JP4080675B2 - モノアゾ金属錯塩化合物の製法及びその関連技術 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、特定のモノアゾ化合物が特定の金属に配位した金属錯塩化合物の製法、特に、工業的に有利であり且つ環境に対する負荷を小さくすることができる製法、並びにその製法により製造し得る荷電制御剤、及びその荷電制御剤を含む静電荷像現像用トナーに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
電子写真法を利用した複写機、プリンター等においては、無機又は有機光導電材料を含有する感光層を備えた感光体上に形成された静電潜像を現像するために、着色剤及び定着用の樹脂などを有する種々のトナーが用いられている。
【0003】
このようなトナーの帯電性は、静電潜像を現像するシステムにおいては特に重要な因子である。そこでトナーの帯電量を適切に制御又は安定化するために、トナー中に正電荷又は負電荷付与性の荷電制御剤が加えられることが多い。
【0004】
従来実用化されている荷電制御剤のうち、トナーに負電荷を付与するものとしては、モノアゾ化合物の金属錯塩染料やアルキルサリチル酸等の芳香族オキシカルボン酸の金属錯体若しくは金属塩を挙げることができる。
【0005】
しかしながら、荷電制御剤として提案されているアゾ染料構造の金属錯体の多くは、一般に安定性に乏しく、例えば、機械的摩擦や衝撃、電気的衝撃や光照射、温度や湿度条件の変化等により、分解又は変質して荷電制御性が失われることとなり易い。また、実用レベルの帯電付与性を有するものであっても、電荷の安定性に不十分な点があったり、製造の方法や条件次第で、荷電制御効果を持たない不純化学物質を含むことが多く、荷電制御剤としての品質の安定性及び信頼性等の諸問題を残していた。また、最近では環境問題や人体への安全性が配慮された荷電制御剤が求められている。
【0006】
このような問題のいくつかを解決し得る荷電制御剤としては、例えば下記構造の金属錯塩染料(化合物)が知られている。
【0007】
【化4】
【0008】
【化5】
[両式中、A+は、H(水素)、アルカリ金属、アンモニア、アミン等の対イオンを示す。]
【0009】
このような金属錯塩染料は、モノアゾ染料2分子が3価金属原子1個に配位した所謂2:1型アゾ含金属染料である。
【0010】
ところで、この種金属錯塩染料の従来常用の製法は、例えば、下記▲1▼及び▲2▼の如き工程によっていた。
▲1▼金属錯塩染料の配位子を構成する金属化可能な基を有するモノアゾ化合物(ジアゾ化カップリング生成物)を調製する工程:まず金属錯塩形成に適する基を有する芳香族アミン誘導体をジアゾ化する。金属錯塩形成に適する基を有するカップリング成分にジアゾニウム塩をカップリングさせる。カップリングにより生成したモノアゾ化合物を水系媒体から単離する。
▲2▼調製したモノアゾ化合物を金属化する工程:モノアゾ化合物を、水、水混和性有機溶媒、又は水−水混和性有機溶媒に溶解又は懸濁させる。反応条件下で金属化剤を用いてモノアゾ化合物を金属化する。金属錯塩染料を単離する。
【0011】
しかしながら、上記のような製法では、大量の廃液の発生や、カップリング生成物を塩析と濾過によって単離する工程に時間及び材料を浪費する欠点があり、また水混和性有機溶剤を用いて金属化反応を行う工程には、有機溶剤の分離回収及び廃液の処理が必要となり、製造コストが高くなる、また大量の水が必要となり、有機溶媒の回収が困難となるという問題があった。
【0012】
このような欠点を解決した製法として特公平8−22969号に開示された製法がある。この製法では、水系中、カップリング生成物を単離することなくワンポット(1容器法)で、ジアゾ化、カップリング、及び金属化を行うことによって1:2型−金属錯塩アゾ染料を得る。
【0013】
しかしながら、本発明において得ようとする金属錯塩化合物の製造に、従来常用の、あるいは特公平8−22969号公報に記載されるような水系反応によるワンポット製法を適用した場合、次のような欠点が認められた。
i) カップリング成分の溶解性が悪い。
ii) カップリング生成物の生成速度が遅く、純度が悪い。
iii) 引き続き金属化された金属錯塩化合物中に未反応カップリング生成物や無機塩などの不純物質が認められる。
【0014】
また、従来のトナー用のある種のアゾ含金属染料は、一般に硬い結晶性を有するため、微粉砕性に優れるが、荷電制御剤としてトナーに用いられた場合に、トナー用樹脂に対する相溶性(濡れ性)が不十分であり、そのことに起因して帯電の立ち上がり速度が比較的に遅く、また、その硬い結晶がトナー粒子の表面に一部露出することにより、摩擦帯電時にトナー粒子から比較的脱落し易い等の、解決すべき課題を有していた。
【0015】
本発明は、従来技術に存した上記のような課題に鑑み行われたものであって、その第1の目的は、特定のアルキル基(炭素数4乃至12)を有するモノアゾ化合物を配位子とする高純度の金属錯塩化合物を高収率且つ短時間で得ることにある。
【0016】
第2の目的は、溶媒を回収して再使用することにより、環境に対する負荷を減らすことにある。
【0017】
第3の目的は、帯電付与性及び安定性に優れると共に、トナー用樹脂に対する分散性及び濡れ性が良好であり、トナーに用いられた場合に、帯電の立ち上がりが速く、摩擦帯電時にトナー粒子から脱落し難く、保存安定性(荷電制御特性の経時的安定性)及び耐久性(トナーが多数回繰返し使用された場合の荷電制御特性の安定性)に優れ、有害な重金属を含まずエームステストの結果が陰性で安全性が高い荷電制御剤、及びその製法を提供することにある。
【0018】
第4の目的は、広範な温度域における定着性及び非オフセット性を実現できると共に、耐環境性(温度や湿度の変化に対する帯電特性の安定性)、保存安定性(帯電特性の経時的安定性)及び耐久性(トナーが多数回繰返し使用された場合の帯電特性の安定性)に優れ、帯電の立ち上がりが速く、安定した複写画像が得られる静電荷像現像用トナーを提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
(1) 上記目的を達成する本発明の金属錯塩化合物の製法は、
下記一般式(I)で表される金属錯塩化合物の製法であって、
式(II)で表されるモノアゾ化合物を鉄化して金属錯塩化合物を生成する金属化反応を含み、その金属化反応を、反応促進溶媒としてのエタノール、プロパノール、2−プロパノール、ブタノール、イソブタノール、 sec- ブタノール、 tert- ブタノール、アミルアルコール、イソアミルアルコールからなる群から選ばれた1又は2以上の炭素数2乃至5の1価アルコール類と、アルカリ金属の水酸化物の水溶液の混合液を用いた反応系で行うことを特徴とする。
【0020】
【化6】
【0021】
[式(I)中、
Rは、炭素数4乃至12の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を示し、
Yは、ハロゲン原子若しくは炭素数1乃至5の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を示し、
p及びqは金属Mに配位したモノアゾ化合物の個数を表すものであって、pは1、2、3又は4を示し、qは0、1、2又は3を示し、p+qは1乃至6の整数であり、
L1及びL2は、−O−結合基を示し、
L3及びL4は、一方が−O−結合基、他方が−OH基又は−O−イオン基を示し、
Mは、鉄、ニッケル、アルミニウム、チタン、又はジルコニウムを示し、
(Mx+)mは、m個の(Fe 3+ )(mは1乃至4の整数)を示し、
Z−は、括弧内の負電荷を示し、(A+)nは、水素イオン(H+)又はアルカリ金属イオン(Na+、K+等)を示し、n=Zである。]
【0022】
【化7】
【0023】
[式(II)中、Rは炭素数4乃至12の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を示し、Yは、ハロゲン原子又は炭素数1乃至5の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基を示す。]
【0024】
(1-1) (1)の金属錯塩化合物の製法は、
上記金属化反応において反応促進溶媒として1価のアルコール類を用い、
金属化反応後、その反応混合液を冷却し、析出した金属錯塩化合物をその冷却された混合液から分離する工程を含むものであることが好ましい。
【0025】
(1-2) (1-1)の金属錯塩化合物の製法は、
