JP4004090B2 - モノアゾ金属化合物及びその関連技術 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は、モノアゾ金属化合物、モノアゾ金属化合物からなる組成物、静電荷像現像用トナー及びそのトナーの帯電量を制御または安定化するための荷電制御剤、並びに静電塗装用粉体塗料及びその粉体塗料の帯電を増強するための荷電増強剤に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
電子写真法を利用した複写機、プリンター等においては、無機または有機光導電材料を含有する感光層を備えた感光体上に形成された静電潜像を現像するために、着色剤、定着用の樹脂等を備えた種々のトナーが用いられている。
【0003】
このようなトナーの帯電性は、静電潜像を現像するこのシステムにおいては特に重要な因子である。そこでトナーの帯電量を適切に制御または安定化するために、トナー中に正電荷又は負電荷付与性の荷電制御剤が加えられることが多い。従来実用化されている荷電制御剤のうち、トナーに正電荷を付与するものとしては、ニグロシン系染料やトリアリールメタン系染料のような塩基性染料、及び4級アンモニウム塩等の電子供与性物質を挙げることができ、トナーに負電荷を付与するものとしては、モノアゾ染料の2:1型金属錯塩染料、及びアルキルサリチル酸等の芳香族オキシカルボン酸の金属錯体を挙げることができる。
【0004】
しかしながら、荷電制御剤として用いられるアゾ染料構造の金属錯体の多くは、一般に安定性に乏しく、例えば、機械的な摩擦や衝撃、温度や湿度条件の変化、電気的衝撃、光照射等により、分解又は変化して所期の荷電制御性が失われ易い。また、実用レベルの帯電付与性を有するものであっても電荷の安定性に問題があったり、製造方法等の違いにより荷電制御効果を持たない不純化学物質を含むことが多く、品質の安定性及び信頼性等の諸問題を残していた。
【0005】
また、静電粉体塗料において、塗着効率を向上させるため、従来から静電荷像現像用トナーの電荷を制御または増強するために使用されていた荷電制御剤の適用が検討されてきた。
【0006】
このような試みとしては、アジン系染料の樹脂重合物を含む静電粉体塗料(特開昭60−67563号)、含金属錯塩化合物のような電荷増強剤を含有する静電塗装用樹脂粉体組成物(特開昭63−75077号)、荷電制御又は増強剤として第四級アンモニウム塩を含有する粉体塗料組成物(特開平2−212563号)等を挙げることができる。
【0007】
しかしながら、これらの静電粉体塗料は、環境に対する安定性の点、及び、粉体塗装時に受ける高熱に対する耐熱性及び耐久性の点で、一層の向上が望まれている。
【0008】
このような問題を解決し得る荷電制御又は増強剤としては、例えば下記構造のモノアゾ染料の金属錯塩化合物が知られている。
【0009】
【化11】
(上記各式中、Aは、H、アルカリ金属、アミン等を示す。)
このようなクロム錯塩染料は、モノアゾ染料2分子が3価クロム原子1個に配位した、所謂2:1型アゾ含金属錯塩染料であり、帯電特性の安定性や信頼性について改善する余地があった。
【0010】
本発明は、従来技術に存した上記のような課題に鑑み行なわれたものであって、その目的とするところは、荷電制御又は増強特性、並びに耐熱性及び耐光性に優れた新規化学構造の金属化合物;その金属化合物を有効成分とし、樹脂に対する分散性が良好で、耐環境性(温度や湿度の変化に対する荷電制御又は増強特性の安定性)、保存安定性(荷電制御又は増強特性の経時的安定性)、及び耐久性(多数回繰返し使用された場合の荷電制御又は増強特性の安定性)に優れ、トナーに用いられた場合のトナーの定着性やオフセット特性に悪影響を与えない荷電制御又は増強剤;並びに品質が安定し、信頼性の高い静電荷像現像用トナー及び静電塗装用粉体塗料を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明のモノアゾ金属化合物は、下記式[II]又は式[III] で表わされる金属化可能な2つの−OHを有するモノアゾ化合物3分子が、金属原子(Met) 2原子に配位してなるものであって、
D3(Met)2 ・・・・[I]
で表わされる。
(式[I]中、Dは、モノアゾ化合物に基づく配位子を示す。)
【0012】
【化12】
