JP4079640B2 - 新規なプロモーターおよび該プロモーターを用いた遺伝子発現方法 - Google Patents

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Description

技術分野
本発明は、目的遺伝子の産物を簡便に、かつ安価に高発現させうる、新規なプロモーター、具体的には、該プロモーターの配列を有する単離DNA、及び該DNAを用いたタンパク質の製造方法に関する。
背景技術
有用遺伝子産物を遺伝子工学的に製造する場合、目的に応じて、培養手法が確立された大腸菌、枯草菌、酵母等の微生物細胞、動物細胞、昆虫細胞、植物細胞等を宿主として用い、かかる宿主に適したプロモーターを利用した発現系が利用されている。なかでも、大腸菌を宿主とし、lacプロモーターやその誘導体等を用いた発現系は、その操作の容易性の観点から、よく使用されている系の1種である。
しかしながら、lacプロモーターやその誘導体を用いた発現系には、遺伝子産物の発現の際に、遺伝子発現の誘導を行なう必要があるため、工業的に不利であるという欠点を有する。例えば、lacプロモーター、tacプロモーター等は、遺伝子発現の誘導に高価なIPTG(イソプロピル−β−D−チオガラクトピラノシド)を必要とするため、工業規模での実施には不利であるという欠点を有する。
一方、ファージλプロモーターの温度誘導を用いる発現ベクターも、一般的に使用されている。しかしながら、組換遺伝子産物の温度誘導された過剰発現は、(a)迅速な温度シフトアップを達成することの困難性、(b)より高い培養温度での不溶性インクルージョンボディーの形成の可能性の増大、及び(c)熱ショック時の大腸菌におけるいくつかのプロテアーゼの誘導等の点で不利な場合がある。
したがって、遺伝子発現を誘導しなくても、効率のよい発現が可能な手法が望まれている。
発明の開示
本発明は、誘導物質により遺伝子発現を誘導することなく、該遺伝子を高レベルで発現しうるプロモーターの配列を有するDNA、組換えDNA、遺伝子発現用ベクター、発現ベクター、及び形質転換細胞並びに操作が簡便であり、かつ安価に行ないうる、タンパク質の製造方法及びそのキットを提供することを目的とする。
本発明の要旨は、
〔1〕 (A)配列番号:1若しくは2に示された塩基配列、
(B)配列番号:1若しくは2において、少なくとも1残基の置換、欠失、又は付加を有する塩基配列、
(C)配列番号:1若しくは2に示された塩基配列からなる核酸にストリンジェントな条件下にハイブリダイズする核酸の塩基配列、及び
(D)配列番号:1又は2に示される塩基配列に少なくとも80%の配列同一性を有する塩基配列、
からなる群より選ばれた1種の塩基配列を有するDNA又はその断片であって、かつ大腸菌又はバチルス属細菌において構成的プロモーター活性を呈する単離されたDNA、
〔2〕 外来遺伝子の上流に配置された場合、誘導物質の非存在下に該遺伝子を発現しうる、前記〔1〕記載の単離されたDNA、
〔3〕 前記〔1〕又は〔2〕記載のDNAと外来遺伝子とが、該外来遺伝子が発現可能な状態で配置されてなる組換えDNA、
〔4〕 外来遺伝子が、タンパク質をコードする核酸、アンチセンスRNAをコードする核酸及びリボザイムをコードする核酸からなる群より選択された核酸である、前記〔3〕記載の組換えDNA、
〔5〕 前記〔1〕又は〔2〕記載のDNAを少なくとも含有してなる遺伝子発現用ベクター、
〔6〕 ベクターが、プラスミドベクター、ファージベクター及びウイルスベクターからなる群より選択された1種である、前記〔5〕記載の遺伝子発現用ベクター、
〔7〕 配列番号:3又は4に示された塩基配列を有してなる、前記〔5〕又は〔6〕記載の遺伝子発現用ベクター、
〔8〕 前記〔3〕又は〔4〕記載の組換えDNAを含有してなる発現ベクター、
〔9〕 ベクターが、プラスミドベクター、ファージベクター及びウイルスベクターからなる群より選択された1種である、前記〔8〕記載の発現ベクター、
〔10〕 前記〔3〕若しくは〔4〕記載の組換えDNA又は前記〔8〕若しくは〔9〕記載の発現ベクターを保持してなる形質転換細胞、
〔11〕 前記〔10〕記載の形質転換細胞を培養して、得られた培養物からタンパク質を採取することを特徴とする、タンパク質の製造方法、並びに
〔12〕 前記〔1〕又は〔2〕記載のDNA又は前記〔5〕〜〔7〕いずれかに1項に記載の遺伝子発現用ベクターを少なくとも含有してなる、タンパク質製造用キット、
に関する。
発明を実施するための最良の形態
本発明のDNAは、バチルス・スピーシーズ(Bacillus sp.)SK−1由来のD−アミノ酸アミノトランスフェラーゼのORFの上流に局在し、かつプロモーター活性を呈するエレメント由来である。本発明は、前記DNAの下流に外来遺伝子(目的遺伝子ともいう)を配置した場合、発現誘導物質の非存在下で、目的遺伝子産物を全タンパク質量の少なくとも約30〜50%のレベルで発現することができるという、本発明者らの驚くべき知見に基づく。
本発明のDNAとしては、配列表の配列番号:1若しくは2に示された塩基配列を有するDNAが挙げられる。より好ましくは、後述のように、大腸菌又はバチルス属細菌において構成的プロモーター活性を呈する単離されたDNAである。
本明細書において、「プロモーター」とは、転写開始点(+1)から20〜30塩基対上流にあって、正確な位置からRNAポリメラーゼに転写を開始させる機能を担っているTATAボックスまたはTATAボックス類似の領域が含まれるが、必ずしもこれらの領域の前後に限定されるものではなく、この領域以外に、発現調節のためにRNAポリメラーゼ以外のタンパク質が会合するために必要な領域を含んでいてもよい。また、本明細書中で「プロモーター領域」と記載する場合があるが、かかる用語は、本明細書におけるプロモーターを含む領域のことをいう。
本明細書において、「プロモーター活性」とは、プロモーターの下流に発現可能な状態で遺伝子を配置し、得られた構築物を宿主に導入した際、宿主内または宿主外において該遺伝子の発現産物を生産する能力及び機能を有することを示す。
一般的に、前記「プロモーター活性」は、下記:
▲1▼ 定量または確認が容易なタンパク質をコードした遺伝子(以下、レポーター遺伝子ともいう)の上流に測定対象のDNAを連結するステップ、
▲2▼ 得られた構築物を宿主に導入するステップ、
▲3▼ 得られた形質転換細胞を培養して、該タンパク質を発現させるステップ、及び
▲4▼ 該タンパク質の発現量を測定するステップ
のプロセスにより、測定することができる。また、「プロモーター活性」の有無は、例えば、プロモーター配列を有すると思われる配列をレポーター遺伝子の上流に連結し、宿主に導入した際、宿主内または宿主外において該遺伝子の遺伝子産物の発現が確認することにより実施でき、ここで、発現が認められた場合、そのプロモーターは導入した宿主においてプロモーター活性を有することの指標となる。
本明細書において、「構成的プロモーター」とは、生育条件に無関係に常に一定レベルで転写を行なうプロモーターをいう。すなわち、「構成的プロモーター」は、IPTG等に代表される誘導物質を用いて誘導することなく、該プロモーターの下流に配置された遺伝子を発現させうる。
本発明のDNAには、構成的プロモーター活性が認められるものであれば、前記配列番号:1又は2に示された塩基配列を有する単離されたDNAの断片も含まれる。ここで、「断片」は、構成的プロモーター活性が認められる範囲内で適宜選択することができる。かかる断片は、前記ステップ▲1▼〜▲4▼のプロセスにより選択することができる。前記「断片」の長さは、例えば、500塩基以下のものが例示される。
本発明のDNAには、さらに、配列番号:1又は2の塩基配列において、少なくとも1塩基、具体的には、1又は複数個の塩基の置換、欠失、又は付加を有する塩基配列を有し、かつ構成的プロモーター活性を有するDNAも含まれる。一般的に、短い配列を有するDNAにおいて、少なくとも1塩基に変異(置換、欠失、又は付加)を有するDNAは、その活性が変化することもあるが、前記ステップ▲1▼〜▲4▼のプロセスにより構成的プロモーター活性が認められた「変異を有するDNA」は、本発明に包含される。かかる変異は、天然由来の変異及び人為的に導入された変異のいずれであってもよい。
