JP6476735B2 - 警報装置 - Google Patents

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本発明は、警報装置に関し、特に、車線逸脱警報装置に関する。
従来、この種の警報装置として、車載カメラにより撮像した車両前方の路面画像に基づいて走行車線を区分する白線等の車線境界線を検出し、車両が車線境界線を逸脱する可能性が高い場合に警報を行うものが提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。
特開2004−268845号公報 特開平9−270098号公報
ところで、車線境界線が二重で引かれた二重車線区間では、一般的な道路に比べて走行車線幅が狭くなるため、車両は車線境界線を逸脱しやすい状態になる。このような狭幅車線区間において、車両が車線境界線を逸脱するたびに警報を行うと、警報頻度が過剰となり、ドライバーに不快感を与える可能性がある。特に、乗用車に比べて車幅が広いトラック等の大型車両では、このような警報頻度の増加が顕著になる課題がある。
開示の装置は、走行車線を区分する車線境界線の種類に応じて警報頻度の最適化を図ることを目的とする。
開示の装置は、車両の走行車線を区分する車線を取得する車線取得手段と、前記車線取得手段で取得される車線に基づいて当該車線の種類を表す車線情報を判別する車線情報判別手段と、前記車線取得手段で取得される車線に基づいて前記車両の車線逸脱量を演算すると共に、当該車線逸脱量が予め設定された所定の基準逸脱量を超えると、前記車両が車線逸脱状態にあると判定する車線逸脱判定手段と、前記車線情報判別手段により車線の種類が二重境界線と判別された場合、前記基準逸脱量を補正する基準逸脱量補正手段と、前記車線逸脱判定手段により車線逸脱状態と判定されると警報を行う警報手段と、を備える。
開示の装置によれば、走行車線を区分する車線境界線の種類に応じて警報頻度の最適化を図ることができる。
本実施形態に係る車線逸脱警報装置を搭載した車両の一例を示す概略構成図である。 本実施形態に係る車線逸脱警報装置の電子制御ユニットを示す機能ブロック図である。 (A)は走行車線が「第1狭幅車線区間」に該当する場合、(B)は走行車線が「第2狭幅車線区間」に該当する場合、(C)は車線境界線が「二重境界線区間」に該当する場合を説明する図である。 本実施形態に係る車線逸脱警報装置による車線逸脱判定処理を説明するフローチャート図である。 走行車線が「片側車線区間」に該当する場合を説明する図である。
以下、添付図面に基づいて、本発明の一実施形態に係る車線逸脱警報装置を説明する。同一の部品には同一の符号を付してあり、それらの名称及び機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
図1に示すように、本実施形態に係る車線逸脱警報装置10は、好ましくは、トラック等の大型車両1に搭載されるもので、CCDカメラ11、電子制御ユニット(以下、単にECUという)20、警報手段としてのスピーカ30及び、表示装置31を備えている。
CCDカメラ11は、本発明の車線取得手段の一例であって、車両1(キャブCA)の前部に設けられている。CCDカメラ11は、車両1の走行車線LAを区分する路面上の白線や黄線等の車線境界線WLを撮像すると共に、撮像した画像をECU20に送信する。なお、車線情報を取得する手段としては、CCDカメラ11に限定されず、他の公知の撮像装置を適用してもよい。
ECU20は、車両1の各種制御を行うもので、公知のCPUやROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備えて構成されている。また、図2に示すように、ECU20は、画像処理部21、車線情報判別部22、逸脱量閾値補正部23、車線逸脱判定部24、警報出力処理部25を一部の機能要素として備えている。これら各機能要素は、一体のハードウェアであるECU20に含まれるものとして説明するが、これらのいずれか一部を別体のハードウェアに設けることもできる。
画像処理部21は、CCDカメラ11から送信される画像にエッジ抽出等の画像処理を施すことで、走行車線LAを区分する白線や黄線等を認識するための車線境界線画像を生成する。
車線情報判別部22は、本発明の車線情報判別手段であって、画像処理部21により生成される車線境界線画像に基づいて、走行車幅LAW(左右の車線境界線WLの離間距離)や車線境界線WLの本数等を表す車線情報を判別する。以下、車線情報判別の詳細について説明する。
<第1狭幅車線区間の判別>