金属化反応後、上記冷却された混合液から、析出した金属錯塩化合物を分離すると共に、1価のアルコールを水との共沸混合物として回収し、その共沸混合物中の1価のアルコールを反応促進溶媒の全部又は一部として再使用するものとすることが望ましい。
【0026】
(1-3) (1)の金属錯塩化合物の製法は、
式(II)で表されるモノアゾ化合物を生成するジアゾ化カップリング反応の工程を含み、そのジアゾ化カップリング反応において、1価又は2価のアルコール類を反応促進溶媒として用いるものであることが好ましい。
【0027】
ジアゾ化カップリング反応において用いる反応促進溶媒は、金属化反応において用いる反応促進溶媒と同じであることが好ましいが、異なっていてもよい。
(1-4) (1-3)の金属錯塩化合物の製法は、
上記ジアゾ化カップリング反応及び金属化反応において反応促進溶媒として1価のアルコール類を用い、
金属化反応後、その反応混合液を冷却し、析出した金属錯塩化合物をその冷却された混合液から分離する工程を含むものとすることが望ましい。
【0028】
(1-5) (1-4)の金属錯塩化合物の製法は、
金属化反応後、上記冷却された混合液から、析出した金属錯塩化合物を分離すると共に、1価のアルコールを水との共沸混合物として回収し、その共沸混合物中の1価のアルコールを反応促進溶媒の全部又は一部として再使用するものとすることが望ましい。
【0029】
(1-6) (1-4)又は(1-5)の金属錯塩化合物の製法は、
上記ジアゾ化カップリング反応後、その反応混合液から、析出したモノアゾ化合物を分離すると共に、1価のアルコールを水との共沸混合物として回収し、その共沸混合物中の1価のアルコールを反応促進溶媒の全部又は一部として再使用するものとすることが望ましい。
【0030】
(1-7) (1-2)、(1-5)又は(1-6)の金属錯塩化合物の製法は、
上記共沸混合物における水分含有率が20重量%以下であるものとすることが望ましい。
【0031】
(1-8) 上記(1)乃至(1-7)におけるRは、tert-オクチル基であることが好ましい。
【0032】
(1-9) 上記(1)乃至(1-8)におけるYは塩素原子であることが好ましい。
【0033】
(1-10) 上記(1)乃至(1-9)における反応促進溶媒は、エタノール、プロパノール、2−プロパノール、ブタノール、イソブタノール、sec-ブタノール、tert-ブタノール、アミルアルコール、イソアミルアルコールからなる群から選ばれた1又は2以上の1価のアルコール類であることが好ましい。
【0034】
(1-11) 上記(1-10)における反応促進溶媒としてのアルコール類は、2−プロパノールであることが好ましい。
【0035】
(1-12) 上記(1-3)、(1-4)、(1-5)及び(1-6)の金属錯塩化合物の製法は、ジアゾ成分として4−クロロ−2−アミノフェノール、カップリング成分として6−ターシャリ−オクチル−2−ナフトール、反応促進溶媒として2−プロパノールをそれぞれ用いてモノアゾ化合物を得る工程;及び、得られたモノアゾ化合物を、水溶媒及び反応促進溶媒としての2−プロパノール中で金属化する工程を含むものであることが好ましい。
【0036】
(1-13) 上記(1)乃至(1-12)の金属錯塩化合物の製法は、金属化反応に、金属化剤として塩化鉄を用いることが好ましい。
【0037】
(2) 本発明の荷電制御剤は、下記一般式(I)で表される金属錯塩化合物を有効成分とし、その配位子を構成するモノアゾ化合物を実質上含まないものである。
【0038】
【化8】
【0039】
[式(I)中、
Rは、炭素数4乃至12の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を示し、
Yは、ハロゲン原子若しくは炭素数1乃至5の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を示し、
p及びqは金属Mに配位したモノアゾ化合物の個数を表すものであって、pは1、2、3又は4を示し、qは0、1、2又は3を示し、p+qは1乃至6の整数であり、
L1及びL2は、−O−結合基を示し、
L3及びL4は、一方が−O−結合基、他方が−OH基又は−O−イオン基を示し、
Mは、鉄、ニッケル、アルミニウム、チタン、又はジルコニウムを示し、
(Mx+)mは、原子価x(xは2以上の整数)の金属m個(mは1乃至4の整数)を示し、
Z−は、括弧内の負電荷を示し、(A+)nは、水素イオン(H+)又はアルカリ金属イオン(Na+、K+等)を示し、n=Zである。]
【0040】
この荷電制御剤は前記金属錯塩化合物を高純度で(約90重量%以上、好ましくは95重量%以上、より好ましくは99重量%以上)含有するものであり、上記(1)乃至(1-13)記載の金属錯塩化合物の製法により製造することができる。
【0041】
(2-1) 上記(2)におけるMは、3価又は2価の鉄であることが望ましい。
【0042】
(2-2) 上記(2)及び(2-1)荷電制御剤は、pHが7乃至12であることが好ましい。
【0043】
(2-3) 上記(2)乃至(2-2)の荷電制御剤は、エームステストの結果が陰性である。
【0044】
(3) 本発明の静電荷像現像用トナーは、上記(2)乃至(2-3)の荷電制御剤並びにトナー用樹脂及び着色剤を備えてなる。
【0045】
【発明の実施の形態】
モノアゾ化合物[式( II )]の合成
【0046】
本発明の金属錯塩化合物の製法において用いる式(II)で表されるモノアゾ化合物(カップリング生成物と言うこともある。)は、1価又は2価のアルコール類、好ましくは2−プロパノールを反応促進溶媒として、ジアゾ化カップリング反応を行わせることによって調製することができる。
【0047】
好ましい一態様は次の通りである。
【0048】
先ず、4−クロロ−2−アミノフェノール[金属錯塩形成に適する基(水酸基)を有するジアゾ成分]、2−プロパノール[反応促進溶媒]、及び塩酸(35%調整塩酸)の混合液に、亜硝酸ナトリウム(36%調整水溶液)を加え、0乃至5℃の温度範囲にて1乃至3時間攪拌することにより前記4−クロロ−2−アミノフェノールをジアゾ化する。
【0049】
次に、6−ターシャリ−オクチル−2−ナフトール[金属錯塩形成に適する基(水酸基)を有するカップリング成分]、水酸化ナトリウム水溶液[アルカリ金属(Na、K等)の水酸化物の水溶液]、及び2−プロパノール[反応促進溶媒]の混合溶液(45乃至50℃に維持)に対し、ジアゾ化溶液(上記ジアゾ化物溶液中に析出したNaClを濾別除去した溶液)を滴下し、2乃至3時間攪拌することにより、カップリング成分にジアゾニウム塩をカップリングさせる。
【0050】
析出したカップリング生成物を濾取して水洗することにより、含水率約50乃至60%のウエットケーキを得る。更に乾燥(例えば、熱風乾燥やパドル乾燥により)させることにより、下記構造の高純度モノアゾ化合物を粉末の形で単離することができる。
【0051】
【化9】
【0052】
[式中、Oct(tert-)はターシャリ−オクチル基を示す。]
【0053】
上記のようにして得られたモノアゾ化合物(カップリング生成物)は、そのジアゾ化工程で副生するNaClの除去が可能であり、反応促進溶媒の効果により反応がより速く進行すると共に反応率が高いので、高純度(95重量%以上)、高収率(90%以上)である。
【0054】
金属錯塩化合物[式( I )]の合成
【0055】
本発明の金属錯塩化合物の製法は、上記方法により得られたモノアゾ化合物[式(II)]の乾燥品またはウエットケーキを、1価又は2価のアルコール類、好ましくは2−プロパノールを反応促進溶媒として、金属化剤(好ましくは塩化第二鉄)を用いて金属化(好ましくは鉄化)を行うものとすることができる。これにより、未反応モノアゾ化合物の含有率が従来に比し格段に小さい金属錯塩化合物、或いは未反応モノアゾ化合物を実質上含まない金属錯塩化合物を高収率で短時間の間に製造することができる。
【0056】
好ましい一態様は次の通りである。
【0057】
上記モノアゾ化合物[式(II)]、好ましくは前記のように得られたカップリング生成物を、2−プロパノール[反応促進溶媒]、及び適量の水酸化ナトリウム水溶液[アルカリ金属(Na、K等)の水酸化物の水溶液]の混合液に対し徐々に加えて1乃至2時間加熱還流させることによりモノアゾ化合物を溶解させる。次いで必要量の塩化第二鉄[金属化剤]を加え、75乃至85℃、好ましくは80乃至85℃で加熱還流することによりそのモノアゾ化合物を金属化する。
【0058】
