JP4079028B2 - 車線逸脱防止装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自車両の走行車線を検出する車線逸脱防止装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の車線逸脱防止装置としては、例えば、自車両の走行車線からの逸脱傾向が検出されたときに、その逸脱を回避するように操舵トルクを発生する車線逸脱回避制御を行い、自車両の走行車線からの逸脱を防止するものがある。このような車線逸脱防止装置にあっては、通常、自車両前方の画像を車載カメラで撮像し、その撮像画像から車線区分線を検出し、その検出結果に基づいて自車両の走行車線を検出している(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−349833号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の技術にあっては、自車両前方の撮像画像から車線区分線を検出し、その検出結果に基づいて自車両の走行車線を検出するため、例えば、車線区分線が二重線であるときに、左側の道路白線として走行車線内側の白線が検出され、右側の道路白線として走行車線外側の白線が検出されると、自車両の走行車線が右側にずれて検出されてしまう。その結果、自車両の走行車線から左方への逸脱傾向が大きく検出され、車線逸脱回避制御が早いタイミングで開始され、運転者に違和感を与えてしまう恐れがあった。
【0005】
そこで、本発明は上記従来の技術の未解決の問題に着目してなされたものであって、自車両の走行車線の検出精度を向上できる車線逸脱防止装置を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明に係る車線逸脱防止装置は、自車両の走行車線の画像を撮像手段で撮像し、その撮像画像に基づいて自車両の走行車線の車線区分線を検出し、その検出結果に基づいて、自車両の走行車線からの逸脱を回避させる車線逸脱回避制御を行う車線逸脱防止装置であって、自車両が車線区分線上に設けられている路面凹凸の上を走行していることが検出されると、その路面凹凸が設けられている車線区分線が自車両の走行車線の車線区分線となるように前記自車両の走行車線の検出結果を補正することを特徴とするものである。
【0008】
【発明の効果】
したがって、本発明に係る車線逸脱防止装置にあっては、自車両が車線区分線上に設けられている路面凹凸の上を走行していることが検出されたときに、その路面凹凸が設けられている車線区分線が自車両の走行車線の車線区分線となるように前記自車両の走行車線の検出結果を補正するため、例えば、自車両の走行車線が右側にずれて検出されたとしても、自車両が車線区分線上に設けられている路面凹凸の上を走行すると、自車両の走行車線の検出結果が適切に補正され、その結果、自車両の走行車線の検出精度を向上できる。
また、例えば、自車両の走行車線が右側にずれて検出され、その結果、自車両の走行車線から左方への逸脱傾向が大きく検出され、車線逸脱回避制御が早いタイミングで開始されたとしても、自車両が車線区分線上に設けられている路面凹凸の上を走行すると、自車両の走行車線の検出結果が適切に補正され、自車両の走行車線から左方への逸脱傾向が適切に検出され、前記車線逸脱回避制御を中断でき、運転者に違和感を与えてしまうことを防止できる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の車線逸脱防止装置を、自動変速機とコンベンショナルディファレンシャルギヤとを搭載し、前後輪とも左右輪の制動力を独立制御可能な制動装置を搭載する後輪駆動車両に適用した一例を添付図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の車線逸脱防止装置の第1実施形態を示す概略構成図である。
【0011】
図中の符号1はブレーキペダル、2はブースタ、3はマスタシリンダ、4はリザーバであり、通常は、運転者によるブレーキペダル1の踏込み量に応じて、マスタシリンダ3で昇圧された制動流体圧を各車輪5FL〜5RRの各ホイールシリンダ6FL〜6RRに供給する。また、このマスタシリンダ3と各ホイールシリンダ6FL〜6RRとの間には制動流体圧制御回路7が介装されており、この制動流体圧制御回路7によって、各ホイールシリンダ6FL〜6RRの制動流体圧を個別に制御することも可能となっている。
【0012】
この制動流体圧制御回路7は、例えば、アンチスキッド制御やトラクション制御に用いられる制動流体圧制御回路を利用したものであり、単独で、各ホイールシリンダ6FL〜6RRの制動流体圧を制御することも可能であるが、後述する制駆動力コントロールユニット8から制動流体圧指令値が入力されたときには、その制動流体圧指令値に応じて制動流体圧を制御する。
【0013】
また、この車両には、エンジン9の運転状態、自動変速機10の選択変速比、並びにスロットルバルブ11のスロットル開度を制御することにより、駆動輪である後輪5RL、5RRへの駆動トルクを制御する駆動トルクコントロールユニット12が設けられている。エンジン9の運転状態は、燃料噴射量や点火時期を制御することで制御でき、同時にスロットル開度を制御することでも制御できる。なお、この駆動トルクコントロールユニット12は、単独で、駆動輪5RL、5RRの駆動トルクを制御することも可能であるが、制駆動力コントロールユニット8から駆動トルク指令値が入力されたときには、その駆動トルク指令値に応じて駆動輪トルクを制御する。
【0014】
また、この車両には、自車両の車線逸脱傾向検出用に走行車線内の自車両の位置を検出するためのCCDカメラ13とカメラコントローラ14とが設けられている。このカメラコントローラ14では、CCDカメラ13で捉えた自車両前方の撮像画像から車線区分線である道路白線を検出して走行車線を検出し、その走行車線と自車両の前後方向軸とのなす角φ、走行車線中央からの横変位X、走行車線曲率β等を算出する。また、走行車線を検出できなかったときには、走行車線と自車両の前後方向軸とのなす角φ、走行車線中央からの横変位X、走行車線曲率βを“0”とする。
【0015】
このように、本実施形態では、CCDカメラ13で捉えた自車両前方の撮像画像から車線区分線を検出するため、車線区分線を容易に検出することができる。また、この車両には、自車両に発生する前後加速度Xg及び横加速度Ygを検出する加速度センサ15、自車両に発生するヨーレートφ'を検出するヨーレートセンサ16、マスタシリンダ3の出力圧、所謂マスタシリンダ圧Pmを検出するマスタシリンダ圧センサ17、アクセルペダルの踏込み量、即ちアクセル開度Accを検出するアクセル開度センサ18、ステアリングホイール21の操舵角δを検出する操舵角センサ19、各車輪5FL〜5RRの回転速度、所謂車輪速度Vwi(i=FL〜RR)を検出する車輪速度センサ22FL〜22RR、方向指示器による方向指示操作を検出する方向指示スイッチ20が設けられ、それらの検出信号は制駆動力コントロールユニット8に出力される。
【0016】
また、前記カメラコントローラ14で検出された走行車線と自車両の前後方向軸とのなす角φ、走行車線中央からの横変位X、走行車線曲率β等や、レーダコントローラ16で検出された障害物までの前後距離Lx,横距離Ly及び障害物の幅Hs、CCDカメラ13で自車両前方の道路白線の画像を捉えることができたか否か、つまりカメラコントローラ14で道路白線を検出できたか否かを示す認識判断信号、駆動トルクコントロールユニット12で制御された駆動トルクTwも合わせて制駆動力コントロールユニット8に出力される。なお、検出された車両の走行状態データに左右の方向性がある場合には、いずれも左方向を正方向とする。すなわち、ヨーレートφ'や横加速度Yg、ヨー角φ、は、左旋回時に正値となり、横変位Xは、走行車線中央から左方にずれているときに正値となる。また、カメラコントローラ14で道路白線を検出できなかったときには、走行車線と自車両の前後方向軸とのなす角φ、走行車線中央からの横変位X及び走行車線曲率βとして“0”が出力される。
