JP3771499B2 - 荷電制御剤、静電荷像現像用トナー及び荷電制御方法 - Google Patents

荷電制御剤、静電荷像現像用トナー及び荷電制御方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真、静電記録、静電印刷等における静電潜像を現像するための静電荷像現像用トナー、そのトナーやその他の樹脂粉体の帯電量を制御又は安定化するために用い得る荷電制御剤、及び樹脂粉体の荷電制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
電子写真法を利用した複写機、プリンター等においては、無機又は有機光導電材料を含有する感光層を備えた感光体上に形成された静電潜像を現像するために、着色剤及び定着用の樹脂等からなる種々のトナーが用いられている。このようなトナーの帯電性は、静電潜像を現像するシステムにおいては特に重要な因子である。そこでトナーの帯電量を適切に制御又は安定化するために、トナー中に正電荷又は負電荷付与性の荷電制御剤が加えられることが多い。
【0003】
従来実用化されている荷電制御剤のうち、トナーに正電荷又は負電荷を付与するものとしては、ニグロシン系染料や第四級アンモニウム塩化合物、モノアゾ化合物の金属錯塩染料やサリチル酸等の芳香族オキシカルボン酸の金属錯体若しくは金属塩を挙げることができる。
【0004】
しかしながら、荷電制御剤として提案されているアゾ染料構造の金属錯体の多くは一般に安定性に乏しく、例えば、機械的摩擦や衝撃、電気的衝撃や光照射、温度や湿度条件の変化等により、分解又は変質して荷電制御性が失われることとなり易い。また、実用レベルの帯電付与性を有するものであっても、電荷の安定性が不十分であったり、有色であるためカラートナー用として使用できないものが多い。一方、アルキルサリチル酸等の金属錯体は、一般に淡色乃至無色であるためカラートナー用としても使用されている。しかし、荷電制御剤自身の流動性が高くなく、定着用の樹脂に対する分散性やトナーを多数回繰り返し使用した際の実写耐久性に必ずしも十分とは言い得ない点や、帯電の立ち上がり速度が不十分なために初期の複写画像において比較的鮮明性に欠ける等の、改善されるべき課題も残されている。
【0005】
本発明は、従来技術に存した上記のような課題に鑑み行われたものであって、その目的とするところは、実用レベルの正又は負の帯電付与性を示す安定な化学構造の金属又は半金属化合物であり、カラートナーに使用可能な無色乃至淡色であり、使用したトナー等の樹脂粉体の帯電による静電荷が環境変化に対し安定であり、保存安定性(荷電制御特性の経時的安定性)に優れ、耐久性(用いたトナー等が多数回繰返し使用された場合の荷電制御特性の安定性)に優れる荷電制御剤及びその荷電制御剤を用いる荷電制御方法を提供すること、並びに、広範な温度域における良好な定着性及び非オフセット性を実現できると共に、耐環境性(温度や湿度の変化に対する帯電特性の安定性)、保存安定性(帯電特性の経時的安定性)、及び耐久性(トナーが多数回繰返し使用された場合の帯電特性の安定性)に優れ、安定したトナー画像が得られる静電荷像現像用トナーを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明の荷電制御剤は、
下記一般式(1)で表される芳香族カルボン酸の金属又は半金属化合物を有効成分とするものである。
【0007】
【化3】
Figure 0003771499
Figure 0003771499
【0008】
[式(1)中、
乃至Rは、互いに独立的に、水素原子、ヒドロキシ基、ヒドロペルオキシ基、カルボキシル基、ホルミル基、ホルミルオキシ基、ハロゲン原子、アルキル基、アリサイクリック基、アルコキシル基、アシル基、アラルキル基、アルケニル基、ニトロ基、置換基を有する若しくは有しないアミノ基、スルホン基、置換基を有する若しくは有しないアリール基、又は、R乃至Rのうち隣接する位置のものと共に置換基を有する若しくは有しない飽和若しくは不飽和環を形成する基を示し、
乃至Rの何れか1以上は水素原子ではなく、
Xは、水酸基又はアシルオキシ基を示す。]
【0009】
本発明の荷電制御剤の有効成分としての、上記一般式(1)で表される芳香族カルボン酸の誘導体の金属又は半金属化合物(例えば金属若しくは半金属塩、又は金属若しくは半金属錯塩)における金属若しくは半金属としては、金属若しくは半金属原子の価数が1価乃至4価のものが好ましい。
【0010】
上記一般式(1)で表される芳香族カルボン酸の金属又は半金属化合物は、下記一般式(2)又は(3)で表される化合物とすることができる。
【0011】
【化4】
Figure 0003771499
Figure 0003771499
【0012】
【化5】
Figure 0003771499
Figure 0003771499
【0013】
[式(2)又は(3)中、
乃至Rは、互いに独立的に、水素原子、ヒドロキシ基、ヒドロペルオキシ基、カルボキシル基、ホルミル基、ホルミルオキシ基、ハロゲン原子、アルキル基、アリサイクリック基、アルコキシル基、アシル基、アラルキル基、アルケニル基、ニトロ基、置換基を有する若しくは有しないアミノ基、スルホン基、置換基を有する若しくは有しないアリール基、又は、R乃至Rのうち隣接する位置のものと共に置換基を有する若しくは有しない飽和若しくは不飽和環を形成する基を示し、
乃至Rの何れか1以上は水素原子ではなく、