冷却又は放冷(一般には約50℃以下に、好ましくは40℃以下に、より好ましくは30℃以下に)の後、溶媒中に析出した金属錯化合物を濾取し、その濾取物を水洗して乾燥(熱風乾燥やパドル乾燥)させることにより、下記式(III)で表される鉄錯塩化合物を黒褐色粉末の形で単離する。
【0059】
【化10】
【0060】
[式(III)中、R、p、q、L1、L2、L3、L4、m、n、Z-及び(A+)は、前記と同意義である。]
【0061】
得られる鉄錯塩化合物は、具体的には、一般に、
下記式で示されるような、2個のモノアゾ化合物が1個のFe(III)に配位した2:1型鉄錯塩化合物
【0062】
【化11】
【0063】
と、
式(III)で示される化合物p+q=3(pは1、2又は3;qは0、1又は2)でm=2であるような3:2型鉄錯塩化合物;p+q=4(pは1、2、3又は4;qは0、1、2又は3)でm=2であるような4:2型金属錯塩化合物;及びp+q=6(pは3又は4;qは2又は3)でm=4である様な6:4型金属錯塩化合物;並びに高分子金属錯塩化合物の全て又は一部との混合物である(実施例参照)。このような鉄(III)錯塩化合物の場合、通常、2:1型鉄錯塩化合物と3:2型鉄錯塩化合物及び4:2型鉄錯塩化合物を含む混合物として得られる。
【0064】
このような混合物として得られる各化合物の生成比率は、目的物を得るための反応条件によっても異なるが、このような混合物から単一化合物を分離することは実際的ではない上、本発明における金属錯塩化合物は、単一物である必要はない。しかし、それぞれの生成物はFD−MS分析によって確認できる。
【0065】
前記ジアゾ化カップリング反応後、析出したカップリング生成物(モノアゾ化合物)をその反応混合液から濾取して得た濾液
および/または
前記金属化反応後、析出した金属錯塩化合物を冷却された反応混合液から濾取して得た濾液
を、蒸留により、水と、2−プロパノールと水との共沸混合物(2−プロパノール:水=87.64:12.36[重量比])に分離し、その共沸混合物中の2−プロパノール(1価のアルコール)を、前記のようなモノアゾ化合物の合成および/または金属錯塩化合物の合成において反応促進溶媒の全部又は一部として再使用することが望ましい。このような1価のアルコールの再使用においては、その共沸混合物をそのまま使用することができる。なお、共沸蒸留や抽出蒸留によりさらに純度を上げることも可能であるがコストが増大するので好ましくない。
【0066】
本発明の製法に用いる反応促進溶媒としての1価のアルコール類としては、メタノール;水と共沸混合物を作るエタノール、プロパノール、2−プロパノール(イソプロパノール)、ブタノール、イソブタノール、sec-ブタノール、tert−ブタノール、アミルアルコール、イソアミルアルコール等の炭素数2乃至5の1価アルコール類;並びに、エチレングリコールのモノアルキル(炭素数1又は2)エーテル等が挙げられる。
【0067】
また、2価のアルコール類としては、エチレングリコール等が挙げられる。
【0068】
反応促進溶媒は、ジアゾ化工程での酸性水溶液中でジアゾ成分(例えば4−クロロ−2−アミノフェノール)及びそのジアゾ化物を溶解させることができ、副生塩の相当量を分離除去することができ、カップリング工程でのアルカリ水溶液中でカップリング成分(例えば6−ターシャリ−オクチル−2−ナフトール)を溶解させることができ、この反応溶媒系で生成するカップリング生成物が析出するものであればよい(水中に希釈された場合に実質上析出するものであってもよいが、水中に希釈しなくとも析出するものが好ましい)。反応促進溶媒として好ましいのは炭素数1乃至5の1価のアルコール、特に好ましくは2−プロパノールである。共沸混合物中の1価のアルコールを再使用する場合、1価のアルコールの純度が高いものほど好ましい。特に好ましくは、純度87.6%以上の2−プロパノールである。
【0069】
モノアゾ化合物の金属化工程で使用する反応促進溶媒は、ジアゾ化カップリング工程で使用したものと同じであっても異なっていてもよいが、水との混合溶媒系(アルカリ性)に対しモノアゾ化合物が加熱時溶解するものであることが望まれる。また、冷却もしくは放冷により金属化物(目的物)が析出するものであることが好ましい。なお、回収分離及びリサイクル使用の観点から同じものであることが好ましい。
【0070】
反応促進溶媒の使用量は、ジアゾ化カップリング工程及び金属化工程では、上記の諸条件を満たす量であればよく、材料コストの観点から必要最小限にすることが望まれる。例えば、2−プロパノールを反応促進溶媒として用いるときは、ジアゾ成分に対して重量比で約4倍量以上、カップリング成分に対して重量比で約3倍量以上、金属化工程におけるモノアゾ化合物に対して重量比で約1.8倍量以上とすることができる。
【0071】
2−プロパノールと水との共沸混合物(2−プロパノール:水=87.64:12.36[重量比])を用いる場合、ジアゾ成分に対して重量比で約4乃至9倍量、カップリング成分に対して重量比で約3乃至6倍量、金属化工程におけるモノアゾ化合物に対して重量比で約1.1乃至3.5倍量であることが好ましい。使用量が好ましい範囲における下限値を下回ると、ジアゾ化カップリング反応においてはモノアゾ化合物の純度が低下すると共に収率が低下することとなり易く、また、金属化反応後においてはモノアゾ化合物が溶解し難く、反応がスムーズに進行せず、金属錯塩化合物の純度が悪くなり易い。
【0072】
モノアゾ化合物の金属化反応(本発明の金属化反応に含まれない金属化反応)に用いる他の有機溶媒として、従来常用のエチレングリコールジメチルエーテル(モノグライム)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグライム)、エチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル(トリグライム)、テトラエチレングリコールジメチルエーテル(テトラグライム)等のエチレングリコールジアルキルエーテル系有機溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスホキシド等の非プロトン性極性溶媒等を例示することができる。
【0073】
本発明における金属錯塩化合物においてモノアゾ化合物(カップリング生成物)における2個の−OH基とキレート結合し得る金属原子は、3価の金属である鉄(III)、アルミニウム(III)、ニッケル(III)、チタン(III)及びジルコニウム(III)、2価の金属である鉄(II)及びニッケル(II)、4価の金属であるチタン(IV)及びジルコニウム(IV)である。このうち本発明において好ましいのは、環境問題や製造コストの観点から、2価又は3価の鉄、特に3価の鉄である。
【0074】
本発明における金属錯塩化合物を製造するのに好適に用いられる金属化剤の例としては、塩化第二鉄、硫酸第二鉄、硫酸第一鉄、硝酸第二鉄、塩化第一鉄第二鉄(Fe3Cl7・xH2O、Fe3Cl8・xH2O)等の鉄化合物;硫酸アルミニウム、塩基性酢酸アルミニウム等のアルミニウム化合物;塩化ニッケル、塩化チタン(III)、塩化チタン(IV)、塩化ジルコニウム(III)、塩化ジルコニウム(IV)等の金属塩化物等が挙げられる。好ましいのは、本発明の目的、材料コスト及び取扱性の観点から、塩化第二鉄、特に塩化第二鉄の水溶液である。
【0075】
金属化剤の使用量は、一般に、配位子となるモノアゾ化合物1当量に対して、金属1/2乃至2原子当量、好ましくは1/2乃至2/3原子当量である。
【0076】
なお、本発明におけるモノアゾ化合物及び金属錯塩化合物における置換基R(上記各式における直鎖又は分岐鎖の炭素数4乃至12のアルキル基R)として特に好ましいのはtert−オクチル基であるが、他の例としては、t−ブチル基、イソアミル基、ヘキシル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基、ドデシル基等が挙げられる。
【0077】
本発明におけるモノアゾ化合物及び金属錯塩化合物における置換基Y(上記各式におけるハロゲン原子若しくは炭素数1乃至5の直鎖又は分岐鎖のアルキル基Y)の例としては、Cl、Br、I等のハロゲン原子並びにメチル基、エチル基、イソプロピル基、プロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、アミル基、イソアミル基、tert−アミル基等の炭素数1乃至5のアルキル基が挙げられる。好ましくは、Cl原子又はtert−ブチル基である。
【0078】
また、本発明における荷電制御剤は、下記式(IV)で表される鉄錯塩化合物であることが特に好ましい。
【0079】
