JP2004121069A - 新規dnaヘリカーゼ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】超好熱性古細菌ピロコッカスフリオサス由来の耐熱性DNAヘリカーゼ活性を有する蛋白質をコードする遺伝子配列の発現ベクターで形質転換した宿主を培養し、その培養物から該蛋白質を単離する。本酵素は98℃で90分間加熱してもほとんど活性の低下が見られない。
【選択図】なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は遺伝子操作用試薬として有用な、二本鎖DNA 解離活性を有するDNAヘリカーゼ及び、遺伝子工学的手法を用いた該酵素の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
遺伝子であるDNAは通常、塩基間に水素結合を形成して二本鎖で存在している。また、同一鎖内でも塩基間に水素結合を形成することができ、DNA鎖がステム&ループ構造をとる場合もある。このようなDNA塩基間の水素結合を解離させて一本鎖に戻す機能を有する酵素を一般にDNAヘリカーゼという。生物のゲノムDNAが複製される時には、二本鎖DNAの各々の鎖を鋳型にしてそのコピーが合成される。その際DNAヘリカーゼは中心的な役割を果たさなければならない。DNA複製は二本鎖DNAを解きながら進行し、各々の鎖の塩基配列に相補的な配列を有する新生鎖が合成される。
また、相同的DNA組換え過程において、組換え中間体である四分岐構造(ホリディジャンクション)が解消されて二組の二本鎖DNAに戻る際に、分岐点が適当な位置に移動することが知られており、その際には四分岐構造を特異的に認識して、そのヘリカーゼ活性で分岐点移動を起こす酵素が存在する。この他にもヘリカーゼ活性は、細胞内での様々な生命現象にとって重要な働きをしている。これまでの研究により多くのヘリカーゼが発見されている。その中で、相同組換え過程で分岐点移動に働くことがしられているものとしては、大腸菌RuvB, RecG蛋白質がある。真正細菌にはRuvB, RecG に類似した配列を有する蛋白質が存在する。
【0003】
現在までに、ホリディ構造などの特異的な立体構造を認識してDNA 鎖間の水素結合を解離させながら二本鎖を解く酵素は、上記のようにいくつか知られてはいるが、殆どが常温真正細菌生物由来のもので、熱安定性は低く、試験管内での解離効率も良くない。高度好熱性の真正細菌Thermus thermophilus およびThermotoga maritima由来のRuvB蛋白質(TthRuvB, TmaRuvB)が 単離されているが(非特許文献1参照)、そのうちTthRuvB が唯一耐熱性の酵素として、当該活性を有することが実験的に証明されている(非特許文献2参照)。しかしながらこの酵素は70 度で15分置くと変性して不溶化し、耐熱性と言えども安定なものではない。
【0004】
【非特許文献1】「ジャーナル オブ バクテリオロジー(Journal of bacteriology)」、178巻、p2695−2700(1996)
【非特許文献2】「モレキュラー アンド ジェネラルジェネティクス(Molecular and General Genetics)」、261巻、p1001−1011(1999)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、DNA 組換え中間体であるホリディ構造DNAを効率よく二組の二本鎖DNAに解離するために適した分岐点移動活性を有する酵素を見出し、優れた遺伝子組換え技術を開発することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意研究の結果、超好熱性古細菌ピロコッカス フリオサス(Pyrococcus furiosus) から新規DNAヘリカーゼ活性を発見し、該酵素をコードする遺伝子をクローニングすることに成功した。さらに、この遺伝子を導入した形質転換体を作製し、該DNAヘリカーゼを大量生産することに成功した。
本発明者らは古細菌より、DNA組換え過程における中間体であるホリディ構造DNAを特異的に認識して、分岐点近傍から、DNA鎖間の水素結合を解離するヘリカーゼを見出すために、図1、図2のような人工的に合成したホリディ構造DNAを特異的に認識し、二組のY字型二本鎖DNAに解離する活性を有する蛋白質の同定を目指した。超好熱性古細菌の一種である、ピロコッカス フリオサスの細胞抽出液から、目的とする活性を探索したところ、その活性を検出することに成功した。部分精製した画分を用いて、反応至適条件を検討した後、適する条件を用いてピロコッカス フリオサスのプロテインライブラリーをスクリーニングした。その結果活性を示すクローンを見出し、その元になるコスミドDNAを解析することによって、目的の活性を有する蛋白質に対応する遺伝子領域をクローニングすることに成功した。