(式[II]中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9及びR10 は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、ニトロ基、炭素数1乃至20のアルキル基若しくはハロアルキル基、核置換されていてもよいアリール基、核置換されていてもよいアラルキル基、-SO2N(R11)2 [2つのR11 は、互いに同一であっても異なっていてもよく、水素、低級アルキル基、核置換されていてもよいアリール基、又は核置換されていてもよいアラルキル基を示す。]、-N(R12)2[2つのR12 は、互いに同一であっても異なっていてもよく、水素、低級アルキル基、核置換されていてもよいアリール基、核置換されていてもよいアラルキル基、又はアシル基を示す。]、又は-CONH(R13)[R13 は、水素、低級アルキル基、核置換されていてもよいアリール基、又は核置換されていてもよいアラルキル基を示す。]を示す。R1乃至R10 は、それらのうち2以上が互いに連結して芳香族環又は脂肪族環を形成していてもよい。)
【0013】
【化13】
(式[III] 中、R21 、R22 、R23 、R24 、R25 、R26 、R27 及びR28 は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、ニトロ基、炭素数1乃至20のアルキル基若しくはハロアルキル基、核置換されていてもよいアリール基、核置換されていてもよいアラルキル基、-SO2N(R29)2 [2つのR29 は、互いに同一であっても異なっていてもよく、水素、低級アルキル基、核置換されていてもよいアリール基、又は核置換されていてもよいアラルキル基を示す。]、-N(R30)2[2つのR30 は、互いに同一であっても異なっていてもよく、水素、低級アルキル基、核置換されていてもよいアリール基、核置換されていてもよいアラルキル基、又はアシル基を示す。]、又は-CONH(R31)[R31 は、水素、低級アルキル基、核置換されていてもよいアリール基、又は核置換されていてもよいアラルキル基を示す。]を示す。R21 乃至R28 は、それらのうち2以上が互いに連結して芳香族環又は脂肪族環を形成していてもよい。)
本発明の別のモノアゾ金属化合物は、
上記式[II]又は式[III] で表わされる金属化可能な2つの−OHを有するモノアゾ化合物6分子が、金属原子(Met) 4原子に配位してなるものであって、
D6(Met)4 ・・・・[IV]
で表わされる。
(式[IV]中、Dは、モノアゾ化合物に基づく配位子を示す。)
本発明の組成物は、下記式[VI]で表わされるモノアゾ金属化合物、下記式[VII] で表わされるモノアゾ金属化合物、及び下記式[VIII]で表わされるモノアゾ金属化合物よりなる群から選ばれた2又は3のモノアゾ金属化合物からなる。
【0014】
【化14】
【0015】
【化15】
【0016】
【化16】
(式[VI]、[VII] 及び[VIII]中、R1乃至R10 は上記と同意義であり、R1乃至R10 は、それらのうち2以上が互いに連結して芳香族環又は脂肪族環を形成していてもよい。
式[VIII]中、A+は、カチオンを示す。)
本発明の別の組成物は、下記式[IX]で表わされるモノアゾ金属化合物、下記式[X]で表わされるモノアゾ金属化合物、及び下記式[XI]で表わされるモノアゾ金属化合物よりなる群から選ばれた2又は3のモノアゾ金属化合物からなる。
【0017】
【化17】
【0018】
【化18】
【0019】
【化19】
(式[IX]、[X]及び[XI]中、R21 乃至R28 は上記と同意義であり、R21 乃至R28 は、それらのうち2以上が互いに連結して芳香族環又は脂肪族環を形成していてもよい。
式[XI]中、A+は、カチオンを示す。)
式[VI]又は式[IX]で表わされるモノアゾ金属化合物は、式[I](D3(Met)2 )で表わされるモノアゾ金属化合物と同義であり、式[VII] 又は式[X]で表わされるモノアゾ金属化合物は、式[IV](D6(Met)4 )で表わされるモノアゾ金属化合物と同義である。また、式[VIII]又は式[XI]で表わされるモノアゾ金属化合物は、
[D2(Met)]-・A+ ・・・・[XII]
で表わされるモノアゾ金属化合物と同義である。
(式[XII] 中、Dはモノアゾ化合物に基づく配位子を示し、A+は、カチオンを示す。)
上記各モノアゾ金属化合物における金属原子(Met) の具体例としては、クロム、鉄、アルミニウム等の3価の金属のほか、コバルト、ニッケル等を挙げることができる。好ましくは、3価のクロム、3価の鉄、及び3価のアルミニウムである。
【0020】
上記各モノアゾ金属化合物における各置換基R1乃至R10 並びにR21 乃至R28 としては、
水素[H];
Cl、Br、I、F等のハロゲン;
ニトロ基;
メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、iso-ブチル、sec-ブチル、tert−ブチル、n-オクチル、tert−オクチル、2-エチルヘキシル、n-デシル、ドデシル等の炭素数1乃至20のアルキル基若しくはハロアルキル基、好ましくは炭素数1乃至12のアルキル基若しくはトリフルオロメチル基等のハロアルキル基;