【化12】
【0080】
[式(IV)中、p、q、L1、L2、L3、L4、m、n、Z-及び(A+)は、前記と同意義であり、Rはターシャリーオクチル基{すなわちOct(tert-)}を示す。]
【0081】
上記式(IV)で表わされる鉄錯塩化合物は、例えば以下に示す化合物群を包含する。
(i) 式(IV)におけるp=2、q=0、(Mx+)m=(Fe3+)1、(A+)n=(A+)nである2:1型金属錯塩化合物(染料)群。以下本明細書においては、次式(a)のように記載する。
式(a):[(AP−OB)2・(Fe3+)](A+)
(ii) 式(IV)におけるp+q=3、(Mx+)m=(Fe3+)2、(A+)n=(A+)nである3:2型金属錯塩化合物群。以下本明細書においては、次式(b)のように記載する。
式(b):[(AP−OB)3・(Fe3+)2](A+)n
(iii) 式(IV)におけるp+q=4、(Mx+)m=(Fe3+)2、(A+)n=(A+)nである4:2型金属錯塩染料群。以下本明細書においては、次式(c)のように記載する。
式(c):[(AP−OB)4・(Fe3+)2](A+)n
(iv) 式(IV)におけるp=1、q=0、(Mx+)m=(Fe2+)1、(A+)n=(A+)0(但し、x=2のみ)である1:1型金属錯塩化合物群。以下本明細書においては、次式(d)のように記載する。
式(d):[(AP−OB)1・(Fe2+)]
【0082】
上記式(a)乃至(d)において、(AP−OB)は、金属化可能な2個のOH基を有するモノアゾ化合物(式II)が、鉄(金属イオン)に配位した配位子である。式(a)で示される化合物(鉄錯塩化合物)群は、2つのモノアゾ化合物が1つの鉄(イオン)に配位した鉄錯塩化合物、式(b)で示される化合物群は、3つのモノアゾ化合物が2つの鉄(イオン)に配位した鉄錯塩化合物、式(c)で示される化合物群は、4つのモノアゾ化合物が2つの鉄(イオン)に配位した鉄錯塩化合物、式(d)で示される化合物群は、1つのモノアゾ化合物が1つの2価の鉄(イオン)に配位した金属錯塩である。それぞれの対イオンである(A+)の個数nは、[母体化合物]の持つ負電荷(Z-)を中和するに必要なもので、Z=nを満足するものである。
【0083】
本発明における荷電制御剤は、上記の各化合物群の中から選ばれた何れか1種の鉄錯塩化合物からなるものであってもよく、例えば、式(a)と式(b)で示される2つの化合物群の中からそれぞれ1種ずつ選ばれた鉄錯塩化合物の混合物であってもよく、式(a)と式(b)で示される2つの化合物群の中からそれぞれ1種ずつ選ばれた鉄錯塩化合物と式(c)、場合によっては式(d)で示される化合物群の中から1種選ばれた鉄錯塩化合物との混合物であってもよく、式(a)と式(b)と式(c)と、場合によっては式(d)で示される3つもしくは4つの化合物群の中からそれぞれ1種ずつ選ばれた鉄錯塩化合物の混合物であってもよい。
【0084】
ここで、「1種」と言うのは、配位子(AP−OB)の金属(鉄)キレート結合状態及び対イオンA+の種類を問わない。つまり、式(IV)におけるL1乃至L4は、基本的には鉄(金属M)に配位した形で−O−結合基(例えば、前記L1及びL2)を形成するものであるが、モノアゾ化合物の2つの金属化可能な水酸基(OH)のうちどちらか一方がキレート結合している場合も含まれる(例えば、前記L3又はL4)。対イオン(A+)は、H+、Na+などであり、単独でも、混在していてもよい。対イオンA+は、反応条件や生成物の最終取り出し条件(pH)によって決まり得る。例えば、塩酸酸性雰囲気下で製品を取り出せば対イオンA+は、H+であり得る。アルカリ雰囲気下で取り出せば例えばナトリウム塩となり得る。また、中性付近で取り出せば、それらの対イオンが混在することも有り得る。
【0085】
次に、上記式(IV)で表される鉄錯塩化合物におけるモノアゾ化合物の配位結合例5通りを、配位子の数及びFeの電荷数を規定しない状態で示す。
【0086】
【化13】
【0087】
【化14】
【0088】
【化15】
【0089】
【化16】
【0090】
【化17】
【0091】
前記式(a)、式(b)及び式(c)等でそれぞれ示される金属(鉄)錯塩化合物は、質量分折(FD−MSスペクトル分折等)により確認される化合物であって、特開平11−7164号公報において一部開示されている。 本発明の方法で得られた鉄錯塩化合物についても、分子イオンピークのみを強く示すことが知られているFD−MS法で確認した。
【0092】
また、上記のようにして得られた本発明の鉄錯塩化合物は、安全性の目安となるエームステストの結果が陰性である(実施例参照)。このことは、荷電制御剤及び電子写真用トナーの人体に対する安全性の観点から重要である。
【0093】
なお、公知の方法で製造される金属錯塩染料の多くは、一般に結晶性である。例えば、特開平11−7164号公報(実施例2)に開示のエチレングリコール中で金属化された鉄錯塩化合物は、そのX線回折スペクトルから結晶性であることが示されている。後記実施例の方法で合成された本発明の鉄錯塩化合物もまた結晶性のX線回折スペクトルを与えた。
【0094】
本発明における金属(鉄)錯塩化合物の例としては、下記化合物例(1)乃至(15)、及びそれらの2種以上の混合物を挙げることができる。
(1) [(AP−OB)2・(Fe3+)](Na+)
(2) [(AP−OB)2・(Fe3+)](K+)}
(3) [(AP−OB)2・(Fe3+)](H+)
(4) [(AP−OB)3・(Fe3+-Fe3+)](Na+)
(5) [(AP−OB)3・(Fe3+-Fe3+)](H+)
(6) [(AP−OB)3・(Fe3+)2]
(7) [(AP−OB)3・(Fe2+/Fe3+)](Na+)
(8) [(AP−OB)4・(Fe3+-Fe3+)](Na+)
(9) [(AP−OB)4・(Fe3+-Fe3+)](Na+)2
(10) [(AP−OB)4・(Fe3+-Fe3+)](H+)2
(11) [(AP−OB)4・(Fe2+/Fe3+)](Na+)
(12) [(AP−OB)3・(Fe2+)2](Na+)2
(13) [(AP−OB)・(Fe2+)]
(14) [(AP−OB)・(Fe3+)]+[(AP−OB)2・(Fe3+)]−
(15) [(AP−OB)6・(Fe3+)4]Z−(Na+)n
【0095】
本発明における金属錯塩化合物の他の例として、次の化合物を挙げることができる。
【0096】
【化18】
【0097】
【化19】
【0098】
【化20】
【0099】
【化21】
【0100】
【化22】
【0101】
本発明の荷電制御剤はトナー用樹脂に対する相溶性(濡れ性)が置換基Rの効果により良好である。その物理的特性及び化学的特性は、特に限定されないが、平均粒子径が20μm以下、好ましくは10μm以下、特に好ましくは5μm以下であることが望ましい。また、荷電制御剤のpHは5乃至12であることが好ましい。荷電制御剤としての鉄錯塩化合物については、pH7以上のナトリウム塩錯体が望ましい。
【0102】
次に、本発明の静電荷像現像用トナーは、本発明の荷電制御剤と、トナー用樹脂と、着色剤を備えてなるものである。荷電制御剤を構成する金属錯塩化合物は、単独種の化合物であってもよく数種の化合物の混合物であってもよい。
【0103】
本発明の静電荷像現像用トナーは、本発明の荷電制御剤が、トナー用樹脂100重量部に対して0.1乃至10重量部配合されたものが望ましい。荷電制御剤のより好ましい配合量は、トナー用樹脂100重量部に対して0.5乃至5重量部である。
【0104】
本発明のトナーに用い得る樹脂の例としては、次のような公知のトナー用樹脂(結着樹脂)を挙げることができる。すなわち、スチレン樹脂、スチレン−アクリル樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、スチレン−マレイン酸樹脂、スチレン−ビニルメチルエーテル樹脂、スチレン−メタアクリル酸エステル共重合体、ポリエステル樹脂、ポリプロピレン樹脂等の熱可塑性樹脂である。これらの樹脂は単独で或いは数種をブレンドして用いることもできる。また、本発明の荷電制御剤は、静電粉体塗料に含有させて樹脂粉体の電荷の制御(増強)のために用いることもできる。その場合の塗料用樹脂としては、例えば、アクリル系、ポリオレフィン系、ポリエステル系、又はポリアミド系の熱可塑性樹脂;フェノール系、エポキシ系、ポリエステル系等の熱硬化性樹脂を、単独で或いは数種をブレンドして用いることができる。
【0105】
