JP4076700B2 - 食品成形用治具、組合せ菓子、及びそれを用いた成形菓子の製法 - Google Patents
食品成形用治具、組合せ菓子、及びそれを用いた成形菓子の製法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、喫食者が簡便に成形菓子を手作りすることができる食品成形用治具、組合せ菓子、及びそれを用いた成形菓子の製法に関し、更に詳しくは、成形菓子を喫食する際に、食品成形用治具から直接一回で成形菓子を口に入れることができ、かつ、動物等の絵柄を細かく表現でき、成形性、立体性、視覚的変化に優れた成形菓子を簡便に得ることができる食品成形用治具、組合せ菓子、及びそれを用いた成形菓子の製法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、食品成形用治具を使って、花や動物等の形状の塊状の成形菓子を得ることができる組合せ菓子としては、例えば実開平7−28388号公報に記載された組合せ菓子が挙げられる。この組合せ菓子は、枝状の菓子形成部を有する成形用治具を、粉末組成物(α化穀類粉末と発泡成分の一方とを含有)と水溶液(他方の発泡成分を溶解した水溶液)とに交互に接触させる操作を繰り返すことにより、水濡れした成形用治具表面にα化穀類粉末が付着し、上記α化穀類粉末が水分によって粘着性のある餅様菓子に変化し、かつ発泡反応によって上記餅様菓子は発泡膨張するので次第に大きな塊状の餅様菓子を作ることができるというものである。しかしながら、この組合せ菓子の場合、喫食する際に、成形用治具上に形成された花や動物等の形状の餅様菓子を直接口中に入れ喫食するものであるが、成形用治具の形状によっては直接一回で成形菓子全体を喫食しにくく、成形用治具の形状について改良の余地があった。
しかし、直接一回で喫食しやすいように突起部を持たない成形用治具にすると、年少者が喜ぶ花や動物等の絵柄の細かいところまでは成形されにくく、成形性、立体性、視覚的変化を表現しにくい等の問題点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこのような事情に鑑みなされたものであって、その目的とするところは、喫食者が簡便に成形菓子を手作りすることができ、また、食品成形用治具から直接一回で成形菓子を口に入れることができ、かつ、花や動物等の絵柄を細かく表現でき、成形性、立体性、視覚的変化に優れた成形菓子を簡便に得ることができる食品成形用治具、組合せ菓子、及びそれを用いた成形菓子の製法を提供するにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記の目的は、成形菓子を形成するための食品成形用治具であって、該食品成形用治具が、下記(A)及び(B)からなることを特徴とする食品成形用治具によって達成される。
(A)板状物上に賦形用突起部が設けられてなる雄型治具。
(B)上記雄型治具(A)の突起部を挿嵌しうる挿嵌孔を板状物に設けてなる雌型治具。
【0005】
また、上記の目的は、下記(A)及び(B)からなる食品成形用治具と、α化穀類粉末含有粉末とが組合されていることを特徴とする組合せ菓子によって達成される。
(A)板状物上に賦形用突起部が設けられてなる雄型治具。
(B)上記雄型治具(A)の突起部を挿嵌しうる挿嵌孔を板状物に設けてなる雌型治具。
【0006】
また、上記の目的は、下記(A)及び(B)からなる食品成形用治具と、α化穀類粉末含有粉末と、発泡性粉末とが組合されていることを特徴とする組合せ菓子によって達成される。
(A)板状物上に賦形用突起部が設けられてなる雄型治具。
(B)上記雄型治具(A)の突起部を挿嵌しうる挿嵌孔を板状物に設けてなる雌型治具。
また、上記組合せ菓子は、上記(A)及び(B)からなる食品成形用治具を準備し、雄型治具(A)の突起部全体に雌型治具(B)の挿嵌孔を挿入し、成形用治具を一体化した状態で、雄型治具(A)の突起部先端に、水性媒体とα化穀類粉末含有粉末とを交互に接触させ、塊状食品を形成した後、雄型治具(A)から雌型治具(B)を抜脱して成形菓子を調製するための組合せ菓子とすることが好適である。