得られた遺伝子の塩基配列を調べたところ、720個のアミノ酸(配列番号1)からなるオープンリーディングフレーム(ORF)(配列番号2)が見つかった。そこで、該ORFのみをサブクローニングして、該蛋白質を大腸菌で産生させた。得られた蛋白質を、電気泳動的に単一バンドにまで精製した後、詳細に基質特異性を調べたところ、該酵素は四分岐のホリディ構造を認識し、二組のY字型二本鎖DNAに解離した。また、Y字型二本鎖がさらにほどけて一本鎖になることもあった。以上の結果より、該蛋白質を、新規 DNAヘリカーゼと結論し、Hjm (Holliday junction migration) と命名した。アミノ酸配列について、データベース検索をした結果、高い相同配列を有するORFが、これまでに全ゲノム配列が解読されている全ての古細菌から発見された。またヒトを含む真核生物のゲノム中にも類似性を示す配列部分を有する蛋白質が存在する。
【0007】
即ち本発明は、古細菌由来の耐熱性DNAヘリカーゼに関する。特にDNA組換えの中間体であるホリデイ構造のDNAを特異的に認識して、水素結合を解離することによる分岐点移動をおこし、2組のY字2本鎖DNAまたは4本の1本鎖DNAに解離させるDNAヘリカーゼに関する。本発明のDNAヘリカーゼは、例えば、図1、図2に示されるような構造のDNAを認識して、二組のY字型二本鎖DNAが分離、生成されるように働く酵素である。また、Y字型構造の二本鎖は場合によっては、本酵素によって一本鎖にまで解離する。
本発明のDNAヘリカーゼは耐熱性である。本明細書で「耐熱性」とは70℃で15分放置してもその活性を失わないことを言う。一態様によれば本発明のDNAヘリカーゼは98℃で90分間置いても、殆ど活性低下が見られない。
【0008】
本発明は以下の(a)(b)または(c)の組換え蛋白質に関する
(a)配列番号1で示されるアミノ酸配列からなる蛋白質
(b)配列番号1で示されるアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換、若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつDNAヘリカーゼ活性を有する蛋白質
(c)配列番号1で示されるアミノ酸配列の断片からなり、かつDNAヘリカーゼ活性を有する蛋白質
【0009】
本発明は、上に記載の蛋白質をコードする遺伝子にも関する。1態様によれば遺伝子は、配列番号2で示される塩基配列を有する。遺伝コードの縮重により多数の他の塩基配列が存在し得る。
【0010】
本発明は、上に記載の組換え蛋白質の製造方法であって、
(1)上に記載の蛋白質をコードする遺伝子にコントロール配列を作動可能に連結した配列を有する発現ベクターを調製し、
(2)該ベクターで宿主を形質転換し、
(3)形質転換した宿主を培養し、
(4)培養物から該蛋白質を単離する、
ことを含む方法にも関する。
【0011】
本発明の蛋白質の製造に原核生物を用い得る。本発明の蛋白質の製造に適した原核生物としては、大腸菌K12株294等の大腸菌、枯草菌等のバチルス属、Salmonela typhimurium 及び Seratia marcescans等の腸内細菌、種々のシュードモナス属、及びストレプトマイセス属等を挙げることができる。
【0012】
原核生物での遺伝子の発現を制御するのに適当なプロモーター配列としては、βラクタマーゼ、ラクトース系、アルカリホスファターゼ、及びトリプトファン(trp)プロモーター系等がある。tacプロモーターのようなハイブリッドプロモーターもまた適する。一般的にその塩基配列が公知の他の細菌性プロモーターも必要ないずれかの制限部位を提供するリンカー又はアダプターを用いて本発明の蛋白質をコードするDNAに連結し得る。
【0013】
本明細書で用いる「遺伝子」という用語は、核酸配列を有し、上に記載した配列を有するいずれかの分子、例えばDNA又はRNAを言う。
【0014】
本発明は、本発明による核酸分子を有するベクター、特にプラスミド、コスミド、ウイルス、バクテリオファージ、及び遺伝子操作で従来用いられる他のベクターにも関する。当業者に周知の方法を用いて様々なプラスミド及びベクターを構築することができる。例えば、 Sambrook, Molecular Cloning A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory (1989) N.Y. 及び Ausubel, Current Protocols in Molecular Biology, Green Publishing Associates and Wiley Interscience, N.Y. (1989), (1994) に記載の技術を参照。本発明に従い好ましく用いられるプラスミド及びベクターには当業者に周知のものが含まれる。或いは、本発明の遺伝子及びベクターを標的細胞に運搬するリポソーム中へ再構築することができる。
【0015】