Xは、水酸基又はアシルオキシ基を示し、
Mは金属又は半金属原子を示し、
はカチオン又はアニオンを示し、
hは1以上の整数を示し、
jは1以上の整数を示し、
kは、−2以上2以下の整数を示し、
mは、0、1又は2を示し、
nは、−2以上2以下の整数を示し、
k=−(m×n)である。]
【0014】
本発明の静電荷像現像用トナーは、上記本発明の荷電制御剤並びにトナー用樹脂及び着色剤を備えてなるものである。
【0015】
また本発明の荷電制御方法は、樹脂粉体に荷電制御剤を含有させてその樹脂粉体の荷電制御を行う方法であって、前記荷電制御剤として上記本発明の荷電制御剤の何れかを用いるものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の荷電制御剤は、上記一般式(1)で表される芳香族カルボン酸の金属又は半金属化合物を有効成分とするものであり、その芳香族カルボン酸の金属又は半金属化合物は、上記一般式(2)又は(3)で表される化合物とすることができる。
【0017】
上記式(1)、(2)及び(3)において、R乃至R及びXの意義は、次の通りである。
【0018】
乃至Rは、互いに独立的に、
水素原子、
ヒドロキシ基、
ヒドロペルオキシ基、
カルボキシル基、
ホルミル基、
ホルミルオキシ基、
ハロゲン原子(例えば、Cl、Br、I、F等)、
アルキル基(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、iso−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、iso−ペンチル、tert−ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル等の炭素数1乃至18のアルキル基)、
アリサイクリック基(例えば、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルなどのシクロアルキル等の炭素数3乃至8のアリサイクリック基)、
アルコキシル基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ等の炭素数1乃至18のアルコキシ基)、
アシル基(例えば、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、バレリル、ベンゾイル、トルオイル等のアシル基)、
アラルキル基(例えば、ベンジル、α,α'-ジメチルベンジル、クミル、トルイル、フェネチル等のアラルキル基)、
アルケニル基(例えば、ビニル、アリル、プロペニル、−C(CH)=CH、ブテニル等の炭素数1乃至18のアルケニル基)、
ニトロ基、
置換基(例えば炭素数1乃至18のアルキル基又はアシル基、ベンゾイル基等)を有する若しくは有しないアミノ基、スルホン基、置換基(例えば炭素数1乃至18のアルキル基又はアシル基、ベンゾイル基等)を有する若しくは有しないアリール基(フェニル、ナフチル等)、又は、
乃至Rのうち隣接する位置のものと共に置換基を有する若しくは有しない飽和若しくは不飽和環を形成する基を示す。
【0019】
乃至Rの少なくとも一部が、前記のようにR乃至Rのうち隣接する位置のものと共に置換基を有する若しくは有しない飽和若しくは不飽和環を形成する基である場合、そのような飽和若しくは不飽和環を形成する組合せとしては、RとR、RとR、RとR、RとR、RとR、又はRとRがあり得る。
【0020】
本発明における前記芳香族カルボン酸の金属又は半金属化合物は、R乃至Rの何れかにより形成される飽和若しくは不飽和環と、R乃至Rの何れかにより形成される飽和若しくは不飽和環の両方又は何れか一方を有するものとすることができる。
【0021】
また、前記のような飽和若しくは不飽和環の例としては、シクロプロペン環、シクロプロパン環、シクロブタジエン環、シクロブタン環、シクロペンタジエン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタトリエン環、ベンゼン環等を挙げることができる。そのような飽和若しくは不飽和環が有してよい置換基の例としては、アルキル基、アルコキシ基、アシル基、アラルキル基、アリサイクリック基、アルケニル基等、好ましくは炭素数18以下のものを挙げることができる。
【0022】
なお、R乃至Rの何れか1以上は水素原子ではない。
【0023】
Xは、水酸基又はアシルオキシ基を示す。
【0024】
また、一般式(1)で表される芳香族カルボン酸の金属又は半金属化合物における金属又は半金属、並びに上記式(2)及び(3)において金属又は半金属原子を示すMとしては、価数が1価乃至4価のものが好ましい。
【0025】
このような金属又は半金属原子としては、Na、K、Ag、Cu、Fe、Mg、Ca、Zn、Mn、Co、Ni、Al、Cr、Ti、Zr、Si、B等を例示することができる。価数と共に例示するならば、1価:Na、K、Ag;2価:Fe(II)、Cu(II)、Co(II)、Zn(II)、Ni(II)、Mn(II)、Mg(II)、Ca(II)、Si(II);3価:Fe(III)、Al(III)、Mg(III)、Ti(III)、Zr(III)、Cr(III)、B(III);4価:Mn(IV)、Ti(IV)、Zr(IV)、Si(IV)である。これらのうちでより好ましいものとしては、Al、Zn、Zr、Ca、Mg、Fe、Ti、Bを挙げることができる。
【0026】