ベンジル、低級アルキル置換ベンジル(本明細書中、低級アルキルとは、炭素数1乃至4のアルキルを言う。)、フェニルエチル、フェニルプロピル、ナフチルメチル、ナフチルエチル等のアラルキル基(低級アルキル基等により核置換されたものを含む);
フェニル、ナフチル、低級アルキル置換フェニル、低級アルキル置換ナフチル、ハロゲン化フェニル、ハロゲン化ナフチル等のアリール基(低級アルキル基やハロゲンにより核置換されたものを含む);
-SO2NH2、-SO2N(アルキル)2、-SO2NH(フェニル)、-SO2NH(ベンジル)等の-SO2N(R11)2 及び-SO2N(R29)2 [R11 、R29 が、水素、低級アルキル基、アリール基(低級アルキル基やハロゲンにより核置換されたものを含む)、又はアラルキル基(低級アルキル基等により核置換されたものを含む)であるもの。];
-NH2、−N(アルキル)2、-NH(フェニル)、-NH(ベンジル)、-NH(アセチル)等の-N(R12)2及び-N(R30)2[R12 、R30 が、水素、低級アルキル基、アリール基(低級アルキル基やハロゲンにより核置換されたものを含む)、アラルキル基(低級アルキル基等により核置換されたものを含む)、又はアシル基であるもの。];
-CONH2、-CONH(アルキル)、-CONH(フェニル)、-CONH(ベンジル)等の-CONH(R13)及び-CONH(R31)[R13 、R31 が、水素、低級アルキル基、アリール基(低級アルキル基やハロゲンにより核置換されたものを含む)、又はアラルキル基(低級アルキル基等により核置換されたものを含む)であるもの。]などを例示することができる。
【0021】
上記R1乃至R4については、そのうち1個又は2個がCl又はニトロ基である(2個の場合、互いに同一であっても異なっていてもよい。)ものが好ましい。帯電付与効果が良好であるからである。R21 乃至R24 についても同様である。
【0022】
上記R5及びR25については、水素[H]又は下記式[V]で表わされるアミド基が好ましい。
【0023】
【化20】
(式[V]中、(R14)0-2は0乃至2個の置換基を意味し、R14 は、Cl、Br、I、F等のハロゲン、メチル、エチル等の低級アルキル基、又はメトキシ、エトキシ等の炭素数1乃至4のアルコキシ基を示す。)
上記R6乃至R10 並びにR26 乃至R28 については、水素[H];Cl、Br、I、F等のハロゲン;メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec-ブチル、tert−ブチル、アミル、オクチル、tert−オクチル、ドデシル等の炭素数1乃至12のアルキル基又はハロアルキル基;-NH2、−N(アルキル)2、-NH(フェニル)、-NH(ベンジル)、-NH(アセチル)、-NH(ベンゾイル)等の-N(R12)2及び-N(R30)2が好ましい。より好ましくは、R6乃至R10 、又はR26 乃至R28 が、全て水素[H]であるもの、或は、R6乃至R10 のうち1個又は2個がハロゲン、アルキル又は-N(R12)2である(2個の場合、互いに同一であっても異なっていてもよい。)もの、並びに、R26 乃至R28 のうち1個又は2個がハロゲン、アルキル又は-N(R30)2である(2個の場合、互いに同一であっても異なっていてもよい。)ものである。
【0024】
式[VIII]、[XI]及び[XII] におけるA+としては、H+、アルカリ金属イオン、NH4 +、有機アミンのアンモニウム等のカチオンを例示することができる。
【0025】
上記各モノアゾ金属化合物における配位子Dに対応するモノアゾ化合物として、下記のモノアゾ化合物例(1)乃至(19)を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
【0026】
【化21】
【0027】
【化22】
【0028】
【化23】
【0029】
【化24】
【0030】
【化25】
【0031】
【化26】
【0032】
【化27】
【0033】
【化28】
【0034】
【化29】
【0035】
【化30】
【0036】
【化31】
【0037】
【化32】
【0038】
【化33】
【0039】
【化34】
【0040】
【化35】
【0041】
【化36】
【0042】
【化37】
【0043】
【化38】
【0044】
【化39】
【0045】
【化40】
式[II]又は式[III] で示される金属化可能なモノアゾ化合物は、ジアゾ化カップリング反応により得ることができる。
【0046】