好ましい態様では、ベクター中に存在する核酸分子を原核又は真核細胞中で遺伝子を発現させることができるコントロール配列に結合する。
「コントロール配列」という用語は、それらが結合するコード配列を発現させるに必要な制御DNA配列を言う。そのようなコントロール配列の性質は、宿主生物により異なる。原核生物では、コントロール配列は一般にプロモーター、リボソーム結合部位及びターミネーターを含む。真核生物ではコントロール配列は一般にプロモーター、ターミネーター及びある場合にはトランスアクチベーター又は転写因子を含む。「コントロール配列」という用語は最小でもその存在が発現に必要であるすべての成分を含むことを意図し、更なる有用な成分をも含んでもよい。
「作動可能に結合した」という用語は、該成分がそれらの意図された方法で作用することを可能にする関係にある位置を言う。コード配列に「作動可能に結合した」コントロール配列は、コード配列の発現がコントロール配列と適合する条件下で達成されるような方法で結合される。コントロール配列がプロモーターである場合には、2本鎖核酸が好ましく用いられることは当業者に自明である。
従って本発明のベクターは好ましくは発現ベクターである。「発現ベクター」は、選択した宿主細胞を形質転換し、選択した宿主細胞中でコード配列を発現させるため用いることができる構築物である。発現ベクターは例えばクローニング、バイナリーベクター又はインテグレイティングベクターであり得る。発現は好ましくは翻訳可能なmRNAへの核酸分子の転写を含む。原核及び/又は真核細胞中での発現を確実にする調節要素は当業者に周知である。真核細胞の場合、それらは通常転写の開始を確実にするプロモーター、及び場合により転写の終了及び転写物の安定化を保証するポリAシグナルを通常含む。一般的に用いられるプロモーターは、ポリユビキチンプロモーター、及び発現の場合にはアクチンプロモーターである。更なる調節要素は転写エンハンサーを含みうる。原核宿主細胞での発現を可能にする可能な調節要素は、例えばE.coliにおけるPL、lac、trp又はtacプロモーターであり、真核宿主細胞での発現を可能にする調節要素の例は、酵母におけるAOX1又はGAL1プロモーター、哺乳動物及び他の動物細胞におけるCMV−、SV40−,RSV−プロモーター(ラウス肉腫ウイルス)、CMVエンハンサー、SV40エンハンサー又はグロビンイントロンであるOkayama−Bergの発現ベクターpcDV1(Pharmacia)、pCDM8、pRc/CMV、pcDNA1,pcDNA3(In−vitorogen)、pSPORT1(GIBCO BRL)等の適当な発現ベクターが当業者に知られている。該蛋白質を発現させるのに用い得る別の発現システムは昆虫システムである。そのようなシステムの1つにおいて、Autographa california 核ポリヘドロシスウイルス(AcNPV)をベクターとして用いて Spodoptera frugiperda 細胞又は Trichoplusia larvae中で外来遺伝子を発現させる。本発明の遺伝子のコード配列をポリヘドリン遺伝子等のウイルスの非必須領域にクローニングし、ポリヘドリンプロモーターの調節下に置いてもよい。該コード配列を首尾よく挿入すると、ポリヘドリン遺伝子が非活性になり、コート蛋白質を欠いた組換えウイルスが得られるであろう。その組換えウイルスを用いて、Spodoptera frugiperda 細胞又は Trichoplusia larvaに感染させ、その中で本発明の蛋白質を発現させる(Smith, J. Virol. 46 (1983), 584; Engelhard, Proc. Nat. Acad. Sci. USA 91 (1994), 3224−3227)。有利には本発明の上記ベクターは選択可能なマーカーを含む。
【0016】
本発明はさらに核酸配列が宿主細胞にとって外来である、上記のベクター又は本発明の遺伝子を含む宿主細胞に関する。
「外来」とは核酸分子が宿主細胞に関して異種であるか(これは異なった遺伝的背景を有する細胞又は生物に由来することを意味する)、或いは宿主細胞に関しては同種であるが、該核酸分子の天然に存在する対応物と異なる遺伝的環境にあることを意味する。これは、核酸分子が宿主細胞に関して同種であるなら、それは該宿主細胞のゲノムの天然の位置にはないこと、特に異なる遺伝子に取り囲まれていることを意味する。この場合、核酸分子はそれ自身のプロモーターの支配下にあるか、又は異種のプロモーターの支配下にあってもよい。宿主細胞中に存在する本発明によるベクター又は遺伝子は宿主細胞のゲノムに組み込まれていてもよく、染色体外にある形で保持されていてもよい。これに関し、本発明の遺伝子はホモロガスな組換えにより変異体遺伝子を回復し、又は創出するのに用いてもよい(Paszkowski編, Homologous Recombination and Gene Sllencing in Plants, Kluwer Academic Publishers (1994))。本発明は本発明のベクター又は遺伝子を含む宿主細胞に関する。宿主細胞は(古)細菌、昆虫、菌類、植物、又は動物細胞等のいずれの原核又は真核細胞でありうる。好ましい菌類細胞は、例えば Saccharomyces 属の細胞、特に Saccharomyces cerevisiae の細胞である。