人為的な変異の導入方法としては、慣用の部位特異的変異導入法等が挙げられる。部位特異的変異を導入する方法としては、例えば、アンバー変異を利用する方法[ギャップド・デュプレックス(gapped duplex)法、ヌクレイック・アシッズ・リサーチ(Nucleic Acids Research)、第12巻、第9441〜9456頁(1984)]、dut(dUTPase)とung(ウラシル−DNAグリコシラーゼ)遺伝子を欠損した宿主を利用する方法[クンケル(Kunkel)法、プロシーディングス・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシーズ・オブ・ザ・USA、第82巻、第488〜492頁(1985)]、アンバー変異を利用したPCRによる方法(国際公開98/02535号パンフレット)等を用いることができる。
変異を有するDNAの長さは、前記ステップ▲1▼〜▲4▼のプロセスにより構成的プロモーター活性が認められる長さであればよく、例えば、500塩基以下のものが例示される。
また、本発明のDNAの相補鎖とストリンジェントな条件下でハイブリダイズ可能なDNAであって、かつ構成的プロモーター活性を有するDNA(a)、又は本発明のDNAを基に、例えば、常法により設計し化学的に合成したオリゴヌクレオチドプローブ若しくはプライマーを用いて得られたDNAであって、かつ構成的プロモーター活性を有するDNA(b)、好ましくは、大腸菌又はバチルス属細菌において構成的プロモーター活性を呈する単離されたDNAも本発明に包含される。かかるDNAは、例えば、前記ステップ▲1▼〜▲4▼のプロセスにより構成的プロモーター活性が認められたものを選択すればよい。該オリゴヌクレオチドプローブの塩基配列には特に限定はないが、前記DNA又は該DNAに相補的な塩基配列を有するDNAにストリンジェントな条件下にハイブリダイズするものであればよい。
ここで、「ストリンジェントな条件」とは、例えば、以下の条件をいう。すなわち、前記(a)のDNAの場合、6×SSC(1×SSCは、0.15M NaCl、0.015M クエン酸ナトリウム、pH7.0)と0.5%SDSと5×デンハルト〔Denhardt’s、0.1%ウシ血清アルブミン(BSA)、0.1%ポリビニルピロリドン、0.1%フィコール400〕と100μg/mlサケ精子DNAとを含む溶液中、50℃で一晩保温する条件等が例示され、前記(b)のDNAの場合、前記と同様の溶液中、用いるプローブのTm−25℃の温度で一晩保温する条件等が例示される。
また、プライマーの塩基配列にも特に限定はなく、通常のPCRの反応条件において、前記DNA又は該DNAに相補的な塩基配列を有するDNAにアニーリングし、DNAポリメラーゼによる伸長反応を開始できるものであればよい。
オリゴヌクレオチドプローブ又はプライマーのTmは、例えば、下記式:
Tm=81.5−16.6(log10[Na])+0.41(%G+C)−(600/N)
(式中、Nはオリゴヌクレオチドプローブ又はプライマーの鎖長であり、%G+Cはオリゴヌクレオチドプローブ又はプライマー中のグアニン及びシトシン残基の含有量である)
により求められる。
また、オリゴヌクレオチドプローブ又はプライマーの鎖長が18塩基より短い場合、Tmは、例えばA+T(アデニン+チミン)残基の含有量と2℃との積と、G+C残基の含有量と4℃との積との和〔(A+T)×2+(G+C)×4〕により推定することができる。
上記のオリゴヌクレオチドプローブの鎖長は、特に限定されないが、非特異的なハイブリダイゼーションを防止する観点から、好ましくは15塩基以上であり、より好ましくは18塩基以上であることが望ましい。
また、プライマーにおいても、鎖長は、特に限定されないが、例えば、15〜40塩基、好ましくは17〜30塩基であることが望ましい。前記プライマーは、PCR法をはじめとする種々の遺伝子増幅法に使用することが可能であり、これによって、得られる構成的プロモーター活性を有するDNAも本発明に包含される。
また、ハイブリダイゼーション操作の詳細は、例えば、1989年、コールド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー(Cold Spring Harbor Laboratory)発行、T.マニアティス(T.Maniatis)ら編集、モレキュラー・クローニング:ア・ラボラトリー・マニュアル 第2版(Molecular Cloning:A Laboratory Manual 2nd ed.)に記載されている。
前記(a)及び(b)のDNAの長さは、前記ステップ▲1▼〜▲4▼のプロセスにより構成的プロモーター活性が認められる長さであればよく、例えば、500塩基以下のものが例示される。
また、本発明のDNAには、配列番号:1又は2に示される塩基配列に少なくとも80%、好ましくは、90%、より好ましくは、95%の配列同一性を有する塩基配列を有し、かつ構成的プロモーター活性を有するDNAも含まれる。より具体的には、配列番号:1に示される塩基配列に少なくとも80%、好ましくは、90%、より好ましくは、95%の配列同一性を有し、かつ構成的プロモーター活性を有するDNA、配列番号:2に示される塩基配列に少なくとも80%、好ましくは、90%、より好ましくは、95%の配列同一性を有し、かつ構成的プロモーター活性を有するDNA等が例示される。かかるDNAは、例えば、前記ステップ▲1▼〜▲4▼のプロセスにより構成的プロモーター活性が認められるものであればよい。
前記「配列同一性」とは、2つのポリヌクレオチド間の残基の配列類似性をいう。前記「配列同一性」は、比較対象の塩基配列の領域にわたって、最適な状態にアラインメントされた2つの塩基配列を比較することにより決定されうる。ここで、比較対象のポリヌクレオチドは、2つの配列の最適なアラインメントのための参考配列(例えば、コンセンサス配列など)と比べて、付加又は欠失(例えば、ギャップ、オーバーハングなど)を有していてもよい。
配列同一性の数値(パーセンテージ)は、両方の配列に存在する同一の核酸塩基を決定して、適合部位の数を決定し、ついで、比較対象の配列領域内の塩基の総数で、前記適合部位の数を割、得られた数値に100をかけることにより、算出されうる。最適なアラインメント及びホモロジーを得るためのアルゴリズムとしては、例えば、スミス(Smith)らの局所ホモロジーアルゴリズム〔Add.APL.Math.、第2巻、第482頁(1981)〕、ニードルマン(Needleman)らのホモロジーアラインメントアルゴリズム〔ジャーナル オブ モレキュラー バイオロジー(Journal of Molecular Biology)、第48巻、第443頁(1970)〕、パールソン(Pearson)らの相同性検索法〔プロシーディングス オブ ザ ナショナル アカデミー オブ ジ USA(Proceedings of the National Academy of Sciences of the USA)、第85巻、第2444頁(1988)〕が挙げられる。より具体的には、ダイナミックプログラミング法、ギャップペナルテイ法、Smith−Watermanアルゴリズム、Good−Kanehisaアルゴリズム、BLASTアルゴリズム、FASTAアルゴリズム等が挙げられる。
核酸間の配列同一性は、例えば、配列解析ソフト、具体的には、BLASTN、FASTAなどを用いて測定される。前記BLASTNは、ホームページアドレスhttp://www.ncbi.nlm.nih.gov/BLAST/において、FASTAはホームページアドレスhttp://www.ddbj.nig.ac.jpにおいて、一般に利用可能である。
本発明のDNAにより、さらに、前記DNAと外来遺伝子とが、該外来遺伝子が発現可能な状態で配置されてなる組換えDNAが提供される。かかる組換えDNAも本発明に含まれる。
