JP2006306203A - 車線逸脱防止装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】運転者に違和感を与えることなく、最適に車線逸脱を防止できる。
【解決手段】車線逸脱防止装置は、走行車線に対して自車両が逸脱傾向にあると判定した場合に、逸脱回避側の左前輪5FLに制動力を与えるとともに、当該左前輪5FLに与える制動力により車両が旋回挙動を示すことに起因して後輪5RL,5RRに発生する路面との摩擦力を、減少させるように当該後輪5RL,5RRを転舵して、車両に車線逸脱防止用のヨーモーメントを付与する。
【選択図】図7

Description

本発明は、自車両が走行車線から逸脱しそうになったときに、その逸脱を防止する車線逸脱防止装置に関する。
従来の車線逸脱防止装置として、自車両が走行車線を逸脱する可能性がある場合に、左右の車輪に制動力差を付与し、自車両にヨーモーメントを付与することで、自車両が走行車線から逸脱することを防止する装置がある(例えば特許文献1参照)。
特開2003−112540号公報
前記特許文献1に記載の技術では、制動力差により車両に車線逸脱回避用のヨーモーメントを付与しているので、そのヨーモーメントにより自車両が旋回挙動に起因して、当該制動力差を発生させる車輪以外の車輪で路面との摩擦が大きくなる。この結果、所定のヨーモーメントを付与するには、そのような摩擦増大分を考慮して、制動力差を決定する必要があった。また、例えば、左右前輪に制動力差を与えた場合、車両が旋回挙動を示すから、後輪において路面との摩擦が大きくなるが、このとき、車両の旋回挙動の引き摺り感を運転者に与えてしまう。
その一方で、転舵により自車両にヨーモーメントを付与して車線逸脱を回避する技術もあるが、転舵だけでヨーモーメントを自車両に付与しようとすると、特にヨーモーメントが大きい時は運転者に違和感を与えてしまう場合もある。
本発明は、前述の問題に鑑みてなされたものであり、運転者に違和感を与えることなく、最適に車線逸脱を防止できる車線逸脱防止装置の提供を目的とする。
請求項1記載の車線逸脱防止装置は、走行車線に対して自車両が逸脱傾向にあると判定した場合に、逸脱回避側の車輪に制動力を与えるとともに、当該車輪に与える制動力により車両が旋回挙動を示すことに起因して、当該制動力を与えた車輪以外の車輪に発生する路面との摩擦力を減少させるように当該車輪を転舵して、車両に車線逸脱防止用のヨーモーメントを付与することを特徴とする。
ここで、車輪に制動力を与えることについては、当該車輪にのみ制動力を与えたり、左右輪に制動力を与えつつも、当該左右輪に制動力差を与えたりすることをいう。
請求項1記載の車線逸脱防止装置によれば、制動力を小さくして車線逸脱回避用のヨーモーメントを車両に付与でき、かつ運転者に違和感を与えてしまうことを防止できる。
本発明を実施するための最良の形態(以下、実施形態という。)を図面を参照しながら詳細に説明する。
実施形態は、本発明に係る車線逸脱防止装置を搭載した後輪駆動車両である。この後輪駆動車両は、自動変速機とコンベンショナルディファレンシャルギヤとを搭載し、前後輪とも左右輪の制動力を独立制御可能な制動装置を搭載している。
また、この車両は前後輪が共に転舵できるように構成されている。例えば、前輪と後輪とを転舵できる車両としては、運転者が操作するステアリングホイールの角度と前輪の転舵輪の転舵角との比率を走行条件に応じて変化させることができるフロントアクティブステアシステムと後輪操舵システムとを備えた車両や、いわゆるステアバイワイヤシステムを備えた車両が挙げられる。本実施形態はこのような車両によって構成されている。
図1は、本実施形態を示す概略構成図である。