【0017】
また、この車両には、ディスプレイやスピーカを備えた車内情報提示装置23が備えられ、自車両に車線逸脱傾向があるときには、制駆動力コントロールユニット8からの指令に応じて音声やブザー音で運転者に警告を提示する。
次に、前記制駆動力コントロールユニット8で行われる演算処理のロジックについて、図2のフローチャートに従って説明する。この演算処理は、例えば20msec.毎の所定サンプリング時間ΔT毎にタイマ割込によって実行される。なお、このフローチャートでは通信のためのステップを設けていないが、演算処理によって得られた情報は随時記憶装置に更新記憶されると共に、必要な情報は随時記憶装置から読出される。
【0018】
この演算処理では、まずステップS1で、前記各センサやコントローラ、コントロールユニットから各種データを読み込む。具体的には、前記各センサで検出された前後加速度Xg、横加速度Yg、ヨーレートφ'、各車輪速度Vwi、操舵角δ、アクセル開度Acc、マスタシリンダ圧Pm 、方向指示スイッチ信号、また駆動トルクコントロールユニット12からの駆動トルクTw、カメラコントローラ14から走行車線と自車両の前後方向軸とのなす角φ、走行車線中央からの横変位X、走行車線曲率β、認識判断信号を読み込む。また、カメラコントローラ14から読み込まれた認識判断信号が道路白線を検出できたことを示すものであるか否かを判定し、道路白線を検出できたことを示すものである場合には認識フラグFcamreadyを“1”のセット状態とし、そうでない場合には認識フラグFcamreadyを“0”のリセット状態とする。
【0019】
次にステップS2に移行して、自車両の走行速度Vを算出する。具体的には、前記ステップS1で読み込まれた各車輪速度Vwiのうち非駆動輪である前左右輪速度VwFL、VwFRの平均値を算出し、その算出結果を自車両の走行速度Vとする。なお、アンチスキッド制御が行われているときには、そのアンチスキッド制御で算出される推定車体速を自車両の走行速度Vとする。
【0020】
次にステップS3に移行して、将来の推定横変位XSを算出する。具体的には、前記ステップS1で読み込まれた自車両の走行車線と自車両の前後方向軸とのなす角φ、走行車線中央からの横変位X、走行車線曲率β及び、前記ステップS2で算出された自車両の走行速度Vに基づき、下記(1)式に従って将来の推定横変位XSを算出する。
【0021】
XS=Tt×V×(φ+Tt×V×β)+X ………(1)
但し、Ttは、前方注視距離算出用の車頭時間であり、車頭時間Ttに自車両の走行速度Vを乗じると前方注視距離になる。つまり、車頭時間Tt後の走行車線中央からの横変位推定値が将来の推定横変位XSとなる。
次にステップS4に移行して、前輪5FL、5FRが道路白線上に設けられている路面凹凸の上を走行していることを検出する。このような路面凹凸は、通常、凹部や凸部が一定間隔で繰り返されて構成されているため、その上を走行すると、図3に示すように、車輪速度VwFL、VwFRがほぼ一定の周期で変動する。そのため、ここでは車輪速度VwFL、VwFRが一定の周期で変動しているときに、前輪5FL、5FRが道路白線上に設けられている路面凹凸の上を走行していると検出する。なお、ここでは前左輪5FLについてのみ説明するが、前右輪5FRについても同様の処理を行う。具体的には、まず前左輪5FLの車輪速度VwFLが変動したか否か、つまり前記ステップS1で読み込まれた前左輪速度VwFLに基づき、下記(2)式に従って車輪加速度dVwFLを算出し、その車輪加速度dVwFLが判断しきい値Slimitより大きくなったか否かを判定する。車輪加速度dVwFLが判断しきい値Slimitより大きくなった場合には、前左輪5FLの車輪速度VwFLが前回変動したときから所定時間経過したか否か、つまりカウンタTsFLが所定値TsL以下であるか否かを判定し、カウンタTsFLが所定値TsL以下である場合には、カウンタTsFLを初期セット値Tsoに設定し、また路面判断開始フラグFrsFLを“1”のセット状態とする。ここで、判断しきい値Slimt及び初期セット値Tsoは、前記ステップS2で算出された自車両の走行速度Vに基づき、それぞれ図4の制御マップ及び図5の制御マップに従って算出される。
【0022】
dVwFL=Kg×(VwFL20−VwFL)/ΔT ………(2)
但し、VwFL20はこの演算処理が前回実行されたときに検出された車輪速度VwFLであり、Kgは単位換算係数である。
なお、車輪加速度dVwFLの変動周期と変動幅、つまり車輪速度VwFLの変動周期と変動幅は、自車両の走行速度Vに応じて変化する。例えば、自車両の走行速度Vが小さいときには、図3に示すような変動が各凹凸毎に現れるが、自車両の走行速度Vが大きいときには、図3に示すような変動は各凹凸毎には現れない。つまり自車両の走行速度Vが大きいときには、タイヤ特性やサスペンション特性の影響が大きくなり、車輪速度VwFL,VwFRの変動周期が大きくなると共に、車輪速度VwFL,VwFRの変動幅が小さくなる。そのため、判断しきい値Slimtは、図4に示すように、自車両の走行速度Vが比較的小さい領域では比較的大きい一定値とし、自車両の走行速度Vが比較的大きい領域では比較的小さい一定値とし、それらの領域の間では自車両の走行速度Vの増加に伴って直線状に減少するように設定している。また、初期セット値Tsoも、図5に示すように、自車両の走行速度Vが比較的小さい領域では比較的大きい一定値とし、自車両の走行速度Vが比較的大きい領域では比較的小さい一定値とし、それらの領域の間では自車両の走行速度Vの増加に伴って直線状に減少するように設定している。
【0023】
また、カウンタTsFLが所定値TsLより大きい場合には、カウンタTsFLから所定値を減算し、凹凸判断タイマTrsFLに所定値を加算する。なお、カウンタTsFLが“0”以下である場合には、路面判断開始フラグFrsFLを“0”のリセット状態とし、また凹凸判断タイマTrsFLを“0”とする。
一方、車輪加速度dVwFLが判断しきい値Slimit以下である場合、又は前回この演算処理が実行されたときに算出された車輪加速度dVwFLが判断しきい値Slimitより大きかった場合には、カウンタTsFLから所定値を減算し、凹凸判断タイマTrsFLに所定値を加算する。なお、カウンタTsFLが“0”以下である場合には、路面判断開始フラグFrsFLを“0”のリセット状態とし、また凹凸判断タイマTrsFLを“0”とする。
【0024】
このような構成とすることで、図6の区間Cに示すよう、車輪加速度dVwFLが判断しきい値Slimitより大きくなると、カウンタTsFLが初期セット値Tsoとされると共に、そのカウンタTsFLが徐々に小さくされ、また凹凸判断タイマTrsFLが徐々に大きくされる。そして、そのカウンタTsFLが所定値TSL以下とされてから“0”以下となるまでに、再び車輪加速度dVwFLが判断しきい値Slimitより大きくなると、つまり車輪速度VwFLがほぼ一定の周期(Tso−TsL)で大きくなると、再びカウンタTsFLが初期セット値Ts oとされて、凹凸判断タイマTrsFLが大きくなり続ける。ちなみに、車輪速度VwFLが一定の周期(Tso−TsL)で変動しないとき、例えば、路面に落ちているものを踏むことで、車輪速度VwFL、VwFRが一時的に大きく変動したときにも、図6の区間A、Bに示すように、一時的にカウンタTsFLが初期セット値Ts oとされるが、カウンタTsFLが徐々に小さくされて“0”となり、凹凸判断タイマTrsFLがすぐに“0”となってしまう。
【0025】
次いで、凹凸判断タイマTrsFLが判断しきい値Trslmtより大きいか否かを判定し、判断しきい値Trslmtより大きい場合には、凹凸判断フラグFotFLを“1”のセット状態、つまり前左輪5FLが道路白線上に設けられている路面凹凸の上を走行していることを示す状態とし、そうでない場合には凹凸判断フラグFotFLを“0”のリセット状態とする。