本明細書において、外来遺伝子とは、本発明のDNAの由来生物とは異なる起源の遺伝子;本発明のDNAに対して異質である遺伝子;後述のように、適切な宿主に導入することにより本発明のDNAを用いる場合には、該宿主にとって、異質である遺伝子のいずれをも含むことを意図する。
前記外来遺伝子としては、特に限定されないが、例えば、タンパク質をコードする核酸、アンチセンスRNAをコードする核酸、リボザイムをコードする核酸等が挙げられる。かかる外来遺伝子の起源は、特に限定されないが、例えば、細菌類、酵母類、放線菌類、糸状菌類、子嚢菌類、担子菌類等の微生物;植物;昆虫;動物等が挙げられ、更に目的に応じ、人工的に合成した遺伝子も挙げられる。
タンパク質をコードする核酸としては、例えば、酵素、サイトカイン類、抗体等をコードする核酸が挙げられ、より具体的には、例えば、インターロイキン1〜12遺伝子、インターフェロンα、β若しくはγ遺伝子、腫瘍壊死因子遺伝子、コロニー刺激因子遺伝子、エリスロポエチン遺伝子、形質転換増殖因子−β遺伝子、免疫グロブリン遺伝子、組織プラスミノーゲン活性化因子遺伝子、ウロキナーゼ遺伝子、西洋ホタルルシフェラーゼ遺伝子等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本明細書でいう「リボザイム」とは、特定のタンパク質のmRNAを切断するものをいい、これら特定のタンパク質の翻訳を阻害するものをいう。リボザイムは特定のタンパク質をコードした遺伝子の配列より設計可能である。例えば、ハンマーヘッド型リボザイムは、フェブス レター(FEBS Letter)、第228巻、第228〜230頁(1988)に記載の方法を用いて作製されうる。また、ハンマーヘッド型リボザイムだけでなく、ヘアピン型リボザイム、デルタ型リボザイム等のリボザイムの種類に関わらず、特定のタンパク質のmRNAを切断するもので、これら特定のタンパク質の翻訳を阻害するものであれば、本明細書におけるリボザイムに含まれる。
本明細書において、「外来遺伝子が発現可能な状態」とは、該外来遺伝子が、本発明のDNAにより発揮されるプロモーター活性の制御下にあることを意味する。
本発明のDNAの取得方法としては、例えば、(1)後述の実施例に記載のように、生物から単離する方法;(2)配列番号:1又は2に示される塩基配列を基づく適切なプローブ又はプライマーを用いて、生物のゲノムDNAから選抜する方法;(3)配列番号:1又は2に示される塩基配列を基に、化学合成する方法等が挙げられる。
化学合成により配列番号:1又は2に示される塩基配列からなるDNAを作製する場合、例えば、慣用のホスホロアミダイト法等により、化学合成したオリゴヌクレオチドを酵素的に連結させることにより、前記DNAを合成しうる。具体的には、例えば、下記工程:
(1)配列番号:1又は2に示される塩基配列を網羅しうる数十種類のオリゴヌクレオチドA(nは、正の整数を示す)と、
該Aの配列から3’側又は5’側に数塩基ずれた塩基配列に相補的な配列からなる該Aと同鎖長のオリゴヌクレオチドであって、該オリゴヌクレオチドAのアニーリングにより、5’突出末端又は3’突出末端を有する二本鎖DNAを生じる相補鎖オリゴヌクレオチドa(nは、正の整数を示す)とを、それぞれ、慣用の化学合成法により合成する工程;
〔例えば、配列番号:1に示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドを作製する場合、
前記Aは、配列番号:1の塩基番号:1〜20(A)、21〜40(A)、41〜60(A)、61〜80(A)、81〜100(A)、101〜120(A)、121〜140(A)、141〜160(A)、161〜180(A)、181〜200(A10)及び201〜223(A11)のそれぞれからなるオリゴヌクレオチドであり、
前記aは、配列番号:1の塩基番号:1〜23(a)、24〜43(a)、44〜63(a)、64〜83(a)、84〜103(a)、104〜123(a)、124〜143(a)、144〜163(a)、164〜183(a)、184〜203(a10)、204〜223(a11)のそれぞれからなるオリゴヌクレオチドの相補鎖である〕
(2)ATPと慣用のT4ポリヌクレオチドキナーゼとを用いて、前記工程(1)で得られた各オリゴヌクレオチドAと対応する相補鎖オリゴヌクレオチドaとのそれぞれの5’末端をリン酸化する工程;
(3)前記工程(2)で得られた各オリゴヌクレオチドAと対応する相補鎖オリゴヌクレオチドaとをアニーリングさせて、数十種類の「5’突出末端又は3’突出末端を有する二本鎖DNA(A)」を得る工程;
(4)前記工程(3)で得られた二本鎖DNA(A)について、nの昇べきの順に、配列番号:1又は2に示される塩基配列に対応して、数ブロックに分け、各ブロックに対応するように、前記工程(3)で得られた二本鎖DNA(A)を1つのチューブにまとめる工程;
〔例えば、配列番号:1に示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドを作製する場合、
オリゴヌクレオチドA〜Aと相補鎖a〜aとのチューブ、
オリゴヌクレオチドA〜Aと相補鎖a〜aとのチューブ、
オリゴヌクレオチドA〜A11と相補鎖a〜a11とのチューブ、
を設定する〕
(5)前記工程(4)の各ブロックに対応するチューブ毎に、二本鎖DNAをライゲーションして、それにより、各ブロックに対応する二本鎖DNAを得る工程;
(6)前記工程(5)で得られた二本鎖DNAをゲル電気泳動に供し、各ブロックに対応する目的の鎖長を有する二本鎖DNAのバンドをゲルから抽出する工程;
(7)前記工程(6)で得られた各ブロックに対応する目的の鎖長を有する二本鎖DNAを1つにまとめ、ライゲーションする工程;
(8)前記工程(7)で得られたDNAについて、ゲル電気泳動により鎖長を調べること、及び/又は塩基配列解析を行なうことにより、配列番号:1又は2に示される塩基配列からなるDNAであることを確認する工程;
を行なうことにより、本発明のDNAを得ることができる。
本発明のDNAは、遺伝子発現を誘導しなくても、該遺伝子を高レベルで発現することができるプロモーターであるため、特にタンパク質をコードする核酸である外来遺伝子の発現に好適である。
また、本発明のDNAにより、DNAを少なくとも含有してなる遺伝子発現用ベクターが提供される。かかる遺伝子発現用ベクターも本発明に含まれる。
本発明の遺伝子発現用ベクターによれば、本発明のDNAを含有しているため、目的遺伝子産物を、宿主が生産する全細胞内タンパク質量の少なくとも約30〜50%のレベルで構成的に発現することができ、かつ目的遺伝子産物をその使用目的等に応じて容易に発現させることが可能になる。
本発明の遺伝子発現用ベクターの具体例としては、pHCE19T(II)〔第5図〕、pHCE19(II)〔第7図〕が挙げられる。
なお、前記(プラスミドpHCE19T(II)で形質転換された大腸菌JM109は、Escherichia coli JM109/pHCE19T(II)として命名・表示され、平成12年4月14日(原寄託日)より、ブダペスト条約の下、日本国茨城県つくば市東1丁目1−1 中央第6(郵便番号305−8566)の独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センターに、受託番号:FERM BP−7535として寄託されている。また、前記プラスミドpHCE19(II)で形質転換された大腸菌JM109は、Escherichia coli JM109/pHCE19(II)と命名・表示され、平成12年4月14日(原寄託日)より、ブダペスト条約の下、日本国茨城県つくば市東1丁目1−1 中央第6(郵便番号305−8566)の独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センターに、受託番号:FERM BP−7534として寄託されている。本発明の遺伝子発現用ベクターの1例であるpHCE19T(II)及びpHCE19(II)は、かかる寄託大腸菌より入手することもできる。
本発明の遺伝子発現用ベクターにおいて、ベクターとしては、プラスミドベクター、ファージベクター、ウイルスベクターが挙げられる。前記ベクターは、宿主として用いられる細胞により適宜選択することができる。