【0007】
また、上記の目的は、下記(A)及び(B)からなる食品成形用治具を準備し、雄型治具(A)の突起部全体に雌型治具(B)の挿嵌孔を挿入し、成形用治具を一体化した状態で、雄型治具(A)の突起部先端に、水性媒体とα化穀類粉末含有粉末とを交互に接触させ、塊状食品を形成した後、雄型治具(A)から雌型治具(B)を抜脱して成形菓子を形成することを特徴とする成形菓子の製法によって達成される。
(A)板状物上に賦形用突起部が設けられてなる雄型治具。
(B)上記雄型治具(A)の突起部を挿嵌しうる挿嵌孔を板状物に設けてなる雌型治具。
【0008】
すなわち、本発明者らは、食品成形用治具を用いた成形菓子について、花や動物等の絵柄を細かく表現でき、成形性、立体性、視覚的変化に優れていながら、食品成形用治具上に形成された成形菓子を直接一回でスムーズに口中に入れ、喫食することができる食品成形用治具について検討を行った。そして、食品成形用治具を、花や動物等の絵柄に表現しうる突起部を有する雄型治具と、この突起部に挿嵌一体化しうる雌型治具とし、両者を一体化した状態で雄型治具の突起部先端に塊状食品を形成してから、雌型治具を抜き取ると、雌型治具上に、所定絵柄の成形菓子が得られることを見出した。また、この食品成形用治具を用いて、簡便に成形菓子を得るための成形菓子原料として、α化穀類粉末含有粉末を用いると好適であること、更には、成形菓子により立体性を付与するために、発泡性粉末を用いると好適であることを見出し、本発明に到達した。
【0009】
【発明の実施の形態】
次に本発明を詳しく説明する。
本発明の食品成形用治具は、雄型治具(A)と雌型治具(B)とからなるものである。
雄型治具(A)は、板状物上に花や動物等の絵柄を細かく表現するための賦形用突起部が設けられており、雌型治具を挿嵌可能な形状となっている。
また、雌型治具(B)は、雄型治具の突起部を挿嵌しうる挿嵌孔を板状物に設けてなり、雄型治具に挿嵌可能な形状となっている。
【0010】
次に、上記食品成形用治具の具体的な態様の一例を図面に基づき説明する。図1において1は雄型治具、2は雌型治具である。
まず、雄型治具1は、図1(A)に示すように、把持部1aと菓子形成部1bとからなり、菓子形成部1bは、賦形用突起部1cと基底部1dとからなる。
【0011】
把持部1aは、成形菓子を作る際に、治具を手に持つための部位である。その形状は、手に持ちやすい形状であればよく、棒状等の任意形状にすればよい。あるいは、把持部1aは必ずしも設ける必要はなく、例えば、賦形用突起部1cの形成されている板状物の基底部1dの周縁部1d’を把持するようにしてもよい。
【0012】
菓子形成部1bは、成形菓子を形成させるための部位であり、板状物に賦形用突起部1cが設けられている。
板状物の形状としては、例えば、平板状及び曲板状等が挙げられる。
【0013】
また、上記賦形用突起部1cは、成形菓子を形成する際に、最終成形菓子が動物等の所定の形状になるように配列されている。その突起部の数は、特に限定するものではなく、所定の形状によって適宜設定すればよい。
また、賦形用突起部1cは所定の形状通りに連続的に形成されていてもよく、また、断続的に不連続に形成されていてもよい。特に、断続的に不連続に形成されていると、成形菓子の形成途中では不連続の塊状菓子であるが、最終成形菓子の段階で隣接する塊状菓子同士が付着し、一体化した成形菓子が得られるという、視覚的変化をより得られる点で好ましい。
なお、賦形用突起部1cの先端には数ヶ所のくぼみを設けたり、突起部先端表面部を粗く加工したりする等の処理をして、後述する成形菓子用食品材料の付着性を良くすると更に好適である。
【0014】
次に、雌型治具2は、図1(B)に示すように、板状物の治具であり、把持部2aと喫食時の菓子載置部2bとからなる。そして、雌型治具2は、雄型治具1上に挿嵌可能な挿嵌孔2cを有し、図1(C)に示すように、雄型治具1上に挿嵌すると、図1(D)に示すように一体化して食品成形用治具3となる。
【0015】
雌型治具2の把持部2aは、雄型治具と一体化して食品成形用治具3としたときに、違和感なく把持でき、成形菓子の成形操作を行いうるようになっていることが好適である。更に、上述の雄型治具の把持部1aと略同一形状となっていることが、より違和感なく把持できる点で好適である。