「原核」と言う用語は、本発明の蛋白質の発現のためにDNA又はRNAで形質転換又はトランスフェクトされ得るすべての細菌、例えば古細菌を含むことを意図する。原核宿主は、例えばE. coli、 S. typhimurium、 Serratia marcescens、及び Bacillus subtilis 等のグラム陽性及びグラム陰性細菌を含み得る。「真核」と言う用語は、酵母、高等植物、昆虫、そして好ましくは哺乳動物細胞を含むことを意味する。組換え製造方法に用いる宿主によって、本発明のポリヌクレオチドによりコードされる蛋白質はグリコシル化されるかもしれないし、グリコシル化されないかもしれない。本発明の蛋白質は、最初のメチオニンアミノ酸残基を有していても、有していなくてもよい。当業者に一般的に知られたいずれかの技術を用いて本発明の遺伝子を用いて宿主を形質転換又はトランスフェクトすることができる。更に、融合し、機能的に結合した遺伝子の調製方法及びそれらを例えば哺乳動物及び細菌中で発現させる方法は当業者に周知である(Sambrook, Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, NY, 1989)。
【0017】
本発明の酵素をコードする遺伝子を大腸菌での発現ベクターpET21a(Novagenn社)に組み込んだプラスミドpHJM1を大腸菌BL21(DE3)RIL に導入して得られた組換え体は BL21(DE3)RIL/pHJM1と命名、表示され、 独立行政法人産業技術総合研究所にFERM P−19006として寄託されている。
【0018】
【実施例】
以下に実施例をもって本発明を更に詳細に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
実施例1
(1) P. furiosus 細胞からの分岐点移動活性の精製
P. furiosus DSM3638は、Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zelkulturen GmbHより入手し、文献(ヌクレイック アシッド リサーチ Nucleic Acids Research, 第21巻、259ー265ページ)の方法に従って培養した。52g のP. furiosus細胞を0.1mMのPMSFを含む緩衝液A 500 ml中で超音波破砕し、超遠心(BECKMAN XL−90、100,000×g、60 分)して沈殿を除き、細胞粗抽出液を得た。その細胞粗抽出液に終濃度0.15 %になるようにポリエチレンイミンを加え、氷中で60分間撹拌し、遠心分離して沈殿を回収した。この沈殿を1 M硫酸アンモニウムを含む緩衝液A中で溶解した後、80 %飽和になるように硫酸アンモニウムを加えて氷中で60分間撹拌して塩析した。遠心分離を行って回収した蛋白質沈殿を再び1 Mの塩化ナトリウムを含む緩衝液A中で再懸濁し、0.5 M 、次いで0.2 Mの塩化ナトリウムを含む緩衝液Aで段階的に透析を行い、0.2 M塩化ナトリウムを含む緩衝液Aで平衡化した10 mlのHiTrap heparin カラム(Amersham Pharmacia Biotech)に添加し、0.2 Mから2 Mの塩化ナトリウムの直線濃度勾配で展開して蛋白質を溶出した。以下に示す方法により、各画分のホリディ構造分岐点移動活性を調べ、活性が見られた0.46から0.70 Mで溶出した画分を緩衝液D(50 mM Tris−HCl、pH 7.0、0.5 mM DTT、0.1 mM EDTA、0.1 M NaCl)中で透析して、緩衝液Dで平衡化した5 mlのHiTrap SPカラム(Amersham Pharmacia Biotech)に添加し、0.1 Mから0.6 Mの塩化ナトリウムの直線濃度勾配で展開し、分画した。ホリディ構造分岐点移動活性は0.18から0.38 Mで溶出し、この画分を緩衝液A中で透析した。つぎにこの画分を緩衝液Aで平衡化した5 mlのHiTrap Qカラムに添加し、0から1 Mの塩化ナトリウム直線濃度勾配で展開して分画し、活性画分(0.30から0.55 Mで溶出した)を回収した。ついで、活性が見られた画分を緩衝液E(10 mM リン酸カリウム pH 6.8、7 mM 2−メルカプトエタノール、10 % グリセロール)で透析し、透析後、緩衝液Eで平衡化した5 mlのハイドロキシアパタイトカラム(BioRad CHT−II)に添加して0.01から1 Mのリン酸カリウム直線濃度勾配で展開して分画した。ホリディ構造分岐点移動活性が見られた0.10から0.30 Mで溶出した画分を緩衝液F(50 mM Tris−HCl、pH 7.0、0.5 mM DTT、0.1 mM EDTA)で透析し、同緩衝液で平衡化した1 mlのホスホセルロースカラム(Whatman P−11)に添加した。