宿主として用いられうる細胞としては、大腸菌及びバチルス属細菌が挙げられる。具体的には、大腸菌としては、Escherichia coli K−12系統のHB101株、C600株、JM109株、DH5 α株、DH10B株、XL−1BlueMRF’株、TOP10F株等が挙げられる。また、バチルス属細菌としては、バチルス スピーシーズ(Bachillus sp.)、バチルス サブチリス(Bachillus subtilis)、バチルス ステアロサーモフィラス(Bachillus stearothermophilus)等が挙げられるが、これらに限定されるものではなく、これら大腸菌又はバチルス属細菌を変異処理等を行ない、得られたものも宿主として用いることができる。
前記ベクターとしては、例えば、宿主が大腸菌である場合、プラスミドベクターとして、pUC18、pUC19、pBluescript、pET等が、ファージベクターとして、λgt10、λgt11等のラムダファージベクター等が挙げられる。
本発明の遺伝子発現用ベクターの構築には、前記モレキュラークローニング:ア ラボラトリーマニュアル第2版等に記載の手法を利用することができる。例えば、第4図に示される構築の概略に従って、作製することができる。すなわち、前記好熱性バチルス・スピーシーズSK−1のD−AAT遺伝子の上流域の5’−プロモーターとSD(Shine−dalgano)配列とを含むDNA断片(350bp)を、下記プライマー〔primer1(配列番号:5)及びprimer2(配列番号:6)〕:
Figure 0004079640
を用いたPCR法により増幅する。
ついで、増幅されたプロモーターを含む断片を、HindIIIとBam HIとで消化し、精製する。得られた断片を、Hind IIIとBam HIとで消化されたpUC19の大きい方の断片に連結して、pHUC19Tを作製する。ついで、発現ベクターpTrc99A由来の強い転写ターミネーターrrnBT1T2を含むNcoI−ScaI断片を、pHUC19TのNco I−EcoR I(filling−in)部位に挿入して、遺伝子発現用ベクターpHCE19T(II)を得ることができる(第5図)。なお、DNA塩基配列決定によって、プロモーター領域の配列を確認することができる。また、primer2の代わりに、下記primer3(配列番号:7):
Figure 0004079640
を用いて、前記と同様に、SD配列とNcoI部位との間の長さがpHCE19T(II)とは異なる遺伝子発現用ベクターpHCE19(II)を得ることができる(第6図及び第7図)。
また、上記のpHCE19(II)は、pHCE19T(II)のSD配列とNcoI部位の間の塩基配列:5’−gatata−3’を、公知の変異導入方法によって5’−gctggaac−3’に変異させることによっても得ることができる。
本発明の遺伝子発現用ベクターは、rrnBT1T等のターミネーター、選択可能なマーカー遺伝子等を含んでもよい。
選択マーカーとしては、アンピシリン耐性遺伝子、カナマイシン耐性遺伝子、クロラムフェニコール耐性遺伝子等が挙げられる。
また、本発明の遺伝子発現用ベクターは、目的遺伝子産物の使用目的に応じて、例えば、目的遺伝子の産物の単離操作の簡便化をはかるために、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ、マルトース結合タンパク質等の異種タンパク質との融合タンパク質として発現できるような配列、あるいはヒスチジンタグ等が付加されたタンパク質として発現できるようなタグ配列を含有してもよい。
本発明の遺伝子発現用ベクターは、例えば、配列番号:3又は4に示された塩基配列を有するベクターが挙げられる。
さらに、本発明により、前記組換えDNAを含有した発現ベクターが提供される。かかる発現ベクターも本発明に含まれる。また、本発明の発現ベクターには、前記遺伝子発現用ベクターに目的遺伝子を組み込むことにより得られた構築物をも含まれる。
前記遺伝子発現用ベクターで挙げられたベクターと同様のベクターを使用できる。
本発明の発現ベクターは、(a)前記組換えDNAを適当なベクターに組み込むこと、(b)前記遺伝子発現用ベクターに目的遺伝子を組み込むこと、により作製することができる。
また、本発明の組換えDNA及び発現ベクターにより、さらに、前記組換えDNAを保持してなる形質転換細胞、あるいは前記発現ベクターを保持してなる形質転換細胞も提供することができる。
宿主としては、前出「宿主として用いられうる細胞」と同様な細胞が挙げられる。
組換えDNAの宿主への導入は、例えば、文献〔ビロロジー(Virology),第52巻,第456頁(1973),モレキュラー アンド セルラー バイオロジー(Molecular and Cellular Biology),第7巻,第2745頁(1987),ジャーナル オブ ザ ナショナル キャンサー インスティテュート(Journal of the National Cancer Institute),第41巻,第351頁(1968),エンボ ジャーナル(EMBO Journal),第1巻,第841頁(1982)〕記載の方法により行ないうる。
発現ベクターの宿主への導入は、例えば、リン酸カルシウム法[モレキュラー アンド セルラー バイオロジー(Molecular and Cellular Biology)、第7巻、第2745頁(1987)]、電気穿孔法[プロシーディングス オブ ナショナル アカデミー オブ サイエンシーズ オブ ザ USA、第81巻、第7161頁(1984)]、DEAE−デキストラン法[メソッズ イン ヌクレイック アシッズ リサーチ(Methods in Nucleic Acids Research)、第283頁、カラムら編、CRCプレス、1991年発行]、リポソーム法[バイオテクニークス(BioTechniques)、第6巻,第682頁(1989)]等により行なうことができる。
さらに、本発明の形質転換細胞によれば、形質転換細胞を培養して、得られた培養物からタンパク質を採取することを特徴とする、タンパク質の製造方法が提供される。かかる「タンパク質の製造方法」も本発明に含まれる。
より具体的には、(I)a)本発明のDNAの下流にタンパク質をコードする核酸が発現可能に配置された組換えDNA、又は
b)該組換えDNAを含有したベクター
を用いて、宿主細胞を形質転換する工程、
(II)(I)で得られた形質転換細胞を、該タンパク質の発現に適した条件下に培養して、得られた培養物から該タンパク質を採取する工程、
により、タンパク質を製造することができる。
形質転換細胞の培養の条件は、宿主として用いられた細胞、発現対象のタンパク質の性質等により適宜選択することができる。
得られたタンパク質は、慣用のタンパク質の精製手段により精製することができる。かかる精製手段としては、例えば、塩析、イオン交換クロマトグラフィー、疎水クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィー等が挙げられる。
また、本発明のタンパク質の製造方法には、本発明のDNA又は本発明の遺伝子発現用ベクターを含有した、タンパク質の製造用キットを使用することができる。かかるキットにより、より簡便にタンパク質の製造方法を行なうことができる。
以下、本発明を実施例により、詳細に説明するが、本発明は、かかる実施例に限定されるものではない。
実施例1 D−アミノ酸アミノトランスフェラーゼ生産好熱性細菌のスクリーニングとキャラクタリゼーション
D−アミノ酸の酵素的合成及びD−アミノ酸の産業的生産に有用な生体触媒を得るため、韓国の土壌から単離された1,300の好熱性細菌について、D−アミノ酸アミノトランスフェラーゼ(D−AAT)活性を解析した。
D−アラニンとα−ケトグルタル酸とからのピルビン酸形成の速度を測定することにより、D−AAT活性を決定した。ピルビン酸の量は、乳酸デヒドロゲナーゼとのカップリング法またはサリチルアルデヒド法〔アナリティカル バイオケミストリー(Analytical Biochemistry),第27巻,第1659〜1660頁(1995);メソッズ イン エンザイモロジー(Methods in Enzymology),第113巻,第108頁(1985)〕により決定した。