本発明のモノアゾ金属化合物及び本発明の組成物は、式[II]又は式[III] で示される金属化可能なモノアゾ化合物を、水および/または有機溶媒中(好ましくは有機溶媒中)で金属化剤と反応させることにより得ることができる。
【0047】
一般に、有機溶媒中での反応生成物は、適当量の水に分散させ、析出物を濾取して水洗し、乾燥させることにより取り出すことができる。
【0048】
前記金属化反応に用いる有機溶媒の例としては、
メタノール、
エタノール、
エチレングリコールモノメチルエーテル、
エチレングリコールモノエチルエーテル、
プロピレングリコールモノメチルエーテル、
エチレングリコールジメチルエーテル(モノグライム)、
ジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグライム)、
エチレングリコールジエチルエーテル、
トリエチレングリコールジメチルエーテル(トリグライム)、
テトラエチレングリコールジメチルエーテル(テトラグライム)、
エチレングリコール、
プロピレングリコール等の、アルコール系、エーテル系、及びグリコール系有機溶媒;
N,N-ジメチルホルムアミド、
N,N-ジメチルアセトアミド、
N-メチル−2−ピロリドン、
ジメチルスホキシド等の非プロトン性極性溶媒
などの、水に可溶な有機溶媒を挙げることができる。好ましいものは、エチレングリコールモノメチルエーテル(メチルセロソルブ)、エチレングリコールモノエチルエーテル(エチルセロソルブ)、エチレングリコールである。
【0049】
この有機溶媒の使用量は、特に限定されるものではないが、前記配位子として用いるモノアゾ化合物(染料)に対して重量比で2乃至5倍量である。
【0050】
前記金属化剤として好適なものの例としては、蟻酸クロム、硫酸クロム、塩化クロム、及び硝酸クロム等のクロム化合物;塩化第二鉄、硫酸第二鉄、硝酸第二鉄等の鉄化合物;硫酸アルミニウム、塩基性酢酸アルミニウム等のアルミニウム化合物が挙げられる。
【0051】
金属化剤は、一般に、配位子となるモノアゾ染料1モルに対して、1/3乃至2原子当量、好ましくは1/2乃至2/3原子当量が用いられる。
【0052】
生成物の単離は、種々のクロマト分離を試みたが困難であった。そこで、本発明のモノアゾ金属化合物の確認は、分子イオンピークのみを強く示すことが知られているFD−MS法で行なった。
【0053】
一般に、前記金属化反応により得られる生成物は、その主な成分として、式[I](D3(Met)2 )で表わされる3:2型モノアゾ金属化合物と、式[IV](D6(Met)4 )で表わされる6:4型モノアゾ金属化合物を含むが、少量生成物として、式[XII] ([D2(Met)]-・A+ )で表わされる2:1型モノアゾ金属化合物等を含むことが、FD−MSスペクトル分析により確認された。
【0054】
FD法(Field Desorption) −MS法はソフトなイオン化法であるため 、フラグメンテーションを起こしにくく、そのため単純なスペクトルを与え、分子イオンピークのみを強く示すことが知られている。[土屋ら“質量分析法の新展開”現代化学増刊15(1989)、東京化学同人出版、水野 科学と工業 64,578,507(1990)、水野ら 科学と工業 66,569,(1992)]。
【0055】
本発明の式[I](D3(Met)2 )で表わされる3:2型モノアゾ金属化合物、及び式[IV](D6(Met)4 )で表わされる6:4型モノアゾ金属化合物は、化学構造としてそれぞれ下記(i) 又は(ii)、及び、(iii) 又は(iv)のような分子モデルで表わすことができる。これらの分子モデルは、FD−MSスペクトル分析による分子量に基づく推定構造ではあるが、分子軌道理論による化学結合解析により、結合可能であることが確認された。
【0056】
【化41】
【0057】
【化42】
【0058】
【化43】
【0059】
【化44】
【0060】
【化45】
【0061】
【化46】
【0062】
【化47】
【0063】
【化48】
【0064】
【化49】
【0065】
【化50】
【0066】
【化51】
【0067】
【化52】
本発明の荷電制御剤は、静電荷像現像用トナーの帯電性を制御又は安定化させるための荷電制御剤であって、前記本発明のモノアゾ金属化合物又は前記本発明の組成物を有効成分とする。
【0068】
また、本発明の静電荷像現像用トナーは、この本発明の荷電制御剤並びに着色剤及び樹脂を備えてなる。荷電制御剤は、例えば本発明のモノアゾ金属化合物の1種のみからなるものであってもよく、複数種を含有するものであってもよい。
【0069】
本発明の荷電増強剤は、静電塗装用粉体塗料の帯電量を制御又は増強するための荷電増強剤であって、前記本発明のモノアゾ金属化合物又は前記本発明の組成物を有効成分とする。
【0070】
また、本発明の静電塗装用粉体塗料は、この本発明の荷電増強剤及び樹脂を備えてなる。