本発明の静電荷像現像用トナーにおいては、着色剤として公知の多数の染料、顔料を用いることができる。用い得る着色剤の具体例は次のとおりである。すなわち、キノフタロンイエロー、イソインドリノンイエロー、ペリノンオレジン、ペリノンレッド、ペリレンマルーン、ローダミン6Gレーキ、キナクリドンレッド、アンスアンスロンレッド、ローズベンガル、銅フタロシアニンブルー、銅フタロシアニングリーン、ジケトピロロピロール系の有機顔料;カーボンブラック、チタンホワイト、チタンイエロー、群青、コバルトブルー、べんがら、アルミニウム粉、ブロンズ等の無機顔料並びに金属粉などを挙げることができる。
【0106】
本発明の静電荷像現像用トナーは、例えば次のように製造される。
【0107】
すなわち、上記のようなトナー用樹脂、着色剤(好ましくはカーボンブラック)、及び本発明の荷電制御剤、並びに必要に応じて磁性材料(例えば、鉄やコバルト等の強磁性金属微粉、フェライト)、流動性改質剤(例えば、シリカ、酸化アルミニウム、酸化チタン)、オフッセト防止剤(例えば、ワックス、低分子量のオレフィンワックス)などをボールミルその他の混合機により十分混合した後、それを加熱ロール、ニーダー、エクストルーダー等の熱混練機を用いて溶融混練し、その混練物を冷却固化させた後、その固化物を粉砕及び分級することにより、平均粒径5乃至20μmのトナーを得ることができる。
【0108】
また、結着樹脂溶液中に材料を分散した後、噴霧乾燥することにより得る方法、或いは、結着樹脂を構成すべき単量体に所定材料を混合して乳化懸濁液とした後に重合させてトナーを得る重合法トナー製造法等を応用することができる。
【0109】
本発明のトナーを2成分現像剤として用いる場合には、本発明のトナーをキャリヤ粉と混合して用い、磁気ブラシ現像法等により現像することができる。
【0110】
キャリヤとしては、特に限定されず、公知のものが全て使用可能である。例示するならば、粒径50乃至200μm程度の鉄粉、ニッケル粉、フェライト粉、ガラスビーズ等、及びこれらの表面をアクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、シリコーン樹脂、ポリアミド樹脂、フッ化エチレン系樹脂等でコーティングしたものなどを挙げることができる。
【0111】
本発明のトナーを1成分現像剤として用いる場合には、上記のようにしてトナーを製造する際に、例えば鉄粉、ニッケル粉、フェライト粉等の強磁性材料製の微粉体を適量添加分散させて用いることができる。この場合の現像法としては、例えば接触現像法、ジャンピング現像法等を挙げることができる。
【0112】
【発明の効果】
本発明の金属錯塩化合物の製法によれば、未反応モノアゾ化合物の含有率が従来に比し格段に小さい金属錯塩化合物、或いは未反応モノアゾ化合物を実質上含まない金属錯塩化合物を、高収率で短時間の間に製造することができ、これらの製法による製造物は、荷電制御剤として荷電制御の安定性、帯電立ち上がり速度、保存安定性、耐久性等に優れる。
【0113】
請求項2又は請求項5記載の発明によれば、一層純度が良好な金属錯塩化合物を、高収率で短時間の間に製造することができ、これらの製法による製造物は、荷電制御剤として荷電制御の安定性、帯電立ち上がり速度、保存安定性、耐久性等に一層優れる。
【0114】
また、請求項3、6又は7記載の発明によれば、回収した共沸混合物中の1価のアルコールを再使用することにより、製造コストの大幅な削減と環境に対する負荷低減を何れも実現することができる。
【0115】
本発明の荷電制御剤は、負電荷付与性及びその安定性に優れると共に、トナー用樹脂に対する分散性及び濡れ性が良好であり、トナーに用いられた場合に、帯電の立ち上がりが速く、摩擦帯電時にトナー粒子から脱落し難く、保存安定性及び耐久性に優れ、有害な重金属を含まずエームステストの結果が陰性で安全性が高い。
【0116】
本発明の静電荷像現像用トナーは、本発明の荷電制御剤を含有する点において、広範な温度域における定着性及び非オフセット性を実現できると共に、耐環境性、保存安定性及び耐久性に優れ、帯電の立ち上がりが速く、安定した複写画像の形成が可能である。
【0117】
【実施例】
次に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、勿論本発明はこれらのみに限定されるものではない。なお、以下の記述においては、「重量部」を「部」と略す。
【0118】
実施例1
モノアゾ化合物の合成
45.7部の4−クロロ−2−アミノフェノールと110.5部の35%塩酸及び244.9部の2−プロパノールを攪拌混合した後、外部より0乃至5℃に冷却したものに対し、65.8部の36%亜硝酸ナトリウムを加え、0乃至5℃の温度範囲にて2時間攪拌して、前記4−クロロ−2−アミノフェノールをジアゾ化した。
【0119】
次いで、このジアゾ化物溶液中に析出したNaClを濾過して得た濾液を、244.9部の2−プロパノール、64部の48.7%水酸化ナトリウム水溶液及び81.6部の6−ターシャリ−オクチル−2−ナフトールの混合液(45乃至50℃に維持)に対し滴下し、その混合液を2時間攪拌してカップリング反応を行わせた後、冷却(30℃以下)し、析出したモノアゾ化合物を濾取して水洗し、乾燥させることにより、下記構造のモノアゾ化合物115.3部(収率90%)を単離した。
【0120】
【化23】
【0121】
得られたモノアゾ化合物(AP−OB)の元素分析結果を、表1に示す。
【0122】
【表1】
【0123】
このモノアゾ化合物の生成率(%)に関し高速液体クロマトグラフィー分析(HPLC分析)を行った結果を表2に示す。
【0124】
鉄錯塩化合物の合成
上で得られたモノアゾ化合物100部を、187部の2−プロパノールと40部の48.7%水酸化ナトリウム水溶液の混合液に対し徐々に加えて80℃にて2時間加熱還流した後、38%塩化第二鉄50部を加え、80℃で2時間加熱還流することにより金属化を行った。
【0125】
次いでこの反応混合物を30℃まで冷却し、1025部の水に分散させて30℃にて1時間攪拌し、析出した生成物を濾取して、水洗した後、乾燥させることにより、鉄錯塩化合物113部を黒褐色粉末として得た。
【0126】
得られた鉄錯塩化合物のFD−MSスペクトル(横軸はM/Z[質量/電荷]、縦軸はRelative Abundance[イオンの相対検出強度])を図1に示す。
【0127】
図1から、この鉄錯塩化合物は、
(1) 2個のモノアゾ化合物が1個のFe(III)に配位した2:1型鉄錯塩化合物、すなわち[(AP−OB)2・(Fe3+)](Na+) MW:896;
(4) 3個のモノアゾ化合物が2個のFe(III)に配位した3:2型鉄錯塩化合物、すなわち[(AP−OB)3・(Fe3+-Fe3+)](Na+) MW:1361;
(9) 4個のモノアゾ化合物が2個のFe(III)に配位した4:2型金属錯塩化合物、すなわち[(AP−OB)4・(Fe3+-Fe3+)](Na+)2
MW:1793;及び
構造不明の高分子鉄錯塩化合物(MW:2247)
の混合物であると認められた。)なお、この鉄錯塩化合物(混合物)中には、未反応のモノアゾ化合物(MW:409+2H)は、認められなかった。
【0128】
この鉄錯塩化合物のFD法によるTIC(トータルイオンクロマトグラフィー)スペクトル(横軸はスキャン回数、縦軸はRelative Intensity[イオン強度])を図2に示す。
【0129】
実施例2
モノアゾ化合物の合成
【0130】
45.7部の4−クロロ−2−アミノフェノールと110.5部の35%塩酸及び244.9部の2−プロパノールを攪拌混合した後、外部より0乃至5℃に冷却したものに対し、65.8部の36%亜硝酸ナトリウムを加え、0乃至5℃の温度範囲にて2時間攪拌して、前記4−クロロ−2−アミノフェノールをジアゾ化した。
【0131】
次いで、このジアゾ化物溶液中に析出したNaClを濾過して得た濾液を、244.9部の2−プロパノール、64部の48.7%水酸化ナトリウム水溶液及び81.6部の6−ターシャリ−オクチル−2−ナフトールの混合液(45乃至50℃に維持)に対し滴下し、その混合液を2時間攪拌してカップリング反応を行わせた後、析出したモノアゾ化合物を濾取して水洗することにより、モノアゾ化合物のウエットケーキ228部を単離した。
【0132】
このモノアゾ化合物の生成率(%)に関し高速液体クロマトグラフィー分析(HPLC分析)を行った結果を表2に示す。
【0133】
鉄錯塩染料の合成
得られたモノアゾ化合物のウエットケーキ190.5部(固形分換算100部)を、187部の2−プロパノールと40部の48.7%水酸化ナトリウム水溶液の混合液に対し徐々に加えて83℃にて2時間加熱還流した後、38%塩化第二鉄50部を加え、83℃で2時間加熱還流することにより金属化を行った。