図中の符号1はブレーキペダル、2はブースタ、3はマスタシリンダ、4はリザーバであり、通常は運転者によるブレーキペダル1の踏込み量に応じて、マスタシリンダ3で昇圧された制動流体圧を各車輪5FL〜5RRの各ホイールシリンダ6FL〜6RRに供給する。また、マスタシリンダ3と各ホイールシリンダ6FL〜6RRとの間には制動流体圧制御部7が介装されており、この制動流体圧制御部7によって、各ホイールシリンダ6FL〜6RRの制動流体圧を個別に制御することも可能となっている。
制動流体圧制御部7は、例えばアンチスキッド制御やトラクション制御に用いられる制動流体圧制御部を利用したものである。制動流体圧制御部7は、単独で各ホイールシリンダ6FL〜6RRの制動流体圧を制御することも可能であるが、後述するコントローラ8から制動流体圧指令値が入力されたときには、その制動流体圧指令値に応じて制動流体圧を制御するようにもなっている。
例えば、制動流体圧制御部7は、液圧供給系にアクチュエータを含んで構成されている。アクチュエータとしては、各ホイールシリンダ液圧を任意の制動液圧に制御可能な比例ソレノイド弁が挙げられる。
また、この車両には、駆動トルクコントロールユニット12が設けられている。駆動トルクコントロールユニット12は、エンジン9の運転状態、自動変速機10の選択変速比及びスロットルバルブ11のスロットル開度を制御することにより、駆動輪である後輪5RL,5RRへの駆動トルクを制御する。駆動トルクコントロールユニット12は、燃料噴射量や点火時期を制御したり、同時にスロットル開度を制御したりすることで、エンジン9の運転状態を制御する。この駆動トルクコントロールユニット12は、制御に使用した駆動トルクTwの値をコントローラ8に出力する。
なお、この駆動トルクコントロールユニット12は、単独で後輪5RL,5RRの駆動トルクを制御することも可能であるが、コントローラ8から駆動トルク指令値が入力されたときには、その駆動トルク指令値に応じて駆動輪トルクを制御するようにもなっている。
また、この車両には、前輪5FL,5FRを転舵制御するための前輪転舵制御ユニット15と、後輪5RL,5RRを転舵制御するための後輪転舵制御ユニット16とが設けられている。この前輪転舵制御ユニット15及び後輪転舵制御ユニット16は、コントローラ8からの転舵指令値に基づいて前輪及び後輪を転舵制御する。
また、この車両には、走行路の路面μを検出する路面μ検出装置23が設けられている。路面μ検出装置23は、例えば特許3166472号に記載されている装置である。この路面μ検出装置23は、検出した路面μをコントローラ8に出力する。
また、この車両には、画像処理機能付きの撮像部13が設けられている。撮像部13は、自車両の車線逸脱傾向検出用として、走行車線内の自車両の位置を検出するために備えられている。例えば、撮像部13は、CCD(Charge Coupled Device)カメラからなる単眼カメラで撮像するように構成されている。この撮像部13は車両前部に設置されている。
撮像部13は、自車両前方の撮像画像から例えば白線等のレーンマーカを検出し、その検出したレーンマーカに基づいて走行車線を検出している。さらに、撮像部13は、その検出した走行車線に基づいて、自車両の走行車線と自車両の前後方向軸とのなす角(ヨー角)φ、走行車線中央からの横変位X及び走行車線曲率β等を算出する。この撮像部13は、算出したこれらヨー角φ、横変位X及び走行車線曲率β等をコントローラ8に出力する。
なお、本発明においては画像処理以外の検出手段でレーンマーカを検出するものであっても良い。例えば、車両前方に取り付けられた複数の赤外線センサによりレーンマーカを検出し、その検出結果に基いて走行車線を検出しても良い。
また、本発明は走行車線を白線に基いて決定する構成に限定されるものではない。すなわち、走行車線を認識させるための白線(レーンマーカ)が走路上にない場合、画像処理や各種センサによって得られる道路形状や周囲環境等の情報から、自車両が走行に適した走路範囲や、運転者が自車両を走行させるべき走路範囲を推測し、走行車線として決定しても良い。例えば、走路上に白線がなく、道路の両側ががけになっている場合には、走路のアスファルト部分を走行車線として決定する。また、ガードレールや縁石等がある場合は、その情報を考慮して走行車線を決定すればよい。