【0071】
本発明の静電荷像現像用トナー及び静電塗装用粉体塗料においては、着色剤として種々の染料や顔料を用いることができる。その具体例としては、キノフタロンイエロー、イソインドリノンイエロー、ペリノンオレンジ、ペリノンレッド、ペリレンマルーン、ローダミン6Gレーキ、キナクリドンレッド、アンスアンスロンレッド、ローズベンガル、銅フタロシアニンブルー、銅フタロシアニングリーン、及びジケトピロロピロール系顔料等の有機顔料;カーボンブラック、チタンホワイト、チタンイエロー、群青、コバルトブルー、べんがら、アルミニウム粉、及びブロンズ等の無機顔料及び金属粉などを挙げることができる。
【0072】
本発明のトナー及び粉体塗料に用いられる樹脂の例としては、次のようなものを挙げることができる。すなわち、
トナー用樹脂としては、スチレン樹脂、スチレン−アクリル樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、スチレン−マレイン酸樹脂、スチレン−ビニルメチルエーテル樹脂、スチレン−メタアクリル酸エステル共重合体、ポリエステル樹脂、ポリプロピレン樹脂等の熱可塑性樹脂;
塗料用樹脂としては、アクリル系、ポリオレフィン系、ポリエステル系、又はポリアミド系等の熱可塑性樹脂、並びに、フェノール系、エポキシ系、ポリエステル系等の熱硬化性樹脂である。
【0073】
これらの樹脂は、単独で或は数種をブレンドして用いることができる。
【0074】
本発明の静電荷像現像用トナー及び静電塗装用粉体塗料は、荷電制御剤又は荷電増強剤として、前記本発明のモノアゾ金属化合物又は前記本発明の組成物を、樹脂100重量部に対して0.1乃至10重量部配合されたものとすることが望ましい。荷電制御又は増強剤のより好ましい配合量は、樹脂100重量部に対し0.5乃至5重量部である。
【0075】
本発明の静電荷像現像用トナーは、例えば次のように製造される。
【0076】
すなわち、上記のような樹脂、着色剤(好ましくはカーボンブラック)、及び本発明の荷電制御剤、並びに、必要に応じ、磁性材料、流動化剤、離型剤等を、ボールミル等の混合機により十分混合した後、加熱ロール、ニーダー、エクストルーダー等の熱混練機を用いて溶融混練する。溶融混練されたもの冷却固化させた後、粉砕及び分級することにより、例えば平均粒径5乃至20μmのトナーを得ることができる。
【0077】
また、トナー用の結着樹脂溶液中に他の材料を分散した後、噴霧乾燥することによりトナーを製造する方法や、トナー用の結着樹脂を構成すべき単量体に所定材料を混合して乳化懸濁液と、その後重合させてトナーを得る重合法トナー製造法等を応用することができる。
【0078】
本発明のトナーを2成分現像剤として用いる場合には、本発明のトナーをキャリヤー粉と混合して用い、2成分磁気ブラシ現像法等により現像することができる。
【0079】
キャリヤーとしては、公知のものが全て使用可能である。例示するならば、粒径50乃至200μm程度の鉄粉、ニッケル粉、フェライト粉及びガラスビーズ等、並びに、これらの表面をアクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、シリコーン樹脂、ポリアミド樹脂、フッ化エチレン系樹脂等でコーティングしたものなどを挙げることができる。
【0080】
本発明のトナーを1成分現像剤として用いる場合には、上記のようにしてトナーを製造する際に、例えば鉄粉、ニッケル粉、フェライト粉等の強磁性材料製の微粉体を適量添加分散させて用いることができる。この場合の現像法の例としては、接触現像法、ジャンピング現像法等を挙げることができる。
【0081】
また、本発明の静電塗装用粉体塗料は、例えば顔料を含有することにより着色されると共に、チタンホワイト、タルク、カオリン、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、硫酸アルミニウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化チタン、リン酸カルシウム等の充填剤を含有していてもよい。
【0082】
本発明の静電塗装用粉体塗料による塗装は、コロナ印荷方式、摩擦帯電方式、ハイブリッド方式等の、一般的な静電粉体塗装法を用いて行うことができ、▲1▼ 塗膜欠陥のない厚膜を形成することができる ▲2▼塗膜の性能を向上させることができる ▲3▼塗装時の塗装損失がない 等の、粉体塗料の特徴を効果的に発揮させることができる。
【0083】
【発明の効果】
本発明のモノアゾ金属化合物及びモノアゾ金属化合物からなる組成物は、その化学結合特性によって、耐熱性及び耐光性に優れる。
【0084】