【0134】
次いでこの反応混合物を1025部の水に分散させて30℃にて1時間攪拌し、析出した生成物を濾取して、水洗した後、乾燥させることにより、鉄錯塩化合物113部を黒褐色粉末として得た。
【0135】
得られた鉄錯塩化合物のFD−MSスペクトル及びTICスペクトルは、実施例1において得た化合物に関するスペクトル(図1及び図2)と実質同じであった。
【0136】
実施例3
モノアゾ化合物の合成
45.7部の4−クロロ−2−アミノフェノールと110.5部の35%塩酸及び346.4部のエチレングリコールを攪拌混合した後、外部より0乃至5℃に冷却したものに対し、67.7部の36%亜硝酸ナトリウムを加え、0乃至5℃の温度範囲にて2時間攪拌して、前記4−クロロ−2−アミノフェノールをジアゾ化した。
【0137】
次いで、このジアゾ化物溶液を、692.8部のエチレングリコールと311部の水の混合液、64部の48.7%水酸化ナトリウム水溶液、及び81.6部の6−ターシャリ−オクチル−2−ナフトールからなる混合液(45乃至50℃に維持)に対し滴下し、その混合液を2時間攪拌してカップリング反応を行わせたた後、析出したモノアゾ化合物を濾取して水洗し、乾燥させることにより、目的のモノアゾ化合物115.6部を単離した。
【0138】
このモノアゾ化合物の生成率(%)に関し高速液体クロマトグラフィー分析(HPLC分析)を行った結果を表2に示す。
【0139】
実施例4
ワンポット法
45.7部の4−クロロ−2−アミノフェノールと110.5部の35%塩酸及び244.9部の2−プロパノールを攪拌混合した後、外部より0乃至5℃に冷却したものに対し、67.7部の36%亜硝酸ナトリウムを加え、0乃至5℃の温度範囲にて2時間攪拌して、前記4−クロロ−2−アミノフェノールをジアゾ化した。
【0140】
次いで、このジアゾ化物溶液中に析出したNaclを濾別した濾液を、244.9部の2−プロパノール、64部の48.7%水酸化ナトリウム水溶液及び81.6部の6−ターシャリ−オクチル−2−ナフトールの混合液(45乃至50℃に維持)に滴下し、その混合液を2時間攪拌してカップリング反応を行わせた。
【0141】
このモノアゾ化合物の懸濁溶液に48.7%水酸化ナトリウム水溶液を徐々に加えて82℃にて2時間加熱還流した後、38%塩化第二鉄50部を加え、82℃で2時間加熱還流することにより金属化を行った。
【0142】
次いでこの反応混合物を1180部の水に分散させて30℃にて1時間攪拌し、析出した生成物を濾取して、水洗した後、乾燥させることにより、鉄錯塩化合物113部を黒褐色粉末として得た。
【0143】
比較例1
モノアゾ化合物の合成
2−プロパノールを水に代えるほかは実施例1と同様に処理してジアゾ化カップリング反応によりモノアゾ化合物を得た。
【0144】
このモノアゾ化合物の生成率(%)に関し高速液体クロマトグラフィー分析(HPLC分析)を行った結果を表2に示す。
【0145】
【表2】
【0146】
実施例1乃至4で得られたモノアゾ化合物(SAMPLE 1)及び鉄錯塩化合物(SAMPLE 2)のエームステスト(Ames test)[溶媒:DMSO(ジメチルスルホキシド)]結果を表3及び表4にそれぞれ示す。なお、表中、S9mix(+)は、代謝活性があるものを意味し、S9mix(−)は、代謝活性がないものを意味する。また、菌株TA−100及びTA−98欄における+は、沈澱物が認められたことを意味する。
【0147】
【表3】
【0148】
【表4】
【0149】
表3及び表4から明らかなように、本発明のモノアゾ化合物及び鉄錯塩化合物は、エームステストの結果が陰性であり、安全性が高い。
【0150】
実施例5
モノアゾ化合物の合成
45.7部の4−クロロ−2−アミノフェノール(純度98%)と110.5部の35%塩酸及び245.2部の2−プロパノールを攪拌混合した後、外部より0乃至5℃に冷却したものに対し、65.8部の36%亜硝酸ナトリウムを加え、0乃至5℃の温度範囲にて2時間攪拌して、前記4−クロロ−2−アミノフェノールをジアゾ化した。
【0151】
次いで、このジアゾ化物溶液中に析出したNaClを濾過して得た濾液を、245.2部の2−プロパノール、64.1部の48.7%水酸化ナトリウム水溶液及び81.6部の6−ターシャリ−オクチル−2−ナフトール(純度98%)の混合液(45乃至50℃に維持)に対し滴下し、その混合液を2時間攪拌してカップリング反応を行わせた後、析出したモノアゾ化合物を濾取して水洗し、乾燥させることにより、下記構造のモノアゾ化合物115.4部(収率90%)を単離した。また、モノアゾ化合物を濾取して得た濾液(水洗前)を回収し、濾液A1(518.4部)を得た。
【0152】
【化24】
【0153】
このモノアゾ化合物の生成率(%)に関し高速液体クロマトグラフィー分析(HPLC分析)を行った結果を表5に示す。
【0154】
鉄錯塩化合物の合成
上で得られたモノアゾ化合物100部を、189.4部の2−プロパノールと40.1部の48.6%水酸化ナトリウム水溶液の混合液に対し徐々に加えて81℃にて2時間加熱還流した後、38%塩化第二鉄50部を加え、81℃で2時間加熱還流することにより金属化を行った。
【0155】
次いでこの反応混合物を30℃まで放冷した後、析出した生成物を濾取して水洗した後、乾燥させることにより鉄錯塩化合物110部を黒褐色粉末として得た。また、析出した生成物を濾取して得た濾液(水洗前)を回収し、濾液A2(253.4部)を得た。
【0156】
得られた鉄錯塩化合物のFD−MSスペクトル及びTICスペクトルは、実施例1において得た化合物に関するスペクトル(図1及び図2)と実質同じであった。
【0157】
上記濾液A1及び濾液A2から、蒸留により、2−プロパノールと水との共沸混合物(回収IPA−1)[共沸温度80乃至82℃ 2−プロパノール濃度87.64重量%]を486.2部得た(回収率:約63%)。
【0158】
上記と同様の合成及び回収工程を3回行うことにより、回収IPA−1を約1460部得た。
【0159】
実施例6
ワンポット法
(モノアゾ化合物の合成)
43.6部の4−クロロ−2−アミノフェノール(純度99%)と105.1部の35.5%塩酸及び236.3部の2−プロパノールを攪拌混合した後、外部より0乃至5℃に冷却したものに対し、59.9部の36%亜硝酸ナトリウムを加え、0乃至5℃の温度範囲にて2時間攪拌して、前記4−クロロ−2−アミノフェノールをジアゾ化した。
【0160】
次いで、このジアゾ化物溶液中に析出したNaClを濾別した濾液を、228.3部の2−プロパノール、61.5部の48.9%水酸化ナトリウム水溶液及び76部の6−ターシャリ−オクチル−2−ナフトール(純度98.3%)の混合液(45乃至50℃に維持)に滴下し、その混合液を2時間攪拌してカップリング反応を行わせた。
【0161】
カップリング反応終了後、サンプリングを行い、このモノアゾ化合物の生成率(%)に関し、高速液体クロマトグラフィー分析(HPLC分析)を行った結果を表5に示す。
【0162】
(鉄錯塩化合物の合成)
このモノアゾ化合物の懸濁溶液に49.2部の48.9%水酸化ナトリウム水溶液を徐々に加えて82℃にて2時間加熱還流した後、38%塩化第二鉄50部を加え、82℃で2時間加熱還流することにより金属化を行った。
【0163】
次いでこの反応混合物を約30℃まで放冷した後、析出した生成物を濾取して、水洗した後乾燥させることにより、鉄錯塩化合物113.3部を黒褐色粉末として得た。
【0164】
また、析出した生成物を濾取して得た濾液(水洗前)を回収し、濾液B1(614.2部)を得た。この濾液B1から、蒸留により、2−プロパノールと水との共沸混合物(回収IPA−2)[共沸温度80乃至82℃ 2−プロパノール濃度87.64重量%]を337.8部得た(回収率:約55%)。
【0165】
上記と同様の合成及び回収工程を2回行うことにより、回収IPA−1を約670部得た。
【0166】
実施例7
モノアゾ化合物の合成
45.7部の4−クロロ−2−アミノフェノール(純度98%)と110.5部の35%塩酸及び245.2部の回収IPA−1を攪拌混合した後、外部より0乃至5℃に冷却したものに対し、65.8部の36%亜硝酸ナトリウムを加え、0乃至5℃の温度範囲にて2時間攪拌して、前記4−クロロ−2−アミノフェノールをジアゾ化した。
【0167】