なお、雌型治具の把持部2aは、雄型治具1の把持部1aと同様に、必ずしも設ける必要はなく、例えば菓子載置部2bの周縁部2b’を把持するようにしてもよい。
【0016】
また、菓子載置部2bには、雄型治具1の賦形用突起部1cを挿嵌しうる形状の挿嵌孔2cが形成され、雄型治具からの抜脱が自在に行いうるようになっている。特に、挿嵌孔が、雄型治具の賦形用突起部断面(突起方向に対して垂直方向の断面)と略同一形状であることが、雄型治具の抜脱性及び成形菓子の成形性の点で好適である。
【0017】
また、食品成形用治具の材質は、特に限定されるものではなく、塩化ビニル等のプラスチックやポリプロピレン、スチロール等の合成樹脂等が挙げられる。
【0018】
次に、本発明の組合せ菓子は、上記食品成形用治具とα化穀類粉末含有粉末とが組合されているものである。
【0019】
まず、本発明の組合せ菓子に用いるα化穀類粉末含有粉末は、α化穀類粉末を主原料とする。
α化穀類粉末としては、例えば、とうもろこし澱粉、タピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉、ワキシーコーンスターチ、粳米粉等及びこれらの化工澱粉のα化物等が挙げられ、これらの中から適宜選択し単独もしくは複数組み合わせて用いればよい。この中でも、成形菓子の成形性、食感及び風味の点で馬鈴薯澱粉が好適に用いられる。
【0020】
また、α化穀類粉末のα化の方法は、特に限定されないが、ホットローラーによりα化乾燥後、粉砕するホットロール製法が好ましい。すなわち、このホットロール製法によって得られたα化穀類粉末は、形成した成形菓子の食感、成形性の点で好適になる傾向にある。
【0021】
また、α化穀類粉末は、好ましくはα化穀類粉末含有粉末の全体重量中20〜95重量%に設定されることが、成形菓子の成形適性上好ましい。
【0022】
また、このα化穀類粉末は、その粒度を60〜250メッシュの範囲にすることが望ましい。これは粒度分布により60〜250メッシュの粒子が60%以上含まれていることが望ましいという趣旨である。すなわち、粒度が上記範囲より大きい場合、成形菓子の成長は速いが、成形化したα化穀類粉末粒子の結着が弱いため、得られた成形菓子の粘弾強度は不十分で成形菓子の形成過程で形状を保持しにくい傾向にある。
逆に、粒度が上記範囲よりも細かい場合、粉末粒子の吸水性が良すぎるため、粉末表面のみが過剰な水を含んだ非常にうすい膜を形成し、α化穀類粉末内部まで均一に水が浸透しないので、成形菓子中に粉末の部分が残り易く、喫食の際に粉のざらつきを感じる傾向にある。また、成形菓子の成長速度が遅くなる傾向にある。
【0023】
次に、本発明のα化穀類粉末含有粉末中には、α化穀類粉末の他に、副原料として糖質甘味料、色素、調味料、香料、乳化剤、安定剤、増粘剤、酸成分、アルカリ成分等を適宜選択して、単独もしくは複数組み合わせて添加してもよい。
例えば、糖質甘味料としては、砂糖、高甘味度甘味料、乳糖、ブドウ糖、オリゴ糖、果糖、麦芽糖、粉末水飴等の粉末状の糖質甘味料の他、澱粉糖化物等の液糖が挙げられる。この中でも、特に糖質甘味料をα化穀類粉末含有粉末の全体重量中70重量%以下に設定することが、成形菓子を保持する点で好適である。
【0024】
また、本発明の組合せ菓子には、発泡性粉末を組合せると更に好適である。
発泡性粉末は、酸成分とアルカリ成分とを含有してなる。
酸成分としては、クエン酸、リンゴ酸、フマール酸、乳酸、酢酸、酒石酸等の有機酸類や、これらを主体とする醸造酢、梅酢、果実酢、果汁などの粉体物、顆粒物等が挙げられ、これらの中から適宜選択し単独もしくは複数組合せて用いれば良い。また、アルカリ成分としては、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の炭酸化合物等が挙げられる。また、酸成分とアルカリ成分の配合量は適宜設定すればよいが、両者の重量比率を0.5:2〜2:0.5とすることが好ましい。