0から1.5 Mの塩化ナトリウムの直線濃度勾配で展開して分画し、ホリディ構造分岐点移動活性が見られた0.25から0.43 Mで溶出した画分を緩衝液Fで透析した後、Mono S 5/5カラム(Amersham Pharmacia Biotech)に添加して0から0.6 Mの塩化ナトリウムの直線濃度勾配により展開して分画し、各画分のホリディ構造分岐点移動活性が見られた0.40から0.45 Mで溶出した画分を回収した。得られた活性画分は4 ℃で保存した。各活性画分のタンパク量はAdvanced protein assay kit(Cytoskeleton Inc.)を用いて定量した。
【0019】
(2)ホリディ構造 DNA の形成反応
配列表の配列番号4に示す DNA を 100 p mol 用いてポリヌクレオチドキナーゼと [γ−32P] ATP で 5’ 末端リン酸化した後 30 p mol を同量の配列番号3、5、6に示す DNA と混合し65℃、30分間の熱処理に続いて15時間かけて自然冷却で徐々に室温になるまで温度を下げて図1に示す、分岐点に30 bpの相同配列を持って中心部が移動する四分岐構造(HSL)を形成させた。 末端標識した配列番号7に示す DNA を同量の配列番号8、9 、10に示す DNA と混合し、同様の方法で中心部分に相同配列が2塩基分しかない四分岐構造 (JY)を形成させた(図2)。HSLが解離された状態であるY構造DNA(Y1、Y2)は配列番号3+配列番号4、配列番号3+配列番号6の組み合わせでアニールして調製した。M13一本鎖DNAに5’(L2)または3’(L3)フラップを持つもの、またはフラップを持たない(L1)オリゴヌクレオチドをアニールした基質は配列番号13、12、11それぞれをM13一本鎖DNA(宝酒造)とアニールして調製した。また2本鎖部分が63塩基になるより安定な基質DNAを得るために、配列番号16, 15, 14 をそれぞれM13一本鎖DNAとアニールした。
【0020】
(3) P. furiosus 細胞粗抽出液画分からのホリディ構造分岐点移動活性の検出
カラムより溶出した画分2 μlと32P標識された合成ホリディ構造DNA(HSL) 5nMを反応溶液(10 mM Tris−HCl、pH 8.8、10 mM MgCl2、2 mM ATP、1 mM DTT、50 μg/ml BSA)20 μl中で55 ℃で1時間反応させ、フェノールを用いて反応を止めた。その後反応溶液をTAE buffer中で12 % PAGEにより分離し、分離したDNAはオートラジオグラムにより可視化した。
【0021】
(4)ホリディ構造分岐点移動活性の反応条件検討
実施例1の(1)で記載したMonoSカラムクロマトグラフィー精製画分(2 μl)を5 nMの合成ホリディ構造DNA(HSL)と反応させた。反応は10 mM Tris−HCl、pH 8.0、5 mM MgCl2、10 mM ATP、50 μg/ml BSAを含む反応溶液中で、55 ℃、1時間の反応を基本としてATP、MgCl2の濃度、pH、反応温度を変えて行い、12 %
PAGEで反応産物を分離しオートラジオグラムを取って解析した。
ATP濃度の検討にはATPを0、0.5、1、1.5、2、3、5、10、20 mM加えて行った。その結果10 mMの時最も高い活性を示した。MgCl2濃度の検討にはMgCl2を0、1、3、5、10、30、50、100 mM加えて行い、至適pHの検討はpH 6.0、7.0、8.0、8.5、9.0、9.5、10.0、10.5、11.0の反応溶液を用いて行った。反応温度の検討は30、40、45、50、55、60、65、70、75、80、90 ℃で20分反応した。塩濃度の影響については、NaCl 濃度を 0, 40, 50, 100, 150, 200, 250, 300, 400 500 mM と変えて活性を比べた。活性はMgCl2非存在下では検出されず、5mM の時最適であった。またMg 以外にCa, Zn, Mn なども調べたが、Mg のときよりも活性が低かった。反応液中のpHが活性に与える影響については、分岐点移動活性はアルカリ側のpH 7.0〜pH 11.0の範囲で広く観察され、中性以下のpHは適さない。反応温度は、55〜60 ℃で活性が最も強くなり、75 ℃においても活性が観察された。一方、40 ℃以下の中低温では活性は低かった。反応温度が65 ℃以上になると基質である合成ホリディ構造DNAが熱により不安定化し、解離したバンドが見られるようになる。反応温度が70 ℃以上になると部分精製した蛋白質の有する活性に基づく解離産物のバンドが減少するのは、熱により基質DNAが不安定になり、適切な基質としての構造を維持できなくなることが考えられる。60 ℃においては活性が最も強く見られ、基質DNAはほとんど解離されるが、解離したバンドに加えて、70 merの一本鎖DNAの位置にバンドが観察されるようになった。