【0026】
このように本実施形態では、自車両の車輪速度VwFLが自車両の走行速度Vに応じたほぼ一定の周期(Tso−TsL)で変動するときに、凹凸判断フラグFotFLを“1”のセット状態とするため、凹部や凸部を一定間隔で繰り返す路面凹凸の上に前左輪5FLがあるときだけ、道路白線上に設けられている路面凹凸の上を自車両が走行していることが検出される。ちなみに、単に自車両の車輪速度VwFLが変動したときに前記凹凸判断フラグFotFLを“1”のセット状態とする方法では、単なる突起物等を踏んだときにも、当該凹凸判断フラグFotFLが“1”のセット状態となってしまい、前記道路白線上に設けられている路面凹凸の上を自車両が走行していると誤検出してしまう恐れがある。
【0027】
次にステップS5に移行して、自車両が走行車線の左端又は右端を走行していることを検出する。具体的には、前左輪5FLに対応する凹凸判断フラグFotFLと前右輪5FRに対応する凹凸判断フラグFotFRとのいずれか一方だけが“1”のセット状態であるか否かを判定し、前左輪5FLに対応する凹凸判断フラグFotFLと前右輪5FRに対応する凹凸判断フラグFotFRとのいずれか一方だけが“1”のセット状態である場合には、前左輪5FLに対応する凹凸判断フラグFotFLが“1”のセット状態であるか否かを判定する。そして、前左輪5FLに対応する凹凸判断フラグFotFLが“1”のセット状態である場合には道路端判断フラグFdwを“1”のセット状態、つまり自車両が走行車線の左端を走行していることを示す状態とし、そうでない場合には道路端判断フラグFdwを“−1”のセット状態、つまり自車両が走行車線の右端を走行していることを示す状態とする。
【0028】
また、前左輪5FLに対応する凹凸判断フラグFotFLと前右輪5FRに対応する凹凸判断フラグFotFRとの両方が“1”のセット状態又は“0”のリセット状態である場合には道路端判断フラグFdwを“0”のリセット状態とする。
このように本実施形態では、前左輪5FLに対応する凹凸判断フラグFotFLと前右輪5FRに対応する凹凸判断フラグFotFRとのいずれか一方だけが“1”のセット状態であるときに、道路端判断フラグFdwを“1”又は“−1”のセット状態とするため、前左右輪5FL、5FRのいずれか一方だけが路面凹凸を踏んでいるときだけ、道路白線上に設けられている路面凹凸の上を自車両が走行していることが検出される。なお、車輪速度VwFL、VwFRが一定の周期で変動するときに“1”のセット状態となる凹凸判断フラグFotFL、FotFRを用いる例を示したが、これに限られるものではなく、例えば、単に車輪速度VwFL、VwFRが変動するときにセット状態となるフラグを用いてもよい。
【0029】
ちなみに、単に自車両の車輪速度VwFLが変動したときに、自車両の走行車線の道路白線上に設けられている路面凹凸の上を自車両が走行していることを検出する方法では、悪路走行時等、走行路全体に路面凹凸があるときにも、前記道路白線上に設けられている路面凹凸の上を自車両が走行していると誤検出してしまう恐れがある。
【0030】
次にステップS6に移行して、走行車線中央からの横変位Xと将来の推定横変位XSとを補正する。具体的には、まず前記ステップS5で設定された道路端判断フラグFdwが“1”又は“−1”のセット状態であるか否かを判定し、セット状態である場合には、下記(3)式に従って差分Xoffsetを算出し、そうでない場合には差分Xoffsetを“0”とする。
【0031】
Xoffset=Xr−Xi ………(3)
Xr=L/2−Lc/2
但し、Xiは道路端判断フラグFdwがセット状態となったときの走行車線中央からの横変位であり、Lcは自車両の車幅である。そのため、差分Xoffsetとしては、道路端判断フラグFdwがリセット状態となるまで、道路端判断フラグFdwがセット状態となったときの値(一定値)が算出される。なお、本実施形態では、走行車線幅Lを固定値とする例を示したが、これに限られるものではなく、例えば、所謂カーナビゲーションシステムから自車両の走行車線の道路種別の情報を取り込み、その道路種別に応じた車線幅Lを設定してもよい。
【0032】
次いで、路面凹凸が設けられている道路白線が自車両の走行車線の車線区分線となるように、カメラコントローラ14による走行車線の検出結果を前記差分Xoffsetだけずらして補正し、走行車線中央からの横変位Xと将来の推定横変位XSとを補正する。具体的には、前記ステップS1で読み込まれた走行車線中央からの横変位Xに前記差分Xoffsetを加算して当該横変位Xを補正すると共に、前記ステップS3で算出された将来の推定横変位XSに前記差分Xoffsetを加算して当該将来の推定横変位XSを補正する。
【0033】
このように本実施形態では、自車両が道路白線上に設けられている路面凹凸の上を走行していることが検出されたときに、その路面凹凸が設けられている道路白線が自車両の走行車線の車線区分線となるように前記自車両の走行車線の検出結果を補正するため、例えば、自車両の走行車線が右側にずれて検出されたとしても、自車両が道路白線上に設けられている路面凹凸を踏むと、自車両の走行車線の検出結果が適切に補正され、その結果、走行車線の検出精度が向上される。
【0034】
次にステップS7に移行して、運転者が意図的に車線変更しているか否かを判定する。具体的には、前記ステップS1で読み込まれた方向指示スイッチ22から判定される自車両の進行方向(左右方向)と、前記ステップS3で算出された推定横変位XSの符号(左方向が正)から判定される自車両の進行方向とが一致するときには、車線変更判断フラグFLCを“1”のセット状態、つまり運転者が意図的に車線変更していることを示す状態とする。また、両者が一致しないときには車線変更判断フラグFLCは“0”のリセット状態、つまり運転者が意図的に車線変更していないことを示す状態とする。
【0035】
なお、一旦、方向指示スイッチ22の操作によって車線変更判断フラグFLCがセット状態とされると、方向指示スイッチ22の操作が解除されても一定時間(例えば、4秒間)はセット状態が維持される。これにより、方向指示スイッチ22の操作が運転操作によって車線変更中に解除されたとしても、その車線変更中に逸脱回避制御が開始されてしまうことを防止できる。また、方向指示スイッチ22が操作されていなくても、前記ステップS3で算出された推定横変位XSの符号から判定される自車両の進行方向と、前記ステップ1で読み込まれた操舵角δの符号から判定される運転者の操舵方向とが一致し、操舵角δ及びその時間変化率Δδが所定値以上であるときには、車線変更判断フラグFLCを“1”のセット状態、つまり運転者が意図的に車線変更していることを示す状態とする。 次にステップS8に移行して、自車両が走行車線から逸脱傾向にあることを警報するか否かを判定する。具体的には、下記(4)式に従って警報判断しきい値Xwを算出し、前記ステップS7で設定された車線変更判断フラグFLCが“0”のリセット状態であり、且つ、前記ステップS6で補正された将来の推定横変位の絶対値|XS|が警報判断しきい値Xwより大きいときに警報するものとし、そうでないときには警報しないものとする。なお、警報が作動しているときには、将来の推定横変位の絶対値|XS|が(Xw−Xh)以下となるまで警報を続ける。ここでXhは、警報のハンチングを避けるためのヒステリシスである。
Xw=Xc−Xm ………(4)
但し、Xmは定数であり、警報が行われてから車線逸脱回避制御が行われるまでのマ−ジンである。また、Xcは横変位限界値であり、下記(5)式に従って算出される。
【0036】
Xc=L/2−Lc/2 ………(5)