この中でも、特に成形菓子の風味及び発泡性の良い点で、酸成分としてクエン酸、酒石酸、また、アルカリ成分として炭酸水素ナトリウムは好適に用いられる。
【0025】
また、上記発泡性粉末には、糖類、香料、色素、安定剤、調味料等を目的に応じて適宜添加するようにしてもよい。
【0026】
あるいは、発泡性粉末とは別に、上記糖類、色素、安定剤、調味料等を混合物として別途添付するようにしてもよい。別途添付する場合の上記混合物の形態は、粉末状、顆粒状や液体状等が挙げられる。
【0027】
本発明の組合せ菓子に、発泡性粉末を組合せる際に、発泡性粉末をα化穀類粉末含有粉末に添加した場合には、成形菓子が発泡しながら成形されるので、体積が膨張しながら成形されるという視覚的変化を楽しむことができ、また、発泡感のある特有の食感、風味を楽しむことができ、更に、離型性も良好となる。
あるいは、発泡性粉末を別包装して、別途成形菓子の成形過程で添加した場合、発泡性粉末が成形菓子の表面にまぶされて成形菓子の水分によって発泡し、泡雪状のコーティングがなされ、成形菓子に立体性が付与されて、外観、風味ともに変化をもたせることができる。
【0028】
本発明の組合せ菓子の製品化は、例えば次のようにして行われる。
まず、上述したようなα化穀類粉末含有粉末を包装したものと、必要に応じて発泡性粉末とを組合せ、雄型治具(A)と、雌型治具(B)とからなる食品成形用治具を添付して必要に応じ、更にこれらを1つの包装体に密封し、組合せ菓子製品とすればよい。
なお、発泡性粉末を組合せる際は、α化穀類粉末含有粉末と同一包装でも、別包装でもよい。
【0029】
このとき、α化穀類粉末含有粉末や発泡性粉末の包装は、例えば、ポリエチレン等の軟質なプラスチック袋等に包装すればよい。また、その包装形態は、袋体、筒状体、箱状体等が挙げられる。また、その材質もプラスチックに限定するものではなく紙等でもよく、あるいは金属等の各種材質の中から適宜選択し単独もしくは複数組み合わせて用いればよい。
【0030】
次に、本発明の成形菓子の製法は、雄型治具(A)の突起部全体に雌型治具(B)の挿嵌孔を挿入し、成形用治具を一体化した状態で、雄型治具(A)の突起部先端に、水性媒体とα化穀物粉末含有粉末とを交互に接触させ、塊状食品を形成した後、雄型治具(A)から雌型治具(B)を抜脱することにより成形菓子を製造する。
【0031】
また、本発明に係る成形菓子は、α化穀類粉末含有粉末が配合されているものであればよく、例えば餅様状成形菓子、ゼリー状成形菓子等が挙げられる。
【0032】
本発明の組合せ菓子を用いて、例えば、ゼリー状成形菓子は次のようにして製造される。
まず、水性媒体を準備する。水性媒体は、例えば、水、牛乳、果汁入り飲料、水溶性エキス等が挙げられ、これらの中から適宜選択し、単独もしくは複数組み合わせて用いれば良い。この中でも、特に手軽に使用でき、かつα化穀類粉末含有粉末と早く反応し、成形菓子が素早く得られる点で水が好適に用いられる。
なお、水性媒体は容器詰め等を行い、上記組合せ菓子とセットにして製品化するようにしてもよい。
【0033】
次に、上述したように図1(D)に示すような食品成形用治具3を準備する。次いで、図2に示す順序でゼリー状成形菓子を作る。図2において、4はα化穀類粉末含有粉末、5は水性媒体、6は発泡性粉末、7はこれらを収容するためのトレイである。トレイ7には収容部7a、7b、7cが設けられており、各々α化穀類粉末含有粉末4、水性媒体5、発泡性粉末6を所定量収容しうる凹状に成形されている。
【0034】
まず、図2(A)に示すように、所定量のα化穀類粉末含有粉末4を収容部7aに振り入れて、表面が略均一な粉末層を形成させる。次いで、トレイ7bには所定量の水性媒体5を、トレイ7cには発泡性粉末6を振り入れる。なお、収容部7a、7b、7cへの添加順序は特に設定するものではない。また、発泡性粉末6を用いない場合は収容部7cは不要である。また、7a、7b、7cについても特に限定するものではなく、トレイ7の適宜の位置に任意形状に設ければよい。あるいは、トレイを用いず茶碗、皿等の家庭にある容器等で代用したり、収容部7a、7b、7cを各々別個にしてもよい。
【0035】