この産物がP. furiosusの分岐点移動活性によって、まずホリディ構造DNAが解離し、その結果生じるY構造DNAが、さらに解離して一本鎖になったものであると考えられる。塩化ナトリウムを用いて反応溶液中の塩濃度がこの活性に与える影響を調べた結果、反応溶液中の塩濃度が40 mMと低い場合に活性が最も強く観察され、反応溶液中の最終塩濃度が100 mMになると活性がほとんど見られなくなった。基質特異性検討の反応はMonoS画分(2 μl)を用い、様々な基質DNA(HSL、JY、4J、L1、L2、L3、Y1、Y2、L10、D)5 nMと10 mM Tris−HCl、pH 8.0、5 mM MgCl2、10 mM ATP、50 μg/ml BSAを含む反応溶液中で、55 ℃、1時間反応させた。
その結果、分岐点移動活性は分岐点付近に移動可能な相同配列領域を持つホリディ構造DNAを解離することができたが(HSL,JY)、分岐点が固定され、移動できないホリディ構造DNAは解くことができなかった(4J)。また、M13一本鎖DNAに5’末端側あるいは3’末端側にフラップ領域が存在する、あるいはフラップを伴わない合成オリゴヌクレオチドをアニーリングした基質を用いた反応では、分岐点移動活性はいずれの基質もアニーリングしたオリゴヌクレオチドを解離することができた(L1、L2、L3)。そして、HSLが分岐点移動活性により解離した形のY構造DNAでは効率は異なるもののどちらの基質も一本鎖に解離した(Y1、Y2)。一方、ループアウト構造DNA(L10)、通常の二本鎖DNA(D)については一本鎖への解離は検出できなかった。
【0022】
(5)ホリディ構造分岐点移動活性のゲルろ過カラムクロマトグラフィーによる解析
ゲルろ過カラムクロマトグラフィーによる解析はSMART system(Amersham Pharmacia Biotech)を用いて行った。MonoS画分(100 μl)を緩衝液(50 mM Tris−HCl、pH 8.0、0.1 mM EDTA、0.5 mM DTT、10 % グリセロール、0.3 M NaCl)で平衡化したSuperdex200 3.2/30カラム(Amersham Pharmacia Biotech)に添加し、40 μlずつ分画して溶液を回収した。各画分のホリディ構造分岐点移動活性は上記の方法で調べた。蛋白質マーカー(BioRad、thyroglobulin (670 kDa)、γ−globulin(158 kDa)、ovalbumin(44 kDa) myoglobin(17 kDa))を同じ条件でクロマトグラフィーを行い、A280のピーク時の液量と蛋白質マーカーの分子量より検量線を作成した。ホリディ構造分岐点移動活性の分子量は最も活性の強かった画分の液量を検量線に当てはめて推測した。この実験による結果では分子量40〜50kDaに相当するところに活性が溶出された。
【0023】
実施例2
(1)ピロコッカス フリオサス ゲノム DNA の調製
実施例1の(1)に記載した方法によりP. furiosusを培養し、500mlの培養液から約1.2gの菌体を得た。これを緩衝液 L(10 mM トリスー塩酸(pH8.0),1 mM EDTA, 100 mM NaCl) 10 mlに懸濁し、10% SDSを1ml加えた。撹拌の後、プロテイナーゼK(20 mg/ml)を50 ml 加えて、55℃で60 分静置した。その後反応液を順次フェノール抽出、フェノール/クロロホルム抽出、クロロホルム抽出した後、エタノールを加えてDNAを不溶化した。回収したDNAを1 mlのTE液(10 mM トリスー塩酸, (pH8.0), 1 mM EDTA) に溶解し、0.75 mgのRNase Aを加えて37℃で60 分反応させた。その後反応液をもう一度フェノール抽出、フェノール/クロロホルム抽出、クロロホルム抽出した後、エタノール沈殿によりDNAを回収した。0.75 mgのDNAが得られた。
【0024】
(2)コスミドライブラリーの作製
ストラタジーン社製 SuperCos1 Cosmid Vector kitを用いて、使用説明書に従ってライブラリーを作製した。実施例(1)で得られたDNAを制限酵素Sau3AIで部分分解した時に、30−42キロ塩基対の断片が生じるように反応条件を決めた。切断後のDNA断片をコスミドベクターのBamHI部位に挿入して、組換えコスミドのライブラリーとした。大腸菌を形質転換して得られたコロニーから適当に10数個を選んで、コスミドを回収し、予想される大きさのDNA断片が挿入されていることを確認した。
【0025】
(3)ライブラリーより粗抽出液の調製
(2)で作製した、組換えコスミドによる形質転換体から、約500個を選んで、それぞれを2mlのLB培地で培養し、集菌後バッファーA(10 mM トリスー 塩酸(pH 8.0), 2 mM 2−メルカプトエタノール, 10 % グリセロール)500 mlに懸濁後、超音波処理により破砕した。得られた粗抽出液を85℃10 分間熱処理して、大部分の大腸菌由来の蛋白質を変性させ、遠心分離により上清を集め、耐熱性プロテインライブラリーとした。