また、上記式(2)及び(3)においてカチオン又はアニオンを示すAの例としては、H、アルカリ金属(Na、K等)に基づくカチオン、有機アミン(脂肪族第1級アミン、脂肪族第2級アミン、脂肪族第3級アミン等)に基づくカチオン、第4級有機アンモニウムイオン、有機系アニオン、脂肪酸系アニオン、OH、SO 2−、NO を挙げることができる。
【0027】
上記一般式(1)で表される芳香族カルボン酸の好ましい具体例として、下記化合物例1乃至7を挙げることができる。特に好ましいのは化合物例1である。
【0028】
[化合物例1]
【化6】
Figure 0003771499
Bu、Buは、何れもtert−ブチル基を示す。以下同じ。)
【0029】
[化合物例2]
【化7】
Figure 0003771499
(t−Octは、tert−オクチル基を示す。)
【0030】
[化合物例3]
【化8】
Figure 0003771499
【0031】
[化合物例4]
【化9】
Figure 0003771499
【0032】
[化合物例5]
【化10】
Figure 0003771499
【0033】
[化合物例6]
【化11】
Figure 0003771499
(i−Prは、iso−プロピル基を示す。)
【0034】
[化合物例7]
【化12】
Figure 0003771499
上記各化合物例は、例えばESP(スペイン特許)480676、Tetrahedron Vol.43 No.7 p.1519−1540 1987記載の化合物合成方法を利用することにより得ることができる。
【0035】
上記一般式(2)又は(3)で表される芳香族カルボン酸の金属又は半金属化合物の好ましい具体例として、下記化合物例8乃至23を挙げることができる。特に好ましいのは化合物例8である。
【0036】
[化合物例8]
【化13】
Figure 0003771499
【0037】
[化合物例9]
【化14】
Figure 0003771499
【0038】
[化合物例10]
【化15】
Figure 0003771499
【0039】
[化合物例11]
【化16】
Figure 0003771499
(Meは、メチル基を示す。)
【0040】
[化合物例12]
【化17】
Figure 0003771499
【0041】
[化合物例13]
【化18】
Figure 0003771499
【0042】
[化合物例14]
【化19】
Figure 0003771499
(t−Octはtert−オクチル基を示す。)
【0043】
[化合物例15]
【化20】
Figure 0003771499
【0044】
[化合物例16]
【化21】
Figure 0003771499
【0045】
[化合物例17]
【化22】
Figure 0003771499
【0046】
[化合物例18]
【化23】
Figure 0003771499
【0047】
[化合物例19]
【化24】
Figure 0003771499
【0048】
[化合物例20]
【化25】
Figure 0003771499
【0049】
[化合物例21]
【化26】
Figure 0003771499
【0050】
[化合物例22]
【化27】
Figure 0003771499
【0051】
[化合物例23]
【化28】
Figure 0003771499
【0052】
上記一般式(1)で表される芳香族カルボン酸の金属又は半金属化合物、又は上記一般式(2)若しくは(3)で表される化合物を有効成分とする本発明の荷電制御剤は、前記一般式(1)で表される芳香族カルボン酸を有効成分とするものに比し、トナーに用いた場合のトナーの帯電について、(a)乃至(c)に記すようなれた効果を発揮する。
(a) 帯電の立ち上がり(帯電量が飽和に達するまでの速度)が速い。
(b) 帯電量が飽和に達した後の安定性に優れる。
(c) 帯電量の飽和値が高い
【0053】
本発明の静電荷像現像用トナーは、荷電制御剤、トナー用樹脂及び着色剤を備えてなる静電荷像現像用トナーであって、前記荷電制御剤として、上記本発明の荷電制御剤を含有するものである。トナー中における本発明の荷電制御剤の有効成分を構成する化合物は、単独種の化合物であってもよく数種の化合物の混合物であってもよい。
【0054】
本発明の静電荷像現像用トナーは、上記一般式(1)で表される芳香族カルボン酸の金属又は半金属化合物或いは上記一般式(2)又は(3)で表される化合物が、トナー用樹脂100重量部に対して0.1乃至10重量部配合されたものであることが望ましい。より好ましい配合量は、トナー用樹脂100重量部に対して前記化合物0.5乃至5重量部である。
本発明の静電荷像現像用トナーに用い得るトナー用樹脂の例としては、次のような公知のトナー用樹脂(結着樹脂)を挙げることができる。すなわち、スチレン樹脂、スチレン−アクリル樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、スチレン−マレイン酸樹脂、スチレン−ビニルメチルエーテル樹脂、スチレン−メタアクリル酸エステル共重合体、ポリエステル樹脂、ポリプロピレン樹脂等の熱可塑性樹脂である。これらの樹脂は、単独で又は例えば数種をブレンドして用いることができる。
【0055】
また、本発明の荷電制御剤は、例えば静電粉体塗料に含有させてその樹脂粉体の電荷の制御(増強)のために用いることもできる。その場合の塗料用樹脂としては、例えば、アクリル系、ポリオレフィン系、ポリエステル系、又はポリアミド系等の熱可塑性樹脂や、フェノール系、エポキシ系等の熱硬化性樹脂を、単独で或いは数種をブレンドして用いることができる。