本発明のモノアゾ金属化合物を有効成分とする荷電制御剤及び荷電増強剤、並びに本発明のモノアゾ金属化合物からなる組成物を有効成分とする荷電制御剤及び荷電増強剤は、樹脂に対する分散性が良好で、帯電性の制御又は安定化或は帯電量の制御又は増強等の特性に優れ、耐環境性、保存安定性、及び耐久性に優れ、トナーに用いられた場合のトナーの定着性やオフセット特性に悪影響を及ぼさない。
【0085】
本発明の静電荷像現像用トナーでは、本発明の荷電制御剤を含有する点において、帯電特性、耐環境性、保存安定性、及び耐久性に優れ、定着性やオフセット特性が良好で、良質のトナー画像を形成し得ると共に、製品としての品質が安定した信頼性の高いトナーが得られる。
【0086】
本発明の静電塗装用粉体塗料では、本発明の荷電増強剤を含有する点において、帯電特性、耐環境性、保存安定性、耐久性、及び塗着効率に優れ、良質の塗膜を形成し得ると共に、製品としての品質が安定した信頼性の高い粉体塗料が得られる。
【0087】
【実施例】
次に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、勿論本発明はこれらのみに限定されるものではない。なお、以下の記述においては、「重量部」を「部」と略す。
実施例1
エチルセロソルブ620g及びエチレングリコール380gに蟻酸クロム(III) 110g(0.59mol)を加えたものを、80℃で1時間撹拌した。
【0088】
これにモノアゾ化合物例(1) を415g(1.39mol)加え、125℃に昇温させて4時間撹拌した。
【0089】
この反応溶液を3%塩酸水溶液4000mlに分散させ、60℃で1時間撹拌した後、濾過して濾取物を温水で洗浄し、乾燥させることにより、紫色粉末400gを得た。
【0090】
この粉末についてFD−MS法による分子量の測定を行ったところ、図1に示すマススペクトル図が得られた(横軸はM/Z[質量/電荷]、縦軸はRelative Abundance[存在比]を示す。図2乃至図5においても同じ。)。
【0091】
図1のマススペクトル図から、主生成物である本発明の3:2型金属化合物(モノアゾ金属化合物例(a) )[M/Z 993(M+ )]と共に、2:1型金属化合物({[モノアゾ化合物例(1)]2(Cr)}-・H +)[M/Z 643(M+ −2)]及び未反応のモノアゾ化合物例(1) [M/Z 298(M+ )]が確認された。
【0092】
なお、FD−MS法による分子量の測定は、次のように行った。後記実施例においても同様である。
【0093】
試料をDMFに溶解又は分散させて質量分析計(JEOL社製 商品名:JMS−DX303HF)で測定し、試料の分子量を示すマススペクトル図を表わした。
−分析条件A:FD−MS法(電解脱離イオン化法)−
カーボンエミッタ使用
分解能:1500、35−2200M/Z
加速電圧:2.5kV
イオンマルチプライヤ:1.5−2.5kV
エミッタ電流:0−40mA
カソード電圧:5.0kV
実施例2
サリチル酸82g(0.6mol)を16%水酸化ナトリウム水溶液500gに溶解させ、60℃に昇温した後、これに13.4%塩化鉄(III) 水溶液470gを徐々に加え、更に20分間撹拌して溶解させた。
【0094】
得られた溶液を、モノアゾ化合物例(1) 150g(0.5mol)を4%水酸化ナトリウム水溶液に溶解させた溶液に加え、100℃に昇温して2時間撹拌した後、更に37%塩化鉄(III) 水溶液65.9gを加えて、1.5時間撹拌した。
【0095】
この反応溶液を1.5%塩酸水溶液2500mlに分散させ、60℃で10分間撹拌した後、濾過して濾取物を熱水2000mlで洗浄し、乾燥させることにより、黒色粉末182gを得た。
【0096】
この粉末についてFD−MS法による分子量の測定を行ったところ、図2に示すマススペクトル図が得られた。
【0097】
図2のマススペクトル図から、主生成物である本発明の3:2型金属化合物(モノアゾ金属化合物例(d) )[M/Z 999(M+ -1)]と共に、少量の2:1型金属化合物({[モノアゾ化合物例(1)]2(Fe)}-・H+)[M/Z 647(M+ −2)]が確認された。
【0098】
実施例3
サリチル酸82g(0.6mol)を16%水酸化ナトリウム水溶液500gに溶解させ、60℃に昇温した後、これに13.4%塩化鉄(III) 水溶液470gを徐々に加え、更に20分間撹拌して溶解させた。
【0099】
得られた溶液を、モノアゾ化合物例(1) 150g(0.5mol)を4%水酸化ナトリウム水溶液に溶解させた溶液に加え、100℃に昇温して4時間撹拌した。
【0100】
この反応溶液を1.5%塩酸水溶液2500mlに分散させ、60℃で10分間撹拌した後、濾過して濾取物を熱水2000mlで洗浄し、乾燥させることにより、黒色粉末147gを得た。
【0101】