(4)耐熱性プロティンライブラリーからの目的の切断活性のスクリーニング
上記反応溶液 36 μl に対して耐熱性プロテインライブラリーの各抽出液より0.8 μl を 5 クローンずつ、即ち 4 μl を1反応分として加え、56℃で 30 分間反応させた後にフェノール/クロロホルムで反応を停止させた。その上清を上記と同様に電気泳動し、オートラジオグラフィーを行い切断バンドの有無を検出した。この結果、クローンNo 128,362 の 2クローンで四分岐構造 DNA の分岐点移動活性が発見された。
【0026】
実施例3
(1)目的遺伝子の同定と大量発現系の構築
実施例2の(4)で得られたクローン中、No. 362からコスミドを単離し、コスミド中に存在する BamHIで分解した後、DNA断片をpUC118 ベクターにサブクローニングした。得られたクローンからプラスミドを調製し、pUC118配列中に設計されたプライマーを用いてインサートDNAの部分配列を決定した。この部分配列から クローンNo 362のコスミドに挿入されていると予想されるピロコッカス フリオサスゲノムDNA配列中に含まれるATP結合モチーフを持つ6つのORFをデータベースより推測した。それぞれのORFの両端の塩基配列をもとにこれらの遺伝子を増幅するためのPCRプライマーを設計し、単離したコスミドを鋳型として用いて、それぞれの遺伝子をPCR法で増幅した。プライマーは、それぞれフォワードプライマー、リバースプライマー配列の中に NcoI (CCATGG), SalI (GTCGAC) 配列を組み入れ、NcoI 配列中の ATG を翻訳の開始コドンとして利用できるように調節した。これらのPCRプライマーを用いたPCR法により増幅した遺伝子をpET21dベクターに組み込み、蛋白質を発現させ、実施例2(4)と同様に四分岐構造 DNAの分岐点移動活性を調べたところ、配列表の配列番号17、18に示すプライマーで増幅された遺伝子の産物が分岐点移動活性を有することが判明した。この四分岐構造 DNAの分岐点移動活性を有する酵素を産生するプラスミド中のPCRで増幅された部分の塩基配列に変化がないことを確認した後pHJM1と命名した。また、該プラスミドで形質転換された大腸菌 BL21(DE3)RIL を Eschrichia coli BL21(DE3)RIL/pHJM1 と命名した。
【0027】
( 2 )目的酵素蛋白質の精製
実施例3の(1)で得られた Eschrichia coli BL21(DE3)RIL/pHJM1をアンピシリンが 100 μg/ml の濃度で存在する LB 培地 [トリプトン10 g/リットル、酵母エキス5g/リットル、NaCl 5g/リットル、pH 7.2] 650 ml で培養した。培養液の濁度が 0.447 A600 に達した時、誘導物質であるイソプロピル−β−D−チオガラクトシド (IPTG) を添加し、さらに4時間培養を行った。集菌後、菌体を 100 ml のバッファーA に 1 mM フェニルメチルスルホニルフルオリド (PMSF) を加えたものに懸濁し、超音波破砕機にかけた。16, 000 rpm 、20分間の遠心分離により粗抽出液を上清として回収し、この上清を80 ℃で20 分間インキュベートして16, 000 rpm 、20分間の遠心分離により耐熱性画分を上清として回収した。終濃度が0.15 %になるようにポリエチレンイミンを加え、16, 000 rpm 、20分間の遠心分離により沈殿を回収した。沈殿を2 Mの硫酸アンモニウムが入ったバッファーA 100 mlに懸濁し、80 %飽和になるように硫酸アンモニウムを加えた。16, 000 rpm 、20分間の遠心分離により得られた沈殿を 20 ml の2Mの塩化ナトリウムを含むバッファーAに溶解し、2リットルの0.2 Mの塩化ナトリウムを含むバッファーAにて透析した。透析後の溶液をバッファーA で平衡化した HiTrap Q カラム(ファルマシア社製)に供し、FPLC システム(ファルマシア社製)を用いてクロマトグラフィーを行った。展開は 0 M → 0.6 M の NaCl 直線濃度勾配により行った。目的の蛋白質は 0.28−0.32 M NaCl のところで溶出された。目的蛋白質を含む画分 10 ml を集め、2リットルの0.15 Mの塩化ナトリウムを含むバッファーAで透析し、同バッファーで平衡化したHiTrap Heparinカラム(ファルマシア社製)に供した。FPLCシステムを用いて0.15 M → 0.6 MのNaCl直線濃度勾配により展開した。目的の蛋白質は0.25 M→0.50 M NaClで溶出された。目的蛋白質を含む画分9 mlを集め、0.2 Mの塩化ナトリウムを含むバッファーB [10 mM リン酸カリウム (pH6.8)、7 mM 2ーメルカプトエタノール、0.05 mM 塩化カルシウム、10 % グリセロール] で透析し、バッファーB で平衡化した ハイドロキシアパタイトカラム(バイオ−ラッドCHT−II)に供した。FPLCシステムを用いて 0.01 M → 1 M のリン酸カリウム直線濃度勾配により展開した結果、目的の活性は 0.35−0.4 M リン酸のところに溶出された。この画分を精製標品とし、Hjmヘリカーゼと命名した。650 mlの培養液から、約5 mgの酵素が得られた。