【0056】
本発明の静電荷像現像用トナーにおいては、着色剤として種々の染料や顔料を、それぞれ単独で又は2種以上配合して使用することができる。黒色トナー用の着色剤としては、通常、pHが酸性から塩基性までの着色用のカーボンブラック(カラー用ブラック)が使用される。そのようなカーボンブラックとしては、例えば、三菱化学社製のMA100、MA11、MA8、MA7、#40、#44;コロンビアンカーボン社製のラーベン1250;キャボット社製のモナーク880、モーガルL、モーガル660R;デグッサ社製のカラーブラックFW2、スペシャルブラック250、プリンテックス90等の商品名で市販されているものを使用することができる。
【0057】
カラートナー用着色剤としては、必要に応じ種々の染料・顔料を使用することができる。その具体例としては、キノフタロンイエロー、ハンザイエロー、イソインドリノンイエロー、ペリノンオレンジ、ペリレンマルーン、ローダミン6Gレーキ、キナクリドン、アンスアンスロンレッド、ローズベンガル、銅フタロシアニンブルー及び銅フタロシアニングリーン、ジケトピロロピロール系顔料等の有機顔料;チタンホワイト、チタンイエロー、群青、コバルトブルー、べんがら等の無機顔料を挙げることができる。このような着色剤は、単独で又は2種以上配合して使用することができる。
【0058】
また、トナーの品質を向上させる上で、例えば、オフセット防止剤、流動性改良剤、クリーニング助剤等の添加剤を、内添又は外添することができる。
【0059】
前記の定着性向上のために用いるオフセット防止剤(離型剤)としては、各種ワックス、特に平均分子量が500乃至15000のワックスが好ましい。具体的には、低分子量ポリプロピレン、ポリエチレン、酸化型のポリプロピレン、酸化型のポリエチレン等のポリオレフィン型ワックス;カルナウバワックス、ライスワックス、モンタン型ワックス等の天然ワックス等を用いることができる。
【0060】
前記の流動性改質剤としては、微粒のシリカ、アルミナ、チタニア等の各種金属酸化物、又はフッ化マグネシウム等を用いることができる。
【0061】
前記のクリーニング助剤としては、ステアリン酸等の金属石鹸;フッ素系、シリコン系、スチレン−(メタ)アクリル系合成樹脂微粒子等の各種合成樹脂微粒子等を用いることができる。
【0062】
また、本発明のトナーを用いて静電荷像を現像する形態に応じ、導電性物質(例えば導電性カーボンブラック、グラファイト)、磁性体微粒子(例えば、鉄、コバルト、ニッケル等の強磁性を示す金属、各種合金、それらの酸化物[フェライト等]等の強磁性微粒子)等をトナーに添加することができる。
【0063】
本発明の静電荷像現像用トナーは、例えば次のように製造される。
上記のようなトナー用樹脂、着色剤、及び本発明の荷電制御剤、並びに必要に応じて磁性材料(例えば、鉄、コバルト、各種フェライト等の強磁性材料製の微粉体)、流動性改質剤(例えば、シリカ、アルミナ、チタニア)、オフセット防止剤(例えば、ワックス、低分子量のオレフィンワックス)等を、ボールミル、ヘンシェルミキサー又はその他の混合機により十分混合した後、その混合物を加熱ロール、ニーダー、エクストルーダー等の熱混練機を用いて溶融混練し、その混練物を冷却固化させた後、その固化物を粉砕及び分級することにより、平均粒径5乃至15μmのトナーを得ることができる。
【0064】
また、トナー用樹脂溶液中に材料を分散させた後、噴霧乾燥することにより得る方法、或いは、トナー用樹脂を構成すべき単量体に所定材料を混合して乳化懸濁液とした後に重合させてトナー(重合トナー)を得る重合法によるトナー製造法等を応用することができる。
【0065】
例えば、懸濁重合法においては、重合単量体、着色剤及び荷電制御剤、並びに必要に応じて重合開始剤、架橋剤、離型剤、及びその他の添加剤を均一に溶解又は分散させて単量体組成物とした後、この単量体組成物を、分散安定剤を含有する連続層(例えば水相)中に適当な分散機を用いて分散させると共に重合反応を行なわせることにより、所望の粒径を有するトナー粒子を得ることが可能である。
【0066】
重合トナー用の樹脂を形成するための重合性単量体の例としては、スチレン、メチルスチレン等のスチレン誘導体;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタアクリル酸エチル、メタアクリル酸n−ブチル等の(メタ)アクリル酸エステル類;アクリルロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等のビニル系単量体が挙げられる。
【0067】
前記分散安定剤としては、各種界面活性剤(例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム)や有機又は無機分散剤等を使用することができる。有機分散剤の例としては、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース等を挙げることができる。無機分散剤の例としては、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウムのようなリン酸多価金属塩微粉体;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムのような炭酸塩微粉体;メタ珪酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウムのような無機分散剤等を挙げることができる。