また、この車両には、ナビゲーション装置14が設けられている。ナビゲーション装置14は、自車両に発生する前後加速度Yg或いは横加速度Xg、又は自車両に発生するヨーレイトφ´を検出する。このナビゲーション装置14は、検出した前後加速度Yg、横加速度Xg及びヨーレイトφ´を、道路情報とともに、コントローラ8に出力する。ここで、道路情報としては、車線数や一般道路か高速道路かを示す道路種別情報がある。
また、この車両には、マスタシリンダ3の出力圧、すなわちマスタシリンダ液圧(制動液圧)Pmf,Pmrを検出するマスタシリンダ圧センサ17、アクセルペダルの踏込み量、すなわちアクセル開度θtを検出するアクセル開度センサ18、ステアリングホイール21の操舵角δを検出する操舵角センサ19、方向指示器による方向指示操作を検出する方向指示スイッチ20、及び各車輪5FL〜5RRの回転速度、所謂車輪速度Vwi(i=fl,fr,rl,rr)を検出する車輪速度センサ22FL〜22RRが設けられている。そして、これらセンサ等が検出した検出信号はコントローラ8に出力される。
なお、検出された車両の走行状態データに左右の方向性がある場合には、いずれも左方向を正方向とする。すなわち、ヨーレイトφ´、横加速度Xg及びヨー角φは、左旋回時に正値となり、横変位Xは、走行車線中央から左方にずれているときに正値となる。また、前後加速度Ygは、加速時に正値となり、減速時に負値となる。
次に、コントローラ8で行う演算処理手順について、図2を用いて説明する。この演算処理は、例えば10msec.毎の所定サンプリング時間ΔT毎にタイマ割込によって実行される。なお、この図2に示す処理内には通信処理を設けていないが、演算処理によって得られた情報は随時記憶装置に更新記憶されると共に、必要な情報は随時記憶装置から読出される。
先ずステップS1において、前記各センサやコントローラ、コントロールユニットから各種データを読み込む。具体的には、路面μ検出装置23が得た路面μ、ナビゲーション装置14が得た前後加速度Yg、横加速度Xg、ヨーレイトφ´及び道路情報、各センサが検出した、各車輪速度Vwi、操舵角δ、アクセル開度θt、マスタシリンダ液圧Pmf,Pmr及び方向スイッチ信号、並びに駆動トルクコントロールユニット12からの駆動トルクTw、撮像部13からヨー角φ、横変位X及び走行車線曲率βを読み込む。
続いてステップS2において、車速Vを算出する。具体的には、前記ステップS1で読み込んだ車輪速度Vwiに基づいて、下記(1)式により車速Vを算出する。
前輪駆動の場合
V=(Vwrl+Vwrr)/2
後輪駆動の場合
V=(Vwfl+Vwfr)/2
・・・(1)
ここで、Vwfl,Vwfrは左右前輪それぞれの車輪速度であり、Vwrl,Vwrrは左右後輪それぞれの車輪速度である。すなわち、この(1)式では、従動輪の車輪速の平均値として車速Vを算出している。なお、本実施形態では、後輪駆動の車両であるので、後者の式、すなわち前輪の車輪速度により車速Vを算出する。
また、このように算出した車速Vは好ましくは通常走行時に用いる。すなわち例えば、ABS(Anti-lock Brake System)制御等が作動している場合には、そのABS制御内で推定している推定車体速度を前記車速Vとして用いるようにする。また、ナビゲーション装置14でナビゲーション情報に利用している値を前記車速Vとして用いても良い。
続いてステップS3において、車線逸脱傾向の判定を行う。具体的には、前記ステップS1で得たヨー角φ、走行車線曲率β及び現在の車両の横変位X0、及び前記ステップS2で得た車速Vを用いて、先ず下記(2)式により将来の推定横変位Xsを算出する(図3参照)。
Xs=Tt・V・(φ+Tt・V・β)+X0 ・・・(2)