次いで、このジアゾ化物溶液中に析出したNaClを濾別した濾液を、279部の回収IPA−1と64.1部の48.7%水酸化ナトリウム水溶液及び81.6部の6−ターシャリ−オクチル−2−ナフトール(純度98%)の混合液(80℃で約1時間加熱攪拌した後、46℃に冷却維持したもの)に対し滴下し、その混合液を2時間攪拌してカップリング反応を行わせた後、析出したモノアゾ化合物を濾取し水洗して、乾燥させることにより、モノアゾ化合物113.7部(収率88.7%)を単離した。また、モノアゾ化合物を濾取して得た濾液(水洗前)を回収し、濾液A3(568部)を得た。
【0168】
このモノアゾ化合物の生成率(%)に関し高速液体クロマトグラフィー分析(HPLC分析)を行った結果を表5に示す。また、HPLC分析のチャートを図3に示す。
【0169】
鉄錯塩化合物の合成
上で得られたモノアゾ化合物100部を、189部の回収IPA−1と40.1部の48.6%水酸化ナトリウム水溶液の混合液に対し徐々に加えて82℃にて2時間加熱還流した後、38%塩化第二鉄50部を加え、82℃で2時間加熱還流することにより金属化を行った。
【0170】
次いでこの反応混合物を30℃まで放冷し、析出した生成物を濾取し水洗した後乾燥させることにより、鉄錯塩化合物110部を黒褐色粉末として得た。また、析出した生成物を濾取して得た濾液(水洗前)を回収し、濾液A4(245部)を得た。
【0171】
得られた鉄錯塩化合物のFD−MSスペクトル及びTICスペクトルは、実施例5において得た化合物に関するスペクトル(図1及び図2)と実質同じであった。
【0172】
上記濾液A3及び濾液A4から、蒸留により、2−プロパノールと水との共沸混合物(回収IPA−3)[共沸温度80乃至81℃]を318部得た(回収率:約62%)。
【0173】
実施例8
モノアゾ化合物の合成
実施例5で得た回収IPA−1を使用し、実施例7と全く同様にしてモノアゾ化合物115.6部を得た。また、実施例7と同様にして濾液A5(563部)を回収した。
【0174】
このモノアゾ化合物の生成率(%)に関し高速液体クロマトグラフィー分析(HPLC分析)を行った結果を表5に示す。
【0175】
鉄錯塩化合物の合成
実施例5で得た回収IPA−1を使用して、実施例7と全く同様にして目的の鉄錯塩化合物約112部を得た。また、実施例7と同様にして濾液A6(243部)を回収した。
【0176】
得られた鉄錯塩化合物のFD−MSスペクトル及びTICスペクトルは、実施例5において得た化合物に関するスペクトル(図1及び図2)と実質同じであった。
【0177】
上記濾液A5及び濾液A6から、蒸留により、2−プロパノールと水との共沸混合物(回収IPA−4)を489.8部得た(回収率:約61%)。
【0178】
実施例9
ワンポット法
43.6部の4−クロロ−2−アミノフェノール(純度99%)と105.1部の35%塩酸及び236部の回収IPA−2を攪拌混合した後、外部より0乃至5℃に冷却したものに対し、59.9部の36%亜硝酸ナトリウムを加え、0乃至5℃の温度範囲にて2時間攪拌して、前記4−クロロ−2−アミノフェノールをジアゾ化した。
【0179】
次いで、このジアゾ化物溶液中に析出したNaClを濾別した濾液を、254部の回収IPA−2と61.5部の48.9%水酸化ナトリウム水溶液及び76部の6−ターシャリ−オクチル−2−ナフトール(純度98.3%)の混合液(80℃で約1時間加熱攪拌した後、46℃に冷却維持したもの)に対し滴下し、その混合液を2時間攪拌してカップリング反応を行わせた。
【0180】
カップリング反応終了後、サンプリングを行い、このモノアゾ化合物の生成率(%)に関し、高速液体クロマトグラフィー分析(HPLC分析)を行った結果を表5に示す。
【0181】
このモノアゾ化合物の懸濁溶液に49.2部の48.9%水酸化ナトリウム水溶液を徐々に加えて82℃にて2時間加熱還流した後、38%塩化第二鉄50部を加え、82℃で2時間加熱還流することにより金属化を行った。
【0182】
次いでこの反応混合物を約30℃まで放冷した後、析出した生成物を濾取して、水洗した後、乾燥させることにより、鉄錯塩化合物113部を黒褐色粉末として得た。
【0183】
また、析出した生成物を濾取して得た濾液(水洗前)を回収し、濾液B2(660部)を得た。
【0184】
得られた鉄錯塩化合物のFD−MSスペクトル及びTICスペクトルは、実施例5において得た化合物に関するスペクトル(図1及び図2)と実質同じであった。
【0185】
(2−プロパノールの回収)
【0186】
上記濾液B2から、蒸留により、2−プロパノールと水との共沸混合物(回収IPA−5)を369.9部得た(回収率:約56%)。
【0187】
実施例10
ジルコニウム錯塩化合物の合成
実施例5の金属化反応で用いた塩化第二鉄水溶液を塩化ジルコニウム(IV)に代えた他は実施例5に準じて処理することによりジルコニウム錯塩化合物を得た。
【0188】
また、このジルコニウム錯塩化合物の合成処理における濾液から得た2−プロパノールと水との共沸混合物を使用すると共に実施例7で用いた塩化第二鉄水溶液を塩化ジルコニウム(IV)に代えた他は実施例7と同様にしてジルコニウム錯塩化合物を得た。
【0189】
実施例11
アルミニウム錯塩化合物の合成
実施例6の金属化で用いた塩化第二鉄水溶液を塩化アルミニウム(III)に代えた他は実施例6に準じて処理することによりアルミニウム錯塩化合物を得た。
【0190】
また、このアルミニウム錯塩化合物の合成処理における濾液から得た2−プロパノールと水との共沸混合物を使用すると共に実施例9で用いた塩化第二鉄水溶液を塩化アルミニウム(III)に代えた他は実施例9と同様にしてアルミニウム錯塩化合物を得た。
【0191】
実施例5乃至11で得られたモノアゾ化合物及び金属錯塩化合物は、エームステストの結果が陰性であり、安全性が高いものであった。
【0192】
比較例2
モノアゾ化合物の合成
実施例7で用いた回収IPA−1を水に代えるほかは実施例7と同様に処理してジアゾ化カップリング反応によりモノアゾ化合物を得た。
【0193】
このモノアゾ化合物の生成率(%)に関し高速液体クロマトグラフィー分析(HPLC分析)を行った結果を表5に示す。また、HPLC分析のチャートを図4に示す。
【0194】
鉄錯塩化合物の合成
実施例7で用いた回収IPA−1を水に代えるほかは実施例7と同様の金属化反応により鉄錯塩化合物を得た。この鉄錯塩化合物には未反応のモノアゾ化合物が認められた。
【0195】
【表5】
【0196】
次に、本発明の製法により得られた本発明の荷電制御剤を含有する本発明の静電荷像現像用トナーについての実施例を、下記実施例I乃至VIIを挙げて説明する。
【0197】
実施例I
スチレン−アクリル共重合樹脂[三洋化成社製 商品名:ハイマーSMB600]・・・100部
低重合ポリプロピレン[三洋化成社製 商品名:ビスコール550P]・・・5部
カーボンブラック[三菱化学社製 商品名:MA−100]・・・ 7部
荷電制御剤[実施例1で得られた鉄錯塩化合物]・・・1部
【0198】
上記配合物を高速ミルで均一に予備混合してプレミックスを調製した。このプレミックスを加熱ロールで溶融混練し、この混練物を冷却した後、超遠心粉砕機で粗粉砕した。得られた粗砕物を分級機付のエアージェットミルを用いて微粉砕することにより、粒径5乃至15μmの黒色トナーを得た。
【0199】
得られたトナー5部に対して鉄粉キャリヤ(パウダーテック社製 商品名:TEFV200/300)95部を混合して現像剤を調製した。
【0200】
得られた現像剤をよく撹拌し、帯電量をブローオフ法(東芝ケミカル社製のブローオフ帯電量測定機[商品名:TB−200]を使用)にて測定した。測定結果を図5に示す。図5において、横軸は現像剤の混合時間(分)、縦軸は帯電量(−μC/g)を示す。
【0201】
この現像剤のブローオフ帯電量は、低温低湿においても高温高湿においても安定であり、保存安定性も良好であった。また、この現像剤を用いて市販の複写機により繰り返し実写したところ、帯電安定性及び持続性が良好で、オフセット現象も認められず、画像濃度低下やカブリ等のない良質な画像が得られた。
【0202】
実施例II
ポリエステル樹脂[日本合成化学社製 商品名:HP−301]・・・100部
低重合ポリプロピレン[三洋化成社製 商品名:ビスコール550P]・・・5部
カーボンブラック[三菱化学社製 商品名:MA−100]・・・7部
荷電制御剤[実施例2で得られた鉄錯塩化合物]・・・1部
【0203】
上記配合物を実施例Iと同様に処理して黒色トナー及び現像剤を調製し、評価したところ、この現像剤のブローオフ帯電量は、低温低湿においても高温高湿においても安定であり、保存安定性も良好であった。また、この現像剤を用いて繰返し実写したところ、実施例Iと同様に帯電安定性及び持続性が良好で、オフセット現象も認められず、画像濃度低下やカブリ等のない良質な画像が得られた。