【0068】
前記重合開始剤としては、2,2’−アゾイソブチロニトリル、アゾビスブチロニトリルのようなアゾ系又はジアゾ系重合開始剤;ベンゾイルペルオキシドのような過酸化物系重合開始剤等を例示することができる。
【0069】
本発明のトナーを2成分現像剤として用いる場合には、本発明のトナーをキャリヤ粉と混合して用いることができ、磁気ブラシ現像法等により現像することができる。
【0070】
キャリヤは、特に限定されず、公知のものが全て使用可能である。例示するならば、粒径50乃至200μm程度の鉄粉、ニッケル粉、フェライト粉、ガラスビーズ等、及びこれらの表面をアクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、シリコーン樹脂、ポリアミド樹脂、フッ化エチレン系樹脂等でコーティングしたものなどを挙げることができる。
【0071】
本発明のトナーを磁性一成分現像剤として用いる場合には、上記のようにしてトナーを製造する際に、例えば鉄粉、ニッケル粉、フェライト粉等の強磁性材料製の微粉体を適量添加分散させて用いることができる。この場合の現像法としては、例えば接触現像法、ジャンピング現像法等を挙げることができる。
【0072】
このような本発明のトナーによる静電荷像の現像においては、トナー中の本発明の荷電制御剤によりそのトナーの荷電制御が行なわれる。
【0073】
【発明の効果】
本発明の荷電制御剤は、良好な帯電付与性を示し、カラートナーに使用可能な無色乃至淡色であり、使用したトナー等の樹脂粉体の帯電による静電荷が環境変化に対し安定であり、保存安定性に優れ、耐久性に優れる。また本発明の荷電制御方法は、カラートナーにも使用し得、安定な帯電特性を実現し得る。
【0074】
本発明の静電荷像現像用トナーによれば、広範な温度域における良好な定着性及び非オフセット性を実現し得、耐環境性、保存安定性、及び耐久性に優れ、安定したトナー画像が得られる。
【0075】
【実施例】
次に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、勿論本発明はこれらのみに限定されるものではない。なお、以下の記述においては、「重量部」を「部」と略す。
【0076】
合成例1[化合物例1のAl(III)化合物の合成]
500mlビーカーに化合物例1を55.02g秤量したものに、水190ml及び20%水酸化ナトリウム水溶液48.33gを加え、室温で1時間攪拌して溶液Aを調製した。別に1000mlビーカーに27%硫酸アルミニウム水溶液を54.75g秤量したものに水を100ml加え、室温で20分間攪拌した。これに、溶液Aを約10分間かけて滴下した。析出した結晶を濾取して水洗し、乾燥させることにより、白色結晶47.38g[合成例1化合物]を得た。
【0077】
合成例2[化合物例1のFe(III)化合物の合成]
500mlビーカーに化合物例1を55.02g秤量したものに、水190ml及び20%水酸化ナトリウム水溶液48.33gを加え、室温で1時間攪拌して溶液Bを調製した。別に1000mlビーカーに38%塩化鉄水溶液を18.44g秤量したものに水を100ml加え、室温で20分間攪拌した。これに、溶液Bを約20分間かけて滴下した。析出した結晶を濾取して水洗し、乾燥させることにより、灰色結晶50.23g[合成例2化合物]を得た。
【0078】
合成例3[化合物例2のAl(III)化合物の合成]
500mlビーカーに化合物例2を30.00g秤量したものに、水190ml及び20%水酸化ナトリウム水溶液48.52gを加え、室温で1時間攪拌して溶液Cを調製した。別に1000mlビーカーに27%硫酸アルミニウム水溶液を54.96g秤量したものに水を100ml加え、室温で20分間攪拌した。これに、溶液Cを約10分間かけて滴下した。析出した結晶を濾取して水洗し、乾燥させることにより、白色結晶24.30g[合成例3化合物]を得た。
【0079】
合成例4[化合物例4のAl(III)化合物の合成]
500mlビーカーに化合物例4を30.00g秤量したものに、水190ml及び20%水酸化ナトリウム水溶液48.52gを加え、室温で1時間攪拌して溶液Dを調製した。別に1000mlビーカーに27%硫酸アルミニウム水溶液を54.96g秤量したものに水を100ml加え、室温で20分間攪拌した。これに、溶液Dを約15分間かけて滴下した。析出した結晶を濾取して水洗し、乾燥させることにより、薄黄色結晶22.90g[合成例4化合物]を得た。
【0080】
合成例5[化合物例6のAl(III)化合物の合成]
500mlビーカーに化合物例6を30.00g秤量したものに、水190ml及び20%水酸化ナトリウム水溶液48.52gを加え、室温で1時間攪拌して溶液Eを調製した。別に1000mlビーカーに27%硫酸アルミニウム水溶液を54.96g秤量したものに水を100ml加え、室温で20分間攪拌した。これに、溶液Eを約15分間かけて滴下した。析出した結晶を濾取して水洗し、乾燥させることにより、白色結晶25.50g[合成例5化合物]を得た。
【0081】
合成例6[化合物例3のFe(III)化合物の合成]