活性測定には、100mM トリス塩酸(pH8.5)中、50mMのピリドキサール−5’−リン酸と、100mM D−アラニンと100mMのα−ケトグルタル酸とを含んだ反応混合物を用いた。乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH)カップリングアッセイの場合、0.3mMのNADHと5ユニット/ml LDHを含めた。酵素活性の1ユニットは、1分間に1mmolのピルビン酸の形成を触媒する酵素の量として定義した。タンパク質濃度は、標準としてウシ血清アルブミンを使用するブラッドフォード〔アナリティカル バイオケミストリー、第72巻,第248〜254頁(1976)〕の方法によって決定した。
種々の環境から単離された好熱性細菌由来のD−AAT活性を検索した結果、110株のD−AAT生産株を得た。それらのほとんどは、好気条件で生育し、内性胞子形成するため、おそらくバチルス属の種に属していると考えられた。
ついで、D−AAT生産菌株の酵素活性と熱安定性を比較した。その結果、D−アミノ酸生産のためのタンパク質生体触媒の生産菌株として4つの好熱菌:より高い比活性を有する2つの好熱性細菌、バチルス・スピーシーズLK−1及びLK−2、並びに前記D−AAT生産株より高い熱安定性を有する2つの好熱性細菌、バチルス・ステアロサーモフィラスKL−01及びバチルス・スピーシーズSK−1株を選択した。D−AAT活性を呈した陽性株の中で、最も高い活性を示す2株LK1及びLK2を分類学的同定に供し、YM1株と形態学的特徴及び生化学的特徴〔Kor.J.Microbiol.Biotechnol.,第27巻,第184〜190頁(1999)〕に非常に類似していることがわかった。特に、前記2株は、YM1株のように65℃で生育できなかった。異なるバチルス由来D−AATのウエスタンブロット解析において、LK1とLK2酵素は、YM1 D−AATに対する抗体との強い相互作用を示し、単離された2つのD−AATの移動距離は、YM1由来のD−AATの移動距離(分子量:約31kDa)と同じものであった(第1図)。
一方、65℃で生育する好熱性バチルス株のD−AATは、相対的に弱い免疫ブロットシグナルを示し、D−AATの移動距離は、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動解析(第1図)において32〜34kDaの分子量を示すYM1 D−AATの移動距離とは明らかに異なっていた。65℃で生育するバチルス株のD−AAT活性は、0.02ユニット/mgタンパク質以下であり、LK1及びLK2のD−AAT活性の約5分の1であった〔Kor.J.Microbiol.Biotechnol.,第27巻,第184〜190頁(1999)〕。65℃で生育するバシラス群由来のD−AATの特性を解明するために、本実験において、D−AATの供与源としてSK−1株を選択した。
実施例2 耐熱性D−アミノ酸アミノトランスフェラーゼを生産している好熱性バチルス・スピーシーズSK−1のキャラクタリゼーション
単離されたバチルス・スピーシーズSK−1は、シンビオバクテリウム・トエビ(Symbiobacterium toebii)株と、絶対共生相互作用を有していた。前記SK−1株の諸性質を以下に示す:
菌学的性質
好気性、グラム陽性、運動性桿菌
ゲノムDNAのGC含量:43.9モル%
至適生育条件
温度:45〜70℃(至適温度:60℃)
pH:6.0〜9.0(至適温度:pH7.5)
細胞壁にメソ−ジアミノピメリン酸が存在
主要な細胞脂肪酸として、分枝脂肪酸iso−15:0及びiso−17:0の存在
主要なイソプレノイド・キノン:MK−7
16SリボソームDNAの比較配列解析
バチルス・サーモグルコシダシウス(Bacillus thermoglucosidasius)と密接な関係を有する
実施例3 好熱性バチルス・スピーシーズSK−1由来の耐熱性D−アミノ酸アミノトランスフェラーゼの遺伝子クローニングとキャラクタリゼーション
1)菌株とプラスミド
バチルス・スピーシーズSK−1を、MY培地〔組成:1.5%のポリペプトン、0.2%酵母エキス、0.2%肉エキス、0.2%グリセロール、0.2% KHPO、0.2% KHPO、0.026% NHCl(pH7.0)〕中、好気条件下に60℃で培養した。D−AAT遺伝子のクローニングのために、バチルス・スピーシーズSK−1〔絶対共生の好熱性細菌シンビオバクテリウム・トエビ(Symbiobacterium toebii)SC−1の共生細菌〕をDNA供与体として使用した。大腸菌WM335株〔leu,pro,his,arg,thyA,met,lac,gal,rspL,hsdM,hsdR,murI〕(D−グルタミン酸栄養要求株)、遺伝子相補性方法〔ジャーナル オブ バクテリオロジー(Journal of Bacteriology),第114巻,第499〜506頁(1973)〕のための宿主株として使用した。必要に応じて、アンピシリン(100mg/ml)とD−グルタミン酸(100mg/ml)とを補ったルリア−ベルタニ(Luria Bertani)培地で前記バチルス・スピーシーズSK−1を培養した。
プラスミドpBluescript II SKとpBluescript II KSについては、ストラタジーン(Stratagene)社から購入し、プラスミドpUC118とpUC119とは宝酒造社から購入した。D−AAT遺伝子のサブクローニングとシークエンスのための宿主株として、大腸菌XL1−Blue〔ストラタジーン社製〕を使用した。
2)バシラスsp.SK−1由来D−AATの遺伝子クローニング
バチルス・スピーシーズSK−1のゲノムDNAを、斎藤ら〔バイオキミカ エ バイオフィジカ アクタ(Biochimica et Biophysica Acta)、第72巻,第619〜629頁(1963)〕によって記述されたように調製し、ついで、得られたDNAをSau3AIで部分消化した。ベックマン(Beckman)社製のSW40ローター中シュークロースグラジェント〔5〜40%(w/v)〕での25,000rpm、20時間の遠心分離により、3〜10kbのDNAフラグメントを単離した。ついで、得られたフラグメントとBamHI消化pUC118とを、T4DNAリガーゼ用いて、12時間16℃反応させて連結した。得られたライゲーション混合液を用いて、D−グルタミン酸−依存栄養要求株(大腸菌WM335)をエレクトロポレーションにより形質転換した。これにより、バチルス・スピーシーズSK−1のゲノムDNAライブラリーを得た。ゲノムDNAライブラリーから、WM335の相補性により、35個のD−グルタミン酸非依存性、アンピシリン耐性コロニーを得た。
ジェットスター2.0プラスミド・ミディ・ピュリフィケーションキット〔商品名:JetStar 2.0 Plasmid Midi purification kit,ゲノムド(Genomed)社製〕を用いて、各コロニーのプラスミドDNAを精製した。
単離プラスミドを用い、大腸菌XL1−Blue細胞を再形質転換した。その後、形質転換細胞を培養し、実施例1と同様の測定法により、D−AAT活性をアッセイした。
D−AAT活性を示す12クローンの中で、最も高いD−AAT活性〔35ユニット/mgタンパク質(0.02のユニット/mgタンパク質を示すバチルス・スピーシーズSK−1の無細胞抽出液より1750倍高い活性である)〕の1クローン(pDSK2)は、3.6kbの挿入断片を含んでいた。D−AAT遺伝子のサブクローニングのために、プラスミドpDSK2を制限解析に供した。その結果、pDSK2のD−AAT活性は、1.7kbのEcoRI−XhoIフラグメントに帰属していた(第2図)。pBluescript II SKとpBluescript II KSに前記1.7kbのフラグメントをサブクローン化して、それぞれpDSK231とpDSK232とを構築した。pDSK231に逆方向で挿入断片を含むプラスミドpDSK232は、同様のレベルのD−AAT活性を生じ、本遺伝子がそれ自身のプロモーターによって構成的に発現されたことを示した。