図3(A)に示すように、走行車線幅LAWが車両1の車幅VW以下となる車線区間では、車両1は常に車線境界線WLを逸脱して走行するため、警報を禁止することが好ましい。車線情報判別部22は、車線境界線画像に基づいて求めた走行車線幅LAWが予めECU20に格納された車幅VW以下の場合(LAW≦VW)、走行車線LAの種類を車線逸脱が恒常的に生じる「第1狭幅車線区間」として判別する。「第1狭幅車線区間」と判別されると、後述する警報出力処理部25による指示信号の出力を禁止する禁止フラグFProがオンにされる。
<第2狭幅車線区間の判別>
図3(B)に示すように、走行車線幅LAWが車幅VWよりも広くなるが、所定の基準車線幅LAWST以下となる車線区間では、車両1は車線境界線WLを逸脱しやすい状態になる。車線情報判別部22は、車線境界線画像に基づいて求めた走行車線幅LAWが車幅VWよりも広く、且つ予めECU20に格納された基準車線幅LAWST以下になる場合(VW<LAW≦LAWST)、走行車線LAの種類を車線逸脱が生じやすくなる「第2狭幅車線区間」として判別する。「第2狭幅車線区間」と判別された場合は、後述する基準逸脱量閾値OLSTを補正する補正フラグFCorがオンにされる。
<二重境界線区間>
図3(C)に示すように、走行車線幅LAWが狭くなる二重境界線区間では、車両1は車線境界線WLを逸脱しやすい状態になる。車線情報判別部22は、車線境界線画像に基づいて左右何れか一方の車線境界線WLが二重線として検出された場合、車線境界線WLの種類を車線逸脱が生じやすくなる「二重境界線区間」として判別する。「二重境界線区間」と判別された場合は、「第2狭幅車線区間」と同様に、補正フラグFCorがオンにされる。
逸脱量閾値補正部23は、本発明の基準逸脱量補正手段であって、車線情報判別部22によって車線情報が「第2狭幅車線区間」又は「二重境界線区間」と判別された場合に、後述する車線逸脱判定に用いる基準逸脱量閾値OLSTを補正する。より詳しくは、「第2狭幅車線区間」又は「二重境界線区間」と判別されて補正フラグFCorがオンにされると、逸脱量閾値補正部23は、基準逸脱量閾値OLSTに所定の補正量を加算する増加補正を実施する(以下、補正後の値を補正後逸脱量閾値OLST_Corという)。この場合の補正量は、予め設定した一定値であってもよく、或いは、車線幅LAWが狭くなるにしたがい多くなる補正量で設定されてもよい。
車線逸脱判定部24は、本発明の車線逸脱判定手段であって、車両1が走行車線LA側から車線境界線WLを超えて走行する車線逸脱状態にあるか否かを判定する。以下、車線逸脱判定処理の詳細手順について説明する。
<車線逸脱判定処理>
まず、画像処理部21によって生成される車線境界線画像に基づいて、車両1のキャブCA端部が走行車線LA側から車線境界線WLの内側ラインを超えた量(以下、単に車線逸脱量OLという)が求められる。そして、補正フラグFCorがオフの場合は、車線逸脱量OLが基準逸脱量閾値OLSTを超えると(OL>OLST)、車両1は「車線逸脱状態」にあると判定される。一方、補正フラグFCorがオンの場合は、車線逸脱量OLが補正後逸脱量閾値OLST_Corを超えると(OL>OLST_Cor)、車両1は「車線逸脱状態」にあると判定される。すなわち、「第2狭幅車線区間」や「二重境界線区間」では、車線逸脱量OLが基準逸脱量閾値OLSTを超えたのみでは「車線逸脱状態」と判定されず、補正後逸脱量閾値OLST_Corを超えることで「車線逸脱状態」と判定されるようになっている。
警報出力処理部25は、禁止フラグFProがオフの状態で、車線逸脱判定部24により「車線逸脱状態」と判定された場合に、スピーカ30に警報を発させる指示信号及び表示装置31に警報を表示させる指示信号を出力する。一方、禁止フラグFProがオンの場合は、これら指示信号の出力が禁止されるようになっている。
次に、図4に基づいて、本実施形態の車線逸脱警報装置10による車線逸脱判定処理の制御フローを説明する。なお、本制御は、図示しない車載エンジンのイグニッションキーオン操作により起動され、イグニッションキーオフ操作まで繰り返し実行される。
ステップS100では、CCDカメラ11によって撮像された車両1の前方画像から車線境界線画像が生成される。
ステップS110では、車線境界線画像から求めた走行車線幅LAWが車幅VW以下となる「第1狭幅車線区間」であるか否かが判定される。走行車線幅LAWが車幅VWよりも広い場合(No)は、ステップS120で警報禁止フラグFProがオフにされる。一方、車線幅LAWが車幅VW以下の場合(Yes)は、ステップS200で禁止フラグFProがオンにされて本制御はリターンされる。すなわち、車線幅LAWが車幅VW以下となる「第1狭幅車線区間」では、警報が禁止されるようになっている。なお、禁止フラグFProがオンにされた場合は、後述するステップS140及び、ステップS180で行われる逸脱判定処理を禁止するように構成してもよい。