500mlビーカーに化合物例3を35.00g秤量したものに、水230ml及び20%水酸化ナトリウム水溶液48.52gを加え、室温で1時間攪拌して溶液Fを調製した。別に1000mlビーカーに38%塩化鉄水溶液を15.49g秤量したものに水を100ml加え、室温で20分間攪拌した。これに、溶液Fを約15分間かけて滴下した。析出した結晶を濾取して水洗し、乾燥させることにより、黄色結晶34.8g[合成例6化合物]を得た。
【0082】
合成例7[化合物例1のCa(II)化合物の合成]
500mlビーカーに化合物例1を50.00g秤量したものに、水183ml及び20%水酸化ナトリウム水溶液43.92gを加え、室温で1時間攪拌して溶液Gを調製した。別に1000mlビーカーに100%無水物換算CaCl2HOを5.77g秤量したものに水を87ml加え、室温で20分間攪拌した。これに、溶液Gを約20分間かけて滴下した。析出した結晶を濾取して水洗し、乾燥させることにより、白色結晶43.1g[合成例7化合物]を得た。
【0083】
実施例1
ポリエステル樹脂[日本合成化学社製 商品名:HP−301]:100部
低重合ポリプロピレン[三洋化成社製 商品名:ビスコール550P]:2部
カーボンブラック[三菱化学社製 商品名:MA−100]:6部
荷電制御剤[合成例1化合物]:1部
【0084】
上記配合物を高速ミルで均一に予備混合してプレミックスを調製した。このプレミックスを加熱ロールで溶融混練し、この混練物を冷却した後、超遠心粉砕機で粗粉砕した。得られた粗砕物を分級機付のエアージェットミルを用いて微粉砕することにより、平均粒径約10μmの本発明の黒色トナーを得た。
【0085】
得られたトナー5部に対して鉄粉キャリヤ(パウダーテック社製 商品名:TEFV200/300)95部を混合して現像剤を調製した。
【0086】
本現像剤をポリ瓶中に計量し、標準条件(20℃、相対湿度60%)でこのポリ瓶を回転数100rpmのボールミルで回転させて本現像剤を撹拌することによりこれを帯電させ、現像剤の経時帯電量を測定した。攪拌時間(分)毎の摩擦帯電量の測定結果を表1に示す。なお、表1に示した各帯電量の単位は−μC/gである。
【0087】
また、低温低湿(5℃、相対湿度30%)及び高温高湿(35℃、相対湿度90%)の各条件下で同様に初期ブローオフ帯電量を測定した。各条件下の初期ブローオフ帯電量、すなわち帯電量の環境安定性についての測定結果及び評価(◎:優良、×:不良)を表1に示す。
【0088】
本現像剤を用いて市販の複写機にてトナー画像を形成したところ、カブリがなく、細線再現性、帯電の安定性及び持続性が良好で、画像の濃度低下のない良質な画像が得られた。また、オフセット現象も全く観察されなかった。
【0089】
実施例2
実施例1で用いた荷電制御剤を合成例2化合物に代えること以外は実施例1と同様に処理して本発明のトナー及び現像剤を調製し、実施例1と同様に経時帯電量の測定並びに帯電量の環境安定性の測定及び評価を行なった。結果を表1に示す。
【0090】
本現像剤を用いて市販の複写機にてトナー画像を形成したところ、カブリがなく、細線再現性、帯電の安定性及び持続性が良好で、画像の濃度低下のない良質な画像が得られた。また、オフセット現象も全く観察されなかった。
【0091】
実施例3
実施例1で用いた荷電制御剤を合成例3化合物に代えること以外は実施例1と同様に処理して本発明のトナー及び現像剤を調製し、実施例1と同様に経時帯電量の測定並びに帯電量の環境安定性の測定及び評価を行なった。結果を表1に示す。
【0092】
本現像剤を用いて市販の複写機にてトナー画像を形成したところ、カブリがなく、細線再現性、帯電の安定性及び持続性が良好で、画像の濃度低下のない良質な画像が得られた。また、オフセット現象も全く観察されなかった。
【0093】
実施例4
実施例1で用いた荷電制御剤を合成例4化合物に代えること以外は実施例1と同様に処理して本発明のトナー及び現像剤を調製し、実施例1と同様に経時帯電量の測定並びに帯電量の環境安定性の測定及び評価を行なった。結果を表1に示す。
【0094】
本現像剤を用いて市販の複写機にてトナー画像を形成したところ、カブリがなく、細線再現性、帯電の安定性及び持続性が良好で、画像の濃度低下のない良質な画像が得られた。また、オフセット現象も全く観察されなかった。
【0095】
実施例5
実施例1で用いた荷電制御剤を合成例5化合物に代えること以外は実施例1と同様に処理して本発明のトナー及び現像剤を調製し、実施例1と同様に経時帯電量の測定並びに帯電量の環境安定性の測定及び評価を行なった。結果を表1に示す。
【0096】
本現像剤を用いて市販の複写機にてトナー画像を形成したところ、カブリがなく、細線再現性、帯電の安定性及び持続性が良好で、画像の濃度低下のない良質な画像が得られた。また、オフセット現象も全く観察されなかった。
【0097】
実施例6
実施例1で用いた荷電制御剤を合成例6化合物に代えること以外は実施例1と同様に処理して本発明のトナー及び現像剤を調製し、実施例1と同様に経時帯電量の測定並びに帯電量の環境安定性の測定及び評価を行なった。結果を表1に示す。
【0098】
本現像剤を用いて市販の複写機にてトナー画像を形成したところ、カブリがなく、細線再現性、帯電の安定性及び持続性が良好で、画像の濃度低下のない良質な画像が得られた。また、オフセット現象も全く観察されなかった。
【0099】
実施例7
実施例1で用いた荷電制御剤を合成例7化合物に代えること以外は実施例1と同様に処理して本発明のトナー及び現像剤を調製し、実施例1と同様に経時帯電量の測定並びに帯電量の環境安定性の測定及び評価を行なった。結果を表1に示す。