次に、図2(B)に示すように、食品成形用治具3の雄型治具1の賦形用突起部1cの先端を、収容部7bの水性媒体5につけ、水分を付着させてから、収容部7a中のα化穀類粉末含有粉末4に接触させる。この時、食品成形用治具3の雄型治具1の賦形用突起部1c先端には、微小なゼリー状菓子が形成される。更に、この微小なゼリー状菓子が形成された食品成形用治具3をトレイ7b中の水性媒体5に付着させた後、収容部7aのα化穀類粉末含有粉末4に接触させる動作を3回〜5回繰り返すと、図2(C)−1及び(C)−2に示すように賦形用突起部1c先端にゼリー状菓子が徐々に大きく形成されていく。なお、図2(C)−2は、図2(C)−1の断面図である。
なお、賦形用突起部1cが不連続の場合は、初めは不連続状態だった小塊ゼリー状菓子が成長するにつれて付着一体化し、所定の絵柄形状のゼリー状成形菓子8となる。
【0036】
このようにして喫食者はゼリー状成形菓子を手作りする際、ゼリー状成形菓子が成長するにつれて、雄型治具の賦形用突起部先端に形成された花や動物等の絵柄を認識できる、あるいは、賦形用突起部1cが不連続の場合には、当初は絵柄の見当がつかないがゼリー状成形菓子が成長するにつれて、その形状が認識できるという、視覚的変化を楽しんだ後、図2(D)に示すように、雄型治具1と雌型治具2とを分離することにより、雌型治具2の挿嵌孔2cに沿って連続一体化したゼリー状成形菓子8を載置することができ、口中に入れて1回で喫食することができる。
また、ゼリー状成形菓子8に発泡性粉末6をつけると、ゼリー状成形菓子8により一層立体性が付与され外観的にも優れ、また、口中で発泡感のある食感、風味が加わり好適である。
【0037】
更に、上記のようにして得られたゼリー状成形菓子に、トッピングをするようにしてもよい。トッピング材料としては、きなこ、粉末ジュース、抹茶等の粉末、顆粒状物や、チョコレートソース、ジャム、シロップ等の液状物等が挙げられる。これらは単独でも数種組み合わせて用いるようにしてもよい。
【0038】
また、本発明の成形用治具において、雄型治具及び雌型治具は予め完成させたものでもよく、あるいは上記雄型治具の複数の賦形用突起部、雄型治具及び雌型治具の把持部等のパーツを別別にしてトレイ等に収納しておき、喫食時に組み立てるようにしてもよい。
【0039】
【発明の効果】
以上のように、本発明の食品成形用治具を用いた成形菓子は、花や動物等の絵柄を細かく表現でき、成形性、立体性、視覚的変化に優れていながら、食品成形用治具上に形成された成形菓子を直接一回でスムーズに口中に入れ喫食することができるものである。すなわち、単に、成形菓子の風味、食感を楽しむだけでなく、喫食者自身が食品成形用治具を用いて、所定の操作をするだけで、花や動物等の絵柄を明確に表現できる所望形状の成形菓子を簡便に手作りできる食品成形用治具である。
また、雄型治具に形成された突起部が不連続に設けられている場合、不連続の突起部からは予想できない絵柄の成形菓子を作ることができ、年少者の興味を引き付ける創造性に富んだ成形菓子が得られる食品成形用治具である。
また、この食品成形用治具とα化穀類粉末含有粉末とを組合せることにより、成形菓子を家庭で簡単に手作りできる組合せ菓子である。
また、上記組合せ菓子に発泡性粉末を組合せることにより、更に好適に視覚的変化、及び外観が得られる組合せ菓子である。
また、この食品成形用治具を、α化穀類粉末含有粉末と水性媒体とに交互に接触させた後、雌型治具を抜脱すれば、そのまま一口で口に運べる成形菓子が得られる製法である。
【0040】
以下、本発明を実施例に基づき具体的に説明する。
【0041】
〈実施例1〜7〉
《組合せ菓子の調製》
実施例1〜7は、表1に示す組成のα化穀類粉末含有粉末10.0gと、発泡性粉末4.0gとを別々のプラスチック袋に充填密封し、図1及び2に示す雄型治具(A)及び雌型治具(B)とからなる食品成形用治具、トレイとを添付し、組合せ菓子とした。
なお、表1中のα化穀類粉末である馬鈴薯澱粉及びタピオカ澱粉は、ホットローラーによりα化乾燥後、粉砕することにより調製した。
《ゼリー状成形菓子の調製》