【0204】
実施例III
スチレン−2−エチルヘキシルメタクリレート共重合樹脂・・・100部
四三酸化鉄[戸田工業社製 商品名:EPT−500]・・・70部
低重合ポリプロピレン[三洋化成社製 商品名:ビスコール550P]・・・3部
カーボンブラック[三菱化学社製 商品名:MA−100]・・・7部
荷電制御剤[実施例1で得られた鉄錯塩化合物]・・・2部
【0205】
上記配合物をボールミルで均一に予備混合し、プレミックスを調製した。このプレミックスを加熱ロールを用いて溶融混練し、この混練物を冷却した後、粗粉砕、微粉砕及び分級を行うことにより、粒径5乃至15μmの一成分系トナーを得た。
【0206】
このトナーを用いて市販の複写機により画像を形成したところ、カブリのない、細線再現性の良好な画像が得られた。また、連続複写においても画像濃度は安定しており、トナーの飛散による汚れも認められなかった。
【0207】
比較例I
実施例Iにおける本発明の荷電制御剤(実施例1で得られた鉄錯塩化合物)を、下記構造の結晶性鉄錯塩化合物に代え、実施例Iと同様に処理してトナー及び現像剤を作成し、帯電特性を比較した。結果を図5に示す。
【0208】
【化25】
【0209】
実施例IV
スチレン−アクリル共重合樹脂[三洋化成社製 商品名:ハイマーSMB600]・・・100部
低重合ポリプロピレン[三洋化成社製 商品名:ビスコール550P]・・・3部
カーボンブラック[三菱化学社製 商品名:MA−100]・・・ 7部
荷電制御剤[実施例7で得られた鉄錯塩化合物]・・・1部
【0210】
上記配合物を高速ミルで均一に予備混合してプレミックスを調製した。このプレミックスを加熱ロールで溶融混練し、この混練物を冷却した後、超遠心粉砕機で粗粉砕した。得られた粗砕物を分級機付のエアージェットミルを用いて微粉砕することにより、粒径5乃至15μmの黒色トナーを得た。
【0211】
得られたトナー5部に対して鉄粉キャリヤ(パウダーテック社製 商品名:TEFV200/300)95部を混合して現像剤を調製した。
【0212】
得られた現像剤をよく撹拌し、帯電量をブローオフ法(東芝ケミカル社製のブローオフ帯電量測定機[商品名:TB−200]を使用)にて測定した。
【0213】
この現像剤のブローオフ帯電量は、低温低湿においても高温高湿においてもより一層安定であり、保存安定性も更に良好であった。また、この現像剤を用いて市販の複写機により繰り返し実写したところ、帯電安定性及び持続性がより一層良好で、オフセット現象も認められず、画像濃度低下やカブリ等のない良質な画像が得られた。
【0214】
実施例V
実施例IVで用いた荷電制御剤[実施例7で得られた鉄錯塩化合物]を実施例8で得られた鉄錯塩化合物に代えた他は実施例IVと同様にしてトナー及び現像剤を作成して現像を行なったところ、実施例IVと同様に画像濃度低下やカブリ等のない良質な画像が得られた。
【0215】
実施例VI
ポリエステル樹脂[日本合成化学社製 商品名:HP−301]・・・100部
低重合ポリプロピレン[三洋化成社製 商品名:ビスコール550P]・・・3部
カーボンブラック[三菱化学社製 商品名:MA−100]・・・7部
荷電制御剤[実施例9で得られた鉄錯塩化合物]・・・1部
【0216】
上記配合物を実施例IVと同様に処理して黒色トナー及び現像剤を調製し、評価したところ、この現像剤のブローオフ帯電量は、低温低湿においても高温高湿においても同様に安定であり、保存安定性も同様に良好であった。また、この現像剤を用いて繰返し実写したところ、実施例IVと同様に帯電安定性及び持続性が同様に良好で、オフセット現象も認められず、画像濃度低下やカブリ等のない良質な画像が得られた。
【0217】
実施例VII
スチレン−2−エチルヘキシルメタクリレート共重合樹脂・・・100部
四三酸化鉄[戸田工業社製 商品名:EPT−500]・・・70部
低重合ポリプロピレン[三洋化成社製 商品名:ビスコール550P]・・・2部
カーボンブラック[三菱化学社製 商品名:MA−100]・・・7部
荷電制御剤[実施例10で得られたジルコニウム錯塩化合物]・・・2部
【0218】
上記配合物をボールミルで均一に予備混合し、プレミックスを調製した。このプレミックスを加熱ロールを用いて溶融混練し、この混練物を冷却した後、粗粉砕、微粉砕及び分級を行うことにより、粒径5乃至15μmの一成分系トナーを得た。
【0219】
このトナーを用いて市販の複写機により画像を形成したところ、カブリのない、細線再現性の良好な画像が得られた。また、連続複写においても画像濃度は安定しており、トナーの飛散による汚れも認められなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた鉄錯塩化合物のFD−MSスペクトルである。
【図2】実施例1で得られた鉄錯塩化合物のFD法によるTICスペクトルである。
【図3】実施例7で得られたモノアゾ化合物の高速液体クロマトグラフィーを示す図である。
【図4】比較例2で得られたモノアゾ化合物の高速液体クロマトグラフィーを示す図である。
【図5】実施例Iのトナーを用いた現像剤と比較例Iのトナーを用いた現像剤の帯電特性を示す。
Claims (9)
- 下記一般式(I)で表される金属錯塩化合物の製法であって、
式(II)で表されるモノアゾ化合物を鉄化して金属錯塩化合物を生成する金属化反応を含み、その金属化反応を、反応促進溶媒としてのエタノール、プロパノール、2−プロパノール、ブタノール、イソブタノール、 sec- ブタノール、 tert- ブタノール、アミルアルコール、イソアミルアルコールからなる群から選ばれた1又は2以上の炭素数2乃至5の1価アルコール類と、アルカリ金属の水酸化物の水溶液の混合液を用いた反応系で行うことを特徴とする金属錯塩化合物の製法。
Rは、炭素数4乃至12の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を示し、
Yは、ハロゲン原子若しくは炭素数1乃至5の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を示し、
p及びqは金属Mに配位したモノアゾ化合物の個数を表すものであって、pは1、2、3又は4を示し、qは0、1、2又は3を示し、p+qは1乃至6の整数であり、
L1及びL2は、−O−結合基を示し、
L3及びL4は、一方が−O−結合基、他方が−OH基又は−O−イオン基を示し、
Mは、鉄、ニッケル、アルミニウム、チタン、又はジルコニウムを示し、
(Mx+)mは、m個の(Fe 3+ )(mは1乃至4の整数)を示し、
Z−は、括弧内の負電荷を示し、(A+)nは、水素イオン又はアルカリ金属イオンを示し、n=Zである。]
- 上記炭素数2乃至5の1価アルコール類が2−プロパノールである請求項1記載の金属錯塩化合物の製法。
- 上記アルカリ金属の水酸化物の水溶液が水酸化ナトリウム水溶液である請求項1又は2記載の金属錯塩化合物の製法。
- 上記金属化反応において反応促進溶媒として上記炭素数2乃至5の1価アルコール類を用い、
金属化反応後、その反応混合液を冷却し、析出した金属錯塩化合物をその冷却された混合液から分離する工程を含む請求項1乃至3の何れか1項に記載の金属錯塩化合物の製法。 - Rがtert-オクチル基である請求項1乃至4の何れか1項に記載の金属錯塩化合物の製法。
- Yが塩素原子である請求項1乃至5の何れか1項に記載の金属錯塩化合物の製法。
- 金属化反応に、金属化剤として塩化鉄を用いる請求項1乃至6の何れか1項に記載の金属錯塩化合物の製法。
- 上記式(II)で表されるモノアゾ化合物を生成するジアゾ化カップリング反応の工程を含み、そのジアゾ化カップリング反応において、上記炭素数2乃至5の1価アルコール類を反応促進溶媒として用いる請求項1乃至7の何れか1項に記載の金属錯塩化合物の製法。
- ジアゾ成分として4−クロロ−2−アミノフェノール、カップリング成分として6−ターシャリ−オクチル−2−ナフトール、反応促進溶媒として2−プロパノールをそれぞれ用いてモノアゾ化合物を得る工程;及び、得られたモノアゾ化合物を、水溶媒及び反応促進溶媒としての2−プロパノールを混合した溶媒であって水酸化ナトリウムを含有するものの中で金属化する工程を含む請求項8項に記載の金属錯塩化合物の製法。
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