【0100】
本現像剤を用いて市販の複写機にてトナー画像を形成したところ、カブリがなく、細線再現性、帯電の安定性及び持続性が良好で、画像の濃度低下のない良質な画像が得られた。また、オフセット現象も全く観察されなかった。
【0101】
実施例8
ポリエステル樹脂[日本合成化学社製 商品名:HP−301]:100部
低重合ポリプロピレン[三洋化成社製 商品名:ビスコール550P]:2部
ローダミン系染料[オリヱント化学工業社製 商品名:オイルピンク 312]:3部
キナクリドンレッド:3部
荷電制御剤[合成例1化合物]:1部
【0102】
上記配合物を実施例1と同様に処理することにより、本発明のマゼンタ色トナー及び現像剤を調製し、実施例1と同様に経時帯電量の測定並びに帯電量の環境安定性の測定及び評価を行なった。結果を表1に示す。
【0103】
本現像剤を用いて市販の複写機にてトナー画像を形成したところ、カブリがなく、細線再現性、帯電の安定性及び持続性が良好で、画像の濃度低下のない良質な画像が得られた。また、オフセット現象も全く観察されなかった。
【0104】
実施例9
ポリエステル樹脂[日本合成化学社製 商品名:HP−301]:100部
低重合ポリプロピレン[三洋化成社製 商品名:ビスコール550P]:2部
フタロシアニン系染料[オリヱント化学工業社製 商品名:バリファストブルー2606]:3部
荷電制御剤[合成例3化合物]:1部
【0105】
上記配合物を実施例1と同様に処理することにより、本発明のシアントナー及び現像剤を調製し、実施例1と同様に経時帯電量の測定並びに帯電量の環境安定性の測定及び評価を行なった。結果を表1に示す。
【0106】
本現像剤を用いて市販の複写機にてトナー画像を形成したところ、カブリがなく、細線再現性、帯電の安定性及び持続性が良好で、画像の濃度低下のない良質な画像が得られた。また、オフセット現象も全く観察されなかった。
【0107】
実施例10
ポリエステル樹脂[日本合成化学社製 商品名:HP−301]:100部
低重合ポリプロピレン[三洋化成社製 商品名:ビスコール550P]:2部
キノフタロン系染料(C.I.Disperse Yellow 64)[日本化薬社製 商品名:カヤセロンイエロー E−3GL]:5部
荷電制御剤[合成例5化合物]:1部
【0108】
上記配合物を実施例1と同様に処理することにより、本発明のイエロートナー及び現像剤を調製し、実施例1と同様に経時帯電量の測定並びに帯電量の環境安定性の測定及び評価を行なった。結果を表1に示す。
【0109】
本現像剤を用いて市販の複写機にてトナー画像を形成したところ、カブリがなく、細線再現性、帯電の安定性及び持続性が良好で、画像の濃度低下のない良質な画像が得られた。また、オフセット現象も全く観察されなかった。
【0110】
実施例11
スチレン−アクリル共重合樹脂[三井化学社製 商品名:CPR600B]:100部
低重合ポリプロピレン[三洋化成社製 商品名:ビスコール550P]:2部
カーボンブラック[三菱化学社製 商品名:MA−100]:6部
荷電制御剤[合成例1化合物]:1部
【0111】
上記配合物を実施例1と同様に処理することにより本発明の黒色トナー及び現像剤を調製し、実施例1と同様に経時帯電量の測定並びに帯電量の環境安定性の測定及び評価を行なった。結果を表1に示す。
【0112】
本現像剤を用いて市販の複写機にてトナー画像を形成したところ、カブリがなく、細線再現性、帯電の安定性及び持続性が良好で、画像の濃度低下のない良質な画像が得られた。また、オフセット現象も全く観察されなかった。
【0113】
実施例12
スチレン−アクリル共重合樹脂[三井化学社製 商品名:CPR600B]:100部
低重合ポリプロピレン[三洋化成社製 商品名:ビスコール550P]:2部
カーボンブラック[三菱化学社製 商品名:MA−100]:6部
荷電制御剤[合成例2化合物]:1部
【0114】
上記配合物を実施例1と同様に処理することにより本発明の黒色トナー及び現像剤を調製し、実施例1と同様に経時帯電量の測定並びに帯電量の環境安定性の測定及び評価を行なった。結果を表1に示す。
【0115】
本現像剤を用いて市販の複写機にてトナー画像を形成したところ、カブリがなく、細線再現性、帯電の安定性及び持続性が良好で、画像の濃度低下のない良質な画像が得られた。また、オフセット現象も全く観察されなかった。
【0116】
上記配合物を実施例1と同様に処理することにより本発明の黒色トナー及び現像剤を調整し、実施例1と同様に経時帯電量及び帯電量環境安定性を測定した。結果を表1に示す。
本現像剤を用いて市販の複写機にてトナーの画像を形成したところ、カブリがなく、細線再現性が良好で、而も分光特性に優れ、重ね合わせによる混色に適した透明性のある、鮮明な黒色の画像が得られた。また、オフセット現象も全く観察されなかった。
実施例13
スチレン:80部
n−ブチルメタクリレート:20部
カーボンブラック[三菱化成社製 商品名:MA100]:5部
2,2’−アゾイソブチロニトリル:1.8部
荷電制御剤(合成例1化合物):1部
【0117】
上記配合物を高速ミキサーで均一にプレミキシングして重合性単量体組成物を得た。
【0118】
一方、濃度0.1モル%の第三リン酸ナトリウム水溶液100mlを蒸留水600mlにより希釈し、この液を攪拌しながら、この液に対し、濃度1.0モル/リットルの塩化カルシウム水溶液18.7mlを徐々に加えた。更に、この混合液を攪拌しながら、この混合液に対し、濃度20重量%のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液0.15gを加えて分散液を調製した。