なお、本実施形態では、横変位限界値Xcを随時算出する例を示したが、これに限られるものではなく、例えば、日本国内であれば高速道路の車線幅が“3.35”mであることから例えば“0.8”mの固定値としてもよい。また、道路に埋め込まれたマーカ等のインフラストラクチャーから自車両の逸脱方向にある道路白線までの距離(L/2−XS)の情報を取り込めるときには、その情報を用いてもよい。
【0037】
次にステップS9に移行して、自車両が走行車線から逸脱傾向にあるか否かを判定する。具体的には、前記ステップS6で補正された将来の推定横変位XSが横変位限界値Xc以上であるか否かを判定し、将来の推定横変位XSが横変位限界値Xc以上である場合には、逸脱判断フラグFLDを“1”のセット状態、つまり自車両に走行車線から左方への逸脱傾向があることを示す状態とする。
【0038】
また、将来の推定横変位XSが横変位限界値Xcより小さい場合には、将来の推定横変位XSが横変位限界値Xcの符号を反転させた値(−Xc)より大きいか否かを判定し、将来の推定横変位XSが横変位限界値Xcの符号を反転させた値(−Xc)より大きい場合には、逸脱判断フラグFLDを“0”のリセット状態、つまり自車両に走行車線からの逸脱傾向がないことを示す状態とする。
【0039】
また、将来の推定横変位XSが横変位限界値Xcの正負の符号を反転させた値(−Xc)以下である場合には、逸脱判断フラグFLDを“−1”のセット状態、つまり自車両に走行車線から右方への逸脱傾向があることを示す状態とする。なお、前記ステップS8で設定された車線変更判断フラグFLCがセット状態にあるとき、つまり運転者が意図的に車線変更しているときには、車線逸脱回避制御を行わないので、将来の推定横変位の絶対値|XS|が横変位限界値Xc以上であっても逸脱判断フラグFLDを“0”のリセット状態とする。また同様に、アンチスキッド制御やトラクション制御、ビ−クルダイナミクス制御等が行われているとき、つまりタイヤが限界域に入っているときにも、車線逸脱回避制御を行わないので、将来の推定横変位の絶対値|XS|が横変位限界値Xc以上であっても逸脱判断フラグFLDを“0”のリセット状態とする。
【0040】
このように、本実施形態では、前記ステップS6で補正された将来の推定横変位の絶対値|XS|が横変位限界値Xc以上であるときに、逸脱判断フラグFLDを“1”又は“−1”のセット状態とし、自車両に走行車線からの逸脱傾向があると判定するため、走行車線からの逸脱傾向を適切に検出することができる。
次にステップS10に移行して、目標ヨーモーメントMsを算出する。具体的には、前記ステップS9で設定された逸脱判断フラグFLDが“1”であるか否かを判定し、前記逸脱判断フラグFLDが“1”である場合、つまり自車両に走行車線からの逸脱傾向があるときには、下記(6)式に従って目標ヨーモーメントMsを算出し、そうでない場合には目標ヨーモーメントMsを“0”とする。
【0041】
Ms=−K1×K2×(XS―Xc) ………(6)
但し、K1は車両諸元から決まる比例係数であり、K2は自車両の走行速度Vに基づき図7の制御マップに従って算出される比例係数である。なお、比例係数K2は、図7に示すように、自車両の走行速度Vが比較的小さい領域では比較的大きい一定値となり、自車両の走行速度Vが比較的大きい領域では比較的小さい一定値となり、それらの領域の間では自車両の走行速度Vの増加に伴って直線状に減少するように設定されている。
【0042】
このように、本実施形態では、逸脱判断フラグFLDがセット状態であるときに、自車両の走行車線からの逸脱を回避するように目標ヨーモーメントMsを算出するため、自車両が走行車線からの逸脱傾向を生じると、自車両の走行車線からの逸脱を回避する方向に早いタイミングでヨーモーメントが発生し、自車両の走行車線からの逸脱がより確実に回避される。その際、目標ヨーモーメントMsを、将来の推定横変位XSと第1横変位限界値Xcとの差から算出するため、それらの差の大きさに応じたヨーモーメントが発生し、自車両の走行車線からの逸脱がより確実に回避される。
【0043】
次にステップS11に移行して、各車輪への目標制動流体圧Psiを算出する。具体的には、前記ステップS1で読み込まれたマスタシリンダ圧Pmに対し、前後制動力配分に基づく後輪用マスタシリンダ圧をPmRとしたとき、前記ステップS3で設定された逸脱判断フラグFLDが“0”のリセット状態で且つ前記ステップS5で設定された道路端判断フラグFdwが“0”のリセット状態であるとき、つまり自車両に走行車線からの逸脱傾向がない状態で且つ自車両が走行車線の左端又は右端を走行していないときには、前左右輪5FL、5FRのホイールシリンダ6FL、6FRへの目標制動流体圧PSFL、PSFRを共にマスタシリンダ圧Pmとし、後左右輪5RL、5RRのホイールシリンダ6RL、6RRへの目標制動流体圧PSRL、PSRRを共に後輪用マスタシリンダ圧PmRとする。
【0044】
また、前記逸脱判断フラグFLD及び道路端判断フラグFdwの少なくとも一方がセット状態であるとき、つまり自車両に走行車線からの逸脱傾向があるときや、自車両が走行車線の左端又は右端を走行しているときには、前記ステップS11で算出された目標ヨーモーメントMsの大きさに応じて場合分けを行う。すなわち、前記目標ヨーモーメントの絶対値|Ms|が所定値Ms1未満であるときには後左右輪5RL、5RRの制動力にだけ差を発生させ、当該目標ヨーモーメントの絶対値|Ms|が所定値Ms1以上であるときには各輪5FL〜5RRの制動力に差を発生させる。即ち、前記目標ヨーモーメントの絶対値|Ms|が所定値Ms1未満であるときの前左右輪目標制動流体圧差ΔPSFは“0”であり、後左右輪目標制動流体圧差ΔPSRは下記(7)式に従って算出される。同様に、前記目標ヨーモーメントの絶対値|Ms|が所定値Ms1以上であるときの前左右輪目標制動流体圧差ΔPSFは下記(8)式に従って算出され、後左右輪目標制動流体圧差ΔPSRは下記(9)式に従って算出される。なお、式中のTはトレッド(前後輪で同じとする)、KbF、KbRは、夫々制動力を制動流体圧に換算するための換算係数であり、ブレーキ諸元によって決まる。
【0045】
ΔPSR=2×KbR×|Ms|/T ………(7)
ΔPSF=2×KbF×(|Ms|−Ms1)/T ………(8)
ΔPSR=2×KbR×Ms1/T ………(9)
それゆえ、前記目標ヨーモーメントMsが負値であるとき、すなわち自車両が左方向に車線逸脱しようとしているときの各ホイールシリンダ6FL〜6RRへの目標制動流体圧Psiは下記(10)式に従って算出される。
【0046】
PSFL=Pm
PSFR=Pm+ΔPSF
PSRL=PmR
PSRR=PmR +ΔPSR ………(10)
これに対し、前記目標ヨーモーメントMsが正値であるとき、すなわち自車両が右方向に車線逸脱しようとしているときの各ホイールシリンダ6FL〜6RRへの目標制動流体圧Psiは下記(11)式で算出される。
【0047】
PSFL=Pm+ΔPSF
PSFR=Pm
PSRL=PmR+ΔPSR
PSRR=PmR ………(11)
このように本実施形態では、目標ヨーモーメントMsが発生するように各車輪の目標制動流体圧PSFL〜PSRRを算出するため、運転者の操舵操作とは無関係に車線逸脱回避制御を行うことができ、また適切な目標制動流体圧PSFL〜PSRRで車線逸脱回避制御を行うことができる。
【0048】