ここで、Ttは前方注視距離算出用の車頭時間であり、この車頭時間Ttに自車速Vを乗じると前方注視点距離になる。すなわち、車頭時間Tt後の走行車線中央からの横変位推定値が将来の推定横変位Xsとなる。
この(2)式によれば、推定横変位Xsは、例えばヨー角φに着目した場合、ヨー角φが大きくなるほど、大きくなる。
そして、このような推定横変位Xsと所定の逸脱判定用しきい値(横変位限界距離)Xとを比較して、車線逸脱傾向を判定する。ここで、逸脱判定用しきい値Xは、一般的に車両が車線逸脱傾向にあると把握できる値であり、実験等で得る。例えば、逸脱判定用しきい値Xは、走行路の境界線の位置を示す値であり、下記(3)式により算出する(図3参照)。
=(L−H)/2(>0) ・・・(3)
ここで、Lは車線幅であり、Hは車両の幅である。車線幅Lについては、撮像部13が撮像画像を処理することで得ている。また、ナビゲーション装置14から車両の位置を得たり、ナビゲーション装置14の地図データから車線幅Lを得たりしても良い。
ここで、下記(4)式が成立すれば、車線逸脱傾向があると判定して、逸脱判断フラグFoutをONにする(Fout=ON)。
|Xs|≧X ・・・(4)
一方、下記(5)式が成立すれば、車線逸脱傾向がないと判定して、逸脱判断フラグFoutをOFFにする(Fout=OFF)。
|Xs|<X ・・・(5)
また、ここで、横変位Xに基づいて逸脱方向Doutを判定する。具体的には、車線中央から左方向に横変位している場合、その方向を逸脱方向Doutにし(Dout=left)、車線中央から右方向に横変位している場合、その方向を逸脱方向Doutにする(Dout=right)。
以上のようにステップS3において車線逸脱傾向を判定する。
続いてステップS4において、運転者の車線変更の意図を判定する。具体的には、前記ステップS1で得た方向スイッチ信号及び操舵角δに基づいて、次のように運転者の車線変更の意図を判定する。
方向スイッチ信号が示す方向(ウインカ点灯側)と、前記ステップS3で得た逸脱方向Doutが示す方向とが同じである場合、運転者が意識的に車線変更していると判定し、逸脱判断フラグFoutをOFFに変更する(Fout=OFF)。すなわち、車線逸脱傾向なしとの判定結果に変更する。
また、方向スイッチ信号が示す方向(ウインカ点灯側)と、前記ステップS3で得た逸脱方向Doutが示す方向とが異なる場合、逸脱判断フラグFoutを維持し、逸脱判断フラグFoutをONのままにする(Fout=ON)。すなわち、車線逸脱傾向ありとの判定結果を維持する。
また、方向指示スイッチ20が操作されていない場合には、操舵角δに基づいて運転者の車線変更の意図を判定する。すなわち、運転者が逸脱方向に操舵している場合において、その操舵角δとその操舵角の変化量(単位時間当たりの変化量)Δδとの両方が設定値以上のときには、運転者が意識的に車線変更していると判定し、逸脱判断フラグFoutをOFFに変更する(Fout=OFF)。
このように、逸脱判断フラグFoutをONである場合において運転者が意識的に車線変更していないときには、逸脱判断フラグFoutをONに維持している。
続いてステップS5において、前記逸脱判断フラグFoutがONの場合、車線逸脱回避のための警報として、音出力又は表示出力をする。
続いてステップS6において、車線逸脱回避制御として車両に付与する目標ヨーモーメントMsを算出する。
具体的には、前記ステップS3で得た推定横変位Xsと横変位限界距離Xとに基づいて下記(6)式により目標ヨーモーメントMsを算出する。
Ms=K1・K2・(|Xs|−X) ・・・(6)
ここで、K1は車両諸元から決まる定数であり,K2は車速Vに応じて変動するゲインである。図4はそのゲインK2の例を示す。この図4に示すように、例えばゲインK2は、低速域で大きい値になり、車速Vがある値になると、車速Vと反比例の関係となり、その後ある車速Vに達すると小さい値で一定値となる。