【0119】
この分散液を前記重合性単量体組成物に加えてTK式ホモミキサー(特殊機化工社製)により高速攪拌しながら温度65℃に昇温させ、昇温後30分間攪拌した後、通常の攪拌機により回転数100rpmで攪拌し、温度65℃のまま6時間重合させた。その後、90℃まで温度を上げ同温で2時間攪拌した。
【0120】
重合終了後、反応混合物を冷却して固形物を濾別し、その濾取物を濃度5重量%の塩酸水溶液中に浸漬させることにより、分散剤として利用したリン酸カルシウムを分解した。得られた固形物を、洗浄液が中性となるまで水洗し、脱水、乾燥させることにより、平均粒径10μmの黒色トナーを得た。
【0121】
この黒色トナーを実施例1と同様に処理することにより、現像剤を調製し、実施例1と同様に経時帯電量の測定並びに帯電量の環境安定性の測定及び評価を行なった。結果を表1に示す。
【0122】
本現像剤を用いて市販の複写機にてトナー画像を形成したところ、カブリがなく、細線再現性、帯電の安定性及び持続性が良好で、画像の濃度低下のない良質な画像が得られた。また、オフセット現象も全く観察されなかった。
【0123】
比較例1
ポリエステル樹脂[日本合成化学社製 商品名:HP−301]:100部
低重合ポリプロピレン[三洋化成社製 商品名:ビスコール550P]:2部
カーボンブラック[三菱化学社製 商品名:MA−100]:6部
荷電制御剤:0部
【0124】
上記配合物を実施例1と同様に処理することにより黒色トナー及び現像剤を調製し、実施例1と同様に経時帯電量の測定並びに帯電量の環境安定性の測定及び評価を行なった。結果を表1に示す。
【0125】
比較例2
ポリエステル樹脂[日本合成化学社製 商品名:HP−301]:100部
低重合ポリプロピレン[三洋化成社製 商品名:ビスコール550P]:2部
カーボンブラック[三菱化学社製 商品名:MA−100]:6部
荷電制御剤[比較化合物例1]:1部
[比較化合物例1]
【0126】
【化29】
Figure 0003771499
上記配合物を実施例1と同様に処理することにより黒色トナー及び現像剤を調製し、実施例1と同様に経時帯電量の測定並びに帯電量の環境安定性の測定及び評価を行なった。結果を表1に示す。
【表1】
Figure 0003771499

Claims (6)

  1. 下記一般式(1)で表される芳香族カルボン酸の金属又は半金属化合物を有効成分とする荷電制御剤。
    Figure 0003771499
    ・・・・(1)
    [式(1)中、
    乃至Rは、互いに独立的に、水素原子、ヒドロキシ基、ヒドロペルオキシ基、カルボキシル基、ホルミル基、ホルミルオキシ基、ハロゲン原子、アルキル基、アリサイクリック基、アルコキシル基、アシル基、アラルキル基、アルケニル基、ニトロ基、置換基を有する若しくは有しないアミノ基、スルホン基、置換基を有する若しくは有しないアリール基、又は、R乃至Rのうち隣接する位置のものと共に置換基を有する若しくは有しない飽和若しくは不飽和環を形成する基を示し、
    乃至Rの何れか1以上は水素原子ではなく、
    Xは、水酸基又はアシルオキシ基を示す。]
  2. 上記一般式(1)で表される芳香族カルボン酸の金属又は半金属化合物が、下記一般式(2)で表される化合物である請求項1記載の荷電制御剤。
    Figure 0003771499
    ・・・・(2)
    [式(2)中、
    乃至Rは、互いに独立的に、水素原子、ヒドロキシ基、ヒドロペルオキシ基、カルボキシル基、ホルミル基、ホルミルオキシ基、ハロゲン原子、アルキル基、アリサイクリック基、アルコキシル基、アシル基、アラルキル基、アルケニル基、ニトロ基、置換基を有する若しくは有しないアミノ基、スルホン基、置換基を有する若しくは有しないアリール基、又は、R乃至Rのうち隣接する位置のものと共に置換基を有する若しくは有しない飽和若しくは不飽和環を形成する基を示し、
    乃至Rの何れか1以上は水素原子ではなく、
    Xは、水酸基又はアシルオキシ基を示し、
    Mは金属又は半金属原子を示し、
    はカチオン又はアニオンを示し、
    hは1以上の整数を示し、
    jは1以上の整数を示し、
    kは、−2以上2以下の整数を示し、
    mは、0、1又は2を示し、
    nは、−2以上2以下の整数を示し、
    k=−(m×n)である。]
  3. 上記金属又は半金属がAl、Zn、Zr、Ca、Mg、Fe、Ti、Si又はBである請求項1又は2記載の荷電制御剤。
  4. 上記式(1)又は式(2)における置換基R乃至Rとして、アルキル基、又はR乃至Rのうち隣接する位置のものと共に置換基を有する若しくは有しない飽和若しくは不飽和環を形成する基を有する請求項1、2又は3記載の荷電制御剤。
  5. 請求項1乃至4の何れかに記載された荷電制御剤並びにトナー用樹脂及び着色剤を備えてなる静電荷像現像用トナー。
  6. 樹脂粉体に荷電制御剤を含有させてその樹脂粉体の荷電制御を行う方法であって、前記荷電制御剤として請求項1乃至4の何れかに記載の荷電制御剤を用いる荷電制御方法。
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