【0028】
(3) Hjm 蛋白質の性質
精製されたHjm 蛋白質を用いて四分岐構造DNA の分岐点移動活性を測定した。精製されたHjmの性質は実施例1の(4)で示したP. furiosusの細胞中の酵素活性と変わらなかった。図3に示すように 2種類の四分岐構造DNAに対して、精製した Hjm蛋白質を加えると、タンパク量に依存して、分岐点移動により生じるY字型構造DNA のバンドが検出された。図には示していないが、Hjmは通常の二本鎖DNA は解かないことも確認された。しかし、図4に示すように、一本鎖の部分を含む基質であると、二本鎖部分の結合を解離できることが示された。Hjmによる四分岐構造DNAの解離反応の至適温度を調べるために、30〜90℃の範囲で反応させてみると、図5に示したように80℃でも反応が進んでいることが分かった。90℃では基質DNA の四分岐構造が保てなくなり、正確な検出が不可能となった。そこで、次にHjmの熱安定性を調べるために、Hjmを予め種々の温度で置き、その残存活性を75℃で測定した。図6に示すように98℃で90分間置いた後にもHjmの分岐点移動活性はそのまま保たれていた。
【0029】
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】分岐点移動活性のスクリーニングに用いた人工四分岐構造DNAを示す。枠内は分岐点の移動可能な配列を示す。
【図2】分岐点移動活性のスクリーニングに用いた人工四分岐構造DNAを示す。枠内は分岐点の移動可能な配列を示す。
【図3】Hjmヘリカーゼの分岐点移動活性の検出を示す。図1及び2の四分岐構造DNAを放射性標識し、0.1 pmol をHjm反応に用いた。反応液中にHjm 蛋白質16.5 ng 〜0.50 μg加えて55℃で30分反応させた。反応物を12%ポリアクリルアミドゲル電気泳動により分離し、オートラジオグラフィーにより検出した。Thermus thermophilus HB8 由来RuvAB蛋白質を対照実験に用いた。
【図4】図に示したような一部に二本鎖部分を含む一本鎖DNAを基質として、Hjm 反応に用いた。反応液中にHjm 蛋白質0. 25 μg加えて55℃で30分反応させた。反応物を12%ポリアクリルアミドゲル電気泳動により分離し、オートラジオグラフィーにより検出した。
【図5】Hjmの分岐点移動活性の温度依存性を示す。図1の四分岐構造DNAを放射性標識し、0.1 pmol をHjm反応に用いた。反応液中にHjm 蛋白質0.25 μg加えて35 〜 90 ℃で30分反応させた。反応物を12%ポリアクリルアミドゲル電気泳動により分離し、オートラジオグラフィーにより検出した。
【図6】Hjm蛋白質の熱安定性を示す。Hjm 蛋白質0.25 μgを98 ℃で0 〜120分間インキュベートし、放射性標識した図1の四分岐構造DNA、0.1pmol と混ぜ、55 ℃で30分間反応させた。反応物を12%ポリアクリルアミドゲル電気泳動により分離し、オートラジオグラフィーにより検出した。
Claims (7)
- 耐熱性DNAヘリカーゼ。
- DNA組換えの中間体であるホリデイ構造のDNAを特異的に認識し、2組のY字2本鎖DNAまたは4本の1本鎖DNAに解離させる請求項1に記載のDNAヘリカーゼ。
- 古細菌由来である請求項1または2に記載のDNAヘリカーゼ。
- 以下の(a)(b)または(c)の組換え蛋白質。
(a)配列番号1で示されるアミノ酸配列を含む蛋白質
(b)配列番号1で示されるアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換、若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつDNAヘリカーゼ活性を有する蛋白質
(c)配列番号1で示されるアミノ酸配列の断片からなり、かつDNAヘリカーゼ活性を有する蛋白質 - 請求項4に記載の蛋白質をコードする遺伝子。
- 配列番号2で示される塩基配列を有する請求項5に記載の遺伝子。
- 請求項4に記載の組換え蛋白質の製造方法であって、
(1)請求項5に記載の蛋白質をコードする遺伝子にコントロール配列を作動可能に連結した配列を有する発現ベクターを調製し、
(2)該発現ベクターで宿主を形質転換し、
(3)形質転換した宿主を培養し、
(4)培養物から該蛋白質を単離する、
ことを含む方法。
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