次にステップS12に移行して、駆動輪5RL、5RRの目標駆動トルクTrqDSを算出する。具体的には、前記逸脱判断フラグFLDが“1”又は“−1”、又は道路端判断フラグFdwが“1”又は“−1”であるとき、つまり車線逸脱回避制御が行われるときには、アクセル操作が行われていてもエンジンの出力を絞って加速できなくする。すなわち、車線逸脱回避制御が行われるときときの目標駆動トルクTrqDSは、前記ステップS1で読み込まれたアクセル開度Accに応じた値から、前記前後輪の目標制動流体圧差ΔPSF、ΔPSRの和に応じた値を減じた値とする。ここで、アクセル開度Accに応じた値とは、当該アクセル開度Accに応じて自車両を加速する駆動トルクであり、前後輪の目標制動流体圧差ΔPSF、ΔPSRの和に応じた値とは、目標制動流体圧差ΔPSF、ΔPSRの和によって生じる制動トルクである。したがって、車線逸脱回避制御が行われるときには、前記目標制動流体圧差ΔPSF、ΔPSRの和によって生じる制動トルク分だけ、エンジンのトルクが低減されることになる。なお、前記逸脱判断フラグFLDが“0”であり且つ逸脱回避制御制限フラグFcancelがセット状態であるとき、つまり車線逸脱回避制御が行われないときには、目標駆動トルクTrqDSは、前記アクセル開度Accに応じて自車両を加速する駆動トルク分だけとなる。また、運転者によるアクセル操作よりも車線逸脱回避制御を優先する例を示したが、これに限られるものではなく、例えば、運転者によるアクセル操作を車線逸脱回避制御よりも優先し、アクセル開度Accが大きいほど目標ヨーモーメントMsの絶対値を小さくするようにしてもよい。
【0049】
次にステップS13に移行して、前記ステップS11で算出された各車輪5FL〜5RRの目標制動流体圧PsFL〜PsRRを前記制動流体圧制御回路7に向けて出力すると共に、前記ステップS12で算出された駆動輪5RL、5RRの目標駆動トルクTrqDSを前記駆動トルクコントロールユニット12に向けて出力してからメインプログラムに復帰する。
【0050】
次に、本発明の車線逸脱防止装置の動作を具体的状況に基づいて説明する。
まず、自車両の走行車線の道路白線が二重線であって、左側の道路白線として走行車線内側の白線が検出され、右側の道路白線として走行車線外側の白線が検出され、自車両の走行車線が右側にずれて検出されているときに、自車両の走行車線から左方へのわずかな逸脱傾向が生じたとする。すると、カメラコントローラ14で走行車線中央からの横変位Xが大きく算出されてしまい、制駆動力コントロールユニット8の演算処理では、まずそのステップS1で、前記各センサやコントローラ、コントロールユニットから各種データが読み込まれ、また認識フラグFcamreadyが“1”のセット状態とされ、ステップS2で、自車両の走行速度Vが算出され、ステップS3で、その走行速度V等に基づいて将来の推定横変位XSが横変位限界値Xc より大きく算出されてしまい、ステップS4で、車輪速度VwFLに基づいて前左輪5FLに対応する凹凸判断フラグFotFLだけが“0”のセット状態とされ、ステップS5で、その凹凸判断フラグFotFLに基づいて道路端判断フラグFdwが“0”のリセット状態とされ、ステップS6で、前記道路端判断フラグFdwに基づいて差分Xoffsetが“0”とされ、ステップS7で、車線変更判断フラグFLCが“0”のリセット状態とされ、ステップS8を経て、ステップS9で、前記将来の推定横変位XSに基づいて逸脱判断フラグFLDが“1”のセット状態とされ、ステップS10で、前記将来の推定横変位XSから前記横変位限界値Xcを減じた値に比例係数が乗じられ、自車両の車線逸脱を回避する方向(右方向)にヨーモーメントが発生するように目標ヨーモーメントMsが算出され、ステップS11で、その目標ヨーモーメントMsに基づいて右輪5FR、5RRへの目標制動流体圧PsFR、PsRRが大きく算出され、ステップS12を経て、ステップS13で、その目標制動流体圧PsFL〜PsRRが制動流体圧制御回路7に向けて出力される。そして、その目標制動流体圧PsFL〜PsRRが制動流体圧制御回路7に取得されると、右輪5FR、5RRに当該目標制動流体圧PsFR、PsRRが出力され、右方向にヨーモーメントが発生し、車線逸脱回避制御が早いタイミングで行われる。
【0051】
上記フローが繰り返され、車線逸脱回避制御が行われているときに、図8に示すように、自車両の走行車線左脇の道路白線の二重線のうち走行車線外側の白線上に設けられている路面凹凸を前左輪5FLが踏んだとする。すると、制駆動力コントロールユニット8の演算処理では、まずそのステップS1で、前記各センサやコントローラ、コントロールユニットから各種データが読み込まれ、図9の区間Dに示すように、一定の周期で変動する前左輪5FLの車輪速度VwFLが読み込まれ、また認識フラグFcamreadyが“1”のセット状態とされ、ステップS2で、自車両の走行速度Vが算出され、ステップS3で、その走行速度V等に基づいて将来の推定横変位XSが横変位限界値Xc より大きく算出され、ステップS4で、前記車輪速度VwFLに基づいて前左輪5FLに対応する凹凸判断フラグFotFLだけが“1”のセット状態とされ、ステップS5で、その凹凸判断フラグFotFLに基づいて道路端判断フラグFdwが“1”のセット状態とされ、ステップS6で、前記ステップS1で読み込まれた走行車線中央からの横変位Xに基づいて差分Xoffsetが“0”より小さく算出され、その差分Xoffsetが加算されて前記将来の推定横変位XSが横変位限界値Xc より小さく補正され、ステップS7で、車線変更判断フラグFLCが“0”のリセット状態とされ、ステップS8を経て、ステップS9で、前記補正された将来の推定横変位XSに基づいて逸脱判断フラグFLDが“0”のリセット状態とされ、ステップS10で、目標ヨーモーメントMsが“0”とされ、ステップS11で、その目標ヨーモーメントMsに基づいて目標制動流体圧PsFL〜PsRRがマスタシリンダ圧Pm、PmRとされ、ステップS12を経て、ステップS13で、その目標制動流体圧PsFL〜PsRRが制動流体圧制御回路7に向けて出力され、車線逸脱回避制御が中断される。
【0052】
このように本実施形態では、自車両が道路白線上に設けられている路面凹凸の上を走行していることが検出されたときに、その路面凹凸が設けられている道路白線が自車両の走行車線の車線区分線となるように前記自車両の走行車線の検出結果を補正するため、車線区分線が二重線であるときに、自車両の走行車線が右側にずれて検出され、その結果、自車両の走行車線から左方への逸脱傾向が大きく検出され、車線逸脱回避制御が早いタイミングで開始されたとしても、自車両が前記二重線のうち走行車線外側にある線上に設けられている路面凹凸の上を走行すると、自車両の走行車線の検出結果が適切に補正され、自車両の走行車線から左方への逸脱傾向が適切に検出され、前記車線逸脱回避制御を中断することができ、運転者に違和感を与えてしまうことが防止される。
【0053】
次に、本発明の車線逸脱防止装置の第2実施形態について説明する。この実施形態は、自車両の走行車線からの逸脱傾向の検出に用いる車線幅Lを補正する点が前記第1実施形態とは異なる。具体的には、前記第1実施形態の制駆動力コントロールユニット8で行われる図2の演算処理のステップS6及びS9が、図10の演算処理のステップS6’及びS9’に変更されている。この図10の演算処理は、前記第1実施形態の図2の演算処理と同等のステップを多く含んでおり、同等のステップには同等の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0054】
そのステップS6’では、車線幅Lを補正する。具体的には、まず前記ステップS5で設定された道路端判断フラグFdwが“1”又は“−1”のセット状態であるか否かを判定し、セット状態である場合には、下記(12)式に従って差分Loffsetを算出し、そうでない場合には差分Loffsetを“0”とする。
Loffset=Lo−Lr
Lr=2×(Xi+Lc/2) …(12)
但し、Loはあらかじめ定められた車線幅初期設定値Loである。
【0055】
次いで、路面凹凸が設けられている道路白線が自車両の走行車線の車線区分線となるように車線幅Lを補正する。具体的には、前記車線幅初期設定値Loに前記差分Loffsetを加算して車線幅Lを補正する。