また、目標ヨーモーメントMsは、逸脱判断フラグFoutがONの場合に算出され、目標ヨーモーメントMsは、逸脱判断フラグFoutがOFFの場合に0に設定される。この目標ヨーモーメントMsは、車線(所定の基準位置)からの逸脱量が多いほど、大きい値として設定されるようになる。
続いてステップS7において、前記ステップS6で算出したヨーモーメントMsに基づいて各車輪5FL〜5RRを作動させる。
すなわち、前記逸脱判断フラグFoutがONの場合、左右前輪5FL,5FRに制動力差を与えつつ、後輪5RL,5RRを転舵させて、前記ステップS6で算出した目標ヨーモーメントMsを車両に付与する。ここで、左右前輪5FL,5FRの制動力差により車両が旋回挙動を示すことに起因して後輪5RL,5RRに発生する路面との摩擦力を、減少させるように当該後輪5RL,5RRの転舵量を決定している。具体的には、制動力差により発生する車両の旋回挙動の軌跡に対して接線方向に後輪5RL,5RRを向けるようにしている。この理由については後で詳述する。
また、制動制御については、コントローラ8がマスタシリンダ3の出力圧を制御等することで行い、転舵制御については、コントローラ8が転舵指令値により前輪転舵制御ユニット15及び後輪転舵制御ユニット16を制御することで行う。
なお、後輪を転舵させる場合には、例えば特開平7−10026号公報に記載の技術を用いる。この技術では、路面μを考慮して後輪を転舵制御している。
また、前記ステップS5での警報の作動タイミングは、このステップS8での逸脱回避制御の作動タイミングと同時であったり、逸脱回避制御の作動タイミングよりも早いタイミングであったりしても良い。
また、後輪5RL,5RRの転舵角については、車速Vとの関係において、図5に示すように、車速Vが大きいほど、転舵角を小さくする。これは、図6に示すように、転舵角を一定にして、車速Vを大きくしていくと、ヨーレイトφ´が大きくなるといった関係に基づくものである。
以上のような処理により次のような一連の動作となる。
各センサ等から各種データを読み込むとともに(前記ステップS1)、車速Vを算出する(前記ステップS2)。そして、先に読み込んだ各種データに基づいて車線逸脱傾向の判定を行い、車線逸脱傾向があるときには、逸脱判断フラグFoutをONにして、さらに逸脱方向Doutを検出して、車線逸脱傾向がないときには、逸脱判断フラグFoutをOFFにする(前記ステップS3)。
続いて、運転者の車線変更の意図がある場合には、逸脱判断フラグFoutをOFFに変更して、運転者の車線変更の意図がない場合には、逸脱判断フラグFoutをONに維持する(前記ステップS4)。ここで、逸脱判断フラグFoutがONの場合、警報を作動させる(前記ステップS5)。
続いて、車線逸脱回避制御として車両に付与する目標ヨーモーメントMsを算出し(前記ステップS6)、その目標ヨーモーメントMsを車両に付与する(前記ステップS7)。具体的には、車線逸脱傾向がある場合(Fout=ON)、左右前輪に制動力差を与えつつ、同時に後輪を転舵させることで、目標ヨーモーメントMsを車両に付与する。
ここで、図7は、走行車線に対する自車両100の走行状態として、走行車線に対して自車両100のヨー角φがφ1となっている場合の車線逸脱防止制御の状態を示す。
この図7に示すように、ヨー角φがφ1になると、前輪5FL,5FRに制動力差を与えつつ、同時に後輪5RL,5RRを転舵して車両にヨーモーメントを付与し、自車両100の車線逸脱を回避している。
次に本実施形態における効果を説明する。
前述したように、車線逸脱傾向がある場合に、前輪5FL,5FRに制動力差を与えつつ、同時に後輪5RL,5RRを転舵して車両にヨーモーメントを付与し、車線逸脱を回避している。
これにより、制動力差を小さくして車線逸脱回避用のヨーモーメントを車両に付与でき、かつ運転者に違和感を与えてしまうことを防止できる。