バチルス・スピーシーズSK−1由来のD−AAT遺伝子の塩基配列については、PRISMキット〔パーキンエルマー(Perkin Elmer)社製〕とアプライドバイオシステムズ373 A DNAシーケンサーとを用いて、両方のDNA鎖におけるプライマーウォーキング法により決定した。開始プライマーについては、pBluescript II SKのユニバーサルプライマー及びリバースプライマーであり、内部配列に特異的なプライマーは、コリア・バイオテック社(韓国)で合成した。決定された配列を、ソフトウェア・ジェネティックス−マック(S.D.S社製)を使って分析した。
3)精製
100mg/mlアンピシリンを含むLB培地(1リットル)中、pDSK2を保持した大腸菌XL1−Blueを16時間37℃で培養した。得られた菌体を遠心分離により回収し、ついで、回収された菌体を50mlの標準緩衝液〔終濃度0.01%のβ−メルカプトエタノールと終濃度20mMのピリドキサール−5’−リン酸(PLP)とを含む30mMトリス塩酸(pH8.0)〕に懸濁した。ソニファイヤー(Sonifier)450〔ブラソンウルトラソニックス(Brason Ultrasonics)社製〕を用いて、氷上で20%の効率で10分間、得られた懸濁物を破砕した。15000rpm、60分間の遠心分離の後、上清を回収し、20分間、60℃で熱処理した。15000rpm、10分間の遠心分離により、タンパク質凝集物を除去した。
得られた上清を、前記標準緩衝液で平衡化したResource Q陰イオン交換カラム〔ファルマシア(Pharmacia)社製〕にかけた。タンパク質を、0〜1M NaClリニアグラジェントで溶出した。D−AAT活性を示す画分をプールし、限外濾過〔アミコン(Amicon)社製〕によって濃縮した。得られたタンパク質溶液を、1.7M硫酸アンモニウムを含むように処理され、1.7M硫酸アンモニウムを含む標準緩衝液で平衡化したPhenyl−Superoseカラム〔ファルマシア社製(Pharmacia)〕にかけた。タンパク質は、1.7〜0M硫酸アンモニウム濃度のリニアグラジェントによって溶出された。D−AAT−活性画分を回収して、濃縮し、ついで得られた濃縮物を標準緩衝液に対して透析した。得られた画分をディープフリーザー(−80℃)に保存した。全てのカラム手順は、室温でFPLCシステム〔ファルマシア(Pharmacia)社製〕で行なった。
プラスミドpDSK2を保持する大腸菌XL1−Blue由来の画分は、分子量34kDaの非常に厚いタンパク質バンドを示した(第3図)。イメージアナライジングシステム〔バイオラッド(Biorad)社製〕により34kDa−バンドを定量した結果、発現タンパク質の量は、全大腸菌タンパク質の約60%であった。
実施例4 構成発現系(遺伝子発現用ベクター)の構築
外来遺伝子を構成的に発現しうる遺伝子発現用ベクターの構築は、市販のゲル精製及びプラスミド精製用の酵素、ゲル精製用キット及びプラスミド精製用キットを用いた。また、特に明記しないかぎり、例えば、モレキュラー・クローニング・ア・ラボラトリー・マニュアル 第2版〔T.マニアティス(T.Maniatis)ら編集,Molecular Cloning:A Laboratory Manual 2nd ed.)等に記載の慣用の技術により構築した。
第4図に遺伝子発現用ベクターpHCE19T(II)の構築の概略を示す。前記好熱性バチルス・スピーシーズSK−1のD−AAT遺伝子の上流域の5’−プロモーターとSD(Shine−dalgano)配列とを含むDNA断片(350bp)を下記プライマー〔primer1(配列番号:5)及びprimer2(配列番号:6)〕:
Figure 0004079640
を用いたPCR法により増幅した。
増幅されたプロモーターを含む断片を、Hind IIIとBam HIとで消化し、精製した。得られた断片を、Hind IIIとBam HIとで消化したpUC19の大きい方の断片に連結して、pHUC19Tを作製した。ついで、発現ベクターpTrc99A由来の強い転写ターミネーターrrnBT1T2を含むNcoI−ScaI断片を、pHUC19TのNco I−EcoR I(filling−in)部位に挿入して、遺伝子発現用ベクターpHCE19T(II)を得た(第5図)。なお、DNA塩基配列決定によって、プロモーター領域の配列を確認した。
また、primer2の代わりに、下記primer3(配列番号:7):
Figure 0004079640
を用いて、前記と同様に、SD配列とNcoI部位との間の長さがpHCE19T(II)より2b長い遺伝子発現用ベクターpHCE19(II)を得た(第6図及び第7図)。
上記で作製した遺伝子発現用ベクターpHCE19T(II)の塩基配列を配列表の配列番号:3に示し、翻訳開始コドンATGより上流のプロモーター領域である223bpを配列表の配列番号:1に示す。
また、同様にして作製した遺伝子発現用ベクターpHCE19(II)の塩基配列を配列表の配列番号:4に示し、翻訳開始コドンATGより上流のプロモーター領域である225bpを配列表の配列番号:2に示す。
実施例5 構成発現系を用いたトリプトファンインドールリアーゼの大量生産
本実施例において、前記pHCE19T(II)を用いて、好熱性細菌シンビオバクテリウム・トエビ(Symbiobacterium toebii)SC−1由来のトリプトファンインドールリアーゼ(以下、TNAともいう)のクローン化TNA遺伝子の大腸菌における大量生産を試みた。また、バッチ培養操作を用いて、TNAの生産を最大にするために、組換え大腸菌の培養条件を調べた。
1)TNA遺伝子を有する構成発現ベクターの構築
第8図のストラテジーに示すように、前記pHCE19T(II)を用いて、シンビオバクテリウム・トエビSC−1由来のTNA遺伝子を保持した構成発現ベクターpHCE19T(II)−TNAを作製した。
TNA遺伝子を保持するpTNAを鋳型とし、PCR法によりTNA遺伝子を増幅した。用いたプライマーは、下記:
Figure 0004079640
である。
増幅されたTNA遺伝子をHind IIIで消化し、精製した。また、pHCE19T(II)をNcoIで消化し、クレノーフラグメントで末端修復し、HindIIIで再消化した。得られたTNA遺伝子をpHCE19T(II)の大きい方の断片に連結して、pHCE19T(II)−TNAを得た。
2)形質転換細胞の調製
ジーン・パルサー装置(バイオラッド社製(Bio−Rad))を用い、宿主として大腸菌HB101〔supE44,hsd20(rB−mB−),recA13,ara−14,proA2,lacY1,galK2,rpsL20,xyl−5,mtl−1,leuB6,thi−1〕を前記pHCE19T(II)−TNAで形質転換した。
形質転換細胞は、10g/lのトリプトファン〔ディフコ(Difco)社製〕、5g/lの酵母エキス〔ディフコ(Difco)社製〕及び10g/lの塩化ナトリウムを含むLB培地で培養した。
3)酵素溶液の調製
前記2)の形質転換細胞を5,000×g20分間の遠心分離により回収し、得られた菌体を50mM リン酸カリウム緩衝液(pH8.5)で洗浄した。得られた細胞を0.1mM PLPと10mM 4−アミノフェニル−メタノスルフォニルフルオリドとを含む50mM リン酸カリウム緩衝液(pH8.5)に懸濁した。得られた細胞をブランソン・ソニファイヤー〔ブランソン ウルトラソニックス(Branson Ultrasonics)社製〕を用いて超音波破砕した。ついで、得られた細胞ライゼートを20,000×g60分間で遠心分離して細胞残渣を除去し、得られた上清を0.05mM PLPを含む20mMリン酸カリウム緩衝液(pH8.5)で透析した。透析後の溶液を65℃、30分間加熱して、大腸菌由来のトリプトファンインドールリアーゼを含む熱変性した大腸菌タンパク質を除去し、氷上で冷却した。タンパク質凝集物を5,000×g、20分間の遠心分離により除去し、得られた上清を、酵素溶液とした。前記酵素溶液を、使用時まで−20℃で保存した。