また、ステップS9’では、自車両が走行車線から逸脱傾向にあるか否かを判定する。具体的には、前記ステップS3で算出された将来の推定横変位XSが横変位限界値Xc以上であるか否かを判定し、将来の推定横変位XSが横変位限界値Xc以上である場合には、逸脱判断フラグFLDを“1”のセット状態、つまり自車両に走行車線から左方への逸脱傾向があることを示す状態とする。なお、横変位限界値Xcは、前記ステップS6’で補正された車線幅Lに基づき上記(5)式に従って算出される。
【0056】
また、将来の推定横変位XSが横変位限界値Xcより小さい場合には、将来の推定横変位XSが横変位限界値Xcの符号を反転させた値(−Xc)より大きいか否かを判定し、将来の推定横変位XSが横変位限界値Xcの符号を反転させた値(−Xc)より大きい場合には、逸脱判断フラグFLDを“0”のリセット状態、つまり自車両に走行車線からの逸脱傾向がないことを示す状態とする。
【0057】
また、将来の推定横変位XSが横変位限界値Xcの正負の符号を反転させた値(−Xc)以下である場合には、逸脱判断フラグFLDを“−1”のセット状態、つまり自車両に走行車線から右方への逸脱傾向があることを示す状態とする。なお、前記ステップS8で設定された車線変更判断フラグFLCがセット状態にあるとき、つまり運転者が意図的に車線変更しているときには、車線逸脱回避制御を行わないので、将来の推定横変位の絶対値|XS|が横変位限界値Xc以上であっても逸脱判断フラグFLDを“0”のリセット状態とする。また同様に、アンチスキッド制御やトラクション制御、ビ−クルダイナミクス制御等が行われているとき、つまりタイヤが限界域に入っているときにも、車線逸脱回避制御を行わないので、将来の推定横変位の絶対値|XS|が横変位限界値Xc以上であっても逸脱判断フラグFLDを“0”のリセット状態とする。
【0058】
次に、本発明の車線逸脱防止装置の動作を具体的状況に基づいて説明する。
まず、自車両の走行車線の車線区分線が二重線であって、自車両の走行車線が右側にずれて検出され、その結果、自車両の走行車線から左方への逸脱傾向が大きく検出され、車線逸脱回避制御が早いタイミングで開始されたとする。そして、その車線逸脱回避制御が行われているときに、図8に示すように、自車両の走行車線左脇の道路白線の二重線のうち走行車線外側の白線上に設けられている路面凹凸を前左輪5FLが踏んだとする。すると、制駆動力コントロールユニット8の演算処理では、まずそのステップS1で、前記各センサやコントローラ、コントロールユニットから各種データが読み込まれ、図9の区間Dに示すように、一定の周期で変動する前左輪5FLの車輪速度VwFLが読み込まれ、また認識フラグFcamreadyが“1”のセット状態とされ、ステップS2で、自車両の走行速度Vが算出され、ステップS3で、その走行速度V等に基づいて将来の推定横変位XSが横変位限界値Xc より大きく算出され、ステップS4で、前記車輪速度VwFLに基づいて前左輪5FLに対応する凹凸判断フラグFotFLだけが“1”のセット状態とされ、ステップS5で、その凹凸判断フラグFotFLに基づいて道路端判断フラグFdwが“1”のセット状態とされ、ステップS6’で、前記ステップS1で読み込まれた走行車線中央からの横変位Xに基づいて差分Loffsetが“0”より大きく算出され、その差分Loffsetが加算されて車線幅Lが大きく補正され、横変位限界値Xcが前記将来の推定横変位XSより大きく算出され、ステップS7で、車線変更判断フラグFLCが“0”のリセット状態とされ、ステップS8を経て、ステップS9’で、前記将来の推定横変位XSに基づいて逸脱判断フラグFLDが“0”のリセット状態とされ、ステップS10で、目標ヨーモーメントMsが“0”とされ、ステップS11で、その目標ヨーモーメントMsに基づいて目標制動流体圧PsFL〜PsRRがマスタシリンダ圧Pm、PmRとされ、ステップS12を経て、ステップS13で、その目標制動流体圧PsFL〜PsRRが制動流体圧制御回路7に向けて出力され、車線逸脱回避制御が中断される。
【0059】
このように本実施形態では、自車両が道路白線上に設けられている路面凹凸の上を走行していることが検出されたときに、その路面凹凸が設けられている道路白線が自車両の走行車線の車線区分線となるように車線幅Lを補正するため、車線区分線が二重線であるときに、自車両の走行車線が右側にずれて検出され、その結果、自車両の走行車線から左方への逸脱傾向が大きく検出され、車線逸脱回避制御が早いタイミングで開始されたとしても、自車両が前記二重線のうち走行車線外側にある線上に設けられている路面凹凸の上を走行すると、車線幅Lが適切に補正され、自車両の走行車線から左方への逸脱傾向が適切に検出され、前記車線逸脱回避制御を中断することができ、運転者に違和感を与えてしまうことが防止される。
【0060】
次に、本発明の車線逸脱防止装置の第3実施形態について説明する。この実施形態は、自車両の走行車線からの逸脱傾向が検出されたときに、その逸脱を回避するように操舵トルクを発生する点が前記第1実施形態とは異なる。
図11は、本発明の車線逸脱防止装置の第3実施形態の概略構成図である。
図中の前輪5FL、5FRには、一般的なラックアンドピニオン式の操舵機構が配設されている。この操舵機構は、前輪5FL、5FRの操舵軸に接続されるラック24と、これに噛合するピニオン25と、このピニオン25をステアリングホイール26に与えられる操舵トルクで回転させるステアリングシャフト27とを備えている。
【0061】
また、ステアリングシャフト27におけるピニオン25の上部には、前輪5FL、5FRを自動操舵するための操舵アクチュエータを構成する自動操舵機構28が配設されている。この自動操舵機構28は、ステアリングシャフト27と同軸に取付けられたドリブンギヤ29と、これに噛合するドライブギヤ30と、このドライブギヤ30を回転駆動する自動操舵用モータ31とから構成されている。なお、自動操舵用モータ31とドライブギヤ30との間にはクラッチ機構32が介装されており、自動操舵制御時にのみクラッチ機構32が締結され、そうでないときにはクラッチ機構32が非締結状態となって自動操舵用モータ31の回転力がステアリングシャフト27に入力されないようにしている。
【0062】
また、本実施形態では、前記第1実施形態の制駆動力コントロールユニット8で行われる図2の演算処理のステップS10〜S13が、図12のステップS10’、S13’に変更されている。この図12の演算処理は、前記第1実施形態の図2の演算処理と同等のステップを多く含んでおり、同等のステップには同等の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0063】
そのステップS10’では、目標付加操舵トルクTsstrを算出する。具体的には、自車両に走行車線からの逸脱傾向があるか否か、つまり逸脱判断フラグFLDが“1”又は“−1”のセット状態であるか否かを判定し、セット状態である場合には、前記ステップS3で算出された将来の推定横変位XSに基づき、下記(13)式に従って目標付加操舵トルクTsstrを算出し、そうでない場合には目標付加操舵トルクTsstrを“0”とする。
【0064】
Tsstr=mid(−Tsstrmax、−K1s×(Xs−Xc)、Tsstrmax)…(13)
但し、Tsstrmaxは付加操舵トルクの制限値であり、K1sは車両諸元によって定まる定数である。なお、本実施形態では、単にフィ−ドバック制御で目標付加操舵トルクTsstrを算出する例を示したが、これに限られるものではなく、例えば、車両モデルを用いて所望の横変位や横滑り角等が達成されるように目標付加操舵トルクTsstrを算出してもよい。
【0065】
次にステップS13’に移行して、前記ステップS10’で算出された目標付加操舵トルクTsstrを自動操舵用モータ31に向けて出力してからメインプログラムに復帰する。
次に、本発明の車線逸脱防止装置の動作を具体的状況に基づいて説明する。