水を準備し、α化穀類粉末含有粉末、水、発泡性粉末をそれぞれトレイに振り入れた。次いで、雄型治具(A)に雌型治具(B)を挿嵌し、一体化させ食品成形用治具とした。そして、雄型治具の賦形用突起物の先端に水とα化穀類粉末含有粉末とを交互に3回接触させ、花の形のゼリー状成形菓子を形成した。そして、雄型治具(A)から雌型治具(B)を抜脱すると、雌型治具(B)の挿嵌孔2cに沿って連続一体化した花形状のゼリー状成形菓子が分離載置され、そのまま口に運んで喫食した。
【0042】
<比較例1>
実施例1と同様に食品成形用治具を用いて、水とα化穀類粉末含有粉末とを交互に接触させ、ゼリー状成形菓子を形成したが、食品成形用治具は図3に示すような平面環状の治具を用いた。
【0043】
実施例1〜7及び比較例1について喫食のしやすさ、成形性、立体性、視覚的変化を専門パネラー20名にて評価した。その結果を表1に示す。
【0044】
【表1】
【0045】
表1の結果から明らかなように、実施例のゼリー状成形菓子は成形性、立体性、視覚的変化に優れており、成形用治具から直接一回でスムーズに成形菓子を喫食できるものであった。これに対し、比較例1は平面環状の治具を用いたので、実施例に比べて成形性、立体性、視覚的変化にも乏しいものであった。また、ゼリー状成形菓子を数回に分けて喫食しなければならず、実施例に比べて喫食しにくいものであった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の食品成形用治具の一例を示す説明図。
【図2】本発明の成形菓子の製法の一例を示す説明図。
【図3】従来の食品成形用治具の一例を示す説明図。
【符号の説明】
1 雄型治具
1a 把持部
1b 菓子形成部
1c 賦形用突起部
1d 基底部
1d’基底部の周縁部
2 雌型治具
2a 把持部
2b 菓子載置部
2b’菓子載置部の周縁部
2c 挿嵌孔
3 食品成形用治具
1 α化穀類粉末含有粉末
2 水性媒体
3 発泡性粉末
4 トレイ
7a 収容部
7b 収容部
7c 収容部
8 成形菓子(ゼリー状成形菓子)
1 平面環状治具
Claims (5)
- 成形菓子を形成するための食品成形用治具であって、該食品成形用治具が、下記(A)及び(B)からなることを特徴とする食品成形用治具。
(A)板状物上に賦形用突起部が設けられてなる雄型治具。
(B)上記雄型治具(A)の突起部を挿嵌しうる挿嵌孔を板状物に設けてなる雌型治具。 - 下記(A)及び(B)からなる食品成形用治具と、α化穀類粉末含有粉末とが組合されていることを特徴とする組合せ菓子。
(A)板状物上に賦形用突起部が設けられてなる雄型治具。
(B)上記雄型治具(A)の突起部を挿嵌しうる挿嵌孔を板状物に設けてなる雌型治具。 - 下記(A)及び(B)からなる食品成形用治具と、α化穀類粉末含有粉末と、発泡性粉末とが組合されていることを特徴とする組合せ菓子。
(A)板状物上に賦形用突起部が設けられてなる雄型治具。
(B)上記雄型治具(A)の突起部を挿嵌しうる挿嵌孔を板状物に設けてなる雌型治具。 - 下記(A)及び(B)からなる食品成形用治具を準備し、雄型治具(A)の突起部全体に雌型治具(B)の挿嵌孔を挿入し、成形用治具を一体化した状態で、雄型治具(A)の突起部先端に、水性媒体とα化穀類粉末含有粉末とを交互に接触させ、塊状食品を形成した後、雄型治具(A)から雌型治具(B)を抜脱して成形菓子を形成することを特徴とする成形菓子の製法。
(A)板状物上に賦形用突起部が設けられてなる雄型治具。
(B)上記雄型治具(A)の突起部を挿嵌しうる挿嵌孔を板状物に設けてなる雌型治具。 - 下記(A)及び(B)からなる食品成形用治具を準備し、雄型治具(A)の突起部全体に雌型治具(B)の挿嵌孔を挿入し、成形用治具を一体化した状態で、雄型治具(A)の突起部先端に、水性媒体とα化穀類粉末含有粉末とを交互に接触させ、塊状食品を形成した後、雄型治具(A)から雌型治具(B)を抜脱して成形菓子を調製するための請求項2又は3記載の組合せ菓子。
(A)板状物上に賦形用突起部が設けられてなる雄型治具。
(B)上記雄型治具(A)の突起部を挿嵌しうる挿嵌孔を板状物に設けてなる雌型治具。
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