この粉末についてFD−MS法による分子量の測定を行ったところ、図3に示すマススペクトル図が得られた。
【0102】
図3のマススペクトル図から、本発明の3:2型金属化合物(モノアゾ金属化合物例(d) )[M/Z 999(M+ −1)]と2:1型金属化合物({[モノアゾ化合物例(1)]2(Fe)}-・Na+)[M/Z 670(M+ −1)]がほぼ同量含まれていることが確認された。
【0103】
実施例4
サリチル酸82g(0.6mol)を16%水酸化ナトリウム水溶液500gに溶解させ、60℃に昇温した後、これに13.4%塩化鉄(III) 水溶液470gを徐々に加え、更に20分間撹拌して溶解させた。
【0104】
得られた溶液を、モノアゾ化合物例(11)209g(0.5mol)を4%水酸化ナトリウム水溶液に溶解させた溶液に加え、100℃に昇温して2時間撹拌した。
【0105】
この反応溶液を1.5%塩酸水溶液2500mlに分散させ、60℃で10分間撹拌した後、濾過して濾取物を熱水2000mlで洗浄し、乾燥させることにより、黒色粉末176gを得た。
【0106】
この粉末についてFD−MS法による分子量の測定を行ったところ、図4に示すマススペクトル図が得られた。
【0107】
図4のマススペクトル図から、主生成物である本発明の3:2型金属化合物(モノアゾ金属化合物例(e) )[M/Z 1359(M+ )]が確認された。
【0108】
実施例5
モノアゾ化合物例(1) 228g(0.76mol)、エチルセロソルブ340g及びエチレングリコール220gに対し、蟻酸クロム(III) 76.0g(0.41mol)及び尿素24gの混合液を加えたものを、130℃で3時間撹拌した。
【0109】
この反応液を熱時濾過し、その濾液を、35%塩酸30g及び水2000mlからなる水溶液に分散させ、50乃至60℃で約30分間撹拌した後、濾過して濾取物を水洗し、乾燥させることにより、黒紫色粉末220gを得た。
【0110】
得られた粉末81gを、メタノールを用いてソックスレー抽出器で洗浄した後、乾燥させることにより、71gの黒褐色粉末が得られた。
【0111】
この粉末についてFD−MS法による分子量の測定を行ったところ、図5に示すマススペクトル図が得られた。
【0112】
図5のマススペクトル図から、主生成物である本発明の6:4型金属化合物(モノアゾ金属化合物例(g) )[M/Z 1987(M+ )]と共に、ごく少量の本発明の3:2型金属化合物(モノアゾ金属化合物例(a) )[M/Z 993(M+ )]及び2:1型金属化合物({[モノアゾ化合物例(1)]2(Cr)}-・H+)[M/Z 644(M+ −1)]が確認された。
−静電荷像現像用トナー−
次に、含有する荷電制御剤の主成分が本発明のモノアゾ金属化合物である(と共に本発明の組成物である)静電荷像現像用トナーについて、実施例A乃至Cを挙げて説明する。
【0113】
実施例A
スチレン−アクリル共重合樹脂[三洋化成社製 商品名:ハイマーSMB600]・・・・100部
低重合ポリプロピレン[三洋化成社製 商品名:ビスコール550P]・・・・3部
カーボンブラック[三菱化成社製 商品名:MA−100]・・・・6部
荷電制御剤[実施例1で得られた組成物]1部
上記配合物を高速ミキサーで均一にプレミキシシングした後、加熱ロールで溶融・混練し、冷却後、振動ミルで粗粉砕した。
【0114】
得られた粗砕物を分級機付のエアージェットミルを用いて微粉砕することにより、粒径10乃至20μmの負電帯性トナーを得た。
【0115】
得られたトナー5部に対し、鉄粉キャリヤー(パウダーテック社製
商品名:TEFV 200/300)95部を混合して現像剤を調製した。
【0116】
得られた現像剤をよく撹拌し、ブローオフ帯電量測定装置(東芝ケミカル社製商品名:TB−200)を用いてブローオフ法により帯電量を測定したところ、本現像剤の初期ブローオフ荷電量は−29.7μC/gであった。また、この現像剤の低温低湿及び高温高湿での各初期ブローオフ荷電量は、それぞれ−29.0μC/g及び−28.8μC/gと、非常に安定であり、保存安定性も良好であった。
【0117】
また、この現像剤を用いて市販の複写機により繰返し実写したところ、帯電安定性及び持続性が良好で、オフセット現象も認められず、画像の濃度低下やカブリ等のない良質な画像が得られた。
【0118】
実施例B
荷電制御剤として、実施例Aで用いたものを実施例2で得られた組成物に代え、実施例Aと同様にして本発明のトナー及び現像剤を調製して評価したところ、本現像剤の初期ブローオフ荷電量は−21.3μC/gであった。また、この現像剤の低温低湿及び高温高湿での各初期ブローオフ荷電量は、それぞれ−21.5μC/g及び−20.0μC/gと、非常に安定であり、保存安定性も良好であった。また、実施例Aの場合と同様に繰返し実写したところ、実施例Aと同様に帯電安定性及び持続性が良好で、オフセット現象も認められず、画像の濃度低下やカブリ等のない良質な画像が得られた。