まず、自車両の走行車線の車線区分線が二重線であって、自車両の走行車線が右側にずれて検出され、その結果、自車両の走行車線から左方への逸脱傾向が大きく検出され、車線逸脱回避制御が早いタイミングで開始されたとする。そして、その車線逸脱回避制御が行われているときに、図8に示すように、自車両の走行車線左脇の道路白線の二重線のうち走行車線外側の白線上に設けられている路面凹凸を前左輪5FLが踏んだとする。すると、制駆動力コントロールユニット8の演算処理では、まずそのステップS1で、前記各センサやコントローラ、コントロールユニットから各種データが読み込まれ、図9の区間Dに示すように、一定の周期で変動する前左輪5FLの車輪速度VwFLが読み込まれ、また認識フラグFcamreadyが“1”のセット状態とされ、ステップS2で、自車両の走行速度Vが算出され、ステップS3で、その走行速度V等に基づいて将来の推定横変位XSが横変位限界値Xc より大きく算出され、ステップS4で、前記車輪速度VwFLに基づいて前左輪5FLに対応する凹凸判断フラグFotFLだけが“1”のセット状態とされ、ステップS5で、その凹凸判断フラグFotFLに基づいて道路端判断フラグFdwが“1”のセット状態とされ、ステップS6で、前記ステップS1で読み込まれた走行車線中央からの横変位Xに基づいて差分Xoffsetが“0”より小さく算出され、その差分Xoffsetが加算されて前記将来の推定横変位XSが横変位限界値Xc より小さく補正され、ステップS7で、車線変更判断フラグFLCが“0”のリセット状態とされ、ステップS8を経て、ステップS9で、前記補正された将来の推定横変位XSに基づいて逸脱判断フラグFLDが“0”のリセット状態とされ、ステップS10’で、その逸脱判断フラグFLDに基づいて目標付加操舵トルクTsstrが“0”とされ、ステップS13’で、その目標付加操舵トルクTsstrが自動操舵用モータ31に向けて出力され、車線逸脱回避制御が中断される。
【0066】
このように本実施形態にあっては、目標付加操舵トルクTsstrに応じた駆動信号を自動操舵用モータ31に向けて出力し、自車両を走行車線の中央位置に戻す方向(右方向)に操舵角δが生じるようにするため、例えば、走行車線からの逸脱を回避するように各車輪5FL〜5RRの制動力を制御する方法に比べ、車線逸脱回避制御による減速感を抑制防止できる。
【0067】
なお、上記実施形態では、図1のカメラコントローラ14が車線区分線検出手段及び走行車線検出手段を構成し、以下同様に、ステップS4及びS5が路面凹凸検出手段を構成し、図2及び図12のステップS6が検出結果補正手段を構成し、図1の車輪速度センサ22FL〜22RRが車輪速度検出手段を構成し、図1及び図11のCCDカメラ13は撮像手段を構成し、図2及び図12のステップS9及び図10のS9’が逸脱傾向検出手段を構成し、図2及び図10のステップS10が車線逸脱回避制御手段を構成し、図10のステップS6’が車線幅設定値補正手段を構成し、図1の各センサ及びカメラコントローラ14が走行状態検出手段を構成する。
【0068】
また、上記実施の形態は本発明の車線逸脱防止装置の一例を示したものであり、装置の構成等を限定するものではない。
上記実施形態では、前左右輪5FL、5FRの車輪速度VwFL、VwFRに基づいて、道路白線上に設けられている路面凹凸の上に前輪5FL、5FRがあることを検出する例を示したが、これに限られるものではなく、例えば、サスペンションの上下動の状態、つまりサスペンションの上下動の加速度やストローク量等に基づいて、前記路面凹凸の上に前輪5FL、5FRがあることを検出してもよい。そのようにすれば、例えば、乗り心地向上のために設けられているアクティブサスペンション用の加速度センサやストロークセンサの検出結果を利用することで、車線逸脱防止装置を安価に構成することができる。
【0069】
また、例えば、カーナビゲーションシステム等で、自車両が道路以外を走行していることが検出されたときに、道路白線上に設けられている路面凹凸の上を自車両が走行していることの検出を制限してもよく、そのようにすれば、駐車場等、道路以外の場所を自車両が走行しているときには、自車両が道路白線上に設けられている路面凹凸の上を走行していると誤検出することを防止できる。
【0070】
さらに、道路白線上に凸部を設けることで形成された路面凹凸の上に前輪5FL、5FRがあることを検出する例を示したが、これに限られるものではなく、例えば、図14に示すように、前記道路白線上に凹部を設けることで形成された路面凹凸の上にあることを検出するものであってもよい。
さらに、前輪5FL、5FRの車輪速度VFL、VFRに基づいて道路端判断フラグFdwを設定する例を示したが、これに限られるものではなく、例えば、後輪5RL、5RRの車輪速度VRL、VRRに基づいて道路端判断フラグFdwを設定してもよい。また、左側の前後輪5FL、5RLと右側の前後輪5FR、5RRとのいずれか一方だけが前後輪共に“1”のセット状態であるか否かを判定し、前後輪共にセット状態であるときにだけ道路端判断フラグFdwを“1”のセット状態としてもよく、そのようにすれば、道路端判断フラグFdwの信頼性を向上できる。
【0071】
さらに、図14に示すように、自車両の走行車線の道路白線が二重線となり、カメラコントローラ14で自車両の左右両方に2つの道路白線が検出されるときには、それら複数の道路白線のうちから自車両の走行車線の車線区分線をカメラコントローラ14に選択させるようにしてもよい。その選択方法としては、通常時は、道路白線間の間隔Lwiがあらかじめ定められた車線幅Lと等しく、且つ、車線区分線が二重線となる直前に検出されていた道路白線の近くにあるものを選択する方法が挙げられる。そして、自車両が道路白線上に設けられている路面凹凸の上を走行していることが検出されたときには制駆動力コントロールユニット8に白線ペア修正指令を出力させ、その白線ペア修正指令をカメラコントローラ14が取得したときに、その路面凹凸が設けられている道路白線とその道路白線との間隔Lwiがあらかじめ定められた車線幅Lと等しい道路白線とを選択するようにしてもよい。そのようにすれば、道路白線が二重線であるときに、図14の第3候補Lw3に示すように、左側の道路白線として走行車線内側の白線が検出され、右側の道路白線として走行車線外側の白線が検出され、自車両の走行車線が右側にずれて検出されたとしても、自車両の左側であって走行車線外側の白線上に設けられている路面凹凸の上を走行すると、図14の第2候補Lw2に示すように、自車両の走行車線の検出結果が適切に補正され、その結果、自車両の走行車線の検出精度が向上される。なお、自車両が踏んでいる路面凹凸が設けられている道路白線を選択すると共に、その道路白線との間隔Lwiがあらかじめ定められた車線幅Lと等しい道路白線も選択する例を示したが、これに限られるものではなく、単に自車両が踏んでいる路面凹凸が設けられている道路白線だけを選択してもよく、そのようにするだけでも車線逸脱回避性能を向上できる。
【0072】
また、自車両の走行車線の道路白線が二重線となった直後だけ車線区分線の選択を行い、その後は、常に同じ道路白線が車線区分線として選択されるようにし、その他の道路白線は検出さえしないものとしてもよく、そのようにすれば、道路白線の検出に要する演算時間を小さくすることができる。なお、その他の道路白線を検出しないものとするときにも、自車両が道路白線上に設けられている路面凹凸の上を走行していることが検出されたときには、その路面凹凸が設けられている道路白線を選択するようにしてもよい。
【0073】
さらに、自車両の左右いずれか一方にある道路白線だけが検出されているときには、その検出された道路白線の自車両に対する位置だけに基づいて走行車線を検出するようにしてもよい。そして、自車両が道路白線上に設けられている路面凹凸の上を走行していることが検出されたときには制駆動力コントロールユニット8に白線ペア修正指令を出力させ、その白線ペア修正指令をカメラコントローラ14が取得したときに、その路面凹凸が設けられている道路白線が自車両の走行車線の車線区分線となるように道路白線の自車両に対する位置を補正してもよい。そのようにすれば、自車両の走行車線が右側にずれて検出されたとしても、自車両の左側であって走行車線外側の白線上に設けられている路面凹凸の上を走行すると、自車両の走行車線の検出結果が適切に補正され、その結果、自車両の走行車線の検出精度が向上される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車線逸脱防止装置を搭載した車両の第1実施形態を示す概略構成図である。