4)L−トリプトファン合成活性測定
25mMインドール、100mMピルビン酸ナトリウム及び500mM塩化アンモニウム(pH8.5)を含む混合物中で、TNAのL−トリプトファン合成活性を測定した。酵素溶液の添加により、反応を開始され、0.05mlの5N HClの添加により65℃で20分インキュベーションの後、反応を停止した。形成されたL−トリプトファンを、逆相カラム(ウォーターズ社製、商品名:μBondapak C18)を充填したHPLCにより測定した。5%(v/v)メタノール、2%(v/v)酢酸及び0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH6.5)を含む溶液を用い、流速1ml/分で溶出を行なった。タンパク質の検出は、280nmで吸光度計により行なった。酵素の1ユニットは、前記条件下、1分間あたり1μmolのL−トリプトファンを合成する酵素量として定義した。比活性を酵素1mgあたりのユニットとして表した。タンパク質濃度を、ウシ血清アルブミン〔シグマ(Sigma)社製〕を標準物質としてブラッドフォード法により決定した。
5)L−トリプトファンの生産
攪拌槽型リアクターにより、L−トリプトファンの生産を行なった。基質インドールの酸化を阻害するため、、窒素ガスを酵素リアクターに充填した。反応温度は、ウォータージャケットを介して水循環させ、37℃に制御した。基質の枯渇を防ぐために、インドールの濃度をHPLCにより決定した後、インドールとピルビン酸ナトリウムとを断続的に反応溶液に供給した。
6)細胞の生育曲線
細胞培養物の光学密度(OD)を吸光光度計〔商品名:BioChrom4060、ファルマシア社製〕を用いて600nmで測定した。
7)TNAの大量生産
前記1)〜6)に従い、pHCE19T(II)−TNAを保持した大腸菌(HB101/pHCE19T(II)−TNA)を用いてTNAの生産を行なった。その結果、第9図に示すように、大腸菌の全細胞内タンパク質の約40%の含有量で発現した。バッチ培養での高い細胞生育でのTNAの大量生産を達成するために、大腸菌HB101/pHCE19T(II)−TNAを50g/lのグリセロールを含む複合培地で培養した。
2.5Lの発酵槽中37℃における大腸菌HB101/pHCE19T(II)−TNAのバッチ培養プロファイルを第10図に示す。図中、白丸は細胞の乾燥重量(g/L)、白上三角はTNAの合成活性(ユニット/ml)、白下三角はグリセロール濃度(g/L)を示す。3時間培養後、TNAの生産は、細胞の生育にともない増加した。20時間培養時点において、細胞生育速度とTNAの生産率は、最大レベルに達した。最終細胞濃度は、24時間で600nmの吸光度で75に達し、TNAの最大活性は3.450ユニット/mlに達した。かかるTNAの生産レベルは、lac系プロモーターを有するプラスミドを保持した細胞をLB培地中IPTG誘導条件下に培養した場合の生産レベルの9.2倍量に増加した。
SDS−PAGE後、タンパク質バンドをスキャニングデンシトメーターにより解析した結果、可溶性酵素の含有量は、大腸菌抽出物における全細胞内タンパク質の約40%であると推定された。細胞に発現したTNAの多くは、可溶型として生産された。
大腸菌HB101/pHCE19T(II)−TNAの粗抽出物のL−トリプトファン合成比活性は、約0.15ユニット/mg細胞であった。この結果は、耐熱性トリプトファンインドールリアーゼを含む耐熱性酵素が構成的プロモーターにより効率よく発現されうることを示唆する。
実施例6 L−トリプトファンの生産における種々の反応条件の影響
1)温度
TNAの熱安定性を調べるために、TNAを50mMリン酸カリウム緩衝液(pH8.5)中、種々の温度で30分間インキュベートし、残存活性を測定した。60℃における無細胞抽出物の熱処理後に得られた酵素溶液を本実験の生体触媒として用いた。
第11図に示すように、本酵素は、60℃まで安定であり、熱処理後、酵素活性の95%を維持した。TNAの安定性は、L−トリプトファン合成における生産性を決定する主要な因子であると考えられるため、TNAは酵素法を改良することに優れた可能性を有するものと思われる。また、L−トリプトファンの最大合成反応温度は65℃であった。
2)pH
過剰塩化アンモニウム及びピルビン酸ナトリウムの存在下に、TNAによるL−トリプトファンの合成速度におけるpHの影響を調べた。種々のpHを有する各緩衝液中で反応を行なった。第11図に示すように、TNAの合成活性に対するpHの影響は、かなり大きく、L−トリプトファン合成に対するTNAの最大活性は、pH9.0に見られた。グリシン−NaOH緩衝液は、酵素反応への著しい阻害が観察された。
3)アンモニウムドナー
L−トリプトファンの合成における最も好適なアンモニウムドナーを選択するため、酢酸アンモニウム、塩化アンモニウム、クエン酸アンモニウム、ギ酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、シュウ酸アンモニウム、リン酸水素2アンモニウム及び硫酸アンモニウムなどの種々のアンモニウム塩をそれぞれ反応混合物に用いられた。結果を表1に示す。
Figure 0004079640
表1に示すように、塩酸アンモニウムが、L−トリプトファンの合成において最も好適なアンモニウムドナーであることが見出された。酢酸アンモニウム及びリン酸水素2アンモニウムの場合、塩酸アンモニウムを用いた場合のTNAノトリプトファン合成活性の約80%であった。また、L−トリプトファンの合成における0〜1.5Mの濃度範囲の塩化アンモニウムの影響を第12図パネル(A)に示す。合成活性は、塩化アンモニウム濃度に高く依存し、1.0〜1.5M塩化アンモニウム濃度とほぼ同様のレベルであった。
4)インドール濃度
耐熱性酵素は、化学変性剤に対して安定である傾向があるため、生体触媒として酵素を用いたバイオテクノロジー工程において顕著な利点を提供する。TNAの安定性を評価するため、耐熱性TNAの生産性におけるインドール濃度の影響を調べた。第12図パネル(B)に示すように、TNAのトリプトファン合成活性は、5mMインドール濃度まで増加したが、該活性は、該濃度後、インドールの毒性のために段階的に減少した。同時に、大腸菌のTNAは、3mMのインドールで完全に不活化された。この結果は、シンビオバクテリウム・トエビが、大腸菌に比べ、インドールによる酵素不活化に対して相対的に高い安定性を有することを示す。
5)ピルビン酸ナトリウム濃度
第12図パネル(C)は、0〜300mMの範囲の種々の濃度のピルビン酸ナトリウム濃度において、TNAによりL−トリプトファンの合成活性を調べた結果を示す。トリプトファン生産速度は、ピルビン酸ナトリウム濃度に比例して直線的に増加した。最大合成活性は、0.1Mピルビン酸濃度で得られた。前記濃度の後、トリプトファン合成速度は類似の値で安定した。
6)トリトン(Triton)TMX−100
トリトンX−100などのノニオン界面活性剤は、ミセルを形成してその内側にインドルを含み、L−トリプトファンの合成の酵素反応間、インドールのリザーバーとして機能する。したがって、トリトンX−100のL−トリプトファン生産速度における影響を調べ、トリトンX−100無しの反応混合物における生産速度と比較した。結果を第13図に示す。3%(v/v)のトリトンX−100を有する反応混合物においてL−トリプトファンの最大合成速度は50mMインドール濃度で得られ、かかる値は、トリトンX−100無しの反応混合物より10倍高かった。かかる濃度の後、L−トリプトファンの生産は、減少した。
7)L−トリプトファンの生産のための生体触媒の前処理の至適化
L−トリプトファンの生産における種々の生体触媒の効率を比較するため、無細胞抽出物、インタクト全細胞、透過細胞、及びアセトン乾燥細胞を含む生体触媒を5mMまたは25mMインドールを含む反応混合物に添加した。透過細胞は、トルエンまたはメタノールにより全細胞を処理し、ついで遠心分離することにより調製された。アセトン乾燥細胞は、アセトンでの全細胞の処理後、気流による細胞の乾燥により得られた。ピルビン酸ナトリウムの濃度及び塩化アンモニウムの濃度は、それぞれ、200mM及び1Mであった。