【0119】
実施例C
ポリエステル樹脂[日本合成化学社製 商品名:HP−301]・・・・100部
低重合ポリプロピレン[三洋化成社製 商品名:ビスコール550P]・・・・2部
カーボンブラック[三菱化成社製 商品名:MA−100]・・・・6部
荷電制御剤[実施例5で得られた組成物]1部
上記配合物を実施例Aと同様に処理して負帯電性トナーを調製し、現像剤を得た。
【0120】
また、この現像剤を用いて繰返し実写したところ、帯電安定性及び持続性が良好で、画像の濃度低下やカブリ等のない良質な画像が得られた。オフセット現象も全く観察されなかた。
【0121】
比較例1
実施例Aで用いた荷電制御剤を下記構造のクロム錯化合物(特開昭59−29254号記載のモノアゾ化合物とt-ブチルサリチル酸のCr錯化合物)に代え、実施例Aと同様にしてトナー及び現像剤を調製し、実施例Aと同様に評価したところ、帯電量や帯電の安定性に問題があった。また、この現像剤を用いて繰り返し実写したところ、画像の飛び散り、乱れ、及びカブリなどが認められた。
【0122】
【化53】
比較例2
実施例Aで用いた荷電制御剤を下記構造のt-ブチルサリチル酸のMg錯化合物(特開昭62−163061号記載のもの)に代え、実施例Aと同様にしてトナー及び現像剤を調製して評価したところ、帯電量や帯電の安定性に問題があった。また、この現像剤を用いて繰り返し実写したところ、画像の飛び散り、乱れ、及びカブリなどが認められ、荷電制御剤として満足できるものではなかった。
【0123】
【化54】
−静電塗装用粉体塗料−
次に、含有する荷電増強剤の主成分が本発明のモノアゾ金属化合物である(と共に本発明の組成物である)静電塗装用粉体塗料について、実施例D乃至Gを挙げて説明する。
【0124】
本発明の静電塗装用粉体塗料は、コロナチャージ方式、摩擦帯電方式、及びハイブリッド方式等の一般的な静電塗装法により粉体塗装することができるが、ここでは、摩擦帯電方式による静電塗装を中心に説明する。
【0125】
表1に示されるように、粉体塗料用樹脂97乃至98部、実施例1、3、4及び5により得られた荷電増強剤としての組成物2乃至3部、及び着色剤0乃至5部を、ボールミルで均一に予備混合してプレミックスを調製した後、熱ロールを用いて溶融混練し、冷却後、粗粉砕及び微粉砕を行い、20乃至250μmの粒径範囲の静電塗装用粉体塗料を得た。
【0126】
得られた静電塗装用粉体塗料を用いて、ノードソン社製の摩擦帯電方式静電粉体塗装機(商品名:トリボマチック)により、鋼板にトリボチャージ方式による塗装試験を行なったところ、96%以上の塗着効率で、塗膜欠陥がなく塗装外観の良好な塗装物を得ることができた。
【0127】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた組成物のFD−MSスペクトル図である。
【図2】実施例2で得られた組成物のFD−MSスペクトル図である。
【図3】実施例3で得られた組成物のFD−MSスペクトル図である。
【図4】実施例4で得られた組成物のFD−MSスペクトル図である。
【図5】実施例5で得られた組成物のFD−MSスペクトル図である。
Claims (9)
- 下記式[II]又は式[III]で表わされる金属化可能な2つの−OHを有するモノアゾ化合物3分子が、金属原子(Met)2原子に配位してなる、
D3(Met)2 ・・・・[I]
で表わされるモノアゾ金属化合物。
(式[I]中、Dは、モノアゾ化合物に基づく配位子を示す。)
- 金属原子(Met)が3価のクロム又は3価の鉄である請求項1又は2記載のモノアゾ金属化合物。
- 下記式[VI]で表わされるモノアゾ金属化合物と、下記式[VII]で表わされるモノアゾ金属化合物及び下記式[VIII]で表わされるモノアゾ金属化合物の一方又は両方とからなる組成物。
式[VIII]中、A+は、カチオンを示す。) - 静電荷像現像用トナーの帯電性を制御又は安定化させるための荷電制御剤であって、請求項1、2若しくは3記載のモノアゾ金属化合物又は請求項4若しくは5記載の組成物を有効成分とする荷電制御剤。
- 静電塗装用粉体塗料の帯電量を制御又は増強するための荷電増強剤であって、請求項1、2若しくは3記載のモノアゾ金属化合物又は請求項4若しくは5記載の組成物を有効成分とする荷電増強剤。
- 請求項6記載の荷電制御剤並びに着色剤及び樹脂を備えてなる静電荷像現像用トナー。
- 請求項7記載の荷電増強剤及び樹脂を備えてなる静電塗装用粉体塗料。
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