【図2】図1の制駆動力コントロールユニット内で実行される演算処理を示すフローチャートである。
【図3】車輪速度の変動を説明するための説明図である。
【図4】図2の演算処理に用いられる制御マップである。
【図5】図2の演算処理に用いられる制御マップである。
【図6】図2の演算処理の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図7】図2の演算処理に用いられる制御マップである。
【図8】図2の演算処理の動作を説明するための説明図である。
【図9】図2の演算処理の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図10】第2実施形態で、図1の制駆動力コントロールユニット内で実行される演算処理を示すフローチャートである。
【図11】本発明の車線逸脱防止装置を搭載した車両の第3実施形態を示す概略構成図である。
【図12】図12の制駆動力コントロールユニット内で実行される演算処理を示すフローチャートである。
【図13】本発明の変形例を説明するための説明図である。
【図14】本発明の変形例を説明するための説明図である。
【符号の説明】
5FL〜5RRは車輪
6FL〜6RRはホイールシリンダ
7は制動流体圧制御回路
8は制駆動力コントロールユニット
9はエンジン
12は駆動トルクコントロールユニット
13はCCDカメラ
14はカメラコントローラ
15は加速度センサ
16はヨーレートセンサ
17はマスタシリンダ圧センサ
18はアクセル開度センサ
19は操舵角センサ
20は方向指示スイッチ
22FL〜22RRは車輪速度センサ
Claims (9)
- 自車両の走行車線の画像を撮像する撮像手段と、その撮像手段による撮像画像に基づいて自車両の走行車線の車線区分線の画像を検出する車線区分線検出手段と、その車線区分線検出手段で検出された車線区分線の画像に基づいて自車両の走行車線中央からの当該自車両の現在の横変位を検出すると共に当該現在の横変位に基づいて将来の横変位を検出する走行車線検出手段と、その走行車線検出手段で検出された将来の横変位に基づいて自車両が走行車線から逸脱傾向にあることを検出する逸脱傾向検出手段と、前記逸脱傾向検出手段で自車両が走行車線から逸脱傾向にあることが検出されると、自車両の走行車線からの逸脱を回避させる車線逸脱回避制御を行う車線逸脱回避制御手段と、自車両が車線区分線上に設けられている路面凹凸の上を走行していることを検出する路面凹凸検出手段と、その路面凹凸検出手段で前記路面凹凸の上を走行していることが検出されると、前記走行車線検出手段で検出された現在の横変位と車線幅から車幅を減じた減算結果の半分値とのオフセット量を前記走行車線検出手段で検出される将来の横変位に加えることで、当該将来の横変位を補正する検出結果補正手段とを備えたことを特徴とする車線逸脱防止装置。
- 自車両の走行車線の画像を撮像する撮像手段と、その撮像手段による撮像画像に基づいて自車両の走行車線の車線区分線の画像を検出する車線区分線検出手段と、その車線区分線検出手段で検出された車線区分線の画像に基づいて自車両の走行車線中央からの当該自車両の現在の横変位を検出すると共に当該現在の横変位に基づいて将来の横変位を検出する走行車線検出手段と、その走行車線検出手段で検出された将来の横変位と自車両の走行車線の車線幅を示す車線幅設定値とに基づいて自車両が走行車線から逸脱傾向にあることを検出する逸脱傾向検出手段と、前記逸脱傾向検出手段で自車両が走行車線から逸脱傾向にあることが検出されると、自車両の走行車線からの逸脱を回避させる車線逸脱回避制御を行う車線逸脱回避制御手段と、自車両が車線区分線上に設けられている路面凹凸の上を走行していることを検出する路面凹凸検出手段と、その路面凹凸検出手段で前記路面凹凸の上を走行していることが検出されると、前記走行車線検出手段で検出された現在の横変位に基づいて車線幅を算出し、その車線幅と車線幅初期設定値とのオフセット量を前記車線幅設定値に加えることで、当該車線幅設定値を補正する車線幅設定値補正手段を備えたことを特徴とする車線逸脱防止装置。
- 自車両の車輪速度を検出する車輪速度検出手段を備え、
前記路面凹凸検出手段は、前記車輪速度検出手段で検出された車輪速度のうち左右輪のいずれか一方の車輪速度だけが変動するときに、自車両が車線区分線近傍に設けられている路面凹凸の上を走行していることを検出することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車線逸脱防止装置。 - 前記検出結果補正手段は、前記車線区分線検出手段で少なくとも自車両の左右いずれか一方に複数の車線区分線の画像が検出され、且つ、前記路面凹凸検出手段で前記路面凹凸の上を走行していることが検出されたときに、前記車線区分線検出手段で検出された車線区分線の画像のうち前記路面凹凸が設けられている車線区分線の画像を自車両の走行車線の車線区分線の画像として選択することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の車線逸脱防止装置。
- 自車両の走行速度、自車両の走行車線に対する向き、自車両の走行車線に対する位置及び自車両の走行車線の曲率を検出する走行状態検出手段を備え、
前記逸脱傾向検出手段は、前記走行状態検出手段で検出された自車両の走行速度、自車両の走行車線に対する向き、自車両の走行車線に対する位置及び自車両の走行車線の曲率に基づいて将来の自車両の走行車線に対する横変位を算出し、その将来の自車両の走行車線に対する横変位の絶対値が所定の横変位限界値以上であるときに、自車両が走行車線から逸脱傾向にあることを検出することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の車線逸脱防止装置。 - 前記車線逸脱回避制御手段は、前記逸脱傾向検出手段で自車両が走行車線から逸脱傾向にあることが検出されたときに、自車両の走行車線からの逸脱を回避する方向にヨーモーメントが発生するように各車輪の制動力を制御することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の車線逸脱防止装置。
- 前記車線逸脱回避制御手段は、前記逸脱傾向検出手段で自車両が走行車線から逸脱傾向にあることが検出されたときに、自車両の走行車線からの逸脱を回避する方向にヨーモーメントが発生するように各車輪の制駆動力制御量を算出する制駆動力制御量算出手段と、前記制駆動力制御量算出手段で算出された制駆動力制御量に応じて各車輪の制駆動力を制御する制駆動力制御手段とを備えたことを特徴とする請求項5に記載の車線逸脱防止装置。
- 前記制駆動力制御量算出手段は、前記逸脱傾向検出手段で自車両が走行車線から逸脱傾向にあることが検出されると、自車両の走行車線からの逸脱を回避する方向に、前記将来の自車両の走行車線に対する横変位と横変位限界値との差に応じたヨーモーメントが発生するように各車輪の制駆動力制御量を算出することを特徴とする請求項7に記載の車線逸脱防止装置。
- 前記車線逸脱回避制御手段は、前記逸脱傾向検出手段で自車両が走行車線から逸脱傾向にあることが検出されたときに、自車両の走行車線からの逸脱を回避させる操舵トルクを発生することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の車線逸脱防止装置。
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