ここで、図8は、本発明を適用した車両100のモデルであり、左右前輪5FL,5FRに制動力差を与えるとともに、左右後輪5RL,5RRを転舵している車両100のモデルを示し、図9は、左右前輪5FL,5FRに制動力差のみを与えている車両100のモデルを示し、図10は、左右後輪5RL,5RRを転舵している車両100のモデルを示す。
先ず、図9に示すように、左右前輪5FL,5FRに制動力差のみを与えている場合、車線逸脱回避側の車輪(本例では左前輪5FL)と路面との接地点をほぼ中心として車両が旋回するから、後輪の各輪5RL,5RRは、その中心の円周上を移動するようになる。そして、この移動に起因した摩擦力が、後輪の各輪5RL,5RRと路面との間に発生する。左右前輪5FL,5FRに制動力差のみを与えている場合、このような関係のもとで、車両に所定のヨーモーメントが発生する。図9中、矢印Bは左前輪5FLに発生する制動力を示し、矢印M1は、制動輪(左前輪5FL)の接地点を中心とし、左後輪5RLの接地点を通る円の円周方向に発生するヨーモーメントを示し、矢印M2は、前記摩擦力に起因し、当該ヨーモーメントM1と反対方向に発生するヨーモーメントを示す。
また、図10に示すように、左右後輪5RL,5RRを転舵すると、所定のヨーモーメントが発生する。図10中、矢印M3は、転舵に発生するヨーモーメントを示す。
これに対して、本発明を適用して、図8に示すように、左右前輪5FL,5FRに制動力差を与えるとともに、左右後輪5RL,5RRを転舵することで、図9で説明した場合と同様に、左前輪5FLと路面との接地点をほぼ中心として車両100が旋回するから、後輪の各輪5RL,5RRが、その中心の円周上を移動するようになる。しかし、左右後輪5RL,5RRを、当該各輪5RL,5RRが移動する円周の接線方向に向くように、転舵しているから、後輪の各輪5RL,5RRと路面との間の摩擦力が減少するようになる。これにより、本来の左右前輪5FL,5FRの制動力差により車両100に発生するヨーモーメントと左右後輪5RL,5RRを転舵することにより車両100に発生するヨーモーメントに加えて、前記摩擦力(M2)の減少により実質的に最終的に発生するヨーモーメント(図8中、ヨーモーメントM1)が増加するから、制動力差だけで車両に発生するヨーモーメントと転舵だけで車両に発生させるヨーモーメントとの合算値よりも大きいヨーモーメントが車両100に発生するようになる。言い換えれば、制動力差を与えるとともに転舵すれば、当該制動力差を小さくして、所定のヨーモーメントを車両100に与えることができるようになる。さらに、転舵量を変えることで制動力差によるヨーモーメント付与の割合を変更することもできる。このことにより、走行状態や走行条件に応じて、効率的で且つ違和感のない車線逸脱回避が可能となる。
以上、本発明の実施形態を説明した。しかし、本発明は、前記実施形態として実現されることに限定されるものではない。
すなわち、前記実施形態では、左右前輪に制動力差を与え、左右後輪を転舵する場合を説明した。しかし、これに限定されるものではない。すなわち、制動力を与える車輪以外の車輪を転舵すれば良いのだから、左右後輪に制動力差を与え、左右前輪を転舵しても良い。また、前輪の逸脱回避側の車輪に制動力を与えるとともに、前輪の逸脱側の車輪を転舵しても良い。この場合、例えば、図11に示すように、前輪5FL,5FRが運転者により転舵されて、前輪の逸脱側の車輪である右前輪5FRが、左前輪5FLの接地面を中心とする円周の接線方向に向くようになっていない場合には、図8に示すように、当該接線方向に右前輪5FRが向くように左右前輪5FL,5FRを転舵制御する。これにより、車両の旋回運動に起因して右前輪5FRと接地面との間に発生する摩擦力(図8中、矢印R)を小さくすることができるので、さらに制動力差や転舵量を小さくして、所定のヨーモーメントを車両に与えることができるようになる。
