー;
cgaaccaccacagcattcgc、
cgaactaccacagcattcgc、
cggaccaccacagcattcgc、
cggactaccacagcattcgc、
ctaaccaccacagcattcgc、
ctaactaccacagcattcgc、
ctgaccaccacagcattcgc、および
ctgactaccacagcattcgc、
および
配列番号40により示される以下のプライマーまたはその相補鎖からなる第二の混合アンチセンスプライマー;
ggccgaaccaccacagcatt、
ggccgaactaccacagcatt、
ggccggaccaccacagcatt、
ggccggactaccacagcatt、
ggcctaaccaccacagcatt、
ggcctaactaccacagcatt、
ggcctgaccaccacagcatt、および
ggcctgactaccacagcatt、
からなるユニバーサルプライマーセット。 - (1)対象より血清を得ること、
(2)前記(1)により得られた血清と、請求項1に記載の配列番号32およびその相補鎖および配列番号33およびその相補鎖により示される混合センスプライマーとしてのユニバーサルプライマーと、請求項1に記載の配列番号34およびその相補鎖および配列番号35およびその相補鎖により示される混合アンチセンスプライマーとしてのユニバーサルプライマーとポリメラーゼとを、適切な増幅が得られる条件下で反応させてcDNAを得ること、
(3)前記(2)の反応により得られた反応産物であるcDNAを、請求項1に記載の配列番号36および配列番号38およびその相補鎖により示される混合センスプライマーとしてのユニバーサルプライマーと、請求項1に記載の配列番号39および配列番号40およびその相補鎖により示される混合アンチセンスプライマーとしてのユニバーサルプライマーとポリメラーゼとを、適切な増幅が得られる条件化でnested PCR反応させること、
(4)前記(3)で得られた反応産物と、ctcctggcatcactactgcで示されるHEV−IおよびII用プローブ、ctcctggcattactactgcで示されるHEV−III用プローブ、並びにctcctggcgtcactactgで示されるHEV−IV用プローブとを反応させ、そこにおけるハイブリダイゼーションの有無を検出すること、
(5)前記(4)の検出の結果から、前記サンプルに含まれるE型肝炎ウイルスのタイピングを行う方法。
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