Figure 0004079640
表2に示すように、低濃度のインドール(5mM)で、L−トリプトファンは、全ての試験された生体触媒で効率よく合成された。同時に、高濃度のインドール(25mM)で、インタクト細胞のみが高いL−トリプトファン合成活性を示した。この場合、より低い活性の他の生体触媒は、酵素と高濃度の局在インドールとの直接的な相互作用を介した酵素の阻害に起因するものと思われる。この結果は、全細胞がL−トリプトファンの効率のよい生産に最も適する生体触媒であることを示す。したがって、TNAを過剰生産した全細胞がL−トリプトファンの生産用の生体触媒として用いられた。
8)全細胞生体触媒によるL−トリプトファンの生産
基質としてのピルビン酸は、45℃を超える温度では非常に不安定であり、かかる温度では、ピルビン酸は、乳酸デヒドロゲナーゼの存在下、NADHによる還元により推定された反応混合物において直ちに消失する。アンモニアによるイミン形成は、おそらく、ピルビン酸減少に応答しうる主要な反応であるが、さらなるピルビン酸の反応が起こることが除外できなかった。ピルビン酸の熱不安定性のため、合成反応は、65℃での反応を安定に進行できず、そのため、大量のL−トリプトファンを生産できない。したがって、L−トリプトファンの生産は、37℃の酵素リアクター中、11の反応混合物により実施された。
開始反応混合物は、1.0M塩化アンモニウム、100mMピルビン酸ナトリウム、30mMインドール、0.1mM PLP、0.1%亜硫酸ナトリウム及び10g(乾燥重量)/1の大腸菌HB101/pHCE19T(II)−TNA細胞を含有する。3%のトリトンX−100を反応混合物に添加して、添加インドールを可溶化した。基質の枯渇を防ぐため、インドール及びピルビン酸ナトリウムを継続的に反応溶液に供給した。
第14図は、酵素リアクターにおけるL−トリプトファンの生産の反応パターンを示す。L−トリプトファンの生産速度は、27時間同様のレベルに維持され、その後、段階的に減少した。HPLCによる反応混合物の解析により、このL−トリプトファンの生産速度の減少は、リアクターに高度に蓄積されたインドールの阻害に起因するものと思われた。反応3時間から、L−トリプトファンは、白色結晶として沈澱しはじめ、それにより、反応は、より効率よく進行した。反応24時間後、37℃で、約66.2g/l(0.325M)のL−トリプトファンが、インドールから85%の変換効率で生産された。
配列表フリーテキスト
配列番号:1は、pHCE19T(II)中のプロモーター領域の配列を示す。
配列番号:2は、pHCE19(II)中のプロモーター領域の配列を示す。
配列番号:3は、pHCE19T(II)の配列を示す。
配列番号:4は、pHCE19(II)の配列を示す。
配列番号:5は、バチラス・スピーシーズのD−AAT遺伝子のプロモーターを増幅するためのオリゴヌクレオチドの配列の配列を示す。
配列番号:6は、バチラス・スピーシーズのD−AAT遺伝子のプロモーターを増幅するためのオリゴヌクレオチドの配列の配列を示す。
配列番号:7は、バチラス・スピーシーズのD−AAT遺伝子のプロモーターを増幅するためのオリゴヌクレオチドの配列の配列を示す。
配列番号:8は、シンビオバクテリウム・トエビSC−1由来のTNA遺伝子を増幅するためのオリゴヌクレオチドの配列の配列を示す。
配列番号:9は、シンビオバクテリウム・トエビSC−1由来のTNA遺伝子を増幅するためのオリゴヌクレオチドの配列の配列を示す。
産業上の利用可能性
本発明のDNAによれば、目的遺伝子の産物を、誘導物質により誘導することなく、構成的に発現させうるプロモーターの配列を有するため、簡便に、かつ安価に高発現させうるという優れた効果を奏する。したがって、本発明のDNAによれば、有用な遺伝子の発現産物の工業規模での生産が可能になる。また、本発明のタンパク質の製造方法により、有用な遺伝子の発現産物の工業規模での生産が可能になる。
【配列表】
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【図面の簡単な説明】
第1図は、D−AAT活性をスクリーニングした株についての粗酵素液及び精製酵素のSDS−PAGEの結果を示す模式図である。
第2図は、バチルス・スピーシーズSK−1のD−AAT遺伝子の制限解析の結果を示す図である。
第3図は、バチルス・スピーシーズSK−1のD−AAT遺伝子産物のSDS−PAGE解析の結果を示す図である。
第4図は、遺伝子発現用ベクターpHCE19T(II)の構築の概略図を示す。
第5図は、遺伝子発現用ベクターpHCE19T(II)を示す概略図である。
第6図は、遺伝子発現用ベクターpHCE19(II)の構築の概略図を示す。
第7図は、遺伝子発現用ベクターpHCE19(II)を示す概略図である。
第8図は、TNAを発現するための発現ベクターpHCE19T(II)−TNAの構築の概略図を示す。
第9図は、発現ベクターpHCE19T(II)−TNAを保持した大腸菌におけるTNAの発現をSDS−PAGEにより解析した結果を示す図である。
第10図は、大腸菌HB101/pHCE19T(II)−TNAの生育曲線、TNAの合成活性及び発現産物の解析結果を示す図であり、2.5Lの発酵槽中37℃における大腸菌HB101/pHCE19T(II)−TNAの典型的なバッチ培養プロファイルを示す。
第11図は、TNAの合成活性に対する温度及びpHの影響を示す図である。
第12図は、TNAの合成活性に対する塩化アンモニウム、インドール濃度及びピルビン酸ナトリウム濃度の影響を示す図である。
第13図は、TNAの合成活性に対するトリトンX−100の影響を示す図である。
第14図は、酵素リアクターにおけるL−トリプトファンの生産の反応パターンを示す図である。

Claims (12)

  1. (A)配列番号:1若しくは2に示された塩基配列、
    (B)配列番号:1若しくは2において、1〜数個の残基の置換、欠失、又は付加を有する塩基配列、及び
    (C)配列番号:1若しくは2に示された塩基配列からなる核酸にストリンジェントな条件下にハイブリダイズする核酸の塩基配列
    らなる群より選ばれた1種の塩基配列を有するDNAであって、かつ大腸菌又はバチルス属細菌において構成的プロモーター活性を呈する単離されたDNA。
  2. 外来遺伝子の上流に配置された場合、誘導物質の非存在下に該遺伝子を発現しうる、請求項1記載の単離されたDNA。
  3. 請求項1又は2記載のDNAと外来遺伝子とが、該外来遺伝子が発現可能な状態で配置されてなる組換えDNA。
  4. 外来遺伝子が、タンパク質をコードする核酸、アンチセンスRNAをコードする核酸及びリボザイムをコードする核酸からなる群より選択された核酸である、請求項3記載の組換えDNA。
  5. 請求項1又は2記載のDNAを少なくとも含有してなる遺伝子発現用ベクター。
  6. ベクターが、プラスミドベクター及びファージベクターからなる群より選択された1種である、請求項5記載の遺伝子発現用ベクター。
  7. 配列番号:3又は4に示された塩基配列を有してなる、請求項5又は6記載の遺伝子発現用ベクター。
  8. 請求項3又は4記載の組換えDNAを含有してなる発現ベクター。
  9. ベクターが、プラスミドベクター及びファージベクターからなる群より選択された1種である、請求項8記載の発現ベクター。
  10. 請求項3若しくは4記載の組換えDNA又は請求項8若しくは9記載の発現ベクターを保持してなる形質転換細胞。
  11. 請求項10記載の形質転換細胞を培養して、得られた培養物からタンパク質を採取することを特徴とする、タンパク質の製造方法。
  12. 請求項1又は2記載のDNA又は請求項5〜7いずれかに1項に記載の遺伝子発現用ベクターを少なくとも含有してなる、タンパク質製造用キット。
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