また、左右輪に制動力差を発生させるための制動液圧の上昇速度を路面μに基づいて設定しても良い。例えば、図12に示すように、路面μが大きくなるほど、制動液圧の上昇速度を大きくする。そして、路面μが小さい場合には特に、後輪転舵の転舵速度を大きくする。このように、路面μが小さい場合、制動力差制御の制御量を減少させる一方、転舵制御の制御量を増加させることで、路面μに影響されることなく、所定のヨーモーメントを車両に与えることができる。なお、路面μの検出は、前記路面μ検出装置23により行う。
なお、前記実施形態の説明において、コントローラ8によるステップS3の処理は、走行車線に対する自車両の逸脱傾向を判定する車線逸脱傾向判定手段を実現しており、コントローラ8によるステップS6及びステップS7の処理は、前記車線逸脱傾向判定手段が逸脱傾向にあると判定した場合に、逸脱回避側の車輪に制動力を与えるとともに、同時に当該制動力を与える車輪以外の車輪を転舵して、車両に車線逸脱防止用のヨーモーメントを付与するヨーモーメント付与手段を実現している。
本発明の車線逸脱防止装置を搭載した車両の実施形態を示す概略構成図である。 前記車線逸脱防止装置を構成するコントローラの処理内容を示すフローチャートである。 推定横変位Xsや逸脱判定用しきい値Xの説明に使用した図である。 車速VとゲインK2との関係を示す特性図である。 車速Vと後輪の転舵角との関係を示す特性図である。 車速Vとヨーレイトφ´との関係を示す特性図である。 車線逸脱防止制御を実施した場合の自車両の挙動を示す図である。 本発明を適用し、左右前輪に制動力差を与えるとともに、左右後輪を転舵している車両のモデルを示す。 左右前輪に制動力差のみを与えている車両のモデルである。 左右後輪を転舵している車両のモデルである。 左右前輪が運転者により転舵されている場合の車両のモデルである。 路面μと左右輪に制動力差を発生させるための制動液圧の上昇速度との関係を示す特性図である。
符号の説明
6FL〜6RR ホイールシリンダ
7 制動流体圧制御部
8 コントローラ
9 エンジン
12 駆動トルクコントロールユニット
13 撮像部
14 ナビゲーション装置
15 前輪転舵制御ユニット
16 後輪転舵制御ユニット
17 マスタシリンダ圧センサ
18 アクセル開度センサ
19 操舵角センサ
22 FL〜22RR 車輪速度センサ
23 路面μ検出装置

Claims (7)

  1. 走行車線に対して自車両が逸脱傾向にあると判定した場合に、逸脱回避側の車輪に制動力を与えるとともに、当該車輪に与える制動力により車両が旋回挙動を示すことに起因して、当該制動力を与えた車輪以外の車輪に発生する路面との摩擦力を減少させるように当該車輪を転舵して、車両に車線逸脱防止用のヨーモーメントを付与することを特徴とする車線逸脱防止装置。
  2. 走行車線に対する自車両の逸脱傾向を判定する車線逸脱傾向判定手段と、
    前記車線逸脱傾向判定手段が逸脱傾向にあると判定した場合に、逸脱回避側の車輪に制動力を与えるとともに、同時に当該制動力を与える車輪以外の車輪を転舵して、車両に車線逸脱防止用のヨーモーメントを付与するヨーモーメント付与手段と、
    を備えることを特徴とする車線逸脱防止装置。
  3. 前記制動力の制御量に基づいて、前記転舵の制御量を決定することを特徴とする請求項2記載の車線逸脱防止装置。
  4. 走行路の路面μに基づいて、前記制動力の制御量と前記転舵の制御量の配分を決定することを特徴とする請求項3記載の車線逸脱防止装置。
  5. 走行路が低路面μの場合、前記制動力の制御量を減少させ、かつ前記転舵の制御量を増加させることを特徴とする請求項4記載の車線逸脱防止装置。
  6. 前記車輪に与える制動力により発生する車両の旋回挙動の軌跡に対して接線方向に前記転舵する車輪を向けることを特徴とする請求項2乃至5のいずれか1項に記載の車線逸脱防止装置。
  7. 前記制動力を与える車輪が前輪であり、前記転舵する車輪が後輪であることを特徴とする請求項2乃至6のいずれか1項に記載の車線逸脱防止装置。
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