ステップS130では、走行車線LAや車線境界線WLの種類が、車線逸脱を生じやすい「第2狭幅車線区間」或いは、「二重境界線区間」であるか否かが判定される。車線幅LAWが基準車線幅LAWST以下になる場合(VW<LAW≦LAWST)は「第2狭幅車線区間」と判定され、車線境界線WLが二重線として検出された場合が「二重境界線区間」と判定される。「第2狭幅車線区間」又は「二重境界線区間」の何れかと判定された場合(Yes)は、ステップS140で補正フラグFCorがオンにされ、条件不成立の場合はステップS180で補正フラグFCorがオフにされる。
ステップS150では、基準逸脱量閾値OLSTに所定の補正量を加算する増加補正が実施される。さらに、ステップS160では、車線逸脱量OLが補正後逸脱量閾値OLST_Corを超えたか否かが判定される。車線逸脱量OLが補正後逸脱量閾値OLST_Corを超えた場合(Yes)は、「車線逸脱状態」と判定され、ステップS170ではスピーカ30や表示装置31による警報が実施される。一方、条件不成立の場合は、警報を発することなく本制御はリターンされる。
ステップS180で補正フラグFCorがオフにされた場合は、増加補正を実施することなくステップS190に進み、車線逸脱量OLが基準逸脱量閾値OLSTを超えたか否かが判定される。車線逸脱量OLが基準逸脱量閾値OLSTを超えた場合(Yes)は、「車線逸脱状態」と判定されてステップS170に進み警報が実施される。一方、条件不成立の場合は、警報を行うことなく本制御はリターンされる。
以上詳述したように、本実施形態の車線逸脱警報装置10では、車両1が常に車線逸脱状態となる「第1狭幅車線区間」では、車線逸脱警報の実施が禁止されるようになっている。したがって、車両1が恒常的に車線を逸脱することで発せられる警報を効果的に抑止することが可能となり、ドライバーに不快感を与えることを確実に防止することができる。
また、車両1が車線逸脱状態になりやすい「第2狭幅車線区間」や「二重境界線区間」では、基準逸脱量閾値OLSTを増加補正することにより、車線情報に応じた適切な車線逸脱判定処理が実現されるようになっている。したがって、車両1が車線を逸脱しやすい状態で警報頻度の最適化が図られるようになり、ドライバーに不快感を与えることを確実に防止することができる。
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変形して実施することが可能である。
例えば、車線情報判別部22は、車線情報として「第1狭幅車線区間」、「第2狭幅車線区間」及び、「二重境界線区間」を判別するものとして説明したが、図5に示す「片側車線区間」をさらに判別するように構成してもよい。具体的には、車線境界線画像に基づいて左右何れか一方の車線境界線WLと車両1側部との離間距離LDを算出すると共に、この離間距離LDが所定の閾値距離LDST以上の場合(LD≧LDST)、当該条件が成立する側には車線境界線WLが存在しない「片側車線区間」と判別すればよい。この場合は、車線逸脱判定を車線境界線LWの存在する方向(図中右側)のみで実施すればよい。
また、車両1はトラック等の大型車両として説明したが、乗用車等の他の車両にも広く適用することが可能である。
1 車両
10 車線逸脱警報装置
11 CCDカメラ
20 ECU
21 画像処理部
22 車線情報判別部
23 逸脱量閾値補正部
24 車線逸脱判定部
25 警報出力処理部
30 スピーカ
31 表示装置

Claims (2)

  1. 車両の走行車線を区分する車線を取得する車線取得手段と、
    前記車線取得手段で取得される車線に基づいて当該車線の種類を表す車線情報を判別する車線情報判別手段と、
    前記車線取得手段で取得される車線に基づいて前記車両の車線逸脱量を演算すると共に、当該車線逸脱量が予め設定された所定の基準逸脱量を超えると、前記車両が車線逸脱状態にあると判定する車線逸脱判定手段と、
    前記車線情報判別手段により車線の種類が二重境界線と判別された場合、前記基準逸脱量を補正する基準逸脱量補正手段と、
    前記車線逸脱判定手段により車線逸脱状態と判定されると警報を行う警報手段と、を備える
    警報装置。
  2. 前記基準逸脱量補正手段は、
    前記車線情報判別手段により車線の種類が二重境界線と判別された場合、前記基準逸脱量に所定の補正量を加算する増加補正を実施する
    請求項1に記載の警報装置。
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